JP2005201405A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バリエータを構成する各部品の耐久性を向上させることができ、十分な動力伝達効率を得ることができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】 本発明のトロイダル型無段変速機は、パワーローラ11と入力側ディスク2および出力側ディスク4との間の界面であるトラクション面11aに形成される潤滑油膜を介したトラクション力により、入力側ディスク2からパワーローラ11を介して出力側ディスク4に動力が伝達される構成において、トラクション面11aを潤滑する潤滑油の温度が、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4とを有して構成されるバリエータのその他の部位を潤滑する潤滑油の温度よりも低く設定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
自動車用変速機として、図5および図6に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。各トラニオン6,6には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持(転接)されている。
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図5および図6の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図5および図6の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図5に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図6に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図5と図6との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
図7および図8には、より具体化されたダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の一例が示されている。なお、図5および図6と共通する構成部材に関しては、以下、同一符号を付して、その詳細な説明または図示を省略する。
図7に示すように、ケーシング101の内側には、入力軸1が回転自在に支持されている。入力軸1の外周には、円管状の伝達軸103が支持されている。この場合、伝達軸103は、入力軸1と同心的に配設されており、入力軸1に対して回転できる。
伝達軸103の両端寄り部分には、第1および第2の入力側ディスク2,2がそれぞれ、ボールスプライン96を介して支持されている。この場合、第1および第2の入力側ディスク2,2は、その内側面2a,2a同士を互いに対向させた状態で同心的に配置されるとともに、ケーシング101の内側で互いに同期して回転できる。
伝達軸103の中間部の周囲には、第1および第2の出力側ディスク4,4がスリーブ109を介して支持されている。スリーブ109の中間部の外周面には、出力歯車110が一体に設けられている。この出力歯車110は、伝達軸103と同心的に配置されるとともに、伝達軸103の外径よりも大きな内径を有している。また、出力歯車110は、一対の転がり軸受112を介して、ケーシング101内に設けられた支持壁111に回転自在に支持されている。
第1および第2の出力側ディスク4,4は、スリーブ109の両端部にスプライン係合されている。この場合、出力側ディスク4,4は、それぞれの内側面4a,4aを互いに反対方向に向けた状態で配置されている。したがって、入力側ディスク2と出力側ディスク4は、その内側面2a,4a同士が互いに対向している。
図8に示すように、ケーシング101の内側であって、出力側ディスク4,4の側方位置には、両ディスク4,4を両側から挟む状態で一対のヨーク113a,113bが支持されている。これら一対のヨーク113a,113bは、鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。そして、後述するトラニオン6の両端部に設けられた枢軸5を揺動自在に支持するため、ヨーク113a,113bの四隅には、円形の支持孔118が設けられるとともに、ヨーク113a,113bの幅方向の中央部には、円形の係止孔119が設けられている。
一対のヨーク113a,113bは、ケーシング101の内面の互いに対向する部分に形成された支持ポスト20a,20bにより、僅かに変位できるように支持されている。これらの支持ポスト20a,20bはそれぞれ、入力側ディスク2の内側面2aと出力側ディスク4の内側面4aとの間にある第1キャビティ21および第2キャビティ22にそれぞれ対向する状態で設けられている。なお、ポスト20aには、トラニオン6の傾転量を規制する傾転ストッパ150が設けられている。
したがって、ヨーク113a,113bは、各支持ポスト20a,20bに支持された状態で、その一端部が第1キャビティ21の外周部分に対向するとともに、その他端部が第2キャビティ22の外周部分に対向している。
第1および第2のキャビティ21,22は同一構造であるため、以下、第1キャビティ21のみについて説明する。
第1キャビティ21には、一対のトラニオン6が設けられている。トラニオン6の両端部には同心的に枢軸5が設けられており、これらの枢軸5は一対のヨーク113a,113bの一端部に揺動且つ軸方向に変位自在に支持されている。すなわち、枢軸5は、ヨーク113a,113bの一端部に形成された支持孔118の内側に、ラジアルニードル軸受26によって支持されている。ラジアルニードル軸受26は、その外周面が球状凸面で且つその内周面が円筒面である外輪27と、複数本のニードル28とから構成されている。
トラニオン6の中間部にはそれぞれ、円孔30が設けられている。また、各円孔30には変位軸31が支持されている。変位軸31はそれぞれ、互いに平行で且つ偏心した支持軸部33と枢支軸部34とを有している。このうち、支持軸部33は、円孔30の内側に、ラジアルニードル軸受35を介して支持されている。また、枢支軸部34の周囲には、別のラジアルニードル軸受38を介して、パワーローラ11が支持されている。
なお、第1および第2キャビティ21,22毎に一対ずつ設けられた変位軸31は、第1および第2キャビティ21,22毎に、入力軸1および伝達軸103に対して180度反対側に位置して設けられている。また、変位軸31の各枢支軸部34が各支持軸部33に対して偏心している方向は、入力ディスク2,2と出力ディスク4,4の回転方向に関して同方向となっている。また、偏心方向は入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、パワーローラ11は、入力軸1および伝達軸103の長手方向に沿って僅かに変位できるように支持されている。その結果、トロイダル型無段変速機により伝達されるトルクの変動に基づく構成部材の弾性変形量の変動等に起因して、パワーローラ11が入力軸1および伝達軸103の軸方向に変位する傾向となった場合でも、構成部材に無理な力が加わることがなく、その変位を吸収することができる。
また、パワーローラ11の外周面とトラニオン6の中間部内周面との間には、パワーローラ11の外側面から順に、スラスト玉軸受39と、滑り軸受あるいはニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受39は、パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11の回転を許容する。また、スラスト軸受40は、パワーローラ11からスラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承しつつ、枢支軸部34および外輪41が支持軸部33を中心に揺動することを許容する。
トラニオン6の一端部にはそれぞれ、駆動ロッド42が結合されている。また、これらの駆動ロッド42の中間部外周面には、駆動ピストン43が固着されている。この駆動ピストン43は、駆動シリンダ44内に油密に嵌装されている。そして、駆動ピストン43がトラニオン5を軸方向に変位させるためのアクチュエータを構成している。
図7に示すように、入力軸1と一方の入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置45が設けられている。この押圧装置45は、カム板46と複数のローラ48とを備えており、入力軸1の回転に基づいて一方の入力側ディスク2を他方の入力側ディスク2に向け押圧しつつ回転させる。この場合、カム板46は、入力軸1の中間部にスプライン係合されるとともに、軸方向に亘る変位を阻止された状態で支持されており、入力軸1と共に回転する。また、複数のローラ48は、保持器47に転動自在に保持されている。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の運転時、入力軸1の回転は、押圧装置45を介して、一方の入力側ディスク2に伝えられ、この入力側ディスク2と他方の入力側ディスク2とが互いに同期して回転する。入力側ディスク2,2の回転は、パワーローラ11を介して、出力側ディスク4,4に伝えられる。出力側ディスク4,4の回転は、出力歯車110により取り出される。
入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比を変える場合には、制御弁(図示しない)の切換えに基づいて、第1および第2のキャビティ21,22に対応してそれぞれ一対ずつ設けられた駆動ピストン43を、各キャビティ21,22毎に互いに逆方向に同じ距離だけ変位させる。これらの駆動ピストン43の変位に伴って、一対ずつ合計4個のトラニオン6がそれぞれ逆方向に変位し、一方のパワーローラ11が下側に、他方のパワーローラ11が上側にそれぞれ変位する。その結果、各パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2の内側面2a,2a、出力側ディスク4,4の内側面4a,4aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化する。そして、その力の向きの変化に伴って、トラニオン6がヨーク113a,113bに枢支された枢軸5を中心として逆方向に揺動する。この結果、パワーローラ11の周面と、入力側ディスク2,2、出力側ディスク4,4との当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車110との間の回転速度比が変化する。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機において、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4との動力伝達は、これらの部材表面の損傷を防止するべく、油膜を介したトラクション力により非接触で行なわれる(以下、油膜によって形成されるパワーローラ11と入出力側ディスク2,4との間の界面をトラクション面と称する)。そのため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4との間に形成されるトラクション面には、トルクを非接触で伝達するための油膜を形成できる十分な量の潤滑油(トラクション油)を供給する必要がある。
また、このようなトラクションドライブは、図9にも示すように、周速uで転がり接触する部材に僅かな滑りΔuを与え、トラクション油のせん断力により接線力を伝達する。トラクション係数は、法線力Fcに対する接線力Ftの比で次のように表わせる。
トラクション係数μt=Ft/Fc
トラクション係数は、高圧力下での油のせん断応力特性によって決まり、滑り率Δu/u、油膜圧力P、温度Tが重要なパラメータとなる。例えば、温度Tが高くなると、トラクション係数は低くなる。
また、前述したように、入出力側ディスク2,4とパワーローラ11との間には、トラクション力を発生させるための高い押し付け力が作用するため、この荷重を支持するパワーローラ軸受としてのスラスト玉軸受39にも、十分な量の潤滑油を供給して潤滑性を高める必要がある。
一般に、トラクション面およびスラスト玉軸受39を潤滑する場合、耐久性と油圧源の小型化の観点から、クーラーを介した低温油がスラスト玉軸受39の潤滑に使用され、油圧源から直接に供給される高温油がトラクション面の潤滑に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3454127号公報
しかしながら、法線力(接触面押し付け力)Fcと接線力Ftとの比であるトラクション係数μtは、前述したように高温ほど低くなるため、動力伝達を行なうトラクション面を高温油で潤滑すると、大きな押し付け力が必要となる。その結果、トラクション面およびパワーローラ軸受としてのスラスト玉軸受39に大きな力が作用するため、パワーローラ11と入出力側ディスク2,4とを有して構成されるバリエータのこれらの各構成部品の耐久性を期待するほど向上させることができないという問題が生じる。また、負荷荷重増大に伴い、トラクション面やスラスト玉軸受39の損失トルクが増大し、変速機の動力伝達効率が低下するという問題も生じる。また、運転時は、エンジンの発熱および各部のフリクション等により、潤滑油は高温となり、上記問題が生じる。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、バリエータを構成する各部品の耐久性を向上させることができ、十分な動力伝達効率を得ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される潤滑油膜を介したトラクション力により、入力側ディスクからパワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、前記トラクション面を潤滑する潤滑油の温度は、前記パワーローラと前記入出力側ディスクとを有して構成されるバリエータのその他の部位を潤滑する潤滑油の温度よりも低いことを特徴とする。
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される潤滑油膜を介したトラクション力により、入力側ディスクからパワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、前記トラクション面を潤滑する油路に、潤滑油を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
請求項1および請求項2に記載された発明においては、トラクション面を低温油で潤滑するため、より大きなトラクション係数を得ることができる。したがって、同じトルクを伝達する場合には、小さな押し付け力(法線力)で済むため、バリエータの各構成部品に発生する応力が小さくなり、バリエータの耐久性が向上する。逆に言うと、耐久性を同一にすれば、小型化を図ることが可能になる。また、このように押し付け力が小さくなって、トラクション面やパワーローラ軸受等の各転動面に作用する負荷が減ると、損失トルクが小さくなり、変速機の動力伝達効率も向上する。
また、前述のごとくトラクション面に供給される潤滑油の温度が低いと、少ない油量でトラクション面を冷却することができるため、油の攪拌による損失トルクを小さくすることができる。
また、従来に比べて各転動部の潤滑を高温油で行なうため、潤滑油の粘度は低下する。さらに、前述したように、接触面圧も低下するため、潤滑油の粘度はさらに低下する。そのため、各転動面の損失トルクを小さくすることができる。
供給油温を高くした場合、転動面での発熱を同程度吸収するためには、供給油量を増やす必要がある。供給油量が増えると、油の攪拌抵抗が増大し、損失トルクが大きくなる。しかし、温度上昇による潤滑油の粘度低下による損失トルク低減効果と、油量増大による損失トルク増大効果は、前者の方が影響が大きいため、全体として損失トルクが低減する。例えば、ある実験データによれば、ジェット潤滑された軸荷重下での高速玉軸受の回転トルクのうち、流体摩擦項は、
Mv=3.47×10−11pw 1.4 [kgf・mm]
a=24n−0.37
b=4×10−91.6+0.03
となっている。仮にパワーローラ軸受の回転数を4000rpmとすると、
a=1.12
b=0.032
となり、粘度変化は給油量変化の約30倍の感度で影響することになる。したがって、前述のように、損失トルク低減には、潤滑油温を高くすることが有効である。
以上のような効果は、無論、ダブルキャビティ型でも得られるが、シングルキャビティ型の場合、大きな軸力であるローディング反力を受けるサポート軸受が存在するため、前述した効果が顕著になる。
本発明のトロイダル型無段変速機では、トラクション面を潤滑する潤滑油の温度が、バリエータを構成する他の部位を潤滑する潤滑油の温度よりも低いため、より大きなトラクション係数を得ることができ、結果的に、バリエータを構成する各部品の耐久性を向上させて、十分な動力伝達効率を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の特徴は、トラクション面に対する潤滑油の供給形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図4〜図9と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は、本発明の実施形態に係るシングルキャビティ型のトロイダル無段変速機の要部を示している。図示のように、このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と、この入力軸1の外周部にニードル軸受を介して回転自在に支持された入力側ディスク2および出力側ディスク4とを備えている。また、カム板46が入力軸1の端部(図1において左端部)の外周面にスプライン係合されている。そして、このカム板46とローラ48とにより、入力軸1の回転に基づいて入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて押圧しつつ回転させるローディングカム式の押圧装置45を構成している。
各トラニオン6,6の中間部に形成された円孔にはそれぞれ、変位軸31が支持されている。変位軸31の外周部には、パワーローラ11がラジアルニードル軸受38を介して回転自在に支持されている。このパワーローラ11は、入力側ディスク2および出力側ディスク4と接するトラクション面11aを有し、入力側ディスク2と出力側ディスク4との間で傾転自在に転接されている。
また、各パワーローラ11,11の大端面と各トラニオン6,6の中間部内側面との間にはそれぞれ、パワーローラ11,11の大端面側から順に、パワーローラ軸受としてのスラスト玉軸受39と、スラスト玉軸受39の外輪41に加わるスラスト荷重を支承するスラストニードル軸受等のスラスト軸受40とが設けられている。また、ケーシング101内に設けた支持壁111と入力軸1との間には、大きな軸力であるローディング反力を受けるサポート軸受200が設けられている。
また、本実施形態のシングルキャビティ型のトロイダル無段変速機は、図2に示すように、トラクション面11aと、パワーローラ軸受としてのスラスト玉軸受39と、サポート軸受200と、その他の部位202とに対してそれぞれ潤滑油を供給するための潤滑油供給機構300を備えている。具体的に、この潤滑油供給機構300は、潤滑油が貯留されたリザーバ205と、リザーバ205内の潤滑油を圧送する油圧ポンプ206と、油圧ポンプ206から吐き出される潤滑油を前記各潤滑対象部分11a,39,200,202に対して供給する油路207とを備えている。また、本実施形態においては、トラクション面11aを潤滑する潤滑油の温度が、バリエータを構成する他の部分39,200,202を潤滑する潤滑油の温度よりも低くなるように設定されている。具体的には、例えば、トラクション面11aへと向う油路207の途中にのみ油冷却用の冷却手段であるクーラー209が設けられている。
以上のように、本実施形態においては、トラクション面11aを低温油で潤滑するため、より大きなトラクション係数を得ることができる。したがって、同じトルクを伝達する場合には、小さな押し付け力で済むため、バリエータの各構成部品に発生する応力が小さくなり、バリエータの耐久性が向上する(耐久性を同一にすれば、小型化を図ることが可能になる)。また、このように押し付け力が小さくなって、トラクション面11aやパワーローラ軸受39等の各転動面に作用する負荷が減ると、損失トルクが小さくなり、変速機の動力伝達効率も向上する。さらに、トラクション面11aに供給される潤滑油の温度が低いため、少ない油量でトラクション面11aを冷却することができ、したがって、油の攪拌による損失トルクを小さくすることができる。
なお、潤滑油供給機構300の変形例として、図3には、図7および図8に示したダブルキャビティ型のトロイダル無段変速機に適用される潤滑油供給機構300が示されている。シングルキャビティ型の変速機に特有のサポート軸受200が存在しない点を除き、図2の潤滑油供給機構300と同じ構成になっている。
図4には、潤滑油供給機構300の他の変形例が示されている。この変形例では、トラクション面11aへと向う油路207aの途中にクーラー209を設けるのではなく、トラクション面11aへと向う油路207aを冷却効果のあるケーシング101の外周部に配置することにより冷却手段としており、トラクション面11aに供給される潤滑油の温度を他の部分39,202に供給される潤滑油の温度よりも低くなるようにしている。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などのハーフトロイダル型無段変速機の他、フルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
本発明の実施形態に係るシングルキャビティ型のトロイダル無段変速機の要部断面図である。 図1のトロイダル無段変速機に設けられる潤滑油供給機構の概略構成図である。 ダブルキャビティ型のトロイダル無段変速機に適用可能な潤滑油供給機構の概略構成図である。 潤滑油供給機構の他の変形例を示す概略構成図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。 従来の具体的構造の一例を示す断面図である。 図7のA−A線に沿う断面図である。 トラクションドライブにおける法線力と接線力との関係を説明するための図である。
符号の説明
2 入力側ディスク
4 出力側ディスク
11 パワーローラ
11a トラクション面

Claims (2)

  1. それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される潤滑油膜を介したトラクション力により、入力側ディスクからパワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、
    前記トラクション面を潤滑する潤滑油の温度は、前記パワーローラと前記入出力側ディスクとを有して構成されるバリエータのその他の部位を潤滑する潤滑油の温度よりも低いことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. それぞれの内周面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記パワーローラと前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクとの間の界面であるトラクション面に形成される潤滑油膜を介したトラクション力により、入力側ディスクからパワーローラを介して出力側ディスクに動力が伝達されるトロイダル型無段変速機において、
    前記トラクション面を潤滑する油路に、潤滑油を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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