JP2005192415A - プリオン病治療用ペプチド及びその利用 - Google Patents

プリオン病治療用ペプチド及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2005192415A
JP2005192415A JP2003435425A JP2003435425A JP2005192415A JP 2005192415 A JP2005192415 A JP 2005192415A JP 2003435425 A JP2003435425 A JP 2003435425A JP 2003435425 A JP2003435425 A JP 2003435425A JP 2005192415 A JP2005192415 A JP 2005192415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
amino acid
peptide
prion disease
acid residues
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003435425A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhiko Yoshida
徹彦 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2003435425A priority Critical patent/JP2005192415A/ja
Publication of JP2005192415A publication Critical patent/JP2005192415A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【課題】 天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療用ペプチド及び該ペプチドを主成分とするプリオン病薬剤を提供する。
【解決手段】 本発明によって提供されるプリオン病治療用ペプチドは、天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療用ペプチドであって、ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を有し、且つ、NLS,BIPARTITE NLS,または2個以上の塩基性アミノ酸を含む配列を有する。好ましくは、全アミノ酸残基数が100以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、天然には存在しない形態の独立したペプチド鎖から成るプリオン病治療機能を有するオリゴペプチド又はポリペプチド(以下「プリオン病治療用ペプチド」という。)及びその利用、特に該プリオン病治療用ペプチドを主成分とするプリオン病治療薬剤(組成物)に関する。
これまでの動物実験等でプリオン病薬剤として有効性が確認されているものを大別するとプリオンタンパクに直接的に作用するものと間接的に作用するもの二つに分けられる。直接的に作用するものには、硫酸基を持つ酸性化合物やその誘導体,及びベ−タシ−ト緩邂ペプチドがある。一方、間接的に作用するものとして異常型プリオンタンパク質の生成を抑える薬剤としてはアンホテリンB、キナクリンなどのリソゾ−ム蓄積性薬剤がある。しかしながら、異常型プリオンタンパク質の増殖メカニズムの解明とともに、その立体構造情報が明らかになっていないため本質的な医薬品の分子設計が困難であることから、プリオン薬剤の実用化の目処がたっていないのが実情である。
エレナ・アルディーニら(Elena Ardini et al.)、「発生過程において二つの機能を得たリボソームタンパク質起源の67kDaラミニンレセプター (The 67-kDa Laminin Receptor Originated from a Ribosomal Protein that Acquired a DualFunction During Evolution)」、モレキュラー・バイオロジー・アンド・エボリューション(Molecular Biology and Evolution)、15巻8号、1998年、p.1017−1025
脳内で特殊なタンパク質の異常により、脳内ニュ−ロンが消える痴呆症であるアルツハイマ−病とともに、プリオン病は、正常なプリオンタンパク質が異常プリオンに変性することにより発症するBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy ),CJD(Creutzfeldt-jakob)などに代表される異常タンパク質が起因する病気である。今日において、正常なプリオンから異常プリオンへの変性のメカニズムは解明されていないが、特定の立体構造をもたないペプチドaのタンデム(ペプチドa+ペプチドa)は特定の立体構造を有しないが、特定の立体構造を有するペプチドbをペプチドaのC末端に接続するとペプチドa+ペプチドbは、ペプチドbが有する立体構造に変換するという発見{図1参照:CD(円偏光二色性)スペクトルによる解析}及び、正常なプリオンはラミニンレセプタ−に接着しているという事実に基づき、正常なプリオンから異常プリオンの変遷は、正常なプリオンと異常なプリオンそして正常なプリオンと接着しているラミニンレセプタ−の3つの関係によっていることから、それら3つの関係のうち正常なプリオンと接着しているラミニンレセプタ−結合部位を阻害することによるプリオン病治療用薬剤の提供を目的の一つとする。
本発明によって提供されるプリオン病治療用ペプチドは、ラミニン結合部位(laminin binding site:LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を有し、且つNLS(NUCLEAR LOCALIZATION SIGNAL)配列及びBIPARTITE NLS配列、又は塩基性アミノ酸を2個以上含むアミノ酸配列を有し、アミノ酸総残基数が100以下である。
また、本明細書に開示される他の一つの天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療ペプチドは、ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を有し、且つ、前記配列のN末端側及び/又はC末端側に隣接する部分配列であって、3個以上の連続するアミノ酸残基から成り該配列を構成するアミノ酸残基の過半数はリジン又はアルギニンである高塩基性部分配列を有するペプチドである。好ましくは、全アミノ酸残基数が100以下である。
ここで「天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療用ペプチド」とは、そのペプチド鎖がそれのみで独立して自然界に存在するものではなく、人為的な化学合成或いは生合成(即ち遺伝子工学に基づく生産)によって製造され得るペプチド断片をいう。
本発明者は、特定の立体構造をもたないペプチドaのタンデム構造(ペプチドa+ペプチドa)は特定の立体構造を有しないが、特定の立体構造を有するペプチドbをペプチドaのC末端に接続するとペプチドa+ペプチドbは、ペプチドbが有する立体構造に変換するという発見(図1参照)及び、正常なプリオンはラミニンレセプタ−に接着しているという事実に基づき、正常なプリオンから異常プリオンの変遷は、正常なプリオンと異常なプリオンそして正常なプリオンと接着しているラミニンレセプタ−(ラミニン結合部位)の3つの関係によっていることから、それら3つの関係のうち正常なプリオンと接着しているラミニンレセプタ−結合部位を阻害することができるということから、本発明を完成するに至った。ここでラミニン結合部位というときは、特に言及している場合を除き、特定の生物起源、特定のアミノ酸配列に限定されず、ラミニンレセプターのラミニン結合部位を構成するアミノ酸配列として知られているアミノ酸配列によって特定されるもの全般を指す。
本発明のプリオン病治療用ペプチドは、主要構成要素として「LBSを構成するアミノ酸配列(即ちLBSを構成するものとして知られているアミノ酸配列)のうちから選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列」(以下「LBS配列」と略称する。)を包含する。
好ましいプリオン病治療用ペプチドは、前記少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列(即ちLBS配列)が、配列番号1〜9のいずれかに示されるアミノ酸配列であるか或いは該アミノ酸配列を含む配列であることを特徴とする。これら配列番号に示される配列は、ラミニンとの結合に深く関与することが知られているパリンドローム配列(例えば配列番号1)又は同様のラミニン結合機能を有する同類の配列である。これら配列(該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列であり得る。)を含むLBS配列と、NLS配列及びBIPARTITE NLS配列、又は塩基性アミノ酸を2個以上含むアミノ酸配列とを有することにより、プリオン病治療用ペプチドとしての有用性を発揮し得る。
かかる構成のプリオン病治療用ペプチドとして特に好ましいものに、配列番号10〜30のいずれかに示されるアミノ酸配列または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を含む又は該配列から成るペプチドがある。
また、プリオン病治療用ペプチドは、ペプチド鎖を構成する全アミノ酸残基数が20以下であるものが好ましい。このような鎖長の短いペプチドは、化学合成が容易であり、容易にプリオン病治療用ペプチドを提供することができる。
また、本発明は、本明細書に開示されるプリオン病治療用ペプチドの製造方法を提供する。すなわち、本発明によって提供される一つのプリオン病治療用ペプチド製造方法は、LBSを構成するアミノ酸配列(即ちLBSとして知られる配列)から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を決定することと、前記決定した配列とLBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を結有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチド鎖を設計することと、該設計したペプチド鎖を合成することを包含する。
また、他の一つのプリオン病治療用ペプチド製造方法は、LBSを構成するアミノ酸配列として知られる配列(即ちLBSとして知られる配列)から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を決定することと、前記決定した配列と、そのN末端側及び/又はC末端側に隣接する部分配列であって3個以上の連続するアミノ酸残基から成り該配列を構成するアミノ酸残基の過半数はリジン又はアルギニンである高塩基性部分配列とを有するペプチド鎖を設計することと、該設計したペプチド鎖を合成することとを包含する。
好ましくは、前記ペプチド鎖の設計において、全アミノ酸残基数が100以下であるペプチド鎖を設計する。鎖長が短いプリオン病治療用ペプチドは例えば一般的な化学合成法によって容易に製造及び精製することができる。
また、本発明は、本明細書に開示される少なくとも一つのプリオン病治療用ペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含むプリオン病治療薬剤(典型的には医療分野又は衛生分野において使用し得る組成物)を提供する。全アミノ酸残基数が100以下(更に好ましくは20以下)のプリオン病治療用ペプチドを主成分とすることが好ましい。このような鎖長の短いペプチド(即ち比較的低分子量のプリオン病治療用ペプチド)を含むプリオン病薬剤は取扱いが容易であり、生体での利用に好適となり得る。
また、本発明は、本明細書に開示されるいずれかのプリオン病治療用ペプチドをコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含むか或いはそれら配列により実質的に構成される、天然に存在しない人為的に設計されたポリヌクレオチドを提供する。ここで「ポリヌクレオチド」とは、複数のヌクレオチドがリン酸ジエステル結合で結ばれたポリマー(核酸)を指す用語であり、ヌクレオチドの数によって限定されない。種々の長さのDNAフラグメント及びRNAフラグメントが本明細書におけるポリヌクレオチドに包含される。また、「天然に存在しない人為的に設計されたポリヌクレオチド」とは、そのヌクレオチド鎖(全長)がそれ単独で自然界に存在するものではなく、化学合成或いは生合成(即ち遺伝子工学に基づく生産)によって人為的に合成されるポリヌクレオチドをいう。
好ましいポリヌクレオチドとして、配列番号10〜30のいずれかに示されるアミノ酸配列(または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列)をコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含むか或いはそれら配列により実質的に構成されるポリヌクレオチドがある。
本発明により提供されるLBS配列と、LBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチドとを含む一次構造のプリオン病治療用ペプチドは、プリオンタンパク質との総合作用を発揮し得る。このため、本発明のプリオン病治療用ペプチドはプリオン病薬剤の主構成要素として利用することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えばプリオン病治療用ペプチドの一次構造や鎖長)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えばペプチド合成、ポリヌクレオチド合成、ペプチドを成分とするプリオン病薬剤(薬剤組成物)の調製に関するような一般的事項)は、有機化学、生化学、遺伝子工学、タンパク質工学、分子生物学、薬学、医学、衛生学等の分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の説明では、場合に応じてアミノ酸をIUPAC-IUBガイドラインで示されたアミノ酸に関する命名法に準拠した1文字表記(但し配列表では3文字表記)で表す。
本明細書において開示されるプリオン病治療用ペプチドは、天然に存在しない人為的に設計されたペプチドであり、LBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を結有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチドである。すなわち、本発明のプリオン病治療用ペプチドは、LBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチドが相互に近接して存在しているペプチド断片という点で、天然に存在する種々のポリペプチド(ペプチド鎖)と明確に区別される物質である。
好ましくは、全体のアミノ酸配列に対するLBS配列及びLBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチドの占める割合が40個数%以上であり、この割合がペプチド鎖を構成する全アミノ酸の70個数%以上が更に好ましく、90個数%以上が特に好ましい。
本発明のプリオン病治療用ペプチドは、全てのアミノ酸残基がL型アミノ酸であるものが好ましいが、プリオン病薬剤活性を失わない限りにおいて、アミノ酸残基の一部又は全部がD型アミノ酸に置換されているものであってもよい。
本発明のプリオン病治療用ペプチドの鎖長(アミノ酸残基数)は、含有するLBS配列及びLBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を結有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチドで、全アミノ酸残基数が100以下、例えば10〜100個程度のアミノ酸残基で構成されるものが好ましく、10〜100個程度のアミノ酸残基で構成されるものがさらに好ましく、12〜20個程度のアミノ酸残基で構成されるものが特に好ましい。
プリオン病治療用ペプチドを構成するためのLBS配列としては、従来、各種の生物(真核生物又は原核生物)から発見され、ラミニン結合部位を構成する配列として知られているアミノ酸配列(天然タイプ:native type)から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列の何れかをその配列のまま利用することができる。具体例としては、上記非特許文献1においても紹介されているLBSを構成するアミノ酸配列として知られる配列から選択される6個の連続アミノ酸残基から成る以下の9種の配列:LMWWML(配列番号1);LMWWLL(配列番号2);CLFWLL(配列番号3);LIWYLL(配列番号4);VVYWLL(配列番号5);LYLGAV(配列番号6);LITSKM(配列番号7);FFYMVI(配列番号8);LLTAKM(配列番号9)が挙げられる。これらのうちの1種類或いは2種類以上をLBS配列(又はその一部)として含むペプチドが好ましい。例えば、好適な具体例として後述する配列番号10〜30(表1)に示すような、配列番号1〜9の何れかをそのままLBS配列とするプリオン病治療用ペプチドが好ましい。
LBS配列としては、天然タイプ(native type)の配列のみならず、プリオン薬剤活性を損なわない限りにおいて、種々の部分的な改変が施されたLBS配列を用い得る。例えば、この種の改変配列としては、配列中の数個(例えば1〜3個)のアミノ酸残基が同類置換されたもの、天然タイプのLBSを構成するアミノ酸配列から選択された少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列のN末端及び/又はC末端に1個又は2〜3個のアミノ酸が付加されたもの、C末端アミノ酸(即ちペプチド鎖のC末端アミノ酸に相当する。)のカルボキシル基がアミド化されたもの等が挙げられる。
一方、塩基性部分配列としては、LBS配列のN末端側及び/又はC末端側に隣接する部分配列(但し2アミノ酸残基以上)の過半数が塩基性アミノ酸残基(即ちリジン残基又はアルギニン残基)となるように構成されればよく、特定のアミノ酸配列に限定されない。LBS配列のN末端側及び/又はC末端側に隣接する4アミノ酸残基以上(より好ましくは5アミノ酸残基以上)で構成され、その3/4(75個数%)以上のアミノ酸残基がそれぞれリジンかアルギニンのいずれかである高塩基性部分配列が好ましい。5アミノ酸残基以上で構成され且つその4/5(80個数%)以上のアミノ酸残基(より好ましくはその全てのアミノ酸残基)がそれぞれリジンかアルギニンのいずれかである高塩基性部分配列が特に好ましい。
本発明のプリオン病治療用ペプチドは、プリオンタンパクとの結合性を失わない限りにおいて、LBS配列と、LBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチド配列の何れでもない部分配列を含み得る。特に限定するものではないが、かかる部分配列としてはペプチド鎖におけるLBS配列部分及びLBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチド配列部分の3次元形状を維持し得る配列が好ましい。
ここで開示されるプリオン病治療用ペプチドとして好ましいものに、全アミノ酸残基数が100以下であり、1又は2以上のLBS配列と、LBS配列とNLS配列,及びBIPARTITE NLS配列,または2個以上の塩基性アミノ酸を有する短いポリペプチドまたはオリゴペプチド配列とによりペプチド鎖を構成する全アミノ酸残基の80個数%以上、更に好ましくは90個数%以上が占められるものが挙げられる。あるいはこれら配列と該配列間に介在するリンカー部分(好ましくは1〜数個のアミノ酸残基から成る)とから構成されているものも好適である。
配列番号10〜30に示すプリオン病治療用ペプチドは、ここで開示されるプリオン病治療用ペプチドの好適な具体例であるが、好適なペプチドがこれらアミノ酸配列のものに限定されることを意味しない。例えば、配列番号10〜30に示す配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列もまた本発明のプリオン病治療用ペプチドとして好ましい。
本明細書に開示されるプリオン病治療用ペプチドのうちペプチド鎖の比較的短いものは、一般的な化学合成法に準じて容易に製造することができる。例えば、従来公知の固相合成法又は液相合成法のいずれを採用してもよい。アミノ基の保護基としてBoc(t-butyloxycarbonyl)或いはFmoc(9-fluorenylmethoxycarbonyl)を適用した固相合成法が好適である。
本発明のプリオン病治療用ペプチドは、市販のペプチド合成機(例えば、PerSeptive Biosystems社、Applied Biosystems社等から入手可能である。)を用いた固相合成法により、所望するアミノ酸配列、修飾(C末端アミド化等)部分を有するペプチド鎖を合成することができる。
或いは、遺伝子工学的手法に基づいて本発明のプリオン病治療用ペプチドを生合成してもよい。このアプローチは、ペプチド鎖の比較的長いポリペプチドを製造する場合に好適である。すなわち、所望するプリオン病治療用ペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(ATG開始コドンを含む。)のDNAを合成する。そして、このDNAと該アミノ酸配列を宿主細胞内で発現させるための種々の調節エレメント(プロモーター、リボゾーム結合部位、ターミネーター、エンハンサー、発現レベルを制御する種々のシスエレメントを包含する。)とから成る発現用遺伝子構築物を有する組換えベクターを、宿主細胞に応じて構築する。
一般的な技法によって、この組換えベクターを所定の宿主細胞(例えばイースト、昆虫細胞、植物細胞、動物(哺乳類)細胞)に導入し、所定の条件で当該宿主細胞又は該細胞を含む組織や個体を培養する。このことにより、目的とするポリペプチドを細胞内で発現、生産させることができる。そして、宿主細胞(分泌された場合は培地中)からポリペプチドを単離し、精製することによって、目的のプリオン病治療用ペプチドを得ることができる。一般的な技法によって、この組換えベクターを所定の宿主細胞(例えばイースト、昆虫細胞、植物細胞、哺乳類細胞)に導入し、所定の条件で当該宿主細胞又は該細胞を含む組織や個体を培養する。このことにより、目的とするポリペプチドを細胞内で発現、生産させることができる。そして、宿主細胞(分泌された場合は培地中)からポリペプチドを単離し、精製することによって、目的のプリオン病治療用ペプチドを得ることができる。
なお、組換えベクターの構築方法及び構築した組換えベクターの宿主細胞への導入方法等は、当該分野で従来から行われている方法をそのまま採用すればよく、かかる方法自体は特に本発明を特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
例えば、宿主細胞内で効率よく大量に生産させるために融合タンパク質発現システムを利用することができる。すなわち、目的のプリオン病治療用ペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子(DNA)を化学合成し、該合成遺伝子を適当な融合タンパク質発現用ベクター(例えばノバジェン社から提供されているpETシリーズおよびアマシャムバイオサイエンス社から提供されているpGEXシリーズのようなGST(Glutathione S-transferase)融合タンパク質発現用ベクター)の好適なサイトに導入する。そして該ベクターにより宿主細胞(典型的には大腸菌)を形質転換する。得られた形質転換体を培養して目的の融合タンパク質を調製する。次いで、該タンパク質を抽出及び精製する。次いで、得られた精製融合タンパク質を所定の酵素(プロテアーゼ)で切断し、遊離した目的のペプチド断片(設計したプリオン病治療用ペプチド)をアフィニティクロマトグラフィー等の方法によって回収する。このような従来公知の融合タンパク質発現システム(例えばアマシャムバイオサイエンス社により提供されるGST/Hisシステムを利用し得る。)を用いることによって、本発明のプリオン病治療用ペプチドを製造することができる。
或いは、無細胞タンパク質合成システム用の鋳型DNA(即ちプリオン病治療用ペプチドのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む合成遺伝子断片)を構築し、ペプチド合成に必要な種々の化合物(ATP、RNAポリメラーゼ、アミノ酸類等)を使用し、いわゆる無細胞タンパク質合成システムを採用して目的のポリペプチドをインビトロ合成することができる。無細胞タンパク質合成システムについては、例えばShimizuらの論文(Shimizu et al., Nature Biotechnology, 19, 751-755(2001))、Madinらの論文(Madin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97(2), 559-564(2000))が参考になる。これら論文に記載された技術に基づいて、本願出願時点において既に多くの企業がポリペプチドの受託生産を行っており、また、無細胞タンパク質合成用キット(例えば、日本の東洋紡績(株)から入手可能なPROTEIOS(商標)Wheat germ cell-free protein synthesis kit)が市販されている。
従って、上述のようにしてひとたびプリオン病治療用ペプチドのアミノ酸配列を決定・設計しさえすれば、そのアミノ酸配列に従って無細胞タンパク質合成システムによって目的のプリオン病治療用ペプチドを容易に生産することができる。例えば、日本の(株)ポストゲノム研究所のピュアシステム(登録商標)に基づいて本発明のプリオン病治療用ペプチドを容易に生産することができる。
本発明のプリオン病治療用ペプチドをコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含む一本鎖又は二本鎖のポリヌクレオチドは、従来公知の方法によって容易に製造(合成)することができる。すなわち、設計したアミノ酸配列を構成する各アミノ酸残基に対応するコドンを選択することによって、プリオン病治療用ペプチドのアミノ酸配列に対応するヌクレオチド配列が容易に決定され、提供される。そして、ひとたびヌクレオチド配列が決定されれば、DNA合成機等を利用して、所望するヌクレオチド配列に対応するポリヌクレオチド(一本鎖)を容易に得ることができる。さらに得られた一本鎖DNAを鋳型として用い、種々の酵素的合成手段(典型的にはPCR)を採用して目的の二本鎖DNAを得ることができる。
本発明によって提供されるポリヌクレオチドは、DNAの形態であってもよく、RNA(mRNA等)の形態であってもよい。DNAは、二本鎖又は一本鎖で提供され得る。一本鎖で提供される場合は、コード鎖(センス鎖)であってもよく、それと相補的な配列の非コード鎖(アンチセンス鎖)であってもよい。
本発明によって提供されるポリヌクレオチドは、上述のように、種々の宿主細胞中で又は無細胞タンパク質合成システムにて、プリオン病治療用ペプチド生産のための組換え遺伝子(発現カセット)を構築するための材料として使用することができる。
本発明によって提供されるポリヌクレオチドのいくつかは、新規なアミノ酸配列のプリオン病治療用ペプチドをコードする。
例えば、ペプチド鎖を構成する全アミノ酸残基数が100以下(好ましくは100以下、特に好ましくは20以下)であって、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29又は配列番号30で示されるアミノ酸配列或いは該配列の1若しくは複数(例えば2〜3個)のアミノ酸残基が同類置換されて形成されたアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含む(又はそれら配列から実質的に構成された)天然に存在しない人為的に設計されたポリヌクレオチドが提供される。
また、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29又は配列番号30で示されるアミノ酸配列或いは該配列の1若しくは複数(例えば2〜3個)のアミノ酸残基が同類置換されて形成されたアミノ酸配列から実質的に構成されるプリオン病治療用ペプチドをコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含む(又はそれら配列から実質的に構成された)天然に存在しない人為的に設計されたポリヌクレオチドが提供される。
本発明のプリオン病治療用ペプチドは、プリオンとの高い結合性を有するため、様々な展開が可能である。
プリオン病薬剤の形態に関して特に限定はない。
なお、プリオン病治療用ペプチド(主成分)及び種々の担体(副成分)を材料にして種々の形態の薬剤(組成物)を調製するプロセス自体は従来公知の方法に準じればよく、かかる製剤方法自体は本発明を特徴付けるものでもないため詳細な説明は省略する。処方に関する詳細な情報源として、例えばComprehensive Medicinal Chemistry, Corwin Hansch監修,Pergamon Press刊(1990)が挙げられる。
本発明によって提供されるプリオン病薬剤は、その形態及び目的に応じた方法や用量で使用することができる。
また、本発明のプリオン病治療用ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、いわゆる遺伝子治療に使用する素材として用い得る。例えば、プリオン病治療用ペプチドをコードする遺伝子(典型的にはDNAセグメント、或いはRNAセグメント)を適当なベクターに組み込み、目的とする部位に導入することにより、常時生体(細胞)内で本発明に係るプリオン病治療ペプチドを発現させることが可能である。従って、本発明のプリオン病治療ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAセグメント、RNAセグメント等)は、上述した患者等に対し、プリオン病を治療する薬剤として有用である。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1:プリオン病治療用ペプチドの合成>
計21種類のポリペプチド(サンプル1〜21)を後述するペプチド合成機を用いて製造した。表1には、これらポリペプチドのアミノ酸配列を列挙している。
Figure 2005192415
上述した各ポリペプチド(何れも20アミノ酸残基以下)は、市販のペプチド合成機(PEPTIDE SYNTHESIZER 9050、PerSeptive Biosystems社製品)を用いて固相合成法(Fmoc法)により合成した。なお、縮合剤としてHATU(Applied Biosystems社製品)を使用し、固相合成法に用いた樹脂及びアミノ酸はNOVA biochem社から購入した。アミノ酸配列のC末端をアミド化する場合には、固相担体として「Rink Amide resin (100〜200 mesh)」 を使用した。
而して、上記ペプチド合成機の合成プログラムに準じて脱保護基反応及び縮合反応を反復して樹脂に結合するFmoc−アミノ酸からペプチド鎖を伸長していき、目的の鎖長の合成ペプチドを得た。具体的には、20%ピペリジン/ジメチルホルムアミド(DMF)(ペプチド合成用グレード、関東化学(株)製品)によって、アミノ酸のアミノ保護基であるFmocを切断除去し、DMFで洗浄し、Fmoc−アミノ酸(-OH)各4eqを反応させ、DMFで洗浄する操作を反復した。そして、ペプチド鎖の伸長反応が全て終了した後、20%ピペリジン/DMFによりFmoc基を切断し、DMF、メタノールの順で上記反応物を洗浄した。
固相合成後、合成したペプチド鎖を樹脂と共に遠沈管に移し、エタンジオール1.8mL、m-クレゾール0.6mL、チオアニソール3.6mL及びトリフルオロ酢酸24mLを加え、室温で2時間撹拌した。その後、ペプチド鎖に結合していた樹脂を濾過して除去した。 次いで、濾液に冷却エタノールを加え、氷冷水で冷却してペプチド沈澱物を得た。その後、遠心分離(21000rpmで5分間)によって上澄みを廃棄した。沈殿物に冷ジエチルエーテルを新たに加えて十分に撹拌した後、上記と同じ条件で遠心分離を行った。この撹拌と遠心分離の処理を計3回反復して行った。
得られたペプチド沈殿物を真空乾燥し、高速液体クロマトグラフ(Waters 600:Waters社製品)を用いて精製を行った。
具体的には、プレカラム(日本ウォーターズ(株)製品、Guard-Pak Delta-pak C18 A300)及びC18逆相カラム(日本ウォーターズ(株)製品、XTerra(登録商標)カラム、MSC18、5μm、4.6×1100mm)を使用し、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液との混合液を溶離液に用いた。すなわち、溶離液に含まれる上記トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液の分量を経時的に増大させつつ(容積比で10%から80%への濃度勾配を設ける)、1.5mL/分の流速で上記カラムを用いて30〜40分間の分離精製を行った。なお、逆相カラムから溶離したペプチドは紫外線検出器(490E Detector:Waters社製品)を用いて波長:220nmで検出され、記録チャート上にピークとして示される。
また、溶離した各ポリペプチドの分子量をPerSeptive Biosystems社製のVoyager DE RP(商標)を用いてMALDI-TOF/MS(Matrix-Assisted Laser Desorption Time of Flight Mass Spectrometry:マトリックス支援レーザーイオン化−飛行時間型−質量分析)に基づいて決定した。その結果、目的のポリペプチドが合成・精製されていることが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
<配列表フリーテキスト>
配列番号10 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号11 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号12 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号13 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号14 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号15 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号16 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号17 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号18 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号19 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号20 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号21 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号22 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号23 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号24 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号25 設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号26 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号27 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号28 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号29 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
配列番号30 末端にアミド基を含む、設計されたプリオン病治療用ペプチド。
ペプチドa(RKKKRKV)のタンデム(RKKKRKVRKKKRKV)について測定したCO2042A/TFE=1/1(V/V)でのCD(円偏光2色性)スペクトル。但し、ペプチドaは特定の立体構造を有しないことが知られている。このスペクトルにより、ペプチドaのタンデムは特定の立体構造を有しないことが示される。 ペプチドa(RKKKRKV)とペプチドb(LALKLAGLDI)との複合ペプチド(RKKKRKV LALKLAGLDI)について測定したCO2042A/TFE=1/1(V/V)でのCD(円偏光2色性)スペクトル。但し、ペプチドbはへリックス構造を有することが知られている。このスペクトルにより、ペプチドaとペプチドbとの複合ペプチドはへリックス構造を有することが示される。

Claims (12)

  1. 天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療用ペプチドであって、ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を有し、且つ、NLS及びBIPARTITE NLSを含むアミノ酸配列を有し、全アミノ酸残基数が100以下であることを特徴とする、プリオン病治療用ペプチド。
  2. 天然に存在しない人為的に設計されたプリオン病治療用ペプチドであって、ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を有し、且つ、塩基性アミノ酸を少なくとも2以上含む配列を有し、全アミノ酸残基数が100以下であることを特徴とする、プリオン病治療用ペプチド。
  3. 前記少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列が、配列番号1〜9のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む配列である、請求項1又は2に記載のプリオン病治療用ペプチド。
  4. 前記少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列が、配列番号1〜9のいずれかに示されるアミノ酸配列である、請求項1又は2に記載のプリオン病治療用ペプチド。
  5. ペプチド鎖を構成する全アミノ酸残基数が20以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のプリオン病治療用ペプチド。
  6. 配列番号10〜30のいずれかに示されるアミノ酸配列または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を含む、請求項2に記載のプリオン病治療用ペプチド。
  7. 配列番号10〜30のいずれかに示されるアミノ酸配列または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列から成る、請求項2に記載のプリオン病治療用ペプチド。
  8. 少なくとも一つのアミノ酸残基がアミド化されている、請求項1〜7のいずれかに記載のプリオン病治療用ペプチド。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプリオン病治療用ペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含むプリオン病治療用薬剤。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のプリオン病治療用ペプチドをコードするヌクレオチド配列及び/又は該配列と相補的なヌクレオチド配列を含む、天然に存在しない人為的に設計されたポリヌクレオチド。
  11. プリオン病治療用ペプチドの製造方法であって:
    ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を決定すること;及び,前記決定した配列と少なくとも一つのNLS配列,BIPARTITE NLS配列とを有するペプチド鎖を設計すること;及び該設計したペプチド鎖を合成すること;
    を包含する方法。
  12. プリオン病治療用ペプチドの製造方法であって:
    ラミニン結合部位(LBS)を構成するアミノ酸配列から選択される少なくとも6個の連続するアミノ酸残基から成る配列、または該配列のうち1若しくは複数のアミノ酸残基を同類置換した配列を決定すること;及び前記決定した配列と少なくとも2つ以上の塩基性アミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド鎖を設計すること;及び該設計したペプチド鎖を合成すること;
    を包含する方法。

JP2003435425A 2003-12-26 2003-12-26 プリオン病治療用ペプチド及びその利用 Pending JP2005192415A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003435425A JP2005192415A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プリオン病治療用ペプチド及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003435425A JP2005192415A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プリオン病治療用ペプチド及びその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005192415A true JP2005192415A (ja) 2005-07-21

Family

ID=34815510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003435425A Pending JP2005192415A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プリオン病治療用ペプチド及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005192415A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007102365A1 (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Toagosei Co., Ltd. 抗ウイルス性ペプチドおよびその利用
WO2007123187A1 (ja) 2006-04-20 2007-11-01 Itoham Foods Inc. コンフォメーション病医薬組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007102365A1 (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Toagosei Co., Ltd. 抗ウイルス性ペプチドおよびその利用
WO2007123187A1 (ja) 2006-04-20 2007-11-01 Itoham Foods Inc. コンフォメーション病医薬組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11905536B2 (en) Anti-inflammatory peptides and composition comprising the same
JP4934034B2 (ja) 神経分化誘導ペプチド及びその利用
JP4573143B2 (ja) 人工ペプチド及びその利用
JP5709013B2 (ja) 神経分化誘導ペプチド及びその利用
JP4423542B2 (ja) 抗菌性ポリペプチド及びその利用
JP4730584B2 (ja) 抗菌ペプチド及びその利用
JP5709012B2 (ja) 神経分化誘導ペプチド及びその利用
JPWO2008081812A1 (ja) 抗腫瘍ペプチド及びその利用
JP5041231B2 (ja) 抗菌ペプチド及びその利用
JP4788958B2 (ja) 抗ウイルス性ペプチドおよびその利用
JP2005192415A (ja) プリオン病治療用ペプチド及びその利用
JP4831410B2 (ja) 抗ウイルス性ペプチドおよび抗ウイルス剤
US7615534B2 (en) Antimicrobial peptides and use thereof
WO2005049819A1 (ja) 抗菌ペプチド及びその利用
JP4507084B2 (ja) アポトーシス誘導性ペプチド及びその利用
JP4677319B2 (ja) 神経分化抑制ペプチド及びその利用
WO2008032777A1 (fr) Peptide antibactérien et son utilisation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20090728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100209