JP2005200289A - 固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体撮像素子用カバーガラスとして、高い清澄性を有し、その結果として充分な均質性を実現でき、種々の特性を満足する固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、無機酸化物ガラス製の固体撮像素子用カバーガラスにおいて、ヘリウム及びネオンの中から少なくとも一種の成分を0.0001〜2μl(マイクロリットル)/g(0℃、1atm)含有し、清澄剤成分を0.001〜3質量%であって、SO、Cl、HO、Sn、Sb、Ce及びFの中から選択される一種以上の成分を含有する。また本発明の製造方法は、ガラス原料を混合して耐熱性容器内に投入する工程と、耐熱性容器内でガラス原料混合物を溶融して溶融ガラスにする工程と、溶融ガラスにヘリウム、ネオンを所定量導入する工程よりなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体撮像素子を収納するパッケージに窓として取り付けられて固体撮像素子を保護するカバーガラスと、その製造方法に関する。
一般に、イメージセンサとして利用される固体撮像素子は、気密構造を有するパッケージの内部に収納され、その前面には透光性を有する平板ガラスよりなるカバーガラスが使用されている。このカバーガラスは、アルミナ等のセラミックス材料、コバール(Fe−Ni−Co合金)等の金属材料、ガラスエポキシ基材等の複合材料、エポキシ樹脂等のプラスチック材料といった多種のパッケージ筐体に種々の接着剤を利用して封着されて、透光窓として利用されている。
固体撮像素子として利用されている半導体素子には、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)等がある。これらの内、CMOSは、CCDよりも3年早く1967年に発表されたものであるが、当初はCCDよりも画質品位が劣るとされていた。しかし、近年の電子技術の著しい進捗によって各画素に増幅器を設けることによってこの問題が克服され、しかも固定パターンノイズ(Fixed Pattern Noise)と呼ばれるノイズを減らす回路を搭載できるようになり、近年その画質品位が改善されてきた。またCMOSはCCDと比較してパッケージの小型化が可能であって、消費電力についても5分の1程度と少なく、マイクロプロセッサの製造工程をそのまま利用することができるので設備投資等に費用が嵩まず、安価に製造が可能である等の利点から、携帯電話や携帯情報入力端末等の画像入力デバイスに搭載されることが多くなっている。そして、このような固体撮像素子は、特許文献1にあるように、素子搭載技術としてフリップチップ技術等を用いることによって、パッケージを厚みのより薄い構造にすることが求められている。
このようなCCDやCMOSにおいては、精細な画像を正確に電子情報に変換する必要性から、カバーガラスの表面に付着する異物や汚れや傷については、高品位の清浄度及び厳しい許容基準が要求されてきた。また、カバーガラスの表面ばかりか、ガラス内の結晶や白金等の異物の混入防止や、特許文献2、3、4にあるように、ガラス内の微量含有放射能成分であるU(ウラン)、Th(トリウム)、Ra(ラジウム)等から放出されるα線に起因するソフトエラーを防ぐための高純度原料の採用等、多岐に渡る対応が施され、固体撮像素子用カバーガラスの品位向上が行われてきている。
そして、これら光半導体素子を収納するパッケージの透光窓として利用されるカバーガラスは、特許文献5にあるように、一般に所望の配合比となるように均質混合した高純度ガラス原料を使用し、高純度の白金、SiOといった坩堝のような耐熱性容器内で1200℃以上に加熱してガラス原料を溶融した後、所望の形状に成形、加工することによって製造されている。
特開2002−43554号公報 特開平7−172868号公報 特開平6−211539号公報 特開平7−215733号公報 特開平6−345480号公報
近年、固体撮像素子の分野において、新しい用途の拡大傾向が認められる素子はCMOSである。CMOSは素子の価格が安価であって、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等に搭載されて利用されることが多い。このような電子機器は、屋外でも利用されるため、軽量で持ち運び易く、同時に高い耐候性が要求される。そのため、この様な用途に供される光半導体パッケージ用カバーガラスは、安価で軽量であるという特性に加え、高い耐候性を有し、屋外の過酷な環境下で使用されてもカバーガラス表面の品位が低下せず、安定した正確な画像情報を得ることができるという特性を併せ持つことが重要となる。
一方、この固体撮像素子用途のカバーガラスは、外観品位として泡についても上述の厳しい要求を満足する必要があるため、溶融によって製造したガラスの泡品位は、ガラスの均質性に関する他の事項と同様にガラス製造を困難なものとする大きな要因となっている。一般に上述の各種要求特性を満たすガラスを選択していくと、使用できるガラスは高温溶融を必要とする材質に限定されてくる。そしてこのようなガラスは、溶解時のガラス融液の粘度が高いため、ソーダライムガラス等に比べてより高温で溶融が行われ、具体的には、通常1200℃から1400℃の温度でガラス化反応が起こり、1400℃以上の高温で脱泡、均質化が行われる。そのため清澄剤は少なくとも脱泡、均質化が行われる高温域で清澄ガスを放出される必要がある。このような事情から、従来固体撮像素子用カバーガラスでは、幅広い温度域で清澄ガスを発生させることができる清澄剤としてAs酸化物が広く用いられてきた。しかし、環境面から管理の困難なAs酸化物に代わる清澄剤が求められている。
本発明者らは、かかる状況に鑑み、固体撮像素子用に利用されるカバーガラスとして、高い清澄性を有し、その結果として充分な均質性を実現でき、種々の特性を満足する固体撮像素子用カバーガラス及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、無機酸化物ガラス製の固体撮像素子用カバーガラスにおいて、ヘリウム及び/又はネオンを0.0001〜2μl(マイクロリットル)/g(0℃、1atm)含有することを特徴とする。
ここで、無機酸化物ガラス製の固体撮像素子用カバーガラスにおいて、ヘリウム及び/又はネオンを0.0001〜2μl(マイクロリットル)/g(0℃、1atm)含有することとは、本発明の無機酸化物ガラスによりなる固体撮像素子用カバーガラスは、ガラス組成中にヘリウムとネオンのいずれか1種以上の成分を0℃、1atmの条件下において0.0001μl/gから2μl/gまで含有したものであることを表している。
尚、上記において、ヘリウムとネオンの両方を含有する場合は、各々の成分が0℃、1atmの条件下において0.0001μl/gから2μl/gまで含有される。
溶融ガラス中で、一般に溶融ガラスを構成する各元素は互いに弱い結合力をもつ網目状態となり、高温であるほど、それぞれの元素位置は相対的に高速に伸縮振動、回転振動、偏角振動をともなった不規則な位置変動を激しくおこなっている。しかしながら、後述するように、ヘリウムやネオンは原子構造における電子配列が閉殻構造のため非常に反応性が低く、かつその大きさが小さい。従って、ヘリウムやネオンは、溶融ガラスを構成する各種元素と結合しがたく、かつ上記の振動する網目の空隙を経路として通過していくことのできる程に充分小さい寸法を有するものであることから、溶融ガラス中に欠陥として存在する泡に至るまで、周囲の元素に影響されることなく容易に拡散していくことが可能である。
このため、微細な泡欠陥を多数内在する溶融ガラスにヘリウム及び/又はネオンを接触させることで、溶融ガラス中に内在する微細な泡の泡径を急速に膨張させることができる。その結果、泡径の大きくなった泡は、浮力が大きくなり高速に浮上することで速やかに溶融ガラスが清澄されることになる。こうして、ヘリウムやネオンは溶融ガラスに清澄効果をもたらすが、その効果は後述する各種の清澄剤成分が、溶融ガラス中に含有される環境であるほど強力である。これは、各種清澄剤成分そのものによる清澄効果もあるが、ヘリウムやネオンが各種清澄剤成分と共存する場合には、各種清澄剤成分の添加によって泡の発生が促進され、発生した微細な泡に、ヘリウム、ネオンの拡散が作用し、溶融ガラスの清澄過程の中で両方が異なる役割を担うことによって両方の効果を単純に足し合わせた清澄効果よりも著しく大きな効果となるものである。
本発明で使用するヘリウム、ネオンについては、いずれも不活性ガス、希ガスと称する分類がなされることもあり、安定な閉殻構造をなすため、単原子分子として存在する。ヘリウムについては、希ガス元素の中でも最も軽い元素であり、構造的にも大きさが非常に小さく、Van der Waals力による引力も非常に小さく、絶対零度でも常圧では液体のままで固体化することがない成分である。またネオンは、希ガス中ではその大きさがヘリウムに次いで小さいガスで、ヘリウム同様単原子分子で安定構造をとる。このため、ヘリウム、ネオンとも高温溶融して製造し、冷却されたガラス組成物中では、他の構成成分によって構築されたガラス網目構造の空孔に捕捉された状態で存在している。
ヘリウム及び/又はネオンは、いずれもガラス構造の網目形成には関与しないが、単独あるいは合量でガラス中に0.0001μl/g以上含有することで清澄効果を与える。0.0001μl/g以上では、充分な清澄効果を与えることが可能になるため好ましい。さらに0.006μl/g以上の含有は、確実な清澄効果を発揮することを可能にする。そしてガラス中に含有するガス化可能な成分の含有量が多い様な過酷な条件下でも清澄効果を実現するためには、より好ましくは0.01μl/g以上含有することで充分な清澄効果を溶融ガラスに付与することが可能である。
一方、2μl/g以下の含有量では、ガラス組成物を再加熱すると、いわゆるリボイルと呼ばれる再発泡が生じないため好ましい。またガラス組成物、加熱条件によっても違いはあるものの、よりリボイルしにくい含有上限値は1.5μl/g以下である。そしてこの1.5μl/gという上限値は、ヘリウム及び/又はネオン以外の清澄剤が共存するガラス組成物の場合は、リボイルがより発生しやすくなるため、下方へシフトし1.0μl/gとなる。
よってヘリウム、ネオン以外の清澄剤が溶融ガラス中に共存しない場合には、より厳しい条件下でも清澄効果があり、かつリボイルしにくいヘリウム及び/又はネオンの含有範囲は0.01μl/g〜1.5μl/gが好ましい。一方ヘリウム及び/又はネオン以外の清澄剤が溶融ガラス中に共存する場合には、より厳しい条件下でも清澄効果があり、かつリボイルしにくいヘリウム及び/又はネオンの含有範囲は0.01μl/g〜1.0μl/gが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、清澄剤成分を0.001〜3質量%含有することが好ましい。
本発明で清澄剤とは、ガラス原料が高温加熱され熱分解して溶融される際に、蒸気圧が高く、気化して原料溶融物から分離し、気相を形成する各種ガスが溶融ガラス中で泡を形成するものである。そして溶融ガラス中に形成される泡の一部には、ガラス原料が溶融する際にトラップされた原料間の溶融雰囲気ガスや原料の高温化学反応によって発生したガス、耐火物起源のガス等、種々の要因によって形成されたガスを含有するが、このような泡となっている各種ガスの混合物を溶融ガラス中から速やかに放出する役割をもつ化学物質が清澄剤である。ここで、具体的に溶融ガラス中に形成されるガスとは、CO、CO、SO、O、N、NO、HO、H、Ar及びその混合ガスなどであり、高温時はガラス溶融物からの蒸発・揮発物がガス成分として微量に含まれる場合もある。
また、このようなガスを清澄する化学物質、すなわち清澄剤としては、Sb、Sb、2MgO・Sb、7MgO・Sb、2ZnO・Sb、7ZnO・Sb、3CaO・Sb、6CaO・Sb、2SrO・Sb、6SrO・Sb、BaO・Sb、4BaO・Sb、LiO・Sb、2Li2O・Sb、KO・Sb、LaSbO、SbNbO、Sr(Ca0.33Sb0.67)O、LiZnSbO、Li1.5Ti1.0Sb0.5、BaAl0.5Sb0.5、BaCe0.75SbO、ZrSbPO、Ba(Sb0.5Sn0.5)O、LiSiSbO、LiZrSbSiO11などのアンチモン系化合物、SnO、CeO、BaOなどの酸化物、過酸化物、NaNO、KNO、Ba(NOなどの硝酸塩、NaSO、KSO、CaSO、BaSOなどの硫酸塩、NaCl、KCl、CaClなどの塩化物、CaF、NaSiF、LiF・KF・Al・3SiO、KFなどのフッ化物、Al、Si、Zn、Ga、Fe、Sn、Cなどの金属・無機元素、HO、Al(OH)、ショ糖、グラニュー糖、コーンスターチ、木粉などの炭素含有化合物である有機化合物といった各種化合物、元素、混合物を意味している。
清澄剤成分については、含有する種類にもよるが、その含有量が0.001質量%以上であることによってヘリウムやネオンと共存することで溶融ガラスに清澄効果が得られ、その効果は0.01質量%以上であるならより大きくなるため好ましい。また、ヘリウムやネオンの拡散しにくいガラス組成物種では0.03質量%以上を含有するのが好ましい。
一方、3質量%以下では、発生するガス量が多くなりすぎないので、溶融ガラス中から泡を除くことが困難になる等の問題が発生しないため好ましい。
また、再熱処理などを行う等の発泡を防ぐための条件が厳しいガラス製品については、2.5質量%を上限とするのが好ましく、さらに厳しい環境で使用されるガラス製品に適用されるガラス組成物では2.0質量%以下で含有させるのが好ましい。よって、より好ましくは、ヘリウムやネオンと共存する清澄剤成分について0.01〜2.5質量%の範囲となる。そして更に、場合によってはその限定範囲は、0.01〜2質量%または0.03〜2.5質量%、0.03〜2質量%、0.01〜3質量%、0.03〜3質量%等となる場合もある。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、清澄剤成分としてSO、Cl、HO、Sn、Sb、Ce及びFの中から選択される一種以上の成分を含有することが好ましい。
ここで清澄剤成分として規定しているSO、Cl、HO、Sn、Sb、Ce及びFについては、先述した各種清澄剤のなかでもヘリウム及び/又はネオンと共存することで、高い清澄効果を発揮するものであり、高温溶融によって熱分解、酸化還元反応などによって変成してもその一部が冷却後のガラス組成物中に残留する成分である。
例えば、SOについては、硫酸塩を原料として採用することでガラス中に添加するものであって、その溶融ガラスに対する溶解度が、低温で大きく高温で小さいことを利用して、単独使用されて清澄作用をもたらすものとされている。しかし本発明のもたらす効果は単独使用では、予測することができない大きい効果をもたらすことができるものであって、質量比率で1ppmの含有は最低必要である。ただし、ガラス原料からなる高温反応性の悪いガラス組成物に対して、採用する場合には、20ppm以上の添加が好ましく、さらに安定した効果を得るためには50ppm以上とすることが必要となる。また、その溶融に1400℃以上の高温を要するガラス組成物においては、300ppm以上の添加が必要である。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、Sb成分をSb換算で0.01〜3質量%を含有することが好ましい。
Sbはガラス組成中で清澄剤として使用されてきたが、ヘリウム及び/又はネオンと共存することで著しい清澄効果を発揮する。この場合、ガラス中の含有率がSbとして質量百分率で0.01質量%以上であることが好ましい。そして、より高い効果を得るためには0.1質量%以上含有させることが好ましい。
一方、ガラス組成中にSbとして質量百分率で3.0質量%以下では、ガラスに着色が発生しないため好ましい。また、Sbとして1.5質量%以下の量を含有すると2次加工時の加熱処理によるリボイルが問題とならないため好ましい。また、このリボイルに対しての安定性は、1.0%以下であればより高くなるため、特に2次加工で高温の加熱処理が行われる場合は1.0%以下であることが好ましい。さらに、他のリボイルを起こす可能性のあるガス成分の共存下では、0.7%以下であることが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、Sn成分をSnO換算で5ppm(即ち、5×10−4質量%)〜2質量%を含有することが好ましい。
Snをガラス組成中で清澄剤として使用する場合、ヘリウム及び/又はネオンと共存することで著しい清澄効果を発揮する。ガラス中の含有率がSnOとして質量百分率で5ppm以上であれば、その効果が得られるので好ましい。ヘリウム、ネオンのガラス中の含有量が少ない場合に明瞭な効果を発揮させるためには、SnOとして100ppm以上の添加が好ましい。そして、高温溶融を必要とするガラスでは、より高い効果を得るためには0.03質量%以上、即ち300ppm以上含有することが好ましい。
一方、ガラス組成中にSnOとして質量百分率で2質量%以下の量を含有すると、2次加工時の加熱処理によるリボイルが問題とならないため好ましい。またこのリボイルに対しての安定性は、1.5質量%以下であればより高くなり、そして2次加工で高温の加熱処理が行われる場合は1.2質量%以下であることが好ましい。さらに、他のリボイルガス成分の共存下では、1.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、Ce成分をCeO換算で10ppm〜0.1質量%含有することが好ましい。
Ce成分は、ヘリウム、ネオンと併用することによって高い清澄効果を実現することができる。Ce成分の添加方法としては、特に限定しないが、例えばCeOやCeと硝酸塩との組み合わせを採用する等して、溶融ガラス中に添加することができる。ガラス中の含有量については、CeO換算で10ppmより添加量を多くすることが清澄を確実に行うために好適な含有量であって、より好ましくは12ppm以上とすることである。ただし、このCe成分は、酸化状態が3価であっても4価であっても可視光線の短波長域や紫外域を遮蔽する弊害があるため、多量に添加すると紫外線透過率が低下してカバーガラスの封止剤として利用される紫外線硬化樹脂の硬化の妨げになったり、あるいはカバーガラスが着色したりするという問題があるので、その使用に際しては充分な注意が必要である。このため、可視域及び紫外線域の透過率に大きな影響を及ぼさないためのCe成分の添加は、CeO換算で0.1質量%以下にすることが好ましく、より好ましくは0.08質量%(800ppm)以下とすることであり、一層好ましくは0.06質量%(600ppm)以下とすることである。
このCe成分の溶融ガラス中における具体的な働きについては、詳細不明な部分もあるものの、発明者は次のように考えている。すなわち、溶融ガラス中のCeO(4価のCe)は、酸化剤として働き、酸素を放出してCe(3価のCe)となる。この時に放出される酸素ガスによる泡の膨張に加えて、ヘリウムやネオンの拡散による泡径の膨張も加わることによって、1400℃以上の温度域でとりわけ効果的な清澄を行うことが可能となる。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、Cl成分をCl換算で0.001〜1.5質量%を含有することが好ましい。
Clは、ヘリウム、ネオンと共存し、溶融ガラス中からのガス成分の放出を促進する清澄効果を示す成分であるが、ガラス組成中のClの含有量が0.01質量%以上であれば、充分な清澄効果が得られるため好ましい。より高い清澄効果を実現するためには、Clの含有量を0.03質量%以上とするのが好ましい。一方、Clの含有量が1.5質量%以下であれば、ガラスの化学的耐久性に支障が生じにくく、実使用上充分な耐久性を有するガラス組成物となるため好ましい。また、より高い化学的耐久性、耐候性を重視するガラス組成物については、Clの含有量の上限を1.2質量%とするのが好ましい。さらに、化学的耐久性、耐候性を劣化させる他の成分が共存する条件下では、Clの含有量の上限を1.0質量%とするのが好ましい。
また、Cl同様のハロゲンガスであるFについては、以下の事実が判明している。Fは、ヘリウム及び/又はネオンと共存することで、溶融ガラス中からのガス成分の放出を促進する効果を有すると共に、溶融時のガラスの粘性を低下させる効果も有するため、Fをガラス組成中に所定量含有させることは、本発明の意図する効果を達成する上で有効である。
その場合、Fの好ましい含有量の範囲は0.01〜2.0質量%である。Fの含有量が0.01質量%以上であれば、充分な効果が得られるので好ましい。さらに高い効果を実現するためには、Fの含有量を0.03質量%以上とするのが好ましい。一方、Fは、冷却後のガラス中でガラス網目構造を切断するようにガラス中のカチオン成分と結合することで、Cl同様にガラスの化学的耐久性を劣化させるので、ガラス組成中に2.0質量%以下の量で含有させることが好ましい。また、化学的耐久性を重視する場合については、その含有量の上限を1.5質量%とするのが好ましい。さらに、化学的耐久性を劣化させる他成分の共存下では、その含有量の上限を1.0質量%とするのが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、HOを0.01〜0.2質量%含有することが好ましい。
Oは、ヘリウム及び/又はネオンと共存することで粘性を低下させることによって溶融ガラス中からのガス成分の放出を促進する効果を持つため有効な成分である。ガラス組成中に質量百分率で0.01質量%以上含有されていると、充分な効果が得られるので好ましい。そしてこのガス成分放出効果は、0.03質量%より多く含有することでより確かなものとなるので好ましい。
一方、HOは、冷却後ガラス中でガラス網目構造を切断するようにガラス中の他のカチオンと結合していることでガラスの化学的耐久性を劣化させることになるので、ガラス組成中に質量百分率で0.2質量%以下の量で含有させることが好ましい。さらに、他の化学的耐久性を劣化させる成分と共存する場合には0.15質量%以下であることが好ましい。特に化学的耐久性を重視するガラス製品に本発明を適用する場合には0.10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、B成分をB換算で5〜20質量%含有し、且つAl成分をAl換算で0.1〜19質量%含有することが好ましい。
ここで、B成分をB換算で5〜20質量%含有し、且つAl成分をAl換算で0.1〜19質量%含有することとは、カバーガラスにおけるB成分の含有量が、二酸化硼素換算で5〜20質量%であることに加え、アルミニウム成分が酸化アルミニウム(アルミナ)換算で0.1〜19質量%以上含有することを意味している。
B成分は、ガラス溶融時において融剤として働き、溶融ガラスの粘性を下げ、ガラスの溶融性を改善する成分として有用である。B成分がB換算で5質量%以上であれば、ガラス溶融時の融剤としての働きが十分となり、ガラスが均質となる傾向があるので好ましい。また、B換算で20質量%以下であれば、ガラスの耐候性、特に耐水性が低下しないので好ましい。そしてB成分のより好ましい含有量はB換算で6〜20質量%、さらに好ましくはB換算で7〜20質量%、一層好ましくはB換算で7〜18質量%、最も好ましくはB換算で7〜15.5質量%である。
また、前述したようにAl成分も、カバーガラスの耐候性向上に寄与するが、Al換算の含有量が19質量%以下であれば、ガラス原料の溶融時にガラスの初期溶融性が良好となるため、均質なガラス製品の製造が阻害されることがないため好ましい。即ち、固体撮像素子用カバーガラスとしての実使用上、光学特性や機械的な性能に支障が生じない。また、Al成分のAl換算でのより好ましい含有量は、0.1〜17質量%、あるいは0.1〜16質量%、さらに好ましい含有量は1.5〜16質量%である。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、質量%表示でSiO 50〜70%、Al 0.1〜17%、B 7〜20%、BaO+SrO+MgO+CaO+ZnO 0.1〜26%の組成を有することが好ましい。
ここで、質量%表示でSiO 50〜70%、Al 0.1〜17%、B 7〜20%、BaO+SrO+MgO+CaO+ZnO 0.1〜26%組成を有することとは、カバーガラスのガラス組成をそれぞれの含有成分の酸化物換算表示で表して、SiOが50から70質量%の範囲、Alが0.1から17質量%の範囲、Bが7から20質量%の範囲、アルカリ土類金属(Ba、Sr、Mg、Ca、Zn)である各成分の酸化物合量として0.1から26質量%であることを意味している。
尚、BaO+SrO+MgO+CaO+ZnO 0.1〜26%とは、BaO、SrO、MgO、CaO、ZnOの少なくとも1つの成分を含有する旨を意味する。更に、含有量は該少なくとも1つの成分で0.1〜26%の範囲内であれば良い。
Al成分、B成分については、上述したようにそれぞれ最適の成分範囲を限定すると、質量%表示でAl 0.1〜17%、B 7〜20%となる。またアルカリ土類金属(Ba、Sr、Mg、Ca、Zn)である各成分は、ガラスの耐候性を向上させると共に、ガラスの粘性を低下させることでガラスの溶融性を改善し、均質化するのに大きく寄与する効果を有する成分である。
アルカリ土類金属の酸化物換算の含有量が、合量で0.1質量%以上であれば、上記の効果が十分に得られルため好ましい。また、上記のアルカリ土類金属の含有量が総量で26質量%以下であれば、ガラスの失透傾向が高くならずに、ガラスの透過率が良好で、ガラス製品の均質性が低下せずに強度が良好になるため好ましい。またアルカリ土類金属の含有量が多くなるほど、ガラスの密度も高くなるため、カバーガラスの軽量化を図る上では少ない方がよい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、質量%表示でSiO 55〜69%、Al 1.5〜16%、B 7〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜12%、SrO 0〜10%、CaO+BaO+SrO+ZnO 0.3〜13%の組成を有することが好ましい。
ここで、質量%表示でSiO 55〜69%、Al 1.5〜16%、B 7〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜12%、SrO 0〜10%、CaO+BaO+SrO+ZnO 0.3〜13%の組成を有することとは、カバーガラスのガラス組成をそれぞれの含有成分の酸化物換算表示で表して、SiOが55から69質量%の範囲、Alが1.5から16質量%の範囲、Bが7から20質量%の範囲、MgOが0から5質量%の範囲、CaOが0から10質量%の範囲、BaOが0から12質量%の範囲、SrOが0から10質量%の範囲、CaOとBaOとSrOとZnOの合量が0.3から13質量%の範囲であることを意味している。
尚、本願発明において、構成成分を0〜X質量%含有するとは、該構成成分が全く存在しないか、もしくは0より大きくX質量%以下である旨を意味する。
B成分については前述したようにそれぞれ最適の成分範囲を限定すると、B換算で7〜20質量%であるが、さらにSi成分、Al成分についても、耐水性、耐酸性そしてJIS−R3502に規定のアルカリ溶出量の値について、より高い性能を求め、しかも原料のさらに高い溶解性を実現して安価に生産できる材質とする必要があるならば、その範囲は、SiO 55〜69質量%、Al 1.5〜16質量%である。
そして、前述のアルカリ土類金属の含有量として、耐候性に加えて、さらに密度や比ヤング率についても所望の性能、すなわち密度が低く、ヤング率が実使用上充分高い値とすることができるガラス組成範囲に限定するならば、質量%でMgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜12%、SrO 0〜10%、CaO+BaO+SrO+ZnO 0.3〜13%とする方が好ましい。
Mg成分については、カバーガラスの耐候性を上げつつ、高温粘度を下げてガラスの溶融を容易にする成分であり、その含有量は質量%で0〜5%、好ましくは0〜4%である。MgOが5%以下であれば、溶融時のガラスの失透性が悪化しないため好ましい。
Ca成分については、カバーガラスの耐候性、特にアルカリ溶出量を安定させるために重要な成分であるが、Ca成分の含有量が10質量%以下では、ガラス溶融の初期段階で均質な溶解状態となり、そのため微細な溶解残留異物等の成形物への混入による不良品発生の原因とならないため好ましい。
Ba成分については、カバーガラスの耐侯性に加えて、ガラス溶融時の均質性向上に効果のある成分であって、この成分が添加されていると、溶解時にガラス化反応が早く進行し、未溶解物等による溶解成形時における支障を防ぐ効果も併せ持つ。Ba成分の含有量がBaO換算で12質量%以下であれば、耐侯性や均質性といった点について大きな効果が得られるので好ましい。
Sr成分については、他のアルカリ土類金属成分と同様にカバ−ガラスの耐侯性を改善する効果を有するが、それに加えて耐酸性についても改善する傾向が認められる。Sr成分の含有量がSrO換算で10質量%以下であれば、大きな改善効果が認められ、更に一方溶融時の失透性が劣化しないので好ましい。
さらに、CaO+BaO+SrO+ZnOの合量については、この0.3〜13質量%の範囲内の組成を採用すること、すなわち0.3質量%以上とすることでガラス原料の溶解を速やかに行え、しかも13質量%を越えない範囲とすることでガラス原料溶解時の混合原料の飛散を少なく抑制することが可能となる。そのため、CaO+BaO+SrO+ZnOの合量を0.3〜13質量%に規定することは、ガラス溶融設備の耐久性を上げることに加えてガラス溶融設備周辺の衛生環境上からも好ましいものである。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、無アルカリガラスからなることが好ましい。
ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ元素であるLi、Na、Kを本質的に含有しないガラスであることを意味している。即ち、不純物としてガラス中に混入してくるppmオーダーのこれらアルカリ元素の含有物は、実質的に含有しないものに該当する。無アルカリガラスからなることは、本発明のカバーガラスの使用時における高い耐候性を実現するため、なるべくならばアルカリ元素の混入は行わない方がよいためである。また、カバーガラスを樹脂によって封止する場合についても、ガラス表面からのアルカリ元素が樹脂の経時的な劣化の原因となる場合もあるため、好ましいことではない。
また本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、アルカリ金属元素を酸化物換算の合量で0.1〜17質量%含有することが好ましい。
ここで、アルカリ金属元素を酸化物換算の合量で0.1〜17質量%含有することとは、カバーガラスの組成としてLi、Na、Kをこれらの酸化物であるLiO、NaO、KOの合量で0.1〜17質量%含有することを意味している。これは、無アルカリガラスについて前述したように、なるべくアルカリ含有量が少ない方がよいとしても、そのためにガラス原料及びガラス溶融条件他の製造条件は必要以上に困難なものなり、さらにそれを克服しようとすれば高価な設備が必要なものとなる。このようなことを避ける場合に好適な選択として、特に本発明のカバーガラスの需要に見合った生産を行う際には、好ましいものである。そして、これらの成分、すなわちLiO、NaO、KOは融剤として、作用し溶融ガラスの失透性を改善する。また冷却後のガラスについてその熱膨張係数を調整する役割を有する。よって、製造設備等の許容範囲が広げる上で、0.1〜15質量%が好ましく、0.1〜12質量%がさらに好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、α線放出量が0.5c/cm・hr以下であることが好ましい。
本発明のカバーガラスとしては、上記の特徴を有しつつ、高純度原料とその整備された溶融環境を採用することによって、U(ウラン)、Th(トリウム)、Ra(ラジウム)、Fe、PbO、TiO、MnO、ZrO等の含有量を精密に制御されており、特に紫外線近傍の透過率に影響を及ぼすFe、PbO、TiO、MnOについては、各々1〜100ppmのオーダーで管理されていることが好ましい。これによってα線によるCCDのソフトエラーの原因となるU、Th、Raについては、それぞれ0.1ppb〜10ppbのオーダーで管理することが可能となっている。そしてこのような管理能力によって実現するα線の許容される上限は、0.5c/cm・hrということになる。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、JIS−R3502に規定のアルカリ溶出量が0.3mg未満であり、且つJOGIS06に規定の耐酸性が0.2%未満、耐水性が0.2%未満であることが好ましい。
ここで、JIS−R3502の規格のアルカリ溶出量が、0.3mg未満であり、且つJOGIS06の規格の耐酸性が0.2%未満、耐水性が0.2%未満であることとは、いずれもカバーガラスの耐候性の品位を表している。JIS−R3502の規格のアルカリ溶出量は、日本工業規格(JIS−R3502−1995)に基づく試験方法を適用することにより、本発明のパッケージ用カバーガラスからのアルカリ溶出量を測定した時、その測定値が0.3mg未満となることを意味している。より安定した耐候性を実現するための品位としては、上記アルカリ溶出量が0.2mg以下であることが好ましい。
また、JOGIS06の規格の耐酸性、耐水性は、日本光学硝子工業会規格(JOGIS06−1999)によって、次のように規定されている。耐酸性は、粒度425〜600μmに粉砕された粉末状ガラスを比重グラムだけ秤量して白金製カゴに入れ、石英ガラス製冷却器付丸底フラスコ内の0.01N硝酸80ml中に60分間浸して沸騰水中で60分間加熱し、120℃にて乾燥後に秤量し、その減量率が0.2%未満であることを表している。耐水性は、同様の装置にて純水(pH6.5〜7.5)80ml中に浸して沸騰水中で60分間加熱し、120℃にて乾燥後に秤量し、その減量率が0.2%未満であることを表している。より安定した耐候性を実現するための品位としては、耐酸性が0.1%未満、耐水性が0.1%未満であることが好ましい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、固体撮像素子がCMOSであることが好ましい。
ここで、CMOSは前述したように低消費電力で利用でき、CCD以上に小型でコンパクトな外観を呈する素子である。よって、本発明のカバーガラスはこのような小型の素子に利用するのに好適な特性を有している。
また、本発明のカバーガラスが適用される固体撮像素子としては、受光方式、転送方式の違いから区分されるインターライントランスファー型(IT−CCD)、フレームインターライントランスファー型(FIT−CCD)、フルフレームトランスファー型(FF−CCD)、フレームトランスファー型(FT−CCD)、光導電膜積層型(PSD)等の種類の区別無く採用することができ、前述したようにCMOSやその他の固体撮像素子に分類される分野で使用される素子の収納パッケージにも本発明カバーガラスを利用できるものである。特に、本発明のカバーガラスは、インターライントランスファー型(IT−CCD)や、それに含まれるプログレッシブスキャン型CCDの様にデジタルカメラや携帯電話等で使用される素子収納パッケージのカバーガラスとしても好適なものである。
例えば、上記の構成を有する本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、縦2mm〜50mm、横2mm〜50mm、板厚0.05mm〜1mmの諸寸法を有し、その透光面は鏡面状態を呈している。そして、ガラス内部に異物等は認められず、板厚方向の透過光による色調は無色を呈している。
また、本発明に係るカバーガラスは、所定濃度の遷移金属元素を所定量添加したり、貴金属元素等をコロイド状態で析出させる等することによって、フィルター用途の薄板ガラスとして利用することも可能であり、またそれ以外にも光機能性部品で利用される電子機器用として利用することも可能なものである。さらに、平板ガラスの表面にCVD等の各種の手法によって蒸着膜等を施すことで、適宜必要となる光学的な特性を付与することも可能である。
本発明に係る固体撮像素子用カバーガラスの製造方法は、ガラス原料を混合して耐熱性容器内に投入する工程と、該耐熱性容器内でガラス原料混合物を加熱して溶融ガラスにする工程と、該溶融ガラスにヘリウム及び/又はネオンを所定量導入する工程とを有することを特徴とする。
ここで、ガラス原料を混合して耐熱性容器内に投入する工程とは、複数のガラス原料を所定量秤量した後に所定方法、例えばロッキングミキサー、万能混合機、ボールミル等の混合機によって均質に混合し、この操作によって得られたガラス原料混合物を白金、SiO製等の耐熱性容器内にスクリューチャージャー、ベルトコンベヤ、振動フィーダー等の原料投入機を使用することによって所定速度で投入を行うことである。
そして、耐熱性容器内でガラス原料混合物を溶融して溶融ガラスにする工程は、前述の耐熱性容器内でガラス原料混合物を各種の熱源によって加熱して反応させ、融液状態とすることを意味している。原料混合物を溶融するための加熱エネルギーの付与は、固体、液体、気体燃料の燃焼を利用してもよいし、電気、赤外線等の電磁放射線、他の高温媒体からの輻射、伝導熱を利用してもよい。
さらに、溶融ガラスにヘリウム及び/又はネオンを所定量導入する工程とは、ガラス周囲の雰囲気をヘリウムやネオンの雰囲気とすることで溶融ガラス中にヘリウムやネオンを拡散させることも可能であるが、それ以外にも耐火性ノズルによって溶融ガラス中にヘリウムやネオンをバブリングすることもできるし、また容器にヘリウムやネオンが拡散できる程度の多孔性気孔を有する耐火性材料を採用することで、微細なヘリウムやネオンの気泡を容器底から多数発生させて効率的な拡散を実現することも可能である。さらに、容器中に浸漬した耐火物製ノズル先端を前記の多孔性耐火物にすることで、安価に効率的なヘリウムやネオンの拡散状況を作り出すこともできる。いずれにせよ、このような工程によって所望量のヘリウム、ネオンがガラス中に含有されるようになるものであれば利用できるものである。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法としては、ヘリウム及び/又はネオンをガラス中に0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有するようにするように調整することが好ましい。
ここで、ヘリウム及び/又はネオンをガラス中に0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有するようにするように調整するとは、ヘリウム、ネオンの何れか1以上について、溶融ガラスと接触させることによってガラスにヘリウム及び/又はネオンを0.0001〜2μl/g(0℃、1気圧)含有させることを意味している。ここで、溶融ガラスと接触させるには、種々の方法を必要に応じて採用可能であって、その後泡のない均質な溶融ガラスを得、これを成形、冷却して、ガラス中にヘリウム及び/又はネオンが0.0001〜2μl/g(0℃、1気圧)含有するガラス製品を得る製造方法であることを意味している。
溶融ガラスと接触させる方法としては、溶融ガラス液面の上部空間にヘリウム、ネオンを導入する方法、溶融ガラス中に配設した耐熱性ガス導入管等よりバブリングを行う方法、ガス導入槽や溶融ガラスドレイン構造の採用等の炉内構造内における溶融ガラスとガス界面部を増加させるような構造を利用する方法等がある。
そして、このような各種の方法によって均質状態となった高温状態のガラスは、最終的に所望の形状に成形することになる。固体撮像素子用カバーガラスの用途に使用する場合、インゴットに鋳込み成形して後、所定の寸法に切断し精密研磨する方法以外にも、フュージョン法、ダウンドロー法、フロート法、ロールアウト法等の薄板ガラスの製造方法を採用することができ、その後レーザー切断やメカニカルスクライブ、バンドソー切断、サンドブラスト切断、ケミカルエッチング処理等の方法を用いて薄板状の小片ガラスまで成形加工してもよい。
また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法としては、下方に延伸成形する成形手段を採用した装置を使用して板ガラスを製造することが好ましい。
ここで、下方に延伸成形する成形手段を採用した装置を使用して板ガラスを製造するとは、前記の成形方法の内、特に本発明の固体撮像素子用カバーガラスの成形方法として、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法といった成形方法が好適であることを意味している。これらの成形方法を採用することによって、表面精度の良好な薄板ガラスを製造することが可能となる。
(1)以上のように、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、無機酸化物ガラス製の固体撮像素子用カバーガラスにおいて、ヘリウム及びネオンの中から選択される少なくとも一種の成分を0.0001〜2μl(マイクロリットル)/g(0℃、1atm)含有するため、成形された板ガラス中の0.1mm以下の微細な直径を有する泡の数を抑止することができ、均質なカバーガラスとすることができるものであって、厳しい外観品位に対する要求を満足するものである。
(2)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、清澄剤成分を0.001〜3質量%含有するものであるため、必要となる清澄剤成分を適宜添加することによって、製造装置の大小や溶融能力等の要因に左右されることなく最適な均質度を有するガラスとなるものであって、市場の要望に見合った製造形態を選択することによって、過不足なく固体撮像素子用カバーガラスを供給することを可能とするものである。
(3)さらに、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、清澄剤成分としてSO、Cl、HO、Sn、Sb、Ce及びFの中から選択される一種以上の成分を含有するものであるため、砒素を使用せずに均質なガラスとすることで、環境面に特別な配慮を必要としないガラス製品であって、一般の消費者が利用する家電製品等に利用する際にも特段の注意を払う必要なく採用することのできる環境管理的な観点について十分配慮されたガラス製品である。
(4)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、Sb成分をSb換算で0.01〜3質量%を含有するもの、Sn成分をSnO換算で5ppm〜2質量%を含有するもの、Ce成分をCeO換算で10ppm〜0.1質量%含有するもの、Cl成分をCl換算で0.001〜2質量%を含有するもの、あるいはHOを0.01〜0.2質量%含有するものであるため、ガラス組成や溶融装置等に依存して最適な清澄剤を適宜選択することで、ガラス中の泡を減らすことによって、製品歩留まりを向上させて製造原価を低減することを可能とするものであって、携帯電話等の情報電子機器に利用される光機能半導体の性能を向上させ、より高機能な電子機器に求められる半導体製品に関連する技術を後押しする安価かつ高機能なカバーガラスを潤沢に市場に供給することができるものである。
(5)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、B成分をB換算で5〜20質量%含有し、且つAl成分をAl換算で0.1〜19質量%含有するものであるため、ガラス初期溶融時に発生しがちな原料の偏析などによる異物の発生を低く抑え、泡の低減と併せてガラスの均質化に大きく寄与することを可能とするものであって、固体撮像素子用カバーガラスに必須となる高い可視光線の直線透過性能を実現するものであって、画素の向上にも充分に対応することのできる高い品質を実現できるものである。
(6)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、質量%表示でSiO 50〜70%、Al 0.1〜17%、B 7〜20%、BaO+SrO+MgO+CaO+ZnO 0.1〜26%の組成を有する、あるいはさらに質量%表示でSiO 55〜69%、Al 1.5〜16%、B 7〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜12%、SrO 0〜10%、CaO+BaO+SrO+ZnO 0.3〜13%の組成を有するものであるため、上記に加えて固体撮像素子用カバーガラスに必要となる所望の光学的性質や機械的性質を有し、携帯情報端末等の屋外で利用される電子機器に使用する場合にも適するものであって、携帯情報端末や携帯電話等の次世代を担う電子機器の薄型化に対応したパッケージ厚みの薄型化にも対応することが可能となるものである。
(7)さらに、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、無アルカリガラスからなり、実質的にアルカリ成分を含まないので、カバーガラスを封着する際に使用する各種の接着剤の性能を経時的に劣化させることがなく、長期に亘って高い機密性を実現することが可能となるものであって、従来以上の過酷な環境下で利用される固体撮像素子収納パッケージに適用することができ、固体撮像素子収納パッケージの利用範囲を拡張するものである。
(8)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、アルカリ金属元素を酸化物換算の合量で0.1〜17質量%含有するものであるため、高温溶融が困難な製造設備を使用する場合であっても、実用に耐える高い機能を有する固体撮像素子収納パッケージ用カバーガラスを安価に製造できるものであって、高級な素子から普及タイプの素子にまで幅広く対応することが可能なものである。
(9)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、α線放出量が0.5c/cm・hr以下であるので、パッケージに収納される固体撮像素子がα線についての耐性に乏しい性能のものであっても素子の誤動作等の問題を生じることなくカバーガラスとして利用することができるもので、固体撮像素子としての他の高い性能と引き替えにα線に対する耐性が犠牲になるような場合にも適用することのできる機能を有するものである。
(10)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、JIS−R3502に規定のアルカリ溶出量が0.3mg未満であり、且つJOGIS06に規定の耐酸性が0.2%未満、耐水性が0.2%未満であるため、高い均質性に加えて耐水性、耐酸性についても高い性能を有するため、携帯電子機器が誤って酸性の降雨等に曝される場合であってもカバーガラスの表面性状については根本的な支障の発生することのない品位を確保することができ、長期間に亘って使用される電子機器に搭載される固体撮像素子の性能を損なうことなく発揮させ続けることを可能とする信頼性の高いカバーガラスである。
(11)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、固体撮像素子がCMOSであって、収納する高機能な素子の性能を維持し続けることができるような化学的耐久性やガラスそのものの均質性によって、長期間に亘って使用してもガラスに起因する画像の劣化を生じることのないカバーガラスを実現するものであって、安定した品質を要求される高画素、高解像度のデジタルデータを利用する用途において特に重用されるものである。
(12)本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法は、ガラス原料を混合して耐熱性容器内に投入する工程と、該耐熱性容器内でガラス原料混合物を溶融して溶融ガラスにする工程と、該溶融ガラスにヘリウム及び/又はネオンを所定量導入する工程とを有するものであるため、溶融するガラスに過剰なエネルギーを投与することなく、均質な溶融ガラスを得ることができるものであって、省エネルギーな製造設備を実現することによって余剰費用を他の経費へと割り当てることを可能とする手段となるものである。
(13)本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法は、ヘリウム及び/又はネオンをガラス中に0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有するようにするように調整するものであるため、溶融ガラスから微細な泡を除去するに最適なヘリウムまたはネオンの含有量を実現し、効率的な生産を行うことができるものであって、本用途の板ガラスばかりではなく、光半導体用途等で利用されるレーザーダイオードのカバーガラス等の高均質な薄板ガラスを製造する方法としても採用することが可能なものである。
(14)また、本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法は、上記に加えて下方に延伸成形する成形手段を採用した装置を使用して板ガラスを製造するものであるため、板ガラス表面のうねりや表面粗さといった固体撮像素子のカバーガラスに必要となる表面精度を高い水準で実現することができ、研磨工程等の後工程を省略することによって製造原価を低減させるものである。
以下に本発明の固体撮像素子用カバーガラスとその製造方法について、実施例に基づいて説明する。
表1の試料No.1〜No.12は、本発明のガラス組成物を表したものである。予め、所定の組成となるように調整した、ガラス500g相当となる原料のバッチを白金製ルツボ中に入れ、そのルツボを予め1500℃、4時間、気密構造とした雰囲気炉中に設置した。そして、ガラスを入れたルツボを炉内に設置した後、4時間後に炉内にヘリウム(He)あるいはネオン(Ne)を95%以上の雰囲気ガスとして導入してさらに所定温度で30分間保持した。その後、ガラスを取り出しガラス状カーボン型で作成した型に流し出して成型した。冷却後、ガラス中の残存泡の泡数(直径0.1mm以下)をガラスと同じ屈折率を持つ浸液中に保持しながら20倍から100倍の倍率の実体顕微鏡によって計測した。
Figure 2005200289
また、He、Neのガラス中の含有量については、四重極型質量分析計あるいは四重極型質量分析計より感度のよい磁場偏向型質量分析計で行った。被測定ガラス試料を白金あるいはMo皿に保持した状態とし、これを試料室内へ入れて1600℃、20分間保持して10−9Torrの真空状態とした後に、加熱し放出されたガスを、先に質量分析計で測定した。
表中で、NDと表示したものは、ここで採用した方法では検出しなかったか、あるいはできなかったことを表している。またTRと表示したものは、検出はできたものの痕跡(Trace)程度の微量な検出が認められ、測定誤差範囲内、あるいは検出限界以下であったものを意味している。調査の結果、No.1からNo.12のいずれのガラスについてもヘリウムまたはネオンの含有を確認した。ヘリウムについては少ないもので0.0780μl/g(0℃、1atm)、多いもので0.3212μl/g(0℃、1atm)、一方、ネオンについては少ないもので0.1100μl/g(0℃、1atm)、多いもので0.8511μl/g(0℃、1atm)含有していた。泡数については、全く認められないNDのものから多くてもガラス100g当たり1.20個と少なくガラス組成物として製品化できる品位にあることが判明した。また、アルカリ溶出量は0.16mgから検出できないNDまでの測定結果であり、耐水性は0.12%からNDまでの結果であり、さらに耐酸性は0.08%から0.02%までの測定結果となった。また、得られたガラスについては原料等を厳選し、原料調合、溶融、加工等の全ての工程について充分な注意を払ったものであるため、U、Th、Raが充分少ないことを反映して、そのα線放出量はガスフロー比例計数管による測定で、0.002〜0.26c/cm・hrという値が得られるものであった。
以上の一連の測定と分析結果からNo.1からNo.12までの試料は、いずれも本発明の固体撮像素子用カバーガラスとし申し分ないものであることが確認できた。
(比較例1)
表2の試料No.13〜No.24は、表1と同様のガラス組成物の溶融雰囲気を大気中とし、それ以外は同じ条件下で溶融し、その後残存泡数、He、Ne含有量についても確認を実施した。
その結果、No.13からNo24の試料については、いずれの試料もHe、Neの含有が微量に検出されるが、これは大気中に存在する微量のHe等がガラス中にごくわずかに溶存するのを検知することによる結果であって意図的に添加したHeによって認められたものではなかった。そして、ガラス中の泡数については、少ないものでもガラス100g中に53個であり、多いものについてはガラス100g中312個であって、実使用に耐えない泡品位となるものであることが判明した。
Figure 2005200289
次いで、実施例1同様の手順でSn、Sbといった清澄剤以外の清澄剤としてCl、F、SOあるいはHOを溶融時に添加する場合についてもHe、Neの含有量とガラス中の泡数について調査を行った。ここで、HOの意図的な添加については、水酸化物等を原料として使用する方法と水蒸気バブリングを採用する方法を併用することによって所望の含有とすることができた。そしてCl、F、SOはアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素の塩として原料中に添加した。また、アルカリ溶出量や耐酸性、耐水性については、実施例1同様の方法で測定を行った。以上により得られた結果を表3にまとめた。
Figure 2005200289
表3から、清澄剤としてCl、F、HO、SOを採用した場合についても、実施例1同様の高い清澄効果を確認することができた。そして調査した試料No.25からNo.36については、いずれも本発明の固体撮像素子用カバーガラスとして良好なアルカリ溶出量、耐酸性、耐水性であることを確認することができた。
さらに、実施例1、実施例2と同様の手順で、清澄剤としてCeを採用した場合について、その清澄効果の確認及び他の清澄剤との併用についての確認を併せて行った。Ceの添加方法としては、原料中にCeOとして添加することによって溶融ガラス中にCe成分を導入した。また、アルカリ溶出量や耐酸性、耐水性については、実施例1や実施例2と同様の方法で測定を行った。以上の結果を表4にまとめた。
Figure 2005200289
表4から、清澄剤としてCeOを単独あるいは他の清澄剤と組み合わせた場合についても、実施例1や実施例2同様の高い清澄効果を確認することができた。そして調査した試料No.37からNo.48については、いずれも本発明の固体撮像素子用カバーガラスとして良好なアルカリ溶出量、耐酸性、耐水性を確認することができた。
次に本発明の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法を、実際の生産用に使用される10リットルの容積を有する石英製の坩堝を備えた溶融設備を使用して実施した。ここで採用したガラス組成については、実施例1にあるNo10及びNo.11と同じ組成を採用したものである。
まず、各々のガラス組成となるようにガラス原料の秤量を行い、その後それぞれの原料はロッキングミキサーを使用して4時間混合を行った。得られたガラス原料のバッチを自動投入機にセットして耐熱性容器である石英製坩堝に投入した。この石英製坩堝内でバッチを電気間接加熱によって加熱することで相互に化学反応させ、その結果溶融状態とした。1500℃になった時点で石英坩堝に配設した耐熱性ガス導入管よりヘリウムガスを導入して溶融ガラス中でバブリングを行った。このバブリングを2時間行ってその後1時間清澄を行った後、石英坩堝の底に設けた溶融ガラス流出管より溶融ガラスを略直方体形状のガラスブロックとなるように鋳込み成形した。
こうして得られた1リットルの容積を有するガラスブロック中の泡数をワイヤーソーで薄板状に加工し、ガラスと同程度の屈折率を有する浸液中に浸漬した状態で約50倍の実体顕微鏡を使用して泡数の計測を行った。またHeの含有量についても前述同様の方法により測定を行った。
その結果、試料No.10については泡数が0.01個/100gであって、ガラス中のヘリウム含有量が0.062μl/g(0℃、1atm)であり、他方試料No.11については、ガラス中の泡数が0.02個/100gであって、ガラス中のヘリウム含有量が0.0038μl/g(0℃、1atm)となって、高い清澄性を実現することのできる製造方法であることが確認できた。
次いで、より本格的な製造設備として、前記の実施例4の製造設備に薄板ガラスの研磨を行わずに直接鏡面状態の薄板ガラスの成形を行うことのできる成形設備を配設した構造の設備を構築することによって、表5に示したガラス組成を有する薄板ガラスの試作生産を実施した。この設備では、板ガラスの成形方法として下方延伸成形を採用するものであって、高速に大量の板ガラスを表面寸法精度の高い状態で製造することができるものである。また、清澄剤としては、実施例4同様にCeOを単独あるいは他の清澄剤と組み合わせたものを採用した。
Figure 2005200289
その結果、この成形法を適用する場合、試料No.49からNo.52について、ヘリウム、ネオンを適量含有し、泡数が全く認められないか、あるいは多くともガラス100g当たり0.88個程度と少ない品位となり、本発明の固体撮像素子用カバーガラスとして申し分のないものであることを確認することができた。
なお、アルカリ溶出量は、前述のように日本工業規格(JIS−R3502−1995)に従って測定を行った。具体的には、ガラス塊の一部よりガラスを採取して良く洗浄を行って乾燥した後に、メノウ或いは鋼製乳鉢を使用して注意しながら粉砕操作を行い、標準フルイ420μmを通過して、標準フルイ250μm上にとどまる粒度の粉末状ガラスを採取する。この粉末状ガラス5gをエチルアルコールで良く洗浄を行って微粉を除去した後に、約125℃のエアバス中で30分間乾燥する。そしてこの粉末状ガラスをデシケーター内で冷却した後、得られた粉末状ガラスから、試料ガラスの比重と同グラム数を正確に秤量する。一方、丸底フラスコ内に予め40ccの蒸留水を入れた状態で、10分間沸騰水浴中に保持した後、フラスコ内に前記の秤量した試料を投入し、さらに10ccの蒸留水で容器の内面に付着した試料の一部を洗い落とす。この状態でゆっくりと揺動操作を行いながら、試料の上部が一様な平面となるように安定させる。次に冷却器をフラスコ上部に取り付け、沸騰水浴中で60分間加熱する。そして、フラスコを水浴より取り出して、直ちに流水で冷却して内容液を硬質ガラス製のビーカーに移し、メチルレッド指示薬3滴を滴下してN/100硫酸で滴定を行う。一方同様の試験手順で空試験を行い、結果を比較する。こうして得られた結果について、空試験の結果を差し引いて算出し、最終的にアルカリ溶出量としての結果を得るものである。
また、耐水性、耐酸性については、上述したように光学硝子工業会規格(JOGIS06)の規定に従い、それぞれの条件下での重量減少率を測定したものである。
本発明の固体撮像素子用カバーガラスは、レーザーダイオード等の光半導体を収納するパッケージの窓板ガラスとしても利用することができ、その場合にも高い性能を実現することができるものである。また、光学ガラス等によって作製される光学フィルター用途の薄板ガラスとしても、本発明の固体撮像素子用カバーガラスと同じガラス組成のガラスに、各種の着色剤を所定量添加することによって、高い機能を付与することが可能となり、所望の性能を実現することができるものである。

Claims (19)

  1. 無機酸化物ガラス製の固体撮像素子用カバーガラスにおいて、
    ヘリウム及び/又はネオンを0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有することを特徴とする固体撮像素子用カバーガラス。
  2. 清澄剤成分を0.001〜3質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  3. 清澄剤成分としてSO、Cl、HO、Sn、Sb、Ce及びFの中から選択される一種以上の成分を含有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  4. Sb成分をSb換算で0.01〜3質量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  5. Sn成分をSnO換算で5ppm〜2質量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  6. Ce成分をCeO換算で10ppm〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  7. Cl成分をCl換算で0.001〜1.5質量%を含有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  8. Oを0.01〜0.2質量%含有することを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  9. B成分をB換算で5〜20質量%含有し、且つAl成分をAl換算で0.1〜19質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  10. 質量%表示でSiO 50〜70%、Al 0.1〜17%、B 7〜20%、BaO+SrO+MgO+CaO+ZnO 0.1〜26%の組成を有することを特徴とする請求項9に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  11. 質量%表示でSiO 55〜69%、Al 1.5〜16%、B 7〜20%、MgO 0〜5%、CaO 0〜10%、BaO 0〜12%、SrO 0〜10%、CaO+BaO+SrO+ZnO 0.3〜13%の組成を有することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  12. 無アルカリガラスからなることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  13. アルカリ金属元素を酸化物換算の合量で0.1〜17質量%含有することを特徴とする請求項11に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  14. α線放出量が0.5c/cm・hr以下であることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  15. JIS−R3502に規定のアルカリ溶出量が0.3mg未満であり、且つJOGIS06に規定の耐酸性が0.2%未満、耐水性が0.2%未満であることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  16. 固体撮像素子がCMOSであることを特徴とする請求項11に記載の固体撮像素子用カバーガラス。
  17. ガラス原料を混合して耐熱性容器内に投入する工程と、該耐熱性容器内でガラス原料混合物を溶融して溶融ガラスにする工程と、該溶融ガラスにヘリウム及び/又はネオンを所定量導入する工程とを有することを特徴とする固体撮像素子用カバーガラスの製造方法。
  18. ヘリウム及び/又はネオンをガラス中に0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有するようにするように調整することを特徴とする請求項17に記載の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法。
  19. 下方に延伸成形する成形手段を採用した装置を使用して板ガラスを製造することを特徴とする請求項17に記載の固体撮像素子用カバーガラスの製造方法。
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