JP2005203133A - 燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池スタックの凍結防止および始動性向上を図る。
【解決手段】 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極構造体の前記各電極に供給された反応ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に前記反応ガスを供給する水素供給装置2および空気供給装置6と、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を検出する水温センサ16と、燃料電池スタック1に設けられた冷媒流路に冷却液を循環させる冷媒循環路18と、を備えた燃料電池システムにおいて、冷媒流路は予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され各領域毎に独立した分割冷媒流路60A,60Bにされており、各分割冷媒流路60A,60Bに流れる冷却液の流量を調整する流量制御弁15と、水温センサ16によって検出された温度に基づいて流量制御弁15を制御するECU20と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極構造体の前記各電極に供給された反応ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に前記反応ガスを供給する水素供給装置2および空気供給装置6と、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を検出する水温センサ16と、燃料電池スタック1に設けられた冷媒流路に冷却液を循環させる冷媒循環路18と、を備えた燃料電池システムにおいて、冷媒流路は予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され各領域毎に独立した分割冷媒流路60A,60Bにされており、各分割冷媒流路60A,60Bに流れる冷却液の流量を調整する流量制御弁15と、水温センサ16によって検出された温度に基づいて流量制御弁15を制御するECU20と、を備える。
【選択図】 図1
Description
この発明は、燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システムに関するものである。
燃料電池の中には、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟持して膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体を一対のセパレータで挟持してセル(単位燃料電池)とするものがあり、この種の燃料電池では、一般に、セルを複数積層して燃料電池スタックとして用いる。
この燃料電池は、アノード電極の発電面に燃料ガス(例えば、水素ガス)を、カソード電極の発電面に酸化剤ガス(例えば、酸素を含む空気)を供給して化学反応を行い、この間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。このとき、カソード電極において、水素イオン、電子、および酸素が反応して水が生成される。この燃料電池は環境に与える影響が少ないため車両の駆動源として注目されている。
また、一般に、この種の燃料電池の作動温度は70℃〜80℃程度とされており、発電に伴う発熱により燃料電池が前記作動温度を超えないように、冷媒通路に冷媒(例えば冷却液)を循環させて温度制御を行っている。
ところで、この種の燃料電池は氷点下環境での始動性が課題となっている。つまり、氷点下環境で燃料電池を始動した場合、発電に伴う自己発熱によるセルの温度上昇が間に合わず、発電に伴ってセル内に生じる生成水が凍結してしまい、セル内の生成水凍結により発電不能に陥る虞がある。
この氷点下環境での始動性を向上させる方法として、氷点下始動時に前記冷却液の循環を停止することにより、発電に伴う自己発熱で発生した熱が冷却液を介して持ち去られるのを阻止し、セルの温度上昇を速めて、生成水の凍結防止を図る方法が考えられている。また、同様の趣旨から、氷点下始動時にスタックから前記冷却液を抜き取る方法も考えられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平6−223855号公報
特表2003−500824号公報
この氷点下環境での始動性を向上させる方法として、氷点下始動時に前記冷却液の循環を停止することにより、発電に伴う自己発熱で発生した熱が冷却液を介して持ち去られるのを阻止し、セルの温度上昇を速めて、生成水の凍結防止を図る方法が考えられている。また、同様の趣旨から、氷点下始動時にスタックから前記冷却液を抜き取る方法も考えられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、氷点下始動時に冷却液の循環を停止したり冷却液を抜き取ってしまうと、セル内部の温度が過剰に上昇して膜電極構造体の性能劣化を引き起こし、経時的にスタック電圧が低下していくという問題がある。図21は、氷点下始動時に冷却液の循環を停止させた場合のスタック電圧の経時変化の傾向を示している。
一方、冷却液を循環させながら燃料電池を氷点下始動すると、前述したように生成水の凍結により発電不能になる虞があるだけでなく、発電不能に陥らない場合であっても、発電に伴う自己発熱による熱が冷却液に持ち去られるので、セル内部あるいはスタックの昇温が遅くなり、その結果、印加可能な負荷電流の増加速度が遅くなって、始動性を悪化させてしまう。氷点下始動時に印加可能な負荷電流の時間的変化について、冷却液循環の有無で比較すると図22に示すようになる。
そこで、この発明は、凍結を確実に防止することができて始動性を向上することができる燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システムを提供するものである。
そこで、この発明は、凍結を確実に防止することができて始動性を向上することができる燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システムを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施例における固体高分子電解質膜51)を一対の電極(例えば、後述する実施例におけるカソード電極52、アノード電極53)で挟持した膜電極構造体(例えば、後述する実施例における膜電極構造体54)の前記各電極の外側にそれぞれ反応ガス流路(例えば、後述する実施例における空気流路33,58、燃料流路34,59)が設けられ前記反応ガス流路から離隔して前記膜電極構造体の面方向に沿って冷媒流路(例えば、後述する実施例における冷媒流路35,60)が設けられている燃料電池(例えば、後述する実施例におけるセル30,50)において、前記冷媒流路は、予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され、各領域毎に独立した分割冷媒流路(例えば、後述する実施例における第1分割冷媒流路35A,60A,61A、第2分割冷媒流路35B,60B,61B、第3分割冷媒流路60C)にされていることを特徴とする。
このように構成することにより、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることが可能になる。
このように構成することにより、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることが可能になる。
請求項2に係る発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施例における固体高分子電解質膜51)を一対の電極(例えば、後述する実施例におけるカソード電極52、アノード電極53)で挟持した膜電極構造体(例えば、後述する実施例における膜電極構造体54)をセパレータ(例えば、後述する実施例におけるセパレータ31,32,55,56)を介して複数個積層した燃料電池スタック(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)において、前記セパレータのうち少なくとも一部のセパレータ(例えば、後述する実施例におけるカソード側セパレータ31,55)は、前記膜電極構造体に当接する側の面に設けられた反応ガス流路(例えば、後述する実施例における空気流路33,58)と、前記反応ガス流路に反応ガスを導入または排出するための反応ガス開口部(例えば、後述する実施例における空気供給開口37,75,空気排出開口38、74)と、前記反応ガス流路が設けられた面とは反対側の面に設けられ予測される膜電極構造体内部の水分分布に応じて複数の領域に分割された分割冷媒流路(例えば、後述する実施例における第1分割冷媒流路35A,60A,61A、第2分割冷媒流路35B,60B,61B、第3分割冷媒流路60C)と、前記分割冷媒流路に冷媒を導入または排出するための開口部であって導入側または排出側の開口部の少なくとも一方が複数個設けられた冷媒開口部(例えば、後述する実施例における第1冷媒供給開口41,76,81、第1冷媒排出開口72、第2冷媒供給開口42,77,82、第2冷媒排出開口73、第3冷媒排出開口83、冷媒供給開口80、冷媒排出開口43,79)と、を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることが可能になる。
このように構成することにより、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることが可能になる。
請求項3に係る発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施例における固体高分子電解質膜51)を一対の電極(例えば、後述する実施例におけるカソード電極52、アノード電極53)で挟持した膜電極構造体(例えば、後述する実施例における膜電極構造体54)の前記各電極に供給された反応ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)と、前記燃料電池スタックに前記反応ガスを供給する反応ガス供給手段(例えば、後述する実施例における水素供給装置2、空気供給装置6)と、前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段(例えば、後述する実施例における水温センサ16)と、前記燃料電池スタックの冷媒流路(例えば、後述する実施例における冷媒流路35,60)に冷媒を循環させる冷媒循環路(例えば、後述する実施例における冷媒循環路18)と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記冷媒流路は予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され各領域毎に独立した分割冷媒流路(例えば、後述する実施例における第1分割冷媒流路35A,60A,61A、第2分割冷媒流路35B,60B,61B、第3分割冷媒流路60C)にされており、前記各分割冷媒流路に流れる冷媒の流量を調整する流量調整手段(例えば、後述する実施例における流量制御弁15)と、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記流量調整手段を制御する制御手段(例えば、後述する実施例におけるECU20)と、を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、燃料電池スタックの温度に基づいて、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を最適流量に制御することが可能となる。
このように構成することにより、燃料電池スタックの温度に基づいて、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を最適流量に制御することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて氷点下環境であるか否かを判定する環境判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS11)と、前記環境判定手段によって氷点下環境であると判定された場合に、前記分割冷媒流路のうち膜電極構造体内の水分量の少ない領域に対応する分割冷媒流路にのみ冷媒を流すべく前記流量調整手段を動作させ、前記温度検出手段によって検出された温度が予め設定された所定温度以上になったときに他の分割冷媒流路にも冷媒を流すべく前記流量調整手段を動作させる冷媒循環処理手段(例えば、後述する実施例におけるステップS13〜S15)と、を備えることを特徴とする。
このように構成することにより、氷点下環境の始動直後は、膜電極構造体内の水分量の少ない領域に対応する分割冷媒流路にのみ冷媒を流し、水分量の多い領域に対応する分割冷媒流路に冷媒を流さないようにすることができ、その後、燃料電池スタックの温度が予め設定された所定温度以上になったときに水分量の多い領域に対応する分割冷媒流路にも冷媒を流すことができる。
このように構成することにより、氷点下環境の始動直後は、膜電極構造体内の水分量の少ない領域に対応する分割冷媒流路にのみ冷媒を流し、水分量の多い領域に対応する分割冷媒流路に冷媒を流さないようにすることができ、その後、燃料電池スタックの温度が予め設定された所定温度以上になったときに水分量の多い領域に対応する分割冷媒流路にも冷媒を流すことができる。
氷点下環境での燃料電池スタックの始動において、膜電極構造体の温度上昇は膜電極構造体内に残留する水分量に依存する。したがって、氷点下環境での燃料電池スタックの始動時に、水分量の多い領域に冷却液を流通させると、この領域における膜電極構造体の温度上昇が遅くなって水の凍結が起こり、この凍結により始動時のガス拡散性が阻害されて発電能力が低下してしまう。あるいは、凍結後の氷から水への状態変化に伴う熱の吸収が発生して、前記領域における温度上昇が水分量の少ない領域に比較して遅れてしまう。請求項4に係る発明では、氷点下環境での始動直後は、水分量の多い領域に冷媒を流さないことにより、この領域の温度上昇を促進して、水の凍結を確実に防止するとともに、印加可能な負荷電流の増加速度を速める。
一方、氷点下環境での燃料電池スタックの始動時に、水分量の少ない領域についても冷媒の流通を停止してしまうと、この領域における膜電極構造体の温度上昇が速くなって、膜電極構造体の温度が過剰に上昇し、性能劣化を起こす虞があるので、水分量の少ない領域については、氷点下環境での始動時であっても冷媒を流通させて、膜電極構造体の過剰な温度上昇を防止し、性能劣化を防止する。
請求項1に係る発明の燃料電池によれば、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることができる。
請求項2に係る発明の燃料電池スタックによれば、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることができる。
請求項3に係る発明の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの温度に基づいて、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を最適流量に制御することができる。
請求項2に係る発明の燃料電池スタックによれば、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を変えることが可能となり、水分分布に応じて冷却の程度を変えることができる。
請求項3に係る発明の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの温度に基づいて、分割冷媒流路毎に冷媒の流量を最適流量に制御することができる。
請求項4に係る発明によれば、氷点下環境の始動直後は、水分量の多い領域に対応する分割冷媒流路に冷媒を流さないので、水分量の多い領域の始動直後の温度上昇を促進することができ、水の凍結を確実に防止できるとともに、印加可能な負荷電流の増加速度を速めることができる。また、氷点下環境の始動直後は、膜電極構造体内の水分量の少ない領域に対応する分割冷媒流路にのみ冷媒を流すので、水分量の少ない領域の過剰な温度上昇を防止することができ、性能劣化を防止することができる。したがって、氷点下環境の始動性が向上する。
以下、この発明に係る燃料電池、燃料電池スタック、燃料電池システムの実施例を図1から図20の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例における燃料電池スタックおよび燃料電池システムは燃料電池車両に搭載された態様であり、燃料電池の燃料として水素、酸化剤として空気中の酸素が使用される態様である。
この発明の実施例1を図1から図12の図面を参照して説明する。
初めに、図2から図7の図面を参照して燃料電池スタック1について説明する。燃料電池スタック1は固体高分子型の燃料電池であり、図2および図3に示すように、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜51をカソード電極52とアノード電極53とで両側から挟み込んで膜電極構造体54を形成し、膜電極構造体54の両側にセパレータ55,56を配置してセル(単位燃料電池)50を構成し、このセル50を複数積層して燃料電池スタック1が構成されている。
初めに、図2から図7の図面を参照して燃料電池スタック1について説明する。燃料電池スタック1は固体高分子型の燃料電池であり、図2および図3に示すように、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜51をカソード電極52とアノード電極53とで両側から挟み込んで膜電極構造体54を形成し、膜電極構造体54の両側にセパレータ55,56を配置してセル(単位燃料電池)50を構成し、このセル50を複数積層して燃料電池スタック1が構成されている。
セパレータ55,56はカーボン製や金属製が採用可能であるが、この実施例では金属製のセパレータを採用している。詳述すると、セパレータ55,56は金属板をプレス成形して製造されたものであり、第1平坦部55a,56aと第2平坦部55b,56bを交互に有する断面波形をなしている。セパレータ55,56は、セパレータ55の第1平坦部55aを膜電極構造体54のカソード電極52に当接させ、セパレータ56の第1平坦部56aを膜電極構造体54のアノード電極53に当接させ、互いに隣接して配置されたセパレータ55,56の第2平坦部55b,56b同士を当接させて、積層されている。
金属製のセパレータは、カーボン製のセパレータよりも薄くでき燃料電池スタック1の積層方向寸法を短くすることができるとともに、カーボン製のセパレータよりも熱容量が小さくでき暖め易いという特徴を有している。
金属製のセパレータは、カーボン製のセパレータよりも薄くでき燃料電池スタック1の積層方向寸法を短くすることができるとともに、カーボン製のセパレータよりも熱容量が小さくでき暖め易いという特徴を有している。
このようにセル50を複数積層してなる燃料電池スタック1においては、セパレータ55とカソード電極52との間に形成される空間は空気(カソードガス、反応ガス)が流通する空気流路(反応ガス流路)58とされ、セパレータ56とアノード電極53との間に形成される空間は水素ガス(アノードガス、反応ガス)が流通する燃料流路(反応ガス流路)59とされ、互いに隣接して配置された両セパレータ55,56間に形成される空間は冷却液(冷媒)が流通する冷媒流路60とされている。つまり、セパレータ55,56は、アノードガスとカソードガスと冷却液を分離する機能を有する。
なお、以下の説明では、空気流路58と燃料流路59を総称して反応ガス流路58,59と記載する場合があり、また、必要に応じて、セパレータ55,56を、カソード側セパレータ55、アノード側セパレータ56として区別する。
なお、以下の説明では、空気流路58と燃料流路59を総称して反応ガス流路58,59と記載する場合があり、また、必要に応じて、セパレータ55,56を、カソード側セパレータ55、アノード側セパレータ56として区別する。
このように構成されたセル50および燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜51を一対の電極52,53で挟持した膜電極構造体54の各電極52,53の外側にそれぞれ反応ガス流路58,59が設けられ、反応ガス流路58,59から離隔して膜電極構造体54の面方向に沿って冷媒流路60が設けられている燃料電池ということができる。
さらに、燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜51を一対の電極52,53で挟持した膜電極構造体54をセパレータ52,53を介して複数個積層した燃料電池スタックということができる。
なお、この実施例では、互いに隣接して配置されたセパレータ55,56間に形成される空間を総て冷媒流路60としたが、必ずしもそのようにする必要はなく、例えば、ある一つの膜電極構造体54に対して一方の側に形成されるセパレータ55,56間の空間は冷媒流路60とし、他方の側に形成されるセパレータ55,56間の空間には冷媒を流さないようにしてもよい。つまり、冷媒流路60は間引いて設けてもよい
さらに、燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜51を一対の電極52,53で挟持した膜電極構造体54をセパレータ52,53を介して複数個積層した燃料電池スタックということができる。
なお、この実施例では、互いに隣接して配置されたセパレータ55,56間に形成される空間を総て冷媒流路60としたが、必ずしもそのようにする必要はなく、例えば、ある一つの膜電極構造体54に対して一方の側に形成されるセパレータ55,56間の空間は冷媒流路60とし、他方の側に形成されるセパレータ55,56間の空間には冷媒を流さないようにしてもよい。つまり、冷媒流路60は間引いて設けてもよい
また、図2に示すように、膜電極構造体54は、固体高分子電解質膜51の周縁部に電極52,53を有さない領域(以下、電極52,53を有する領域を「発電部」、有さない領域を「非発電部」と称す)を有し、この非発電部における左端部に4つの開口71,72,73,74が設けられ、右端部に4つの開口75,76、77,78が設けられている。
セパレータ55,56の反応ガス流路58,59および冷媒流路60は膜電極構造体54における電極52,53に対応する領域(すなわち、発電部)に形成されており、セパレータ55,56の左右端部には膜電極構造体54と同様に開口71〜78が設けられている。これら開口71〜78は膜電極構造体54とセパレータ55,56を積層した状態(すなわち、燃料電池スタック1として組み立てられた状態)においてシール材(図示略)を介して各開口毎にそれぞれ1本の管の如く連通し、分配流路もしくは集合流路として機能する。
セパレータ55,56の反応ガス流路58,59および冷媒流路60は膜電極構造体54における電極52,53に対応する領域(すなわち、発電部)に形成されており、セパレータ55,56の左右端部には膜電極構造体54と同様に開口71〜78が設けられている。これら開口71〜78は膜電極構造体54とセパレータ55,56を積層した状態(すなわち、燃料電池スタック1として組み立てられた状態)においてシール材(図示略)を介して各開口毎にそれぞれ1本の管の如く連通し、分配流路もしくは集合流路として機能する。
ここで、左端部側の開口は上から順に、燃料供給開口71,第1冷媒排出開口(冷媒開口部)72、第2冷媒排出開口(冷媒開口部)73、空気排出開口(反応ガス開口部)74とされており、右端部側の開口は上から順に、空気供給開口(反応ガス開口部)75、第1冷媒供給開口(冷媒開口部)76、第2冷媒供給開口(冷媒開口部)77、燃料排出開口78とされている。そして、燃料供給開口71同士が連通して燃料分配流路71Aを構成し、第1冷媒排出開口72同士が連通して第1冷媒集合流路72Aを構成し、第2冷媒排出開口73同士が連通して第2冷媒集合流路73Aを構成し、空気排出開口74同士が連通して空気集合流路74Aを構成し、空気供給開口75同士が連通して空気分配流路75Aを構成し、第1冷媒供給開口76同士が連通して第1冷媒分配流路76Aを構成し、第2冷媒供給開口77同士が連通して第2冷媒分配流路77Aを構成し、燃料排出開口78同士が連通して燃料集合流路78Aを構成する。
図4は、アノード側セパレータ56を燃料流路59が形成される側から見た正面図である。燃料流路59は所定本数平行に配列されていて、逆S字状に蛇行して形成されており、図中左上部分に位置する燃料流路59の始端が燃料供給開口71に連通し、図中右下部分に位置する燃料流路59の終端が燃料排出開口78に連通している。したがって、水素ガスは、燃料分配流路71Aから燃料供給開口71を介して燃料流路59に導入され、アノード側セパレータ56と膜電極構造体54との間で逆S字状に流通した後、燃料排出開口78を介して燃料集合流路78Aに排出される。
図5は、カソード側セパレータ55を冷媒流路60が形成される側から見た正面図であり、このセパレータ55の裏面側に空気流路58が形成される。
空気流路58は、燃料流路59と同本数だけ平行に配列されていて、S字状に蛇行して形成されており、図中右上部分に位置する空気流路58の始端が空気供給開口75に連通し、図中左下部分に位置する空気流路58の終端が空気排出開口74に連通している。したがって、空気は、空気分配流路75Aから空気供給開口75を介して空気流路58に導入され、カソード側セパレータ55と膜電極構造体54との間でS字状に流通した後、空気排出開口74を介して空気集合流路74Aに排出される。
空気流路58は、燃料流路59と同本数だけ平行に配列されていて、S字状に蛇行して形成されており、図中右上部分に位置する空気流路58の始端が空気供給開口75に連通し、図中左下部分に位置する空気流路58の終端が空気排出開口74に連通している。したがって、空気は、空気分配流路75Aから空気供給開口75を介して空気流路58に導入され、カソード側セパレータ55と膜電極構造体54との間でS字状に流通した後、空気排出開口74を介して空気集合流路74Aに排出される。
図6は、カソード側セパレータ55とアノード側セパレータ56を重ね合わせたときに形成される冷媒流路60を示している。ここで、セパレータ55,56が波板状をなしていることから、空気流路58の折り返し部に対応する部分と燃料流路59の折り返し部に対応する部分が重なる左右二つの領域Gにおいて、冷却液は冷媒流路60を水平方向および上下方向に自由に流通することができることとなる。一方、前記領域Gを除いた領域Hでは冷媒流路60は総て水平方向にのみ流通可能である。
また、この実施例では、前記領域Gにおいてカソード側セパレータ55の平坦部55a,55bとアノード側セパレータ56の平坦部56a,56bの長手方向がともに鉛直方向に配置されて重なる部分に、図7に示すように、冷却液の鉛直方向への流通を阻止するための閉塞片65が設置されている。このように閉塞片65を設置することにより、冷媒流路60は左右の閉塞片65よりも上側に位置する領域と下側に位置する領域に分割される。以下、前記上側の領域の冷媒流路60を第1分割冷媒流路60A、前記下側の領域の冷媒流路60を第2分割冷媒流路60Bと称す。第1分割冷媒流路60Aと第2分割冷媒流路60Bは互いに独立しており、冷却液が相互に流通することはない。
そして、第1分割冷媒流路60Aの右端部が第1冷媒供給開口76に連通し、第1分割冷媒流路60Aの左端部が第1冷媒排出開口72に連通している。したがって、冷却液は、第1冷媒分配流路76Aから第1冷媒供給開口76を介して第1分割冷媒流路60Aに導入され、第1分割冷媒流路60Aを水平方向に流通した後、第1冷媒排出開口72を介して第1冷媒集合流路72Aに排出される。
また、第2分割冷媒流路60Bの右端部が第2冷媒供給開口77に連通し、第2分割冷媒流路60Bの左端部が第2冷媒排出開口73に連通している。したがって、冷却液は、第2冷媒分配流路77Aから第2冷媒供給開口77を介して第2分割冷媒流路60Bに導入され、第2分割冷媒流路60Bを水平方向に流通した後、第2冷媒排出開口73を介して第2冷媒集合流路73Aに排出される。
なお、図9は、燃料電池スタック1内における冷却液の流れを模式的に示したものである。
また、第2分割冷媒流路60Bの右端部が第2冷媒供給開口77に連通し、第2分割冷媒流路60Bの左端部が第2冷媒排出開口73に連通している。したがって、冷却液は、第2冷媒分配流路77Aから第2冷媒供給開口77を介して第2分割冷媒流路60Bに導入され、第2分割冷媒流路60Bを水平方向に流通した後、第2冷媒排出開口73を介して第2冷媒集合流路73Aに排出される。
なお、図9は、燃料電池スタック1内における冷却液の流れを模式的に示したものである。
次に、図1を参照して、前記燃料電池スタック1が組み込まれた燃料電池システムについて説明する。
水素ガスは、水素供給装置2から燃料供給流路3、エゼクタ4を通って燃料電池スタック1の燃料分配流路71Aに供給され、各セル50の燃料流路59に導入されて発電に供される。発電に供されなかった水素ガス、すなわち未反応の水素ガスはアノードオフガスとして燃料集合流路78Aに排出され、アノードオフガス回収流路5を通ってエゼクタ4に吸引され、水素供給装置2から供給される新鮮な水素ガスと合流して再び燃料電池スタック1に供給されるようになっている。
空気は空気供給装置6から空気供給流路7を通って燃料電池スタック1の空気分配流路75Aに供給され、各セル50の空気流路58に導入されて発電に供される。空気は、空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、カソードオフガスとして空気集合流路74Aに排出され、アノードオフガス流路8、圧力制御弁9を介して大気に放出される。
水素ガスは、水素供給装置2から燃料供給流路3、エゼクタ4を通って燃料電池スタック1の燃料分配流路71Aに供給され、各セル50の燃料流路59に導入されて発電に供される。発電に供されなかった水素ガス、すなわち未反応の水素ガスはアノードオフガスとして燃料集合流路78Aに排出され、アノードオフガス回収流路5を通ってエゼクタ4に吸引され、水素供給装置2から供給される新鮮な水素ガスと合流して再び燃料電池スタック1に供給されるようになっている。
空気は空気供給装置6から空気供給流路7を通って燃料電池スタック1の空気分配流路75Aに供給され、各セル50の空気流路58に導入されて発電に供される。空気は、空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、カソードオフガスとして空気集合流路74Aに排出され、アノードオフガス流路8、圧力制御弁9を介して大気に放出される。
また、燃料電池スタック1を冷却するための冷却液は、ECU20によって運転制御されるウォーターポンプ10によって昇圧され、燃料電池スタック1の第1分割冷媒流路60Aおよび第2分割冷媒流路60Bに接続された冷媒循環路18を循環する。詳述すると、ウォーターポンプ10によって昇圧された冷却液は、ラジエータ17を通り、第1冷媒供給流路11、第2冷媒供給流路12を介して、燃料電池スタック1の第1冷媒分配流路76A、第2冷媒分配流路77Aに供給され、第1分割冷媒流路60A、第2分割冷媒流路60Bに導入される。第1分割冷媒流路60A、第2分割冷媒流路60Bを流通した冷却液はそれぞれ第1冷媒集合流路72A、第2冷媒集合流路73Aを介して燃料電池スタック1から排出され、それぞれ第1冷媒排出流路13、第2冷媒排出流路14を通ってウォーターポンプ10に戻る。第2冷媒供給流路12の途中には、電子制御装置(以下、ECUと略す)20によって開閉制御される流量制御弁(流量調整手段)15が設けられている。また、第1冷媒排出流路13には、第1冷媒集合流路72Aから排出される冷却液の温度を検出するための水温センサ16が設けられており、水温センサ16の出力信号はECU20に入力される。
この燃料電池スタック1では、アノード電極53で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜51を透過してカソード電極52まで移動し、カソード電極52で酸素と電気化学反応を起こして発電し、その際に水を生成する。このこの発電に伴う発熱により燃料電池スタック1が所定の作動温度を越えないように、第1分割冷媒流路60A、第2分割冷媒流路60Bを流れる冷却液で熱を奪い冷却する。
ところで、この燃料電池システムでは、発電停止時に燃料電池スタック1の反応ガス流路58,59に乾燥ガスを流して反応ガス流路58,59内の水分を排出する処理(以下、パージという)を行うが、このパージが不十分な場合には、重力方向下側に水が残り、この残留水が発電停止中に凍結して、その後の始動時に反応ガス流路58,59の下流領域へのガス供給が阻害される場合がある。
また、発電停止時のパージが十分に行われている場合であっても、始動時に発電に伴って生じる生成水が凍結して反応ガス流路58,59のガス供給が阻害される部分が生じる場合がある。この場合のガス供給が阻害される部分は、反応ガス流路の形状、反応ガスの流し方(対向流、並向流等)によってかわる。
この実施例では、いずれの場合であるかを問わず、図8に示すように下側領域で水分量が多くなると想定される場合を例にとって説明する。前述した第1分割冷媒流路60Aと第2分割冷媒流路60Bも、この水分分布の予測に基づいて分割されている。
また、発電停止時のパージが十分に行われている場合であっても、始動時に発電に伴って生じる生成水が凍結して反応ガス流路58,59のガス供給が阻害される部分が生じる場合がある。この場合のガス供給が阻害される部分は、反応ガス流路の形状、反応ガスの流し方(対向流、並向流等)によってかわる。
この実施例では、いずれの場合であるかを問わず、図8に示すように下側領域で水分量が多くなると想定される場合を例にとって説明する。前述した第1分割冷媒流路60Aと第2分割冷媒流路60Bも、この水分分布の予測に基づいて分割されている。
氷点下環境での燃料電池スタック1の始動において、セル50の発電部における温度上昇は、膜電極構造体54内の発電部に残留する水分量に依存する。したがって、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動時に、水分量の多い下側領域に冷却液を流通させると、下側領域における発電部の温度上昇が遅くなって水の凍結が起こり、この凍結により始動時のガス拡散性が阻害されて発電能力が低下する虞がある。あるいは、凍結後の氷から水への状態変化に伴う熱の吸収が発生して、下側領域における温度上昇が上側領域に比較して遅れてしまう。そこで、この燃料電池システムでは、氷点下環境での始動直後は、水分量の多い下側領域では冷却液の循環を停止することにより、下側領域の温度上昇を促進して、水の凍結を確実に防止するとともに、印加可能な負荷電流の増加速度を速めて始動性の向上を図る。
一方、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動時に、水分量の少ない上側領域についても冷却液の循環を停止してしまうと、上側領域における発電部の温度上昇が速くなって、セル50内部の温度が過剰に上昇し、膜電極構造体54の性能劣化を起こす虞があるので、水分量の少ない上側領域については、氷点下環境での始動時であっても冷却液の循環を行って、膜電極構造体54の過剰な温度上昇を防止し、膜電極構造体54の性能劣化を防止するようにした。
これにより、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動性が向上し、燃料電池スタック1の性能を長期に亘って良好な状態に保持することができる。
これにより、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動性が向上し、燃料電池スタック1の性能を長期に亘って良好な状態に保持することができる。
次に、この実施例における冷却液循環制御について、図10のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS11において、水温センサ16で検出された冷却液温度が予め設定された第1の規定温度(例えば、0゜C)を超えているか否かを判定する。
ステップS11における判定結果が「NO」(冷却液温度≦第1の規定温度)である場合は、燃料電池スタック1が氷点下環境における始動ではないと判断して、ステップS12に進み、水素供給装置2および空気供給装置6から水素ガスおよび空気を燃料電池スタック1に供給して発電を開始するとともに、冷却液ポンプ10を運転し流量制御弁15を開いて、第1分割冷媒流路60Aおよび第2分割冷媒流路60Bの両方に冷却液を循環する。その後、ステップS16に進んで通常の発電を行う。
まず、ステップS11において、水温センサ16で検出された冷却液温度が予め設定された第1の規定温度(例えば、0゜C)を超えているか否かを判定する。
ステップS11における判定結果が「NO」(冷却液温度≦第1の規定温度)である場合は、燃料電池スタック1が氷点下環境における始動ではないと判断して、ステップS12に進み、水素供給装置2および空気供給装置6から水素ガスおよび空気を燃料電池スタック1に供給して発電を開始するとともに、冷却液ポンプ10を運転し流量制御弁15を開いて、第1分割冷媒流路60Aおよび第2分割冷媒流路60Bの両方に冷却液を循環する。その後、ステップS16に進んで通常の発電を行う。
一方、ステップS11における判定結果が「YES」(冷却液温度>第1の規定温度)である場合は、燃料電池スタック1が氷点下環境における始動であると判断して、ステップS13に進み、水素供給装置2および空気供給装置6から水素ガスおよび空気を燃料電池スタック1に供給して発電を開始するとともに、流量制御弁15を閉じて冷却液ポンプ10を運転し、発電部の上側領域に対応する第1分割冷媒流路60Aにのみ冷却液を循環させ、発電部の下側領域に対応する第2分割冷媒流路60Bには冷却液を循環させない。
そして、ステップS13からステップS14に進み、水温センサ16で検出された冷却液温度が予め設定された第2の規定温度(例えば、0゜C)以上か否かを判定する。
ステップS14における判定結果が「NO」(冷却液温度<第2の規定温度)である場合は、第1分割冷媒流路60Aのみでの冷却液循環を継続する。
ステップS14における判定結果が「YES」(冷却液温度≧第2の規定温度)である場合は、ステップS15に進み、流量制御弁15を開いて、第2分割冷媒流路60Bにも冷却液を流通させ、第1分割冷媒流路60Aおよび第2分割冷媒流路60Bの両方で冷却液を循環する。その後、ステップS16に進んで通常の発電を行う。
ステップS14における判定結果が「NO」(冷却液温度<第2の規定温度)である場合は、第1分割冷媒流路60Aのみでの冷却液循環を継続する。
ステップS14における判定結果が「YES」(冷却液温度≧第2の規定温度)である場合は、ステップS15に進み、流量制御弁15を開いて、第2分割冷媒流路60Bにも冷却液を流通させ、第1分割冷媒流路60Aおよび第2分割冷媒流路60Bの両方で冷却液を循環する。その後、ステップS16に進んで通常の発電を行う。
なお、この実施例1においては、ECU20によって制御手段が実現され、ECU20がステップS11の処理を実行することにより環境判定手段が実現され、ECU20がステップS13〜S15の一連の処理を実行することにより冷媒循環処理手段が実現される。
なお、第2の規定温度は、膜電極構造体54の性能劣化特性に基づいて設定される温度である。また、第1の規定温度と第2の規定温度は同一温度に設定してもよいし、あるいは異なる温度に設定してもよい。
また、この実施例では冷却液温度を燃料電池スタック1を代表する温度として、これを第1の規定温度、第2の規定温度と比較しているが、第1の規定温度、第2の規定温度と比較すべき燃料電池スタック1の代表温度は冷却液温度に限るものではなく、例えば、燃料電池スタック1の膜電極構造体54の発電部の温度をセンサで検出し、これを燃料電池スタック1の代表温度として用いてもよい。
また、この実施例では冷却液温度を燃料電池スタック1を代表する温度として、これを第1の規定温度、第2の規定温度と比較しているが、第1の規定温度、第2の規定温度と比較すべき燃料電池スタック1の代表温度は冷却液温度に限るものではなく、例えば、燃料電池スタック1の膜電極構造体54の発電部の温度をセンサで検出し、これを燃料電池スタック1の代表温度として用いてもよい。
また、この実施例では、第1分割冷媒流路60A、第2分割冷媒流路60Bに対してそれぞれ1つずつ冷媒供給開口75または76、冷媒排出開口72または73を設けているが、図11に示すように、2つの冷媒排出開口72,73を一つにまとめて冷媒排出開口79としてもよいし、あるいは、図12に示すように、2つの冷媒供給開口75,76を一つにまとめて冷媒供給開口80としてもよい。なお、冷媒供給開口75,76を一つにまとめて冷媒供給開口80とする場合には、第2冷媒供給流路12に流量制御弁15を設ける代わりに、第2冷媒出口流路14に流量制御弁15を設ける。
次に、この発明の実施例2を図13から図16の図面を参照して説明する。実施例2の燃料電池スタック1が実施例1のものと相違する点は、冷媒流路60が上下方向に3分割されている点にある。
図13はアノード側セパレータ56を燃料流路59が形成される側から見た正面図、図14はカソード側セパレータ55を冷媒流路60が形成される側から見た正面図、図15はカソード側セパレータ55を冷媒5とアノード側セパレータ56を重ね合わせたときに形成される冷媒流路60を示している。実施例2のセパレータ55,56は、閉塞片の設置位置だけを異にした実施例1のものと同じ構成のセパレータ55,56が用いられている。
図13はアノード側セパレータ56を燃料流路59が形成される側から見た正面図、図14はカソード側セパレータ55を冷媒流路60が形成される側から見た正面図、図15はカソード側セパレータ55を冷媒5とアノード側セパレータ56を重ね合わせたときに形成される冷媒流路60を示している。実施例2のセパレータ55,56は、閉塞片の設置位置だけを異にした実施例1のものと同じ構成のセパレータ55,56が用いられている。
実施例2のセパレータ55,56では、カソード側セパレータ55の平坦部55a,55bの長手方向とアノード側セパレータ56の平坦部56a,56bの長手方向が互いに直交して配置されて重なる部分の上下左右4箇所に、図16に示すように、冷却液の鉛直方向への流通を阻止するための閉塞片66が設置されている。このように閉塞片66を設置することにより、冷媒流路60は、左右上側の閉塞片66よりも上側に位置する上部領域と、左右上側の閉塞片66より下側で左右下側の閉塞片66よりも上側に位置する中間領域と、左右下側の閉塞片66より下側に位置する下部領域に分割される。以下、前記上部領域の冷媒流路60を第1分割冷媒流路61A、前記中間領域の冷媒流路60を第2分割冷媒流路61B、前記下部領域の冷媒流路60を第3分割冷媒流路61Cと称す。各分割冷媒流路61A,61B,61Cは互いに独立しており、冷却液が相互に流通することはない。
そして、膜電極構造体54、セパレータ55,56の非発電部における左側には、燃料供給開口71と空気排出開口(反応ガス開口部)74との間に冷媒排出開口(冷媒開口部)79が一つだけ設けられ、非発電部における右側には、空気供給開口(反応ガス開口部)75と燃料排出開口78との間に第1冷媒供給開口(冷媒開口部)81、第2冷媒供給開口(冷媒開口部)82、第3冷媒供給開口(冷媒開口部)83が設けられている。
第1分割冷媒流路61Aの右端部は第1冷媒供給開口81に連通し、第2分割冷媒流路61Bの右端部は第2冷媒供給開口82に連通し、第3分割冷媒流路61Cの右端部は第3冷媒供給開口83に連通しており、これら3つの分割冷媒流路61A,61B,61Cの各左端部はいずれも冷媒排出開口79に連通している。したがって、冷却液は第1冷媒供給開口81から第1分割冷媒流路61Aに導入され、第1分割冷媒流路61Aを水平方向に流通した後、冷媒排出開口79を介して排出される。また、冷却液は第2冷媒供給開口82から第1分割冷媒流路61Bに導入され、第2分割冷媒流路61Bを水平方向に流通した後、冷媒排出開口79を介して排出される。また、冷却液は第3冷媒供給開口83から第3分割冷媒流路61Cに導入され、第3分割冷媒流路61Cを水平方向に流通した後、冷媒排出開口79を介して排出される。
このように冷媒流路60を上下方向に3分割にした場合には、氷点下環境の始動時における冷却液循環をより細かく制御することができる。例えば、氷点下環境の始動直後は第2,第3の分割冷媒流路61B,61Cには冷却液循環を停止して第1分割冷媒流路61Aにのみ冷却液循環を行い、燃料電池スタック1が若干暖まってきたときに第2分割冷媒流路61Bにも冷却液循環を開始し、燃料電池スタック1がさらに暖まってきたときに第3分割冷媒流路61Cにも冷却液循環を開始するようにすることができる。
次に、この発明の実施例3を図17から図20の図面を参照して説明する。実施例3の燃料電池スタック1が実施例1のものと相違する点は、セパレータがカーボン製である点と、燃料電池スタック1内の水分量が右側で多くなっていると予測される場合を例に挙げている点と、冷媒流路が左右方向に2分割されている点にある。
図17の断面図に示すように、実施例3の燃料電池スタック1も、膜電極構造体54の両側にセパレータ31,32を配置してなるセル30を複数積層して構成されている。膜電極構造体54については実施例1のものと全く同じ構成であるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
膜電極構造体54のアノード電極53に当接して配置されるアノード側セパレータ32には、アノード電極53と対向する面に燃料流路34を構成する多数の溝が形成されている。図18はアノード側セパレータ32を燃料流路34が形成される側から見た正面図であり、燃料流路34は発電面のほぼ全域に亘って水平方向に直線状に設けられている。
図17の断面図に示すように、実施例3の燃料電池スタック1も、膜電極構造体54の両側にセパレータ31,32を配置してなるセル30を複数積層して構成されている。膜電極構造体54については実施例1のものと全く同じ構成であるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
膜電極構造体54のアノード電極53に当接して配置されるアノード側セパレータ32には、アノード電極53と対向する面に燃料流路34を構成する多数の溝が形成されている。図18はアノード側セパレータ32を燃料流路34が形成される側から見た正面図であり、燃料流路34は発電面のほぼ全域に亘って水平方向に直線状に設けられている。
膜電極構造体54のカソード電極52に当接して配置されるカソード側セパレータ31には、カソード電極52と対向する面に空気流路33を構成する多数の溝が形成されており、反対側の面(すなわち、アノード側セパレータ32に対向する面)に冷媒流路35を構成する多数の溝が形成されている。図19はカソード側セパレータ31を空気流路33が形成される側から見た正面図であり、空気流路33は発電面のほぼ全域に亘って水平方向に直線状に設けられている。また、図20はカソード側セパレータ31を冷媒流路35が形成される側から見た正面図であり、冷媒流路35は発電面のほぼ全域に亘って鉛直方向に直線状に設けられていて、左右2つの領域に分割されている。以下、左側の領域に配置された冷媒流路35を第1分割冷媒流路35A、右側の領域に配置された冷媒流路35を第2分割冷媒流路35Bとして区別する。第1分割冷媒流路35Aと第2分割冷媒流路35Bは互いに独立しており、冷却液が相互に流通することはない。
膜電極構造体54と両セパレータ31,32の非発電部には、左側上部に燃料供給開口36が設けられ、左側下部に空気供給開口(冷媒開口部)37が設けられ、右側上部に空気排出開口(反応ガス開口部)38が設けられ、右側下部に燃料排出開口39が設けられ、上側に左右一対の第1冷媒供給開口(冷媒開口部)41と第2冷媒供給開口(冷媒開口部)42が設けられ、下側に冷媒排出開口(冷媒開口部)43が設けられている。なお、図18,図20と図19は表裏の関係にあるため、図19では図中左側に空気排出開口38と燃料排出開口39が記載され、図中右側に燃料供給開口36と空気供給開口37が記載されている。
燃料供給開口36と燃料排出開口39は燃料流路34に連通しており、水素ガスは燃料供給開口36から燃料流路34に導入され、燃料流路34を水平方向に流通した後、燃料排出開口39に排出される。
空気供給開口37と空気排出開口38は空気流路33に連通しており、空気は空気供給開口37から空気流路33に導入され、空気流路33を水平方向に流通した後、空気排出開口38に排出される。なお、この実施例3では、水素ガスと空気は並向流となる。
第1冷媒供給開口41は第1分割冷媒流路35Aに連通し、第2冷媒供給開口42は第2分割冷媒流路35Bに連通し、冷媒排出開口43は第1分割冷媒流路35Aと第2分割冷媒流路35Bに連通している。したがって、冷却液は、第1冷媒供給開口41あるいは第2冷媒供給開口42から第1分割冷媒流路35Aあるいは第2分割冷媒流路60Bに導入され、第1分割冷媒流路35Aあるいは第2分割冷媒流路60Bを上から下に流通した後、冷媒排出開口43に排出される。
空気供給開口37と空気排出開口38は空気流路33に連通しており、空気は空気供給開口37から空気流路33に導入され、空気流路33を水平方向に流通した後、空気排出開口38に排出される。なお、この実施例3では、水素ガスと空気は並向流となる。
第1冷媒供給開口41は第1分割冷媒流路35Aに連通し、第2冷媒供給開口42は第2分割冷媒流路35Bに連通し、冷媒排出開口43は第1分割冷媒流路35Aと第2分割冷媒流路35Bに連通している。したがって、冷却液は、第1冷媒供給開口41あるいは第2冷媒供給開口42から第1分割冷媒流路35Aあるいは第2分割冷媒流路60Bに導入され、第1分割冷媒流路35Aあるいは第2分割冷媒流路60Bを上から下に流通した後、冷媒排出開口43に排出される。
この実施例の場合、発電部における左側領域よりも右側領域の方が水分量が多くなると予測されている。前述した第1分割冷媒流路35Aと第2分割冷媒流路35Bは、この水分分布の予測に基づいて分割されている。
そこで、この燃料電池システムでは、氷点下環境での始動直後は、水分量の多い右側領域に配置された第2分割冷媒流路35Bに対し冷却液の循環を停止することにより、右側領域の温度上昇を促進して、水の凍結を確実に防止するとともに、印加可能な負荷電流の増加速度を速めて始動性の向上を図る。
一方、水分量の少ない左側領域に配置された第1分割冷媒流路35Aについては、氷点下環境での始動直後から冷却液の循環を行って、膜電極構造体54の過剰な温度上昇を防止し、膜電極構造体54の性能劣化を防止する。
これにより、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動性が向上し、燃料電池スタック1の性能を長期に亘って良好な状態に保持することができる。
一方、水分量の少ない左側領域に配置された第1分割冷媒流路35Aについては、氷点下環境での始動直後から冷却液の循環を行って、膜電極構造体54の過剰な温度上昇を防止し、膜電極構造体54の性能劣化を防止する。
これにより、氷点下環境での燃料電池スタック1の始動性が向上し、燃料電池スタック1の性能を長期に亘って良好な状態に保持することができる。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、冷媒流路の分割数は4つ以上であってもよい。 また、冷媒流路の分割は予測される水分分布に応じて適宜に設定することができ、前述した実施例の分割形態に限定されるものではない。
また、前述した実施例では、氷点下環境での燃料電池スタックの始動時に、水分量の多い領域への冷媒の流通を完全に停止したが、必ずしも完全に停止させる必要はなく、例えば、水分量の多い領域に流通させる冷媒の流量を、水分量の少ない領域に流通させる冷媒の流量よりも十分に小さくすることによっても本発明は成立する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、冷媒流路の分割数は4つ以上であってもよい。 また、冷媒流路の分割は予測される水分分布に応じて適宜に設定することができ、前述した実施例の分割形態に限定されるものではない。
また、前述した実施例では、氷点下環境での燃料電池スタックの始動時に、水分量の多い領域への冷媒の流通を完全に停止したが、必ずしも完全に停止させる必要はなく、例えば、水分量の多い領域に流通させる冷媒の流量を、水分量の少ない領域に流通させる冷媒の流量よりも十分に小さくすることによっても本発明は成立する。
また、前述した実施例では、水分量の多い領域への冷媒の流通を停止するのにバルブを用いているが、これに代えて例えば、水分量の多い領域の冷媒流路の流路抵抗を、水分量の少ない領域の冷媒流路の流路抵抗よりも大きくしておき、冷媒の流量を所定に減少させると、水分量の少ない領域の冷媒流路にのみ冷媒が流れ、水分量の多い流域の冷媒流路に冷媒が流れなくなるという現象を利用してもよい。
また、燃料電池スタックおよび燃料電池システムは車両搭載用に限らず、車両以外の移動体に搭載してもよいし、あるいは定置式としてもよい。
また、燃料電池スタックおよび燃料電池システムは車両搭載用に限らず、車両以外の移動体に搭載してもよいし、あるいは定置式としてもよい。
1 燃料電池スタック
2 水素供給装置(反応ガス供給手段)
6 空気供給手段(反応ガス供給手段)
15 流量制御弁(流量調整手段)
16 水温センサ(温度検出手段)
18 冷媒循環路
20 ECU(制御手段)
31,55 カソード側セパレータ
32,56 アノード側セパレータ
51 固体高分子電解質膜
52 カソード電極
53 アノード電極
54 膜電極構造体
33,58 空気流路(反応ガス流路)
34,59 燃料流路(反応ガス流路)
35,60 冷媒流路
35A,,60A,61A 第1分割冷媒流路
35B,60B,61B 第2分割冷媒流路
61C 第3分割冷媒流路
36,71 燃料供給開口
37,75 空気供給開口(反応ガス開口部)
38,74 空気排出開口(反応ガス開口部)
39,78 燃料排出開口
41,76 第1冷媒供給開口(冷媒開口部)
42,77 第2冷媒供給開口(冷媒開口部)
43, 冷媒排出開口(冷媒開口部)
72 第1冷媒排出開口(冷媒開口部)
73 第2冷媒排出開口(冷媒開口部)
79 冷媒排出開口(冷媒開口部)
80 冷媒供給開口(冷媒開口部)
81 第1冷媒供給開口(冷媒開口部)
82 第2冷媒供給開口(冷媒開口部)
83 第3冷媒供給開口(冷媒開口部)
2 水素供給装置(反応ガス供給手段)
6 空気供給手段(反応ガス供給手段)
15 流量制御弁(流量調整手段)
16 水温センサ(温度検出手段)
18 冷媒循環路
20 ECU(制御手段)
31,55 カソード側セパレータ
32,56 アノード側セパレータ
51 固体高分子電解質膜
52 カソード電極
53 アノード電極
54 膜電極構造体
33,58 空気流路(反応ガス流路)
34,59 燃料流路(反応ガス流路)
35,60 冷媒流路
35A,,60A,61A 第1分割冷媒流路
35B,60B,61B 第2分割冷媒流路
61C 第3分割冷媒流路
36,71 燃料供給開口
37,75 空気供給開口(反応ガス開口部)
38,74 空気排出開口(反応ガス開口部)
39,78 燃料排出開口
41,76 第1冷媒供給開口(冷媒開口部)
42,77 第2冷媒供給開口(冷媒開口部)
43, 冷媒排出開口(冷媒開口部)
72 第1冷媒排出開口(冷媒開口部)
73 第2冷媒排出開口(冷媒開口部)
79 冷媒排出開口(冷媒開口部)
80 冷媒供給開口(冷媒開口部)
81 第1冷媒供給開口(冷媒開口部)
82 第2冷媒供給開口(冷媒開口部)
83 第3冷媒供給開口(冷媒開口部)
Claims (4)
- 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極構造体の前記各電極の外側にそれぞれ反応ガス流路が設けられ前記反応ガス流路から離隔して前記膜電極構造体の面方向に沿って冷媒流路が設けられている燃料電池において、
前記冷媒流路は、予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され、各領域毎に独立した分割冷媒流路にされていることを特徴とする燃料電池。 - 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極構造体をセパレータを介して複数個積層した燃料電池スタックにおいて、
前記セパレータのうち少なくとも一部のセパレータは、前記膜電極構造体に当接する側の面に設けられた反応ガス流路と、前記反応ガス流路に反応ガスを導入または排出するための反応ガス開口部と、前記反応ガス流路が設けられた面とは反対側の面に設けられ予測される膜電極構造体内部の水分分布に応じて複数の領域に分割された分割冷媒流路と、前記分割冷媒流路に冷媒を導入または排出するための開口部であって導入側または排出側の開口部の少なくとも一方が複数個設けられた冷媒開口部と、を備えることを特徴とする燃料電池スタック。 - 固体高分子電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極構造体の前記各電極に供給された反応ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに前記反応ガスを供給する反応ガス供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池スタックの冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環路と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記冷媒流路は予測される前記膜電極構造体内の水分分布に応じて複数の領域に分割され各領域毎に独立した分割冷媒流路にされており、
前記各分割冷媒流路に流れる冷媒の流量を調整する流量調整手段と、
前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記流量調整手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御手段は、
前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて氷点下環境であるか否かを判定する環境判定手段と、
前記環境判定手段によって氷点下環境であると判定された場合に、前記分割冷媒流路のうち膜電極構造体内の水分量の少ない領域に対応する分割冷媒流路にのみ冷媒を流すべく前記流量調整手段を動作させ、前記温度検出手段によって検出された温度が予め設定された所定温度以上になったときに他の分割冷媒流路にも冷媒を流すべく前記流量調整手段を動作させる冷媒循環処理手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004005534A JP2005203133A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004005534A JP2005203133A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005203133A true JP2005203133A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34819823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004005534A Withdrawn JP2005203133A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 燃料電池と燃料電池スタックおよび燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005203133A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-01-13 JP JP2004005534A patent/JP2005203133A/ja not_active Withdrawn
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