JP2005201322A - 水素ガス利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】芳香族化合物を水素の貯蔵・運搬用媒体として使用する水素ガス利用方法において、水添及び脱水素反応の効率を高めて効率的に水素を利用する水素ガス利用方法を提供すること。
【解決手段】 一つの水添反応装置内で水素を含むガスと芳香族化合物とを触媒の存在下で反応させて該水素を芳香族化合物に反応貯蔵させて水素化芳香族化合物とし、次いで該水素化芳香族化合物を脱水素反応装置内で脱水素反応を行わせることにより水素ガスを得る水素ガス利用方法において、該芳香族化合物中の硫黄分(S)及び窒素分(N)の含有量を、S≦100ppm、N≦100ppmとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する水素ガス利用方法に関する。
近年、自動車及び発電所等において化石燃料を燃焼させることによって発生するCO、NO、SO、塵埃等が、地球温暖化、環境汚染に関して大きな問題となっていることから、CO、NO、SO、塵埃の排出がほとんどないクリーンなエネルギー源である燃料電池が、自動車の駆動源及び住宅用のエネルギー源として大きな期待を集めている。
この燃料電池は水素と酸素とを燃料源としており、水素の供給方法としては、自動車に積んだメタノールやガソリン等の液体燃料から水素ガスを発生させて供給する方法、水素を収容したガスボンベを車に搭載して水素を供給する方法、ガソリンスタンドで都市ガスを改質して得た水素を供給する方法等が提案されている。
このほかに、芳香族化合物を水素ガスの貯蔵、運搬媒体として利用する方法も提案されている。
特許文献1には、製鉄所で発生するコークス炉ガス等の製鉄副生ガス中に含まれる水素ガスを有効に利用するために、水素ガスをベンゼンと反応させてシクロヘキサンとして貯蔵し、必要なときに、シクロヘキサンを脱水素反応によって水素とベンゼンとに変換して水素を取り出して、製鉄所内での燃料として利用することが記載されている。この文献には、燃料電池への利用については記載されていない。
非特許文献1には、水素化サイトにおいて、ナフタレンを水素ガスと反応させてデカリンを主成分とする水素化生成物を得、これをタンクローリー等で家庭用燃料油卸売店・小売店又はガソリン元売店・スタンドに運搬し、運搬先でデカリン脱水素反応器によってデカリンからナフタレンと水素とを生成させ、この水素を自動車等に供給し、ナフタレンをタンクローリーで再び水素化サイトへ運搬することについての記載がある。
特許文献2、3には、水素ガスの貯蔵、運搬媒体としてベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの単環式芳香族化合物、ナフタレン、メチルナフタレンなどの2環式芳香族化合物、アントラセンなどの3環式芳香族化合物を用いることが記載されている。
ところで、芳香族化合物を水素化して水素化芳香族化合物を製造する方法としては水素化触媒を用いる方法が一般的であり、従来から種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献3には、水素化反応と脱水素化反応との双方に優れた触媒活性を有する触媒であって、担持金属としてニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属をアルミナ、シリカ等の担体に担持させた触媒が提案されている。
しかしながら、高い効率でナフタレンを水素化してデカリンに転換するための具体的な条件、方法については未だ確立されておらず、開発の余地がある。
特開昭61−201601号公報 特開2001−110437号公報 特開2001−198469号公報 ECOIndustryVol.7 No.8(2002)P.29-35
本発明は、芳香族化合物を水素の貯蔵・運搬用媒体として使用する水素ガス利用方法において、水添及び脱水素反応の効率を高めて効率的に水素を利用する水素ガス利用方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するべく研究を進めた結果、芳香族化合物を水素化する過程及び水素化芳香族化合物を脱水素化する過程において、芳香族化合物中に含まれる硫黄分及び窒素分が触媒反応に悪影響を及ぼすため、この硫黄分及び窒素分の含有量を制御する必要があることを見いだして、本発明を完成させた。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。
(1)一つの反応装置内で水素を含むガスと芳香族化合物とを触媒の存在下で反応させて該水素を芳香族化合物に反応貯蔵させて水素化芳香族化合物とし、次いで該水素化芳香族化合物を他の反応装置内で脱水素反応を行わせることにより水素ガスを得る水素ガス利用方法において、該芳香族化合物として、硫黄分(S)及び窒素分(N)の含有量が、S≦100ppm、N≦100ppmである芳香族化合物を用いる水素ガス利用方法。
(2)前記芳香族化合物として、硫黄分(S)及び窒素分(N)の含有量が、S≦10ppm、N≦10ppmである芳香族化合物を用いる上記(1)の水素ガス利用方法。
(3)前記水素化芳香族化合物が、デカリン及び/又はテトラリンを主成分とする水素化芳香族化合物である上記(1)、(2)の水素ガス利用方法。
(4)前記芳香族化合物がナフタレンであり、該ナフタレンが、粗ナフタレンにテトラリンを該粗ナフタレンに含まれているナフタレン1重量部に対し0.1〜0.8重量部の割合で混合した原料油を、水素化脱硫触媒の存在下、温度350℃〜420℃、水素分圧5〜40kg/cmの反応条件で水素と反応させて製造したナフタレンである上記(1)、(2)の水素ガス利用方法。
(5)前記芳香族化合物の一部又は全部が、粗ナフタレンにテトラリンを該粗ナフタレンに含まれているナフタレン1重量部に対し0.1〜0.8重量部の割合で混合した原料油を、水素化脱硫触媒の存在下、温度350℃〜420℃、水素分圧5〜40kg/cmの反応条件で水素と反応させた場合の反応生成物からなる上記(1)、(2)の水素ガス利用方法。
(6)前記水素化芳香族化合物がデカリンである上記(4)、(5)の水素ガス利用方法。
本発明によれば、硫黄分及び窒素分の低減された芳香族化合物を用いるので、芳香族化合物の水添反応及び水素化芳香族化合物の脱水素反応を高い効率で行うことができる。
本発明の水素ガス利用方法について説明する。
本発明においては、水素の貯蔵・運搬用媒体として芳香族炭化水素を利用する。
まず、水素化サイトで、芳香族化合物と水素含有ガス(純粋な水素ガス又は水素ガスを含むガス)とを水素化反応装置内で反応させて水素化芳香族化合物を生成させる。生成した水素化芳香族化合物はタンクローリー等の輸送手段で卸売店又は小売店等のステーションに送られる。各々のステーションで水素化芳香族化合物は脱水素反応装置内で脱水素され芳香族化合物と水素ガスとが生成する。生成された水素は例えば高圧に圧縮されてボンベに充填され、燃料電池の燃料として利用される。一方、芳香族化合物はタンクローリー等の輸送手段で水素化サイトに搬送され、再び水素化されて水素化芳香族化合物に変換される。
芳香族化合物としては、ナフタレン及び/又はテトラリンを用いることができるが、好ましくはナフタレンを用いる。
芳香族炭化水素から水素化芳香族炭化水素を製造するための水素化反応においては、水素化触媒による触媒反応を利用する。水素化触媒としては公知の触媒を用いることができ、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム及び銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いることができる。また、触媒担体としてはアルミナ、シリカ、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。
水素化芳香族化合物は、デカリン及び/又はテトラリンを主成分とする水素化芳香族化合物であることが好ましい。より好ましい水素化芳香族化合物はデカリンである。触媒を適切に選定することにより、ナフタレンは低圧、低温度、短時間でデカリンに転換することができ、また、デカリンは、脱水素反応により容易にナフタレンに戻すことができる。
また、水素化芳香族炭化水素から芳香族炭化水素と水素ガスとを製造するための脱水素反応においては、脱水素触媒による触媒反応を利用する。脱水素触媒としては公知の触媒を用いることができ、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、ニッケル、クロム、コバルト及び鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いることができる。また、触媒担体としてはアルミナ、シリカ、ジルコニア、ゼオライト、チタニア、活性炭等を用いることができる。
本発明においては水素の貯蔵・運搬用媒体として芳香族炭化水素を利用するが、工業的に得られる芳香族炭化水素は通常硫黄分及び窒素分等を不純物として含んでいる。
例えば、ナフタレンを例にとると、通常、石炭系粗ナフタレン(製鉄所でのコールタールを蒸留して得られる、95%ナフタレン)中には、5000ppm程度の硫黄分と300ppm程度の窒素分が含まれている。このような硫黄分及び窒素分を多く含むナフタレンを用いて水素化触媒反応を行わせると触媒の被毒作用が大きく、触媒反応が効率的に行われない。
このため、本発明においては、水素貯蔵媒体として用いる芳香族化合物としては、硫黄含有量(S)及び窒素含有量(N)がそれぞれ、S≦100ppm、N≦100ppmである芳香族化合物を用いることが必要である。硫黄分及び窒素分が100ppmを超えると触媒が被毒され、触媒反応が効率的に行われない。
また、好ましくは、S≦10ppm、N≦10ppmであり、硫黄分及び窒素分をこのように低減することによって触媒の選択に関する自由度が大きくなる。
硫黄分及び窒素分を多く含有する芳香族化合物を精製する方法としては、(1)酸洗浄による方法、(2)晶析による方法、(3)白土処理による方法等が挙げられるが、これらの方法は精製費用が大きく、また、大量の排水が発生する等の問題がある。
また、ナフタレンを精製する方法として水素化精製する方法が提案されている。
このような方法としては、三井造船技報第156号第1〜7頁(平成7年19月)、特許第3139114号公報及び特開昭53−119856号公報に記載されているものを挙げることができる。
特許第3139114号公報に記載されている水素化脱硫触媒を用いる方法は、粗ナフタレンにテトラリンを該粗ナフタレンに含まれているナフタレン1重量部に対し0.1〜0.8重量部の割合で混合した原料油を、水素化脱硫触媒の存在下、温度350℃〜420℃、水素分圧5〜40kg/cmの反応条件で水素と反応させるというものであり、この方法によれば硫黄分及び窒素分を10ppm以下にすることができる。また、更に硫黄分、窒素分を低減させる場合には、上記の水添精製後に、晶析処理、白土処理或いは蒸留処理等の精製処理を施すことができる。
水素化脱硫触媒としては、脱硫、脱窒素活性を有するものであればよく、従来公知の各種触媒を用いることができる。例えば、コバルト、モリブデン及びニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属を含有するものが好ましく用いられる。これらの金属を担持する担体としては、従来公知のもの、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア等が用いられるが、好ましくはアルミナである。
特に好ましい触媒は、コバルト及びモリブデンを酸化物として11〜30重量%、好ましくは17〜20重量%含有するものである。また、コバルトとモリブデンの使用割合は、CoO/MoOの重量比で0.05〜0.7好ましくは0.25〜0.28である。
この精製方法によると、ナフタレンの核水素化反応が起こって、テトラリン及びデカリンが副生する。本発明では、後述するように、ナフタレンを常温で液体状態とすることが好ましいので、このテトラリン及びデカリンをナフタレンから分離する必要はなく、ナフタレンと共存させた状態で用いる。
精製に用いる触媒は、その触媒物性として、比表面積200〜400m2/g、好ましくは230〜300m2/g、細孔容積0.37〜0.57ml/g、好ましくは0.45〜0.50ml/g、平均細孔径55〜90Å、好ましくは65〜75Åを有するとともに、全細孔の50%以上、好ましくは60%以上が細孔径55〜90Åの範囲に分布し、さらに、細孔径90Åを節える細孔が全細孔の15%以下、好ましくは10%以下であるシャープな細孔分布を有するものである。
比表面積が200m2/gより小さいと活性が低く、一方、400m2/gを超えるとコーキングが起こりやすい。また、細孔容積が、0.57ml/gを超えると、脱窒素脱硫活性が悪化する。
平均細孔径は、大きすぎればナフタレン核の水添やテトラリン核の水素化分解が活発となるほか、コーキング生成が著しくなる。一方、平均細孔径が小さすぎる場合は硫黄や窒素を含む分子の浸入が困難となるから、脱硫反応や脱窒反応の生起率が低下し、効果的な水素化精製を行うことができなくなる。このような触媒は、粗ナフタレンとテトラリンの混合油はもちろん、粗ナフタレン自体の水素化精製触媒として有利に用いることができる。
前記の表面積は窒素沸点での窒素吸着量から求められるBET表面積を示したものであり、細孔容積は窒素吸着法で求めたものである。また、細孔分布は水銀圧入法で測定したものであり、カルボエルバー社製ポロシメーター2000を用いたものである。
また、前記三井造船技報には、市販ナフタレンが不純物として1%以上の硫黄化合物、0.1%以上の塩基性窒素化合物等を含んでおり、これがアルキル化工程での触媒被毒の原因となることから、その不純物量を低減させることを目的としたものであり、水素化精製法を二段の水素化工程、脱水素工程及び蒸留工程から構成することにより不純物を0.5ppm以下としている。、
上記の方法によれば硫黄分及び窒素分を数ppm以下にまで低減することができる。
しかしながら、上記の方法はコストがかかるので、水素貯蔵・運搬媒体として用いるための精製ナフタレンを安価に製造するには、特開昭53−119856号公報に記載の方法を用いることができる。
この方法は、95%ナフタレンを水素化精製して硫黄分及び窒素分を除去し、冷却固化した後常温において圧搾し、副生したテトラリン及びその他の非結晶製の油を絞り出してナフタレンより分離することにより精製ナフタレンを製造するというものであり、この方法によれば、硫黄濃度:約50ppm、窒素濃度:約100ppmのナフタレンが得られる。本発明においては、通常、容易に得られるナフタレン中の硫黄ならびに窒素濃度として100ppmを上限値として採用した。
ただし、100ppmの場合、触媒の選定に関しては、かなり限定されることが想定される。
水素化前の芳香族化合物及び水素化後の水素化芳香族化合物は、ハンドリングの容易性の点から、液体状であることが好ましい。
例えば、芳香族化合物としてナフタレンを用いる場合を例にとると、水素吸蔵量の点のみを考えるとナフタレンに水素を吸蔵させてデカリンとし、デカリンから水素を放出させることが、重量密度的にも体積密度的にも好ましいが、ナフタレンは常温では固体であるので、ハンドリング上の問題を生じる。このため、水素化前の芳香族化合物としてナフタレン以外に、メチルナフタレン、テトラリン、メチルテトラリン、デカリン、メチルデカリンなどの2環式化合物のうちの1つ、またはいずれか複数の化合物を混合して常温で液体状態とし、ハンドリング性を向上させることが好ましい。
本発明の水素ガス利用方法を、ナフタレン−デカリン系を例にとって図1,2に基づいて説明する。
図1は、脱水素装置から回収されたナフタレンを損失補充分として精製ナフタレン製造装置から得られる精製ナフタレンに混合してデカリン製造原料とする場合を示す。
精製ナフタレン製造装置から得られる精製ナフタレンをデカリン製造装置に供給する。デカリン製造装置にはCOG(コークス炉ガス)が供給され、触媒反応によってCOGに含まれる水素ガスと精製ナフタレンとが反応してデカリンが製造される。製品デカリンは、脱水素反応装置で脱水素されて水素ガスとナフタレンとを生成し、水素ガスは製品ガスとして利用され、ナフタレンは回収ナフタレンとして精製ナフタレン製造装置から得られる精製ナフタレンと共にデカリン製造装置に供給される。
図2は、脱水素装置から回収されたナフタレンを別の水素化装置でデカリン製造原料として使用する場合を示す。精製ナフタレン製造装置から得られる精製ナフタレンに混合してデカリン製造原料とする場合を示す。
精製ナフタレン製造装置から得られる精製ナフタレンをデカリン製造装置に供給する。デカリン製造装置にはCOG(コークス炉ガス)が供給され、触媒反応によってCOGに含まれる水素ガスと精製ナフタレンとが反応してデカリンが製造される。製品デカリンは、脱水素反応装置で脱水素されて水素ガスとナフタレンとを生成し、水素ガスは製品ガスとして利用され、ナフタレンは回収ナフタレンとして別のデカリン製造装置に供給される。
以下では、実施例に基づいて本発明を説明する。
本実施例は、図1に示された、芳香族化合物として精製ナフタレンを用い、これをデカリン製造所に戻ってきたナフタレンの損失補填分(1%)として該ナフタレンに添加する場合の例である。
粗ナフタレンとして、ナフタレン96.4wt%、エチルベンゼン0.6wt%、硫黄分(S)5700ppm、窒素分(N)655ppmの成分組成を有するコールタール由来のものを用いた。前記粗製ナフタレンを供給油として用い、これを表1に示す物性値を有する触媒(NKK−1)を用いて、水素分圧13.5Kg/cm2、LHSV=0.4、G/L=1000、温度389℃の条件で水素化した。反応後の水添油の組成は、ナフタレン 71.1%、テトラリン 27.9%、デカリン 0.4%、S 1ppm、N 1ppmであり、ナフタレン:テトラリンはおよそ7:3であり、残存N,Sは非常に低いものであった。
実施例1において得られた精製ナフタレン製品(ナフタレン 71.1%、テトラリン 27.9%、デカリン 0.4%、S 1ppm、N 1ppm)1部にデカリンを脱水素して得られたナフタレン99部を混合して、これにCOGを用いて水添を行なった。圧力は10kg/cm、温度は200℃、触媒はアルミナ坦持Pdを用いた。
反応の結果、デカリン100%の製品が得られた。
Figure 2005201322
本実施例は、図2に示された、芳香族化合物として精製ナフタレンを用い、これをデカリン製造用原料とする場合の例である。
実施例1において得られた精製ナフタレン製品(ナフタレン71.1%、テトラリン27.9%、デカリン0.4%、S 1ppm、N 1ppm)を原料として、これにCOGを用いて水添を行った。
水添の条件は、圧力10kg/cm、温度200℃とし、触媒としてはアルミナ坦持Pdを用いた。反応の結果、デカリン100%の製品が得られた。
本発明の水素ガス利用方法は、住宅用及び自動車用の燃料電池に水素燃料を供給するための方法として利用することができる。
本発明の水素ガス利用方法における水素ガスの一つの利用形態を示す図である。 本発明の水素ガス利用方法における水素ガスの他の利用形態を示す図である。

Claims (6)

  1. 一つの反応装置内で水素を含むガスと芳香族化合物とを触媒の存在下で反応させて該水素を芳香族化合物に反応貯蔵させて水素化芳香族化合物とし、次いで該水素化芳香族化合物を他の反応装置内で脱水素反応を行わせることにより水素ガスを得る水素ガス利用方法において、該芳香族化合物として、硫黄分(S)及び窒素分(N)の含有量が、S≦100ppm、N≦100ppmである芳香族化合物を用いることを特徴とする水素ガス利用方法。
  2. 前記芳香族化合物として、硫黄分(S)及び窒素分(N)の含有量が、S≦10ppm、N≦10ppmである芳香族化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の水素ガス利用方法。
  3. 前記水素化芳香族化合物が、デカリン及び/又はテトラリンを主成分とする水素化芳香族化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の水素ガス利用方法
  4. 前記芳香族化合物がナフタレンであり、該ナフタレンが、粗ナフタレンにテトラリンを該粗ナフタレンに含まれているナフタレン1重量部に対し0.1〜0.8重量部の割合で混合した原料油を、水素化脱硫触媒の存在下、温度350℃〜420℃、水素分圧5〜40kg/cmの反応条件で水素と反応させて製造したナフタレンであることを特徴とする請求項1又は2記載の水素ガス利用方法。
  5. 前記芳香族化合物の一部又は全部が、粗ナフタレンにテトラリンを該粗ナフタレンに含まれているナフタレン1重量部に対し0.1〜0.8重量部の割合で混合した原料油を、水素化脱硫触媒の存在下、温度350℃〜420℃、水素分圧5〜40kg/cmの反応条件で水素と反応させた場合の反応生成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の水素ガス利用方法。
  6. 前記水素化芳香族化合物がデカリンであることを特徴とする請求項4又は5記載の水素ガス利用方法。
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