JP2005193109A - 塗工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オフセットグラビアコータを構成するグラビアロール、オフセットロール、およびバックアップロールの回転精度を向上させることができ、均一な塗工が可能となる塗工装置を提供する。
【解決手段】 基材Wに塗工液を塗布する塗工装置1が、装置本体2に設けられたオフセットグラビアコータ10を備え、オフセットグラビアコータ10は、最下部に配置されるグラビアロール12と、グラビアロール12の上方に配置されるオフセットロール13と、このオフセットロール13の上方に配置され被塗工材Wをオフセットロール13に押圧するバックアップロール14とを含み構成され、グラビアロール12、オフセットロール13およびバックアップロール14がそれぞれACベクトルモータ19,29,39により単独駆動可能となっている。
【選択図】 図1
Description
この塗工装置のグラビアコータは、表面に彫刻が施されたロール(グラビアロール)を用いるコーティング方式であり、ロール駆動装置により、グラビアロールからオフセットロールを介して紙等の基材に塗工液を伝達させる方式である。
このロールコータのロール駆動装置は、アプリケータロールとピックアップロールとの圧接力を圧接力調節機構により調整できるようになっており、アプリケータロールをバックアップロールへ、ピックアップロールをアプリケータロールへ、それぞれ最適な圧接力で圧接させるようになっている。
ここで、ピックアップロール、アプリケータロール、およびバックアップロールの回転駆動としては、例えば、図9に示すような駆動機構により行われることが考えられる。
ウォーム減速機93とユニバーサルジョイント96との間には電磁クラッチ99が設けられ、また、ウォーム減速機95は電磁クラッチ99で駆動が切り離し可能となっている。さらに、ウォーム減速機93,94には、それぞれ変速機100が接続されている。そして、各ウォーム減速機93,94,95には、平ベルトまたはタイミングベルトが段掛けされている。
なお、バックアップロール14とオフセットロール13との間には、被塗工材としての紙等の基材Wが挟まれ、ガイドロール21によりガイドされて移送される。
図1には、本実施形態の塗工装置1の全体が概略図として示されており、この塗工装置1は、オフセットグラビアコータ10を備えている。
なお、この図1において、前記従来例と同一部材および同一構成には同一符号を付すとともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
バックアップロール14は、等速ボールジョイント36、ウォーム減速機37、およびカップリング38を介して前記ACベクトルモータ39と接続されている。また、バックアップロール14、およびオフセットロール13は、それぞれ昇降可能となっており、バックアップロール14とオフセットロール13との間の隙間には、被塗工材である紙等の基材Wを差し込むことができるようになっている。
なお、被塗工材は、紙に限らず、プラスチックフィルム等を用いることができる。
塗工作業のライン走行は、図示しないACベクトルモータの駆動で行われ、このACベクトルモータは、前記ACベクトルモータ19,29,39と同一のものが使用されている。また、オフセットグラビアコータ10のコータ部におけるライン運転の基準がバックアップロール14とされ、このバックアップロール14用のACベクトルモータ39を基準にして、オフセットロール13およびグラビアロール12用のACベクトルモータ29,19を任意に変速可能となっている。従って、各ロール12,13,14を、それぞれ単独で、かつ高精度な回転精度で運転できるようになっている。
また、基材Wのライン上には適宜前記ガイドロール21が配置されている。
装置本体2は、基台3と、この基台3上に所定幅をあけ、互いに対向して立設された一対の側板4と、これらの側板4同士の上部、下部および側面間に架けわたされ側板4同士を連結する連結部材5とを含み構成されている。
第1支持台41は、図4に詳細を示すように、前方が側面視略U字状に形成され、この略U字状部に前記軸受42が設けられている。第1支持台41のU字の開口側端部には、断面L字状の軸受押え部材43が軸受42の側面を押さえて取り付けられ、グラビアロール12が第1支持台41から外れないようになっている。
従って、軸受押え部材43を取り外せば、グラビアロール12を軸受押え部材43のU字部から手前に引き出すことができ、また、ガイドレール44に沿ってストッパ45に当接するまで移動させることができる。その結果、グラビアロール12は交換可能となっている。
オフセットロール13は、軸受52に支持される両端の細径の軸端部13Aと、中央部の太径かつ所定長さの軸本体部13Bとを有しており、この軸本体部13Bの外周には、所定厚さのゴムが張られている。
バックアップロール14は、軸受62に支持される両端の細径の軸端部14Aと、中央部の太径かつ所定長さの軸本体部14Bとを有している。
なお、液槽11の長さは、グラビアロール12の軸本体部12Bの長さより長く形成されている。
また、側板4において前記第1支持台41が設けられた部位間には、図3に示すように、ブレード取り付け台32が架けわたされ、このブレード取り付け台32には、前記グラビアロール12に付着した余分の塗工液を掻き取るブレード33が設けられている。
また、第1移動部材48の上端面には前記第1シリンダ49が連結されている。この第1シリンダ49は、第1取付部材50を介して側板4の略U字の前記垂直端面4Aに取り付けられている。
従って、第1シリンダ49を駆動させることにより、第1移動部材48が第1ガイドレール46に沿って上下方向に移動可能となっている。
また、軸受押さえ部材53の前端面には、測定子が上下方向にスライド可能にダイヤルゲージ71が取り付けられている。
このような第2移動部材58の第2ガイドレール56側端面には前記ガイド47が取り付けられており、その内側両側面が、第2ガイドレール56の両側面とスライド可能に係合している。そして、このようなガイド47は、第2移動部材58の上下にそれぞれ設けられている。
従って、第2シリンダ59を駆動させることにより、第2移動部材58および第3支持台61、ひいてはバックアップロール14が、第2ガイドレール56に沿って上下方向に移動可能となっている。
また、第3支持台61の蓋部材63の前面には、前記ダイヤルゲージ71が取り付けられており、このダイヤルゲージ71の測定子は上下方向にスライド可能となっている。
すなわち、ロール位置決め装置70は、グラビアロール12とオフセットロール13との間、およびオフセットロール13とバックアップロール14との間にそれぞれ設けられている。ロール位置決め装置70は、図4に詳細を示すように、レール部材72を備えて構成され、このレール部材72は、細長形状の板部材で形成されるとともに、それぞれが前記第1支持台41の前方上端部と、第2支持台51の前方上端部とに設けられている。このレール部材72の上端部は、第1支持台41の上端面、および第2支持台51の上端面からわずかに突出するとともに、各支持台41,51の厚さ方向両側面を挟み込んで固定されている。このため、第1支持台41の上端面とレール部材72の上端部、および第2支持台51の上端面とレール部材72の上端部とで囲まれた部位によりレールが構成されている。
このスライド部材75の上面には、コッター76が固着されている。このコッター76は、その上面が、前記第2支持台51および第3支持台61の下面の各傾斜面51A,61Aと同一方向に傾斜する傾斜面となっており、コッター76の上面と、第2支持台51および第3支持台61の下面の傾斜面51A,61Aとは係合可能となっている。
そして、以上のような軸受ボックス73の上端面には、計測手段としての前記ダイヤルゲージ71の測定子が接触可能となっている。
固定具77の上部には、すり割り部77Aを突っ切って雌ねじが切られ、この雌ねじに螺合するねじ部を有するハンドル78が設けられている。
また、ボールねじ74の固定具77側の先端には、ボールねじ74を回転させる丸ハンドル79が装着されている。従って、固定具77のハンドル78を緩めておいて、丸ハンドル79を回すことにより、ボールねじ74が回り、スライド部材75が前後動するようになっている。
その後、スライド部材75が前進するように丸ハンドル79を回すと、スライド部材75の前進に連れてスライド部材75の上面に設けられたコッター76が前進し、その上面が第2支持台51の下面の傾斜面51Aと係合して、第2支持台51を上方に押し上げる。つまり、オフセットロール13が上昇する。
そして、オフセットロール13の上方への移動量は、ダイヤルゲージ71によって計測、表示される。
そして、バックアップロール14の上方への移動量は、ダイヤルゲージ71によって計測、表示される。
ロール交換装置80は、塗工作業を休止している際に、オフセットロール13またはバックアップロール14をそれぞれ別個に引き出して、それらを、新しいロール、仕様の異なるロール等と交換できるようになっている。このロール交換装置80は、上下方向においてそれぞれ交換可能な位置に移動されたオフセットロール13、またはバックアップロール14をそれぞれ載置する一対のガイドレール81,82を備えている。これらのガイドレール81,82は、先端にストッパ84を有し、前記グラビアロール12の交換用ガイドレール44とほぼ同じ構造であるが、ガイドレール44と異なり、スライド自在となっている。
この収容ボックス83内には、各ガイドレール81,82をスライド移動させるための図示しないガイドが設けられている。また、各ガイドレール81,82上にそれぞれオフセットロール13、バックアップロール14を載置させ、それぞれのレール81,82を個別に引き出したとき、収容ボックス83内でそれらのレール81,82の一端部を強固に固定できる構造となっている。
交換後は、ガイドレール81を第2支持台51側に押し、オフセットロール13を第2支持台51のU字部内に装着し、次いで、軸受押え部材53を取り付ける。そして、ガイドレール81を押し込んで収容ボックス83内に収容する。その後、第1シリンダ49 を駆動させて第2支持台51を下げ、交換したオフセットロール13を交換したグラビアロール12に接触させる。
交換後は、ガイドレール82を第3支持台61側に押し、バックアップロール14を第3支持台61のU字部内に装着し、次いで、軸受押え部材63を取り付ける。そして、ガイドレール82を押し込んで収容ボックス83内に収容する。その後、第1シリンダ49、第2シリンダ59をそれぞれ駆動させて第1移動部材48、第2移動部材58を降下させ、交換したバックアップロール14を交換したオフセットロール13に接触させる。
なお、オフセットロール13およびバックアップロール14を交換するために、第1、第2シリンダ49,59を駆動し、各ロール13,14をそれぞれ待機位置に上昇させたとき、バックアップロール14とオフセットロール13との間、およびオフセットロール13とグラビアロール12との間の距離はほぼ等しい間隔となるように構成されている。
そして、ACベクトルモータ19は前記等速ボールジョイント16を介してグラビアロール12に連結され、ACベクトルモータ29は等速ボールジョイント26を介してオフセットロール13に連結され、ACベクトルモータ39は等速ボールジョイント36を介してバックアップロール14に連結されている。
前記ACベクトルモータ19,29,39は、モータカバー24で覆われ、さらに、装置本体2の一方の側板4とモータカバー24との間には、連結カバー25が設けられている。
塗工装置1の装置本体2にグラビアロール12、オフセットロール13、およびバックアップロール14をセットするとともに、液槽11内に所定の塗工液を満たす。塗工作業に着手する前に、各ロール12,13,14が正確に位置決めされ、それぞれが高精度に接触されていることをロール位置決め装置70により確認する。
なお、以上の各ロール13,14の位置決め時には、第1、第2シリンダ49,59の駆動はフリーの状態としておく。
交換後のグラビアロール12に対するオフセットロール13、オフセットロール13に対するバックアップロール14の位置決めは、ダイヤルゲージ71の目盛りを見て、コッター76を前後移動させて行う。
(1)オフセットグラビアコータ10を構成するグラビアロール12、オフセットロール13、およびバックアップロール14が、それぞれACベクトルモータ19,29,39に連結されて単独駆動できるので、駆動系に平ベルト等を用いた場合に生じるバックラッシュの累積を防止できて、各ロール12,13,14間に生じる回転精度の差を防止でき、各ロール12,13,14の回転精度を向上させることができる。その結果、均一な塗工が可能となる。
例えば、前記実施形態では、グラビアロール12、オフセットロール13、およびバックアップロール14の駆動源としてACベクトルモータ19,29,39を使用していたが、本発明では、通常の三相モータを使用してもよい。
2…装置本体
10…オフセットグラビアコータ
11…液槽
12…グラビアロール
13…オフセットロール
14…バックアップロール
16,26,36…等速ボールジョイント(ジョイント部材)
19,29,39…ACベクトルモータ
33…ブレード
41…第1支持台
46…第1ガイドレール
48…第1移動部材
49…第1シリンダ
51…第2支持台
51A,61A…傾斜面
56…第2ガイドレール
58…第2移動部材
59…第2シリンダ
61…第3支持台
70…ロール位置決め装置
71…ダイヤルゲージ(計測手段)
75…スライド部材
76…コッター(係合部材)
80…ロール交換装置
81…オフセットロール用ガイドレール
82…バックアップロール用ガイドレール
83…収容ボックス
90…駆動装置
W…被塗工材である基材
Claims (5)
- 被塗工材に塗工液を塗布する塗工装置において、
装置本体と、この装置本体に設けられたオフセットグラビアコータとを備えて構成され、このオフセットグラビアコータは、最下部に配置されるとともに内部に前記塗工液が収容された液槽に浸したグラビアロールと、このグラビアロールの上方に配置され表面にコーティングラバーが施されたオフセットロールと、このオフセットロールの上方に配置され前記被塗工材を前記オフセットロールに押圧するバックアップロールとを有し、前記グラビアロール、オフセットロールおよびバックアップロールがそれぞれモータに連結されて単独駆動可能となっていることを特徴とする塗工装置。 - 請求項1に記載の塗工装置において、
前記モータはACベクトルモータで構成されるとともに、前記グラビアロール、オフセットロールおよびバックアップロールは、それぞれジョイント部材を介して前記各ACベクトルモータと連結され、かつ前記オフセットロールは前記グラビアロールに対して、前記バックアップロールは前記オフセットロールに対してそれぞれ上下移動可能とされていることを特徴とする塗工装置。 - 請求項2に記載の塗工装置において、
前記オフセットロールの前記グラビアロールに対する上下移動、および前記バックアップロールの前記オフセットロールに対する上下移動後の位置決めは、それぞれ、前記グラビアロールを支持する第1支持台に設けられた計測手段を有するオフセットロール用位置決め装置、前記オフセットロールを支持する第2支持台に設けられた計測手段を有するバックアップロール用位置決め装置により行われ、前記計測手段は、各ロール間の接触圧を計測可能であることを特徴とする塗工装置。 - 請求項3に記載の塗工装置において、
前記各ロール用位置決め装置は、それぞれ水平方向にスライド自在なスライド部材と、これらのスライド部材を所定位置に固定する固定部材とを備え、前記各スライド部材は、前記第1支持台と第2支持台とのそれぞれの下面に形成された傾斜面に係合する係合部材を有し、前記スライド部材のスライドにより前記第1支持台または第2支持台が上下移動することを特徴とする塗工装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗工装置において、
前記オフセットロールおよびバックアップロールは、ロール交換装置により交換可能とされ、このロール交換装置は、ロール交換時に前記オフセットロールおよびバックアップロールをそれぞれ載置しかつ前後移動可能となった一対のガイドレールと、前記装置本体に設けられ前記ガイドレールを塗工作業運転時に収容する収容ボックスとを備えて構成されていることを特徴とする塗工装置。
Priority Applications (1)
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JP2004000413A JP2005193109A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 塗工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=34816254
Family Applications (1)
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JP2004000413A Pending JP2005193109A (ja) | 2004-01-05 | 2004-01-05 | 塗工装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
- 2004-01-05 JP JP2004000413A patent/JP2005193109A/ja active Pending
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