JP2005192431A

JP2005192431A - 紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法

Info

Publication number: JP2005192431A
Application number: JP2003436937A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Okuyama; 吉寛奥山
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2003-12-26
Filing date: 2003-12-26
Publication date: 2005-07-21

Abstract

【課題】水稲栽培の育苗や田植え作業を不要にし、小規模水田でも大幅に省力化された方法で、かつ安定した生育が出来、除草効果のある直播栽培法の提供。
【解決手段】従来の水稲の田植え前の状態、又は不耕起状態の水田に水を張り、本発明の紙製の直蒔きセットを送り込んで水面に浮かせ、水田全体に広がってから水を抜き、地面に接地させるだけで発芽生育できる栽培法で、株間隔も一定に確保でき鳥害も無く雑草の発芽生育も抑えられ大幅な省力化、減農薬栽培が出来る。
【選択図】図１

Description

本発明は紙を活用し水面を利用した水稲等の直蒔き栽培法に関するものである。

従来、水稲の直蒔き栽培法は種籾を直に空中から散布をするか、機械を使って列状に撒くか、又はロール状の紙シートに種子を所定の間隔でセットしておき、専用の機械で敷設する方法や、種子等をカプセル状にして水面に投げ入れ、内蔵された成分が水と反応してカプセルが広がり地面に着床発芽させる方法が提供されている。

従来の直蒔き法の欠点は、列状に撒く場合やシートを敷設する場合、専用の大掛かりな設備や機械を必要とし、生産規模の少ない一般農家では生産コスト下げる事が出来なかった。又種蒔き初期の低温に対する対処法の欠如、及び種子を鳥に食べられてしまう鳥害等の課題があった。又カプセル状の物は水と反応して広げる化学成分の安全性や価格の課題があった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。

上記問題点を解決するため本発明は、請求工１〜請求項４を記載する。
紙を利用して作られた丸型の着床用下紙（２）と丸型のカバー用上紙（３）とを重ね、その内部中央には一株当たりに必要な数の種子を有機質ネットの袋に入れたネット入り種子（４）を収納した紙製直播セット（１）を、水の張った田んぼの水面に送り込んで浮かべ、稲の間隔を確保し生育させられる。又、丸型の着床用下紙（２）は、中央部に種子が発根し着床できる様に、かつ種子が落ちない程度の発根着床用穴（２−ａ）が複数あいており、外周部には着床用下紙（２）の下から錐状の物で上向きに突き破って作られた、隙間確保用∧部（２−ｂ）が列状にあり、カバー用上紙（３）は中央部に種子が発芽し紙を突き破れる様にした発芽用切込み（３−ａ）が付いており、外周部の隙間確保用∧部（２−ｂ）より内側、かつ発芽用切込み（３−ａ）より外側を、着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）を上紙と下紙を噛み合せ接合（５）で一体化させる事で二枚の紙の外周部は密着できず厚みを確保する事で水面に浮かせてお互いがぶつかりあっても紙製直播セット（１）は重ならずに必要な間隔を保持出来る。それに、カバー用上紙（３）には風受け用立ち上げ（３−ｂ）が周囲に付いており、水面に送り込んだ時に自然の風又は人工的に起した風を受ける事で広い面積の水面に均一に紙製直播セット（１）を広げられる事が出来、有機質ネットの袋に入れてあるネット入り種子（４）は種子が勝手に水面に浮き上がる事を防止でき、種子全体の速やかな発根着床を促す。稲の直播き栽培法としての作業順序は水田に地表面が完全に隠れる様に充分水を張り、紙で作られた紙製直播セット（１）を専用加工機から水面に順次送り込み、自然の風を利用するか又は送風機等を使って強制的に風を作って水面全体に均一に配置し、その後ゆっくり水田に張った水を抜き、紙製直播セット（１）を水田の地表面に着床させ、この状態で発芽発根を待ち、ある程度稲の根が張った状態になってから水田に水を張り通常の米作り水田に戻す事を特徴とする紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法である。

本発明は以下に記載の様な効果を奏する
（イ）従来の水稲の田植え時の様に、代掻き後の水を張った状態の水田もしくは不耕起のままの水田に、本発明の紙製直播セット（１）を必要数量だけ送り込んで水面に浮かせ、風を利用して水面全体に拡散させ、その後水田の水を抜き地面に設置させるだけでよく、小規模水田でも大幅な低コスト化が出来る。
（ロ）本発明の紙製直播セット（１）は、上下部共に発根発芽して生長するのに支障の無い様に穴や裂け目が有り、稲が発芽して生長し、自らカバー用上紙（３）を突き破く頃まで、冷たい外気や鳥の食害から守る事が出来る。
（ハ）本発明の紙製直播セット（１）は、水面に浮かせた場合、形状からお互いが重ならずに均等な間隔で広がり、稲の株間隔が保てる事で病害虫に強く倒れ難い稲作栽培が出来る。
（ニ）本発明の紙製直播セット（１）は、水田の地表全体に二枚重ねの紙を敷き詰めて太陽光線を遮断する為に、雑草等の発芽生育を抑える事になり除草剤等の農薬使用を減らすことが出来る。
（ホ）本発明の紙製直播セット（１）の内部中央には種子と一緒に生育促進剤や鳥害防止剤等も入れる事が出来る為に、従来の直播栽培より収穫量を増やす事が出来る。
（ヘ）本発明の紙製直播セット（１）の内部中央に入れる種子は、全体を有機質ネットに入れる事により降雨等で急に水位が上がっても個々の種子が水面に浮き上がる事が防止でき、全体の発芽着床生育率が向上できる。
（ト）本発明は古紙再生紙等を利用できる為に、資源の有効利用が出来、又水と反応させるような化学成分も使用しない為、安全性が高い。

以下、本発明の実施の形態について説明する。
（イ）図１は本発明の紙製直蒔きセット（１）を代掻き後の水を張った状態のたんぼの水面に浮かべた状態の断面図である。水面に直接接する丸型の着床用下紙（２）は中央部に種子が発根し着床できる様に、かつ種子が落ちない程度の発根着床用穴（２−ａ）が複数あいており、外周部には着床用下紙（２）下から錐状の物で上向きに突き破って作られた隙間確保用∧部（２−ｂ）が列状にある。着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）の間の中央部には有機質ネットの袋に入れたネット入り種子（４）を挟み、上から被せるカバー用上紙（３）は中央部に種子が発芽し紙を突き破れる様にした発芽用切込み（３−ａ）がある。周部の隙間確保用∧部（２−ｂ）より内側、かつ発芽用切込み（３−ａ）より外側を、着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）を上紙下紙の噛み合せ接合（５）で一体化させる事で二枚の紙の外周部は密着できず厚みを確保する。この事で水面に浮かしてもお互いの紙製直播セット（１）は重ならずに必要な間隔を保持出来る。
（ロ）図２は紙製直播セット（１）が水面に順次送り込まれ、風などにより水面全体に無駄なく配置されて浮いている状態の水田を上から見た平面図である。紙製直播セット（１）が丸型であることから、風受け用立ち上げ（３−ｂ）で風を受けて回転しながら水面を風下に吹かれていき、紙製直播セット（１）同士がぶつかっても隙間無くかつ重ならないで配置され、長時間水面に浮いている事が出来る。
（ハ）図３は紙製直播セット（１）の分解斜視図である。水面に直接接する丸型の着床用下紙（２）は中央部に種子が発根し着床できる様に、かつ種子が落ちない程度の発根着床用穴（２−ａ）が複数あいており、外周部には着床用下紙（２）の下から錐状の物で上向きに突き破って作られた隙間確保用∧部（２−ｂ）が列状にある。着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）の間の中央部には有機質ネットの袋に入れたネット入り種子（４）を挟み、上から被せるカバー用上紙（３）は中央部に種子が発芽し紙を突き破れる様にした発芽用切込み（３−ａ）がある。外周部の隙間確保用∧部（２−ｂ）より内側、かつ発芽用切込み（３−ａ）より外側を、着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）を上紙下紙噛み合せ接合（５）で一体化させる事で二枚の紙の外周部は密着できず厚みを確保する。この事で水面に浮かしてもお互いの紙製直播セット（１）は重ならずに必要な間隔を保持出来る。
（二）図４は紙製直播セット（１）が水を抜いた状態の水田で発根して地中に根を張り、芽して発芽用切込み（３−ａ）を破り成長を始めている状態の断面図である。長時間水分を含み地表面にへばり付いた状態になった紙製直播セット（１）は水田に水を張っても剥がれて浮き上がる事は無く、古紙を二枚重ねて作られている為、一定期間雑草の生長を抑える効果を持ち除草剤の使用を減らすことが出来る。

図３に示すように、水面に直接接する丸型の着床用下紙（２）は中央部に種子が発根し着床できる様に、かつ種子が落ちない程度の発根着床用穴（２−ａ）が複数あいており、外周部には着床用下紙（２）の下から錐状の物で上向きに突き破って作られた隙間確保用∧部（２−ｂ）が列状にある。着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）の間の中央部には有機質ネットの袋に入れたネット入り種子（４）を挟み、上から被せるカバー用上紙（３）は中央部に種子が発芽し紙を突き破れる様にした発芽用切込み（３−ａ）がある。外周部の隙間確保用∧部（２−ｂ）より内側、かつ発芽用切込み（３−ａ）より外側を、着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）を上紙下紙噛み合せ接合（５）で一体化させる事で二枚の紙の外周部は密着できず厚みを確保する。この事で水面に浮かしてもお互いの紙製直播セット（１）は重ならずに必要な間隔を保持出来る。

本発明の紙製直播セット断面図である。本発明の紙製直播セットを水面全体に浮かせた状態の平面図である。本発明の紙製直播セットの分解斜視図である。本発明の紙製直播セットが水を抜いた状態の水田で発根して地中に根を張り、発芽して発芽用切込みを破り成長を始めている状態の断面図である。

符号の説明

１紙製直播セット
２着床用下紙
２−ａ発根着床用穴
２−ｂ隙間確保用∧部
３カバー用上紙
３−ａ発芽用切込み
３−ｂ風受け用立上げ
４ネット入り種子
５上紙下紙噛み合せ接合
６上紙下紙噛み合せ用具
７水
８地表面
９発芽
１０発根

Claims

紙を利用して作られた丸型の着床用下紙（２）と丸型のカバー用上紙（３）とを重ね、その内部中央には一株当たりに必要な数の種子を有機質ネットの袋に入れたネット入り種子（４）を収納した紙製直播セット（１）を、水の張った田んぼの水面に送り込んで浮かべ、稲の間隔を一定に確保し生育させられる事を特徴とする紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法。
請求項１に記載の紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法において、丸型の着床用下紙（２）は、中央部に種子が発根し着床できる様に、かつ種子が落ちない程度の発根着床用穴（２−ａ）が複数あいており、外周部には着床用下紙（２）の下から錐状の物で上向きに突き破って作られた、隙間確保用∧部（２−ｂ）が列状にあり、カバー用上紙（３）は中央部に種子が発芽し紙を突き破れる様にした発芽用切込み（３−ａ）が付いており、外周部の隙間確保用∧部（２−ｂ）より内側、かつ発芽用切込み（３−ａ）より外側を、着床用下紙（２）とカバー用上紙（３）を上紙と下紙を噛み合せ接合（５）で一体化させる事で二枚の紙の外周部は密着できず厚みを確保する事で水面に浮かせてお互いがぶつかりあっても紙製直播セット（１）は重ならずに必要な間隔を保持出来る事を特徴とする紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法。
請求項１に記載の紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法において、カバー用上紙（３）には風受け用立ち上げ（３−ｂ）が周囲に付いており、水面に送り込んだ時に自然の風又は人工的に起した風を受ける事で広い面積の水面に均一に紙製直播セット（１）を広げられる事が出来、有機質ネットの袋に入れてあるネット入り種子（４）は種子が勝手に水面に浮き上がる事を防止でき、種子全体の速やかな発根着床を促す事を特徴とする紙を活用した直蒔き水稲種子の栽培法。
稲の直播き栽培法としての作業順序は、水田に地表面が完全に隠れる様に充分水を張り、紙等で作られた紙製直播セット（１）を専用加工機から水面に順次送り込み、自然の風を利用するか又は送風機等を使って強制的に風を作って水面全体に均一に配置し、その後ゆっくり水田に張った水を抜き、紙製直播セット（１）を水田の地表面に着床させ、この状態で発芽発根を待ち、ある程度稲の根が張った状態になってから水田に水を張って通常の米作り水田に戻す事を特徴とする紙などを活用した直蒔き水稲種子の栽培法。