JP2005205922A - 紙製容器およびその製造法 - Google Patents

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洋子 中島
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Abstract

【課題】製造工程を簡略化して、その製造コストを低減化し、さらに、使用後の廃棄処理に当たっては、環境問題に対応した容器の製造法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、カップ原紙等の紙から底面部と側壁部とフランジ部とを一体とする紙製ブランク板を製造し、このブランク板を真空あるいは圧空成形する成形型内に挿入して製函して紙製容器の半製品を製造し、さらに、その内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを真空あるいは圧空成形して該内部保護フィルムをその内面の全面に密接着させるてなる紙製容器の製造法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙製容器およびその製造法に関するものであり、更に詳しくは、惣菜、納豆、お弁当等の容器として有用な紙製容器およびその製造法に関するものである。
従来、惣菜、納豆等の容器としては、紙製のもの、あるいは樹脂製のものなど、種々のものが提案されている。例えば、紙製のものとしては、カップ原紙の片面または両面にヒ-トシ-ル性の付与、あるいは防水等の目的でポリエチレン等の樹脂のフィルムをラミネ-トし、これからカップ用ブランク板、底板等を打ち抜いてカップ形成用ブランク板を製造し、しかる後これらを使用して製函してなる紙製のカップ等が提案されている。また、樹脂製のものとしては、ポリスチレン系樹脂等を使用して発泡成形してなる発泡カップ、あるいはポリエチレンまたはポリプロピレン等の樹脂のシ-トを使用し、これを真空ないし圧空成形してなる樹脂製のカップ等が提案されている。
しかしながら、上記の紙製のカップにおいては、ヒ-トシ-ル性の付与、あるいは防水加工のために、カップ原紙に樹脂のフィルムををラミネ-トしなければならず、またブランク板の切断端面から液体等が漏れるために耐水加工を施さなければならないものであり、従って、その製造工程が複雑であり、かつ煩雑であるという問題点がある。また、上記の樹脂製のカップにおいては、容器として使用後、その廃棄に問題があり、現在、使用後のこれらの容器は、回収して再利用を図るか、または燃焼処理するか、あるいはそのまま廃棄する等の処理がなされているが、いずれにしても、充分に満足し得る状態ではなく、その廃棄は、環境破壊の元凶と言われている。そこで本発明の目的は、製造工程を簡略にし、かつそのコストを低減化し、更に使用後の廃棄処理に当たっては環境破壊を引き起こさない容器を提供することである。
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、カップ原紙等の原紙から底面部と側壁部とフランジ部とを一体とする紙製ブランク板を製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型内に入れて製函して紙製容器の半製品を製造し、更にその内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを真空ないし圧空成形して該フィルムをその内面の全面に密接着させたところ、樹脂のフィルムをラミネ-トする工程を省略することができて極めて簡単な工程で容器を製造することができ、かつ製造した容器は紙を主体とした紙製容器であって、使用後の廃棄が燃焼ゴミとして廃棄することができる紙製容器の製造法を見出して、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、多角形状の底面部と、該底面部の各辺に連接して起立し、容器を構成する隅部において、一方の側壁部の端部が他方の側壁部の端部に接した状態で隣接する複数の側壁部と、該側壁部の上部に連接し、容器のフランジを構成する隅部において一方のフランジ部の端部が他方のフランジ部の端部に接した状態または重合した状態で隣接する複数のフランジ部とからなる紙製ブランク板を真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該成形型内で紙製容器の半製品を製函し、次に該紙製容器の半製品の内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを真空ないし圧空成形して該内部保護フィルムをその内面の全面に密接着させることを特徴とする紙製容器の製造法である。
上記の本発明は、容器を構成する底面部と側壁部とフランジ部とを一体にしてなる容器製造用ブランク板を製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該型内で製函して紙製容器を構成する半製品を製造し、その半製品を構成する底面部と側壁部とフランジ部を加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなるフィルムを密接着させてそれらを固定することによって紙製容器を製造するというものである。
本発明は、容器を構成する底面部と側壁部とフランジ部とを一体にしてなる容器製造用ブランク板を製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該型内で製函して紙製容器を構成する半製品を製造し、その半製品を構成する底面部と側壁部とフランジ部を加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなるフィルムを密接着させてそれらを固定すにことによって紙製容器を製造するものである。従って、本発明は、従来のように紙製のカップを製造する際に、カップ原紙に樹脂のフィルムををラミネ-トしたり、あるいはブランク板の切断端面から液体等が漏れるために耐水加工を施さなければならないという問題点を改良し、その製造工程を著しく簡略化したものである。すなわち、カップ原紙からそのままブランク板を製造し、これを、フィルムを真空ないし圧空成形する型内で製函し、しかる後、その内面の全面に真空あるいは圧空吸引して樹脂のフィルムを密接着させるだけであるから、フィルムのラミネ-ト、ブランク板の端面処理等は一切不要になるものである。また、本発明の紙製容器は、紙を主体とした容器であることから、容器として使用後、そのまま燃焼ゴミとして廃棄することができ、環境破壊等の元凶にならないものである。本発明にかかる紙製容器は、惣菜、あるいは納豆等の包装用容器として、極めて有用なものである。
まず、本発明にかかる紙製容器の製造法について説明する。図1は、本発明にかかる紙製容器の製造法における紙製ブランク板の一例を示す概略的平面図であり、図2は、上記の紙製ブランク板を真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該型内で紙製容器を構成する半製品を製函する状態の成形型の概略を示す断面図であり、図3は、上記で製函した紙製容器の半製品の概略を示す斜視図であり、図4は、上記の半製品の内部に熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを密接着させる状態の成形型の概略を示す断面図である。
本発明においては、図1にその一例を示すように、多角形状の底面部1と、該底面部1の各辺aに連接して起立する複数の側壁部2と、該各側壁部2の上部に連接する複数のフランジ部3からなる紙製ブランク板Xを製造する。上記において、底面部1の形状としては、多角形であればいずれでもよく、例えば、三角形、五角形、六角形、八角形等のいずれの形状でもよい。
次に、本発明においては、図2に示すように、上記で製造した紙製ブランク板Xを真空ないし圧空成形する成形型4内に入れて該成形型4内で製函して、紙製容器を構成する半製品Yを製造する。なお、図において、5は、成形機ベットを表し、6は、吸引する真空孔を表し、7は、熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを表し、8は、それをクリップするクランプを表す。
而して、上記で製造した半製品Yは、図3に示すように、上記の紙製ブランク板Xの各側壁部2が、各辺aから起立し、容器を構成する隅部において、各側壁部2の端部21と他方の側壁部2の端部21とが接した状態で隣接している。また、各フランジ部3は、容器のフランジ部を構成する隅部において、一方のフランジ部3の端部31と他方のフランジ部3の端部31とが重合した状態で隣接している。上記において、各フランジ部3は、重合した状態で隣接しているが、これは、上記で例示したブランク板Xにおいて、フランジ部3の端部31が側壁部2より横巾においてもはみ出しているからである。而して、本発明においては、図示しないが、フランジ部を形成するに際しては、一対の対向する側壁部においては、フランジ部が側壁部と同じ横巾で延設され、他方の対向する側壁部においては、フランジ部が側壁部より横巾においてはみ出して設けられていれば、この場合は、各フランジ部は、容器のフランジ部を構成する隅部において、一方のフランジ部の端部と他方のフランジ部の端部とが接した状態で隣接することになる。
次に、本発明においては、図4に示すように、成形機ベット5の真空孔6より空気を吸引しながら、クランプ8でクリップしている加熱状態にある熱可塑性樹脂からなる内部保護フィルム7を、そのクランプ8を下げて成形型6に接触させ、更に吸引を継続しながら上記の半製品Yの内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂からなる内部保護フィルム7を密接着させる。上記で密接着が終了した後、吸引を解いて、更にフィルム7を切断して、本発明にかかる紙製容器Zを製造する。
而して、図5は、上記で製造した紙製容器の概略を示す斜視図である。図5に示すように、本発明にかかる紙製容器Zは、多角形状の底面部1と、該底面部1の各辺aに連接して起立し、容器を構成する隅部において、一方の側壁部2の端部が他方の側壁部2の端部に接した状態で隣接する複数の側壁部2と、該側壁部2の上部に連接し、容器のフランジを構成する隅部において、一方のフランジ部3の端部が他方のフランジ部3の端部に接した状態または重合して状態で隣接する複数のフランジ部3とからなる紙製容器本体を構成し、更に該紙製容器本体の内面に熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルム7が密接着した構成からなるものである。すなわち、本発明にかかる紙製容器Zは、底面部1と側壁部2とフランジ部3とを一体とする紙製ブランク板を製函し、その底面部1、各側壁部2および各フランジ部3を熱可塑性樹脂からなる内部保護フィルム7で固着することにより容器を構成するものである。
上記の本発明において、紙製ブランク板を構成する紙材料としては、例えば、坪量150ないし600g/m2 程度の各種の板紙、加工紙、あるいはカップ原紙等を使用することができる。
また、上記の本発明において、熱可塑性樹脂からなる内部保護フィルムとしては、熱可塑性樹脂からなるフィルムであればよく、例えば、各種のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ-ト、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマ-、エチレン-アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ-ボネ-ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ-ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネ-トして使用することができる。なお、本発明において、紙製容器を構成する半製品の内面に熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムが密接着させる場合、フィルム自身が加熱状態で接着してもよく、あるいは予めブランク板の表面に接着剤等を設けておき、これを加熱して溶融させ、これとフィルムとを密接着させてもよい。
次に本発明について具体的な実施例を挙げて更に詳しく説明する。
実施例1.坪量270g/m2 の板紙を使用して、図1に示す紙製のブランク板を製造した。これを図2に示すような真空成形機の成形型内に入れて、上記のブランク板を該型内で製函して紙製容器を構成する半製品を得た。次に、図2に示すように、真空成形機のクランプに厚さ60μmの低密度ポリエチレンをクリップし、これを90ないし100℃近くまで加熱した。次いで、ポリエチレンフィルムをクリップしているクランプを真空成形機の成形型に近づけて、半製品の上部に接触させて、成形型内にある真空孔から吸引しつつ、加熱状態にあるポリエチレンフィルムを半製品の内部に入れてその内面の全面に該フィルムを密接着させた。フィルムが密接着した後、吸引を解いて、更にフィルムを切断して、本発明の紙製容器を得た。上記で得た紙製容器内に納豆を充填し、蓋材をシ-ルして包装体を製造した。このものは、従来のものと比較して何ら遜色もなかった。また、使用後は、燃焼ゴミとして廃棄することができた。
紙製ブランク板の一例を示す概略的平面図である。 紙製ブランク板から紙製容器を構成する半製品を製函する状態の成形型の概略を示す断面図である。 紙製容器を構成する半製品の概略を示す斜視図である。 紙製容器を構成する半製品の内部に熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを密接着させる状態の成形型の概略を示す断面図である。 本発明にかかる紙製容器の概略を示す斜視図である。
符号の説明
1 底面部
2 側壁部
3 フランジ部
7 熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルム

Claims (1)

  1. 多角形状の底面部と、該底面部の各辺に連接して起立し、容器を構成する隅部において、一方の側壁部の端部が他方の側壁部の端部に接した状態で隣接する複数の側壁部と、該側壁部の上部に連接し、容器のフランジを構成する隅部において、一方のフランジ部の端部が他方のフランジ部の端部に接した状態または重合した状態で隣接する複数のフランジ部とからなる紙製ブランク板を真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該成形型内で紙製容器の半製品を製函し、次に該紙製容器の半製品の内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂よりなる内部保護フィルムを真空ないし圧空成形して該内部保護フィルムをその内面の全面に密接着させることを特徴とする紙製容器の製造法。

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