JP2005194282A - 3,4−ジヒドロキシブタン酸およびその塩並びにそれから誘導されたラクトン類の改良された製造方法 - Google Patents

3,4−ジヒドロキシブタン酸およびその塩並びにそれから誘導されたラクトン類の改良された製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】天然に存在する脂肪酸への化学的中間体として有用な3,4−ジヒドロキシブタン酸−ガンマ−ラクトンおよび2(5H)フラノン、特にこれらの化合物の立体異性体を製造するために用いられる3,4−ジヒドロキシブタン酸の改良製造方法を開発する。
【解決手段】D−またはL−ヘキソース源をアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物および過酸化物酸化剤を使用して3,4−ジヒドロキシブタン酸に変換するための改良製造方法が記載される。任意の時間において反応混合物中の塩基および酸化剤の濃度を0.02M未満に維持すること及び約25℃〜80℃の温度に維持することによる。反応混合物の酸性化の際に、3−ヒドロキシラクトンが生成される。
【選択図】図1

Description

(技術分野)
本発明は、D−またはL−ヘキソース源、特に置換基としてグルコースを含有するD−またはL−グルコース源から3,4−ジヒドロキシブタン酸、グリコール酸およびそれらの塩の改良された製造方法に関する。さらに本発明は、(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸およびその塩から誘導されるラクトン類の製造方法に関する。
(背景技術)
天然に存在する(R)−3−ヒドロキシ長鎖脂肪酸の合成による開発の過程の間に、(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸のメチル又はエチルエステルへの種々の合成経路が調べられた。一般的な方法は、適当に変性された炭水化物構造からこのキラル断片を分割することであった。初期の試みは、メチルアルファ−D−グルコピラノシドの選択的保護および構造的変性、次に開裂して必要な官能性を含有する4−炭素断片を生成することを包含した。この方法は全く実施可能であることが判明したけれども、信じられていたほどには直接的でないことが判明した。
費用のかからない出発物質から一層少ない工程で所望の生成物の或る物質が生成される反応が考慮された。セロビオース,ベータ−1,4−結合グルコース二糖類、マルトース(アルファ−1,4−結合異性体)および他の関連化合物をアルカリで処理すると、D,L−2,4−ジヒドロキシブタン酸、グリコール酸、イソサッカリン酸、ケトン類、ジケトン酸、グリセリン酸及び無数の他の分解および縮合生成物と一緒に低い収量の所望の物質が生成することが示された(Corbett,W.M.等によるJ.Chem.Soc.第1431頁〜第1435頁(1955);Green,J.W.によるJ.Amer.Chem.Soc.78第1894頁〜第1897頁(1956);およびRowell,R.M.、等によるCarbohydr.Res.11第17頁〜第25頁(1969))。“ピーリング反応(peeling reaction)”として知られている反応において、でんぷんおよびセルロースはまた、同様な化合物を生成する。この方法は、合成能力を有しないと一般に考えられてきた。これらの反応において形成された生成物の殆どは、Isbellにより提案されたメカニズムに従って、図1に示される中間体ジカルボニル(ジウロース(diulose))化合物Fから形成される(Isbell,H.S.によるJ.Res.Natl.Bur.Stand.29:227(1942))。ジカルボニル化合物Fは、アルカリにより迅速に激しく作用されてタール状の混合物を与え、そして低い収量で図1に示されるように3,4−ジヒドロキシブタン酸(1)およびグリコール酸(4)を生成し、これは緩慢でありそして酸素依存性である。
アルカリ性過酸化水素は、ジケトン類を迅速に開裂してカルボン酸を提供し、この方法での過酸化水素を用いてのジウロースおよび他の炭水化物の処理が記載されている(Moody,G.J.によるAdvance in Carbohydr.Chem.19:第149頁〜第180頁(1964))。その参照文献は、1,4−グルコース結合を含有するグルコース源を開裂させるための過酸化水素の使用を記載していない。塩基および過酸化水素を用いるマルトースの酸化についての早期の研究(Glattfield,J.W.E.等によるJ.Amer.Chem.Soc.40:973(1918))は3,4−ジヒドロキシブタン酸を生成せずしかしグルコース酸、アラボン酸、D−エリトロン酸(D−erythronic acid)、修酸および蟻酸を提供した。この研究において、その反応は、室温で非常に長い期間(13日)、次に50℃で規定されていない期間行われた。塩基および過酸化水素のモル割合は、両方とも糖の割合の8〜9倍であった。これらの条件は、蟻酸への生成物の完全な転換を生じる。
本発明者らの米国特許第5,292,939号、同第5,319,110号および同第5,374,773号は、塩基および過酸化物酸化剤を用いてD−またはL−ヘキソース源からの3,4−ジヒドロキシブタン酸および塩の製造において有意義な改良を記載している。ラクトン類の製造がまた記載されている。本発明の目的はこれらの方法について改良することである。
4−結合ヘキソースのアルカリ性酸化による光学的に活性な3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの製造および単離について記載された方法は、商業上での方法においてのそれらの利用を制限する幾つかの欠点を有する。酸化における主要な制限の1つは、非常に低い濃度の過酸化物および水酸化物が典型的に用いられることである(Hollingsworth,R.による米国特許第5,292,939号;同第5,319,110号;および同第5,374,773号;Hollingsworth,R.によるJ.Org.Chem.64第7633頁〜第7634頁(1999);およびHuang,G.およびR.I.HollingsworthによるTetrahedron 54:第1355頁〜第1360頁(1998))。このことは0.02Mまたはそれ以下への生成物に変換されることが出来る炭水化物基質の濃度を制限する。この理由の故に、商業上での製造システムの処理量が厳しく制限される。好ましくない副反応を始動させることなしには過酸化物および水酸化物の濃度を増加させることが出来ない。
他の重大な制限は、対応する3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン生成物への3,4−ジヒドロキシ酸のラクトン化を行うために酸性化反応混合物からすべての水を除去することの必要性である。水を除去するために費やされる時間の80%は、最後の20%を除去するために使用されると予想される。3,000ガロン以上の回分(バッチ)大きさについて、水除去のための時間は数日間である。2(5H)フラノンの生成に導くときに起こる、ラクトンの望ましくない酸触媒作用脱水についての傾向がまた存在する。他の面倒な問題は、完全な水除去工程において形成されるシロップは、しばしばあまりにも粘稠で、適切にかき混ぜることができないことである。このことは、局所過剰加熱の故にさらに脱水させてしまうことに導く。なお他の面倒な問題は、ラクトン生成物の許容出来る回収のために適当な有機溶媒を用いて該シロップの6回またはそれ以上の抽出を必要とすることである。流れに対するシロップの抵抗性および必要とされる大きな回数の抽出は、反応混合物が、連続様式で濃縮且つ抽出されることが出来る方法の手段を可能にはしない。これらの欠点は、これらの重要なヒドロキシ酸(ヒドロキシアルカン酸とも言う)およびそれらの対応するラクトン類へのこの経路の効率のよい商業上での使用に対して重大な障壁となる。
3,4−ジヒドロキシブタン酸は、貴重なキラル構築用ブロックであり、基質としてベータ−ケトエステル類を使用する酵素システムの開発において、その及びその誘導体の基点を得るための一般的な術策となる(Nakamura,N.等によるTetrahedron Letters,30:第2245頁〜第2246頁(1989);Zhou,B.等によるJ.Amer.Chem.Soc.,105第5925頁〜第5926頁(1983);およびNakamura,N.等によるTetrahedron Letters,31:第267頁〜第270頁(1990))。
キラル化学大要は、光学的に活性な3,4−ジヒドロキシ酪酸およびそれらのガンマラクトンに基づいて開発された。それらは、立体特異的方法におけるずっと一層複雑な構造を通じて、アルコール類から、アミン類、ハロゲン化物類、酸類、エステル類、エポキシド類、アセタール類、テトラヒドロフラン類、ピロリドン類、アミド類、ニトリル類および酸ハロゲン化物の範囲にわたる他の化合物への接近を可能にする。これらの化合物は、広いスペクトルの抗生物質による抗ウイルス薬からコレステロール低下用薬および糖尿病管理のために用いられる医薬までの範囲にわたる、種々のキラル医薬物質の合成における重要な中間体である。これらの使用は、文献に十分に実証されている(Corey,E.J.等によるJ.Amer.Chem.Soc.100第1942頁〜第1943頁(1978);Uchikawa,O.等によるBull.Chem.Soc.Japan 61第2025頁〜第2029頁(1988);Hayashi,H.等によるJ.Amer.Chem.Soc.95第8749頁〜第8757頁(1973);Danklmaier,J.等によるLiebigs.Ann.Chem.第1149頁〜第1153頁(1988);Mori,Y.等によるTetrahedron Letters,29第5419頁〜第5422頁(1988);Shieh,H.M.等によるTetrahedron Letters,23第4643頁〜第4646頁(1982);Mori,K.等によるTetrahedron Letters,29第5423頁〜第5426頁(1988);及びSaito,S.等によるChem.Letts.第1389頁〜1392頁(1984))。それらはエイコサノイド類(Corey,E.J.等によるJ.Amer.Chem.Soc.100第1942頁〜第1943頁(1978))、変性された核酸塩基(Hayashi,H.等によるJ.Amer.Chem.Soc.95第8749頁〜第8757頁(1973))、マクロライド系抗生物質のポリオール官能性(Mori,Y.等によるTetrahedron Letters,29第5419頁〜第5422頁(1988))、そして(−)アプリシスタチン(aplysistatin),抗癌剤(Shieh,H.M.等によるTetrahedron Letters,23第4643頁〜第4646頁(1982))のような化合物の製造を包含する。ベータ−ラクタム類(抗生物質の全体的な族)の容易な製造がまた可能であり、同様に、アトロバスタチン(Atrovastatin)およびメバコール(Mevacor)のようなコレステロール低下用薬のラクトン環の製造もまた可能である。さらに最近になって、その使用は種々の他の領域に拡大され、その1つの重要な例はシエーリングプロウ(Schering Plough)グループによるキラル置換アゼチジノン類(β−ラクタム類)の合成である(Wu,G.等によるJ.Org.Chem.64第3714頁〜第3718頁(1999))。医薬領域におけるこのラクトンの開発についての幾つかの他の最近の報告がある(Song,J.等によるJ.Amer.Chem.Soc.121第1851頁〜第1861頁(1999);Wang,G.等によるJ.Org.Chem.64第1036頁〜第1038頁(1999);Huang,G.等によるTetrahedron Asymmetry 9第4113頁〜第4115頁(1999);及びWang,G.等によるTetrahedron Asymmetry 10第1895頁〜第1901頁(1999))。これらはβ−遮断薬およびCidofovirのような抗ウイルス剤を包含するずっと広い範囲の医薬の合成に向けられる可能性を直ちに始動させる光学的に活性な3−炭素分子への4−炭素シントンの変換を包含する(Wang,G.等によるJ.Org.Chem.64第1036頁〜第1038頁(1999))。これらをさらに変換させるために直接に使用することが出来る形態で、炭水化物のアルカリ性酸化によるこれらの光学的に活性なヒドロキシ酸(ヒドロキシアルカン酸とも言う)およびラクトン類の直接の製造は、特に医薬の発見、合成および製造の領域における合成化学における重大な進歩である。これらのヒドロキシ酸類およびラクトン類の使用の他の重要な面は、キラル中心の完全性が転換をとおして維持されることである。炭水化物の酸化は、置換D−糖類が(S)ジヒドロキシ酸および対応するγ−ラクトンを提供しそしてL−糖類が鏡像体R−化合物を提供するので、特に重要である。
(発明の開示)
目的:
それ故に、本発明の目的は、ヘキソース源から光学的に活性な3,4−ジヒドロキシブタン酸を製造するための改良された方法を提供すること及びそれからラクトン類を生成し且つ単離するための方法を提供することである。さらに本発明の目的は、実施するために比較的に容易であり、経済的である改良された方法を提供することである。これらの目的そして他の目的は、以下の記載および図面を参照することにより次第に明らかとなるだろう。
発明の概要:
本発明は、
(a)約60℃未満の温度で或る時間にわたって、下記塩基の水溶液に下記酸を添加することにより、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基の水溶液中の3,4−ジヒドロキシ酪酸(HBA)またはその塩を、塩基に基づいて約0.9〜3当量の量の強酸と、反応混合物中で反応させ;
(b)極性有機溶媒と、塩基に基づいて約0.9〜3当量の量のアミン、アンモニウム塩及びそれらの混合物からなる群から選ばれた化合物を、該反応混合物中に混入して、極性有機溶媒中にHBAのアンモニウム塩を形成し;そして
(c)反応混合物から、HBAのアンモニウム塩を含有する極性有機溶媒を分離し;そして
(d)極性有機溶媒中のHBAのアンモニウム塩を加熱して有機溶媒を除去しそしてラクトンを形成する;
ことからなる、ラクトン類を製造する方法に関する。好ましくは、工程(b)における有機溶媒は、該方法において使用される条件下に水不溶性である。
本発明はまた、
(a)約60℃でまたは約60℃未満で維持されている温度で時間経過にわたって、下記塩基の水溶液に下記酸を添加することにより、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基の水溶液中の3,4−ジヒドロキシ酪酸(HBA)またはその塩を、該塩基に基づいて約0.9〜2当量の量で強酸と反応させ;
(b)水混和性極性有機溶媒と、塩基に基づいて0.9〜3当量の量で低級モノアルキルアミン、ジ低級アルキルアミン、トリ低級アルキルアミン、アンモニウム塩およびそれらの混合物からなる群から選ばれたアミン含有化合物を、該反応混合物中に混入して、反応混合物中にHBAのアンモニウム塩を形成し;
(c)反応混合物からHBAのアンモニウム塩を含有する有機溶媒を分離し;そして
(d)水混和性有機溶媒中のHBAのアンモニウム塩を加熱して有機溶媒を除去しそしてラクトンを形成する;
ことからなるラクトン類の製造方法に関する。
本発明はまた、塩として3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸が本質的にそれらだけの生成物として形成されるまで、反応混合物中でD−またはL−ヘキソース糖源を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基および過酸化物酸化剤と反応させることにより、該ヘキソース源を塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸に転換させるための改良方法であって、しかも使用される合計の過酸化物および塩基は該D−またはL−ヘキソースよりも4モル過剰までの範囲で存在し、置換D−またはL−ヘキソースが反応混合物の容量当たり約0.05〜80重量%である方法であって、該方法は反応中の任意の時間で、反応混合物中の過酸化物酸化剤および塩基の濃度が0.02M未満であるように、約5時間未満であるある時間にわたって、約25℃〜80℃の温度に加熱しながら、該過酸化物および塩基を該反応混合物に加えて塩を生成することからなる、前記改良方法に関する。好ましくはD−またはL−ヘキソース源はグルコース源である。
本発明はまた、下記D−またはL−ヘキソース源から塩として3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸が本質的にそれらだけの生成物として形成されるまで、反応混合物中で下記D−またはL−ヘキソースを、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれた塩基および過酸化物酸化剤と反応させ、しかも過酸化物酸化剤および塩基は下記D−またはL−ヘキソースよりも4モル過剰までの範囲で存在し、D−またはL−ヘキソース源が反応混合物の容量当たり約0.05〜80重量%であり、該反応は反応中の任意の時間で、反応混合物中の過酸化物酸化剤および塩基の濃度が0.02M未満であるように、約5時間未満である或る時間にわたって約25℃〜80℃の温度に加熱しながら該過酸化物酸化剤および塩基を該反応混合物に加えて塩を形成することにより行われ、そして反応混合物を酸性化して内部環式エステルを形成することからなる、4−O−置換D−またはL−ヘキソース源を内部環式エステルに変換する方法に関する。
本発明はまた、D−またはL−ヘキソース源から塩として3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸が本質的にそれらだけの生成物として形成されるまで、反応混合物中でD−またはL−ヘキソースを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた第1塩基および過酸化物酸化剤と反応させ、しかも過酸化物酸化剤および塩基はD−またはL−ヘキソースよりも4モル過剰までの範囲での合計量に加えられ、D−またはL−ヘキソース源は反応混合物の容量当たり約0.05〜80重量%であり、該反応は反応中の任意の時間で、反応混合物中の各々の濃度が0.02M未満であるように約3時間未満である或る時間にわたって約25℃〜80℃の温度に加熱しながら反応混合物に過酸化物酸化剤および塩基を加えて塩を形成することにより行われ;反応混合物を酸性化して内部環式エステルを生成し;そしてアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた第2塩基と共に該内部環式エステルを加熱して塩としての3,4−ジヒドロキシブタン酸を形成することからなる、D−またはL−ヘキソース源を塩としての3,4−ジヒドロキシブタン酸に変換するための方法に関する。
好ましい反応は以下のとおりの図式IおよびIIにおいて示される:
Figure 2005194282
好ましい4−O−置換D−又はL−ヘキソース糖はマルトース、ラクトース、セロビオース、セロ−オリゴ糖およびマルトデキストリンである。ヘキソース源におけるヘキソース類は、ガラクトース、マンノース、グルコース、等のような任意のヘキソースであることが出来る。これらの糖類は本発明の方法により3,4−ジヒドロキシ酪酸を生成するだろう。他の源は、でんぷん、でんぷん加水分解物およびセルロースである。セルロースとでんぷんの両方は地球上で最も豊富な物質の中に入る。本発明の方法は、これらのそして同様に豊富な再生可能な源を、医薬、化学および高分子産業において使用することが出来る、他の場合では手に入れることが出来ない中間体に転換しそして石油化学への依存性を減少させる。
過酸化物酸化剤は、3,4−ジヒドロキシ酪酸を生成する任意の過酸化物であることが出来る。これらは過酸化バリウムのようなアルカリ土類金属過酸化物、過酸化ナトリウムのようなアルカリ金属過酸化物および過酸化水素を包含し、過酸化水素が好ましい。過酸化物の選択は、当業者による選択内に入る。
塩基はアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物から選ばれる。これらは水酸化亜鉛、水酸化カルシウム(ライム)、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、等を包する。塩基の選択は当業者による選択内に入る。
好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムおよび過酸化水素は合計の4−O−結合ヘキソースの1〜2倍のモル当量で用いられる。4倍までのモル当量が用いられることが出来るがしかし所望の生成物の分解を増大させてしまう。ヘキソース源は反応混合物の容量当たり約80重量%迄で、少なくとも約0.05重量%が好ましい。ヘキソース源との塩基の反応は、約5時間未満の間に行われる。反応混合物中の塩基の濃度は、添加中に0.02Mを超えることは許されない。反応は約25℃〜80℃の範囲の温度で行われる。塩基の濃度は約0.005M〜0.02Mが好ましい。過酸化物酸化剤は約0.005M〜0.02Mが好ましい。
3,4−ジヒドロキシ酪酸のアルカリ金属塩(1)の酸性化の際に、以下のとおりの本発明の方法に従って自然環化を受けてガンマ−ラクトン(2)を生成する:
Figure 2005194282
酸の存在下での加熱の際にラクトン(2)は脱水されて不飽和ラクトンを生成する。エタノールの存在下に酢酸中の臭化水素を用いてのラクトン(2)の処理は、キラルな3−ヒドロキシ脂肪酸合成における主要な断片である(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルを容易に生成する。
該ラクトンは、酢酸エチル、メチルエチルケトン、2−プロパノール、1−プロパノール、t−ブタノール、2−ブタノール、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンからなる群から選ばれた有機溶媒中に抽出することにより、形成された副生成物から分離することが出来る。ラクトンが可溶性である任意の有機溶媒が使用されることが出来る。テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、n−プロパノール、ブタノール類またはアセトンが使用されることが出来るけれども、抽出のために好ましい溶媒は酢酸エチルである。極性溶媒は、一層分解した炭水化物不純物を抽出してしまう傾向がある。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基は、内部環式エステル(ラクトン)を、3,4−ジヒドロキシブタン酸(HBA)塩に転換するために用いられることが出来る。HBA塩の塩がラクトンの形成のまえに、単離されるので、この工程は通常は不必要である。
好ましい態様の記載:
材料および方法:
改良された酸化方法において、基質炭水化物の濃度そして本方法の処理量は、生成物を形成するためのそれらの消費の速度が、生成物への効率のよい転換のために必要とされる0.02Mの限界以下であるこれらの試薬の瞬時の濃度を生ずるような速度で、適合されたビューレットまたはポンプを用いると同時に過酸化水素および水酸化ナトリウムを加えることにより、旧来の方法よりも数倍増大されることが出来る。好ましい酸化において、マルトースが500mlの水中に溶解されそしてその混合物は60℃に加熱された。過酸化水素および水酸化ナトリウムは、5時間の期間にわたって同じ速度で加えられた。加熱はさらに1.5時間続けられ、その時間の後のNMR分光分析は、塩としての所望の3,4−ジヒドロキシ酪酸への完全な変換を示した。
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、n−ブロパノール、ブタノール類またはアセトンが用いられることが出来るけれども、ラクトンの抽出のための好ましい溶媒は酢酸エチルである。極性溶媒は一層分解された炭水化物不純物を抽出してしまう傾向がある。
ヒドロキシラクトンのための改良された単離方法において、(使用される水酸化ナトリウムの当量の数に対して)硫酸の1当量は、25℃を超えることが許されない温度で例1の反応混合物に加えられた。溶液は元の容量の1/4に減少されそして残っている容量の3倍に等しい量で(加えられた水酸化ナトリウムの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有するアセトンが加えられそしてその混合物は30分間かき混ぜられた。トルエン、2−プロパノールおよび酢酸エチルがまた使用された。非常に僅かな生成物がトルエン中に抽出された。2−プロパノール中への抽出は優れていたがしかし、生成物の品質は低かった。酢酸エチル中への抽出は良好であった(生成物の約50%まで)が、その物質の品質はプロトンNMRスペクトル中の3.0〜4.0ppmの分解した糖に起因する余分なシグナルの不存在により示されるように優れていた。相を分離させそして上部のアセトン層を回収した。45℃で真空下に濃縮させると、所望の3−ヒドロキシラクトン、若干の硫酸トリエチルアンモニウムそして(4−結合ヘキソース類の場合において)グリコール酸のトリエチルアンモニウム塩を含有するシロップを生成した。
3−ヒドロキシラクトンは、下記の幾つかの方法により単離されることが出来る:
(1) 酢酸エチル中に混合物を再溶解し、そして酢酸ナトリウムの飽和溶液の10容量%を用いて洗浄する(これは好ましかった)。これは硫酸塩およびグリコール酸塩を、酢酸塩と交換させる。酢酸エチル層の濃度は、次の変換のために適当な生成物を提供する。
(2) 混合床樹脂中を通過させることによりあるいは陽イオン交換(H形)および陰イオン交換(OH、酢酸イオンまたは蟻酸イオン)の樹脂中に順次に通過させることにより、荷電された種のすべてが除去されることが出来る。
(3) イオン交換による、蟻酸イオン又は酢酸イオンを用いての交換により、陰イオンだけが除去されることが出来る。蟻酸トリエチルアンモニウムは濃縮中に溶液から排除される。
(4) 電気透析により、荷電された不純物が除去されることが出来る。
(5) 塩基性が低いトリエチルアミンは、その一層高い極性に起因して、水を用いての抽出により混合物から分離されうるトリエタノールアミンのような一層強いアミン塩基により脱プロトン化されることが出来る。
(6) 一層揮発性の高いトリエチルアミンは、トリエタノールアミンのような揮発性がより低いアミン塩基との置き換えにより、反応混合物から除去されることが出来る。
濃度は、直線的に計量されることが出来る。この酸化方法において、任意の4−結合ヘキソースが使用されることが出来る。この段階において、該ジヒドロキシ酸は陰イオン交換クロマトグラフイにより直接に単離されることが出来る。別法として、この段階での3−ヒドロキシラクトンの酸性化、濃縮、および有機溶媒を用いての抽出は、上記クラスの中間体への直接変換のために適当である純度の物質を提供する。
本発明の方法は、早期のHollingsworth単離方法を用いての幾つかの基本的な問題を回避し、上記のクラスの中間体に直接変換することが出来る物質を提供する。それらの問題は下記のとおりであった:
(1) 早期の方法において、環化を行うために、水のすべてが除去されなければならなかった(濃縮時間の約80%は水の最後の20%を除去するために使用される)。
(2) 早期の方法における粘性に関する問題は、本改良方法においてすべての水が除去されないので回避された。
(3) 早期の方法において酸における加熱は着色化を招き、脱水してフラノンを形成することを招く。このことは本発明の改良された方法においては起こらない。
(4) 酢酸エチルを用いての6回の抽出は、早期の方法に関するほどにはもはや必要とされなかった。
(5) 費用のかかる早期の方法におけるような酢酸エチルの代わりにアセトンが使用されることが出来る。
(6) 迅速な相平衡化および抽出中の溶媒分離は、本改良方法においては迅速な且つ連続の溶媒−溶媒抽出が使用出来るようになっている。
NMRスペクトルは、プロトン周波数について300MHzで操作するVarian GEMINI分光計上で記録された。化学シフトは外部TMSに関して与えられる。IRスペクトルは、クロロホルム溶液中でNICOLET 710分光計上で記録された。
(発明を実施するための最良の形態)
例 1:
好ましい酸化において、マルトース(125g)を水の500ml中に溶解し、混合物を60℃に加熱した。過酸化水素(水を用いて100mlに希釈された37.5ml)および水酸化ナトリウム(水を用いて100mlに希釈された31.25g)を5時間の期間にわたって同じ速度で加えた。加熱を、さらに1.5時間続け、その時間の後でのNMR分光分析は所望のジヒドロキシ酸への完全な変換を示した。アルカリ性酸化方法の終わりに25℃の温度を超えないようにしながら、(使用される水酸化ナトリウムの当量の数に対して)1当量の硫酸を加えた。溶液を元の容量の1/4にまで減少させそして例2〜6のように、ラクトンの生成のために5つの等しい量に分割した。
例 2:
アセトンを用いての単離:
反応混合物の3倍に等しい量であり、(反応混合物中のナトリウムイオンの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有するアセトンを加えそして30分間その混合物をかき混ぜた。相を分離させそしてそのトリエチルアンモニウム塩としてジヒドロキシ酪酸を含有する上部のアセトン相を回収した。45℃で真空下で濃縮して環化を行い、所望の3−ヒドロキシラクトン、若干の硫酸トリエチルアンモニウムおよびグリコール酸のトリエチルアンモニウム塩を含有するシロップを生成した。NMR分光分析は、水性層中には所望のジヒドロキシ酪酸生成物が残っていなかったことを示した。
例 3:
酢酸エチルを用いての単離:
反応混合物の3倍に等しい量であり、(反応混合物中のナトリウムイオンの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有する酢酸エチルを加えそして混合物を30分間かき混ぜた。相を分離させそしてそのトリエチルアンモニウム塩としてジヒドロキシ酪酸を含有する上部酢酸エチル層を回収した。低部水性層を酢酸エチルでもう2回抽出した。45℃で減圧下に、合併した酢酸エチル層を濃縮して環化を行い、ほんの少量の硫酸トリエチルアンモニウムおよびグリコール酸のトリエチルアンモニウム塩と共に、所望の3−ヒドロキシラクトンを含有するシロップを生成した。NMR分光分析は、水性層中には所望のジヒドロキシ酪酸生成物が10%未満残っていたことを示した。
例 4:
エチルメチルケトンを用いての単離:
反応混合物の3倍に等しい量であり、(反応混合物中のナトリウムイオンの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有するエチルメチルケトンを加えそして混合物を30分間かき混ぜた。相を分離させそしてそのトリエチルアンモニウム塩としてジヒドロキシ酪酸を含有する上部エチルメチルケトン層を回収した。低部水性層をエチルメチルケトンでもう2回抽出した。45℃で減圧下に、合併したエチルメチルケトン層を濃縮して環化を行い、そして所望の3−ヒドロキシラクトンおよび50モル%未満の硫酸トリエチルアンモニウムおよびグリコール酸トリエチルアンモニウム塩を含有するシロップを生成した。NMR分光分析は水性層中に5%未満の所望のジヒドロキシ酪酸生成物が残っていたことを示した。
例 5:
n−プロパノールを用いての単離:
反応混合物の3倍に等しい量であり、(反応混合物中のナトリウムイオンの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有するn−プロパノールを加え、そして混合物の30分間かき混ぜた。相を分離させ、そしてそのトリエチルアンモニウム塩としてジヒドロキシ酪酸を含有する上部n−プロパノール層を回収した。45℃で減圧下に、n−プロパノール層を濃縮して環化を行いそして所望の3−ヒドロキシラクトンおよび約80モル%の硫酸トリエチルアンモニウムおよびグリコール酸のトリエチルアンモニウム塩を含有するシロップを生成した。NMR分光分析は、n−プロパノール層への水の損失の故に、容量において実質的に減少された水性層中には、所望のジヒドロキシ酪酸生成物が残っていなかったことを示した。n−プロパノール層はまた、認識出来る量の炭水化物物質を含有した。
例 6:
テトラヒドロフランを用いての単離:
反応混合物の3倍に等しい量であり、(反応混合物中のナトリウムイオンの量に対して)1当量のトリエチルアミンを含有するテトラヒドロフランを加えそして混合物を30分間かき混ぜた。相を分離させ、そのトリエチルアンモニウム塩としてジヒドロキシ酪酸を含有する上部テトラヒドロフラン層を回収した。45℃で減圧下に、テトラヒドロフラン層を濃縮して環化を行いそして所望の3−ヒドロキシラクトンおよび約60モル%の硫酸トリエチルアンモニウムおよびグリコール酸のトリエチルアンモニウム塩を含有するシロップを生成した。NMR分光分析は、テトラヒドロフラン層中への水の損失の故に、容量における実質的に減少された水性層中には所望のジヒドロキシ酪酸生成物が残っていなかったことを示した。テトラヒドロフラン層はまた、認識出来る量の炭水化物物質を含有した。
例 9:
マルトデキストリン混合物(Staley製“Stardry 10”マルトデキストリン)の60グラムを水(300ml)中に溶解し、その溶液を60℃に加熱した。水の300ml中に溶解された水酸化ナトリウム(40グラム)および水の300ml中に溶解された過酸化水素(60グラム)を6時間の期間にわたって加熱した溶液に加えた。添加が完了した後に、加熱をさらに3時間続けた。この段階においてNMR分光分析は、グリコール酸および(S)−3,4−ジヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへの、生成物マルトデキストリンの完全な変換を示した。該γ−ラクトンの小さなサンプルの変換後のSupelcoシクロデキストリン結合カラムを用いてのガスクロマトグラフィーによる生成物の光学的純度は、>99.9%であった。生成物への変換は>90%であった。
例 10:
マルトデキストリン(Staley製“Stardry 20”)(2000g、12.3モルのグルコース当量)を3リットルの水に溶解しそしてその溶液を60℃に加熱した。水酸化ナトリウム(988グラム、水を用いて溶解し且つ2リットルに希釈された24.6モル)および過酸化水素(30%溶液の1.4リットル=418gのH22=2リットルに希釈された12.3モル)を6時間にわたってポンプで送り込んだ。加熱をさらに3時間続けた。この段階で、NMR分光分析(図2)は、グリコール酸および(S)−3,4−ジヒドロキシ−γ−ブチロラクトンへの、生成物マルトデキストリンの完全な変換を示した。該γ−ラクトンの小さなサンプルの転換後のSupelcoシクロデキストリン結合カラムを用いるガスクロマトグラフィーによる生成物の光学的純度は、>99.9%であった。生成物への変換は>90%であった。
上記記載は、本発明の例示だけのものであることそして本発明は特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
4−結合グルコースのアルカリ性過酸化物分解のメカニズムを示す。 例10の生成物についてのNMR分光分析を示す。

Claims (28)

  1. 3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸または蟻酸が本質的にそれだけの生成物として形成されるまで、反応混合物中で下記D−またはL−ヘキソースを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基および過酸化物酸化剤と反応させることにより、D−またはL−ヘキソース糖源を、塩としての、3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸に変換させるための方法であって、しかも使用される合計の過酸化物酸化剤および塩基が該D−またはL−ヘキソース源よりも4モル過剰までの範囲にあり、該D−またはL−ヘキソース源が反応混合物の容量当たり重量により約0.05〜80%である該方法において、その改良は、
    反応中の任意の時間において、反応混合物中の過酸化物酸化剤および塩基の濃度が0.02M未満であるように約5時間未満の時間にわたって約25℃〜80℃の温度に加熱しながら、反応混合物に該過酸化物および塩基を加えて塩を形成することからなる、D−またはL−ヘキソース糖源を、塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸及びグリコール酸に変換するための上記方法。
  2. 塩としての、3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸が形成されるまで、D−またはL−グルコース源を、反応混合物中で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基および過酸化物酸化剤と反応させることにより、D−またはL−グルコース源を、塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸に変換する方法であって、しかも過酸化物酸化剤および塩基がD−またはL−グルコース源よりも4モル過剰までの範囲で存在し、該D−またはL−グルコース源が反応混合物の容量当たり約0.05〜80重量%にある上記方法において、その改良は、
    反応中の任意の時間において反応混合物中の過酸化物酸化剤および塩基の濃度が0.02M未満であるように、約5時間未満の時間にわたって約25℃〜80℃の温度に加熱しながら反応混合物に該過酸化物および塩基を加えて塩を生成することからなる、D−またはL−グルコースを塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸に変換するための上記方法。
  3. D−またはL−ヘキソース糖源がマルトース、ラクトース、セロビオース、セル−オリゴ糖類、マルトデキストリン類、でんぷん、でんぷん加水分解物およびセルロースからなる群から選ばれる、請求項1の方法。
  4. D−またはL−グルコース源がD−グルコース源でありそして3,4−ジヒドロキシ酪酸が(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸である、請求項2の方法。
  5. D−またはL−グルコース源が、ラクトース、マルトース、ヘキソース、マルトデキストリン類、でんぷん、でんぷん加水分解物およびセルロースからなる群から選ばれる、請求項2の方法。
  6. 塩基が約0.005M〜0.02Mでありそして過酸化物酸化剤が約0.005M〜0.02Mである、請求項1または2の方法。
  7. 過酸化物酸化剤がアルカリ金属過酸化物、アルカリ土類金属過酸化物および過酸化水素からなる群から選ばれる、請求項1または2の方法。
  8. 塩基が水酸化ナトリウムであり、その水酸化ナトリウムが約0.005M〜0.02Mでありそして過酸化物酸化剤が約0.005M〜0.02Mである、請求項1または2の方法。
  9. 塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸が反応混合物から分離される、請求項1または2の方法。
  10. グリコール酸が蒸留により反応混合物から分離される、請求項2の方法。
  11. 反応が少なくとも約2時間行われる、請求項4の方法。
  12. 反応が約3〜5時間約60℃で行われる、請求項11の方法。
  13. (a)約25℃〜80℃の温度で加熱しながら、反応中の任意の時間で反応混合物中の過酸化物酸化剤および下記塩基の濃度が約0.02M未満であるように、約5時間未満である或る時間にわたって反応混合物に過酸化物酸化剤および下記塩基を加えることにより、D−またはL−ヘキソース源から塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸が本質的にそれだけの生成物として形成されるまで、D−またはL−ヘキソース源を、反応混合物中で、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた塩基および過酸化物酸化剤と反応させて塩を形成し、しかも過酸化物酸化剤および上記塩基はD−またはL−ヘキソース源よりも4モル過剰までの範囲で存在し、該D−またはL−ヘキソース源は反応混合物の容量当たり約0.05〜80重量%であり;そして
    (b)反応混合物を酸性化して内部環式エステルを生成する;
    ことからなるD−又はL−ヘキソース源を内部環式エステルに変換する方法。
  14. (a)約25℃〜80℃の温度で加熱しながら、反応中の任意の時間において反応混合物中の各々の濃度が0.02M未満であるように、約3時間未満である或る時間にわたって反応混合物に過酸化物酸化剤および下記塩基を加えることにより、D−またはL−ヘキソース源から塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸およびグリコール酸あるいは塩としての3,4−ジヒドロキシ酪酸および蟻酸が本質的にそれだけの生成物として形成されるまで、反応混合物中でD−またはL−ヘキソース源を、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれた第1塩基および過酸化物酸化剤と反応させて塩を形成し、しかも過酸化物酸化剤および前記塩基がD−またはL−ヘキソースよりも4モル過剰までの範囲で存在し、該D−またはL−ヘキソース源が反応混合物の容量あたり約0.05〜80重量%であり;
    (b)反応混合物を酸性化して内部環式エステルを生成し;そして
    (c)アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選ばれた第2塩基と共に該内部環式エステルを加熱して塩としての3,4−ジヒドロキシブタン酸を生成する;
    ことからなるD−またはL−ヘキソース源を、塩としての3,4−ジヒドロキシブタン酸に変換する方法。
  15. 内部環式エステルがラクトンである、請求項13または14の方法。
  16. 生成した内部環式エステルが蒸留により反応混合物から取り出される、請求項13または14の方法。
  17. D−またはL−ヘキソース源がD−またはL−グルコース源である、請求項13または14の方法。
  18. D−またはL−ヘキソース源がマルトース、ラクトース、マルトデキストリン、でんぷん、でんぷん加水分解物およびセルロースからなる群から選ばれる、請求項13または14の方法。
  19. 塩基が水酸化ナトリウムであり、その水酸化ナトリウムが約0.005M〜0.02Mでありそして過酸化物酸化剤が過酸化水素でありそして約0.005M〜0.02Mである、請求項13または14の方法。
  20. 3,4−ジヒドロキシ酪酸が(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸であり、反応混合物が工程(b)において酸性化され且つ加熱されて内部環式エステルとして(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸ガンマ−ラクトンを生成する、請求項13の方法。
  21. ガンマ−ラクトンが反応混合物の蒸留により2(5H)−フラノンに変換されて蒸留物として2(5H)−フラノンを生成する、請求項20の方法。
  22. ガンマ−ラクトンがアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれた第2塩基と共に加熱されて3,4−ジヒドロキシブタン酸塩を生成する、請求項20の方法。
  23. アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムでありそして塩がナトリウム塩である、請求項22の方法。
  24. 3,4−ジヒドロキシブタン酸が(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸でありそして環式内部エステルが(S)−3,4−ジヒドロキシブタン酸ガンマ−ラクトンである、請求項14の方法。
  25. 内部環式エステルが工程(c)において反応混合物から分離される、請求項14の方法。
  26. 工程(a)における反応が少なくとも約2時間行われる、請求項14の方法。
  27. 反応が約3〜5時間約60℃で行われる、請求項26の方法。
  28. 工程(a)においての及び工程(c)においての塩基が水酸化ナトリウムである、請求項27の方法。
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