JP2005191089A - 高周波コイルとその製造方法 - Google Patents

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有 西野
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幸久 吉田
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Kenji Suematsu
憲治 末松
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Abstract

【課題】 低損失微小の高周波コイルの加工工程を簡素化してコスト低減を図るとともに、全体の厚さを薄くする。
【解決手段】 凹部101を持つシリコン基板100と、凹部101の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1の金の線201〜205と、開口面にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の金の線301〜304と、第1及び第2の金の線の端部を接続することにより連続したらせん状の高周波コイルとする。
【選択図】 図1

Description

この発明は微細加工技術による高周波コイルとその製造方法に関するものである。
従来の高周波コイルでは、高周波コイルは複数のループ状線路を軸線が共通になるように配列したらせん状に形成されている。そのらせん状体の両端部は軸方向に屈曲されて入力部と出力部に形成されていて、これら入出力部が基板に保持されている。
次に動作について説明する。
信号の入力部から入力された高周波信号はループ状線路へと伝送され、信号の出力部から出力される。このとき、1つのループ状線路の周囲に発生する磁界の向きはその他のループ状線路の発生する磁界の向きと同じであり、ループ状線路全体では電流の変化を妨げる向きに電位が発生し、インダクタとして働く。また、電磁界はループ状線路の内側に集中するので基板の影響を受けにくいため、基板の誘電正接による損失は少なく、低損失なコイルとして働く。
次に従来の高周波コイルの加工方法について説明する。
アルミナ基板の上に厚さ30μmのポリイミド膜を積層した後、アルミニウムをマスクとしたエッチングにより溝を形成して銅メッキを行うことにより、入出力部を形成する。さらにポリイミド膜を積層し、アルミニウムをマスクとしたエッチングにより溝を形成して銅メッキを行うことによりループ状線路の下方部を形成する。次いでポリイミド膜を積層し、アルミニウムをマスクとしたエッチングにより溝を形成して銅メッキを行うことによりループ状線路の垂直部を作成する。最後に、ポリイミド膜を積層し、アルミニウムをマスクとしたエッチングにより溝を形成して銅メッキを行うことによりループ状線路の上方部を形成する(例えば、非特許文献1、特にFig9a〜e参照)。
他の従来の高周波コイルでは、グランド導体の上にシリコンが堆積されたシリコン基板を設け、シリコン基板の上に薄い誘電体膜を形成し、誘電体膜の上にスパイラルコイル、スパイラルコイルの入出力部およびスパイラルコイルの終端部分と入出力部を結ぶエアブリッジが設けられ、かつスパイラルコイルよりも下方のシリコンはエッチングにより除去されて空孔に形成されている。
次に動作について説明する。
入力部から入力された信号はスパイラルコイルに導かれ、さらに信号はエアブリッジを介して出力部へ導かれる。スパイラルシリコンの下方は空孔に形成されているため、シリコンの誘電体損やシリコンの導体損が生ぜず、このため小型で低損失なコイルが実現できる(例えば、非特許文献2、特にFig2参照)。
刊行物「コンポーネント、パッケージングおよびマニファクチャリング テクノロジーに関するIEEEトランザクション」、1998年1月PART C,VOL.21,NO.1に記載のヨンージュン キムおよびマーク ジー.アレン共著による題名「高周波用表面微細加工によるソレノイドインダクタ」 刊行物「マイクロウエーブ理論および技術に関するIEEEトランザクション」、1995年4月VOL.43,NO.4に記載のチェンーユー チおよびガブリエル エム.レバイツ共著による題名「微細加工技術を用いたマイクロウエーブおよびミリメータ波用のエレメントおよび結合線フィルタ」
非特許文献1に記載の技術では、微細加工技術を用いて基板上にポリイミド膜を何層にも積み上げて高周波コイルを下方部から順次形成するので、加工工程が複雑でコストがかかるという課題があった。
また、非特許文献2に記載の技術では、複数枚のウェハを張り合わせて加工するので、部品の厚みが厚くなるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、加工工程が簡易でコスト低減が図れ、かつ部品の薄型化が実現可能な高周波コイルとその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る高周波コイルは、凹部を持つ基板と、凹部の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路と、凹部の開口面にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路と、第1の導体線路の一端を第2の導体線路の一端に接続する第1の接続部と、第1の導体線路の他端を一端が接続された第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続する第2の接続部とを備えたものである。
この発明によれば、らせん状導体線路の半分以上は基板の凹部内面に設けられ、しかも他の部分の導体線路は凹部の開口面に架設されているので、らせん状導体のほぼ全体が基板に保持されていることになり、したがって、らせん状導体自体の強度や剛性が多少低くても高周波コイルを形成することが可能であり、よって、らせん状導体線路をより薄くかつ細く形成することができるため小型化が可能となるとともに、高周波コイル全体の厚さは基板の高さにほぼ等しく、したがって、全体の厚さを薄くすることができる。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波コイルの斜視図、図2および図3は製造工程の途中を示す斜視図である。シリコン基板100にはエッチングにより微小な凹部101が形成されていて、この凹部の内面には、それぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路である複数の第1の金の線201〜205が配置されている。
また、凹部101の開口面には、それぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路である複数の第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306から形成されている。そして第1の金の線201〜205の一端を第2の金の線301〜306の一端に接続する第1の接続部401と、第1の金の線の他端を一端が接続される第2の金の線の隣の第2の金の線の一端に接続する第2の接続部402を複数設けることにより、隣り合う第1の金の線同士が第2の金の線により電気的に接続される。第1の接続部及び第2の接続部は、接続が容易となるように凹部の上段上面に設けられている。複数の第1の金の線及び複数の第2の金の線が一本の導体となり、金の線はらせん状のコイルに形成される。金の線で形成されたらせん状のコイルのコア部は中空に構成されている。
次に上記構成に係る高周波コイルの製造方法について説明する。
まず、図2に示すようにシリコン基板100にウェットエッチングを施して深さ30μmほどの凹部101を設ける。次に図3に示すようにこの凹部101の内面から基板100の上面にかけて金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みの複数の第1の金の線201〜205を残す。このとき、各々の第1の金の線201〜205の両端がシリコン基板100の凹部の上段上面にわずかに残るようにしておく。
次に、犠牲層としてたとえばフォトレジストを凹部101に充填してシリコン基板100の凹部の上面と同じ面で平坦化する。このとき、第1の金の線201〜205の各々の両端部が犠牲層から露出するようにする。続いて犠牲層の上に金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みの第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306を残す。その際、第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306の各々の両端部が第1の金の線201〜205の各々の両端部に接合させるための第1及び第2の接続部401,402を形成する。上述したように第1及び第2の接続部401,402を形成することにより、隣り合う第1の金の線同士が第2の金の線により電気的に接続される。
最後に犠牲層として凹部101に充填されているフォトレジストをウェットエッチングで取り除くことで第1及び第2の金の線305,201,301,202,302,203,303,204,304,205,306は連続する一本のらせん状導体となり、全体としてらせん状導体の内部が中空となるコイルが得られる。
凹部内に犠牲層を充填し、犠牲層上に第2の金の線を形成した後、凹部に充填された犠牲層を除去するので、工程の簡略化が図れてコスト低減が可能となるとともに、全体の厚さを薄くすることができる。
次に動作について説明する。
らせん状導体の入力端子となる金の線305から高周波信号が入力されると、この高周波信号は金の線を201,305,201,301,202,302,203,303,204,304,205の順で伝達され、金の線306から出力される。このように電流がらせん状に流れるため、第2の金の線301〜304に流れる電流の向きは等しく、また、第1の金の線201〜205に流れる電流の向きも等しくなる。これにより凹部101の中に磁界が閉じ込められるように発生するが、この部分は中空になっているため損失がほとんどない。このためこの微小ならせん状導体は低損失となる。
基板100としてはシリコンに限定されることなく、ガラスなど微細な加工が可能な材料であれば利用できる。また、金の線は金に限定されることなく、例えばフォトリソグラフィー技術によりパターンが作成できるものなら利用できる。金の線の厚みは用いられる金属の導電率及び利用する周波数を考慮し表皮深さ以上であることが望ましい。
なお、上記では犠牲層の上に第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306を形成しているが、これに限らず第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306を形成する前に犠牲層の上に1μmほどのうすい絶縁体、たとえば窒化シリコンなどをスパッタで作成し、次いで前工程で形成した第1の金の線201〜205の両端部が絶縁体から露出するようにエッチングし、同時に犠牲層を取り除くための穴を絶縁体にあけておくことにより、第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306を絶縁体の膜で支持した状態で凹部101の開口面に設けることができる。このようにすることにより凹部101の開口面積が大であっても第2の金の線及び入出力部となる金の線301〜306が緊張状態で固定されるためらせん状導体の作製がより容易になる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による高周波コイルの斜視図である。シリコン基板100にはエッチングにより微小な凹部101が形成されていて、この凹部の内面には、それぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路である複数の第1の金の線501,503,505と、それぞれ略並行に設けられた複数の第3の導体線路である複数の第3の金の線502,504,506が、交互に配置されている。
また、凹部101の開口面には、それぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路である、複数の第2の金の線603,605と、それぞれ略並行に架設された複数の第4の導体線路である、複数の第4の金の線604,606とが交互に配置されている。
そして第1の金の線の一端を第2の金の線の一端に接続する第1の接続部403と、第1の金の線の他端を一端が接続する第2の金の線の隣の第2の金の線の一端に接続する第2の接続部404を複数設けることにより、隣り合う第1の金の線が第2の金の線により接続される。また、第3の金の線の一端を第4の金の線の一端に接続する第3の接続部405と、第3の金の線の他端を一端が接続する第4の金の線の隣の第4の金の線の一端に接続する第4の接続部406を複数設けることにより、隣り合う第3の金の線が第4の金の線により接続される。
第1〜4の接続部は、接続が容易となるように凹部の上段上面に設けられている。そして、複数の第1の金の線及び複数の第2の金の線が一本の導体となり、第1のらせん状のコイルに形成される。また、複数の第3の金の線及び複数の第4の金の線が一本の導体となり、第2のらせん状のコイルに形成される。そして、金の線で形成されたら第1及び第2のらせん状のコイルのコア部は中空に構成されている。
次に上記構成に係る高周波コイルの製造方法について説明する。
まず、シリコン基板100にウェットエッチングを施して深さ30μmほどの凹部101を設ける。次にこの凹部101の内面から基板100の上面にかけて金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みの複数の第1及び第3の金の線501〜506を残す。このとき、各々の第1及び第3の金の線501〜506の両端がシリコン基板100の凹部の上段上面にわずかに残るようにしておく。
次に、犠牲層としてたとえばフォトレジストを凹部101に充填してシリコン基板100の上面と同じ面で平坦化する。このとき、それぞれ交互に設けられた第1及び第3の金の線501〜506の各々の両端部が犠牲層から露出するようにする。続いて犠牲層の上に金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みのそれぞれ交互に設けられた第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線601〜608を残す。
その際、第2の金の線603,605の各々の両端部が第1の金の線501,503,505の各々の両端部に接合させるための第1及び第2の接合部を設ける。また、第4の金の線604,606の各々の両端部が第3の金の線502,504,506の各々の両端部に接合させるための第3及び第4の接合部を設ける。上述したように第1〜4の接合部を形成することにより、隣り合う第1の金の線同士が第2の金の線により、隣り合う第3の金の線同士が第4の金の線により、それぞれ電気的に接続される。
最後に犠牲層として凹部101に充填されているフォトレジストをウェットエッチングで取り除くことで、金の線が601,501,603,503,605,505,607と連続する一本のらせん状導体と、金の線が602,502,604,504,606,506,608と連続するもう一本のらせん状導体とが得られる。
凹部内に犠牲層を充填し、犠牲層上に第2及び第4の金の線を形成した後、凹部に充填された犠牲層を除去するので、工程の簡略化が図れてコスト低減が可能となるとともに、全体の厚さを薄くすることができる。
次に動作について説明する。
らせん状導体の入力端子となる金の線601から高周波信号が入力されると、高周波信号は金の線501,603,503,605,505の順で信号が伝達され、金の線607から出力される。このように電流がらせん状に流れるため、金の線603,605に流れる電流の向きは等しく、また、金の線501,503,505に流れる電流の向きも等しくなる。これにより凹部101の中に磁界が閉じ込められるように発生するが、この部分は中空になっているため損失がほとんどない。このためこの微小ならせん状導体は低損失となる。
また、別のらせん状導体の入力端子となる金の線602から高周波信号が入力されると、高周波信号は金の線502,604,504,606,506の順で信号が伝達され、金の線608から出力される。このように電流がらせん状に流れるため、金の線604,606に流れる電流の向きは等しく、また、金の線502,504,506に流れる電流の向きも等しくなる。これにより凹部の中に磁界が閉じ込められるように発生するが、この部分は中空になっているため損失がほとんどない。このためこの別の微小ならせん状導体は低損失となる。
さらに、第2及び第4の金の線603〜606はほぼ同じ向きに並んでおり、第1及び第3の金の線501〜506はほぼ同じ向きに並んでいるので、2つのらせん状導体は電磁界的に結合しており、一つのらせん状導体に電流を流すと、もう一つのらせん状導体にも電流が誘起され、したがって図4に示す高周波コイルは結合器として機能する。
実施の形態1と同様に基板100の材質としてはシリコンに限定されることなく、ガラスなど微細な加工が可能な材料であれば利用できる。また、金の線は例えばフォトリソグラフィー技術によりパターンが作成できるものなら利用できる。金の線の厚みは用いられる金属の導電率及び利用する周波数を考慮し表皮深さ以上であることが望ましい。
また、実施の形態1と同様に、犠牲層の上に第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線601〜608を形成しているが、これに限らずこれら第2及び第4の金の線を形成する前に犠牲層の上に1μmほどのうすい絶縁体、たとえば窒化シリコンなどをスパッタで作成し、次いで前工程で形成した金の線501〜506の両端部が絶縁体から露出するようにエッチングし、同時に犠牲層を取り除くための穴を絶縁体にあけておくことにより、第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線601〜608を絶縁体の膜で支持した状態で凹部101の開口面に設けることができる。このようにすることにより凹部101の開口面積が大であっても第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線601〜608が緊張状態で固定されるためらせん状導体の作製がより容易になる。
また、本実施の形態2において、2つのコイルができるものについて説明したが、第5、第6の金の線を設け、3つのコイルとなるようにしてもよいし、更に金の線を設け、所望のコイル数となるようにしてもよい。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による高周波コイルの斜視図で、図6は図5の断面図である。シリコン基板100にはエッチングにより微小な凹部101が形成されていて、この凹部の内面には、それぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路である複数の第1の金の線701,703,705と、それぞれ略並行に設けられた複数の第3の導体線路である複数の第3の金の線702,704,706が、交互に配置されている。
また、凹部101の開口面には、二層の第1及び第2の絶縁体905,906が設けられており、第1及び第2の絶縁体905,906の間にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路である、複数の第2の金の線803,805と、それぞれ略並行に架設された複数の第4の導体線路である、複数の第4の金の線804,806と、が交互に配置されている。
そして第1の金の線の一端を第2の金の線の一端に接続する第1の接続部403と、第1の金の線の他端を一端が接続する第2の金の線の隣の第2の金の線の一端に接続する第2の接続部404を複数設けることにより、隣り合う第1の金の線同士が第2の金の線により接続される。また、第3の金の線の一端を第4の金の線の一端に接続する第3の接続部405と、第3の金の線の他端を一端が接続する第4の金の線の隣の第4の金の線の一端に接続する第4の接続部406を複数設けることにより、隣り合う第3の金の線同士が第4の金の線により接続される。
第1〜4の接続部403〜406は、接続が容易となるように凹部の上段上面に設けられている。そして、複数の第1の金の線及び複数の第2の金の線が一本の導体となり、第1のらせん状のコイルに形成される。また、複数の第3の金の線及び複数の第4の金の線が一本の導体となり、第2のらせん状のコイルに形成される。そして、金の線で形成された第1及び第2のらせん状のコイルのコア部は中空に構成されている。
第1の絶縁体905の下面に第1の磁性体902が、第1の絶縁体905の上面に設けられている第2の絶縁体906の上面に第2の磁性体901がそれぞれ設けられており、また第1及び第2の絶縁体905,906を貫通する第3及び第4の磁性体903,904が第1及び第2の磁性体901,902の端部を接続し、二層の第1及び第2の絶縁体905,906に第1〜4の磁性体901〜904からなる中空体を支持させ、かつ複数の第2及び第4の金の線803〜806の一部を中空体に非接触状態で挿通させた形状となっている。
次に上記構成に係る高周波コイルの作成方法について説明する。
シリコン基板100にウェットエッチングを施し、深さ30μmほどの凹部101を設ける。次いで金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みの第1及び第3の金の線701〜706を残す。このとき、各々の線の両端がシリコン基板100の凹部の段差上面にわずかに残るようにしておく。
次に、犠牲層としてたとえばフォトレジストを凹部101に充填し、シリコン基板100の上面と同じ面で平坦化する。このとき、第1及び第3の金の線71〜706の各々の線の両端の部分が犠牲層から露出するようにする。次に第1の磁性体902を犠牲層の上にスパッタし、フォトエッチングにより凹部101の中央部に位置するようにパターニングする。
次いで窒化シリコンの薄膜からなる第1の絶縁体の膜905をスパッタし、フォトエッチングにより凹部101の開口面よりも少し大きくパターニングする。次に第1の絶縁体の膜905の上に金をスパッタし、フォトエッチングにより1μmほどの厚みの第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線801〜808をパターニングする。
続いて第2及び第4の金の線及び入出力部となる金の線801〜808の上に窒化シリコンの薄膜からなる第2の絶縁体の膜906をスパッタし、フォトエッチングにより凹部101の開口面よりも少し大きくパターニングする。次いで第1及び第2の絶縁体の膜905、906に、第1の磁性体902の両端部に連なる溝をドライエッチングにより形成して、これら溝に第3及び第4の磁性体903,904を設ける。
その後、第2の絶縁体の膜906の上に第2の磁性体901をスパッタし、フォトエッチングにより第3及び第4の磁性体903,904間に位置するようにパターニングして、4つの第1〜4の磁性体901〜904により直方体の内部に直方体をくりぬいた形状の中空体900が形成される。最後に犠牲層として凹部101に充填されているフォトレジストをウェットエッチングで取り除くことで第1及び第2の金の線が801,701,803,703,805,705,807と連続する一本のらせん状導体と、第3及び第4の金の線が802,702,804,704,806,706,808と連続するもう一本のらせん状導体とが得られる。
凹部内に犠牲層を充填し、犠牲層上に第2及び第4の金の線を形成した後、凹部に充填された犠牲層を除去するので、工程の簡略化が図れてコスト低減が可能となるとともに、全体の厚さを薄くすることができる。
次に動作について説明する。
らせん状導体の入力端子となる金の線801から高周波信号が入力されると、高周波信号は金の線701,803,703,805,705の順で信号が伝達され、金の線807から出力される。このように電流がらせん状に流れるため、金の線803,805に流れる電流の向きは等しく、また、金の線701,703,705に流れる電流の向きも等しくなる。
これにより凹部101の中に磁界が閉じ込められるように発生するが、この部分は中空になっているため損失がほとんどない。このためこの微小なコイルは低損失となる。また、別のらせん状導体の入力端子となる金の線路802から高周波信号が入力されると、高周波信号は金の線702,804,704,806,706の順で信号が伝達され、金の線808から出力される。
このように電流がらせん状に流れるため、金の線804,806に流れる電流の向きは等しく、また、第2の金の線702,704,706に流れる電流の向きも等しくなる。これにより凹部101の中に磁界が閉じ込められるように発生するが、この部分は中空になっているため損失がほとんどない。このためこの別の微小ならせん状導体は低損失となる。
さらに、第2及び第4の金の線804〜806はほぼ同じ向きに並んでおり、また、第1及び第3の金の線701〜706はほぼ同じ向きに並んでいるので、2つのらせん状導体は電磁界的に結合しており、一つのらせん状導体に電流を流すと、もう一つのらせん状導体にも電流が誘起され、結合器として機能する。
さらに、第1〜4の磁性体901〜904からなる中空体900が設けられているため、磁界の結合は強められ、この結果インダクタンスが大きく結合の強いらせん状導体が得られる。
第1の実施の形態と同様に基板100の材質はシリコンに限定されることなく、ガラスなど微細な加工が可能な材料であれば利用できる。また、金の線は金に限定されることなく、例えばフォトリソグラフィー技術によりパターンが作成できるものなら利用できる。金の線の厚みは用いられる金属の導電率及び利用する周波数を考慮し表皮深さ以上であることが望ましい。
また、実施の形態2と同様にコイルの数が複数となるように、更に金の線を設けてもよい。
この発明の実施の形態1の高周波コイルの斜視図である。 同じく、実施の形態1の高周波コイルの凹部を加工した直後を示す斜視図である。 同じく、実施の形態1の高周波コイルの下方部を加工した直後を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2の高周波コイルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3の高周波コイルを示す斜視図である。 図5の断面図である。
符号の説明
100 シリコン基板、101 凹部、201,202,203,204,205 第1の金の線、301,302,303,304 第2の金の線、305,306 入出力部となる金の線、501,503,505 第1の金の線、502,504,506 第3の金の線、601,602,607,608 入出力部となる金の線、603,605 第2の金の線、604,606 第4の金の線、701,703,705 第1の金の線、702,704,706 第3の金の線、801,802,807,808 入出力部となる金の線、803,805 第2の金の線、804,806 第4の金の線、900 中空体、901,902,903,904 磁性体。

Claims (11)

  1. 凹部を持つ基板と、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路と、前記凹部の開口面にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路と、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続する第1の接続部と、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続する第2の接続部と、を備えたらせん状の高周波コイル。
  2. 凹部を持つ基板と、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1の導体線路と、前記凹部の開口面に設けられた絶縁体と、前記絶縁体の上面にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の導体線路と、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続する第1の接続部と、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続する第2の接続部と、を備えたらせん状の高周波コイル。
  3. 凹部を持つ基板と、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1及び第3の導体線路と、前記凹部の開口面にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の及び第4の導体線路と、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続する第1の接続部と、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続する第2の接続部と、前記第3の導体線路の一端を前記第4の導体線路の一端に接続する第3の接続部と、前記第3の導体線路の他端を一端が接続する第4の導体線路の隣の第4の導体線路の一端に接続する第4の接続部と、を備えたらせん状の高周波コイル。
  4. 凹部を持つ基板と、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に設けられた複数の第1及び第3の導体線路と、前記凹部の開口面に設けられた二層の絶縁体と、前記二層の絶縁体の間にそれぞれ略並行に架設された複数の第2の及び第4の導体線路と、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続する第1の接続部と、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続する第2の接続部と、前記第3の導体線路の一端を前記第4の導体線路の一端に接続する第3の接続部と、前記第3の導体線路の他端を一端が接続された前記第4の導体線路の隣の第4の導体線路の一端に接続する第4の接続部と、を備えたらせん状の高周波コイル。
  5. 二層の絶縁体に磁性体からなる中空体を支持させ、かつ複数の第2及び第4の導体線路を前記中空体に非接触状態で挿通させたことを特徴とする請求項4記載の高周波コイル。
  6. 基板に凹部を設けるステップと、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に複数の第1の導体線路を設けるステップと、前記凹部内に犠牲層を充填するステップと、前記犠牲層の上面にそれぞれ略並行に複数の第2の導体線路を設けるステップと、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記犠牲層を除去するステップと、を有するらせん状の高周波コイルの製造方法。
  7. 基板に凹部を設けるステップと、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に複数の第1の導体線路を設けるステップと、前記凹部内に犠牲層を充填するステップと、前記犠牲層の上面に絶縁層を設けるステップと、前記第1の絶縁層の上面にそれぞれ略並行に複数の第2の導体線路を設けるステップと、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記犠牲層を除去するステップと、を有するらせん状の高周波コイルの製造方法。
  8. 基板に凹部を設けるステップと、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に複数の第1及び第3の導体線路を設けるステップと、前記凹部内に犠牲層を充填するステップと、前記犠牲層の上面にそれぞれ略並行に複数の第2及び第4の導体線路を設けるステップと、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第3の導体線路の一端を前記第4の導体線路の一端に接続するステップと、前記第3の導体線路の他端を一端が接続された前記第4の導体線路の隣の第4の導体線路の一端に接続するステップと、前記犠牲層を除去するステップと、を有するらせん状の高周波コイルの製造方法。
  9. 基板に凹部を設けるステップと、前記凹部の表面にそれぞれ略並行に複数の第1及び第3の導体線路を設けるステップと、前記凹部内に犠牲層を充填するステップと、前記犠牲層の上面に第1の磁性体を設けるステップと、前記犠牲層及び前記第1の磁性体の上面に第1の絶縁層を設けるステップと、前記第1の絶縁層の上面にそれぞれ略並行に複数の第2及び第4の導体線路を設けるステップと、前記第1の絶縁層と前記第2の導体線路との上面に第2の絶縁層を設けるステップと、前記第1の磁性体の上面に設けられた第1及び第2の絶縁層の一部を除去し2つの溝を設けるステップと、前記2つの溝に第3及び第4の磁性体を設けるステップと、前記第3及び第4の磁性体と接続される第2の磁性体を前記第2の絶縁層の上に設けるステップと、前記第1の導体線路の一端を前記第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第1の導体線路の他端を一端が接続された前記第2の導体線路の隣の第2の導体線路の一端に接続するステップと、前記第3の導体線路の一端を前記第4の導体線路の一端に接続するステップと、前記第3の導体線路の他端を一端が接続された前記第4の導体線路の隣の第4の導体線路の一端に接続するステップと、前記犠牲層を除去するステップと、を有するらせん状の高周波コイルの製造方法。
  10. シリコンウェハ製の基板に、エッチングないし機械加工により凹部を形成することを特徴とする請求項6から請求項9記載のうちのいずれか1項記載の高周波コイルの製造方法。
  11. ガラス製の基板に、エッチング、サンドブラストないし機械加工により凹部を形成することを特徴とする請求項6から請求項9記載のうちのいずれか1項記載の高周波コイルの製造方法。
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JP2007103686A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Tdk Corp コモンモードチョークコイル及びその製造方法

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