JP2005200385A - α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造するための方法を提供すること。
【解決手段】リンを含有する化合物(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)を共存させた液相中で、少なくともパラジウムを有用成分とする触媒の存在下、分子状酸素によりオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを酸化する、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相酸化して、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を製造するための方法に関する。
α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法については種々検討されている。例えば、特許文献1には、オレフィンを分子状酸素により液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法として、炭素数3〜6のオレフィンとの接触により活性化された担持型パラジウム触媒を用い、さらに遊離基禁止剤を共存させて行う方法が記載されている。また、特許文献2には、モリブデン化合物の水溶液とパラジウム触媒との存在下で、オレフィンの酸化反応を行う方法が記載されている。
特開昭60−155148号公報 特開昭56−59722号公報
しかしながら、本願発明者が特許文献1の実施例に記載された方法に準じてプロピレンからアクリル酸を製造したところ、上記の文献に記載されている副生成物(アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、酢酸、二酸化炭素)以外に多様なポリマーやオリゴマーが多く副生することを見出した。上記の文献ではこれらのポリマーやオリゴマーを捕捉しておらず、これらの副生成物を含めた実際のアクリル酸の選択率は文献の実施例に記載されたものより低くなることが判明した。特許文献2の方法においても同様に多様なポリマーやオリゴマーが多く副生し、実際のアクリル酸の選択率は文献の実施例に記載されたものより低くなることが判明した。このように、これらの文献記載の方法でのα,β−不飽和カルボン酸の選択率は未だ十分ではなく、α,β−不飽和カルボン酸の収率も低かった。また、α,β−不飽和アルデヒドの製造に関しても同様にその選択率が低かった。したがって、より選択率の高いα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法が望まれている。また、本願発明者らは、パラジウム含有触媒を用いたオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの液相酸化において、特許文献2記載のモリブデン化合物を共存させるよりも性能向上効果の良好な化合物を見出した。
したがって本発明の目的は、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造するための方法を提供することにある。
本発明は、リンを含有する化合物(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)を共存させた液相中で、少なくともパラジウムを有用成分とする触媒の存在下、分子状酸素によりオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを酸化する、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
本発明によれば、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造することが可能となる。
本発明のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で分子状酸素により酸化する(液相酸化という)際に、少なくともパラジウムを有用成分として含有する触媒を用い、かつリンを含有する化合物(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)を反応系に共存させることを特徴としている。
リンを含有する化合物としては、無機リン化合物または有機リン化合物を用いることができる。具体的には、オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの塩類、並びに、リンを中心原子とするポリオキソメタレート類(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)、並びに、有機リン化合物類などが好ましい例として挙げられる。ただし、亜鉛ジチオホスフェートは含まないことが好ましい。これらは単独で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。上記のようなリンを含有する化合物を反応系に共存させることにより、リンを含有する化合物と触媒中のパラジウムとの間に何らかの相互作用が発現し、共存させない場合と比較して触媒の活性が向上し、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の選択性を向上させることができる。
オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの塩類としては、以下の式(1)で表される化合物がより好ましい。
abc (1)
(式(1)中、PおよびOはそれぞれリンおよび酸素を示し、Xは、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、アンモニウム、鉄および銅からなる群より選ばれる1種以上の元素を示す。a、bおよびcは各元素の原子比率を示し、a=3のとき、b=1およびc=4であり、a=4のとき、b=2およびc=7である。)
リンを中心原子とするポリオキソメタレート類(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)としては、リンタングステン酸類又はこの塩類がより好ましい。以下の式(2)で表される化合物がさらに好ましい。
d112-eef (2)
(式(2)中、P、WおよびOはそれぞれリン、タングステンおよび酸素を示し、Yは、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムおよびアンモニウムからなる群より選ばれる1種以上の元素を示す。Zは、鉄、銅、バナジウム、コバルト、ニッケル、マンガン、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、アンチモン、ルテニウム、白金、パラジウム、スズ、ジルコニウムおよびニオブからなる群より選ばれる1種以上の元素を示す。d、e及びfは、各元素の原子比率を示す。dはアニオン成分の電荷を中和するためのカチオン成分であり(d≧3)、e=0〜3である。fは前記各成分の原子価を満足するために必要な酸素の原子比率である(f≦40)。)
有機リン化合物類としては、ホスフィン類、ビホスフィン類およびホスホラン類などが挙げられるが、ホスフィン類がより好ましい。ホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン及びその誘導体、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどが挙げられる。中でも、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンがさらに好ましい。
本発明で共存させるリンを含有する化合物中のリン原子の量の下限は、触媒中の有用成分であるパラジウム1モルに対して、通常0.01モル以上、好ましくは0.03モル以上、より好ましくは0.05モル以上である。また、その上限は、通常20モル以下、好ましくは18モル以下、より好ましくは16モル以下である。リンを含有する化合物の量を、上記の下限より多くすることで性能向上効果がより大きくなり、上記の上限より少なくすることで劇的な性能向上効果が期待できる。
また、本発明でのα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造は、通常、有機溶媒を含有する液相中で行なわれる。有機溶媒の好ましい例としては、炭素数が3〜6のケトン類、カルボン酸類、アルコール類、エステル類およびエーテル類が挙げられる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸、プロピオン酸、酪酸、iso−酪酸、α−メチル酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトンおよび1,4−ジオキサンからなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物を含有する有機溶媒であることが、より好ましい。
また、液相の溶媒は、有機溶媒と水との混合溶媒であることが好ましい。有機溶媒としては前述のものが好ましい。共存させる水の量の下限としては、混合溶媒の質量を100質量部としたとき、通常2質量部以上、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上である。水の量の上限は、通常50質量部以下、好ましくは45質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。また、有機溶媒と水との混合溶媒は、均一状態であることが好ましいが、相分離状態で用いても差し支えない。
本発明でのα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法においては、少なくともパラジウムを有用成分として含有する触媒を用いることを特徴としている。
触媒の調製方法としては特に制限はなく、含浸法、ポアフィリング法、インシピエントウェットネス法および蒸発乾固法などを用いることができる。
触媒中のパラジウムの状態としては、金属パラジウムの状態であることが好ましく、金属パラジウムは、例えば、パラジウム化合物を還元剤により活性化することで調製することができる。
用いるパラジウム化合物には特に制限はなく、パラジウム塩、パラジウム錯体および酸化パラジウムを用いることができる。パラジウム塩およびパラジウム錯体としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ビスアセチルアセトナートパラジウム、テトラアンミンパラジウムクロライドおよびジニトロジアミノパラジウムなどを用いることができる。活性化に用いる還元剤も特に制限されず、パラジウム化合物中の酸化状態のパラジウムを還元する能力を有するものであればよい。例えば、ヒドラジン、ホルマリン、水素、アルコール類およびオレフィン類などを用いることができる。活性化の方法としては、前述のパラジウム化合物を適当な溶媒に溶解後、前述の還元剤を添加して接触還元させる方法を用いることができる。還元条件も、用いる還元剤により適宜選択することができるが、例えば、還元剤が水素である場合には、水素ガス気流下にて、200〜400℃で1〜3時間接触させる方法が挙げられる。
触媒としては、金属パラジウム単独の粒子を使用してもよいし、金属パラジウムを担体上に担持した担持触媒を使用してもよい。また、パラジウムと異種金属を合金化した金属を含む触媒を用いることもできる。担持触媒の場合の担体としては、特に制限はなく、活性炭、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、チタニア、ジルコニア、酸化スズおよび酸化亜鉛などの担体を用いることができる。担体を用いる場合には、パラジウム化合物等を担体へ含浸後に活性化してもよいし、パラジウム化合物等の担体への含浸と活性化を同時に行なってもよい。
活性化された触媒は、吸引ろ過や遠心分離により分離される。その後、必要に応じて洗浄や乾燥を行なってもよい。
本発明では、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造の原料として、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを用いる。オレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、2−ブテン等が挙げられる。また、α,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。
原料がオレフィンの場合、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和アルデヒドおよびα,β−不飽和カルボン酸が製造でき、原料がα,β−不飽和アルデヒドの場合、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基となったα,β−不飽和カルボン酸が製造できる。具体的には、原料がプロピレンの場合、アクロレインおよびアクリル酸が得られ、原料がイソブチレンの場合、メタクロレインおよびメタクリル酸が得られる。また、原料がアクロレインの場合にはアクリル酸が得られ、原料がメタクロレインの場合にはメタクリル酸が得られる。
本発明の方法は、プロピレンからアクロレインおよびアクリル酸、アクロレインからアクリル酸、イソブチレンからメタクロレインおよびメタクリル酸、メタクロレインからメタクリル酸を製造するのに特に好適である。
原料のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドには、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等が少々含まれていてもよい。
液相酸化反応に用いる分子状酸素の源は、空気が経済的であり好ましいが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。この空気等のガスは、通常オートクレーブ等の反応容器内に加圧状態で供給される。
液相酸化を行う反応液中のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの量の下限は、溶媒100質量部に対して、通常0.1質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以上である。また、上記原料の使用量の上限は、通常80質量部以下であり、好ましくは70質量部以下である。
分子状酸素の量の下限は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対して、通常0.1モル以上であり、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5モル以上である。また、分子状酸素使用量の上限は、通常30モル以下であり、好ましくは25モル以下であり、より好ましくは20モル以下である。
通常、触媒は液相酸化を行う反応液に懸濁させた状態で使用されるが、固定床で使用してもよい。反応液中の触媒の量の下限は、液相酸化を行う反応器内に存在する溶液100質量部に対して、その反応器内に存在するパラジウム触媒として通常0.01質量部以上であり、好ましくは0.2質量部以上である。また、触媒の使用量の上限は、通常60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
液相酸化反応は、連続式、バッチ式の何れの形式で行ってもよいが、生産性を考慮すると連続式が好ましい。
液相酸化を行う温度および圧力は、用いる溶媒および原料によって適宜選択される。反応温度の下限は、通常60℃以上であり、好ましくは70℃以上である。また、反応温度の上限は、通常200℃以下であり、好ましくは150℃以下である。反応圧力の下限は、通常0.5MPa(ゲージ圧)以上、好ましくは2MPa(ゲージ圧)以上である。また、反応圧力の上限は、通常15MPa(ゲージ圧)以下であり、好ましくは12MPa(ゲージ圧)以下である。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は「質量部」を意味する。
(原料および生成物の分析)
原料および生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応率、α,β−不飽和アルデヒドの選択率、ポリマー・オリゴマーの選択率、α,β−不飽和カルボン酸の選択率および収率は以下のように定義される。
オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応率(%)
=(B/A)×100
α,β−不飽和アルデヒドの選択率(%)=(C/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の選択率(%)=(D/B)×100
ポリマー・オリゴマーの選択率(%) =(E/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の収率(%) =(D/A)×100
ここで、Aは供給したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Bは反応したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Cは生成したα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成したα,β−不飽和カルボン酸のモル数、Eは生成したポリマーおよびオリゴマーの総質量(単位:g)を供給したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの分子量で除して算出したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド換算のポリマーおよびオリゴマーのモル数である。なお、α,β−不飽和アルデヒドの酸化反応の場合には、C/B=0である。
[実施例1]
(触媒調製)
酢酸パラジウム(N.E.ケムキャット製)1.1部を80質量%酢酸水溶液70.0部に加熱溶解した。この溶液に活性炭(比表面積780m2/g)5.0部を添加し、オートクレーブに仕込み密閉した。攪拌を開始し、0.8MPa(ゲージ圧)のプロピレンガスを導入後、50℃で1時間保持した。1時間後、オートクレーブを氷浴により冷却し、内液の温度を20℃まで戻した後、内圧を開放した。黒色の懸濁液を窒素気流下で吸引ろ別し、酢酸で洗浄して活性炭担持パラジウム触媒を得た。この触媒のパラジウム担持率は10質量%であった。
(反応評価)
上記の方法で得た活性炭担持パラジウム触媒5.5部を、p−メトキシフェノールを200ppm含有する80質量%酢酸水溶液140部に分散した。この溶液に、メタクロレイン6.0部およびオルトリン酸0.27部(パラジウム1モルに対して0.60モルのリン原子含有)を添加した。これをオートクレーブに仕込み、密閉し、攪拌(回転数1000rpm)および加熱を開始した。内液の温度が90℃に達した時点で圧縮空気を3.5MPa(ゲージ圧)まで導入し、反応を開始し、内圧が2.5MPa(ゲージ圧)に到達した時点を反応終了とした。反応終了後、氷浴により内液の温度が20℃になるまで冷却した後、内圧を開放し、ガスは捕集した。反応液および捕集ガスはガスクロマトグラフィーにより分析した。評価結果は、表1に示した。
[実施例2]
オルトリン酸0.27部の代わりにリン酸三カリウムを0.32部(パラジウム1モルに対して0.32モルのリン原子含有)添加したこと以外は実施例1と同様にして、触媒調製および反応評価を行なった。評価結果は、表1に示した。
[実施例3]
オルトリン酸0.27部の代わりにリンタングステン酸(分子式:H311240)を2.0部(パラジウム1モルに対して0.15モルのリン原子含有)添加したこと以外は実施例1と同様にして、触媒調製および反応評価を行なった。評価結果は、表1に示した。
[実施例4]
オルトリン酸0.27部の代わりに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンを0.12部(パラジウム1モルに対して0.06モルのリン原子含有)添加したこと以外は実施例1と同様にして、触媒調製および反応評価を行なった。評価結果は、表1に示した。
[実施例5]
実施例1と同様の方法で調製した触媒5.5部をp−メトキシフェノールを200ppm含有する70質量%tert−ブタノール水溶液90部に分散した。この分散溶液に、オルトリン酸0.46部(パラジウム1モルに対して1.0モルのリン原子含有)を添加した。これをオートクレーブに仕込み、密閉し、液化イソブチレン4.0部を導入し、攪拌(回転数1000rpm)および加熱を開始した。内液の温度が90℃に達した時点で、窒素ガスを2.0MPa(ゲージ圧)まで、その後、圧縮空気を4.0MPa(ゲージ圧)まで導入し、反応を開始した。反応中は、内圧が0.3MPa(ゲージ圧)減少した時点で純酸素を4.0MPa(ゲージ圧)まで導入する操作を繰り返し、120分経過した時点で反応終了とした。反応終了後、氷浴により内液の温度が20℃になるまで冷却した後、内圧を開放し、ガスは捕集した。反応液および捕集ガスはガスクロマトグラフィーにより分析した。評価結果は、表1に示した。
[比較例1]
オルトリン酸を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、触媒評価及び反応評価を行った。評価結果は、表1に示した。
[比較例2]
オルトリン酸を添加しないこと以外は実施例5と同様にして、触媒評価及び反応評価を行った。評価結果は、表1に示した。
[比較例3]
オルトリン酸0.27部の代わりにケイタングステン酸(分子式:H4Si11240)を1.4部(パラジウム1モルに対して0.10モルのケイ素原子含有)添加したこと以外は実施例1と同様にして、触媒評価及び反応評価を行った。評価結果は、表1に示した。
[比較例4]
オルトリン酸0.27部の代わりにリンモリブデン酸ナトリウム(分子式:Na31Mo1240)を8.9部(パラジウム1モルに対して1.0モルのリン原子含有)添加したこと以外は実施例1と同様にして、触媒評価及び反応評価を行った。評価結果は、表1に示した。
Figure 2005200385
表中の略号は以下を表す。
「iC4’」:液化イソブチレン
「MAL」:メタクロレイン
「MAA」:メタクリル酸
このように、本発明の方法によれば、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸を高選択率で製造することが可能となる。

Claims (7)

  1. リンを含有する化合物(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)を共存させた液相中で、少なくともパラジウムを有用成分とする触媒の存在下、分子状酸素によりオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを酸化する、α,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  2. 前記リンを含有する化合物が、オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの塩類から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む請求項1記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  3. 前記リンを含有する化合物が、リンを中心原子とするポリオキソメタレート類(リンモリブデン酸およびリンモリブデン酸塩は除く)を含む請求項1又は2に記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  4. 前記リンを含有する化合物が、有機リン化合物類を含む請求項1〜3いずれかに記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  5. 前記液相の溶媒が、炭素数が3〜6のケトン類、カルボン酸類、アルコール類、エステル類およびエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機溶媒を含む請求項1〜4いずれかに記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  6. 前記液相の溶媒が、有機溶媒と水との混合溶媒であり、該混合溶媒の質量を100質量部としたときの該水の含有量が2〜50質量部である請求項1〜5いずれかに記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  7. 前記リンを含有する化合物中のリン原子を、前記触媒中のパラジウム1モルに対して0.01〜20モルとなるように共存させて行う請求項1〜6いずれかに記載のα,β−不飽和アルデヒドまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
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