JP2005203968A - デジタルアンプの保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
電流を高精度に検出し構成部品を過電流から保護することのできるデジタルアンプの保護装置を提供する。
【解決手段】
オーディオ入力信号をパルス信号に変換し、変換したパルス信号をスイッチング増幅してスピーカに供給するパルス増幅器7、並びにリアクトル及びコンデンサを備え前記パルス増幅器の出力を平滑するローパスフィルタ8を備えたデジタルアンプと、前記ローパスフィルタを構成するリアクトルLの印加電圧を検出する電圧検出器、前記リアクトルのインピーダンスの周波数特性の非直線性に基づく前記電圧検出器出力の非直線性を補償する補償装置12、及び該補償装置12出力をもとにデジタルアンプを過電流から保護する保護装置14を備えた。
【選択図】 図1
電流を高精度に検出し構成部品を過電流から保護することのできるデジタルアンプの保護装置を提供する。
【解決手段】
オーディオ入力信号をパルス信号に変換し、変換したパルス信号をスイッチング増幅してスピーカに供給するパルス増幅器7、並びにリアクトル及びコンデンサを備え前記パルス増幅器の出力を平滑するローパスフィルタ8を備えたデジタルアンプと、前記ローパスフィルタを構成するリアクトルLの印加電圧を検出する電圧検出器、前記リアクトルのインピーダンスの周波数特性の非直線性に基づく前記電圧検出器出力の非直線性を補償する補償装置12、及び該補償装置12出力をもとにデジタルアンプを過電流から保護する保護装置14を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、デジタルアンプの保護装置にかかり、特に出力短絡時等における過電流から構成部品を保護することのできるデジタルアンプの保護装置に関する。
図7は、従来のデジタルアンプの過電流保護回路を示す図である(例えば、特許文献1参照)。図7において、駆動回路6はPWM(Pulse Width Modulation)信号等に変換されたオーディオ入力信号を増幅し、パルス増幅器7を駆動する。パルス増幅器7により電力増幅されたオーディオ信号はリアクトルL1及びコンデンサC1からなるローパスフィルタを介してスピーカ等の負荷10を駆動する。リアクトルL1と電磁結合する電流検出コイル(リアクトル)L2はリアクトルL1に流れる電流を検出し、検出値を整流回路Rec、減衰器を構成する抵抗R1,R2、及びコンデンサC2を介してR/Sラッチ回路Latに供給する。ラッチ回路Latは過電流を検出したときラッチ信号Qを出力し、例えば、電源Vccをオフにして回路部品を過電流から保護する。
図8は、従来のスピーカ等の負荷を駆動する負荷駆動回路の保護装置を示す図である(例えば、特許文献2参照)。図に示すように、電源EをPWM回路88によりスイッチング制御される一次側スイッチングトランジスタ81,82に供給する。スイッチングトランス83の二次側に得られた昇圧出力は整流平滑回路84により整流平滑し、出力トランジスタ85,86に電源として供給する。オーディオ信号等の入力信号90は前段増幅器89を介して前記出力トランジスタ85,86を駆動し、増幅された出力はスピーカ87を駆動する。ラインAはトランス83の1次側のPWM回路88にフイードバック電圧を伝達するラインであり、ラインBは1次側回路と2次側回路の接地電位を同一にするために1次側の接地点と2次側の零電位点を結ぶラインである。
通常の負荷時には、ラインBには微少電流(数mA程度)が流れ、天絡あるいは地絡が発生した場合には短絡電流が流れる。したがって、ラインBに挿入された電流検出回路91により数mA以上の短絡電流が流れたことを検出し、PWM回路88の発振を停止させることにより、回路部品を短絡電流から保護することができる。
また、スピーカ等を接続する出力信号経路、あるいは電源供給経路に抵抗器を挿入し、該抵抗器に流れる電流を抵抗器の両端に発生する電圧として検出し、この検出電圧が一定レベルを超えたとき、例えば電源を遮断する保護回路が知られている。
特開平5−160649号公報
特開平10−190365号公報
前記特許文献1に示す保護回路では、コアを有するリアクトルL1に電流検出捲線としてコイルL2を巻回する手法であり、コアによる歪の発生を避けるためリアクトルL1として空芯コイルを使用する場合はこの手法を適用することは困難である。また、グランド(シャーシ)に対して直流電位を持つフルブリッジ構成のD級アンプの出力端子とシャーシ間の短絡のように、コイルを流れる電流が直流の場合には、検出は不可能となる。さらにリアクトルの設計に際してはローパスフィルタを構成するリアクタとしての性能が優先されるため、検出電流の周波数特性の平坦化を図ることが難しく、信号内容によっては電流検出レベルが変動しやすくなり、安定した保護動作が得難くなる。
また、前記特許文献2に示す保護回路は、PWM制御されるDC/DCコンバータに適応した保護回路であり、スイッチング電源及びパルストランスを使用しない機器に対しては適用できない。また、この回路では、1次−2次間のグランド接続点に異常時電流が集中して流れるように構成している。このため、歪あるいはノイズ等のオーディオ性能に直接関係する不要幅射を抑制するための最善の部品配置、配線パターンと相反する場合もあり、回路を構成するプリント配線板のパターン設計が難しくなる。
また、スピーカ等を接続する出力信号経路、あるいは電源供給経路に抵抗器を挿入し、該抵抗器に流れる電流を抵抗器の両端に発生する電圧として検出し、この検出電圧が一定レベルを超えたとき電源回路を遮断する等の保護回路は、挿入する抵抗器により損失が発生する。また、信号経路に抵抗器を挿入する場合には、アンプの出力インピーダンスがその分大きくなりスピーカの制動力に影響をおよぼし、主として低音のダンピングが悪くなる。また、電源供給経路に抵抗器を挿入する場合には、D級アンプ、デジタルアンプ特有の電源電圧の変動が歪率に直結する性質から、出力電流の変化による抵抗器両端の電圧降下が電源電圧の変化となり歪率が悪化する。
また、検出回路に流れる電流値をリアクトルを介して電圧に変換した値と、予め設定した値とを比較器で比較して保護回路動作させる方式では、その電流検出精度は周波数に影響されることになる。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、電流を高精度に検出し構成部品を過電流から保護することのできるデジタルアンプの保護装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
オーディオ入力信号をパルス信号に変換し、変換したパルス信号をスイッチング増幅してスピーカに供給するパルス増幅器、並びにリアクトル及びコンデンサを備え前記パルス増幅器の出力を平滑するローパスフィルタを備えたデジタルアンプと、前記ローパスフィルタを構成するリアクトルの印加電圧を検出する電圧検出器、前記リアクトルのインピーダンスの周波数特性の非直線性に基づく前記電圧検出器出力の非直線性を補償する補償装置、及び該補償装置出力をもとにデジタルアンプを過電流から保護する保護装置を備えた。
本発明は、以上の構成を備えるため、電流を高精度に検出することができ、構成部品を過電流から保護することのできるデジタルアンプの保護装置を提供することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかるデジタルアンプの保護装置を説明する図である。デジタルオーディオ信号としてのPCM(Pulse Code Modulation)入力信号はDIR(Digital Interface Receiver)1において、データとクロックに分離した後、デジタルフィルタ3を介してDSP(Digital Signal Processor)等からなる信号処理回路4に入力する。信号処理回路4は入力されたPCM信号をPWM信号(パルス信号)に変換する。なお、入力信号がアナログ信号の場合はA/D(Analog/Digital)コンバータ2を介してデジタル信号に変換した後DIR1に入力する。
CD(Compact Disc)等で用いられている16bitの信号をそのまま変換する場合には、サンプリング周波数fs=44.1kHzの216倍、すなわち2.89GHzのクロックが必要になる。この場合、デジタルフィルタ3によりオーバーサンプリングを行うとクロックはさらにその4ないし16倍の高い周波数となる。また、DVD(Digital Versatile Disc)オーディオ規格のfs=192kHz/24bit等のハイサンプリング/ハイビット信号を扱う場合には現存の素子では実現できなくなる。このため、信号処理回路4は、データの圧縮を行い、現実的なクロックで処理が可能なように変換している。また圧縮に伴う歪の発生を抑えるための補正を行う。
PWM信号に変換された信号は、マイコン14からの指令によりオンオフするゲート回路5を通過した後、パルス増幅器7を構成するMOS(Metal-Oxide Semiconductor)−FET(Field Effect Transistor)を駆動する駆動回路6に入力する。一般に、Pチャンネルの高速大電流スイッチングMOS−FETは作成するのが困難であり、このため図に示すようにNチャンネルのMOS−FETのみでプッシュプル回路(パルス増幅器7)を構成することことから、駆動回路6は直流分をシフトする直流シフト回路及び入力容量の大きいゲートを有効に駆動できるバッファ回路を備えるのが普通である。
パルス増幅器7により増幅したPWM信号は、リアクトルL1とコンデンサC1からなるローパスフィルタ8、及び出力リレー9を介してスピーカ10を駆動する。なお、図に示すハーフブリッジ構成のパルス増幅器7は、正負の2電源(+Vcc、−Vcc)とするか、直流遮断用のコンデンサを挿入して、スピーカ10の端子間に直流電圧が現れないようにすることが必要である。
図1に示す回路において、出力端子間が短絡した場合、あるいは負荷としてのスピーカに過大な電流が流れた場合、リアクトルL1の両端にはそのインピーダンスにしたがった電圧(電流検出信号)が発生する。発生した電圧は広い周波数範囲に渡って直線的の優れたアンプ、例えばインスツルメンテーションアンプ11により検出し増幅する。図3は、前記インスツルメンテーションアンプ11の内部構成を示す図である。
ところで、前記リアクトルのインピーダンスZは(Z=2πfL1)で表すことができるが、様々な要因により、図5に示すようにインピーダンスZと周波数fの関係は直線にはならないのが現実である。図5において、低い周波数における直線性のずれは、リアクトルL1が直流抵抗成分を持つためである。また、高い周波数での直線性のずれはリアクトルL1が容量成分を持つためである。
図1におけるフィルタ回路12は、前記インピーダンスZの直線性のずれを補償する補償装置として機能する。図4はフィルタ回路12の内部構成を示す図、図6はフィルタ回路12の周波数特性を示す図である。
図1に示すように、リアクトルL1の両端にそのインピーダンスZにしたがって発生した電圧、すなわち、インピーダンスZの周波数特性にしたがって発生した電圧は、インスツルメンテーションアンプ11により増幅した後、フィルタ回路12に入力する。フィルタ回路12は図6に示す周波数特性、すなわち、前記インピーダンスZの周波数特性を補償する特性を備える。このため、フィルタ回路12の出力側には平坦な周波数特性を得ることができる。
フィルタ回路12の出力側に得られる平坦な出力特性の電流検出信号は検波回路を介してマイコン14に入力する。マイコン14は入力した電流検出信号と予め設定した基準値(動作レベル)とを比較し、電流検出信号が基準値を超えたとき保護回路を動作させる。保護回路の動作としては、例えば、出力リレー9の遮断、ゲート回路5によるPWM信号の遮断、電源回路15の出力(+Vcc、−Vcc)遮断等を挙げることができる。
図2は、図1に示すデジタルアンプの保護装置の変形例を示す図である。この例では、出力段を構成するパルス増幅器をフルブリッジ構成としている。図に示すようにフルブリッジ回路を構成するために追加した辺(右辺側)は図1に示すハーフブリッジの辺(左辺側)と対称的に構成してある。
図において、6’,7’,8’,9’はそれぞれフルブリッジ回路の右辺を構成する駆動回路、パルス増幅器、ローパスフィルタ、出力リレーである。また、ローパスフィルタ8’はリアクトルL1’及びコンデンサC1’を備える。16’はNOT回路であり、左辺側を駆動する駆動回路6の入力信号を反転して右辺側の駆動回路6’に供給する。11’,12’,13’はそれぞれフルブリッジ回路の右辺側のローパスフィルタ8’を構成するリアクトルに発生した電圧を増幅するインスツルメンテーションアンプ、フィルタ回路、及び検波回路である。
図2に示す装置において、出力端O1,O2は逆位相で駆動されているため、出力端O1,O2間に短絡が発生すると、リアクトルL1,L2には短絡電流が流れて、その両端にはそれぞれ電流検出信号が発生する。また、出力端O1,O2には、入力信号が無信号であっても電源電圧の1/2の電圧が発生している。このため、一方の出力端とシャーシ(グランド)が短絡した場合は、直流の短絡電流が流れることになる。この直流の短絡電流はリアクトルL1あるいはL1’の両端にその直流抵抗に応じた値の電流検出信号を発生する。
なお、以上の説明では、PWM信号を増幅するデジタルアンプについて説明したが、本発明のデジタルアンプはPDM(Pulse Density Modulation)信号、あるいはDSD(Direct Stream Digital)信号等の密度変調されたパルス信号を増幅するアンプとすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、リアクトルの両端に印加される電圧を検出することにより、交流及び直流の過電流(短絡電流)を検出することができる。また、過電流の検出に用いるリアクトル等の設計上の制約が少なく、かつ動作レベルの設定を正確に行うことのできるデジタルアンプの保護装置を提供することができる。
1 DIR(Digital interface receiver)
2 A/Dコンバータ
3 デジタルフィルタ
4 信号処理回路
5 ゲート回路
6,6’ 駆動回路
7,7’ パルス増幅器
8,8’ ローパスフィルタ
9,9’ 出力リレー
10 スピーカ
11,11’ インスツルメンテーションアンプ
12,12’ フィルタ回路
13,13’ 検波回路
14 マイコン
15 電源回路
16 NOT回路
2 A/Dコンバータ
3 デジタルフィルタ
4 信号処理回路
5 ゲート回路
6,6’ 駆動回路
7,7’ パルス増幅器
8,8’ ローパスフィルタ
9,9’ 出力リレー
10 スピーカ
11,11’ インスツルメンテーションアンプ
12,12’ フィルタ回路
13,13’ 検波回路
14 マイコン
15 電源回路
16 NOT回路
Claims (2)
- オーディオ入力信号をパルス信号に変換し、変換したパルス信号をスイッチング増幅してスピーカに供給するパルス増幅器、並びにリアクトル及びコンデンサを備え前記パルス増幅器の出力を平滑するローパスフィルタを備えたデジタルアンプと、
前記ローパスフィルタを構成するリアクトルの印加電圧を検出する電圧検出器、前記リアクトルのインピーダンスの周波数特性の非直線性に基づく前記電圧検出器出力の非直線性を補償する補償装置、及び該補償装置出力をもとにデジタルアンプを過電流から保護する保護装置を備えたことを特徴とするデジタルアンプの保護装置。 - 請求項1記載のデジタルアンプの保護装置において、
前記デジタルアンプは、第1及び第2の電源端子間に第1及び第2のスイッチング素子並びに第3及び第4のスイッチング素子をそれぞれ直列接続したブリッジ回路と、第1及び第2のスイッチング素子の接続点と第3及び第4のスイッチング素子の接続点間に第1のローパスフィルタ及び第2のローパスフィルタを介して接続した負荷としてのスピーカを備え、
前記保護装置は、前記電圧検出器及び補償装置をそれぞれ第1のローパスフィルタ及び第2のローパスフィルタ毎に備え、各補償装置出力をもとにデジタルアンプを過電流から保護することを特徴とするデジタルアンプの保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004007024A JP2005203968A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | デジタルアンプの保護装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004007024A JP2005203968A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | デジタルアンプの保護装置 |
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2004
- 2004-01-14 JP JP2004007024A patent/JP2005203968A/ja active Pending
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