JP2003135406A - 水分蒸散量測定装置 - Google Patents

水分蒸散量測定装置

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Masayuki Enomoto
雅之 榎本
Toshio Ohashi
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Masao Sakaguchi
坂口  正雄
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正市 中村
Masahiro Kikuchi
雅博 菊池
Koji Nakajima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブの周囲の空気の流れ具合などの影響
を受けずに被験者の皮膚から蒸散された水分量を正確に
測定することが可能な水分蒸散量測定装置を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 プローブ2が被験者の皮膚SKに密着さ
れ,皮膚SKから蒸散された水分とコンプレッサ6から
供給された自然空気とがプローブ2に形成されている密
閉空間で混合され、混合気湿となって排気通路5から大
気中に排気される過程で、自然空気の絶対湿度が絶対湿
度センサ10で検知され、混合気湿の絶対湿度が絶対湿
度センサ11で検知されると、混合気湿の絶対湿度と自
然空気の絶対湿度の差が皮膚SKから蒸散された水分量
に対応した値となるため、プローブ2の周囲の空気の流
れ具合などの影響を受けずに被験者の皮膚SKから蒸散
された水分量を正確に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験者の皮膚から
蒸発して拡散した水分の蒸散量を局所的に測定するため
の水分蒸散量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、皮膚を柔軟に保つ働きをする角
質層は、皮膚を自由に働かせるために必要な保湿性機能
を有しており、この保湿性機能が低下すると、皮膚の乾
燥や肌荒れなどの症状が生じることが知られている。そ
のため、角質層を通して蒸散される水分量を測定するこ
とによって、角質層の水分含有状態を調べるための水分
蒸散量測定手段が開発されている。この水分蒸散量測定
手段として、従来、例えば特開昭52−99684号公
報に記載されている「拡散放出量測定方法」がある。
【0003】上記従来の「拡散放出量測定方法」によれ
ば、本体に一体的に形成されたプローブ(保護カプセ
ル)を被験者の腕の皮膚に直接、接触させることによっ
て、皮膚から蒸散された水分量を測定するものである。
図4は、上記プローブ50の縦断面図である。プローブ
50は円筒型を成し、皮膚SKに接触する端面及びその
反対側端面が開放されているとともに、内部空間に二つ
の湿度センサ51a,51bと、二つの温度センサ52
a,52bとが2段階に配設されている。湿度センサ5
1aはプローブ50の内部空間における皮膚SKに近い
領域で皮膚SKからの蒸散水分の湿度を検知し、温度セ
ンサ52aは同領域での気温を検知するものである。ま
た、湿度センサ51bは皮膚SKから遠い領域で皮膚S
Kからの蒸散水分の湿度を検知し、温度センサ52bは
同領域での気温を検知するものである。
【0004】上記湿度センサ51a,51b及び温度セ
ンサ52a,52bは、図示していない本体に内蔵され
ている測定回路に接続されており、湿度センサ51a,
51b及び温度センサ52a,52bから出力された湿
度検知信号及び温度検知信号が測定回路に入力される
と、測定回路はそれぞれの検知信号に基づいてプローブ
50の内部空間における前述の二つの上下領域での蒸散
水分の圧力差を演算したうえ、その圧力差に基づいて皮
膚から蒸散された水分量を演算する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記「拡散放出量測定
方法」の場合、プローブ50は、皮膚SKに接触する端
面及びその反対側端面が開放されており、皮膚SKから
蒸散された水分を含む気体がプローブ50の内部空間を
縦方向に通過し、上方の開放面から排出される過程で、
同気体の湿度及び温度が湿度センサ51a,51b及び
温度センサ52a,52bにより検出される。
【0006】上述のように、皮膚SKから蒸散された水
分を含む気体がプローブ50の内部空間を通過し、上方
の開放面から排出される過程で検出された気体の湿度及
び温度に基づいて皮膚から蒸散された水分量を演算する
ため、皮膚から蒸散された水分量の測定値がプローブ5
0の周囲の空気の流れ具合などの影響を受けて変化す
る。そのため、プローブ50の周囲の空気の流れが、例
えばエアコンディショナーの作動により変化するような
場合、皮膚SKから蒸散された水分量を正確に測定する
ことが出来ない場合がある。
【0007】そこで本発明では、プローブの周囲の空気
の流れ具合などの影響を受けずに被験者の皮膚から蒸散
された水分量を正確に測定することができる水分蒸散量
測定装置を提供することを解決すべき課題とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、特許請求の
範囲の欄に記載した水分蒸散量測定装置により解決する
ことができる。
【0009】請求項1記載の水分蒸散量測定装置によれ
ば、プローブは、開口部が被験者の皮膚に密着された状
態で弾性部材により皮膚に押し付けられるため、皮膚か
ら蒸散された水分と給気通路を介して外部から供給され
た所定流量の自然空気とを密閉空間で混合させることが
できる。また、外部から供給された所定流量の自然空気
の絶対湿度が第1の絶対湿度検知手段により給気通路で
検知され、その検知データが計測手段に伝送される。皮
膚から蒸散された水分と自然空気とがプローブで混合さ
れた混合気湿は、排気通路を介してプローブの外側に排
気される過程で第2の絶対湿度検知手段によりその絶対
湿度が排気通路で検知され、その検知データが測定手段
に伝送される。計測手段は、第1の絶対湿度検知手段で
検知された自然空気の絶対湿度と第2の絶対湿度検知手
段で検知された前記混合気湿の絶対湿度の差に基づいて
皮膚から蒸散された水分の蒸散量を計測する。このよう
に、水分蒸散量測定装置を構成するプローブは、皮膚か
ら蒸散された水分と所定流量の自然空気とを密閉空間で
混合させることができる。そのため、水分蒸散量測定装
置は、プローブの周囲の空気の流れ具合などの影響を受
けずに被験者の皮膚から蒸散された水分量を正確に測定
することができる。
【0010】請求項2記載の水分蒸散量測定装置によれ
ば、プローブの開口部は、交換可能な皮膚接触部材を介
してそれぞれの被験者の皮膚に密着されるため、被験者
毎に洗浄された皮膚接触部材をプローブの開口部に装着
すれば、プローブを衛生的にそれぞれの被験者の皮膚に
密着させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、被験者の皮膚SKにプローブ2を
密着させて皮膚SKから蒸散された水分量を測定する水
分蒸散量測定装置1の全体的な構成を示した系統図であ
る。また、図2は、プローブ2の構成を示した断面図で
あり、図3は、図2に示したプローブ2のA−A矢視断
面図である。プローブ2に設けられた混合室3は、プロ
ーブ2が被験者の皮膚SKに密着された状態で、皮膚S
Kから蒸散された水分及び後述のコンプレッサ6(図1
参照)から供給された自然空気を導入し、当該水分と自
然空気とを混合させるために設けられている。また、混
合室3のハウジング3aの下端面3bとテーパ状に形成
された内径面2aとに接するように柔軟性の合成樹脂か
ら成るリング状の皮膚接触部材4が上記内径面2aに沿
って移動可能に、且つ、交換し易いように装着されてい
る。この皮膚接触部材4は、それぞれの被験者の皮膚S
Kに密着されるものであるため、それぞれの被験者の水
分蒸散量測定毎に予め洗浄されたものに交換されると、
それぞれの被験者の水分蒸散量を衛生的に測定すること
ができる。また、リング状の皮膚接触部材4を凹凸のあ
る皮膚SKに押圧させ、密着させるために混合室3のハ
ウジング3aを皮膚方向に弾性力で付勢するスプリング
25がプローブ2に形成されているスプリング室24に
弾着されている。
【0012】プローブ2には、混合室3の導入口28a
から前述の自然空気を導入するためのフレキシブルパイ
プ28と、皮膚SKから蒸散された水分及び前述の自然
空気が混合された混合気湿を混合室3の排出口29aか
ら外部に排出するためのフレキシブルパイプ29とが設
けられている。
【0013】図1に示すように、水分蒸散量測定装置1
の本体1aにはコンプレッサ6が設けられている。この
コンプレッサ6は自然空気を吸入したうえ、自然空気を
一定の圧力で送出する。そして、コンプレッサ6から送
出された自然空気はタンク7で一定流量にされたあと、
パイプ8を通って前記フレキシブルパイプ28からプロ
ーブ2の混合室3に供給される。
【0014】プローブ2が皮膚SKに密着された状態
で、コンプレッサ6から送出された自然空気が上述のよ
うにフレキシブルパイプ28からプローブ2の混合室3
に供給されると、この自然空気は、皮膚SKから蒸散さ
れた水分と混合され、混合気湿となって、前記フレキシ
ブルパイプ29を通って排気通路5に流れる。この排気
通路5にはハウジング9が設けられており、排気通路5
を流れた混合気湿はハウジング9を介して大気中に排気
される。
【0015】コンプレッサ6から送出された自然空気の
絶対湿度を検知するための絶対湿度センサ10が前記タ
ンク7の内部に配設されている。また、排気通路5に形
成されているハウジング9を通過する前記混合気湿の絶
対湿度を検知するための絶対湿度センサ11がハウジン
グ9に配設されている。
【0016】上記絶対湿度センサ10,11は、周囲温
度を検知する温度センサを内蔵し、前記自然空気及び混
合気湿の相対湿度を検知温度に基づいて絶対湿度に変換
したうえ、その絶対湿度検知信号を出力する。
【0017】上記絶対湿度センサ10,11は、それぞ
れフィルタ回路F1,F2と電気的に接続されており、
フィルタ回路F1,F2は、絶対湿度センサ10,11
から出力された上記絶対湿度検知信号を入力すると、各
絶対湿度検知信号に含まれる雑音成分を除去したあと、
所定の増幅率で各絶対湿度検知信号を増幅する。
【0018】フィルタ回路F1の出力側は差動増幅器D
Aの反転入力端子(−)に接続されている。また、フィ
ルタ回路F2の出力側は差動増幅器DAの非反転入力端
子(+)に接続されている。この構成により、差動増幅
器DAは、絶対湿度センサ10により検知された自然空
気の絶対湿度に対応した信号と絶対湿度センサ11によ
り検知された混合気湿の絶対湿度に対応した信号との差
の信号を出力する。従って差動増幅器DAから出力され
る信号は、皮膚SKからプローブ2の混合室3に蒸散さ
れた水分量に対応している。
【0019】差動増幅器DAから出力された信号が計測
回路13に入力されると、計測回路13は、その入力信
号に基づいて皮膚SKからプローブ2の混合室3に蒸散
された水分量を計算する。そして、表示部14は、計算
された水分量をアナログ又はディジタル表示するため、
測定者は、被験者の蒸散水分量を定量的に知ることがで
きる。
【0020】尚、水分蒸散量測定装置1は、外部のパー
ソナルコンピュータ等に対して、計測回路13から計測
信号を出力できるように構成されている。これにより、
計測されたデータはパーソナルコンピュータ等に伝送さ
れ、被験者の皮膚の保湿性機能等の評価データとして総
合的に使用することができる。
【0021】次に、水分蒸散量測定装置1の使用例につ
いて説明する。最初に、プローブ2を被験者の例えば腕
の皮膚SKに密着させる。この状態で、混合室3の下端
面3aに装着されているリング状の皮膚接触部材4は、
スプリング25の弾性力により皮膚SKに押圧される。
【0022】次に、コンプレッサ6からタンク7、パイ
プ8、フレキシブルパイプ28を介して一定流量の自然
空気をプローブ2の混合室3に供給する。尚、上記一定
流量の自然空気が前述のタンク7を通過するとき、絶対
湿度センサ10は自然空気の絶対湿度を検知したうえ絶
対湿度検知信号を出力する。
【0023】プローブ2の混合室3において、自然空気
と皮膚SKから蒸散された水分とが混合された混合気湿
は、フレキシブルパイプ29、パイプ5、及びハウジン
グ9を通り、大気中に排気される。この混合気湿がハウ
ジング9を通過するとき、絶対湿度センサ11は混合気
湿の絶対湿度を検知したうえ、絶対湿度検知信号を出力
する。
【0024】フィルタ回路F1,F2は、絶対湿度セン
サ10,11から出力された上記絶対湿度検知信号を入
力すると、それぞれの絶対湿度検知信号に含まれる雑音
成分を除去したあと、所定の増幅率で絶対湿度検知信号
を増幅する。
【0025】差動増幅器DAは、フィルタ回路F1から
の出力信号と、フィルタ回路F2からの出力信号とを入
力し、その差の信号を出力する。差動増幅器DAから出
力される信号は、絶対湿度センサ10により検知された
自然空気の絶対湿度と絶対湿度センサ11により検知さ
れた混合気湿の絶対湿度との差に対応する。従って、差
動増幅器DAから出力された信号は、皮膚SKからプロ
ーブ2の混合室3に蒸散された水分量に対応している。
【0026】差動増幅器DAから出力された信号が計測
回路13に入力されると、計測回路13は、その入力信
号に基づいて皮膚SKからプローブ2の混合室3に蒸散
された水分量を計算する。そして、表示部14は、皮膚
SKからの蒸散水分量をアナログ又はディジタル表示す
るため、測定者は、その水分量を測定することによっ
て、被験者の皮膚の保湿性機能等を評価することができ
る。
【0027】前述のように、水分蒸散量測定装置1は、
外部のパーソナルコンピュータ等に対して、計測回路1
3から計測信号を出力できるように構成されている。こ
れにより、計測されたデータはパーソナルコンピュータ
等に伝送され、被験者の皮膚のデータとして総合的に使
用することができる。
【0028】尚、以上説明した実施の形態の水分蒸散量
測定装置1は一つの例であり、例えばプローブ2の構成
は図2、図3に示したものに限らない。また、図1に示
した電子回路も一例であり、この電子回路をソフトウエ
アで構成してもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、プローブの周囲の空気
の流れ具合などの影響を受けずに皮膚から蒸散された水
分量を正確に測定することができるため、その測定値に
基づいて、被験者の皮膚の機能を正確に評価することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水分蒸散量測定装置の全体的な構成を示した系
統図である。
【図2】プローブの縦断面図である。
【図3】図2のプローブのA−A矢視断面図である。
【図4】従来の技術を説明するためのプローブ断面図で
ある。
【符号の説明】
1 水分蒸散量測定装置 2 プローブ 3 混合室 4 皮膚接触部材 5 排気通路 6 コンプレッサ 7 タンク 10 絶対湿度センサ 11 絶対湿度センサ 13 計測回路 14 表示部 F1 フィルタ回路 F2 フィルタ回路 DA 差動増幅器 25 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 御法川 直之 神奈川県横浜市旭区南希望が丘100番地 有限会社アサヒバイオメッド内 (72)発明者 榎本 雅之 東京都千代田区神田須田町1−34−2 ム サシビル 有限会社アサヒバイオメッド東 京営業所内 (72)発明者 大橋 俊夫 長野県松本市県2丁目13−22 (72)発明者 坂口 正雄 長野県長野市徳間718−12 合同宿舎407号 (72)発明者 中村 正市 愛知県名古屋市千種区内山3丁目8番16号 大興ビル 株式会社スキノス内 (72)発明者 菊池 雅博 埼玉県蓮田市大字黒浜3625−20 (72)発明者 中島 浩二 愛知県尾張旭市東大道町原田2672−163

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の皮膚から蒸発して拡散した水分
    の蒸散量を局所的に測定するための水分蒸散量測定装置
    であって、 開口部が被験者の皮膚に密着された状態で皮膚から蒸散
    された水分を導入するとともに当該水分と給気通路を介
    して外部から供給された所定流量の自然空気とを密閉空
    間で混合させるプローブと、前記プローブで前記水分と
    前記自然空気とが混合された混合気湿を前記プローブの
    外に排気させる排気通路と、前記自然空気の絶対湿度を
    前記給気通路で検知する第1の絶対湿度検知手段と、前
    記混合気湿の絶対湿度を前記排気通路で検知する第2の
    絶対湿度検知手段と、前記プローブの開口部を前記皮膚
    に弾性力で押し付ける弾性部材と、前記第1の絶対湿度
    検知手段で検知された前記自然空気の絶対湿度と前記第
    2の絶対湿度検知手段で検知された前記混合気湿の絶対
    湿度の差に基づいて前記水分の蒸散量を計測する計測手
    段とを備えたことを特徴とする水分蒸散量測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水分蒸散量測定装置であ
    って、前記プローブの開口部は、交換可能な皮膚接触部
    材を介して皮膚に密着されることを特徴とする水分蒸散
    量測定装置。
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JP2005192750A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Takazono Sangyo Co Ltd 発汗計用プローブ及び発汗計
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