JP2005206830A - ポリカーボネート樹脂成型物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 黄色の補色である青色蛍光を発する蛍光増白剤を含有することで405nmより長波長側、特に380nmより長波長である410nmまでをカットしても黄色味が無く透明感の高く、かつ強い紫外線下でも劣化しないポリカーボネート樹脂成型物、照明カバーおよびレンズを提供すること。
【解決手段】
410nm以下の光透過率が0.1%以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物であって、紫外線吸収剤または蛍光増白剤と、ヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールとを含有するポリカーボネート樹脂組成物を含んでなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物。
【選択図】なし

Description

本発明は人体に有害かつ飛来昆虫を誘引する原因となるHIDランプ(High Intensity
Discharge Lamps:金属蒸気中の放電によって発光するメタルハライドランプ(メタハラ)、高圧ナトリウムランプ、水銀ランプの総称で、高輝度放電ランプ(高輝度放電灯)とも呼ばれる)等の照明器具から発生する紫外線をカットするポリカーボネート樹脂成型物、および前記ポリカーボネート樹脂成型物を含んでなる照明カバー、レンズに関する。
人体に有害な太陽光からの紫外線、飛来昆虫を誘引する原因となる蛍光灯,白熱灯,ハロゲン電球等の照明器具から発生する紫外線を遮蔽する目的で紫外線吸収剤を含む窓貼り用フィルム、ランプカバーなどが上市されている。しかし黄色味を押さえるためにその吸収端が380nmより短波であったり長波長な410nmまで吸収することはできるが黄色味が強かったり黄色味を押さえるために色調調整用の染顔料を添加することで対応しているが可視域の光線透過率を犠牲にする短所がある。更に紫外線吸収剤と共に蛍光増白剤を配合して紫外線照射による黄変度を抑えた耐候性、白色性、接着性に優れた白色積層ポリエステルフィルム(特許文献1および2参照)が提案されているが、同様の短所は解消していない。また、蛍光灯紫外線カット用カバーとして蛍光増白剤を含有する透明樹脂よりなる組成物が提案されている(特許文献3参照)が蛍光灯の数十倍の紫外線放射強度をもつ水銀灯に代表されるHIDランプに耐える紫外線カットランプカバーは知られていない。
特開平11−291432号公報 特開平11−268214号公報 特公平6−3682号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解消するために、黄色の補色である青色蛍光を発する蛍光増白剤を含有することで405nmより長波長側、特に380nmより長波長である410nmまでをカットしても黄色味が無く透明感の高く、かつ強い紫外線下でも劣化しない樹脂成型物、照明カバーおよびレンズを提供することを目的とする。
本発明者らは目的を達成するために鋭意検討した結果、紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を含んでなるポリカーボネート樹脂成型物が上記課題を解決することを見出し、本発明を成すに至った。すなわち本発明によれば、下記構成の樹脂成型物、照明カバー、レンズが提供され、本発明の上記課題が達成される。
(1) 410nm以下の光透過率が0.1%以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物であって、紫外線吸収剤または蛍光増白剤と、ヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールとを含有するポリカーボネート樹脂組成物を含んでなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物。
(2) 樹脂組成物が、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を含有することを特徴とする(1)に記載のポリカーボネート樹脂成型物。
(3) 樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し(a)紫外線吸収剤0.01〜30質量部および/または(b)蛍光増白剤0.01〜30質量部、(c)ヒンダードアミン0.01〜30質量部、(d)ヒンダードフェノール0.01〜30質量部を含むことを特徴とする(1)または(2)記載のポリカーボネート樹脂成型物。
(4) 外側に保護層を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
(5) 保護層がアクリルコートであることを特徴とする(4)に記載のポリカーボネート樹脂成型物。
(6) 保護層が耐光性向上を目的としたものであることを特徴とする(4)又は(5)に記載のポリカーボネート樹脂成型物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物を含んでなることを特徴とする照明カバー。
(8) 照明がHID(High Intensity Discharge)ランプであることを特徴とする(7)に記載の照明カバー。
(9) 照明が車両用灯具であることを特徴とする(7)または(8)に記載の照明カバー。
(10) (1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物を含んでなることを特徴とするレンズ。
(11) 照明が車両用灯具であることを特徴とする(10)に記載のレンズ。
(12) 蛍光増白剤が下記一般式(I)で表される(1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
一般式(I)
Figure 2005206830
(式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R2およびR3はアルキル基を表す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。)
(13) 蛍光増白剤が下記一般式(II)で表される(1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
一般式(II)
Figure 2005206830
(式中、R5、R6、R7およびR8はアルキル基を表す。nは1または2の整数を表す。)
(14) 紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤、並びにヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を押し出し成型する工程、および押し出し成型後にブロー成型を施す工程を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物の製造方法。
(15) 紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤、並びにヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を射出成型する工程を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物の製造方法。
本発明のポリカーボネート樹脂成型物は強い紫外線下でも劣化しない樹脂成型物、照明カバーおよびレンズを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書では、樹脂とは樹脂単体を、樹脂組成物とは樹脂と添加剤との混合物を、樹脂成型物とは樹脂組成物を成型したものを指すこととする。
一般に、蛍光増白剤は約320〜約410nmの波長の光を吸収して、約410〜約500nmの波長の光を放射する性質を有する化合物より成る。これらの蛍光増白剤で染められた織物は本来の黄色い反射光のほかに、新たに蛍光増白剤により発光される約410〜約500nmの波長の青色光が付加されるため反射光は白色になり、かつ、蛍光効果による分だけ可視光のエネルギーが増加するため、結果として増白されたことになる。これらを樹脂に練り込むことで蛍光灯程度の紫外線放射強度には耐えるが、蛍光灯の数十倍の紫外線放射強度を有するHIDランプに耐えるには光安定剤を添加する必要が有る。鋭意検討の結果、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールを組み合わせることで紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤の耐光性が向上する事を見出したが、以下本発明に用いられる樹脂、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、およびヒンダードフェノール等について説明する。
樹脂としては市販の芳香族又は脂肪族ポリウレタン,芳香族又は脂肪族ポリエステル,芳香族又は脂肪族ポリアミド,芳香族又は脂肪族ポリウレア,芳香族又は脂肪族ポリカーボネートおよびこれらの共重合体が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート系である。
蛍光増白剤は、市販されているものあるいは新規物質の中から耐光性などに基づいて任意に選択することができる。
市販されている蛍光増白剤の具体例としては、下記構造式1〜16で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005206830
Figure 2005206830
Figure 2005206830
Figure 2005206830
市販されてはいないが、下記一般式(I)で表される化合物も蛍光増白剤として好ましい。
一般式(I)
Figure 2005206830
式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R2およびR3はアルキル基を表す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。
1およびR4は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表すが、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のアルコキシ基を表す。具体的には、R1およびR4は、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチル、イソプロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシル等のアルキル基;またはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、t−ブトキシもしくはシクロヘキシルオキシ等のアルコキシ基;を表す。R1およびR4は、好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
2およびR3はアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基を表す。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチル、n−ヘキサデカニル(セチル)、イソプロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロペンチルもしくはシクロヘキシル等のアルキル基を表す。 好ましくは、R2はメチル、イソプロピル、t−ブチルまたはシクロヘキシル基であり、R3はメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルまたは2−エチルヘキシル基である。特に好ましくは、R2はt−ブチルまたはシクロヘキシル基であり、R3はメチル、n−ブチル、n−オクチルまたは2−エチルヘキシル基である。
[A]は置換アリール基または置換エテニル基を表すが、好ましくは、炭素数6〜40の置換アリール基または炭素数8〜40の置換エテニル基を表す。より好ましくは以下に示す置換アリールまたはエテニル基を表す。
Figure 2005206830
Figure 2005206830
式中、R1'およびR4'は、前記のR1およびR4と同義の基であり、好ましい範囲も同様である。R2'は前記R2と、およびR3'は前記R3と同義の基であり、それぞれ好ましい範囲も同様である。mは1〜5のいずれかの整数を表す。X、YおよびZは各々独立して、アルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アミノまたは水酸基を表す。
アミノおよび水酸基以外のXおよびYを詳しく述べれば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルまたはシクロヘキシル等のアルキル基;フェニル、トリルまたはナフチル等のアリール基;メトキシ、エトキシまたはイソプロポキシ等のアルコキシ基;メチルアミノ、エチルアミノ、オクチルアミノ、ジメチルアミノまたはN−メチル−N−エチルアミノ等のアルキルアミノ基;アニリノ、4−トリルアミノまたはN−メチルアニリノ等のアリールアミノ基;である。XおよびYは好ましくはアリール、アルコキシまたはアニリノ基である。
前記一般式(I)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(II)
Figure 2005206830
式中、R5およびR7は前記R2と同義の基であり、R6およびR8は前記R3と同義の基であり、好ましい範囲も同様である。nは1または2の整数を表す。これらの化合物は特開平11−29556号公報記載の方法で合成することができる。
以下、前記一般式(I)および(II)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。
Figure 2005206830
Figure 2005206830
Figure 2005206830
Figure 2005206830
以上は有機材料の例について説明したが、これらに限らず無機材料も用いることができる。これらの蛍光増白剤は1種または2種以上を併用することができる。それらに対する添加量は樹脂成型物の厚さ、蛍光増白剤の性質、紫外線吸収剤の有無、性質、添加量によ
って変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。一般的には厚さ1mmの樹脂成型物であれば0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜15質量%で十分である。その添加量(質量%)と、添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。特に好ましい添加量は0.1〜10質量%である。
本発明では蛍光増白剤を樹脂組成物に配合することで目的を達成することができるが、蛍光増白剤の耐光性に不安がある場合、蛍光増白剤のみでは短波長域が十分にカットしきれない場合には紫外線吸収剤を併用することが望ましい。一般に紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱に変換する性質を有する化合物である。それらは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系に大別されるが、周知のものから任意に選択することができる。ベンゾトリアゾール系の有効吸収波長は約270〜380nmで、代表例としては2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系の有効吸収波長は約270〜380nmで、代表例としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等を挙げることができる。
サリチル酸系の有効吸収波長は約290〜330nmで、代表例としてはフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどを挙げることができる。
シアノアクリレート系の有効吸収波長は約270〜350nmで、代表例としては2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
これらの紫外線吸収剤は1種または2種以上を併用することができる。好適な添加量は樹脂成型物の厚さ、蛍光増白剤の性質等によって変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。一般的には、厚さ1mmの樹脂成型物であれば0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜15質量%で十分である。その添加量(質量%)と、添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。特に好ましい添加量は0.1〜10質量%である。上記成分を樹脂組成物に添加混合する方法は任意である。
本発明において使用されるヒンダードアミンは、市販品から選ばれる化合物で十分に効果を発揮する。代表例としては、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、またはコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
これらのヒンダードアミンは1種または2種以上を併用することができる。好適な添加量は樹脂成型物の厚さ、蛍光増白剤の性質等によって変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。 一般的には、厚さ1mmの樹脂成型物であれば0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜15質量%で十分である。その添加量(質量%)と、添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。特に好ましい添加量は0.1〜10質量%である。上記成分を樹脂組成物に添加混合する方法は任意である。
本発明において使用されるヒンダードフェノールは、市販品から選ばれる化合物で十分に効果を発揮する。代表例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1、6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2、2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、またはN,N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミドなどが挙げられる。
これらのヒンダードフェノールは1種または2種以上を併用することができる。好適な添加量は樹脂成型物の厚さ、蛍光増白剤の性質等によって変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。一般的には、厚さ1mmの樹脂成型物であれば0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜15質量%で十分である。その添加量(質量%)と、添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。特に好ましい添加量は0.1〜10質量%である。上記成分を樹脂組成物に添加混合する方法は任意である。
本発明の保護層について説明する。保護層の種類は特に限定はしないが、アクリルコートが好ましい。
さらには、保護層は耐光性向上を目的としたものであることが好ましい。例えば特公昭47−019119、特公昭44−029756に記載の方法で表面をアクリルなど耐光性の高い樹脂で被覆しても良い。
また、層構成については特に限定はしないが、ポリカーボネート樹脂成型物の外側が好ましい。例えば、照明カバーの場合、照明カバーの最外層が好ましい。
以下に実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
三菱エンジニアリングプラスチック社製ポリカーボネート7030PJに対し例示化合物(I−1)、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールをそれぞれ0.21質量%、更に下記に示す添加剤LA−77とIrganox1035を各々0.21質量%加え、試料1を調製した。次に添加剤量だけを各々0.42%に変えて試料2を調製した。さらに試料1の添加剤を抜くか、その添加剤を表1に示した添加剤に替えて比較試料1〜7を作製した。
これらの試料を50mm単軸押出し機内温280℃にて溶融混連してペレットを得た。 得られたペレットを射出成型機にかけ、20mm×50mm、厚み1mmの試験片を得た。試料1から得られた試験片を本発明の試料板1、試料2から得られた試験片を本発明の試料板2とし、比較試料から得られた試験片を比較試料板1〜7とした。
これらの試料板を紫外線放射強度4.6MW/cm2、可視光照度17万ルクスのキセノン退色試験機にて21日間暴露試験を行った。表1に410nmの吸光度変化および黄色変化の目視評価結果を記載した。本発明の試料板は410nmの吸光度変化が小さく、比較試料板と比べてほとんど黄変を目視では観測できなかった。
Figure 2005206830
Figure 2005206830
実施例2
実施例1で作製した本発明の試料板1に特公昭44−29756に記載の表面アクリルコート処理を施したものを本発明の試料板3とした。また何も添加していないポリカーボネート板を比較試料板8、実施例1で作製した比較試料板1にと前記と同じ表面アクリルコート処理したものを比較試料板9とした。
これらの試料の岩崎電気(株)製アイスーパーUV、紫外線放射強度90MW/cm2の42日間暴露加速試験を行った。42日間暴露は250W水銀灯の定格寿命12,000時間照射に相当する。結果を表2に示した。
表面未処理品の比較試料板8は暴露開始20日後に表面がすりガラス状になり評価不能となったが、本発明の試料片3は42日間暴露後も表面状態に変化はなかった。また本発明の試料板3の吸収スペクトルを測定したところ410nmの透過率は照射前と変わらず0.05%であり、黄変もほとんど観測できなかった。比較試料板9は表面状態の変化はなかったが、410nmの透過率は照射前より大きくなり(光遮断効果の低下)、かつ黄変が目視で観測できた。
Figure 2005206830
本発明の試料板1及び市販品ポリカーボネート板(5mm厚)の紫外線の吸収スペクトルを示すグラフである(実施例1)。縦軸は吸光度、横軸は波長(nm)を表す。
符号の説明
1.本発明の試料板
2.市販品ポリカーボネート板

Claims (14)

  1. 410nm以下の光透過率が0.1%以下であることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物であって、紫外線吸収剤または蛍光増白剤と、ヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールとを含有するポリカーボネート樹脂組成物を含んでなることを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物。
  2. 樹脂組成物が、紫外線吸収剤および蛍光増白剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂成型物。
  3. 樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し(a)紫外線吸収剤0.01〜30質量部および/または(b)蛍光増白剤0.01〜30質量部、(c)ヒンダードアミン0.01〜30質量部、(d)ヒンダードフェノール0.01〜30質量部を含むことを特徴とする請求項1または2記載のポリカーボネート樹脂成型物。
  4. 外側に保護層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
  5. 保護層がアクリルコートであることを特徴とする請求項4に記載のポリカーボネート樹脂成型物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物を含んでなることを特徴とする照明カバー。
  7. 照明がHID(High Intensity Discharge)ランプであることを特徴とする請求項6に記載の照明カバー。
  8. 照明が車両用灯具であることを特徴とする請求項6または7に記載の照明カバー。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物を含んでなることを特徴とするレンズ。
  10. 照明が車両用灯具であることを特徴とする請求項9に記載のレンズ。
  11. 蛍光増白剤が下記一般式(I)で表される請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
    一般式(I)
    Figure 2005206830
    (式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R2およびR3はアルキル基を表す。[A]は置換アリールまたはエテニル基を表す。)
  12. 蛍光増白剤が下記一般式(II)で表される請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂成型物。
    一般式(II)
    Figure 2005206830
    (式中、R5、R6、R7およびR8はアルキル基を表す。nは1または2の整数を表す。)
  13. 紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤、並びにヒンダードアミンおよびヒンダードフ
    ェノールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を押し出し成型する工程、および押し出し成型後にブロー成型を施す工程を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物の製造方法。
  14. 紫外線吸収剤および/または蛍光増白剤、並びにヒンダードアミンおよびヒンダードフェノールを含有するポリカーボネート樹脂組成物を射出成型する工程を有することを特徴とするポリカーボネート樹脂成型物の製造方法。
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