JP2005200611A - アクリルエマルション系樹脂用成膜助剤及びこれを含有する組成物 - Google Patents

アクリルエマルション系樹脂用成膜助剤及びこれを含有する組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】環境や人体に悪影響を与えず、かつ、今まで低温での成膜が難しかったアクリルエマルション系樹脂、特に高い成膜温度を有しているアクリルエマルション系樹脂に対応した、優れた成膜性を有するアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤を提供する。
【解決手段】エステル結合を2つ、及びエーテル結合を1〜10持つ化合物からなるアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、エステル結合を2つ及びエーテル結合を1〜10持つ化合物からなるアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤、及びこれを含有する組成物に関する。
エマルションは媒体が水であり、引火性及び毒性の点で安全であることから、接着剤、塗料など広範囲に使用されている。一般に、エマルションが乾燥して連続的な皮膜を形成する最低温度を最低成膜温度(MFT)という。MFTはエマルションの種類、組成などによって異なるが、一般的に使用されているエマルションのMFTは、10〜70℃の範囲にある。このため、特に冬期にエマルションを使用する場合、MFT以下の温度で乾燥するため、透明な連続皮膜を形成せずに白化し、エマルションからは十分な接着力を得られないという欠点が生じていた。中でもアクリルエマルション系樹脂のMFTは高く、夏場でさえ十分な接着力を得られない種類のエマルションも多い。このため強制的に加熱などを行い、皮膜形成に十分な温度を与えてやるなどの処理が成されているが、高温で長時間の処理が必要であり、低温かつ短時間で皮膜形成できるような成膜助剤が求められていた。
このような欠点を防ぎ、エマルションの成膜性を良くするために、可塑剤や高沸点溶剤を成膜助剤として添加するのが一般的である。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェートなどを、また高沸点溶剤としては、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールなどを添加するのが一般的である。特に、ジブチルフタレートは価格も安く、可塑化したエマルションの安定性も良好なため一般的に用いられているが、成膜性能はあまり優れておらず、低温で成膜するエマルションを得るためには多量に使用する必要がある。しかも形成された膜は過度に可塑化され、膜の耐熱性が低下し、荷重下に容易にクリープする欠点がある。また、ジブチルフタレートを代表とするフタル酸エステル類は、環境ホルモンとして生殖異常を引き起こすことが指摘されており(例えば、非特許文献1参照)、その使用を制限しようとする動きが見られる。
ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールなどの高沸点溶剤は、特有の臭気があり、また形成した膜の耐水性を低下させるという欠点を有している。成膜性についてはジブチルフタレートより優れているものの、十分な性能を有しているとはいえない。また、ブチルセロソルブに代表されるセロソルブ類には、揮発性有機化合物(VOC)の規制問題があり、人体への影響も憂慮されている現状があり、その使用を制限しようとする動きが見られる。
また、その他の技術として、フェノール類、グリコール類、グリコールモノフェニルエーテル類、フェニルアルコール類、フェニルカルボン酸エステル類、オキシカルボン酸フェニルエステル類等が、酢酸ビニルエマルション系樹脂の成膜助剤として提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの化合物は優れた成膜性を有しているものの、成膜剤の添加により塗膜の乾燥を遅くさせ、接着工程の合理化への阻害を引き起こす。また、アクリルエマルション系樹脂の成膜助剤としては、優れた成膜性能を有しているとはいいがたい。更に、水系塗料へ使用した場合においては、タック(べたつき)の長期にわたる残存により、ホコリ等の付着による汚染障害が発生する欠点も有している。
また、フェノール化合物のアルキレンオキシド付加物が、ビニル重合体水性エマルションの成膜助剤として提案されている(例えば、特許文献3参照)。これらの化合物は成膜温度を下げ、乾燥性に優れるが、アクリルエマルション系樹脂の成膜助剤としての性能が不十分であり、特に高いMTFを持つアクリルエマルション系樹脂の成膜助剤としては、十分な性能を発揮できない等の欠点を有している。
更に、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートが、安定性のよい成膜助剤として提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、アクリルエマルション系樹脂の成膜助剤としては、優れた成膜性能を有しているとはいいがたく、高いMTFを持つアクリルエマルション系樹脂の成膜助剤としては、十分な性能を発揮できない等の欠点を有している。
特公昭46−35493号公報 特公昭46−28653号公報 特公昭57−67664号公報 特開平7−26154号公報 内分泌攪乱化学物質問題への環境庁の対応方針について−環境ホルモン戦略計画SPEED'98−(表-3-1、表-3-2)、1998年5月及び2000年11月版、環境庁
近年、環境問題が大きく取りざたされ、環境に悪影響を与える可能性のあるものや、人体に対して悪影響を与える可能性のあるものについて、使用を制限する動きが高まっている。このような状況の中、環境や人体に対して悪影響を与えず、かつ、今まで低温での成膜が難しかった、高いMFTを持つアクリルエマルション系樹脂にも対応した、優れた成膜助剤が求められている。
従って本発明の目的は、環境や人体に悪影響を与えず、低温でも優れた成膜性を有するアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤を提供することにある。
そこで本発明者らは鋭意検討し、エステル結合及びエーテル結合を特定の割合で持つ、環境ホルモンでもVOCでもない化合物に、優れた成膜性能を持つことを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、エステル結合を2つ及びエーテル結合を1〜10持つ化合物からなるアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤である。
本発明の効果は、環境や人体に対して悪影響を与えず、かつ、今まで低温での成膜が難しかったアクリルエマルション系樹脂、特に、高い成膜温度を有しているアクリルエマルション系樹脂に対応した、エステル結合を2つ及びエーテル結合を1〜10持つ化合物からなるアクリルエマルション系樹脂用の優れた成膜助剤を提供することにある。
本発明の分子中にエステル結合を2つ及びエーテル結合を1〜10持つ化合物としては、例えば、ジカルボン酸及びポリエーテルモノオールの反応、ポリエーテルジカルボン酸及びモノオールの反応、モノカルボン酸及びポリエーテルジオールの反応、ポリエーテルモノカルボン酸及びジオールの反応などにより得られる化合物である。このような化合物の中でも特に好ましいのは、下記の一般式(1)又は(2):
R-(OA)n1-OOC(CH)n2COO-(AO)n3-R (1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立した炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。A1及びA2はそれぞれ独立した炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。n及びnは1〜5の数を表し、nは1〜15の数を表す。)
RCOO-(AO)-OCR (2)
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立した炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。A3は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。mは2〜10の数を表す。)
で表わされるエーテルエステル化合物である。
本発明の一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立した、炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリ(3級)ブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、ネオペンチル、ターシャリ(3級)ペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2級オクチル、ノニル、2級ノニル、デシル、2級デシルなどのアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどのアルケニル基;3−メチル−1−ブチン、3−メチル−1−ペンチンなどのアルキニル基;フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニルなどのアリール基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニルなどのシクロアルキル基及びシクロアルケニル基などが挙げられる。なかでも、炭素数2〜8の炭化水素基が好ましく、炭素数3〜6の炭化水素基が更に好ましい。炭素数が10を超えると、アクリルエマルション系樹脂への混和性が悪化し、増粘などの障害を起こす場合がある。
一般式(1)において、A及びAは、それぞれ独立した炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。(AO)n1及び(AO)n3の部分は、アルキレンオキシドの付加重合により形成され、付加させるアルキレンオキシドの種類によりAO及びAOが決定される。より具体的には、(AO)n1及び(AO)n3の部分は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキシド)などの炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合するなどの方法により得ることができる。付加させるアルキレンオキシドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合などであってもよい。AO及びAOとしては、原料の入手の容易さから、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましい。また、n1及びn3は1〜5の数が好ましい。n1又はn3が5より大きな数である場合には、成膜性能が不十分になる場合がある。
一般式(1)の内、下記の一般式(3):
-OOC(CH)n2COO- (3)
で表される部分は、下記の一般式(4):
HOOC(CH)n2COOH (4)
で表されるジカルボン酸の残基である。一般式(1)で表される化合物を製造する場合、原料として一般式(4)で表されるジカルボン酸を選択すればよい。
一般式(4)で表されるジカルボン酸のn2は、1〜15の数を表す。これらのジカルボン酸としては、例えば、メタンジカルボン酸、エタンジカルボン酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸、ペンタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、原料の入手の容易さから、n2は1〜4もしくは8であるメタンジカルボン酸、エタンジカルボン酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸及びオクタンジカルボン酸が好ましく、エタンジカルボン酸、プロパンジカルボン酸及びオクタンジカルボン酸が更に好ましい。又、n2が15より大きな数の場合には、アクリルエマルションへの混和性が悪化し、増粘などの障害を起こす場合がある。
一般式(1)の化合物は、公知の方法で製造することができ、その製造方法は特に限定されることはない。好ましい製造方法としては、一般式(4)で表されるジカルボン酸や、これから誘導されるジカルボン酸の無水物、モノアルキルエステル又はジアルキルエステルなどと、一価アルコールのアルキレンオキシド付加物とのエステル化反応、あるいはエステル交換反応を挙げることができる。
一般式(2)の内、下記の一般式(5):
RCOO- (5)
及び一般式(6):
-OCR (6)
で表される部分は、それぞれ独立して一般式(7):
RCOOH (RはR又はR) (7)
で表されるカルボン酸の残基である。一般式(2)で表される化合物を製造する場合、原料として使用する一般式(7)のカルボン酸の組成を調整すればよい。
一般式(7)で表されるカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、イソペンタン酸(イソ吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸などのアルキル脂肪酸;安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ターシャリ(3級)ブチル安息香酸などの芳香族カルボン酸などが挙げられる。また、脂肪酸の鎖長を調整した、天然油脂から得られる混合脂肪酸であってもよい。天然油脂としては、例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油などの植物性油脂;馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油などの動物性油脂などが挙げられる。
中でも、R及びRが炭素数1〜7の脂肪酸が好ましく、R及びRが炭素数1〜5の脂肪酸が更に好ましい。又、R及びRの炭素数が10より大きくなると、アクリルエマルション系樹脂への混和性が悪化し、増粘などの障害を起こす場合がある。
一般式(2)において、Aは炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。(AO)の部分は、アルキレンオキシドの付加重合により形成され、付加させるアルキレンオキシドの種類によりAOが決定される。より具体的には、(AO)の部分は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキシド)などの炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加重合するなどの方法により得ることができる。付加させるアルキレンオキシドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合などであってよい。AOとしては、原料の入手の容易さから、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましい。また、mは2〜10の数が好ましい。m=1では、アクリルエマルション系樹脂への混和性が悪化し、増粘などの障害を起こす場合がある。mが10より大きな数である場合には、成膜性能が不十分になる場合がある。
一般式(2)の化合物は、公知の方法で製造することができ、その製造方法は特に限定されない。好ましい製造方法としては、一般式(7)で示される脂肪酸や、これから誘導される脂肪酸モノアルキルエステルなどと、二価のアルコールであるアルキレンオキシドのホモポリマー、ランダムポリマー、ブロックポリマー、ランダム/ブロックポリマーなどとのエステル化反応、あるいはエステル交換反応を挙げることができる。
一般式(1)及び(2)の化合物を、エステル化反応もしくはエステル交換反応で製造する場合、無触媒でもかまわないが、反応時間の短縮や反応温度の低温化のため、触媒の使用が一般的である。触媒の種類が特に限定されることはないが、使用できる触媒としては、硫酸やトルエンスルホン酸などの強酸;四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素などのハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラートまたは炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウムなどの金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫オキシドなどの有機金属化合物などが挙げられる。
本発明のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤を添加するアクリルエマルション系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸(エステル)、(メタ)アクリル酸(エステル)/スチレン、(メタ)アクリル酸(エステル)/酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸(エステル)/シリコーン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸(エステル)/ブタジエン、(メタ)アクリル酸(エステル)/塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸(エステル)/アリルアミン、(メタ)アクリル酸(エステル)/ビニルピリジン、(メタ)アクリル酸アルカノールアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエステル、(メタ)アクリル酸(エステル)/N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテルなどを重合したエマルションなどが挙げられる。
本発明のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤は、従来公知の成膜助剤と同様の使用量で任意にアクリルエマルション系樹脂に添加して使用することができるが、アクリルエマルション系樹脂に対して、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.2〜5重量%の範囲で使用することができる。
本発明のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤を添加したアクリルエマルション系樹脂は、この他必要に応じて公知の添加剤、例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔料;カーボンブラック、ベンガラ、シアニンブルーなどの有色系顔料などの顔料;酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、防腐防菌剤、殺虫殺菌剤、溶剤、可塑剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、消臭剤、香料、増量剤、染料などを使用することもできる。また、本発明のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤を添加したアクリルエマルション系樹脂は、水性塗料、粘着剤、接着剤などに利用することができるが、使用方法が特に限定されることはない。
以下、実施例により本発明のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤及びこれを含有する組成物を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の実施例中、部及び%は、特に記載が無い限り重量基準である。
<本発明品1>
攪拌機、温度計及び窒素管を取り付けたフラスコに、ブタンジカルボン酸146g(1.00モル)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル324g(2.00モル)、及び触媒として硫酸4.7gを加え、これらを加熱均一溶解させた後、150℃まで昇温して1時間反応させ、生成する水を除去した。次いで生成する水を除去しながら、減圧ポンプでフラスコ系内を1.3Kpa以下まで徐々に減圧した。系内が1.3Kpa以下に減圧されたのを確認した後、温度を180℃まで徐々に上げ、180℃、1.3Kpaにて更に3時間反応させた。反応終了後、触媒を中和・ろ過して取り除き、本発明品1を得た。
<本発明品2>
本発明品1と同様の方法で、ブタンジカルボン酸146g(1.00モル)、エチレングリコールモノブチルエーテル118g(1.00モル)、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル206g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品2を得た。
<本発明品3>
本発明品1と同様の方法で、エタンジカルボン酸118g(1.00モル)及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル412g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品3を得た。
<本発明品4>
本発明品1と同様の方法で、オクタンジカルボン酸202g(1.00モル)及びジエチレングリコールモノブチルエーテル324g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品4を得た。
<本発明品5>
本発明品1と同様の方法で、エタンジカルボン酸118g(1.00モル)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル250g(1.00モル)及びテトラエチレングリコールモノオクチルエーテル306g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品5を得た。
<本発明品6>
本発明品1と同様の方法で、エタンジカルボン酸118g(1.00モル)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル162g(1.00モル)及びテトラプロピレングリコールモノブチルエーテル306g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品6を得た。
<本発明品7>
本発明品1と同様の方法で、プロパンジカルボン酸132g(1.00モル)及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテル452g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品7を得た。
<本発明品8>
本発明品1と同様の方法で、ジエチレングリコール106g(1.00モル)及び安息香酸244g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品8を得た。
<本発明品9>
本発明品1と同様の方法で、ジプロピレングリコール134g(1.00モル)及び安息香酸244g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品9を得た。
<本発明品10>
本発明品1と同様の方法で、テトラエチレングリコール194g(1.00モル)及びプロピオン酸148g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品10を得た。
<本発明品11>
本発明品1と同様の方法で、トリプロピレングリコール192g(1.00モル)及びカプロン酸232g(2.00モル)を加えて反応させ、本発明品11を得た。
<本発明品12>
本発明品1と同様の方法で、ジエチレングリコール106g(1.00モル)及び酢酸60g(1.00モル)及びカプリル酸144g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品12を得た。
<本発明品13>
本発明品1と同様の方法で、ペンタプロピレングリコール308g(1.00モル)、ヘプタン酸130g(1.00モル)及び吉草酸102g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品13を得た。
<本発明品14>
本発明品1と同様の方法で、トリプロピレングリコール192g(1.00モル)、プロピオン酸74g(1.00モル)及び安息香酸122g(1.00モル)を加えて反応させ、本発明品14を得た。
<比較品1〜7>
比較品1〜7として、以下の表3にまとめて示した従来品を用いた。
<比較品8>
本発明品1と同様の方法で、ブタンジカルボン酸146g(1.00モル)及びドデシルアルコール372g(2.00モル)を加えて反応させ、エステル結合を2つ持つもののエーテル結合を全く持たない比較品8を得た。
<比較品9>
本発明品1と同様の方法で、平均分子量546(平均重合度12)のポリエチレングリコール546g(1.00モル)及び安息香酸244g(2.00モル)を加えて反応させ、mの値が10を超える点が本発明品と異なる比較品9を得た。
以上の本発明品1〜14及び比較品1〜9についてまとめると、以下の表1〜3のようになる。
Figure 2005200611
Figure 2005200611
Figure 2005200611
<使用したアクリルエマルション系樹脂の最低成膜温度>
樹脂A:アクリルエマルション系樹脂 <最低成膜温度60℃>
樹脂B:アクリルエマルション系樹脂 <最低成膜温度20℃>
<評価方法>
樹脂A及び樹脂Bに対して、本発明品及び比較品を2.5重量%添加し、充分に攪拌した後、B型粘度計で粘度を測定し、JISK−6805と同等の方法で最低成膜温度を測定した。乾燥性についてはガラス板上に試験エマルションをアプリケーターにて0.25mm厚に塗布し、樹脂Aについては50℃の恒温槽中に放置し、樹脂Bについては5℃の恒温槽中に放置し、それぞれ30分後及び5時間後の塗膜表面のべたつき程度を確認した。塗膜表面のべたつき程度の評価法としては塗膜表面を指にて軽く押し、下記の5段階にて評価し、表4及び表5に記した。
評価1:全体にべたつき多く明らかに未乾燥
評価2:指先がガラス板に付着し、1cm程度持ち上がる
評価3:指先がガラス板に付着し、わずかに持ち上がる
評価4:指先にべたつきが感じられるがガラス板は持ち上がらない
評価5:完全乾燥し、指先に全然付着しない
なお、最低成膜温度の測定方法は、スライドグラスを試料中に浸漬し、膜厚0.15mmのフィルムを得るように引き上げ、所定温度下で乾燥成膜させ膜の状態を顕微鏡で観察し、膜表面が透明かつ亀裂を発生しない温度を最低成膜温度とする。
Figure 2005200611
Figure 2005200611
以上まとめると、樹脂A及びBの両方に関して、本発明品は、比較品及び添加剤を含有しない場合と比較して、エマルション粘度は維持したまま、成膜温度を大きく下げ、乾燥性にも優れていることが分かった。

Claims (4)

  1. エステル結合を2つ及びエーテル結合を1〜10持つ化合物からなるアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤。
  2. 下記の一般式(1):
    R-(OA)n1-OOC(CH)n2COO-(AO)n3-R (1)
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立した炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。A1及びA2はそれぞれ独立した炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。n1及びn3は1〜5の数を表し、n2は1〜15の数を表す。)
    で表される化合物からなる、請求項1記載のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤。
  3. 下記の一般式(2):
    RCOO-(AO)-OCR (2)
    (式中、R3及びR4はそれぞれ独立した炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表し、同一でも異なってもよい。A3は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。mは2〜10の数を表す。)
    で表される化合物からなる、請求項1記載のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリルエマルション系樹脂用成膜助剤の添加量が0.1〜10%である、アクリルエマルション系樹脂用成膜助剤組成物。
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