JP2005195915A - 振り子式揺動機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 課題を解決する振り子式揺動機構として3つのタイプ(「方向自在斜め振り子」、「視認板付垂直振り子」、「8の字振り子」)を提供している。そのうちの「方向自在斜め振り子」では、支軸1に回転自在に取り付けた視認板10と、視認板と斜め方向に設けた振り子アーム20・バランサアーム13と、該振り子を揺動させる駆動手段30からなる。駆動手段は振り子アームに取り付けた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルより構成されている。振り子機構で励磁コイルの電源は小さくてもよいため、太陽電池と蓄電池を組合せている。そして自動起動機能と、運転の調整の簡易なことにも特徴がある。
【選択図】 図1
Description
特許文献1〜10はいずれも、モータとリンク機構でアームを揺動させることにより、このアームやアームに取り付けられた旗などを往復揺動させるようにしたものである。ところがこの機構では、接触部分が多く摩擦等によるエネルギー損失が大きい。またアーム等の視認性を高めようと、アーム等の振幅を大きく、揺動周期を短くしたりするには、また連続・長時間振らせるには大量の電力が必要である。設置現場に大きい電源が必要になったり、電力会社の配電線から臨時・長距離の配線を要することとなる。逆に云えば、一般に小さな電力しか供給することができない、そして移動に適した蓄電池や太陽電池モジュールなどの電力供給源では、従来のような摩擦による損失が大きい腕(旗)振り機構の電源には適さなかった。
該視認板の中心線と斜め方向(角度α)に設けられた振り子アーム・バランサアームと、
該振り子アームを往復円弧運動させる駆動手段からなり、
該駆動手段が、前記振り子アームの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルとからなり、
該励磁コイルに励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部からなる
ことを特徴とする。
第2発明の方向自在斜め振り子機構は、第1発明の機構で、前記振り子アーム・バランサアームの平衡時における中心線に対して、偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする。
第3発明の方向自在斜め振り子機構は、第2発明の機構が、視認板と振り子アーム・バランサアームの中心線のなす角を、バランサアームの重錘の位置を移動することにより、
容易に調整・固定できることを特徴とする。
第4発明の方向自在斜め振り子機構は、第3発明の機構の前記電力供給部が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする。
第5発明の視認板付垂直振り子機構は、支軸に対して回転自在に取り付けられた視認板と、
該視認板の中心線上で、支軸に対して該視認板と反対方向に取り付けたバランサアームと、該視認板・バランサアームに取り付けた振り子アームと、
該振り子アームを往復円弧運動させる駆動手段からなり、
該駆動手段が、前記振り子アームの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルからなり、
該励磁コイルに励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部からなる
ことを特徴とする。
第6発明の視認板付垂直振り子機構は、第5発明の機構が、視認板・バランサアームに固定された振り子アームの平衡時における中心線(鉛直方向)に対して、偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする。
第7発明の視認板付垂直振り子機構は、第6発明の機構が、視認板の方向を自在に調整した後、該視認板に対して垂直振り子アームを垂直に容易に調整・固定できることを特徴とする。
第8発明の視認板付垂直振り子機構は、第7発明の機構の前記電力供給機構が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする。
第9発明の8の字振り子機構は、振り子アームIの先端に回転自在に振り子アームII(視認板と一体化している)を取り付け、該振り子アームIの中心線とバランサアームの中心線が斜めに設けられた振り子(斜め振り子)機構において、
前記振り子アームIが水平になるように調整され、かつ振り子IIの周期が振り子Iの周期の2倍になるように調整されており、振り子アームIIを往復運動させる駆動手段とからなり、
該駆動手段が、前記振り子アームIIの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルと、
該励磁コイルの励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、
前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部とからなることを特徴とする8の字振り子機構。
振り子アームIの先端に回転自在に取り付けられた視認板と一体化した振り子アームIIの中心線と、バランサアームの中心線が斜めに設けられた振り子(斜め振り子)において、前記振り子アームIが水平になるように調整され、かつ振り子IIの周期が振り子Iの周期の2倍になるように調整されており、振り子アームIIを往復運動させる駆動手段とからなり、
該駆動手段が、前記振り子アームIIの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルと、励磁コイルの励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部とからなることを特徴とする8の字振り子機構。
第10発明の8の字振り子機構は、第9発明の機構の振り子アームIIの平衡時における方向(鉛直方向)から偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする。
第11発明の8の字振り子機構は、第10発明の機構の電力供給部が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする。
なお、移動用発電機の使用では、設備費と現場への移動とその運転の手間だけでなく、最近は騒音問題も考慮する必要がある。一方電力会社からの電源では、現場では電力の供給が容易に得られにくい状況にある。
また視認板は、上記のモータとリンク機構を組合せた機構と同様に自在の方向で揺動する機能があるため視認性がこれらに劣ることはないだけでなく、励磁コイルの方向を自由に設定することができるため、目障りな方向に励磁コイルが飛び出ることもなく、またコンパクトな装置である。
第2発明によれば、平衡時の磁石の位置に対して偏寄した位置に励磁コイルを配置することにより、振り子が停止した場合や揺動が小さくなった場合でも自動起動・揺動回復機能がある。このことは、上記の交通整理・誘導の腕(旗)振りロボットを実際に適用する場合、装置の停止に起因する事故発生からも絶対に停止等が許されない。
また、屋外の看板などに揺動装置を設置した場合に、その揺動が風などにより停止した場合で、人が操作できない場所に装置が設置されていても、自動起動により揺動が回復できる。
第3発明によれば、視認板を自在の方向で揺動するよう調整することが簡単に実施できる。その設置場所や目的に合った方向での揺動を実施できるため、視認性の高い効果的な揺動が実施できる。
第4発明によれば、電力供給部分が小型の太陽電池モジュールと小型の蓄電池の組合せで可能となるため、移動が容易なコンパクトな装置となる。ここで、蓄電池を使うことにより夜間も連続して動作できるとともに、太陽電池を使うことにより蓄電池に別途充電をする手間が少なくなる。すなわち、天候や昼夜を問わず長時間の無停止運転が可能となる。
第5発明によれば、第1発明と同様の効果が期待できる。そして第1発明の方向自在斜め振り子に比べて、視認板の形状・重さや揺動方向によらず、より容易に揺動方向の調整が実施できる。
第6発明によれば、第2発明と同様に、自動起動・揺動回復機能があるため、実用的な装置となり得る。
第7発明によれば、後述(「発明を実施するための最良の形態」の図2の説明)のように視認板の方向の調整が非常に簡単に実施できることから、それぞれの設置場所や目的にあった方向の調整をこまめに実施できる。
第8発明によれば、第4発明と同様の効果が期待できる。
第9発明によれば、振り子運動が8の字となるため、設置場所や目的により第1発明、第4発明以上の視認性が期待できる。また、上記交通整理用の腕(旗)振りロボット以外の広い用途への活用が期待できる。
第10発明によれば、第2発明、第6発明と同様の効果が期待できる。
第11発明によれば、第4発明、第8発明と同様の効果が期待できる。
図1は本実施形態、振り子式揺動機構の1つである「方向自在斜め振り子」の原理図である。同図は示すように、方向自在斜め振り子は、支軸に対して回転自在の視認板が取り付けられ、該視認板10の中心線に斜めに角度αで、振り子アーム20・バランサアーム13が一体として取り付けられ揺動部を構成している。前記振り子アーム20を往復円弧運動させるための駆動手段30が設けられている。この駆動手段30の詳細は後述する。
視認板10は、例えば幅広の板を用い、それに反射材、蛍光塗料を塗布するなど、揺動時に視認し易い部材で構成すればよい。前記バランサアーム13はネジ14と重錘兼用ナット15(22とも兼用)からなり、ナット15のねじ込み位置を調整して、平衡時に視認板10が所望の傾斜角θで、振り子アーム20・バランサアーム13の中心線が励磁コイル近くになるように調整する。図1では平衡状態で視認板の延長方向と振り子アーム・バランサアームは角度αに調整されている。また前記振り子アーム20・バランサアーム13の中心線は励磁コイルとβの角度に調整されている。
前記振り子アーム20の先端には磁石31が取り付けられ、これに対して磁力を及ぼす励磁コイル32が配置されている。
磁石31は、永久磁石、電磁石など磁力を発生するものであればよい。
したがって、この励磁コイル32への通電タイミングを調整すれば、振り子アームの揺動にあわせて、反発力をあたえることができ、振り子アーム20を連続して往復運動させることができる。その結果、視認板10も連続して往復円弧運動させることができる。
前記励磁コイル32は、平衡状態にある振り子アーム20の磁石31に対して、少し偏寄した位置に配置されている。このため、起動時に励磁コイル32に通電して磁力を発生すると、必ず振り子アーム20を反偏寄方向に反発させて、揺動運動を開始させることができる。
視認板10は,例えば幅広の板を用い、それに反射材、蛍光塗料を塗布するなど,揺動時に視認しやすい部材に構成すればよい。前記バランサアーム13はネジ14と重錘兼用ナット15からなり、ナット15のねじ込み位置を調整して、視認板とバランサアームが平衡するように調整する。
図2の平衡状態では、視認板10が傾斜角θの状態で、振り子アーム20の鉛直状態(垂直下向き)と固定されている。また振り子アームが鉛直であるため、視認板の水平に対する角度もθである。このように振り子アームが垂直下向きの姿勢であるため、視認板・バランサアームとの調整・固定が容易であるという利点がある。
前記振り子アーム20の先端には磁石31が取り付けられ、これに対して磁力を及ぼす励磁コイル32が配置されている。
磁石31は、永久磁石、電磁石など磁力を発生するものであればよい。
したがって、この励磁コイル32への通電タイミングを調整すれば、振り子アームの揺動にあわせて、反発力をあたえることができ、振り子アーム20を連続して往復運動させることができる。その結果、視認板10も連続して往復円弧運動させることができる。
前記励磁コイル32は、平衡状態にある振り子アーム20の磁石31に対して、少し偏寄した位置に配置されている。このため、起動時に励磁コイル32に通電して磁力を発生すると、必ず振り子アーム20を反偏寄方向に反発させて、揺動運動を開始させることができる。
前記振り子アーム20の先端には磁石31が取り付けられ、これに対して磁力を及ぼす励磁コイル32が配置されている。
磁石31は、永久磁石、電磁石など磁力を発生するものであればよい。
したがって、この励磁コイル32への通電タイミングを調整すれば、振り子アームの揺動にあわせて、反発力をあたえることができ、振り子アーム20を連続して往復運動させることができる。その結果、視認板10も連続して往復円弧運動させることができる。
前記励磁コイル32は、平衡状態にある振り子アーム20の磁石31に対して、少し偏寄した位置に配置されている。このため、起動時に励磁コイル32に通電して磁力を発生すると、必ず振り子アーム20を反偏寄方向に反発させて、揺動運動を開始させることができる。
図4の(a)によりフローを説明する。
起動後、まずステップS1において、思案点センサー61の検出信号が受信したかどうかをチェックし、この検出信号を受信していなければステップ1を繰り返す。検出信号を受信すれば、ステップ2に進む。
ステップ2で不感タイマー(後述)がOFFされていれば、ステップ3に進む。ONであれば、ステップ1へもどる。
ステップ3において、励磁コイル32に所定時間(例えば100ms)通電を開始する。同時に通電タイマーをON(所定時間後OFF)し、不感タイマーもON(所定時間後OFF)する。そしてステップ4に進む。
ステップ4において、通電タイマーがタイムアップ(所定時間を経過)すれば、励磁コイルの通電を停止し、ステップ1にもどる。
つぎに、不感タイマーについて述べる。
ステップ3において、励磁コイル32に所定時間通電し、これにより励磁コイル32から磁力を出力させて振り子アーム20を一方向に動作させる。つぎに振り子アームが反対方向に帰ってくるときは、磁力を振り子20の磁石31に及ぼすと、振り子運動を止めてしまうので、不感時間帯を設けて励磁コイル32を作動させないようにする。そこで、ステップ2において、不感時間帯であれば、思案点センサー61の検出信号を受信しても、励磁コイル32に通電しない。前記不感時間帯は、通電開始から振り子アーム20がいったん振れて、つぎの復動作時に思案点センサ61を通過するまでの時間を計測して、この通過時間帯を不感時間帯として設定すればよい。
前記振り子アーム20と磁石31との間には、例えば鉄板製の検出板33が取り付けられている。この検出板33の揺動方向の長さは、磁石の揺動方向の長さよりも長く形成されたものである。振り子アーム20が思案点センサ61で検出されるときには、磁石31が検出されるよりも前に検出板33で検出される。このため、振り子アーム20の通過タイミングを事前に検出できるから、通電制御に要する時間を確保できるので好ましい。
駐車場、催物会場、店内などへの案内・誘導の人形・ロボット
農業用案山子など鳥獣追い出し用の人形・ロボット
広告宣伝用の動く人形・ロボット・ボードなど
乳幼児など用のゆりかご
などがある。
特に、電源が得られにくい場所・用途の場合や、消費電力の大きさが問題となる場合などに効果的である。また、最近の省エネルギー・自然エネルギーの利用という面からも適合したシステムである。
10 視認板
11 共通ボス
13 バランサ用アーム
14 ネジ
15 重錘兼用ナット
20 振り子アーム
21 棒材
30 駆動部
31 磁石
32 励磁コイル
33 検出板
61 思案点センサ
Claims (11)
- 支軸に対して回転自在に取り付けた視認版と、
該視認板の中心線と斜め方向(角度α)に設けられた振り子アーム・バランサアームと、
該振り子アームを往復円弧運動させる駆動手段からなり、
該駆動手段が、前記振り子アームの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルとからなり、
該励磁コイルに励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部からなる
ことを特徴とする方向自在斜め振り子機構。 - 請求項1の機構で、前記振り子アーム・バランサアームの平衡時における中心線に対して、偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする方向自在斜め振り子機構。
- 請求項2の機構が、視認板と振り子アーム・バランサアームの中心線のなす角を、バランサアームの重錘の位置を移動することにより、容易に調整・固定できることを特徴とする方向自在斜め振り子機構。
- 請求項3の機構の前記電力供給部が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする方向自在斜め振り子機構。
- 支軸に対して回転自在に取り付けられた視認板と、
該視認板の中心線上で、支軸に対して該視認板と反対方向上に取り付けたバランサアームと、該視認板・バランサアームに取り付けた振り子アームと、
該振り子アームを往復円弧運動させる駆動手段からなり、
該駆動手段が、前記振り子アームの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルとからなり、
該励磁コイルに励磁電流を流すのタイミングを制御する制御部と、前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部からなること
を特徴とする斜め振り子機構。 - 請求項5の機構が、視認板・バランサアームに固定された振り子アームの平衡時における中心線(鉛直方向)に対して、偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする視認板付垂直振り子機構。
- 請求項6の機構が、視認板の方向を自在に調整した後、該視認板に対して振り子アームを垂直に容易に調整・固定できることを特徴とする視認板付垂直振り子機構。
- 請求項7の機構の前記電力供給機構が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする視認板付垂直振り子機構。
- 振り子アームIの先端に回転自在に振り子アームII(視認板と一体化している)を取り付け、該振り子アームIの中心線とバランサアームの中心線が斜めに設けられた振り子(斜め振り子)機構において、
前記振り子アームIが水平になるように調整され、かつ振り子IIの周期が振り子Iの周期の2倍になるように調整されており、振り子アームIIを往復運動させる駆動手段とからなり、
該駆動手段が、前記振り子アームIIの先端に設けられた磁石と、該磁石に磁力を及ぼす位置に設けられた励磁コイルと、
該励磁コイルの励磁電流を流すタイミングを制御する制御部と、
前記駆動手段の励磁コイルに電力を供給する電力供給部とからなることを特徴とする8の字振り子機構。 - 請求項9の機構の振り子アームIIの平衡時における方向(鉛直方向)から偏寄した位置に励磁コイルが配置されていることを特徴とする8の字振り子機構。
- 請求項10の機構の電力供給部が、太陽電池モジュールと蓄電池を組合せたものであることを特徴とする8の字振り子機構。
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