JP2005206617A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶表示素子において、長期間使用時でも表示特性が低下しない液晶表示素子の提供。
【解決手段】ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物に、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤を添加し、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を主成分とするテトラカルボン酸二無水物と、ジアミノ化合物から合成される特定の反復単位を有するポリイミド系液晶配向膜を用いて液晶表示素子とする。
【選択図】なし
【解決手段】ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物に、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤を添加し、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を主成分とするテトラカルボン酸二無水物と、ジアミノ化合物から合成される特定の反復単位を有するポリイミド系液晶配向膜を用いて液晶表示素子とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物を使用した液晶表示素子に関する。
液晶表示素子はOA機器用表示装置をはじめ、家電製品用表示装置、自動車用計器、測定器、電卓およびカメラ等種々の用途に使用されており、近年では、カーナビゲーション、通信機器、携帯情報端末などへの需要が多くなっている。それに伴い、低電圧駆動、高速応答性、高コントラスト比等の性能が、幅広い温度範囲で達成される耐久性の高い液晶表示素子が求められている。
前記性能を満たすために、ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物を液晶表示素子に用いることが提案されている。ジフルオロスチルベン化合物を含有することにより、低粘性の液晶組成物を調製できるため、それを用いた液晶表示素子は広い温度範囲で高速応答性を示すことができ、有用である。しかし、この液晶表示素子は、初期の表示特性を長く維持できない問題があった。
その原因として、液晶組成物中において、ジフルオロスチルベン化合物の紫外光による異性化の進行及びその他の材料の作用によるジフルオロスチルベン化合物の分解反応などが考えられる。これにより、液晶組成物の組成変化や液晶組成物中の不純物が増加し、液晶表示素子において比抵抗等の表示特性が低下した。
対策として、液晶表示素子に400nm以下の波長の光を遮断できる紫外線カットフィルタ等を使用して、液晶組成物中のジフルオロスチルベン化合物の異性化や分解を抑制することにより、初期の表示特性を維持する方法が提案されている。しかし、400nm以下の波長の光をほぼ100%遮断した場合でも、長期間使用時には液晶表示素子の表示特性の低下は避けられなかった。
前記の紫外線を遮断する方法の他に、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤を添加すること(特許文献1)、脂環式のテトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物から合成される特定の反復単位を主成分とするポリイミド系液晶配向膜を使用すること(特許文献2)などの対策も提案されている。しかし、これらの場合も、長期間の使用時には液晶表示特性の低下は避けられなかった。
本発明は、ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物を用いた、広い温度範囲で高速応答性を示す液晶表示素子を、長期間使用した時にも、表示特性の低下が抑えられる液晶表示素子の提供を目的とする。
本発明者は、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤を添加したジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物に、ポリイミド系液晶配向膜を使用した液晶表示素子について鋭意検討した結果、特定のポリイミド系液晶配向膜を使用した液晶表示素子に限り、長期間使用時でも液晶表示素子の表示特性の低下が抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯(290nm付近)を持つ紫外線吸収剤を添加した液晶組成物と液晶配向膜からなる液晶表示素子において、液晶組成物が、
−Ph1−CF=CF−Ph2−
[ただし、Ph1およびPh2は、それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
で表される骨格を有するジフルオロスチルベン化合物を1種以上含有する液晶組成物であり、液晶配向膜が下記の式1で表される反復単位を主成分とするポリイミド系液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子である。
−Ph1−CF=CF−Ph2−
[ただし、Ph1およびPh2は、それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
で表される骨格を有するジフルオロスチルベン化合物を1種以上含有する液晶組成物であり、液晶配向膜が下記の式1で表される反復単位を主成分とするポリイミド系液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子である。
R1:下式2のいずれかまたは式3で表される基。ただし、式3を含む場合、主成分は式2のいずれかで表される基とする。
R2:2価の芳香族基または2価のシロキサン結合含有基。
本発明の液晶表示素子は、前記ジフルオロスチルベン化合物が下記式4で表される化合物であることが好ましい。
R3−(A)P−Z−Ph3−CF=CF−Ph4−R4 式4
[ただし、式4中の記号は、下記の意味を表す。
R3:炭素数1〜10のアルキル基。アルキル基中の水素原子の1個以上は、フッ素原子に置換されていてもよい。また、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
R4:フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルケニル基。アルキル基、アルコキシル基またはアルケニル基の場合、該基中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい。
R3−(A)P−Z−Ph3−CF=CF−Ph4−R4 式4
[ただし、式4中の記号は、下記の意味を表す。
R3:炭素数1〜10のアルキル基。アルキル基中の水素原子の1個以上は、フッ素原子に置換されていてもよい。また、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
R4:フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルケニル基。アルキル基、アルコキシル基またはアルケニル基の場合、該基中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい。
Ph3、Ph4:それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
A:−Cy−、または、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
p:0〜2の整数。
Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基。
Z:単結合、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−または−CH2CH2−。
A:−Cy−、または、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
p:0〜2の整数。
Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基。
Z:単結合、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−または−CH2CH2−。
本発明の液晶表示素子は、前記紫外線吸収剤が下記式5で表されるアズレン化合物であることが好ましい。
本発明の液晶表示素子において、紫外線吸収剤の添加量は紫外線吸収剤としての効果と液晶組成物としての性能のバランスを考慮して、液晶組成物の全体量の0.1〜5.0質量%が好ましく、特に0.5〜2.0質量%が好ましい。
本発明により、ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物を用いた液晶表示素子における表示特性の低下を大幅に抑制できる。これにより、高速応答性であるとともに、長期間使用時でも表示特性の低下の小さい液晶表示素子を提供することができる。
本発明において液晶組成物の必須成分として使用されるジフルオロスチルベン化合物は、
−Ph1−CF=CF−Ph2−
[ただし、Ph1およびPh2は、それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
で表される骨格を有する化合物であるが、下記式4で示される化合物であることが好ましい。これらの化合物は1種以上混合して使用してもよく、数種以上を混合して使用することもできる。
−Ph1−CF=CF−Ph2−
[ただし、Ph1およびPh2は、それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
で表される骨格を有する化合物であるが、下記式4で示される化合物であることが好ましい。これらの化合物は1種以上混合して使用してもよく、数種以上を混合して使用することもできる。
R3−(A)P−Z−Ph3−CF=CF−Ph4−R4 式4
[ただし、式4中の記号は、下記の意味を表す。
R3:炭素数1〜10のアルキル基。アルキル基中の水素原子の1個以上は、フッ素原子に置換されていてもよい。また、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
R4:フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルケニル基。アルキル基、アルコキシル基またはアルケニル基の場合、該基中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい。
[ただし、式4中の記号は、下記の意味を表す。
R3:炭素数1〜10のアルキル基。アルキル基中の水素原子の1個以上は、フッ素原子に置換されていてもよい。また、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
R4:フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルケニル基。アルキル基、アルコキシル基またはアルケニル基の場合、該基中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい。
Ph3、Ph4:それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
A:−Cy−、または、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
p:0〜2の整数。
Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基。
Z:単結合、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−または−CH2CH2−。
A:−Cy−、または、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
p:0〜2の整数。
Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基。
Z:単結合、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−または−CH2CH2−。
前記式4中のR3は、非置換のアルキル基、非置換のアルケニル基、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されたアルキル基、または水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されたアルケニル基であることが好ましい。
前記式4で表される化合物のうち、特に低粘性であり、液晶組成物のΔεを高くできる化合物が好ましく、下記式6で表される化合物が特に好ましい。これらの化合物は1種以上混合して使用してもよく、数種以上を混合して使用することもできる。
R5−Ph5−CF=CF−Ph6−F 式6
[ただし、式6中の記号は、以下の意味を表す。
R5:炭素数1〜10のアルキル基。ただし、アルキル基中の水素原子の1個以上はフッ素原子に置換されていてもよく、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
Ph5、Ph6:それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
R5−Ph5−CF=CF−Ph6−F 式6
[ただし、式6中の記号は、以下の意味を表す。
R5:炭素数1〜10のアルキル基。ただし、アルキル基中の水素原子の1個以上はフッ素原子に置換されていてもよく、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
Ph5、Ph6:それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
前記式6中のR5は、炭素数1〜7の直鎖アルキル基または炭素数2〜7の直鎖アルケニル基であることが特に好ましい。
前記式4で表される化合物の具体例を以下に示す。なお、例示の式中の−Ph−は非置換の1,4−フェニレン基である。また、式中の−Ph(3F)−および−Ph(3F,5F)−は、−CF=CF−との結合部分を1位として、それぞれ、3−フルオロ−1,4−フェニレン基および3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表す。
CH3−Ph−CF=CF−Ph−CH3、
CH3−Ph−CF=CF−Ph−C2H5、
CH3−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−C2H5、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CH2CH2CH=CHCH3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−n−C3H7、
CH3−Ph−CF=CF−Ph−C2H5、
CH3−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−C2H5、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CH2CH2CH=CHCH3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−n−C3H7、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5。
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−OCH5、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−n−C3H7、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5。
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−OCH5、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OC2H5、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−CN、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−CN、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−CN、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CN、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CN、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−CF3、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−CF3、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−CF3、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−OCF3、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)−OCF3、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−OCF3、
次に、前記式6で表される化合物の具体例を以下に示す。
CH3−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
C2H5−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F。
CH3−Ph−CF=CF−Ph−F、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)F。
CH3−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
C2H5−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F。
CH3−Ph−CF=CF−Ph−F、
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)F。
特に好ましいのは、下記の化合物である。
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)F。
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C4H9−Ph−CF=CF−Ph−F、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F)−F、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph(3F,5F)F。
前記化合物は2種以上混合して使用することができる。好ましい組合わせは、n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F、C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F、n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F、n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F、CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−Fを2種またはそれ以上組み合わせた混合物の場合である。
液晶組成物は、前記以外の他の液晶化合物および/または非液晶化合物を含んでもよい。液晶組成物に占める本発明のジフルオロスチルベン化合物の含有量は、液晶組成物の全質量に対して2〜60質量%が好ましく、5〜40質量%が特に好ましい。多量に含有する場合は、前記式4で表されるジフルオロスチルベン化合物のうち、R3の鎖長の異なる化合物を2種以上併用することが、他の液晶化合物または/および非液晶化合物との相溶性を上げる点で好ましい。
前記液晶化合物に添加する、ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤としては、公知のものが使用される。例えば、アズレンとその誘導体、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。特に好ましいのは下記式5で示されるアズレンである。
本発明に使用される液晶配向膜は、前記式1で表される反復単位を主成分とするポリイミド系液晶配向膜であり、式1中のR1は前記式2および前記式3で表される構造の基である。本発明に使用される液晶配向膜において、R1は前記式2で表される構造のうちの1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。ただし、前記式3を含む場合、主成分は前記式2で表される構造の基であることが好ましい。
また、前記式1中のR2は2価の芳香族基または2価のシロキサン結合含有基である。2価の芳香族基としては、芳香環が1個の化合物、芳香環が酸素、メチレン基、イソプロピリデン基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピリデン基などを介して2個以上連結した化合物が挙げられる。具体的には下記式7で表される基が好ましく挙げられる。なお、前記式1中のR2は、合成の容易さから1種を選択して用いるのが好ましいが、2種以上を選択し液晶配向膜中に混在させてもよい。
また前記式1中の2価のシロキサン結合含有基としては、下記式8で表される基が好ましく挙げられる。
B:水素原子の1個以上がハロゲン原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、または、炭素数1〜5のアルキレン基。
Ra、Rb:それぞれ独立してフェニル基または炭素数1〜8のアルキル基。
n:1〜100の整数。]
前記式8で表される好適な基は、例えば、Ra=Rb =CH3 、B=−CHCH2CH2− で表される場合である。
本発明の液晶表示素子の製造方法としては、下記の方法が挙げられる。
まず、液晶配向膜用重合体を合成するが、例えば、下記式9で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式10で表されるジアミノ化合物をN,N−ジメチルホルムアミド等の重合溶媒中で重合させて合成する(式中のR1およびR2は、前記式1中と同じ意味を表す)。
まず、液晶配向膜用重合体を合成するが、例えば、下記式9で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記式10で表されるジアミノ化合物をN,N−ジメチルホルムアミド等の重合溶媒中で重合させて合成する(式中のR1およびR2は、前記式1中と同じ意味を表す)。
R1を2種以上有する液晶配向膜用重合体は、R1の異なる下記式9で表されるテトラカルボン酸無水物の2種以上を任意のモル比で用いて、重合を行うことにより合成することができる。また、R2を2種以上有する液晶配向膜用重合体は、R2の異なる下記式10で表されるジアミノ化合物の2種以上を任意のモル比で用いて、重合を行うことにより合成することができる。
前記の液晶配向膜用重合体を、重合で用いた溶媒中に溶解させた状態(希釈または濃縮してもよい)で、スピンコートまたは印刷等により、基板表面に塗布し、100〜300℃、好ましくは100〜200℃の温度で1時間前後焼成することにより基板表面に膜厚30〜300nmの硬化膜を形成させる。この硬化膜にラビング処理を行うことにより液晶配向膜とする。上記基板は、ガラス、プラスチック等に、必要に応じてSiO2、Al2O3等のアンダーコート層やカラーフィルタ層を形成し、In2O3−SnO2(ITO)等の電極を設け、パターニングしたものなどである。
さらに、前記のようにして得た本発明の液晶配向膜を有する基板に、つぎに、シール剤を印刷し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、シール剤を硬化して空の液晶セルを作製する。また、基板が能動素子基板である場合には、各画素の能動素子を形成する。この空の液晶セルに、本発明の液晶組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを製造する。この液晶セルに、必要に応じて、偏光板、カラー偏光板、光源、カラーフィルタ、半透過反射板、反射板、導光板、紫外線カットフィルタ等を積層し、文字、または図形等を印刷し、ノングレア加工等をして液晶表示素子を製造する。
本発明の液晶表示素子としては、ツイストネマチック(TN)型液晶表示素子またはスーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示素子が好ましい。またTN型液晶表示素子のうち、TFT方式、MIM方式等に用いられる液晶セルとしては、能動素子を画素毎に設けた能動素子基板と対向電極を設けた対向基板を用い、その電極面が相対向するように配置し、周囲をシールした液晶セルが好ましく挙げられる。この液晶セルはアクティブ駆動するのが好ましく、該駆動により、ビデオ信号で駆動した場合に、残像の少ない画像が得られる利点がある。
STN型液晶表示素子に用いられる液晶セルとしては、一対の電極付きの基板を間隙を設けて向かい合わせ、周囲をシールしたものが好ましく挙げられる。さらに該電極付きの基板は、ストライプ状にパターニングした電極付きの基板であるのが好ましく、これらを、ストライプの方向が交差するように向かい合わせた液晶セルを用い、この液晶セルはダイナミック駆動するのが好ましい。
(実施例1)
下記する質量組成の液晶化合物100質量%と紫外線吸収剤アズレン0.5質量%を混合し、定法により液晶組成物1を調製した。
[液晶組成物1の組成]
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F(5%)、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−CH3(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−C2H5(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−F(6%)。
n−C3H7−Cy−Ph−CN(10%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Cy−Ph−CH3(6%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Cy−Ph−C2H5(6%)、
n−C4H9−Cy−C2H4−Cy−Ph−n−C3H7(6%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Ph(3F,5F)−CN(10%)。
アズレン(0.5%)
下記する質量組成の液晶化合物100質量%と紫外線吸収剤アズレン0.5質量%を混合し、定法により液晶組成物1を調製した。
[液晶組成物1の組成]
C2H5−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C3H7−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C5H11−Ph−CF=CF−Ph−F(5%)、
CH3CH=CHCH2CH2−Ph−CF=CF−Ph−F(11%)、
n−C3H7−Cy−Ph−CF=CF−Ph−F(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−CH3(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−C2H5(6%)、
n−C3H7−Cy−Cy−CF=CF−Ph−F(6%)。
n−C3H7−Cy−Ph−CN(10%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Cy−Ph−CH3(6%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Cy−Ph−C2H5(6%)、
n−C4H9−Cy−C2H4−Cy−Ph−n−C3H7(6%)、
n−C3H7−Cy−C2H4−Ph(3F,5F)−CN(10%)。
アズレン(0.5%)
[液晶セルの製造]
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルメタンとから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Aを得た。該共重合体の繰返し単位は下記式11の通りである。該配向膜Aを形成した一方の基板にシール剤を印刷し、他方の基板にはスペーサを散布して二枚の基板を貼り合わせた後、シール剤を硬化して空の液晶セルを得た。この空の液晶セルに液晶組成物1を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セル1を得た。
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルメタンとから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Aを得た。該共重合体の繰返し単位は下記式11の通りである。該配向膜Aを形成した一方の基板にシール剤を印刷し、他方の基板にはスペーサを散布して二枚の基板を貼り合わせた後、シール剤を硬化して空の液晶セルを得た。この空の液晶セルに液晶組成物1を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セル1を得た。
(実施例2)
実施例1の液晶化合物100質量%とアズレン1.0質量%を混合し、定法により液晶組成物2を調製した。実施例1の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2を用いる以外は実施例1と同様にして、液晶セル2を製造した。
実施例1の液晶化合物100質量%とアズレン1.0質量%を混合し、定法により液晶組成物2を調製した。実施例1の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2を用いる以外は実施例1と同様にして、液晶セル2を製造した。
(比較例1)
実施例1の液晶化合物にアズレンを混合することなく、定法により液晶組成物3を調製した。実施例1の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物3を用いる以外は実施例1と同様にして、液晶セル3を製造した。
実施例1の液晶化合物にアズレンを混合することなく、定法により液晶組成物3を調製した。実施例1の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物3を用いる以外は実施例1と同様にして、液晶セル3を製造した。
(実施例3)
ピロメリット酸二無水物10モル%、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物90モル%の混合酸二水和物と下記式12で表されるジアミン化合物とから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Bを製造した。
実施例1において、液晶配向膜Aの代わりに、該配向膜Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、液晶セル4を製造した。
ピロメリット酸二無水物10モル%、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物90モル%の混合酸二水和物と下記式12で表されるジアミン化合物とから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Bを製造した。
実施例1において、液晶配向膜Aの代わりに、該配向膜Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、液晶セル4を製造した。
(実施例4)
実施例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2を用いる以外は実施例3と同様にして、液晶セル5を製造した。
実施例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2を用いる以外は実施例3と同様にして、液晶セル5を製造した。
(比較例2)
実施例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物3を用いる以外は実施例3と同様にして、液晶セル6を製造した。
実施例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物3を用いる以外は実施例3と同様にして、液晶セル6を製造した。
(比較例3)
ピロメリット酸二無水物と下記式13で表されるジアミン化合物とから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Cを製造した。液晶配向膜Aの代わりに、該配向膜Cを用いて、実施例1と同様にして、液晶セル7を製造した。
ピロメリット酸二無水物と下記式13で表されるジアミン化合物とから合成される液晶配向膜用ポリイミド共重合体を、一対の透明電極付きガラス基板表面に製膜し、ラビング処理を行い、液晶配向膜Cを製造した。液晶配向膜Aの代わりに、該配向膜Cを用いて、実施例1と同様にして、液晶セル7を製造した。
(比較例4〜5)
比較例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2または液晶組成物3を用いる以外は比較例3と同様にして、それぞれ、液晶セル8および液晶セル9を製造した。
比較例3の液晶組成物1の代わりに、液晶組成物2または液晶組成物3を用いる以外は比較例3と同様にして、それぞれ、液晶セル8および液晶セル9を製造した。
[表示特性の評価]
実施例1〜4および比較例1〜5の液晶セル1〜9に偏光板(日東電工(株)製:Q−12−35)を貼付け、スタンダード紫外線ロングライフ・フェードメーター FAL−5(スガ試験機(株)製)を用いて紫外線照射を600時間行った。ジフルオロスチルベン化合物はトランス体からシス体へ異性化すると透明点Tcが低下し、また、分解が起こるとイオン性物質の増加によって電流値Iacが上昇する。したがって、耐光性試験前後の各々の液晶セルについて、透明点Tc(単位:℃)と電流値Iac(単位:μA)を測定した。Tcは0に近いほど好ましく、Iacは1に近いほど好ましい。それぞれの測定法は下記のとおりである。
実施例1〜4および比較例1〜5の液晶セル1〜9に偏光板(日東電工(株)製:Q−12−35)を貼付け、スタンダード紫外線ロングライフ・フェードメーター FAL−5(スガ試験機(株)製)を用いて紫外線照射を600時間行った。ジフルオロスチルベン化合物はトランス体からシス体へ異性化すると透明点Tcが低下し、また、分解が起こるとイオン性物質の増加によって電流値Iacが上昇する。したがって、耐光性試験前後の各々の液晶セルについて、透明点Tc(単位:℃)と電流値Iac(単位:μA)を測定した。Tcは0に近いほど好ましく、Iacは1に近いほど好ましい。それぞれの測定法は下記のとおりである。
[Tcの測定]
測定装置: METTLER TOLEDO製 FP90 HT Central Processor、
METTLER TOLEDO製 FP82 HT Hot Stage、
OLYMPUS製 BH-2
評価方法: 各々のセルについて紫外線照射試験前と、試験後との透明点Tc(℃)を測定し、その差ΔTcを算出した。結果を表1に示す。
測定装置: METTLER TOLEDO製 FP90 HT Central Processor、
METTLER TOLEDO製 FP82 HT Hot Stage、
OLYMPUS製 BH-2
評価方法: 各々のセルについて紫外線照射試験前と、試験後との透明点Tc(℃)を測定し、その差ΔTcを算出した。結果を表1に示す。
[Iacの測定]
測定装置: NF ELECTONIC INSTRUMENTS製 1920Aマルチファンクションシンセサイザ、
ADVANTEST製 TR6846デジタルマルチメータ
評価方法:各々のセルについて紫外線照射試験前と、試験後の電流値Iac(単位:μA)を測定し、その倍率(試験後のIac/試験前のIac)を算出した。結果を表2に示す。
測定装置: NF ELECTONIC INSTRUMENTS製 1920Aマルチファンクションシンセサイザ、
ADVANTEST製 TR6846デジタルマルチメータ
評価方法:各々のセルについて紫外線照射試験前と、試験後の電流値Iac(単位:μA)を測定し、その倍率(試験後のIac/試験前のIac)を算出した。結果を表2に示す。
上記の結果から、ジフルオロスチルベン化合物を含有する液晶組成物が紫外線吸収剤アズレンを含有する場合(組成物1、2)には、酸成分として脂環式のテトラカルボン酸二無水物を含んだポリイミド共重合体から構成されている配向膜Aが、酸成分として芳香族のピロメリット酸二無水物を含んだポリイミド共重合体から構成されている配向膜Cに比べ、液晶表示素子のΔTcもIac倍率もともに小さくできることから、シス化および分解が抑制され、液晶表示特性が良好なことが明らかである。さらに、酸成分として芳香族のピロメリット酸二無水物と脂環式のテトラカルボン酸二無水物を含んだポリイミド共重合体から構成されている配向膜Bも、酸成分が芳香族酸のみからなる該配向膜Cに比べ、液晶表示素子のΔTcもIac倍率もより小さくできることから、脂環式酸が芳香族酸を含むポリイミド共重合体をも実用レベルに改質していることが明らかである。
以上から明らかなように、特定の紫外線吸収剤を含有させたジフルオロスチルベン化合物含有液晶組成物と、特定のポリイミド系液晶配向膜からなる液晶素子が、表示特性の低下を飛躍的に抑制することが確認された。
本発明の液晶表示素子は、OA機器用表示装置をはじめ、家電製品用表示装置、自動車用計器、カーナビゲーション、通信機器、携帯情報端末等における表示画面に採用できる。
Claims (3)
- ジフルオロスチルベン化合物に対応する吸収波長帯を持つ紫外線吸収剤を添加した液晶組成物と液晶配向膜からなる液晶表示素子において、液晶組成物が、
−Ph1−CF=CF−Ph2−
[ただしPh1およびPh2は、それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。]
で表される骨格を有するジフルオロスチルベン化合物を1種以上含有する液晶組成物であり、液晶配向膜が下記式1で表される反復単位を主成分とするポリイミド系液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
R1:下記式2のいずれかまたは下記式3で表される基。ただし、式3を含む場合、主成分は式2のいずれかで表される基とする。
R2:2価の芳香族基または2価のシロキサン結合含有基。]
- 前記ジフルオロスチルベン化合物が下記式4で表される化合物である請求項1に記載の液晶表示素子。
R3−(A)P−Z−Ph3−CF=CF−Ph4−R4 式4
[ただし、式4中の記号は、下記の意味を表す。
R3:炭素数1〜10のアルキル基。アルキル基中の水素原子の1個以上は、フッ素原子に置換されていてもよい。また、アルキル基中の−CH2−の1個以上は−O−または−CH=CH−に置換されていてもよい。
R4:フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基または炭素数2〜10のアルケニル基。アルキル基、アルコキシル基またはアルケニル基の場合、該基中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい。
Ph3、Ph4:それぞれ独立して水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
A:−Cy−、または、水素原子の1個以上がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
p:0〜2の整数。
Cy:非置換のトランス−1,4−シクロヘキシレン基。
Z:単結合、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−または−CH2CH2−。
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
US7651742B2 (en) | 2005-06-13 | 2010-01-26 | Merck Patent Gmbh | Liquid-crystalline medium and liquid-crystal display comprising 1,2-difluoroethene compounds |
JP2014119633A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Agc Seimi Chemical Co Ltd | 液晶電気光学素子の製造方法 |
CN108169960A (zh) * | 2016-12-07 | 2018-06-15 | 捷恩智株式会社 | 相位差膜及使用聚合性液晶组合物的液晶聚合膜类 |
US10073298B2 (en) | 2015-03-16 | 2018-09-11 | Samsung Display Co., Ltd. | Liquid crystal display and manufacturing method thereof |
-
2004
- 2004-01-13 JP JP2004005701A patent/JP2005206617A/ja not_active Withdrawn
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