JP2005194961A - エンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法 - Google Patents

エンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低コストで構成できる上、過大なエネルギーを消費させずに排ガスを充分に浄化することができる天然ガスエンジンのエンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法を提供する。
【解決手段】 燃料ガス供給口5から供給された燃料ガス中の気体成分を、非メタン炭化水素の含有量が少ない軽質分と非メタン炭化水素の含有量が多い重質分とに分離する気体分離ユニット7を備え、かつ、気体分離ユニット7により分離された軽質分が貯蔵される第1貯蔵タンク9と、気体分離ユニット7により分離された重質分が貯蔵される第2貯蔵タンク11と、浄化触媒6の温度を検出する触媒温度センサ6aと、天然ガスエンジン2に供給する燃料ガスを、触媒温度センサ6aの検出結果に応じて、軽質分または重質分に切り替える切替弁18とを備えたエンジンシステム1とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天然ガスを燃料ガスとするエンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法に関する。
天然ガスを燃料ガスとするエンジン(以下、単に「天然ガスエンジン」という)は、その排ガス中に硫黄酸化物を含まず、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量も少ないため、低公害エンジンとして期待されており、現在、圧縮天然ガス自動車等に使用されている。しかし、天然ガス中には排ガス規制の対象となる非メタン炭化水素(Non−Methane Hydrocarbon、以下「NMHC」と略称する)が含まれているため、天然ガスを燃料ガスとして使用する場合は、通常、天然ガスエンジンの排気側に別途設けたNMHC除去手段によって排ガス中のNMHCを除去している。
NMHC除去手段としては、通常は三元触媒等の排ガスの浄化触媒を用いるが、この種の浄化触媒は、一般的に、排ガスにより加熱され、触媒活性化温度(例えば200℃程度)まで温度が上昇した状態において、NMHCを浄化する特性を有している。よって、天然ガスエンジンが始動してから浄化触媒の温度が触媒活性化温度まで上昇する間は、浄化触媒で排ガス中のNMHCを除去するのは困難となる。
一方、浄化触媒の触媒活性化温度まで温度が上昇する間においても、排ガス中のNMHCを低減させるために、例えば、特許文献1に、NMHCを吸着する吸着材を用いた排ガス浄化装置についての発明が記載されている。この排ガス浄化装置は、天然ガスエンジンの吸気側にNMHCを吸着する吸着材と、この吸着材を加熱する吸着材加熱手段とを備え、更に、天然ガスエンジンの排気側に、浄化触媒と、この浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段とを備えている。この排ガス浄化装置は、NMHCを吸着する吸着材を備えているため、天然ガスエンジンが始動してから浄化触媒の温度が触媒活性化温度まで上昇する間は、前記吸着材が燃料ガス(天然ガス)中のNMHCを吸着する。これにより、天然ガスエンジンにはNMHCが除去された燃料ガスが供給され、天然ガスエンジンから排出される排ガス中のNMHCの濃度は低くなる。
そして、浄化触媒が排ガスにより加熱され、前記触媒温度検出手段の検出温度が浄化触媒の触媒活性化温度に達した後で、前記吸着材を再生するために、前記吸着材加熱手段により前記吸着材をNMHCの脱離温度まで加熱する。これにより、吸着したNMHCが前記吸着材から脱離し、前記吸着材が再生される。この際、脱離したNMHCを含む燃料ガスが天然ガスエンジンに供給され、天然ガスエンジンからNMHCを含む排ガスが排出されても、活性状態の浄化触媒によりNMHCが浄化されるため、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度は低くなる。
特開2002−47924号公報(段落0013〜0022、図1および図2)
しかし、特許文献1に記載された排ガス浄化装置は、NMHCを吸着する吸着材と、この吸着材を加熱する吸着材加熱手段とを設ける必要があるため、コストの上昇を招く。また、吸着材加熱手段により加熱する際に、エネルギーが必要とされるため、燃費が悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、低コストで構成できる上、過大なエネルギーを消費させずに排ガスを充分に浄化することができる天然ガスエンジンのエンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載された発明は、天然ガスエンジンと、この天然ガスエンジンに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給口と、前記天然ガスエンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化触媒とを備えたエンジンシステムであって、前記燃料ガス供給口と前記天然ガスエンジンとの間に、前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分を、NMHCの含有量が少ない軽質分とNMHCの含有量が多い重質分とに分離する分離手段を備え、かつ、前記分離手段により分離された前記軽質分が貯蔵される第1貯蔵タンクと、前記分離手段により分離された前記重質分が貯蔵される第2貯蔵タンクと、前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記天然ガスエンジンに供給する燃料ガスを、前記触媒温度検出手段の検出結果に応じて、前記第1貯蔵タンクに貯蔵された前記軽質分または前記第2貯蔵タンクに貯蔵された前記重質分に切り替える切替手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載されたエンジンシステムによれば、例えば、天然ガスエンジンが始動してから浄化触媒の温度が触媒活性化温度まで上昇する間は、天然ガスエンジンに供給する燃料ガスに、第1貯蔵タンクに貯蔵された軽質分、即ちNMHCが除去された燃料ガスを使用することができる。そして、例えば、浄化触媒が排ガスにより加熱され、触媒温度検出手段の検出温度が浄化触媒の触媒活性化温度に達すると、切替手段により、天然ガスエンジンに供給する燃料ガスを第2貯蔵タンクに貯蔵された重質分に切り替えることができる。この際、NMHCを含む燃料ガス(重質分)が天然ガスエンジンに供給され、天然ガスエンジンからNMHCを含む排ガスが排出されても、活性状態の浄化触媒によりNMHCを浄化することができるため、浄化触媒の温度によらず、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度を低減させることができる。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたエンジンシステムにおいて、前記分離手段は気体分離材を備え、この気体分離材中を前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分が透過する際の各気体成分の透過速度の差と、透過前後の前記燃料ガスの圧力差とを利用して、前記燃料ガス中の気体成分を前記軽質分と前記重質分とに分離することを特徴とする。
請求項2に記載されたエンジンシステムによれば、分離手段が気体分離材を備え、この気体分離材中を燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分が透過する際の各気体成分の透過速度の差と、透過前後の燃料ガスの圧力差とを利用して、燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離する。よって、この分離手段を用いて燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離する場合は、例えば、気体分離材を透過する前の燃料ガス圧力が気体分離材を透過した後の燃料ガス圧力より高くなるように調整する。この際、透過前後の燃料ガスの圧力差が大きいほど、燃料ガス中の各気体成分の透過速度の差が大きくなるため、効率よく燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離することができる。また、この構成では充填装置から供給される高圧に保たれた燃料ガス圧力を利用して圧力差を大きくすることができ、複雑な機構や熱源が不要となるため、過大なエネルギーを消費することがなくなる。
また、請求項2に記載されたエンジンシステムの分離手段に備えた気体分離材が、膜状、板状、柱状または中空糸状に形成され、かつ、その構成材料にポリイミド、ポリスルホン酸、ゼオライトまたは多孔質炭素材のうちいずれか1つを少なくとも含む場合に、特に、効率よく燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離することができる(請求項3)。
また、請求項4に記載された発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンシステムにおいて、前記分離手段により分離された前記重質分のNMHCの含有量を低減させる燃料ガス改質手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載されたエンジンシステムによれば、分離手段により分離された重質分のNMHCの含有量を低減させる燃料ガス改質手段を備えているため、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度をより一層低減させることができる。
また、請求項5に記載された発明は、天然ガスエンジンと、この天然ガスエンジンに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給口と、前記天然ガスエンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化触媒とを備えたエンジンシステムにおける排ガス浄化方法であって、前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分を、NMHCの含有量が少ない軽質分とNMHCの含有量が多い重質分とに分離する分離ステップと、前記分離ステップにより分離された前記軽質分および前記重質分をそれぞれ独立して貯蔵する貯蔵ステップと、前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出ステップと、前記天然ガスエンジンに供給する燃料ガスを、前記触媒温度検出ステップにおける検出結果に応じて、前記貯蔵ステップにより貯蔵された前記軽質分または前記重質分に切り替える切替ステップとを備えたことを特徴とする。
請求項5に記載された排ガス浄化方法によれば、例えば、天然ガスエンジンが始動してから浄化触媒の温度が触媒活性化温度まで上昇する間は、天然ガスエンジンに供給する燃料ガスに、分離ステップにより分離され、貯蔵ステップにより貯蔵された軽質分、即ちNMHCが除去された燃料ガスを使用することができる。そして、例えば、浄化触媒が排ガスにより加熱され、触媒温度検出ステップにおける検出温度が浄化触媒の触媒活性化温度に達すると、切替ステップにより、天然ガスエンジンに供給する燃料ガスを、分離ステップにより分離され、貯蔵ステップにより貯蔵された重質分に切り替えることができる。この際、NMHCを含む燃料ガス(重質分)が天然ガスエンジンに供給され、天然ガスエンジンからNMHCを含む排ガスが排出されても、活性状態の浄化触媒によりNMHCを浄化することができるため、浄化触媒の温度によらず、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度を低減させることができる。
また、請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された排ガス浄化方法において、前記分離ステップにより分離された前記重質分のNMHCの含有量を低減させる燃料ガス改質ステップを備えたことを特徴とする。
請求項6に記載された排ガス浄化方法によれば、分離ステップにより分離された重質分のNMHCの含有量を低減させる燃料ガス改質ステップを備えているため、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度をより一層低減させることができる。
このような、天然ガスエンジンのエンジンシステムおよびこれを用いた排ガス浄化方法によれば、NMHCを吸着する吸着材やこの吸着材を加熱する吸着材加熱手段等を必要としないため、低コストで構成できる上、過大なエネルギーを消費させずに排ガスを充分に浄化することができる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について適宜図面を参照しつつ説明する。参照する図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。また、図2および図3は、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムを用いた排ガス浄化方法を説明するフローチャートであり、このうち図2は、燃料ガス供給時における前記エンジンシステムの動作を示し、図3は、前記エンジンシステムが適用された自動車(圧縮天然ガス自動車)の運転時における前記エンジンシステムの動作を示す。なお、以下の説明においては、本発明を圧縮天然ガス自動車に適用した場合について例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば天然ガスを燃料ガスとして動力を得るモーターボート等に適用してもよい。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム1は、天然ガスエンジン2と、天然ガスエンジン2に供給される燃料ガスの通路となる吸気通路3と、天然ガスエンジン2から排出される排ガスの通路となる排気通路4と、天然ガスエンジン2の吸気側末端に配置され、天然ガスエンジン2に燃料ガスを供給する燃料ガス供給口5と、燃料ガス供給口5と天然ガスエンジン2との間に設けられ、燃料ガス供給口5から供給される燃料ガス中の気体成分を、NMHCの含有量が少ない軽質分とNMHCの含有量が多い重質分とに分離し、分離された軽質分および重質分を、それぞれ独立して貯蔵する燃料ガス分離貯蔵部21と、排気通路4に接続され、天然ガスエンジン2から排出される排ガスを浄化するための浄化触媒6と、電子制御装置(以下、ECUと称する)19と、イグニッションスイッチ20とを備えている。そして、このエンジンシステム1は、燃料ガス供給口5から供給された燃料ガスが、燃料ガス分離貯蔵部21を経由して、吸気通路3から天然ガスエンジン2に供給され、更に、天然ガスエンジン2から排気通路4を通過して排出された排ガスが、浄化触媒6により浄化されて大気に排出されるように構成されている。なお、燃料ガス供給口5は燃料ガスの供給時以外は図示しない遮断弁により遮断されている。また、燃料ガス供給口5から供給される燃料ガスには、圧縮天然ガス(CNG)が用いられる。ちなみにCNGは、例えば、メタン:88.0容量%、エタン:5.8容量%、プロパン:4.5容量%、ブタン:1.7容量%といった都市ガス規格13Aと同様の組成を有している。
燃料ガス分離貯蔵部21は、燃料ガス供給口5に配管13により接続され、燃料ガス供給口5から供給される燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離する気体分離ユニット7と、気体分離ユニット7に配管10により接続され、気体分離ユニット7により分離された軽質分を貯蔵する第1貯蔵タンク9と、気体分離ユニット7に配管12により接続され、気体分離ユニット7により分離された重質分を貯蔵する第2貯蔵タンク11と、配管13に設けられ、気体分離ユニット7への燃料ガスの流入を遮断する電磁弁15と、配管10に設けられ、第1貯蔵タンク9への燃料ガスの流入を遮断する電磁弁14とを備え、更に、第1貯蔵タンク9から天然ガスエンジン2に燃料ガス(軽質分)を供給するための配管16と、第2貯蔵タンク11から天然ガスエンジン2に燃料ガス(重質分)を供給するための配管17と、吸気通路3とが接続される箇所に、切替弁18を備えている。
気体分離ユニット7は、その内部に気体分離材8を備え、この気体分離材8により、燃料ガス供給口5側に位置する分室7aと、第1貯蔵タンク9側に位置する分室7bとに仕切られている。気体分離材8には、その中を燃料ガス供給口5から供給された燃料ガス中の気体成分が透過する際、燃料ガス中の各気体成分の透過速度が相異するものを用いている。例えば、燃料ガス中の気体成分のうち、炭素数で2以下の炭化水素と炭素数で3以上の炭化水素との間で、透過速度に著しく差が生ずるものを好適に用いることができる。これにより、燃料ガス中の気体成分のうち軽質分のみが気体分離材8を透過して分室7bに到達する。そして、分室7bに到達した軽質分は、電磁弁14が開状態のときに、分室7bから配管10を通過して第1貯蔵タンク9に貯蔵される。一方、燃料ガス中の重質分は、気体分離材8を透過せずに、分室7aから配管12を通過して第2貯蔵タンク11に貯蔵される。なお、気体分離ユニット7は特許請求の範囲にいう「分離手段」に相当する。
気体分離材8の形状および構成材料については特に限定されないが、膜状、板状、柱状または中空糸状に形成され、かつ、その構成材料にポリイミド、ポリスルホン酸、ゼオライトまたは多孔質炭素材のうちいずれか1つを少なくとも含む場合に、特に効率よく燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離することができる
構成材料については、表1に示すようなメタンの透過速度がプロパン、ブタン等の重質分と比較して充分に大きい特性を示すものを選択することが望ましい。
Figure 2005194961
第1貯蔵タンク9および第2貯蔵タンク11の内部には、それぞれのタンク内の燃料ガス圧力を検出する圧力センサ9aおよび圧力センサ11aが設けられている。なお、第2貯蔵タンク11は第1貯蔵タンク9より容積が大きくなるように形成されているため、本実施形態においては、軽質分より重質分の方がより多く貯蔵できる。
切替弁18は、天然ガスエンジン2に供給する燃料ガスを、触媒温度センサ6aの検出結果に応じて、第1貯蔵タンク9に貯蔵された軽質分または第2貯蔵タンク11に貯蔵された重質分に切り替える切替手段として機能する。即ち、切替弁18は、第1貯蔵タンク9に貯蔵された燃料ガス(軽質分)を天然ガスエンジン2に供給する場合には、配管17と吸気通路3とを遮断し、配管16と吸気通路3とを連通させる。一方、第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガス(重質分)を天然ガスエンジン2に供給する場合には、切替弁18は、配管16と吸気通路3とを遮断し、配管17と吸気通路3とを連通させる。なお、切替弁18は、配管16と吸気通路3との間および配管17と吸気通路3との間の双方を遮断し、天然ガスエンジン2への燃料ガスの供給を停止することもできる。
浄化触媒6には、三元触媒等の浄化触媒を用いることができる。この浄化触媒6は、触媒活性化温度(例えば200℃)に達した活性状態においてNMHCを浄化する特性を有している。そしてこの浄化触媒6には、浄化触媒6の温度(厳密には浄化触媒6の主体を構成する触媒床温度)を検出する触媒温度センサ(触媒温度検出手段)6aが設けられている。
ECU19は、電磁弁14,15の開閉動作や切替弁18の切替動作等を制御する。このECU19は、燃料ガス供給時に、燃料ガス供給口5を開放した際、または運転時に、イグニッションスイッチ20を「ON」にした際、バッテリ(図示せず)から電力が供給されて動作するようになっている。
次に、エンジンシステム1を用いた排ガス浄化方法について説明する。まず、図1の構成図および図2のフローチャートを参照して、燃料ガス供給時におけるエンジンシステム1の動作を説明する。
(1)燃料ガス供給時
燃料ガスを供給する際は、まず燃料ガス供給口5を遮断する遮断弁(図示せず)を開いて、燃料ガス供給口5を開放する。これにより、図2のフローチャートに示すように、ECU19の制御が開始される。図2に示すように、まず、ECU19は、電磁弁14,15を開く(ステップS1)。そして、燃料ガス充填装置(図示せず)により、燃料ガス供給口5から燃料ガスを供給すると、供給された燃料ガスは、配管13を通過して気体分離ユニット7へ流入する。そして、気体分離ユニット7へ流入した燃料ガスのうち、軽質分(例えば、炭素数で2以下の炭化水素)のみが気体分離材8を透過し(分離ステップS2)、配管10を通過して第1貯蔵タンク9に貯蔵される(貯蔵ステップS3)。一方、気体分離ユニット7へ流入した燃料ガス中の重質分は、気体分離材8を透過せずに(分離ステップS2)、配管12を通過して第2貯蔵タンク11に貯蔵される(貯蔵ステップS3)。なお、気体分離ユニット7へ流入した燃料ガス中の軽質分の一部は、気体分離材8を透過せずに第2貯蔵タンク11に貯蔵される。また、燃料ガスを供給する際は、気体分離ユニット7の分室7aの燃料ガス圧力(気体分離材8を透過する前の燃料ガス圧力)が分室7bの燃料ガス圧力(気体分離材8を透過した後の燃料ガス圧力)より高くなるように、燃料ガス充填装置(図示せず)から供給される燃料ガス圧力を調整すると、効率よく燃料ガス中の気体成分を軽質分と重質分とに分離することができる。
次に、ECU19は、圧力センサ9aが検出した第1貯蔵タンク9内の燃料ガス圧力P1と、所定の閾値Pa(例えば3MPa)とを比較し、大小を判定する(ステップS4)。これと同時に、ECU19は、圧力センサ11aが検出した燃料ガス圧力P2と、所定の閾値Pb(例えば4MPa)とを比較し、大小を判定する(ステップS4)。そして、燃料ガス圧力P1が閾値Pa以上である場合または燃料ガス圧力P2が閾値Pb以上である場合は(ステップS4のYes)、ステップS5へ進む。一方、燃料ガス圧力P1が閾値Pa未満であり、かつ、燃料ガス圧力P2が閾値Pb未満である場合は(ステップS4のNo)、分離ステップS2に戻り同様の動作を繰り返す。ここで、閾値Paは、運転時において、天然ガスエンジン2を始動してから浄化触媒6が活性化されるまでの間に消費される燃料ガスの量よりも、第1貯蔵タンク9に貯蔵される燃料ガス(軽質分)が多くなるように設定するとよい。また、閾値Pa,Pbは、第1貯蔵タンク9および第2貯蔵タンク11の燃料ガス圧力の限界値(貯蔵が不可能となる値)よりも低めに設定するとよい。なお、本実施形態においては、後記するように、燃料供給時または運転時において、第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガスを、気体分離ユニット7を経由して第1貯蔵タンク9に供給する際に、気体分離材8により第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガスから効率よく軽質分を分離するために、閾値Pbを閾値Paより高めに設定している。
ステップS4の判定がYesの場合において、燃料ガス圧力P1が閾値Pa以上である場合には(ステップS5のYes)、ECU19は、電磁弁14を閉じて(ステップS6)、第1貯蔵タンク9への燃料ガス(軽質分)の流入を遮断する。続いて、ECU19は、圧力センサ11aが検出した燃料ガス圧力P2と、所定の閾値Pbとを比較し、大小を判定する(ステップS7)。そして、燃料ガス圧力P2が閾値Pb以上である場合には(ステップS7のYes)、ECU19は、電磁弁15を閉じて(ステップS8)、エンジンシステム1の動作を終了する。一方、燃料ガス圧力P2が閾値Pb未満である場合には(ステップS7のNo)、ステップS7の判定を繰り返す。
ステップS4の判定がYesの場合において、燃料ガス圧力P1が閾値Pa未満である場合(ステップS5のNo)、即ち、第1貯蔵タンク9の燃料ガス圧力P1が所定の閾値Paに達せず、第2貯蔵タンク11の燃料ガス圧力P2のみが所定の閾値Pbに達した場合には、ECU19は、電磁弁15を閉じ(ステップS9)、気体分離ユニット7への燃料ガスの流入を遮断する。ここで、前記したように、所定の閾値Pbは、所定の閾値Paより高めに設定されているため、電磁弁15が閉じられると、第2貯蔵タンク11と第1貯蔵タンク9との間に差圧が生じて、第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガスが気体分離ユニット7を経由して第1貯蔵タンク9に供給される。この際、気体分離材8により、第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガスから軽質分のみが分離され、分離された軽質分が第1貯蔵タンク9に貯蔵される。
続いて、ECU19は、圧力センサ9aが検出した燃料ガス圧力P1と、所定の閾値Paとを比較し、大小を判定する(ステップS10)。そして、燃料ガス圧力P1が閾値Pa以上である場合には(ステップS10のYes)、ECU19は、電磁弁14を閉じて(ステップS11)、エンジンシステム1の動作を終了する。一方、燃料ガス圧力P1が閾値Pa未満である場合には(ステップS10のNo)、ステップS10の判定を繰り返す。
次に、図1の構成図および図3のフローチャートを参照して、運転時におけるエンジンシステム1の動作を説明する。なお、運転開始時において、第1貯蔵タンク9および第2貯蔵タンク11の燃料ガス圧力P1,P2については、それぞれ所定の閾値Pa,Pb(図2参照)を有しており、更に、切替弁18により、配管16と吸気通路3との間および配管17と吸気通路3との間の双方が遮断されているものとする。
(2)運転時
エンジンシステム1が適用された圧縮天然ガス自動車(図示せず)を運転する際は、まずイグニッションスイッチ20を「ON」にする。これにより、図3のフローチャートに示すように、ECU19の制御が開始される。図3に示すように、まず、ECU19は、触媒温度センサ6aが検出した(触媒温度検出ステップ)浄化触媒6の温度Tと、所定の閾値Ta(例えば220℃)とを比較し、大小を判定する(ステップS20)。そして、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta未満である場合には(ステップS20のYes)、ECU19は、切替弁18を操作することにより、配管16と吸気通路3とを連通させ(第1切替ステップS21)、天然ガスエンジン2を始動させる(ステップS22)。一方、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta以上である場合(例えば、暖機運転後に天然ガスエンジン2を一旦停止し、再度始動した場合)には(ステップS20のNo)、ECU19は、切替弁18を操作することにより、配管17と吸気通路3とを連通させ(第2切替ステップS23)、天然ガスエンジン2を始動させる(ステップS22)。なお、本実施形態においては、所定の閾値Taは、大気へのNMHCの排出をできるだけ抑えるために、浄化触媒6の触媒活性化温度より高めに設定している。
ECU19は、ステップS22で天然ガスエンジン2を始動させた後、触媒温度センサ6aが検出した(触媒温度検出ステップ)浄化触媒6の温度Tと、所定の閾値Taとを比較し、大小を判定する(ステップS24)。そして、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta未満である場合には(ステップS24のYes)、ステップS25へ進む。通常、天然ガスエンジン2の始動後の数分間は、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta未満であるので、この場合ステップS24の判定はYesとなる。一方、浄化触媒6が排ガスにより加熱されて、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta以上となった場合には(ステップS24のNo)、ステップS27へ進む。
浄化触媒6の温度Tが閾値Ta未満である場合には(ステップS24のYes)、ECU19は、配管16と吸気通路3とが連通しているか否かを判断する(ステップS25)。そして、配管16と吸気通路3とが連通している場合には(ステップS25のYes)、ステップS24へ戻り、同様に判定を行う。一方、配管16と吸気通路3とが連通していない場合には(ステップS25のNo)、ECU19は、切替弁18を操作することにより、配管17と吸気通路3とを遮断し、配管16と吸気通路3とを連通させて(第3切替ステップS26)、ステップS24へ戻り、同様に判定を行う。
浄化触媒6の温度Tが閾値Ta以上となった場合には(ステップS24のNo)、ECU19は、配管17と吸気通路3とが連通しているか否かを判断する(ステップS27)。そして、配管17と吸気通路3とが連通している場合には(ステップS27のYes)、ステップS24へ戻り、同様に判定を行う。一方、配管17と吸気通路3とが連通していない場合には(ステップS27のNo)、ECU19は、切替弁18を操作することにより、配管16と吸気通路3とを遮断し、配管17と吸気通路3とを連通させて(第4切替ステップS28)、ステップS24へ戻り、同様に判定を行う。なお、前記した第1切替ステップS21、第2切替ステップS23、第3切替ステップS26および第4切替ステップS28が、特許請求の範囲にいう「切替ステップ」に相当する。
以上説明したように、このエンジンシステム1は、天然ガスエンジン2が始動してから浄化触媒6の温度Tが閾値Ta(浄化触媒6の触媒活性化温度より高い温度)まで上昇する間は、天然ガスエンジン2に供給する燃料ガスに、第1貯蔵タンク9に貯蔵された軽質分、即ちNMHCが除去された燃料ガスを使用する。そして、浄化触媒6が排ガスにより加熱され、浄化触媒6の温度Tが閾値Ta以上になると、切替弁18により、天然ガスエンジン2に供給する燃料ガスを第2貯蔵タンク11に貯蔵された重質分に切り替える。この際、NMHCを含む燃料ガスが天然ガスエンジン2に供給され、天然ガスエンジン2からNMHCを含む排ガスが排出されても、活性状態の浄化触媒6によりNMHCを浄化することができる。その結果、浄化触媒6の温度Tによらず、常に大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度を低減させることができる。
なお、図3には示していないが、運転時において、第1貯蔵タンク9の圧力センサ9aが、第1貯蔵タンク9内の燃料ガス圧力P1を一定の間隔(例えば10ms間隔)で検出している。そして、ECU19は、圧力センサ9aが検出した第1貯蔵タンク9内の燃料ガス圧力P1と、所定の下限値(例えば2MPa)とを比較し、所定の下限値以下となった場合に、電磁弁14を開くように制御している。ここで、第1貯蔵タンク9内の燃料ガス圧力P1は、燃料ガス(軽質分)が消費されているため低下しており、電磁弁14を開くと、第2貯蔵タンク11と第1貯蔵タンク9との間に差圧が生じて、燃料ガスが第2貯蔵タンク11から気体分離ユニット7を経由して第1貯蔵タンク9へと供給される。この際、気体分離材8により、第2貯蔵タンク11に貯蔵された燃料ガスから軽質分のみが分離され、分離された軽質分が第1貯蔵タンク9に貯蔵される。これにより、第1貯蔵タンク9には、常に一定量以上の軽質分が貯蔵されるようになる。
以上のような構成とすることにより、第1貯蔵タンク9に吸着材として活性炭やゼオライト等を用いた場合には、次のような効果も有する。
気体分離ユニット7および第2貯蔵タンク11がない構成において、吸着材として活性炭やゼオライト等を用いると、燃料ガスとして純粋なメタンを使用した場合には大きな吸着量を得ることができるが、燃料ガスとして13A等の実用天然ガスを吸着貯蔵させると吸着量が大幅に低下する。これは、13Aに含まれるプロパン、ブタン等の高炭素数成分を含む重質分が、吸着材の細孔中で液化し、主成分であるメタン等の軽質分の吸着を阻害するためと考えられる。この重質分を脱離させるためには加熱や真空付近までの減圧が必要となる。このため、1)インフラ側で天然ガスを重質分と軽質分とに分離する、2)車両のメインタンク前にガードベッドと呼ばれる重質分の吸着用のタンクを設け、メインタンクには軽質分のみ供給し、ガードベッドに吸着した重質分はヒータによって加熱し、脱離させる、3)加熱や真空付近までの減圧によって細孔中で液化した重質分を脱離させる、といったことが提案されている。
しかしながら、1)の技術では、インフラ側での設備が必要であり、一般的な天然ガス自動車であるCNG(圧縮天然ガス)のインフラの改修もしくは専用インフラの新設が必要となりコストの上昇を招く。また、2)の技術ではヒータ等の加熱手段が必要であり、コスト上昇の問題がある。さらに、3)の技術についても同様である。
これに対し、気体分離ユニット7および第2貯蔵タンク11を設置する本発明の構成とすることにより、前記した問題が解決でき、また、この構成ではガス分離手段を小さくすることができるため、スペースの確保も容易となる。また、本発明では、充填装置から供給される燃料ガス圧力(25MPa程度)と、第1貯蔵タンク9内の燃料ガス圧力P1(0〜20MPa)との差圧を利用して燃料ガス中の気体成分を分離するため、気体分離のための複雑な機構や動力源、熱源等のエネルギーが不要となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムについて適宜図面を参照して説明する。参照する図4は、本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。なお、本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムは、前記した第1実施形態に係るエンジンシステムに対し、第1貯蔵タンクと第2貯蔵タンクとの容積比のみが異なる。よって、第1実施形態に係るエンジンシステムと同一構成のものについては、同一の符号を付して、その説明は省略するものとする。
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係るエンジンシステム30は、燃料ガス分離貯蔵部33に、軽質分が貯蔵される第1貯蔵タンク31と、重質分が貯蔵される第2貯蔵タンク32とを備えている。この第1貯蔵タンク31および第2貯蔵タンク32の内部には、前記したエンジンシステム1と同様にそれぞれのタンク内の燃料ガス圧力を検出する圧力センサ31aおよび圧力センサ32aが設けられている。そして、第1貯蔵タンク31は第2貯蔵タンク32より容積が大きくなるように形成されているため、本実施形態においては、重質分より軽質分の方がより多く貯蔵できる。
このエンジンシステム30は、前記したエンジンシステム1に比べ、燃料供給時において、第1貯蔵タンク31に充分な量の軽質分を確保しているため、運転時において、エンジンシステム1のように、第1貯蔵タンク31の燃料ガス(軽質分)が消費された分、第2貯蔵タンク32から第1貯蔵タンク31へ燃料ガスを供給する必要がなくなる。また、第2貯蔵タンク32の燃料ガス(重質分)が、浄化触媒6の活性時に全て消費された場合は、第1貯蔵タンク31の燃料ガス(軽質分)を、浄化触媒6の温度Tによらず使用することができる。これにより、ECU19による制御を簡素化することができる。その他の動作についてはエンジンシステム1と同様に行われるので、エンジンシステム30についても、浄化触媒6の温度Tによらず、常に大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度を低減させることができる。なお、エンジンシステム1に比べ、燃料供給時において、供給される燃料ガスから、より多く軽質分を分離する必要があるため、気体分離材8には、より分離性能が優れたものを用いる必要がある。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムについて適宜図面を参照して説明する。参照する図5は、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。なお、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムは、前記した第2実施形態に係るエンジンシステムに対し、燃料ガス分離貯蔵部に燃料ガス改質器を備えたことのみが異なる。よって、第2実施形態に係るエンジンシステムと同一構成のものについては、同一の符号を付して、その説明は省略するものとする。
図5に示すように、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステム40は、燃料ガス分離貯蔵部42に、燃料ガス改質器41を備え、この燃料ガス改質器41は、気体分離ユニット7(分室7a)と第2貯蔵タンク32との間の配管12に配設されている。この燃料ガス改質器41は、気体分離材8により分離された重質分のNMHCの含有量を低減させる燃料ガス改質手段として機能する。また、燃料ガス改質器41は、水素ガス供給部41aと、水素化反応部41bと、水素ガス供給部41aから水素化反応部41bへ水素を供給するための配管41cとから構成されている。水素ガス供給部41aには、例えば、水素が充填された高圧タンクや水素吸蔵合金、あるいは水の電気分解装置等を使用することができる。また、第1貯蔵タンク31に貯蔵された軽質分(炭化水素)を改質して水素を発生させる水素発生器を使用することもできる。この場合は、別途水素や水を補給する必要がなくなる。また、水素化反応部41bには、例えば、ゼオライト系触媒等が装填された反応容器等を使用することができる。
この燃料ガス改質器41により、重質分のNMHCの含有量を低減させる場合は、気体分離材8により分離された重質分が、水素化反応部41bに流入する際に、水素ガス供給部41aから配管41cを経由して水素を供給し、NMHCを水素化反応によりメタン(CH4)に改質する(燃料ガス改質ステップ)。例えば、NMHCがプロパン(C38)の場合は、下式に示すような化学反応式により水素化反応が行われる。これにより、大気に排出される排ガス中のNMHCの濃度をより一層低減させることができる。この反応はNMHCの濃度が高まるほど効率が高まるため、重質分と軽質分とを分けることによって効率よく反応が進む。なお、水素化反応部41bを設けずに、水素ガス供給部41aから直接第2貯蔵タンク32へ水素を供給し、第2貯蔵タンク32内で水素化反応が行われるように構成してもよい。これにより省スペース化が図れる。
Figure 2005194961
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定するものではない。例えば、前記実施形態においては、浄化触媒6(図1参照)の温度Tが所定の閾値Ta以上となった場合には、配管16(図1参照)と吸気通路3(図1参照)とを遮断し、配管17(図1参照)と吸気通路3とを連通させていたが、配管16と吸気通路3との間および配管17と吸気通路3との間の双方を連通させるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、気体分離ユニット7(図1参照)を1つ設けていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図6(a)に示すように、気体分離ユニット7を並列に複数配設してもよい。これにより、軽質分の時間当たりの供給能力が向上する。また、図6(b)に示すように、気体分離ユニット7を直列に複数配設してもよい。これにより、燃料ガスから軽質分を分離する分離性能が向上する。
また、前記実施形態では気体分離ユニット7を設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図7に示すエンジンシステム1’のように、第2貯蔵タンク11の内部に気体分離材8を設けた燃料ガス分離貯蔵部21’とし、第2貯蔵タンク11の内部で、燃料ガスから軽質分を分離するように構成してもよい。これにより、省スペース化が図れる。
また、分離手段についても、前記実施形態に限定されず、例えば、パウダ状または粒状の気体分離材を筒状の容器に充填させたものを分離手段として用いてもよい。
また、前記実施形態においては、第1貯蔵タンクおよび第2貯蔵タンクをそれぞれ1つずつ設けていたが、本発明はこれに限定されず、第1貯蔵タンクおよび第2貯蔵タンクをそれぞれ複数設けてもよい。
また、第1貯蔵タンクおよび第2貯蔵タンクの貯蔵効率を高めるため、それぞれの内部に軽質分または重質分を吸着する吸着材(例えば活性炭等)を装填してもよい。この場合、吸着材を再生する際に、特に重質分の脱離が困難であるため、ヒータ等の吸着材加熱手段を別途設けるのが望ましい。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムを用いた排ガス浄化方法を説明するフローチャートであり、燃料ガス供給時における本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの動作を示す。 本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムを用いた排ガス浄化方法を説明するフローチャートであり、運転時における本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの動作を示す。 本発明の第2実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。 本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムの構成図である。 本発明に用いられる気体分離ユニットの配設状態の一例を説明する図であり、(a)は並列に複数配設した状態を示し、(b)は直列に複数配設した状態を示す。 本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの変形例を示す構成図である。
符号の説明
1 エンジンシステム
2 天然ガスエンジン
5 燃料ガス供給口
6 浄化触媒
6a 触媒温度センサ
7 気体分離ユニット
8 気体分離材
18 切替弁
30 エンジンシステム
40 エンジンシステム
41 燃料ガス改質器

Claims (6)

  1. 天然ガスを燃料ガスとするエンジンと、このエンジンに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給口と、前記エンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化触媒とを備えたエンジンシステムであって、
    前記燃料ガス供給口と前記エンジンとの間に、前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分を、非メタン炭化水素の含有量が少ない軽質分と非メタン炭化水素の含有量が多い重質分とに分離する分離手段を備え、かつ、
    前記分離手段により分離された前記軽質分が貯蔵される第1貯蔵タンクと、
    前記分離手段により分離された前記重質分が貯蔵される第2貯蔵タンクと、
    前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    前記エンジンに供給する燃料ガスを、前記触媒温度検出手段の検出結果に応じて、前記第1貯蔵タンクに貯蔵された前記軽質分または前記第2貯蔵タンクに貯蔵された前記重質分に切り替える切替手段とを備えたことを特徴とするエンジンシステム。
  2. 前記分離手段は気体分離材を備え、この気体分離材中を前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分が透過する際の各気体成分の透過速度の差と、透過前後の前記燃料ガスの圧力差とを利用して、前記燃料ガス中の気体成分を前記軽質分と前記重質分とに分離することを特徴とする請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記気体分離材は膜状、板状、柱状または中空糸状に形成され、かつ、その構成材料にポリイミド、ポリスルホン酸、ゼオライトまたは多孔質炭素材のうちいずれか1つを少なくとも含むことを特徴とする請求項2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記分離手段により分離された前記重質分の非メタン炭化水素の含有量を低減させる燃料ガス改質手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンシステム。
  5. 天然ガスを燃料ガスとするエンジンと、このエンジンに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給口と、前記エンジンから排出される排ガスを浄化するための浄化触媒とを備えたエンジンシステムにおける排ガス浄化方法であって、
    前記燃料ガス供給口から供給された燃料ガス中の気体成分を、非メタン炭化水素の含有量が少ない軽質分と非メタン炭化水素の含有量が多い重質分とに分離する分離ステップと、
    前記分離ステップにより分離された前記軽質分および前記重質分をそれぞれ独立して貯蔵する貯蔵ステップと、
    前記浄化触媒の温度を検出する触媒温度検出ステップと、
    前記エンジンに供給する燃料ガスを、前記触媒温度検出ステップにおける検出結果に応じて、前記貯蔵ステップにより貯蔵された前記軽質分または前記重質分に切り替える切替ステップとを備えたことを特徴とする排ガス浄化方法。
  6. 前記分離ステップにより分離された前記重質分の非メタン炭化水素の含有量を低減させる燃料ガス改質ステップを備えたことを特徴とする請求項5に記載の排ガス浄化方法。


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