JP2005193329A - 歩行ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御手段8が複数の脚機構を順番に胴体1の前方に繰り出させる通常歩行モードと、前脚機構については関節部の角度を固定してローラ264、364のみを歩行面に接地させ、後脚機構については関節部の角度を制御して順番に胴体1の前方に繰り出させる高速歩行モードとを備える。
【選択図】図6
Description
このような歩行ロボットでは、4脚の脚機構によって移動時や停止時におけるバランスを容易に取ることができる。したがって、歩行面に凹凸や段差等の障害があっても歩行することができる。
しかし、4脚の脚機構における関節部の角度を所定のタイミングで制御して、4脚の脚機構を順番に胴体の前方に繰り出させる必要があるため、移動速度には限界があり、高速移動が困難である。
図1はこの発明の実施の形態1による歩行ロボットを示す要部斜視図であり、図2はこの発明の実施の形態1による歩行ロボットの歩行状態を示す側面図である。
図において、本体部である胴体1は剛体で形成され、左前脚機構2,右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5により支持されている。胴体1には脚機構2〜4における関節部の角度を所定のタイミングで制御する制御手段8(図2を参照)やバッテリ等の電源(図示せず)が内蔵されている。
上肢フレーム24の上端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部21が設置されており、上肢フレーム24は関節部21を介して胴体1に回動自在に接続されている。関節部21は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、上肢フレーム24を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム24の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部22が設置されており、上肢フレーム24は関節部22を介して下肢フレーム25の上端部に接続されている。関節部22は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、下肢フレーム25を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
下肢フレーム25の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部23が設置されている。関節部23はアーム261を介して足部26に接続されており、胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、足部26を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム34の上端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部31が設置されており、上肢フレーム34は関節部31を介して胴体1に回動自在に接続されている。関節部31は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、上肢フレーム34を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム34の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部32が設置されており、上肢フレーム34は関節部32を介して下肢フレーム35の上端部に接続されている。関節部32は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、下肢フレーム35を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
下肢フレーム35の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部33が設置されている。関節部33はアーム361を介して足部36に接続されており、胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、足部36を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム44の上端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部41が設置されており、上肢フレーム44は関節部41を介して胴体1に回動自在に接続されている。関節部41は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、上肢フレーム44を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム44の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部42が設置されており、上肢フレーム44は関節部42を介して下肢フレーム45の上端部に接続されている。関節部42は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、下肢フレーム45を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
下肢フレーム45の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部43が設置されている。関節部43はアーム461を介して足部46に接続されており、胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、足部46を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム54の上端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部51が設置されており、上肢フレーム54は関節部51を介して胴体1に回動自在に接続されている。関節部51は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、上肢フレーム54を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
上肢フレーム54の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部52が設置されており、上肢フレーム54は関節部52を介して下肢フレーム55の上端部に接続されている。関節部52は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、下肢フレーム55を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
下肢フレーム55の下端部には、アクチュエータや減速機構などからなる関節部53が設置されている。関節部53はアーム561を介して足部56に接続されており、胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、足部56を胴体1の前後方向に任意角度回動することが可能な構成となっている。
首機構6の下端には、アクチュエータや減速機構などからなる首関節に相当する関節部61が接続されており、首機構6は関節部61を介して胴体1に回動自在に接続されている。関節部61は胴体1の前後方向を含む鉛直面内で回動する1自由度を有し、首機構6を胴体1の前後方向に任意角度回動することができる。
首機構6の上端には、アクチュエータや減速機構などからなる首関節に相当する関節部62が接続されており、首機構6は関節部62を介して頭部7を支持している。関節部62は首機構6の伸長方向軸回りに回動可能な1自由度を有する。
頭部7は関節部61,62により、胴体1の前後方向および左右方向に回動することが可能となる。
図において、関節部23は関節軸230と、軸受け231と、出力ギア232と、減速ギア234a,234b,235,236と、アクチュエータであるモータ237と、ピニオンギア238と、ブレーキ239とから構成されている。
減速ギア234a,234b,235,236は、それぞれ回転可能に下肢フレーム25に保持され、それぞれの小歯車と大歯車が噛合することによって減速機構を形成し、小歯車である減速ギア234aは出力ギア232に噛合する。
アクチュエータであるモータ237は下肢フレーム25に保持され、その回転軸にはピニオンギア238が固定されている。また、ピニオンギア238は大歯車である減速ギア234bに噛合する。
ブレーキ239は下肢フレーム25に保持され、ブレーキ239のブレーキパッド239aが減速ギア236を挟み込むことにより減速機構を制動する。
なお、関節部21,22の構成は、上述した関節部23と同様の構成であるため説明を省略する。
アーム261は関節部23の関節軸230に固定され、その一端が足フレーム262に接続されている。弾性部材263は足フレーム262に貼付され、ローラ264は回転軸265に固定されている。
回転軸265は軸受け266を介して足フレーム262に回転可能に保持されている。
なお、足フレーム262に貼付された弾性部材263が歩行面に均一に接地した状態においては、ローラ264は歩行面から離間した状態に保持される。
最初に、制御手段8が左前脚機構2,右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5を順番に胴体1の前方に繰り出させる通常歩行モードによって、歩行ロボットを移動させる場合の動作を説明する。通常歩行モードは、例えば、歩行面に凹凸や段差等の障害がある場合に選択される。
まず、歩行ロボットの歩行時には、制御手段8が左前脚機構2,右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5に設置された関節部21〜23,31〜33,41〜43,51〜53を制御して、図2に示すように、胴体1を支持する。関節部21〜23等の制御内容については後述する。
制御手段8は、右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5の関節部33,43,53についても、左前脚機構2の関節部23と同様に制御することにより、弾性部材363,463,563を歩行面に接地させて、ローラ364,464,564を歩行面から離間させる。
例えば、図2に示す状態から矢印A方向に移動する場合、胴体1に対して相対的に後退している右前脚機構3を前方に繰り出す動作を行う。
即ち、制御手段8が右前脚機構3の関節部31,32,33を制御して、足部36の弾性部材363を歩行面から離間させる。このとき、左前脚機構2,左後脚機構4及び右後脚機構5が胴体1を支持している。
右前脚機構3の遊脚動作が終了すると、上記と同様にして、左後脚機構4,左前脚機構2,右後脚機構5の順に繰り出し動作を実施しつつ、遊脚以外の脚機構で胴体1を支持して、胴体1を送り出すことにより、図2に示す状態にあった歩行ロボットが矢印A方向に移動する。これらの動作を繰り返すことにより、歩行ロボットの移動が実現する。
まず、制御手段8は、図6及び図7に示すように、支持脚となる左前脚機構2のローラ264を歩行面に接地させて、弾性部材263が歩行面から離間するように、関節部21,22,23を制御する。
同様に支持脚となる右前脚機構3のローラ364を歩行面に接地させて、弾性部材363が歩行面から離間するように、関節部31,32,33を制御する。
制御手段8は、左前脚機構2の関節部22,23と、右前脚機構3の関節部31,32,33についても同様に、図示しないブレーキを作動させて関節軸の角度を固定する。
このとき、左前脚機構2及び右前脚機構3は、回転自在なローラ264,364によって歩行面に接地されているが、関節部21,22,23,31,32,33の角度が全て保持されているので、ロボット本体の自重により左前脚機構2及び右前脚機構3が矢印C方向に回動して倒れる恐れはない。
同様に、駆動脚となる右後脚機構5の弾性部材563を歩行面に接地させて、ローラ564が歩行面から離間するように、関節部51,52,53を制御する。
次に、制御手段8は、胴体1に対して相対的に後退している左後脚機構4を前方に繰り出す動作を行う。このとき、左後脚機構4は遊脚となり、足部46の弾性部材463が歩行面から離間するので、左前脚機構2,右前脚機構3及び右後脚機構5が胴体1を支持する。
左前脚機構2及び右前脚機構3は、回転自在に支持されているローラ264,364によって歩行面に接地されているので、右後脚機構5の動作により、胴体1が左前脚機構2及び右前脚機構3とともに矢印A方向に前進する。
左後脚機構4の遊脚動作が終了すると、上記と同様にして、右後脚機構5を遊脚として繰り出し動作を行いつつ、駆動脚となる左後脚機構4を胴体1に対して相対的に後退する方向に移動させることにより、胴体1が矢印A方向に移動する。これらの動作を繰り返すことにより、歩行ロボットは後脚機構4,5の関節41〜43,51〜53を制御するのみで高速に移動することが可能となる。
ただし、関節部21〜23,31〜33,41〜43,51〜53の制御内容は同様であるため、図3及び図4を参照し、関節部23を例にとって説明する。
制御手段8が関節部23を駆動する場合、モータ237に所定の電流を印加することにより、モータ237の回転軸に固定されたピニオンギア238を回転駆動する。
ピニオンギア238の回転は、減速ギア236,235,234b,234aにより減速されながら、回動可能に保持された関節軸230に固定された出力ギア232に伝達され、その結果、出力ギア232が回転駆動する。関節軸230にはアーム261が固定されているので、モータ237への電流の印加により、アーム261が矢印B方向に回動する。
制御手段8がブレーキ239を作動させてブレーキパッド239aにより減速ギア236を挟持した場合には、モータ237への電流の印加を中止しても関節部23の角度は保持される。
即ち、この実施の形態1による歩行ロボットは、通常の歩行時には4脚を使用することにより安定した歩行が可能なため、凹凸等の不整地を移動することが可能になる。一方、略平面を歩行する場合には、後脚の関節を制御するのみで移動が可能であるため、4脚を順に繰り出す歩行に比して高速な移動が可能となる。また、略平面を移動する場合に、前脚の関節をブレーキにより保持し、モータによる関節駆動は行わないので、移動時の消費電力を低減することもできる。
また、この実施の形態1では、略平面を高速移動する際に、例えば、左後脚機構3が遊脚となるときに、弾性部材363が歩行面から離間するように繰り出す動作を示したが、左後脚機構3のローラ364を歩行面に接地させるようにしても、繰り出し動作に支障をきたすことはない。
さらに、この実施の形態1では、略平面を高速移動する際、左後脚機構4及び右後脚機構5が駆動脚となるものについて示したが、左前脚機構2及び右前脚機構3が駆動脚となり、左後脚機構4及び右後脚機構5がローラ464,564で接地する支持脚としてもよく、同様の効果を奏することができる。
図9はこの発明の実施の形態2による歩行ロボットの歩行状態を示す側面図である。
また、図10は図9の左前脚機構2の先端部を示す要部断面側面図であり、図11は図9の左前脚機構2の先端部を示す要部正面図であり、図12は図9の左前脚機構2におけるローラを示す要部断面後方視図である。図において、図2〜図5と同一符号は同一または相当部分を示しているので説明を省略している。
なお、図11〜図12では左前脚機構2の詳細構成を示しているが、右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5の詳細構成は、左前脚機構2の詳細構成と同様であるため説明を省略する。
アーム2601は関節部23の関節軸230に固定され、その一端が足フレーム2602に接続されている。ローラ2603はワンウェイクラッチ2604を介して矢印D方向にのみ回転可能に支軸2605に支持されている。支軸2605は足フレーム2602に固定され、カバー2606はアーム2601に保持されている。
最初に、制御手段8が左前脚機構2,右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5を順番に胴体1の前方に繰り出させる通常歩行モードによって、歩行ロボットを移動させる場合の動作を説明する。通常歩行モードは、例えば、歩行面に凹凸や段差等の障害がある場合に選択される。
まず、歩行ロボットの歩行時には、制御手段8が左前脚機構2,右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5に設置された関節部21〜23,31〜33,41〜43,51〜53を制御して、図9に示すように、胴体1を支持する。
制御手段8は、右前脚機構3,左後脚機構4及び右後脚機構5の関節部33,43,53についても、左前脚機構2の関節部23と同様に制御することにより、足部36,46,56のローラ3603,4603,5603を歩行面に接地させる。
例えば、図9に示す状態から矢印A方向に移動する場合、胴体1に対して相対的に後退している右前脚機構3を前方に繰り出す動作を行う。
即ち、制御手段8が右前脚機構3の関節部31,32,33を制御して、足部36のローラ3603を歩行面から離間させる。このとき、左前脚機構2,左後脚機構4及び右後脚機構5が胴体1を支持している。
なお、関節部21〜23,41〜43,51〜53による胴体1の送り出し動作により、接地しているローラ2603,4603,5603が矢印A方向と逆方向に歩行面を転がろうとするが、ローラ2603,4603,5603はワンウェイクラッチ2604等により回転が規制されるので、ローラ2603,4603,5603は歩行面を転がらず、相対的に胴体1を矢印A方向に送り出すことができる。
右前脚機構3の遊脚動作が終了すると、上記と同様にして、左後脚機構4,左前脚機構2,右後脚機構5の順に繰り出し動作を実施しつつ、遊脚以外の脚機構で胴体1を支持して、胴体1を送り出すことにより、図9に示す状態にあった歩行ロボットが矢印A方向に移動する。これらの動作を繰り返すことにより、歩行ロボットの移動が実現する。
まず、制御手段8は、図13に示すように、支持脚となる左前脚機構2のローラ2603が歩行面に接地するように、関節部21,22,23を制御する。
同様に支持脚となる右前脚機構3のローラ3603が歩行面に接地するように、関節部31,32,33を制御する。
制御手段8は、左前脚機構2の関節部22,23と、右前脚機構3の関節部31,32,33についても同様に、図示しないブレーキを作動させて関節軸の角度を固定する。
このとき、左前脚機構2及び右前脚機構3は、回転自在なローラ264,364によって歩行面に接地されているが、関節部21,22,23,31,32,33の角度が全て保持されているので、ロボット本体の自重により左前脚機構2及び右前脚機構3が矢印C方向に回動して倒れる恐れはない。
同様に、駆動脚となる右後脚機構5のローラ5603が歩行面に接地するように、関節部51,52,53を制御する。
次に、制御手段8は、胴体1に対して相対的に後退している左後脚機構4を前方に繰り出す動作を行う。このとき、左後脚機構4は遊脚となり、足部46のローラ4603が歩行面から離間するので、左前脚機構2,右前脚機構3及び右後脚機構5が胴体1を支持する。
なお、関節部51,52,53による胴体1の送り出し動作により、接地しているローラ5603が矢印A方向と逆方向に歩行面を転がろうとするが、ローラ5603はワンウェイクラッチにより回転が規制されるので、ローラ5603は歩行面を転がらず、相対的に胴体1を矢印A方向に送り出すことができる。
左前脚機構2及び右前脚機構3は、矢印D方向に回転自在に支持されているローラ2603,3603によって歩行面に接地されているので(図10を参照)、右後脚機構5の動作により、胴体1が左前脚機構2及び右前脚機構3とともに矢印A方向に前進する。
左後脚機構4の遊脚動作が終了すると、上記と同様にして、右後脚機構5を遊脚として繰り出し動作を行いつつ、駆動脚となる左後脚機構4を胴体1に対して相対的に後退する方向に移動させることにより、胴体1が矢印A方向に移動する。これらの動作を繰り返すことにより、歩行ロボットは後脚機構4,5の関節41〜43,51〜53を制御するのみで高速に移動することが可能となる。
即ち、この実施の形態2による歩行ロボットは、通常の歩行時には4脚を使用することにより安定した歩行が可能なため、凹凸等の不整地を移動することが可能になる。一方、略平面を歩行する場合には、後脚の関節を制御するのみで移動が可能であるため、4脚を順に繰り出す歩行に比して高速な移動が可能となる。また、略平面を移動する場合に、前脚の関節をブレーキにより保持し、モータによる関節駆動は行わないので、移動時の消費電力を低減することもできる。
また、この実施の形態2では、略平面を高速移動する場合、駆動脚となる左後脚機構4及び右後脚機構5にもローラ4603,5603をワンウェイクラッチを介して支持するものについて示したが、駆動脚となる左後脚機構4及び右後脚機構5のローラ4603,5603は、回転しない弾性部材などで形成してもよい。
この実施の形態3では、通常歩行モードによって歩行ロボットを移動させる場合には、上記実施の形態1と同様に、4脚を交互に遊脚として繰り出すことにより、歩行ロボットを移動させる。
また、高速歩行モードによって歩行ロボットを移動させる場合にも、上記実施の形態1と同様に、支持脚となる左前脚機構2及び右前脚機構3のローラ264,364を歩行面に接地させるとともに、駆動脚となる左後脚機構4及び右後脚機構5を交互に遊脚として繰り出すことにより、歩行ロボットを移動させる。
しかし、この実施の形態3では、制御手段8は、高速歩行モードにおいて胴体1が前方(歩行方向)に慣性を有すると、図14に示すように、駆動脚となる左後脚機構4及び右後脚機構5の関節部41〜43,51〜53の角度を固定してローラ464,564のみを歩行面に接地させるようにする。
まず、制御手段8は、図6に示すように、支持脚となる左前脚機構2のローラ264を歩行面に接地させて、弾性部材263が歩行面から離間するように、関節部21,22,23を制御する。
同様に支持脚となる右前脚機構3のローラ364を歩行面に接地させて、弾性部材363が歩行面から離間するように、関節部31,32,33を制御する。
制御手段8は、左前脚機構2の関節部22,23と、右前脚機構3の関節部31,32,33についても同様に、図示しないブレーキを作動させて関節軸の角度を固定する。
このとき、左前脚機構2及び右前脚機構3は、回転自在なローラ264,364によって歩行面に接地されているが、関節部21,22,23,31,32,33の角度が全て保持されているので、ロボット本体の自重により左前脚機構2及び右前脚機構3が矢印C方向に回動して倒れる恐れはない。
同様に、駆動脚となる右後脚機構5の弾性部材563を歩行面に接地させて、ローラ564が歩行面から離間するように、関節部51,52,53を制御する。
次に、制御手段8は、胴体1に対して相対的に後退している左後脚機構4を前方に繰り出す動作を行う。このとき、左後脚機構4は遊脚となり、足部46の弾性部材463が歩行面から離間するので、左前脚機構2,右前脚機構3及び右後脚機構5が胴体1を支持する。
左前脚機構2及び右前脚機構3は、回転自在に支持されているローラ264,364によって歩行面に接地されているので、右後脚機構5の動作により、胴体1が左前脚機構2及び右前脚機構3とともに矢印A方向に前進する。
左後脚機構4の遊脚動作が終了すると、上記と同様にして、右後脚機構5を遊脚として繰り出し動作を行いつつ、駆動脚となる左後脚機構4を胴体1に対して相対的に後退する方向に移動させることにより、胴体1が矢印A方向に移動する。これらの動作を繰り返すことにより、歩行ロボットは矢印A方向に一定速度で移動を継続し、歩行ロボットは矢印A方向への慣性エネルギーを保有することとなる。
これにより、全ての脚機構は、ローラ264,364,464,564のみにより接地されるので、歩行ロボットが有する矢印A方向への慣性エネルギーにより、胴体1は矢印A方向に移動する。
なお、ローラ264,364,464,564の回転抵抗等によって、胴体1の移動速度が低下した後は、再度、上記動作を繰り返すことにより、継続して移動させることができる。
上記実施の形態1〜3では、ローラ264,364,464,564,2603,3603,4603,5603を、各脚機構の最下端である足裏部に設置するものについて示したが、設置場所は足裏部に限定するものではない。例えば、図15に示すように、脚機構のうち下肢フレーム25の上端25aにローラ2501を設けてもよく、上記実施の形態1〜3と同様の効果を奏することができる。
この場合、ローラ2501を接地する体勢として、例えば、図16に示すような体勢が考えられる。なお、ローラの設置場所は、図15に示す下肢フレームの上端には限定されず、脚機構の何れの箇所でもよい。
上記実施の形態1〜3では、通常歩行モード又は高速歩行モードによって歩行ロボットを移動させるものについて示したが、制御手段8が通常歩行モード又は高速歩行モードを選択する際、歩行面の路面状況に応じて通常歩行モード又は高速歩行モードを選択するようにしてもよい。
具体的には、例えば、頭部7に監視カメラを搭載し、制御手段8が監視カメラにより撮像された映像を監視して、ロボット前方の歩行面に凹凸や段差等の障害が存在するか否かを判定する。
そして、制御手段8は、凹凸や段差等の障害が存在すると判定する場合には通常歩行モードを選択し、凹凸や段差等の障害が存在しないと判定する場合には高速歩行モードを選択するようにする。
この実施の形態5によれば、ユーザが通常歩行モード又は高速歩行モードを選択しなくても、自動的に適正なモードを選択することができる効果を奏する。
Claims (6)
- 胴体に回動自在に接続されている複数の脚機構における関節部の角度を所定のタイミングで制御することによって、上記胴体を移動させる制御手段を有する歩行ロボットにおいて、上記制御手段が上記複数の脚機構を順番に上記胴体の歩行方向に繰り出させる通常歩行モードと、所定の脚機構については関節部の角度を固定してローラのみを歩行面に接地させ、他の脚機構については関節部の角度を制御して順番に上記胴体の歩行方向に繰り出させる高速歩行モードとを備えていることを特徴とする歩行ロボット。
- 制御手段は、4脚の脚機構が胴体に接続されている場合、高速歩行モードでは、上記胴体の前側に接続されている2脚の脚機構については関節部の角度を固定してローラのみを歩行面に接地させ、上記胴体の後側に接続されている2脚の脚機構については関節部の角度を制御して交互に上記胴体の歩行方向に繰り出させることを特徴とする請求項1記載の歩行ロボット。
- 制御手段は、4脚の脚機構が胴体に接続されている場合、高速歩行モードでは、上記胴体の後側に接続されている2脚の脚機構については関節部の角度を固定してローラのみを歩行面に接地させ、上記胴体の前側に接続されている2脚の脚機構については関節部の角度を制御して交互に上記胴体の歩行方向に繰り出させることを特徴とする請求項1記載の歩行ロボット。
- 制御手段は、高速歩行モードにおいて胴体が歩行方向に慣性を有すると、他の脚機構の関節部の角度を固定してローラのみを歩行面に接地させることを特徴とする請求項1記載の歩行ロボット。
- ローラは、ワンウェイクラッチを介して一方向のみに回転自在に脚機構に保持されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の歩行ロボット。
- 制御手段は、歩行面の路面状況に応じて通常歩行モード又は高速歩行モードを選択することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の歩行ロボット。
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