JP2005192750A - 発汗計用プローブ及び発汗計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1絶対湿度と第2絶対湿度との差に基づいて皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計であって、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、また検知されるべきエアーの流量の安定性を向上させることができ、これによって発汗量の計測精度を向上させることができる発汗計用プローブ及び発汗計を提供する。
【解決手段】 第1絶対湿度と第2絶対湿度との差に基づいて皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブ10a、10b及び発汗計100a,100bは、第1センサー11及び第2センサー12が設けられたセンサー部1,1aを備えている。
【選択図】 図2

Description

皮膚面から放散される汗の発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計に関する。
皮膚面から放散される汗の発汗量を計測する従来の発汗計のなかには、例えば、図4に示すように、計測部Bと、フレキシブルパイプC1,C2を介して計測部Bに接続されるとともに皮膚面Eに着接される発汗計用プローブDとを備えた発汗計Aであって、計測部Bにおいて、エアー供給装置B1からのエアーF1を第1絶対湿度センサーB2に供給し、この第1絶対湿度センサーB2に供給されるエアーF1の第1絶対湿度を第1絶対湿度センサーB2によって検知したあと、当該検知されたエアーF2を計測部内パイプB4に通し、計測部BからフレキシブルパイプC1を介して発汗計用プローブDに供給し、皮膚面Eに着接される発汗計用プローブDにおいて、当該供給されたエアーF2を皮膚面Eに供給して皮膚面Eに供給されるエアーF2と皮膚面Eから放散される汗Gとが混合され、当該エアーF2と当該汗Gとが混合された汗含有エアーF1’を、この発汗計用プローブDからフレキシブルパイプC2を介して再び計測部Bに戻し、計測部Bにおいて、当該戻された汗含有エアーF2’を計測部内パイプB5に通して第2絶対湿度センサーB3に供給し、この第2絶対湿度センサーB3に供給される汗含有エアーF2’の第2絶対湿度を第2絶対湿度センサーB3によって検知することで、計測回路B6にて第1絶対湿度と第2絶対湿度との差に基づいて皮膚面Eからの発汗量を計測する発汗計がある(例えば、特許文献1参照)。ここで絶対湿度とは、湿度センサー等により検知された湿度を温度センサー等により検知された温度に基づいて変換した、温度に無関係な湿度のことである。
このような従来の発汗計Aでは、第1絶対湿度センサーB2にて検知される第1絶対湿度と第2絶対湿度センサーB3にて検知される第2絶対湿度との差に基づいて皮膚面Eからの発汗量を計測するので、第1絶対湿度を第1絶対湿度センサーB2にて検知するときのエアーF1の温度や湿度等の状態と、皮膚面Eから放散される汗Gと混合されるときのエアーF2の温度や湿度等の状態とが近い程、或いは、皮膚面Eに供給されるエアーF2と皮膚面Eから放散される汗とが混合されるときの汗含有エアーF1’の温度や湿度等の状態と、第2絶対湿度を第2絶対湿度センサーB3にて検知するときの汗含有エアーF2’の温度や湿度等の状態とが近い程、精度のよい計測値を得ることができる。
特開2001−61791号公報
ところが、前記したような従来の発汗計Aでは、第1絶対湿度センサーB2に供給されるエアーF1の第1絶対湿度を第1絶対湿度センサーB2により検知したあと、当該検知されたエアーF2を計測部内パイプB4に通し、計測部BからフレキシブルパイプC1を介して発汗計用プローブDに供給し、皮膚面Eに供給されるエアーF2と皮膚面Eから放散される汗Gとが混合された汗含有エアーF1’を発汗計用プローブDからフレキシブルパイプC2を介して再び計測部Bに戻し、計測部Bにおいて、当該戻された汗含有エアーF2’を計測部内パイプB5に通して第2絶対湿度センサーB3に供給し、当該供給された汗含有エアーF2’の第2絶対湿度を第2絶対湿度センサーB3により検知するので、計測部Bにおいて第1絶対湿度を第1絶対湿度センサーB2にて検知するときのエアーF1の温度や湿度等の状態は、計測部Bの第1絶対湿度センサーB2から発汗計用プローブDに到達するまでの間に、計測部内パイプB4やフレキシブルパイプC1等において環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部から計測部内パイプB4やフレキシブルパイプC1内に侵入する湿気等)による外的要因の影響を受け易く、これにより発汗計用プローブDにおいて皮膚面Eから放散される汗Gと混合されるときのエアーF2の温度や湿度等の状態とは異なり易い。また、発汗計用プローブDにおいて皮膚面Eに供給されるエアーF2と皮膚面Eから放散される汗Gとが混合されるときの汗含有エアーF1’の温度や湿度等の状態は、発汗計用プローブDから再び計測部Bに戻って第2絶対湿度センサーB3に到達するまでの間に、フレキシブルパイプC2や計測部内パイプB5等において環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からフレキシブルパイプC2や計測部内パイプB5内に侵入する湿気等)による外的要因の影響を受け易く、これにより計測部Bにおいて第2絶対湿度を第2絶対湿度センサーB3にて検知するときの汗含有エアーF2’の温度や湿度等の状態とは異なり易い。従って、発汗量の計測精度が低下し易い。
また、検知されるべきエアーF1,F2’は、フレキシブルパイプC1,C2を介して計測部Bから発汗計用プローブDに、また発汗計用プローブDから計測部Bに供給されるので、例えば、フレキシブルパイプCが途中で曲がったり、捩れたりすると、このフレキシブルパイプC1,C2の気道が確保し難くなり、ひいては当該エアーF1,F2’の流量が安定し難くなり、この場合においても発汗量の計測精度が低下し易くなる。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、エアー供給装置から供給されるエアーの第1の絶対湿度を検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度を検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計であって、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等において受け易い、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計を提供することを第1の課題とする。
また本発明は、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等の曲がりや捩れ等により安定し難い、検知されるべきエアーの流量の安定性を向上させることができ、ひいては発汗量の計測精度を向上させることができる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計を提供することを第2の課題とする。
本発明は前記第1の課題を解決するため、エアー供給装置から供給されるエアーの第1の絶対湿度を検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度を検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブであって、前記第1絶対湿度を検知するための第1のセンサー及び前記第2絶対湿度を検知するための第2のセンサーが設けられるセンサー部を備え、前記センサー部は、前記第1センサーが設けられるとともに前記エアー供給装置に接続されるエアー流入路と、前記エアー流入路に連通するとともに前記皮膚面に着接される皮膚着接部を有する汗エアー混合路と、前記第2センサーが設けられるとともに前記汗エアー混合路に連通する汗含有エアー排出路とを有し、前記エアー流入路は、前記エアー供給装置からエアーが供給されることで、前記エアー供給装置から送られてくるエアーを前記第1センサーに供給しつつ前記汗エアー混合路に送り、これによって当該供給されるエアーの前記第1絶対湿度を検知し、前記汗エアー混合路は、前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで、前記エアー流入路から送られてくるエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生しつつ前記汗含有エアー排出路に送り、前記汗含有エアー排出路は、前記汗エアー混合路から送られてくる汗含有エアーを前記第2センサーに供給しつつ外部に排出し、これによって当該供給される汗含有エアーの前記第2絶対湿度を検知する発汗計用プローブを提供する。
本発明に係る発汗計用プローブでは、前記エアー供給装置から供給されたエアーは、前記センサー部内において、先ず、前記エアー流入路の前記第1センサーに供給され、前記第1絶対湿度が検知される。次に、当該検知されたエアーは、前記汗エアー混合路に移行し、ここで前記皮膚面から放散される汗と混合される。すなわち、前記汗エアー混合路では、前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで、前記エアー流入路から送られてくるエアーが前記皮膚面に供給されて、前記皮膚面から放散される汗と混合される。かくして、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーが生じる。こうして生じた汗含有エアーは、さらに前記汗含有エアー排出路に移行し、前記第2センサーに供給され、当該供給された汗含有エアーの前記第2絶対湿度が検知される。そして当該検知された汗含有エアーが外部に排出される。
このように本発明に係る発汗計用プローブによると、前記エアー供給装置から供給されるエアーの前記第1絶対湿度を前記センサー部内において検知し、当該検知されたエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを前記センサー部内において混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生し、さらに、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの前記第2絶対湿度を前記センサー部内において検知するので、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等において受け易い、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、これにより、前記第1絶対湿度を検知するときのエアーの温度や湿度等の状態と、前記皮膚面から放散される汗と混合されるときのエアーの温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができるとともに、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合されるときの汗含有エアーの温度や湿度等の状態と、前記第2絶対湿度を検知するときの汗含有エアーの温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができ、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる。
前記第1及び第2センサーとしては、例えば、湿度センサーと温度センサーとが一体的に形成された第1及び第2絶対湿度センサーである場合や第1及び第2湿度センサーだけの場合を挙げることができる。前記第1及び第2センサーが第1及び第2湿度センサーだけの場合、第1及び第2湿度センサーとは別に、第1及び第2湿度センサーにそれぞれ対応する第1及び第2温度センサーが設けられる。好ましくは、第1及び第2湿度センサー並びに第1及び第2温度センサーが互いに近傍に配置される。この場合、第1及び第2湿度センサーにそれぞれ対応する第1及び第2の温度センサーは、いずれか一方が他方を兼ねる一つの温度センサーであってもよい。いずれにしても、湿度センサーにより検知された相対湿度を温度センサーにより検知された周囲温度に基づいて変換した、温度に無関係な絶対湿度として検知することができる。
ところで、前記汗エアー混合路では、前記皮膚着接部が前記皮膚面と着接されるときに、前記皮膚着接部の周囲から前記皮膚着接部外の余分な空気が混入すると、発汗量の計測精度が低下することがある。かかる観点から、前記汗エアー混合路の前記皮膚着接部が、前記皮膚面に着接される部分に、前記皮膚面の形状に合わせて前記皮膚面との着接面の形状が異なる複数種類の皮膚着接部材を着脱可能に接合する接合部を有する場合を例示できる。この場合、前記接合部が、前記複数種類の皮膚着接部材のうちいずれの皮膚着接部材についても着脱できる。こうすることで、前記皮膚着接部が前記皮膚着接部材を介して前記皮膚面に確実に密着させることができ、発汗量の計測精度をさらに向上させることができる。この場合、本発明に係る発汗計用プローブは、前記複数種類の皮膚着接部材のうち少なくとも一つをさらに備えていてもよい。前記皮膚着接部材としては、前記皮膚面との着接面が前記皮膚面の形状に合わせて形成された形状のものであればいずれのものも採用できる。例えば、前記皮膚面との着接面が平面形状のものや湾曲した形状のものを挙げることができる。また、前記皮膚着接部材のサイズとしては、それには限定されないが、幅が1cm〜5cm程度のサイズを例示できる。
本発明に係る発汗計用プローブの具体的態様としては、前記エアー流入路が、前記エアー供給装置から供給されるエアーを流入するためのエアー流入口と、前記エアー流入口からのエアーを放出するためのエアー放出口とを有するエアー流入室を備え、前記エアー流入室が、前記エアー供給装置から前記エアー流入口を介して流入されるエアーが供給されるように前記第1センサーを配置し、前記汗エアー混合路が、前記エアー流入室の前記エアー放出口に連通するとともに前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで前記皮膚面との間に内部空間が形成される汗エアー混合室を備え、前記汗エアー混合室における前記皮膚面に着接された状態の前記内部空間において、前記エアー流入室の前記エアー放出口から放出されるエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生し、前記汗含有エアー排出路が、前記汗エアー混合室にて産生する汗含有エアーを流入するための汗含有エアー流入口と、前記汗含有エアー流入口からの汗含有エアーを外部に排出するための汗含有エアー排出口とを有する汗含有エアー排出室を備え、前記汗含有エアー排出室が、前記汗エアー混合室から前記汗含有エアー流入口を介して流入される汗含有エアーが供給されるように前記第2センサーを配置する場合を例示できる。この態様の発汗計用プローブでは、前記エアー流入口及び前記エアー放出口を有する前記エアー流入室において前記第1センサーが配置されるので、前記エアー流入口から流入されるエアーを前記エアー流入室内で一旦滞留させつつ前記エアー放出口から放出することができ、当該エアーを確実に前記第1センサーに供給することができる。また、前記汗含有エアー流入口及び前記汗含有エアー排出口を有する前記汗含有エアー排出室において前記第2センサーが配置されるので、前記汗含有エアー流入口から流入される汗含有エアーを前記汗含有エアー排出室内で一旦滞留させつつ前記汗含有エアー排出口から排出することができ、当該汗含有エアーを確実に前記第2センサーに供給することができる。これにより、発汗量の計測精度をさらに向上させることができる。
本発明に係る発汗計用プローブにおいては、前記エアー流入路が、開放端を有するエアータンクをさらに備え、前記エアータンクが、前記エアー供給装置から供給されるエアーを流入するための開口部を有し、前記開放端が前記エアー流入路の前記第1センサーの方に向くように連接されることで、前記エアー供給装置からのエアーを一旦貯蔵してから前記エアー流入室の前記エアー流入口に送り込む場合を例示できる。この場合、前記エアータンクが、前記エアー供給装置から前記開口部を介して供給されるエアーを一旦貯蔵できるので、前記エアー供給装置から前記エアータンクに一旦貯蔵された安定したエアーを前記エアー流入路に送り込むことができ、これにより、発汗量の計測精度をより一層向上させることができる。
本発明に係る発汗計用プローブは、前記発汗計として、前記エアー供給装置と、前記第1絶対湿度の検知量と前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えた発汗計に用いられることができる。この発汗計に用いられる本発明の発汗計用プローブは、第1のプローブケーブルをさらに備え、この第1プローブケーブルが、一端が前記第1センサー及び前記第2センサーに、他端が前記発汗計の前記計測部に電気的に接続される電線と、一端が前記エアー流入路に、他端が前記エアー供給装置に接続されるエアー供給用フレキシブルパイプとを有している場合を例示できる。
そこで、本発明は前記第1の課題を解決するため、次の第1の発汗計も提供する。すなわち、この第1の発汗計は、前記第1プローブケーブルをさらに備える本発明に係る発汗計用プローブと、エアー供給装置と、前記第1絶対湿度の検知量及び前記第2絶対湿度の検知量の差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えている。
この第1の発汗計では、前記エアー供給装置から前記第1プローブケーブルの前記エアー供給用フレキシブルパイプを介して前記センサー部にエアーが供給される。前記エアー供給装置から前記第1プローブケーブルを介して供給されたエアーは、前記センサー部内において、先ず、前記エアー流入路の前記第1センサーに供給され、前記第1絶対湿度が検知される。このとき、前記第1センサーにて検知された出力信号が前記第1プローブケーブルの前記電線を介して前記計測部に送信される。次に、当該検知されたエアーは、前記汗エアー混合路に移行し、ここで前記皮膚面から放散される汗と混合される。すなわち、前記汗エアー混合路では、前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで、前記エアー流入路から送られてくるエアーが前記皮膚面に供給されて、前記皮膚面から放散される汗と混合される。かくして、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーが生じる。こうして生じた汗含有エアーは、さらに前記汗含有エアー排出路に移行し、前記第2センサーに供給され、当該供給された汗含有エアーの前記第2絶対湿度が検知される。このとき、前記第2センサーにて検知された出力信号が前記第1プローブケーブルの前記電線を介して前記計測部に送信される。そして当該検知された汗含有エアーが外部に排出される。一方、前記計測部では、前記第1絶対湿度の検知量と前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量が求められる。
前記第1の発汗計によると、前記エアー供給装置から前記第1プローブケーブルの前記エアー供給用フレキシブルパイプを介して供給されるエアーの前記第1絶対湿度を前記センサー部内において検知し、当該検知されたエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを前記センサー部内において混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生し、さらに、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの前記第2絶対湿度を前記センサー部内において検知するので、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等において受け易い、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、これにより、前記第1絶対湿度を検知するときのエアーの温度や湿度等の状態と、前記皮膚面から放散される汗と混合されるときのエアーの温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができるとともに、前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合されるときの汗含有エアーの温度や湿度等の状態と、前記第2絶対湿度を検知するときの汗含有エアーの温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができ、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる。
本発明に係る発汗計用プローブは、前記第2の課題を解決するため、前記センサー部が前記エアー供給装置をさらに備えていてもよく、例えば、前記発汗計として、前記第1絶対湿度の検知量と前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えた発汗計に用いられることができる。この発汗計に用いられる本発明の発汗計用プローブは、第2のプローブケーブルをさらに備え、この第2プローブケーブルが、一端が前記エアー供給装置、前記第1センサー及び前記第2センサーに、他端が前記発汗計の前記計測部に電気的に接続される電線を有している場合を例示できる。
そこで、本発明は前記第2の課題を解決するため、次の第2の発汗計も提供する。すなわち、この第2の発汗計は、前記第2プローブケーブルをさらに備える本発明に係る発汗計用プローブと、前記第1絶対湿度の検知量及び前記第2絶対湿度の検知量の差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えている。
前記第2の課題を解決する発汗計用プローブ及び前記第2の発汗計によると、前記発汗計用プローブに前記エアー供給装置を備えていて、前記第2プローブケーブルにはエアーを流さなくて済むので、前記本発明に係る発汗計用プローブ及び前記第1の発汗計の前記の作用効果に加え、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等の曲がりや捩れ等により安定し難い、検知されるべきエアーの流量の安定性を向上させることができ、ひいては発汗量の計測精度を向上させることができる。
前記センサー部に前記エアー供給装置が備えられる場合、このエアー供給装置としては、小型化、低コスト化等の観点から、例えば、エアーが供給されるエアー供給部を有するエアーポンプであってエアー供給のための振動を伴った駆動によりエアーを前記エアー供給部から供給するエアーポンプを挙げることができる。このようなエアーポンプでは、供給されるエアーが振動を伴っているので、当該エアーの流量が安定し難く、これにより、発汗量の計測精度が低下し易い。そこで、前記エアー供給部においては、エアーの振動を吸収するためのエアー振動吸収部材が設けられていることが好ましい。こうすることで、前記エアーポンプから供給されるエアーの振動は前記エアー供給部の前記エアー振動吸収部材にて吸収されるので、検知されるべきエアーの流量が安定し易く、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる。前記エアー振動吸収部材としては、エアーの振動を吸収できるような弾力性のある部材、例えば、ゴム部材を挙げることができる。
以上説明したように本発明によると、エアー供給装置から供給されるエアーの第1の絶対湿度を検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを混合し、当該エアーと当該汗が混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度を検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計であって、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等において受け易い、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、それだけ、発汗量の計測精度を向上させることができる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計を提供する発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計を提供することができる。
また本発明によると、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等の曲がりや捩れ等により安定し難い、検知されるべきエアーの流量の安定性を向上させることができ、ひいては発汗量の計測精度を向上させることができる発汗計用プローブ及びそれを備えた発汗計を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1(A)は本発明に係る発汗計用プローブを備えた発汗計の一例の概略構成を示す図であり、図1(B)は本発明に係る発汗計用プローブを備えた発汗計の他の例を示す概略構成図であり、図1(C)は図1(A)に示す発汗計用プローブの第1プローブケーブルの一部概略断面図であり、また図1(D)は図1(A)及び図1(B)に示す発汗計用プローブに設けることができる複数種類の皮膚着接部材の一例を示す概略側面図である。なお、図1において、同様の構成、作用を有する部品等には同じ参照符号を付してある。
図1(A)に示す発汗計100aは、センサー部1及び第1プローブケーブル3aを備えた発汗計用プローブ10aと、計測部本体60及び多チャンネルコンセント部70を備えた計測部20aとからなっており、センサー部1が第1プローブケーブル3aを介して計測部20aの多チャンネルコンセント部70に配置した後述するエアー供給装置71に接続され、さらに多チャンネルコンセント部70が後述するケーブル74を介して計測部本体60に接続されている。この発汗計100aは、供給装置71から供給されるエアーの第1の絶対湿度をセンサー部1で検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度をセンサー部1で検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測部本体60で計測するものである。
発汗計用プローブ10aは、既述のとおり、センサー部1及び第1プローブケーブル3aを備えている。
図2に皮膚面Sに着接された状態のセンサー部1の拡大概略断面図を示す。このセンサー部1は、図2に示すように、雰囲気センサー11(前記第1絶対湿度を検知するための第1のセンサーの一例)、発汗センサー12(前記第2絶対湿度を検知するための第2のセンサーの一例)及び温度センサー13を備えている。センサー部1はまた、雰囲気センサー11が設けられるとともにエアー供給装置71に接続されるエアー流入路14と、エアー流入路14に連通するとともに皮膚面Sに着接される皮膚着接部15aを有する汗エアー混合路15と、発汗センサー12が設けられるとともに汗エアー混合路15に連通する汗含有エアー排出路16とを有している。なお、雰囲気センサー11及び発汗センサー12はいずれも湿度センサーであり、温度センサー13は、湿度センサー11,12にそれぞれ対応する温度センサーであって、いずれか一方が他方を兼ねる一つの温度センサーとして構成されていて、湿度センサー11,12及び温度センサー13は互いに近傍に配置されている。これにより、雰囲気センサー11により検知された相対湿度を温度センサー13により検知された周囲温度に基づいて変換した、温度に無関係な第1の絶対湿度を検知することができ、また発汗センサー12により検知された相対湿度を温度センサー13により検知された周囲温度に基づいて変換した、温度に無関係な第2の絶対湿度を検知することができる。
エアー流入路14は、エアー供給装置71からエアーQ1が供給されることで、エアー供給装置71から送られてくるエアーQ1を雰囲気センサー11に供給しつつ汗エアー混合路15に送り、これによって雰囲気センサー11が当該供給されるエアーQ1の第1相対相対湿度を検知する一方、温度センサー13が周囲温度を検知する。汗エアー混合路15は、皮膚着接部15aが皮膚面Sに着接されることで、エアー流入路14から送られてくるエアーQ2を皮膚面Sに供給して皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとを混合し、当該エアーQ2と当該汗Tとが混合された汗含有エアーQ1’を産生しつつ汗含有エアー排出路16に送る。また、汗含有エアー排出路16は、汗エアー混合路15から送られてくる汗含有エアーQ2’を発汗センサー12に供給しつつ外部に排出し、これによって発汗センサー12が当該供給される汗含有エアーの第2相対湿度を検知する一方、温度センサー13が周囲温度を検知する。
さらに説明すると、センサー部1は、円筒状の部材1’を有しており、この円筒状部材1’において、周囲が壁R,R’で囲まれたエアー流入室141、汗含有エアー排出室161を備え、これらエアー流入室141及び汗含有エアー排出室161が図中上下に並設されているとともに、エアー流入室141及び汗含有エアー排出室161の図中左方に汗エアー混合室151が設けられている。そして、前記エアー流入路14がエアー流入室141を、前記汗エアー混合路15が汗エアー混合室151を、また前記汗含有エアー排出路16が汗含有エアー排出室161をそれぞれ備えている。
エアー流入室141は、図中長手方向Xにおける両側壁Rのうち右方側壁にエアー供給装置71から供給されるエアーQ1を流入するためのエアー流入口141aを有しているとともに、図中左方側壁にエアー流入口141aからのエアーQ2を放出するためのエアー放出口141bを有している。このエアー流入室141において、雰囲気センサー11が図示を省略した支持部材にてエアー供給装置71からエアー流入口141aを介して流入されるエアーQ1が供給されるように、換言すればエアーQ1の前記第1相対湿度を検知できるように支持されている。
汗エアー混合室151は、図中上下に並設されているエアー流入室141及び汗含有エアー排出室161の周囲壁R’から図中左方に延びる壁R1を皮膚着接部15aとすることで、エアー流入室141のエアー放出口141bに連通するとともに皮膚着接部15aが皮膚面Sに着接されることで皮膚面Sとの間に内部空間が形成されるように構成されている。これにより、汗エアー混合室151における皮膚面Sに着接された状態の前記内部空間において、エアー流入室141のエアー放出口141bから放出されるエアーQ2を皮膚面Sに供給して皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとを混合し、当該エアーQ2と当該汗Tとが混合された汗含有エアーQ1’を産生することができる。
汗含有エアー排出室161は、図中長手方向Xにおける両側壁Rのうち右方側壁に汗エアー混合室151にて産生する汗含有エアーQ1’を流入するための汗含有エアー流入口161aを有しているとともに、図中左方側壁に汗含有エアー流入口161aからの汗含有エアーQ3’を外部に排出するための汗含有エアー排出口161bを有している。この汗含有エアー排出室161において、発汗センサー12が図示を省略した支持部材にて汗エアー混合室151から汗含有エアー流入口161aを介して流入される汗含有エアーQ2’が供給されるように、換言すれば汗含有エアーQ2’の前記第2相対湿度を検知できるように支持されている。また、温度センサー13は、図示を省略した支持部材にて前記周囲温度を検知できるように支持されている。
エアー流入路14はさらに、エアー流入室141の図中右方において、開放端2aを有する有底筒状のエアータンク2を備えている。このエアータンク2は、図中長手方向Xにおける開放端2aとは反対側の底板2bにエアー供給装置71から供給されるエアーQ1を流入するための開口部2cを有しており、開放端2aがエアー流入室141のエアー流入口141aに向くように連接されている。これにより、エアー供給装置71からのエアーQ1を一旦貯蔵してからエアー流入室141のエアー流入口141aに送り込むことができる。
また、エアータンク2には、センサーアンプ17が図示を省略した支持部材にて支持されている。こうすることで、前記エアータンク内の空間を利用することができる。また、エアータンク2には、開口部2cのエアータンク外側に第1プローブケーブル3aを接続するためのソケット2dが設けられている。センサーアンプ17は入力側で雰囲気センサー11、発汗センサー12及び温度センサー13に電気的に接続されているとともに、出力側で接続電線17aを介してソケット2dに電気的に接続されている。センサーアンプ17は、センサー11,12及び13からの出力信号を増幅する増幅手段と、雰囲気センサー11により検知された前記第1相対湿度を温度センサー13により検知された前記周囲温度に基づいて前記第1絶対湿度に変換するとともに、発汗センサー12により検知された前記第2相対湿度を温度センサー13により検知された前記周囲温度に基づいて前記第2絶対湿度に変換する変換手段とを備えている。これにより当該変換された前記第1及び2絶対湿度に対応する出力信号をソケット2dに送ることができる。ソケット2dは、後述する第1プローブケーブル3aのエアー供給用フレキシブルパイプ31(図1(C)参照)を開口部2cに接続するとともに、第1プローブケーブル3aの電線32(図1(C)参照)を接続電線17aに電気的に接続することができるものである。
汗エアー混合路15の皮膚着接部15aは、皮膚面Sに着接される部分に、皮膚面Sの形状に合わせて皮膚面Sとの着接面41(図1(B)参照)の形状が異なる複数種類の皮膚着接部材(図示例はその一例4)を接合する接合部151aを有している。なお、図1(D)に示す皮膚着接部材4は、皮膚面Sの形状に合わせて形成された湾曲状の着接面41を有しており、皮膚着接部15aの接合部151aと螺合するための螺合溝(図示省略)を有する螺合部42が設けられている。皮膚着接部15aの接合部151aは、前記複数種類の皮膚着接部材(例えば、図1(D)の皮膚着接部材4)のうちいずれの皮膚着接部材についても着脱できるように構成されており、ここでは、皮膚着接部材4等の螺合部42における前記螺合溝に対応する螺合溝151a’が設けられている。
図1(A)に示す第1プローブケーブル3aは、図1(C)に示すように、既述したエアー供給用フレキシブルパイプ31、電線32、これらパイプ31及び電線32を被覆する被覆部材33を有している。エアー供給用フレキシブルパイプ31は、図示を省略したソケットにより、一端がエアータンク2の開口部2c(図2参照)を介してエアー流入路14に、他端がエアー供給装置71(図1(A)参照)に接続され、電線32は、一端がエアータンク2のソケット2d、接続電線17a及びセンサーアンプ17を介して雰囲気センサー11、発汗センサー12及び温度センサー13に、他端が計測部20a(図1(A)参照)に電気的に接続される。この第1プローブケーブル3aの両端部には、図示を省略したソケットが設けられている。なお、第1プローブケーブル3aは、センサー部1、本例ではエアータンク2にソケットを介して接続されるが、センサー部1にソケットを介さずに直接的に接続されていてもよい。
図1(A)に示す計測部20aにおいて、多チャンネルコンセント部70は、エアー供給装置71から供給されるエアーを複数のセンサー部1にそれぞれ供給するためのものであり、前記のエアー供給装置71の他、複数のセンサー部1にそれぞれ接続される複数の第1プローブケーブル3aをそれぞれ接続するための複数のソケット72と、エアー供給装置71から供給されるエアーを複数のソケット72のうちプローブケーブル3aが接続されたソケット72に供給するための図示を省略したエアー分配機構と、複数のセンサー部1からのセンサー出力信号を制御するための処理制御ボード73と、前記したケーブル74とを備えている。
この多チャンネルコンセント部70では、エアー供給装置71からのエアーを前記エアー分配機構及びソケット72を介してソケット72に接続された第1プローブケーブル3aのフレキシブルパイプ31(図1(C)参照)に供給することができる。これにより、第1プローブケーブル3aは、ソケット72から供給されるエアーを第1プローブケーブル3aのフレキシブルパイプ31を介して、センサー部1に供給することができる。また、前記のケーブル74は、多チャンネルコンセント部70内において一端がソケット72を介してソケット72に接続された第1プローブケーブル3aの電線32(図1(C)参照)に電気的に接続されており、他端が計測部本体60に電気的に接続されている。これにより、第1プローブケーブル3aは、雰囲気センサー11、発汗センサー12及び温度センサー13からセンサーアンプ17にて増幅された前記第1及び第2絶対湿度に対応する出力信号を第1プローブケーブル3aの電線32及びケーブル74を介して、計測部本体60に送信することができる。
計測部本体60は、センサー部1のセンサー11,13にて検知される前記第1絶対湿度の検知量及びセンサー部1のセンサー12,13にて検知される前記第2絶対湿度の検知量の差に基づいて皮膚面Sからの発汗量を求める算出手段と、当該求められた発汗量を表示する表示部61とを備えている。これにより、皮膚面Sから放散される汗Tの発汗量を計測することができる。
以上説明した発汗計用プローブ10a及び発汗計100aでは、エアー供給装置71から第1プローブケーブル3aのエアー供給用フレキシブルパイプ31を介してセンサー部1にエアーQ1が供給される。エアー供給装置71から第1プローブケーブル3bを介して供給されたエアーQ1は、センサー部1内において、先ず、エアー流入路14の雰囲気センサー11に供給され、第1相対湿度がセンサー11によって検知される。このとき、周囲温度が温度センサー13によって検知され、第1相対湿度及び周囲温度に基づいて第1絶対湿度が検知される。このセンサー11,13にて検知された出力信号が第1プローブケーブル3aの電線32を介して計測部20aに送信される。次に、当該検知されたエアーQ2は、汗エアー混合路15に移行し、ここで皮膚面Sから放散される汗Tと混合される。すなわち、汗エアー混合路15では、皮膚着接部15aが皮膚面Sに着接されることで、エアー流入路14から送られてくるエアーQ2が皮膚面Sに供給されて、皮膚面Sから放散される汗Tと混合される。かくして、皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとが混合された汗含有エアーQ1’が生じる。こうして生じた汗含有エアーQ1’は、さらに汗含有エアー排出路16に移行し、発汗センサー12に供給され、当該供給された汗含有エアーQ2’の第2相対湿度が発汗センサー12によって検知される。このとき、周囲温度が温度センサー13によって検知され、第2相対湿度及び周囲温度に基づいて第2絶対湿度が検知される。このセンサー12,13にて検知された出力信号が第1プローブケーブル3aの電線32を介して計測部20aに送信される。そして当該検知された汗含有エアーQ3’が外部に排出される。一方、前記発汗計の前記計測部では、センサー11,13にて検知された前記第1絶対湿度の検知量とセンサー12,13にて検知された前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて皮膚面Sからの発汗量が求められ、この計測値が表示部61に表示される。
このように発汗計用プローブ10a及び発汗計100aによると、エアー供給装置71から第1プローブケーブル3aのパイプ31を介して供給されるエアーQ1の前記第1絶対湿度をセンサー11,13により前記センサー部1内において検知し、当該検知されたエアーQ2を皮膚面Sに供給して皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとをセンサー部1内において混合し、当該エアーQ2と当該汗Tとが混合された汗含有エアーQ1’を産生し、さらに、皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとが混合された汗含有エアーQ2’の前記第2絶対湿度をセンサー12,13により前記センサー部1内において検知するので、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等において受け易い、環境変化(例えば、周囲温度の変化や外部からの湿気等)による外的要因の影響を十分抑制でき、これにより、前記第1絶対湿度をセンサー11,13にて検知するときのエアーQ1の温度や湿度等の状態と、皮膚面Sから放散される汗Tと混合されるときのエアーQ2の温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができるとともに、皮膚面Sに供給されるエアーQ2と皮膚面Sから放散される汗Tとが混合されるときの汗含有エアーQ1’の温度や湿度等の状態と、前記第2絶対湿度をセンサー12,13にて検知するときの汗含有エアーQ2’の温度や湿度等の状態とを十分に近づけることができ、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる。
また、センサー部1の汗エアー混合路15における皮膚着接部15aは接合部151aを有しているので、例えば、接合部151aに図1(D)に示す皮膚着接部4が設けられることで、皮膚着接部15aが皮膚着接部材4を介して皮膚面Sに確実に密着させることができ、発汗量の計測精度をさらに向上させることができる。
また、センサー部1は、エアー流入路14、汗エアー混合路15及び汗含有エアー排出路16に、それぞれエアー流入室141、汗エアー混合室151に汗含有エアー排出室161を備えており、エアー流入口141a及びエアー放出口141bを有するエアー流入室141においてセンサー11が配置されるので、エアー流入口141aから流入されるエアーQ1をエアー流入室141内で一旦滞留させつつエアー放出口141bから放出することができ、当該エアーQ1を確実にセンサー11に供給することができる。また、汗含有エアー流入口161a及び汗含有エアー排出口161bを有する汗含有エアー排出室161においてセンサー12が配置されるので、汗含有エアー流入口161aから流入される汗含有エアーQ2’を汗含有エアー排出室161内で一旦滞留させつつ汗含有エアー排出口161bから排出することができ、当該汗含有エアーQ2’を確実にセンサー12に供給することができる。これにより、発汗量の計測精度をさらに向上させることができる。
また、エアー流入路14がエアータンク2を備えており、このエアータンク2が、エアー供給装置71から開口部2cを介して供給されるエアーQ1を一旦貯蔵できるので、エアー供給装置71からエアータンク2に一旦貯蔵された安定したエアーQ1をエアー流入室141のエアー流入口141aに送り込むことができ、これにより、発汗量の計測精度をより一層向上させることができる。
次に図1(B)に示す発汗計100bについて説明するが、ここでは図1(A)に示す発汗計100aとは異なる部分を中心に説明し、共通する部分については説明を省略する。
図1(B)に示す発汗計100bは、センサー部1a及び第2プローブケーブル3bを備えた発汗計用プローブ10bと、計測部本体60を備えた計測部20aとからなっている。センサー部1はエアー供給装置5を備えている。第2プローブケーブル3bは、一端がセンサー部1aに他端が計測部本体60に電気的に接続される。この発汗計100bは、供給装置5から供給されるエアーの第1の絶対湿度をセンサー部1aで検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度をセンサー部1aで検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測部本体60で計測するものである。
発汗計用プローブ10bは、既述のとおり、センサー部1a及び第2プローブケーブル3bを備えている。
図3にセンサー部1aに設けられたエアー供給装置5を中心に記載した拡大概略断面図を示す。図3に示すように、エアー供給装置5は、小型化、低コスト化等の観点から、本例では、ポンプタイプのものであって、エアーQ1が供給されるエアー供給部51及びポンプ駆動部52を有するエアーポンプを採用している。
このエアーポンプ5は、エアー供給のための振動を伴ったポンプ駆動部52の駆動によりエアーQ1をエアー供給部51から供給するものである。さらに説明すると、エアー供給部51はエアー供給室51aを有している。ポンプ駆動部52は、エアー供給部51におけるエアー供給室51a内のエアーを所定方向(例えば、図中X方向)に振動させることができるものである。エアー供給室51aは、外部のエアーQを取り込むパイプ51bが配置されているとともにエアーQ1を放出するパイプ51cが配置されている。このエアー供給室51aにおいて、パイプ51bのエアーQ入口部には、外部のエアーQをエアー供給室51aに取り込むことを許す一方、エアー供給室51aから外部に戻ること禁止する逆止弁51dが設けられており、パイプ51cのエアーQ出口部には、エアー供給室51a内のエアーQ1をエアー供給室51aから外部に放出することを許す一方、エアー供給室51a内に戻ることを禁止する逆止弁51eが設けられている。また、パイプ51cの外側端には、エアーチューブ51fの一端が接続されており、エアータンク2における開口部2cにエアーチューブ51fの他端が接続されている。これにより、エアー供給室51aのパイプ51cからエアーQ1を、エアーチューブ51fを介してエアータンク2の開口部2cに供給することができる。
また、エアー供給部51のエアー供給室51aには、エアーの振動を吸収するためのエアー振動吸収部材51gが設けられている。このエアー振動吸収部材51gは、エアーQの振動を吸収できるような弾力性のある部材であり、本例では、ゴム材料からなる板状のゴム部材である。エアー振動吸収部材51gは、エアー供給室51a内において、幅方向がエアーの振動方向Xに横切る方向、好ましくは略直交する方向に向くように、一端部が支持部51hに片持ち支持されている。これにより、エアー供給部51において、エアー振動吸収部材51gによりエアー供給室51a内のエアーの振動を吸収することで、振動が抑制されたエアーQ1を得ることができる。
また、エアーポンプ5には、第2プローブケーブル3b(図1(B)も参照)を接続するためのソケットであって接続電線53,54が電気的に接続されたソケット5aが設けられている。ソケット5aに接続された接続電線53は、エアータンク2における開口部2cの接続電線17aに電気的に接続されている。また、ソケット5aに接続された接続電線54は、ポンプ駆動部52に電気的に接続されている。
このエアーポンプ5では、エアータンク2のソケット2dからのセンサー出力信号を、接続電線53を介してソケット5aに接続された第2プローブケーブル3bに送信することができる。第2プローブケーブル3bは、一端がエアーポンプ5のソケット5aを介して接続電線53,54に、他端が図1(B)に示す計測部20bに電気的に接続される。この第2プローブケーブル3bの両端部には、ソケット31bが設けられている(図3において他端のソケットは図示を省略)。なお、第2プローブケーブル3bは、センサー部1a、本例ではエアーポンプ5にソケット31bを介して接続されるが、センサー部1aにソケット31bを介さずに直接的に接続されていてもよい。これにより、第2プローブケーブル3bは、ソケット5aから送信されるセンサー出力信号を、第2プローブケーブル3bを介して、計測部本体60に送信することができるとともに、計測部本体60からポンプ駆動部52に電力を供給することができる。
以上説明した発汗計用プローブ10b及び発汗計100bによると、センサー部1aにエアー供給装置(本例ではエアーポンプ5)を備えていて、第2プローブケーブル3bにはエアーを流さなくて済むので、図1(A)に示す発汗計用プローブ10a及び発汗計100aの前記の作用効果に加え、従来の発汗計のような計測部と発汗計用プローブとの間のフレキシブルパイプ等の曲がりや捩れ等により安定し難い、検知されるべきエアーQ1,Q2’の流量の安定性を向上させることができ、ひいては発汗量の計測精度を向上させることができる。
また、エアーポンプ5を備えたセンサー部1aでは、エアーポンプ5のエアー供給部51において、エアーQの振動を吸収するためのエアー振動吸収部材51gが設けられているおり、エアーポンプ5から供給されるエアーQ1の振動はエアー供給部51のエアー振動吸収部材51gにて吸収されるので、検知されるべきエアーQ1,Q2’の流量が安定し易く、それだけ発汗量の計測精度を向上させることができる。
図(A)は本発明に係る発汗計用プローブを備えた発汗計の一例の概略構成を示す図であり、図(B)は本発明に係る発汗計用プローブを備えた発汗計の他の例を示す概略構成図であり、図(C)は図(A)に示す発汗計用プローブの第1プローブケーブルの一部概略断面図であり、また図(D)は図(A)及び図(B)に示す発汗計用プローブに設けることができる複数種類の皮膚着接部材の一例を示す概略側面図である。 皮膚面に着接された状態のセンサー部の拡大概略断面図である。 センサー部に設けられたエアー供給装置を中心に記載した拡大概略断面図である。 従来の発汗計の一例における発汗量の計測動作を説明するための図である。
符号の説明
1,1a…センサー部 11…第1センサー 12…第2センサー
14…エアー流入路 15…汗エアー混合路 15a…皮膚着接部
16…汗含有エアー排出路 100a,100b…発汗計 141…エアー流入室
141a…エアー流入口 141b…エアー放出口 151…汗エアー混合室
151a…接合部 161…汗含有エアー排出室 161a…汗含有エアー流入口
161b…汗含有エアー排出口 2…エアータンク 2a…エアータンクの開放端
2c…開口部 20a,20b…計測部 3a…第1プローブケーブル
31…エアー供給用フレキシブルパイプ 32…第1プローブケーブルの電線
4…皮膚着接部材 5…エアーポンプ 51…エアー供給部
51g エアー振動吸収部材 71…エアー供給装置 Q,Q1,Q2…エアー
Q1’,Q2’,Q3’…汗含有エアー S…皮膚面 T…汗

Claims (11)

  1. エアー供給装置から供給されるエアーの第1の絶対湿度を検知するとともに、前記第1絶対湿度が検知されたエアーを皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とが混合された汗含有エアーの第2の絶対湿度を検知することで、前記第1絶対湿度と前記第2絶対湿度との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を計測する発汗計に用いる発汗計用プローブであって、
    前記第1絶対湿度を検知するための第1のセンサー及び前記第2絶対湿度を検知するための第2のセンサーが設けられるセンサー部を備え、
    前記センサー部は、前記第1センサーが設けられるとともに前記エアー供給装置に接続されるエアー流入路と、前記エアー流入路に連通するとともに前記皮膚面に着接される皮膚着接部を有する汗エアー混合路と、前記第2センサーが設けられるとともに前記汗エアー混合路に連通する汗含有エアー排出路とを有し、
    前記エアー流入路は、前記エアー供給装置からエアーが供給されることで、前記エアー供給装置から送られてくるエアーを前記第1センサーに供給しつつ前記汗エアー混合路に送り、これによって当該供給されるエアーの前記第1絶対湿度を検知し、
    前記汗エアー混合路は、前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで、前記エアー流入路から送られてくるエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生しつつ前記汗含有エアー排出路に送り、
    前記汗含有エアー排出路は、前記汗エアー混合路から送られてくる汗含有エアーを前記第2センサーに供給しつつ外部に排出し、これによって当該供給される汗含有エアーの前記第2絶対湿度を検知することを特徴とする発汗計用プローブ。
  2. 前記汗エアー混合路の前記皮膚着接部は、前記皮膚面に着接される部分に、前記皮膚面の形状に合わせて前記皮膚面との着接面の形状が異なる複数種類の皮膚着接部材を着脱可能に接合する接合部を有する請求項1記載の発汗計用プローブ。
  3. 前記複数種類の皮膚着接部材のうち少なくとも一つをさらに備えている請求項2記載の発汗計用プローブ。
  4. 前記エアー流入路は、前記エアー供給装置から供給されるエアーを流入するためのエアー流入口と、前記エアー流入口からのエアーを放出するためのエアー放出口とを有するエアー流入室を備え、前記エアー流入室は、前記エアー供給装置から前記エアー流入口を介して流入されるエアーが供給されるように前記第1センサーを配置し、
    前記汗エアー混合路は、前記エアー流入室の前記エアー放出口に連通するとともに前記皮膚着接部が前記皮膚面に着接されることで前記皮膚面との間に内部空間が形成される汗エアー混合室を備え、前記汗エアー混合室における前記皮膚面に着接された状態の前記内部空間において、前記エアー流入室の前記エアー放出口から放出されるエアーを前記皮膚面に供給して前記皮膚面に供給されるエアーと前記皮膚面から放散される汗とを混合し、当該エアーと当該汗とが混合された汗含有エアーを産生し、
    前記汗含有エアー排出路は、前記汗エアー混合室にて産生する汗含有エアーを流入するための汗含有エアー流入口と、前記汗含有エアー流入口からの汗含有エアーを外部に排出するための汗含有エアー排出口とを有する汗含有エアー排出室を備え、前記汗含有エアー排出室は、前記汗エアー混合室から前記汗含有エアー流入口を介して流入される汗含有エアーが供給されるように前記第2センサーを配置する請求項1から3のいずれかに記載の発汗計用プローブ。
  5. 前記エアー流入路は、開放端を有するエアータンクをさらに備え、前記エアータンクは、前記エアー供給装置から供給されるエアーを流入するための開口部を有し、前記開放端が前記エアー流入路の前記第1センサーの方に向くように連接されることで、前記エアー供給装置からのエアーを一旦貯蔵してから前記エアー流入室の前記エアー流入口に送り込む請求項1から4のいずれかに記載の発汗計用プローブ。
  6. 前記発汗計として、前記エアー供給装置と、前記第1絶対湿度の検知量と前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えた発汗計に用いられる発汗計用プローブであって、第1のプローブケーブルをさらに備え、前記第1プローブケーブルは、一端が前記第1センサー及び前記第2センサーに、他端が前記発汗計の前記計測部に電気的に接続される電線と、一端が前記エアー流入路に、他端が前記エアー供給装置に接続されるエアー供給用フレキシブルパイプとを有している請求項1から5のいずれかに記載の発汗計用プローブ。
  7. 前記センサー部は、前記エアー供給装置をさらに備えている請求項1から5のいずれかに記載の発汗計用プローブ。
  8. 前記エアー供給装置は、エアーが供給されるエアー供給部を有するエアーポンプであってエアー供給のための振動を伴った駆動によりエアーを前記エアー供給部から供給するエアーポンプであり、前記エアー供給部において、エアーの振動を吸収するためのエアー振動吸収部材が設けられている請求項7記載の発汗計用プローブ。
  9. 前記発汗計として、前記第1絶対湿度の検知量と前記第2絶対湿度の検知量との差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部を備えた発汗計に用いられる発汗計用プローブであって、第2のプローブケーブルをさらに備え、前記第2プローブケーブルは、一端が前記エアー供給装置、前記第1センサー及び前記第2センサーに、他端が前記発汗計の前記計測部に電気的に接続される電線を有している請求項7又は8記載の発汗計用プローブ。
  10. 請求項6記載の発汗計用プローブと、エアー供給装置と、前記第1絶対湿度の検知量及び前記第2絶対湿度の検知量の差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えていることを特徴とする発汗計。
  11. 請求項9記載の発汗計用プローブと、前記第1絶対湿度の検知量及び前記第2絶対湿度の検知量の差に基づいて前記皮膚面からの発汗量を求めるための計測部とを備えていることを特徴とする発汗計。
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