JP2005202267A - 手術訓練用シミュレーター - Google Patents
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Abstract
【課題】オフポンプによる冠動脈バイパス手術における血管吻合術に関して、臨床体験により近い環境下に低廉なコストで多様な訓練を実現する。
【解決手段】回転駆動手段と、この回転駆動手段に連結されるクランク機構と、クランク機構に従動して動作する揺動手段と、揺動手段に取り付けた模擬心臓とを具え、前記クランク機構は、第1および第2の縦ロッドとこの両ロッド間を結ぶ横ロッドを有するとともに第2縦ロッドおよび横ロッドの連結位置を縦ロッドにおいて上下方向に移動可能に構成し、前記揺動手段は第2縦ロッドの回転駆動手段の回転中心に対向する点の近傍に取り付け前記連結位置の移動により揺動手段の取り付け位置と回転駆動手段の回転軸中心との距離を自在に調節可能にして前記取り付け位置を回転駆動手段の回転軸中心に対して偏心回転させるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】回転駆動手段と、この回転駆動手段に連結されるクランク機構と、クランク機構に従動して動作する揺動手段と、揺動手段に取り付けた模擬心臓とを具え、前記クランク機構は、第1および第2の縦ロッドとこの両ロッド間を結ぶ横ロッドを有するとともに第2縦ロッドおよび横ロッドの連結位置を縦ロッドにおいて上下方向に移動可能に構成し、前記揺動手段は第2縦ロッドの回転駆動手段の回転中心に対向する点の近傍に取り付け前記連結位置の移動により揺動手段の取り付け位置と回転駆動手段の回転軸中心との距離を自在に調節可能にして前記取り付け位置を回転駆動手段の回転軸中心に対して偏心回転させるようにする。
【選択図】図1
Description
本願発明は、手術訓練用シミュレーターに関し、詳しくは拍動状態の心臓の冠動脈にバイパス用血管を吻合するための手術手技訓練装置に関する。
近年、心筋梗塞等の虚血性心疾患を抱えた患者のうち、比較的心臓の機能が良好に保たれている患者に対しては、カテーテルを使用した冠動脈血管拡張術や血管内ステント留置に代表されるカテーテルインターベンションが加速度的に普及してきた。これらの治療は、患者に対する侵襲が少ないこと、入院期間が短いという特徴を有するが、再狭窄が多い、フォローアップのコストがかかるという問題点もある。
一方、カテーテル治療以外では、冠動脈バイパス術(実務上CABGと略称されている)が実施されている。この方法は、心臓を露出し、虚血の原因である狭窄の起こっている冠動脈に、他の血管から血液を送るためのバイパス用血管を吻合するものである。この方法は血行再建効果が長期にわたり維持できる方法として認知されている。
一方、カテーテル治療以外では、冠動脈バイパス術(実務上CABGと略称されている)が実施されている。この方法は、心臓を露出し、虚血の原因である狭窄の起こっている冠動脈に、他の血管から血液を送るためのバイパス用血管を吻合するものである。この方法は血行再建効果が長期にわたり維持できる方法として認知されている。
CABGの対象となる患者の多くは、カテーテル治療が適応できない患者であり、カテ
ーテルインターベンションによる処置後に再度狭窄が起こった患者や、心臓に顕著な機能障害があったり、複数の冠動脈が閉塞、狭窄していたり、上行大動脈が石灰化していたり、脳、腎臓、呼吸器等の慢性疾患を有していたり、高齢者である場合が多い。これらの患者はいずれも、CABGに対するリスクが高い。中でも最大のリスクは、人工心肺装置を使用して体外循環を行うことである。
ーテルインターベンションによる処置後に再度狭窄が起こった患者や、心臓に顕著な機能障害があったり、複数の冠動脈が閉塞、狭窄していたり、上行大動脈が石灰化していたり、脳、腎臓、呼吸器等の慢性疾患を有していたり、高齢者である場合が多い。これらの患者はいずれも、CABGに対するリスクが高い。中でも最大のリスクは、人工心肺装置を使用して体外循環を行うことである。
人工心肺装置を使用してのCABGにおける危険性は以下のように集約できる。すなわち、
a:心臓をいったん止めての手術であるから、心臓を再度動かしたときに再び動くかどうか、あるいは停止前の心臓の力が回復できるかどうかの危惧を解消できない。
b:人工心肺装置による循環作用の維持は非生理的であるため、肺・肝臓・腎臓などにおける血流、血圧が低下し、これら臓器の機能低下をもたらす危険性がある。また、免疫力も低下するため感染症を引き起こす危険性もある。
c:体外循環中に大動脈の圧力の低下による脳梗塞を引き起こす危険性がある。
d:人工心肺装置使用に伴う血栓の発生防止のため薬剤(ヘパリン等)を大量に使用するため出血傾向がでる。
a:心臓をいったん止めての手術であるから、心臓を再度動かしたときに再び動くかどうか、あるいは停止前の心臓の力が回復できるかどうかの危惧を解消できない。
b:人工心肺装置による循環作用の維持は非生理的であるため、肺・肝臓・腎臓などにおける血流、血圧が低下し、これら臓器の機能低下をもたらす危険性がある。また、免疫力も低下するため感染症を引き起こす危険性もある。
c:体外循環中に大動脈の圧力の低下による脳梗塞を引き起こす危険性がある。
d:人工心肺装置使用に伴う血栓の発生防止のため薬剤(ヘパリン等)を大量に使用するため出血傾向がでる。
上記のような心肺停止下のCABGの危険性を回避するため、近年、人工心肺を使用しないで、心拍動下で、バイパス用グラフトを吻合する方法も行われるようになっている。
実際には、吻合部の冠状動脈の血流を一時的に遮断し、バイパス用血管を吻合していくこの方法は、オフポンプ冠動脈吻合術と呼ばれ、患者が全身麻酔と胸骨の切開に耐えられれば実施可能であり、定着しつつある。
オフポンプ冠動脈吻合術では、心臓が動いている状態で胸を切開して内胸動脈をとり、その内胸動脈の端部を冠動脈の末梢側に吻合する作業、すなわち、1ミリから2ミリの小血管を短時間のうちに確実に吻合する高度な技巧を要求される。この難しさを緩和するための補助具として、冠動脈の吻合部だけを固定するスタビライザーと呼ばれる器具が使用されるが、手術の成否を決定する本質的要因は執刀医の技量である。技量の高度化を図るには何にも増して経験の積み重ねに併せて訓練が欠かせない。これまでのところ、このような訓練を効率的、効果的に実現する顕著な対策は、特許文献中に見出しえないが、オフポンプ冠動脈吻合術に関連する技術としては以下のようなものが開示されている。
特表2002−501780(ウィルクパテントデヴェロップメント)
特開2000−342692(早稲田大学)
特表2002−516137(ガイダントコーポレーション)
実際には、吻合部の冠状動脈の血流を一時的に遮断し、バイパス用血管を吻合していくこの方法は、オフポンプ冠動脈吻合術と呼ばれ、患者が全身麻酔と胸骨の切開に耐えられれば実施可能であり、定着しつつある。
オフポンプ冠動脈吻合術では、心臓が動いている状態で胸を切開して内胸動脈をとり、その内胸動脈の端部を冠動脈の末梢側に吻合する作業、すなわち、1ミリから2ミリの小血管を短時間のうちに確実に吻合する高度な技巧を要求される。この難しさを緩和するための補助具として、冠動脈の吻合部だけを固定するスタビライザーと呼ばれる器具が使用されるが、手術の成否を決定する本質的要因は執刀医の技量である。技量の高度化を図るには何にも増して経験の積み重ねに併せて訓練が欠かせない。これまでのところ、このような訓練を効率的、効果的に実現する顕著な対策は、特許文献中に見出しえないが、オフポンプ冠動脈吻合術に関連する技術としては以下のようなものが開示されている。
従来、冠動脈バイパス手術は心臓を止めた手術を数多く経験した医師が更に難度の高いオフポンプ冠動脈吻合術へと段階的に訓練を積むことにより対応してきた。こうした訓練における重要課題のひとつは、限られた時間内に心臓が動いて波打つ環境下に小血管を確実に吻合する熟練の体得である。これまでのところ、このような訓練は現実の手術をとおしてなすほかはなく、効率的、効果的に技量の向上を図ることが難しいのが現状である。
本願発明は、以上述べたような背景の下になされたものである。
本願発明は、以上述べたような背景の下になされたものである。
本願発明は、手術訓練用シミュレーターを、回転駆動手段と、この回転駆動手段に連結されるクランク機構と、クランク機構に従動して動作する揺動手段と、揺動手段に取り付けた模擬心臓とを具えて構成し、揺動する模擬心臓を利用して血管吻合シミュレーションをなすことにより擬似臨床雰囲気下に心臓冠動脈吻合術のトレーニングをできるようにして上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、前記の手術訓練用シミュレーターにおいて、クランク機構は、第1および第2の縦ロッドとこの両ロッド間を結ぶ横ロッドを有するとともに第2縦ロッドおよび横ロッドの連結位置を縦ロッドにおいて上下方向に移動可能に構成し、前記揺動手段は第2縦ロッドの回転駆動手段の回転軸中心に対向する点の近傍に取り付け前記連結位置の移動により揺動手段の取り付け位置と回転駆動手段の回転軸中心との距離を自在に調節可能にして前記取り付け位置を回転駆動手段の回転軸中心に対して偏心回転させるように構成することがある。
さらに、前記の手術訓練用シミュレーターにおいて、揺動手段は、第2縦ロッドにおいて横ロッドとの前記連結位置とは反対側端部に固定した連結器と、この連結器に回転可能に軸支される第1連結シャフトと、前記第1連結シャフトに可変ジョイントで連結される第2連結シャフトと、第2連結シャフトの端部に設けられ模擬心臓中に埋設されるばね部材と、前記第2連結シャフトの回動を制限しつつその揺動を助長するために他の固定箇所と第2連結シャフトとの間に張架した弾性材とから構成して、前記第1連結シャフトの中心を回転駆動手段の回転軸中心に対して偏心回転させて模擬心臓に対して所定の揺動を付与するように構成することがある。
さらにまた、上記いずれかの手術訓練用シミュレーターにおいて、柔軟性樹脂材で形成した前記模擬心臓の所定箇所にはスポンジ材を介して模擬血管を埋設する構成となすことがある。
また、上記いずれかの手術訓練用シミュレーターにおいて、模擬心臓を除く部分は筐体により覆装し、さらに模擬心臓が前記筐体から突出する状態で上部開口する演習ボックスに収納するとともに前記筐体の演習ボックス内の高さ位置は被訓練者の技量レベルにあわせて調節可能な構成を有することがある。
本願発明は、以上説明したような構成作用により、オフポンプによる冠動脈バイパス手術における血管吻合術を臨床体験を積む前に、臨床体験により近い環境下に低廉なコストで数多く訓練することができ、しかも吻合結果を即座に判定できるから技術力の向上に資するところが大きい。
本願発明は、所定大きさの上部が開口する所定空間内で心臓の鼓動相当に揺動する模擬心臓を使って血管吻合術を訓練するものであるから、模擬心臓の揺動速度を調節できることが肝要である。したがって、回転駆動手段は回転速度が制御可能であることが望ましい。
また、クランク機構における揺動手段を取り付ける縦ロッドの長さを容易に変換できるようにして回転駆動手段の回転軸中心と揺動手段の連結シャフトの中心との距離を簡易に調整し、連結シャフトの回転駆動手段の回転軸中心に対する偏心回転半径を変えて模擬心臓の揺動範囲あるいは量を訓練レベルにあわせて調節できるようにする。
揺動手段の第1連結シャフトと第2縦ロッドの連結器との軸支はベアリング部を介してなし連結器に対して第1連結シャフトが円滑自在に回転できるようにして連結器の偏心回転による第1連結シャフト自身の回転を勤めて防止するようにする。なお、回転駆動手段、クランク機構、揺動手段の一部を収納する筐体の内壁と第2連結シャフトとの間に弦巻ばねを架設して例えば訓練時に模擬心臓の姿勢変換に際して模擬心臓の思わぬ回転を防止するとともに模擬心臓に常時姿勢への復元性を維持する。
第1連結シャフトと第2連結シャフトとの間には可変ジョイントを介装して模擬心臓の姿勢をある範囲で変換できるようにする。柔軟性樹脂で形成される模擬心臓には第2連結シャフト先端に設けたばね部材を埋め込んで模擬心臓の柔軟性と形態保持をなす。
模擬心臓の表面および裏面には事実に即して模擬血管を配設して訓練レベルに応じて対象位置を選択できるようにする。
また、クランク機構における揺動手段を取り付ける縦ロッドの長さを容易に変換できるようにして回転駆動手段の回転軸中心と揺動手段の連結シャフトの中心との距離を簡易に調整し、連結シャフトの回転駆動手段の回転軸中心に対する偏心回転半径を変えて模擬心臓の揺動範囲あるいは量を訓練レベルにあわせて調節できるようにする。
揺動手段の第1連結シャフトと第2縦ロッドの連結器との軸支はベアリング部を介してなし連結器に対して第1連結シャフトが円滑自在に回転できるようにして連結器の偏心回転による第1連結シャフト自身の回転を勤めて防止するようにする。なお、回転駆動手段、クランク機構、揺動手段の一部を収納する筐体の内壁と第2連結シャフトとの間に弦巻ばねを架設して例えば訓練時に模擬心臓の姿勢変換に際して模擬心臓の思わぬ回転を防止するとともに模擬心臓に常時姿勢への復元性を維持する。
第1連結シャフトと第2連結シャフトとの間には可変ジョイントを介装して模擬心臓の姿勢をある範囲で変換できるようにする。柔軟性樹脂で形成される模擬心臓には第2連結シャフト先端に設けたばね部材を埋め込んで模擬心臓の柔軟性と形態保持をなす。
模擬心臓の表面および裏面には事実に即して模擬血管を配設して訓練レベルに応じて対象位置を選択できるようにする。
図面に基づいて本願発明に係る手術訓練用シミュレーターを説明する。図1は、手術訓練用シミュレーターに係る1実施例を示す斜視図である。
図において、Aはシミュレーター本体であり回転駆動手段1、クランク機構2、揺動手段3等を具えて筐体B1に収納されている。Hは揺動手段3に連結され前記筐体B1の外方に突出して実際の心臓の拍動になぞらえた所定の揺動をなす模擬心臓であり、シリコン樹脂等の柔軟性樹脂により形成されている。模擬心臓Hの表面には事実に即して模擬血管H1が埋設されている。
B2は、模擬心臓Hを外部に突出しシミュレーター本体Aを収納した筐体B1を格納する演習ボックスであり、上部は訓練動作のために全部開口されている。演習ボックスB2内における前記筐体B1の高さ位置は訓練レベルに対応して調節できるようになっていて、初期訓練レベルでは筐体B1は高く設定でき、レベルが上がるにつれ順次低い位置を選択できるようになっていて、この実施例では高さ調節を演習ボックスB2の底面に設置するスペーサーの増減によりなしている。
図において、Aはシミュレーター本体であり回転駆動手段1、クランク機構2、揺動手段3等を具えて筐体B1に収納されている。Hは揺動手段3に連結され前記筐体B1の外方に突出して実際の心臓の拍動になぞらえた所定の揺動をなす模擬心臓であり、シリコン樹脂等の柔軟性樹脂により形成されている。模擬心臓Hの表面には事実に即して模擬血管H1が埋設されている。
B2は、模擬心臓Hを外部に突出しシミュレーター本体Aを収納した筐体B1を格納する演習ボックスであり、上部は訓練動作のために全部開口されている。演習ボックスB2内における前記筐体B1の高さ位置は訓練レベルに対応して調節できるようになっていて、初期訓練レベルでは筐体B1は高く設定でき、レベルが上がるにつれ順次低い位置を選択できるようになっていて、この実施例では高さ調節を演習ボックスB2の底面に設置するスペーサーの増減によりなしている。
図2および図3、それぞれは図1における前記シミュレーター本体Aの斜視図および側面図である。 前記各図において、速度を電気的に細密に制御できる回転駆動手段としてのギアモーター1は、その回転軸1aを固定板Pに取り付けた軸受け4にベアリングを介して軸支されている。一方、クランク機構2は、第1縦ロッド1aおよび第2縦ロッド2bとこの両ロッド間を連結する横ロッド2cを有しており、第2縦ロッド2bおよび横ロッド2cの連結は、第2縦ロッド2bにおいて上下滑動可能に嵌装されたスライダー2dを介してなされていて、これにより第2縦ロッド2bと横ロッド2cとの連結位置は第2縦ロッド2bにおいてその上下方向に移動可能に構成されている。なお、この実施例では、第1縦ロッド1aと横ロッド2cとはそれぞれを別部材で形成して互いにねじ止めにより連結固定してあるが、両者は一体に形成してもよい。
また、前記揺動手段3は、第2縦ロッド2bにおいて前記横ロッド2cとの連結位置とは反対側の端部に固定した連結器3aと、この連結器3aにベアリング5を介して回転可能に軸支される第1連結シャフト3bと、この第1連結シャフト3bに可撓性を有する可変ジョイントであるバネ3dを介して連結され模擬心臓Hを端部に支持する第2連結シャフト3cとで構成されていて、第2連結シャフト3cの端部には前記模擬心臓Hの内部に柔軟性芯材として埋設されるばね部材6が取り付けられている。さらに、図2において、7,7は前記筐体B1内壁と第2連結シャフト3cとの間に張架される弾性材としての一対の弦巻ばねで、訓練実施時に模擬心臓Hが常態姿勢から変動した際に原姿勢への復元力を付与し、あるいは第2連結シャフト3cが連結器3aの回動に従動して回転する傾向を制限する作用を有している。
さて、図3に示すように、揺動手段3は、第2縦ロッド2bにおいて回転駆動手段としてのギアモーター1の回転軸1aの回転中心に対向する点の近傍に取り付け第2縦ロッド2bと横ロッド2cとの連結位置の移動により揺動手段の取り付け位置とギアモーター1の回転軸1aの中心との距離を自在に調節可能にして前記取り付け位置をギアモーター1の回転軸中心に対して偏心回転するように設定されている。 すなわち、この実施例において、ギアモーター1の回転軸1aの中心線Kと第1および第2連結シャフト3b,3cの中心線Mの距離は所定のLに設定され、このため、連結器3aの回動により第2連結シャフト3b,3cの中心線Mは前記中心線Kの周りを半径Lとなる円の軌跡をもって回動する。 前記距離Lの設定は前述のスライダー2dを介して行うことになる。
図4は、模擬心臓Hへの模擬血管H1の埋め込みを示す一部切欠斜視図である。模擬血管H1は模擬心臓H表面に刻設した溝部H2にスポンジ材Sに包持させて嵌入されるようになっている。前記スポンジ材Sにおいて、模擬血管H1は切り込みS1によりスポンジ材Sに保持される。模擬血管H1の模擬心臓Hhへの設定をこのようにする理由は、模擬血管H1の交換を容易にする一方、実際の心臓においても血管は不安定になっているため、訓練にあって現実の状況をより正確に再現するためである。
上述の構成に基づいて該実施例の作用を説明する。図1、2において、スイッチオンにより電源を投入すると、ギアモーター1の回転により、クランク機構2の第1縦ロッド2aがおよび第2縦ロッド2bはギアモーター1の回転軸1aの中心と同心状態で回動を開始する。一方、図3に示すように揺動手段3の第1連結シャフト3bの中心軸線Mとギアモーター1の回転軸1aの中心軸線Kとの距離はLと設定されているから、前記中心軸線Mはギアモーター1の回転軸1aを中心に半径Lの円軌跡を描いて回動する。これにより、第2連結シャフト3c先端にばね部材6を介して装着されている模擬心臓Hには実際の心臓の拍動を模した所定の揺動運動が発生する。実際には、模擬心臓の揺動動作は、連結シャフトの偏心回動のみでなく、弦巻ばね7,ばね部材6、可変ジョイント3d等の影響もあって実際に即した複雑な動きを再現できる。
上記のように、模擬心臓Hが実際に拍動するかのように揺動する状態で冠動脈吻合術のトレーニングが開始される。 血管吻合のトレーニングは、図5に示すように演習ボックスB2の上面開口部Jに臨んで実行される。図5において、シミュレーター本体Aを収納する筐体B1は演習ボックスB2の深い位置すなわち底面に載置されているが、これは難度の高いトレーニングに対応する場合であり、トレーニングのレベルに応じて筐体B1の高低を調節することになる。この実施例では高低の調節は前述のように底面に設置するスペーサーの増減によりなしている。
図6は、血管吻合のトレーニングの1例を示す斜視図であり、図において(a)は模擬心臓Hのスポンジ材Sからピンセットにより引き出した模擬血管H1と用意した他の模擬血管H2とを血管壁同士で吻合する場合を示している。 また、図において(b)は模擬血管H1を切断して他の模擬血管H2とで互いに開口部を吻合する場合を示している。
いずれの場合も、模擬心臓Hは上記したように揺動状態にある。このようなトレーニングにおいて、実際の手術において慣用されているスタビライザーを用いて模擬心臓の動きを抑制するようにすることもある。
いずれの場合も、模擬心臓Hは上記したように揺動状態にある。このようなトレーニングにおいて、実際の手術において慣用されているスタビライザーを用いて模擬心臓の動きを抑制するようにすることもある。
トレーニングの初期段階では、図5に示すように模擬心臓Hの上側表面の模擬血管H1を対象にして吻合訓練を行うが、技術レベルが向上するにつれ訓練の難度を上げるため模擬心臓の裏側面の血管を対象にする必要がある。 この場合、図5において模擬心臓Hを転回させて裏側面をある程度露出させて吻合訓練をなすことになる。図7はこの際の状況を示す側面図である。図において、(a)は、模擬心臓が予め設定された原姿勢にある場合を示しており、(b)は上記のように裏側をある程度露出させるため模擬心臓Hを持ち上げひねりを加えた状態を示している。この(b)の状態で、第2連結シャフト3cの両側に取り付けた一対の弦巻ばね7,7の張力が模擬心臓Hの姿勢を原姿勢に保持するように作用してひねりにより模擬心臓が回転してしまうのを抑制し、ひねり応力のある間所望の姿勢を維持できる。
なお、模擬心臓Hの揺動速度は、トレーニングレベルの高低に対応して増減することになるが、速度調節はギアモーター1の回転速度の調節、スライダー2dの移動により、ギアモーター1の回転軸1aの中心線と揺動手段の連結シャフトの中心線との距離Lを種々に変えることにより制御する。前記Lが大きくなれば、模擬心臓の揺動範囲は大きくなり訓練の難度は高くなる。
1 回転駆動手段
1a 回転軸
2 クランク機構
2a 第1縦ロッド
2b 第2縦ロッド
2c 横ロッド
2d スライダー
3 揺動手段
3a 連結器
3b 第1連結シャフト
3c 第2連結シャフト
3d 可変ジョイント
5 ベアリング
6 ばね部材
7 弾性手段
A シミュレーター本体
B1 筐体
B2 演習ボックス
H 模擬心臓
H1 模擬血管
1a 回転軸
2 クランク機構
2a 第1縦ロッド
2b 第2縦ロッド
2c 横ロッド
2d スライダー
3 揺動手段
3a 連結器
3b 第1連結シャフト
3c 第2連結シャフト
3d 可変ジョイント
5 ベアリング
6 ばね部材
7 弾性手段
A シミュレーター本体
B1 筐体
B2 演習ボックス
H 模擬心臓
H1 模擬血管
Claims (5)
- 回転駆動手段と、この回転駆動手段に連結されるクランク機構と、クランク機構に従動して動作する揺動手段と、揺動手段に取り付けた模擬心臓とを具え、揺動する模擬心臓を利用して血管吻合シミュレーションをなすことにより擬似臨床雰囲気下に心臓冠動脈吻合術のトレーニングをできるようにした手術訓練用シミュレーター。
- 請求項1の手術訓練用シミュレーターにおいて、前記クランク機構は、第1および第2の縦ロッドとこの両ロッド間を結ぶ横ロッドを有するとともに第2縦ロッドおよび横ロッドの連結位置を縦ロッドにおいて上下方向に移動可能に構成し、前記揺動手段は第2縦ロッドの回転駆動手段の回転中心に対向する点の近傍に取り付け前記連結位置の移動により揺動手段の取り付け位置と回転駆動手段の回転軸中心との距離を自在に調節可能にして前記取り付け位置を回転駆動手段の回転軸中心に対して偏心回転させるようにしたことを特徴とする手術訓練用シミュレーター。
- 請求項2の手術訓練用シミュレーターにおいて、揺動手段は、第2縦ロッドにおいて横ロッドとの前記連結位置とは反対側端部に固定した連結器と、この連結器に回転可能に軸支される第1連結シャフトと、前記第1連結シャフトに可変ジョイントで連結される第2連結シャフトと、第2連結シャフトの端部に設けられ模擬心臓中に埋設されるばね部材と、前記第2連結シャフトの回動を制限しつつその揺動を助長するために他の固定箇所と第2連結シャフトとの間に張架した弾性材とから構成して、前記第1連結シャフトの中心を回転駆動源の回転中心に対して偏心回転させて模擬心臓に対して所定の揺動を付与するようにしたことを特徴とする手術訓練用シミュレーター。
- 請求項1ないし3いずれかの手術訓練用シミュレーターにおいて、柔軟性樹脂材で形成した前記模擬心臓の所定箇所にはスポンジ材を介して模擬血管を埋設したことを特徴とする手術訓練用シミュレーター。
- 請求項1ないし4いずれかの手術訓練用シミュレーターにおいて、模擬心臓を除く部分は筐体により覆装し、さらに模擬心臓が前記筐体から突出する状態で上部開口する演習ボックスに収納するとともに前記筐体の演習ボックス内の高さ位置は被訓練者の技量レベルにあわせて調節可能にしたことを特徴とする手術訓練用シミュレーター。
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---|---|---|---|
JP2004010164A JP2005202267A (ja) | 2004-01-19 | 2004-01-19 | 手術訓練用シミュレーター |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2004
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