JP2003265036A - 異種作物同時条播栽培方法及びその装置 - Google Patents

異種作物同時条播栽培方法及びその装置

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JP2003265036A
JP2003265036A JP2002074365A JP2002074365A JP2003265036A JP 2003265036 A JP2003265036 A JP 2003265036A JP 2002074365 A JP2002074365 A JP 2002074365A JP 2002074365 A JP2002074365 A JP 2002074365A JP 2003265036 A JP2003265036 A JP 2003265036A
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simultaneous
different crops
different
seeds
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JP2002074365A
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Kazuhiro Ide
一浩 井手
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KAIHATSU NOKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 収穫時期の異なる異種作物を同時播種により
農作業効率を向上させると共に、生育条件の改善により
栽培効率を向上させることができる異種作物同時条播栽
培方法及び異種作物同時条播栽培装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 水調節機能を備える圃場に収穫時期の異
なる異種作物の各種子を隣接した一対の列状に同時播種
することにより、一度の播種により播種作業を完了して
農作業効率を向上させると共に、この播種された収穫時
期の異なる異種作物の生育状態に適合した圃場の水管理
を行って各作物の収穫適期に収穫できることとなる。特
に、代かき作業、苗代作り、田植え作業は完全に省力で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一圃場で異種作
物を育成する異種作物同時条播栽培方法に関し、特に収
穫時期が異なる異種作物を同時に播種して育成する異種
作物同時条播栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の作物条播方法としては、
湛水直播栽培方法、乾田直播栽培方法等がある。この湛
水直播栽培方式は、圃場に代かき作業を行い水を貯留し
て水田とし、この水田に代かき作業を施した後に稲籾を
播種して播種動作を完了する。また、この湛水直播栽培
方式は、この播種された稲籾が発芽することが困難であ
る上に、所定の大きさまで育成するのに、この育成の段
階に応じて水田の水量を調整したり、収穫時期には水田
から水を完全に排水するように管理しなければならな
い。
【0003】このように管理育成された稲が収穫された
後に圃場を再度耕起畦立てして麦種を播種して育成し、
収穫することとなる。この麦が収穫された後は、稲作の
ために圃場を整備して前記稲作及び麦作の各作業を繰り
返すこととなる。また、乾田直播栽培方式の場合は、圃
場を代かきの必要はないが、稲籾を播種・育成して収穫
した後に、前記したように麦種を播種・育成して収穫す
る動作を繰り返し行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の作物条播方法で
ある湛水直播栽培方法は以上のように構成されていたこ
とから、古代より行われている田植作業を伴う湛水栽培
と同様に圃場を水田とする代かき作業が必要となり、ま
たこの代かきにより土壌中の酸素が減少する還元化現象
が生じて稲籾の発芽・苗立ち・育成を阻害させるという
課題を有する。また、湛水直播栽培方式及び乾田直播栽
培方式のいずれも、収穫時期を異にする異種作物である
稲籾と麦種とを従来は各々播種動作を個別に実行しなけ
ればならず、農作業効率を低下させるという課題を有す
る。さらに、湛水直播栽培方式及び乾田直播栽培方式
は、いずれも各播種作業の前に圃場を耕起していること
から入水や降雨に際しては土壌の還元化が進むこととな
り、前記湛水直播栽培の代かきと同様な課題を生じるこ
ととなる。
【0005】このような土壌の還元化による課題を解決
するために過酸化カルシウム(CaO2)による湿粉衣で種
子をコーティングし、この過酸化カルシウム(CaO2)が
土壌の水分と反応して酸素を発生させることも考えられ
るが、稲籾を全部湿粉衣しても代かき土壌中のO2がムラ
がある上に量的にも不十分であり、また代かき土壌中の
稲籾の位置も明らかでなく、播種位置が揃わない。更
に、この過酸化カルシウムのコーティング作業が繁雑で
あり作業性を低下させると共に、コーティングする過酸
化カルシウム自体が高価でありコストの上昇を招くとい
う課題を新に発生させる。
【0006】本発明は、前記課題を解消するためになさ
れたもので、収穫時期の異なる異種作物を同時播種によ
り農作業効率を向上させると共に、育成条件の改善によ
り栽培効率を向上させることができる異種作物同時条播
栽培方法及び異種作物同時条播栽培装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る異種作物同
時条播栽培方法は、異種作物の生育にあわせて灌漑、排
水及び/又は湛水を行う水調節機能を圃場に設け、当該
圃場に収穫時期が異なる異種作物の各種子を隣接した一
対の列状に同時播種するものである。このように本発明
においては、水調節機能を備える圃場に収穫時期の異な
る異種作物の各種子を隣接した一対の列状に同時播種す
ることにより、一度の播種により播種作業を完了して農
作業効率を向上させると共に、この播種された収穫時期
の異なる異種作物の生育状態に適合した圃場の水管理を
行って各作物の収穫適期に収穫することができることと
なる。
【0008】また、本発明に係る異種作物同時条播栽培
方法は必要に応じて、圃場の水調節機能が、圃場の鋤床
層に所定間隔をおいて浅層弾丸暗渠を施工して形成され
るものである。このように本発明においては、圃場の鋤
床層に浅層弾丸暗渠を所定間隔毎に施工して圃場の水調
節機能を形成しているので、この鋤床層及び作土層に適
度な亀裂を生成すると共に、この亀裂からなる粗孔隙及
び前記弾丸暗渠を介して圃場内の水を排水調整できるこ
ととなり、圃場を水田又は畑地のいずれにも容易に転用
できることとなる。即ち、地下灌漑のできる入水パイプ
は地下約1.0m下部に全部連結して通し、必要箇所に
水門を置き保水の必要なときは、これを閉じて推量を確
保し水調整を行う。
【0009】また、本発明に係る異種作物同時条播栽培
方法は必要に応じて、浅層弾丸暗渠の施工が、圃場の地
表面から25cmないし30cmの深さとし、間隔を
1.5mないし3mとするものである。このように本発
明においては、圃場の水調節機能を実行する浅層弾丸暗
渠を圃場の地表面から25cmないし30cmの深さと
し、この弾丸暗渠の間隔を1.5mないし3mとするこ
とにより、鋤床層及び作土層に形成される適度な亀裂や
孔隙が圃場全面に均一に形成されることとなり、要所に
ある水門と共に圃場内の水調節を円滑且つ確実に管理で
きる。
【0010】また、本発明に係る異種作物同時条播栽培
方法は必要に応じて、一対の列状に同時播種する間隔が
0ないし10cmで区分されるものである、このように
本発明においては、一対の列状に同時に播種する間隔を
0cmないし10cmで区分されることから、生育過程
及び収穫時期が各々異なる作物相互間で一方の作物から
生育を阻害されることなく栽培できると共に、一方の作
物を収穫した後にこの一方の作物の根及び切り残り稈部
分が土地に還元されて地力を増強して他方の作物の養分
となり作物の生育をより促進させることとができる。
【0011】さらに、本発明に係る異種作物同時条播栽
培方法は必要に応じて、一対の列状とこの一対の列状に
隣接する他の一対の列状との間隔を20cm以上とする
ものである。このように本発明においては、一対の列状
と他の列状との間隔を20cm以上とすることにより、
生育時における管理作業機、収穫時における収穫機の走
行作業性を阻害することなく、各作業時の作業効率を向
上させる。
【0012】本発明に係る異種作物同時条播栽培装置
は、複数の車輪を支持する架台本体と、当該架台本体に
載置され、作物の種子を収納する収納部と、前記車輪の
走行前方側における架台本体に配設され、走行方向に作
溝する作溝部と、前記架台本体に載置され前記収納部か
ら供給される種子を列状に播種する種子放出部と、当該
播種された種子に覆土する覆土部とを備え、前記収納部
が異種作物の種子を区分して収納する複数の収納領域を
備えて形成し、前記種子放出部が異種作物の種子を区分
して収納する複数の収納領域を備えて形成し、前記種子
放出部が作溝された溝部内に異種作物の種子を複数条の
列状に異種作物の種子を条播するものである。
【0013】このように本発明においては、収納部に区
分して収納された異種作物の各種子を種子放出部を介し
て作溝部が作溝した溝部内に複数条の列状に条播し、こ
の条播した溝部に覆土部が覆土するようにしているの
で、収穫時期が異なる異種作物を同時に一度の播種覆土
作業が実施できる。
【0014】また、本発明に係る異種作物同時条播栽培
装置は必要に応じて、種子放出部が前記収納部内に一端
を配設されると共に前記作溝部後方近傍に他端を配設さ
れるコンベアを備え、当該コンベアが前記収納部の複数
の収納領域から異種作物の種子を搬送して作溝された溝
部内に一対の列状に同時条播を行うものである。このよ
うに本発明においては、収納部に区分して収納された異
種作物の各種子を各々放出する種子放出部がコンベアー
で形成され、このコンベアーの移送速度で強制的に前記
各種子を区分して作溝された溝部内に一対の列状に同時
条播することにより、このコンベアーの移送と車輪の回
転とを連動させることができることとなり、播種作業を
より高速化できる。
【0015】さらに、本発明に係る異種作物同時条播栽
培装置は必要に応じて、種子放出部が播種する異種作物
の各種子を作溝された溝部内に各列状に区分する仕切部
を備えるものである。このように本発明においては、種
子放出部の仕切部で異種作物の各種子を作溝された溝部
内に区分して条播しているので、異種作物の各種子が混
合することなく条播できることとなり、収穫時期の異な
る異種作物が個別独立し、且つ生育の遅い作物を制約せ
ずに栽培できると共に、一方の作物が収穫された後の稲
藁、麦稈等が他方の作物の養分となるように一方の作物
の茎葉を全量土壌に還元できる。
【0016】
【発明の実施の形態】(本発明の第1の実施形態)以
下、本発明の第1の実施形態に係る異種作物同時条播栽
培装置を稲麦同時播種栽培を例に挙げて異種作物同時条
播栽培方法と共に図1ないし図7を用いて説明する。こ
の図1は本実施形態に係る異種作物同時条播栽培装置の
側面図、図2は本実施形態に係る異種作物同時条播栽培
装置における平面図、図3は図2に記載の異種作物同時
条播栽培装置における種子放出部の詳細構成図、図4は
本実施形態に係る異種作物同時条播栽培方法における各
作業工程のタイミングチャート、図5は図4に記載の異
種作物同時条播栽培方法における浅層弾丸暗渠の施工態
様図、図6は図5に記載の異種作物同時条播栽培方法に
おける浅層弾丸暗渠による土壌構造生成図、図7は図2
に記載の本実施形態に係る異種作物同時条播栽培装置に
より条播された稲籾及び麦種の播種態様図を示す。
【0017】前記各図において、本実施形態に係る異種
作物同時条播栽培装置により駆動される二つの車輪1を
支持する架台本体2と、この架台本体2に載置され、作
物の種子を収納する収納部3と、前記車輪1の走行前方
側における架台本体2に配設され、走行方向A(図1、
2中に矢印で示す)に作溝する作溝ディスク4と、前記
架台本体2に載置され、前記収納部3から供給される種
子を列状に播種する種子放出部5と、この播種された種
子にディスクを逆転させて覆土する覆土ディスク6と、
この覆土ディスク6の走行方向後段に覆土を鎮圧する鎮
圧ローラ7と、前記車輪1の回転力を種子放出部5の駆
動部に伝達する駆動伝達部8とを備える構成である。
【0018】前記収納部3は、麦種を収納する麦種収納
部31と稲籾を収納する稲籾収納部32とが、前記進行
方向Aに対して左右に区分されて装置の上方部分に配設
される構成である。また、この麦種収納部31及び稲籾
収納部32は、低面部分で種子放出部5に連結され、こ
の低面部から種子放出部5により麦種及び稲籾が順次繰
り出される構成である。
【0019】前記作溝ディスク4は、前記走行方向Aに
対して所定角度傾斜された二つの左・右の各ディスク4
1、42を前記架台本体2に固着された支持軸43が軸
支する構成である。この前記種子放出部5は、麦種収納
部31に収納された麦種を作溝ディスク4により作溝さ
れた溝部内に搬送して供給する麦種コンベア51と、稲
籾収納部32に収納された稲籾を作溝ディスク4により
作溝された溝部内に搬送して供給する稲籾コンベア52
と、この麦種コンベア51及び稲籾コンベア52の先端
側(溝部内に位置する側)に区分するように配設される
セパレータ57とを備える構成である。この麦種コンベ
ア51及び稲籾コンベア52は、麦種及び稲籾の搬送方
向に添ってコンベアガイド54が配設され、搬送される
麦種及び稲籾の離脱・落下を防止する構成である。ま
た、この麦種コンベア51及び稲籾コンベア52は、前
記車輪1の回転に伴う駆動力を駆動伝達部8を介してプ
ーリ53に伝達され、車輪1の回転に比例した速度で可
能な限り早く回転して麦種及び稲種としての稲籾等の各
種の種子類の搬送を行う構成である。
【0020】前記駆動伝達部8は、車輪1の駆動軸11
に軸支されるプーリ81と前記プーリ53とに巻回され
る伝達ベルト82を備え、前記車輪1の駆動と共に、プ
ーリ81から駆動軸52a及びプーリ53を介して麦種
コンベア51及び稲籾コンベア52を駆動させる構成で
ある。また、前記架台本体2には、収納部3の走行方向
前段側に肥料収納部9が配設され、この肥料収納部9に
収納される肥料が施肥管91を介して播種する領域の土
壌に供給する構成である。
【0021】次に、前記構成に基づく本実施形態に係る
異種作物同時条播栽培装置の動作を異種作物同時条播栽
培方法に基づいて圃場整備動作、播種作業動作、管理作
業動作及び収穫作業動作に分けて説明する。まず、圃場
整備動作は、対象となる圃場100に弾丸暗渠110を
施工して形成する。この弾丸暗渠110は弾丸状に形成
された金属弾丸体を板状の支持部で支持し、この金属弾
丸体を地中約30cmの鋤床層B1層上部に埋没させた
状態で地上に露出した支持部を牽引することにより圃場
100の鋤床層のB1層又はB2層に金属弾丸体が通過し
た後に亀裂を伴う断面円形状の貫通孔が浅層弾丸暗渠孔
として形成されることとなる。この貫通孔の弾丸暗渠1
10は、圃場100の両側に位置する調節水路200に
連通させて図5に示すように形成される。この調節水路
200は、図示を省略する水位調節手段(例えば、揚水
ポンプ等)により、図5に示すように麦作時の水位(レ
ベル1)と稲作時の水位(レベル2)との間で水位調節
を行う。
【0022】次に、夏期に稲を生育し、冬季に麦を生育
する場合の稲麦同時播種栽培については次の通り実行さ
れる。この播種作業動作は、圃場100を麦作時の水位
であるレベル1に調節水路200を調整した状態で10
月〜12月頃に前記異種作物同時条播栽培装置により圃
場100に図7に示すように作溝ディスク4により稲籾
用溝(深さ5cm)と麦種用溝(深さ4cm)を作溝
し、この各対応する溝内に稲籾及び麦種の2条を一対と
して条播する。この条播の播種速度は10km/hない
し15km/hとし、車輪1による走行速度と一致す
る。このように圃場100が麦作時の乾田状態で播種す
ることから、一度の播種動作で麦種の播種速度と同等の
速度で稲籾も播種作業を実行できる。この条播の際に施
す肥料は、超緩行性の特性を有する肥料が選定されるこ
とにより、更に数年後の有機農法に移行すれば播種後の
施肥回数並びに施肥量を減少させて管理作業の更なる省
力化を図ることができる。
【0023】前記条播された一対の列状の稲籾と列状の
麦種との間隔は、図7に示すように10cmに設定さ
れ、播種作業が実行される際にその中間に前記セパレー
タ57が位置されることとなる。また、一対となる稲籾
及び麦種等の各列とこれに隣接する他の一対の列との間
隔は、コンバイン等の作業機の車輪又はキャタピラーの
幅より大きい寸法に設定され、一般には図7に示すよう
に20cmないし30cmの寸法とされる。このように
同時に播種された稲籾及び麦種のうち、麦種が1月頃発
芽し生長する。この生長する麦に対し鎮圧ローラによる
鎮圧、除草剤による除草等の管理作業が実行される。ま
た、各地域の地温に応じて3月頃には前記同時に播種さ
れた稲籾が発芽し、次第に生育を始めるとこの発芽した
稲に対しても各種の管理作業が実行される。
【0024】さらに、6月には麦の収穫時期となり、こ
の麦の収穫は麦の根本から20cmないし30cmの高
さで高刈りをする。この麦の収穫時期には、稲が20c
mないし30cmに生育していることから、この麦の高
刈りにより稲の青葉(幼苗)は大きく切断されることが
ない。また、この麦の収穫に際して、刈取られた麦稈は
細断されて圃場100内に散布される。この麦が収穫さ
れた後は、調節水路200の水位を調節して稲作時の水
位であるレベル2とする。この調節水路200の水位を
レベル2とすることにより、図5に示すように圃場10
0内へ調節水路200の水が弾丸暗渠110を介して流
入し、圃場100が稲作時の水位レベルとなって水田と
なる。
【0025】前記圃場100内への水の流入により稲の
生育を増進されると共に、圃場100内に散布された細
断麦稈及び高刈りされた残りの麦稈が流入した水で腐敗
して有機分解されて有機肥料となり、さらに稲の生育を
より促進させることができることとなる。この時高刈さ
れて細断された麦稈は、横方向へ流されて移動すること
が防止され、水は単に上下の縦方向への移動に制限され
ることから、稲苗の高さ以上に冠水しても細断された麦
稈を浮上させて一方に吹きよせて稲苗を倒伏させること
がない。
【0026】前記稲の生育が進む9月頃には調節水路2
00の水位を徐々に減少させ、10月頃の稲の収穫期に
は調節水路200の水位を麦作の水位であるレベル1に
まで減少させる。このようにレベル1にまで調節水路2
00の水位を減少させることにより、水田であった圃場
100を乾田状態とし、コンバイン等の収穫機で稲を収
穫する。この稲の収穫に際して稲藁を細断して圃場10
0内に散布する。
【0027】このように稲の収穫を乾田状態の圃場10
0でコンバイン等の収穫機で作業させることができるの
で、収穫機の走行性を高めて作業効率を向上させること
ができる。また、稲及び麦のコンバインによる収穫時に
稲藁及び麦稈を細断して圃場100の全体に散布するよ
うにしているので、ワラ類全量が有機物として土地還元
が可能となり、地力増強及び有機農法の素地形成が可能
となり、この栽培方法を採用して4年目以降位には完全
な有機栽培ができることとなる。
【0028】さらに、本実施形態に係る異種作物同時条
播栽培方法は、播種作業時に圃場100の表面を作溝す
るのみで土壌の耕起を一切行うことのない表面施用であ
ることから、土壌全体は酸化状態を維持して還元状態と
なることがなくなり、且つ前記圃場100の全面に細断
散布された稲藁及び麦稈により被覆効果が発揮されて雑
草を防除することができ、除草剤の施用が不用となる。
【0029】(本発明の他の実施形態)前記第1の実施
形態に係る異種作物同時条播栽培装置においては、肥料
収納部9に収納される肥料を施肥管91を介して作溝デ
ィスク4の前段側に配設する構成としたが、作溝ディス
ク4の後段側で且つ覆土ディスク6の前段側に施肥管9
1から肥料を供給するように構成することもできる。
【0030】また、前記第1の実施形態に係る異種作物
同時条播栽培装置においては、収納部3に収納される麦
種及び稲籾を略円環状に回動駆動される麦種コンベア5
1及び稲籾コンベア52を介して搬送する構成とした
が、収納部3の稲籾収納部32及び麦種収納部31に接
続されるパイプ又はチューブからなる移送管により種子
放出部5を形成し、この移送管内に流通させる空気の気
流により麦種及び稲籾を作溝された溝部内に供給する構
成とすることもできる。また、この麦種及び稲籾の供給
量及び供給速度は前記移送管の気流を速度を調整するこ
とにより播種速度を必要に応じて自由に調整することが
できる。
【0031】また、前記第1の実施形態に係る異種作物
同時条播栽培方法においては、弾丸暗渠の施工深さを地
中約30cmの鋤床層に形成する構成としたが、毎年の
施工又は隔年毎の施工において場所を変え、又は年毎に
次第に深い位置に施工する構成とすることもできる。こ
のように浅層弾丸暗渠で形成する深さを順次深くしてい
くことにより、圃場100の立体的規模拡大ができるこ
ととなる(深耕の効果)。
【0032】また、前記第1の実施形態に係る異種作物
同時条播栽培方法においては、圃場100の水調節を弾
丸暗渠110の施工により調節する構成としたが、圃場
100の作土層から鋤床層まで溝部を形成し、この溝部
内の鋤床層領域に籾殻、発泡スチロール小塊等を収納し
て水調節部を形成し、心土層領域に埋土する構成とする
こともできる。前記水調節部は、直接又は別途の管路を
介して調節水路200に連通するように構成される。ま
た、前記第1の実施形態に係る異種作物同時条播栽培方
法及び異種作物同時条播栽培装置が稲、麦の同時播種を
構成としたが、収穫時期が異なる異種作物である麦と大
豆、麦とソバ又は稲、麦、大豆等の組合わせとする栽培
形態とすることもできる。さらにまた、前記第1の実施
形態に係る異種作物同時条播栽培装置の構成に加え、条
播された土壌領域に農薬を散布する施薬部を備える構成
とすることもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明においては、水調節機能を備える
圃場に収穫時期の異なる異種作物の各種子を隣接した一
対の列状に同時播種することにより、一度の播種により
播種作業を完了して農作業効率を向上させると共に、こ
の播種された収穫時期の異なる異種作物の生育状態に適
合した圃場の水管理を行って各作物の収穫適期に収穫で
きることとなるという効果を奏する。
【0034】また、本発明においては、圃場の鋤床層に
浅層弾丸暗渠を所定間隔毎に施工して圃場の水調節機能
を形成しているので、この鋤床層及び作土層に適度な亀
裂を生成すると共に、この亀裂からなる粗孔隙及び前記
弾丸暗渠を介して圃場内の水を調整できることとなり、
圃場を水田又は畑地のいずれにも容易に転用できること
となるという効果を有する。
【0035】また、本発明においては、圃場の水調節機
能を実行する浅層弾丸暗渠を圃場の地表面から25cm
ないし30cmの深さとし、この弾丸暗渠の間隔を1.
5mないし3mとすることにより、鋤床層及び作土層に
形成される適度な亀裂が圃場全面に均一に形成されるこ
ととなり、圃場内の水調節を円滑且つ確実に管理できる
という効果を有する。
【0036】また、本発明においては、一対の列状に同
時に播種する間隔を0cmないし10cmで区分される
ことから、生育過程及び収穫時期が各々異なる作物相互
間で一方の作物から生育を阻害されることなく栽培でき
ると共に、一方の作物を収穫した後にこの一方の作物の
根及び刈り残し稈部分が土地に還元されて他方の作物の
有機養分となり作物の生育をより促進させることとがで
きるという効果を有する。
【0037】また、本発明においては、一対の列状と他
の列状との間隔を20cm以上とすることにより、生育
時における管理作業機、収穫時における収穫機の走行作
業性を阻害することなく、各作業時の作業効率を向上さ
せるという効果を有する。
【0038】本発明においては、収納部に区分して収納
された異種作物の各種子を種子放出部を介して作溝部が
作溝した溝部内に複数条の列状に条播し、この条播した
溝部に覆土部が覆土するようにしているので、収穫時期
が異なる異種作物を同時に一度の播種作業で実行でき、
特に稲籾を含む異種作物同時条播の場合に代かき作業を
省略できるという効果を有する。さらに、苗代作り、苗
運搬、田植等の作業も完全に省略できる。
【0039】また、本発明においては、収納部に区分し
て収納された異種作物の各種子を各々放出する種子放出
部がコンベアーで形成され、このコンベアーの移送速度
で強制的に前記各種子を区分して作溝された溝部内に一
対の列状に同時条播することにより、このコンベアーの
移送と車輪の回転とを連動させることができることとな
り、現在までのいかなる播種機より播種作業をより高速
化できるという効果を有する。
【0040】さらに、本発明においては、種子放出部の
仕切部で異種作物の各種子を作溝された溝部内に区分し
て条播しているので、異種作物の各種子が混合すること
なく条播できることとなり、収穫時期の異なる異種作物
を個別独立して栽培すると共に、一方の作物が収穫され
た後に他方の作物の養分となるように一方の作物の茎葉
を土壌に全量施用できるという効果を有する。このよう
な土壌への全茎葉の施用を行う栽培方法を複数年継続し
て実施することにより、地力を増し化学肥料を使用しな
い有機農法に転換できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る異種作物同時条
播栽培装置の側面図である。
【図2】本発明の第1の本実施形態に係る異種作物同時
条播栽培装置における平面図である。
【図3】図2に記載の異種作物同時条播栽培装置におけ
る種子放出部の詳細構成図である。
【図4】本発明の第1の本実施形態に係る異種作物同時
条播栽培方法における各作業工程のタイミングチャート
である。
【図5】図4に記載の異種作物同時条播栽培方法におけ
る浅層弾丸暗渠の施工態様図である。
【図6】図5に記載の異種作物同時条播栽培方法におけ
る浅層弾丸暗渠による土壌構造生成図である。
【図7】図2に記載の本実施形態に係る異種作物同時条
播栽培装置により条播された稲籾及び麦種の播種態様図
である。
【符号の説明】
1 車輪 2 架台本体 3 収納部 4 作溝ディスク 5 種子放出部 6 覆土ディスク 7 鎮圧ローラ 8 駆動伝達部 9 肥料収納部 11、52a 駆動軸 31 麦種収納部 32 稲籾収納部 41 左ディスク 42 右ディスク 43 支持軸 51 麦種コンベア 52 稲籾コンベア 53、56、81、83 プーリ 54、55 コンベアガイド 57 セパレータ 82 伝達ベルト 91 施肥管 100 圃場 110 弾丸暗渠 200 調節水路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A01G 25/00 501 A01G 25/00 501A 25/06 602 25/06 602 Fターム(参考) 2B022 AA01 AB20 DA19 2B054 AA20 BA01 BB01 CA04 CB02 CB03 DA12 DB03 DC10 DD11 DD19 DE10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種作物の育成にあわせて灌漑、排水及
    び/又は湛水を行う水調節機能を圃場に設け、当該圃場
    に収穫時期が異なる異種作物の各種子を隣接した一対の
    列状に同時に播種することを特徴とする異種作物同時条
    播栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の異種作物同時条播
    栽培方法において、 前記圃場の水調節機能が、圃場の鋤床層に所定間隔をお
    いて浅層弾丸暗渠を施工して形成されることを特徴とす
    る異種作物同時条播栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載の異種作物同時条播
    栽培方法において、 前記浅層弾丸暗渠の施工が、圃場の地表面から25cm
    ないし30cmの深さとし、間隔を1.5mないし3m
    とすることを特徴とする異種作物同時条播栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載
    の異種作物同時条播栽培方法において、 前記一対の列状に同時播種する間隔が0ないし10cm
    で区分されることを特徴とする異種作物同時条播栽培方
    法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1ないし4のいずれかに記載
    の異種作物同時条播栽培方法において、 前記一対の列状とこの一対の列状に隣接する他の一対の
    列状との間隔を20cm以上とすることを特徴とする異
    種作物同時条播栽培方法。
  6. 【請求項6】 複数の車輪を支持する架台本体と、当該
    架台本体に載置され、作物の種子を収納する収納部と、
    前記車輪の走行前方側における架台本体に配設され、走
    行方向に作溝する作溝部と、前記架台本体に載置され前
    記収納部から供給される種子を列状に播種する種子放出
    部と、当該播種された種子に覆土する覆土部とを備え、 前記収納部が異種作物の種子を区分して収納する複数の
    収納領域を備えて形成し、 前記種子放出部が異種作物の種子を区分して収納する複
    数の収納領域を備えて形成され、 前記種子放出部が作溝された溝部内に異種作物の種子を
    複数条の列状に異種作物の種子を条播することを特徴と
    する異種作物同時条播栽培装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載の異種作物同時条播
    栽培装置において、 前記種子放出部が、前記収納部内に一端を配設されると
    共に、前記作溝部後方近傍に他端を配設されるコンベア
    を備え、当該コンベアが前記収納部の複数の収納領域か
    ら異種作物の種子を搬送して作溝された溝部内に一対の
    列状に同時条播を行うことを特徴とする異種作物同時条
    播栽培装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6又は7に記載の異種作物同
    時条播栽培装置において、 前記種子放出部が播種する異種作物の各種子を作溝され
    た溝部内に各列状に区分する仕切部を備えることを特徴
    とする異種作物同時条播栽培装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101787830B1 (ko) * 2015-09-15 2017-10-20 경북대학교 산학협력단 이종 작물 혼작용 동시 파종장치
KR101895712B1 (ko) * 2017-03-16 2018-09-05 경북대학교 산학협력단 이종 작물 혼작용 동시 파종장치
CN111165126A (zh) * 2020-01-08 2020-05-19 添宇 一种大豆自动播种机器人

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