JP2005190962A - 燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法 - Google Patents

燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池発電設備の停止時に可燃性ガスのパージを行う際にガスタービンが停止したような場合にも、燃焼器に確実に空気を供給し得るようにする。
【解決手段】コンプレッサ24からの空気Acを導入し得る圧力容器4に格納された燃料電池3のアノード排ガスGeaを改質器1の燃焼室1bに供給し、アノード排ガスGeaの熱により燃料ガスGfの改質を行わせるようにした燃料電池発電設備において、圧力容器4からの空気Acをガスタービン21側へ送給する管路27と、空気予熱器23で予熱した空気Acを燃焼器12へ送給する空気供給管11の空気予熱器23上流側とを、遮断弁31を備えた管路32により接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法に関するものである。
溶融炭酸塩型燃料電池は、高効率で環境への影響力が少ない等、従来の発電設備にない特徴を有しており、水力、火力、原子力等に続く発電システムとして注目を集め、現在鋭意、研究開発が進められている。而して、従来の燃料電池発電設備の一例は図2に示されている。
図2中、1は改質室1aと燃焼室1bを有する改質器、2は燃料予熱器、3はアノード極3aとカソード極3bを一つの組合わせとして複数層積重ね形成した溶融炭酸塩型の燃料電池であり、改質器1及び燃料予熱器2並びに燃料電池3、後述の混合器9、触媒燃焼器12は圧力容器4内に格納されている。
改質器1における改質室1aの入口側には、都市ガス等の燃料ガスGfを改質室1aへ送給し得るようにした燃料ガス供給管5が接続されている。燃料ガス供給管5には、上流側から下流側へ向けて順次、燃料送給ブロワ、脱硫器(何れも図示せず)が接続されると共に、燃料予熱器2が接続され、又、燃料ガス供給管5の燃料予熱器2よりも上流側には、不活性ガス製造装置6で製造された不活性ガスGiを送給するための不活性ガス供給管7が接続されている。不活性ガスとしては例えば、窒素ガスが使用される。
改質器1における改質室1aの出口側には、中途部に燃料予熱器2が接続されたアノードガス供給管8が接続され、アノードガス供給管8の先端は燃料電池3のアノード極3a入口側に接続されている。而して、発電時には、改質室1aで燃料ガスGfを改質して得られた水素、一酸化炭素、メタン等の可燃性成分を含むアノードガスGaはアノードガス供給管8を通って燃料電池3のアノード極3aへ送給されるようになっている。
燃料電池3のアノード極3aの出口側には、アノード極3aから排出されたアノード排ガスGeaを混合器9に送給するためのアノード排ガス供給管10が接続されている。
混合器9には、後述のガスタービン21により駆動されるコンプレッサ24から吐出されて送給されて来た圧縮空気Ac(以下、単に空気Acと称す)を送給する空気供給管11が接続され、混合器9と、改質器1における燃焼室1bの入口側に設けられた触媒燃焼器12とは、アノード排ガスGeaと空気Acとの混合ガスGmを送給するための混合ガス供給管13により接続されている。又、一端を改質器1の燃焼室1b出口側に接続されたカソードガス供給管14の他端は、燃料電池3のカソード極3b入口側に接続されている。
而して、触媒燃焼器12で生成された高温の燃焼ガスGbは、改質器1の燃焼室1bで、改質室1aに供給された燃料ガスGfを加熱して改質し、アノードガスGaを生成させ得るようになっており、燃焼室1bから排出された燃焼排ガスはカソードガスGcとして、カソードガス供給管14を通り、燃料電池3のカソード極3bへ送給されるようになっている。
燃料電池3のカソード極3bの出口側には、カソード排ガス供給管15の一端が接続されていると共に、カソード排ガス供給管15の他端は燃焼器16に接続されている。カソード排ガス供給管15には、燃焼器16に近接した側において遮断弁17が設けられている。又、カソード排ガス供給管15の中途部と、カソードガス供給管14の中途部とは、中間にカソードブロワ18が接続された循環管19により接続されている。而して、カソード極3bから排出されたカソード排ガスGecの一部は燃焼器16へ送給されるようになっていると共に、残りのカソード排ガスGecは循環してカソードガス供給管14へ戻し得るようになっている。
燃焼器16により得られた燃焼ガスは、管路20からガスタービン21へ導入されてガスタービン21を駆動し得るようになっており、ガスタービン21から排出されたタービン排ガスGetは管路22から空気予熱器23を通って空気Acを予熱し、しかる後排気されるようになっている。
ガスタービン21により駆動されるようにしたコンプレッサ24の吐出側には、空気供給管25が接続され、空気供給管25の先端部は圧力容器4に接続されている。又、空気供給管25の中途部には、中途部に前記空気予熱器23を備えた前述の空気供給管11が接続され、空気供給管25の空気供給管11接続部よりも上流側には、空気供給管26が接続され、空気供給管26は燃焼器16に接続されている。なお、図2では、空気予熱器23は二つ記載しているが、実際は一つであり、図示上の都合で二つ示してある。
而して、コンプレッサ24から吐出された空気Acは、空気供給管25から圧力容器4へ送給されるようになっている。又、空気Acは空気供給管25から空気予熱器23を備えた空気供給管11へ送給し得るようになっており、空気供給管11から混合器9へ送給されるようになっている。更に、空気Acは空気供給管25,26から燃焼器16へ送給されるようになっている。
圧力容器4と、カソード排ガス供給管15の遮断弁17を設けた位置よりもガス流れ方向上流側で且つ循環管19接続位置よりもガス流れ方向下流側とは、管路27により接続され、圧力容器4の空気Acはカソード排ガス供給管15へ送給し得るようになっている。
而して、空気Acを圧力容器4へ送給すると共に、管路27からカソード排ガス供給管15を経て燃焼器16へ排出するようにしたのは、以下のような理由による。すなわち、改質器1、燃料予熱器2、燃料電池3、混合器9、触媒燃焼器12は何れも内圧が高いため、これらの機器を内圧に耐えるよう製作すると大型化するうえ、これらの機器は高温度になるため冷却する必要がある。そこで、各機器に外圧を与えて内圧と外圧との圧力差を小さくし、全体として設備のコンパクト化を図ると共に、圧力容器4内の各機器を所定の温度に冷却するために圧力容器4へ空気Acを送給し且つ排出するようにしているのである。
カソード排ガス供給管15の遮断弁17を設けた位置よりもガス流れ方向上流側で管路27を接続した位置よりもガス流れ方向下流側には、バイパス管路28が接続され、バイパス管路28の端部は管路22に設けた空気予熱器23のガス流れ方向上流側(空気流れ方向下流側)に接続されている。
図中、29は燃料供給管であり、燃料電池発電設備の起動時及び半負荷時等に燃料Fを燃焼器16へ送給し得るようになっている。又、30は両端が管路22の空気予熱器23の前後の部分に接続されるよう設けられたバイパス管路である。更に、各機器と協働してラインを構成する管路には必要に応じて開閉可能な開閉弁や逆止弁が設けられている。
例えば、上記図示例で定格発電を行う際には、カソード排ガス供給管15の遮断弁17は開いている。又、燃料ガス供給管5の開閉弁は開いており、不活性ガス供給管7の開閉弁は閉止しており、その他の弁類では、ガス、空気等の流体が流れる管路の開閉弁は開き、流れない管路の開閉弁は閉止されている。而して、燃料ガスGfは燃料ガス供給管5を送給されて、燃料予熱器2においてアノードガス供給管8を送給されるアノードガスGaにより予熱され、改質器1の改質室1aに導入される。
改質器1の燃焼室1bには、触媒燃焼器12から高温の燃焼ガスGbが送給されて改質室1aが加熱されているため、改質室1aに導入された燃料ガスGfは、改質室1aの熱により加熱され、改質されてアノードガスGaが生成される。生成されたアノードガスGaは、改質器1の改質室1aからアノードガス供給管8へ送出され、燃料予熱器2において燃料ガスGfを予熱し、しかる後燃料電池3のアノード極3aへ送給される。
一方、改質器1の燃焼室1bからカソードガス供給管14へ排出された燃焼排ガスは、カソードガスGcとしてカソードガス供給管14を送給され、循環管19から循環するカソード排ガスGecと合流して燃料電池3のカソード極3bへ導入される。而して、燃料電池3のアノード極3aにアノードガスGaが導入され、カソード極3bにカソードガスGcが導入されると、各極では従来周知の所定の化学反応が生じて発電が行われ、発電された電気は所定の手段で外部へ取出される。
燃料電池3のアノード極3aからアノード排ガス供給管10へ排出されたアノード排ガスGeaは混合器9へ送給され、空気供給管11からの空気Acと混合して混合ガスGmとなり、混合ガス供給管13から触媒燃焼器12を通り、上述のように高温の燃焼ガスGbとして改質器1の燃焼室1bへ送給され、燃料ガスGfの改質に供される。
燃料電池3のカソード極3bからカソード排ガス供給管15へ排出されたカソード排ガスGecの一部は、循環管19ヘ循環してカソードブロワ18により加圧されてカソードガス供給管14へ戻され、カソードガスGcと合流して再び燃料電池3のカソード極3bへ導入される。
又、残りのカソード排ガスGecは、圧力容器4から管路27を通り送給される空気Acと共に、カソード排ガス供給管15を経て燃焼器16へ送給され、燃焼器16から管路20を通りガスタービン21へ導入されて、ガスタービン21を駆動し、ガスタービン21から排出されてタービン排ガスGetとして管路22中を送給され、空気予熱器23で空気Acを予熱して後、外部へ排出される。
上述のようにガスタービン21が駆動されることによりコンプレッサ24が駆動されるため、コンプレッサ24からは圧縮されて高圧となった空気Acが吐出され、吐出された空気Acの一部は空気供給管25から圧力容器4へ導入され、圧力容器4から管路27を経て、前述のごとくカソード排ガス供給管15へ排出され、カソード排ガスGecと共に燃焼器16を経てガスタービン21へ送給される。このため、圧力容器4内は所定の圧力に保持されると共に、圧力容器4内の各機器は所定の温度に保持される。
又、空気供給管25を流通する空気Acの一部は、空気供給管11から混合器9へ送給され、前述のように、アノード排ガス供給管10からのアノード排ガスGeaと合流、混合して触媒燃焼器へ導入される。
上記図示例では、発電が終了した場合には、ラインにおける燃料電池3のカソード極3bよりもガス流れ方向上流側には水素、一酸化炭素、メタン等の可燃性成分を含んだガス(可燃性ガス)が残存しているため、ライン全体を不活性ガスによりパージする必要がある。このパージは通常は以下のようにして行う。
すなわち、燃料ガス供給管5の開閉弁は閉止させ、不活性ガス供給管7の開閉弁は開き、カソード排ガス供給管15の遮断弁17は閉止し、バイパス管路28の開閉弁は開き、又、他の開閉弁もガス、空気等の流体が流れる部分は開き、流れない部分は閉止しておき、不活性ガス製造装置6からの不活性ガスGiを燃料ガス供給管5へ送給する。この場合、コンプレッサ24から空気Acを圧力容器4、触媒燃焼器12、燃焼器16へ送給する。このため燃料供給管29から燃焼器16に供給された燃料Fは空気Acと協働して燃焼し、得られた燃焼ガスはガスタービン21に供給されてコンプレッサ24を駆動する。
一方、燃料ガス供給管5に導入された不活性ガスGiは、可燃性成分を含むガスと共に、燃料予熱器2、燃料ガス供給管5、改質器1の改質室1a、アノードガス供給管8、燃料予熱器2、アノードガス供給管8、燃料電池3のアノード極3a、アノード排ガス供給管10、混合器9の順に送給され、混合器9で空気供給管11からの空気Acと合流、混合して、混合ガス供給管13から触媒燃焼器12へ送給される。
このため、ガス中の可燃性成分は触媒燃焼器12で燃焼されて可燃性成分の含まれていないガスとなり、不活性ガスと共に、改質器1の燃焼室1b、カソードガス供給管14、燃料電池3のカソード極3b、カソード排ガス供給管15へと送給され、圧力容器4から管路27を経て送給された空気Acと合流し、更に、カソード排ガス供給管15からバイパス管路28を経て管路22へ送給され、ガスタービン21からのガスと共に、空気予熱器23を経て外部へ排出される。
又、カソード排ガス供給管15へ送給された不活性ガスGiの一部は、循環管19を循環してカソードガス供給管14へ戻る。
而して、上述のようにラインに不活性ガスGiを流通させることにより、燃料電池発電設備のパージを行うことができる。
燃料電池発電設備のパージ方法についての先行技術文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1は、カソード排ガスの一部を燃焼器に導くカソード排ガスラインと、カソード排ガスラインの下流側からカソード排ガスの一部を炭酸ガスリサイクルラインに供給する循環ラインとの間に緊急遮断弁を設け、プラント緊急停止時に緊急遮断弁を閉鎖することにより、カソード排ガスを全量燃焼器に導入し、燃焼器内でアノード排ガスを完全に燃焼させるようにしており、燃焼排ガスは、循環ラインを逆流して排熱利用ラインに入り、そのまま系外へ排出されるようになっている。
特開平11−204125号公報
図2に示す燃料電池発電設備においては、ガスタービン21やコンプレッサ24等の空気供給系が作動する場合には、触媒燃焼器12へ空気Acを送給できるため、何等問題はないが、例えば、ガスタービン21がトラブルにより停止した場合には、コンプレッサ24を駆動することができず、触媒燃焼器12へ空気Acを供給することができない。このため、停止時には、ガス中の可燃性成分は燃焼されず、そのまま系外へ排出される虞がある。
そこで斯かる事態を避けるために、従来は、別途設置の空気供給装置、空気貯槽、圧縮空気ボンベ等の空気供給手段により、ガスの可燃性成分燃焼用の空気を触媒燃焼器12に供給するようにしており、余分な場所及び装置が必要となる。又、空気供給手段として空気貯槽や圧縮空気ボンベを設置した場合には、パージ量確保のためボンベ数も増加して設備規模が増大し、しかも燃料電池発電設備の停止のたびにボンベの交換が必要となる。従って、従来は設備費や維持費が余分に掛かり、コストアップを招来する。
更に、空気供給手段を設けた場合でも、電源喪失時には電力の供給ができなくなるため、空気供給手段の運転ができなくなり、ガス中の可燃性成分を燃焼させるための空気を触媒燃焼器12に供給することはできない。
特許文献1の場合も図2の場合と同様の問題がある。
本発明は上記実情に鑑み、燃料電池発電設備の停止時にガスタービンが停止したような場合にも、特別な装置を設けることなく空気を触媒燃焼器等の燃焼器に確実に供給してパージ時にガス中の可燃性成分を確実に燃焼させ得るようにすることを目的としてなしたものである。
請求項1の燃料電池発電設備は、圧縮空気生成手段からの空気を導入し得る圧力容器に格納された燃料電池のアノード排ガスを燃焼器で燃焼させて生成されたガスを改質器に供給して前記ガスの熱により燃料ガスの改質を行わせるようにし、停止時には、ライン中の可燃性成分を含むガスを不活性ガスによりパージし得るようにした燃料電池発電設備において、燃料電池のカソード極から送給されたガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路へ前記圧力容器からの空気を送給する管路と、前記圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路とを、開閉可能な弁を備えた管路により接続したものである。
請求項2の燃料電池発電設備は、弁を備えた管路を、圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路の前記空気予熱器上流側へ接続したものである。
請求項3の燃料電池発電設備においては、燃料電池のカソード極から送給されたガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路に、パージ時に燃料電池のカソード極からのガスを圧縮空気生成手段の駆動手段を経ることなく排出させるよう、バイパス管路を設けている。
請求項4の燃料電池発電設備においては、弁は電源喪失時に開くよう構成した遮断弁である。
請求項5の燃料電池発電設備においては、燃焼器は触媒燃焼器である。
請求項6の燃料電池発電設備においては、駆動手段はガスタービンであり、圧縮空気生成手段はコンプレッサである。
請求項7の燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法は、請求項1〜請求項6記載の何れかの燃料電池発電設備の停止時に不活性ガスによりライン中の可燃性成分を含むガスのパージを行う際に、圧力容器内の空気を、当該空気を圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路、及び遮断弁を備えた管路、並びに圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路を経て当該燃焼器へ送給し、燃料電池のアノード極側から不活性ガスと共に燃焼器へ送給されたガスの可燃性成分を燃焼させるものである。
請求項8の燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法においては、燃焼器で燃焼したガスは改質器から燃料電池のカソード極を経て、カソード極からのガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路の中途部から、バイパス管路を経て排出させるようにしている。
本発明の請求項1〜8記載の燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法によれば、燃料電池発電設備の停止時にラインの可燃性成分を含むガスのパージを行う際に、圧縮空気生成手段から燃焼器に空気を送給できない場合にも、特別な空気供給手段を設けずとも燃焼器に空気を送給することができる。このため、設備費、運転維持費が安価となり、コストダウンを図ることができる。
又、請求項2の燃料電池発電設備、及び請求項2記載の燃料電池発電設備の停止時にラインの可燃性成分を含むガスのパージを行う燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法においては、加熱したガスを改質器へ送給することができるため、改質器のサーマルショックを防止することができ、更に、請求項4の燃料電池発電設備、及び請求項4記載の燃料電池発電設備の停止時にラインの可燃性成分を含むガスのパージを行う燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法においては、電源喪失時にも燃焼器に空気の供給を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図2に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示すごとく、空気供給管11の空気予熱器23よりも空気流れ方向上流側の部分と、管路27の開閉弁33よりも空気流れ方向上流側の部分とを、中途部に遮断弁31を備えた管路32により接続したことである。
上記図示例において、例えば定格発電を行う場合の手順、及び燃料電池を停止させる際にコンプレッサ24から空気Acを触媒燃焼器12へ送給できるときの可燃性成分を含んだガスのパージの手順は図2の場合と同様であるので説明は省略する。
燃料電池発電設備を停止させる際に、ガスタービン21が停止する等してコンプレッサ24により燃焼器16へ空気Acを供給できなくなった場合のパージを行う場合には、燃料ガス供給管5の開閉弁は閉止し、不活性ガス供給管7の開閉弁は開き、管路27の管路32接続部よりもカソード排ガス供給管15側に設けられている開閉弁33は閉止し、管路27の遮断弁31は開き、又、他の開閉弁もガス、空気等の流体が流れる部分は開き、流れない部分は閉止させておく。
不活性ガス製造装置6からの窒素等の不活性ガスGiは燃料ガス供給管5、燃料予熱器2、燃料ガス供給管5、改質器1の改質室1a、アノードガス供給管8、燃料予熱器2、アノードガス供給管8、燃料電池3のアノード極3a、アノード排ガス供給管10、混合器9の順に送給される。この際、ラインに残存していた可燃性成分を含んだガスは不活性ガスGiに同伴される。
一方、圧力容器4内の空気Acは、管路27,32、空気供給管11、空気予熱器23、空気供給管11を経て混合器9に送給され、可燃性成分を含むガスを同伴している不活性ガスGiに合流し、混合する。空気Acは空気予熱器23を通過する際に予熱される。
不活性ガスGi及び可燃性ガス並びに空気Acが合流、混合したガスは、混合ガス供給管13から触媒燃焼器12へ送給され、可燃性成分は空気Acと協働して燃焼する。可燃性成分が燃焼したガスを含む不活性ガスGiは、改質器1の燃焼室1b、カソードガス供給管14、燃料電池3のカソード極3b、カソード排ガス供給管15、バイパス管路28、管路22へと送給され、空気予熱器23を経て外部へ排出される。
又、カソード排ガス供給管15へ送給されたガスの一部は、循環管19を循環してカソードガス供給管14へ戻る。
而して、上述のように不活性ガスGiを可燃性成分を含むガスが残存するラインに流通させて触媒燃焼器12へ送給すると共に圧力容器4から空気Acを触媒燃焼器12へ送給することにより、ガス中の可燃性成分を燃焼させ、燃料電池発電設備のパージを行うことができる。
上記図示例では、圧力容器4からの空気Acは、遮断弁31通過後に空気予熱器23で予熱するようにしているため、遮断弁31の高温化を抑制することができるうえ、改質器1には予熱された空気Acが送給される結果、改質器1のサーマルショックが低減される。
又、本図示例では、遮断弁31をフェイル動作により開に設定しておくことにより、電源喪失時においてもパージに移行することができる。
更に、本図示例では、パージ時にガスタービン21が故障する等してコンプレッサ24から空気を供給することができない場合に触媒燃焼器12へ空気を供給するために特別な空気供給手段を設置する必要がないため、余分な場所や装置が不要で、設備費、運転維持費が安価となり、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明においては、アノードガスやパージ時のガスの可燃性成分を燃焼させる改質器入口側の燃焼器として触媒燃焼器を用いる場合について説明したが、触媒燃焼器に限ることなく他の燃焼器の使用も可能なこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法の実施の形態の一例を示す系統図である。 従来の燃料電池発電設備及び燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法の一例を示す系統図である。
符号の説明
1 改質器
1b 燃焼室
3 燃料電池
3a アノード極
3b カソード極
4 圧力容器
12 触媒燃焼器(燃焼器)
21 ガスタービン(駆動手段)
23 空気予熱器
24 コンプレッサ(圧縮空気生成手段)
28 バイパス管路
31 弁(遮断弁)
32 管路
Ac 圧縮空気(空気)
Gf 燃料ガス
Gea アノード排ガス
Gec カソード排ガス
Gi 不活性ガス

Claims (8)

  1. 圧縮空気生成手段からの空気を導入し得る圧力容器に格納された燃料電池のアノード排ガスを燃焼器で燃焼させて生成されたガスを改質器に供給して前記ガスの熱により燃料ガスの改質を行わせるようにし、停止時には、ライン中の可燃性成分を含むガスを不活性ガスによりパージし得るようにした燃料電池発電設備において、燃料電池のカソード極から送給されたガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路へ前記圧力容器からの空気を送給する管路と、前記圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路とを、開閉可能な弁を備えた管路により接続したことを特徴とする燃料電池発電設備。
  2. 弁を備えた管路を、圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路の前記空気予熱器上流側へ接続した請求項1記載の燃料電池発電設備。
  3. 燃料電池のカソード極から送給されたガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路に、パージ時に燃料電池のカソード極からのガスを圧縮空気生成手段の駆動手段を経ることなく排出させるよう、バイパス管路を設けた請求項1又は2記載の燃料電池発電設備。
  4. 弁は電源喪失時に開くよう構成した遮断弁である請求項1、2又は3記載の燃料電池発電設備。
  5. 燃焼器は触媒燃焼器である請求項1、2、3又は4記載の燃料電池発電設備。
  6. 駆動手段はガスタービンであり、圧縮空気生成手段はコンプレッサである請求項1、2、3、4又は5記載の燃料電池発電設備。
  7. 請求項1〜請求項6記載の何れかの燃料電池発電設備の停止時に不活性ガスによりライン中の可燃性成分を含むガスのパージを行う際に、圧力容器内の空気を、当該空気を圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路、及び遮断弁を備えた管路、並びに圧縮空気生成手段からの空気を空気予熱器で予熱して前記燃焼器へ送給する管路を経て当該燃焼器へ送給し、燃料電池のアノード極側から不活性ガスと共に燃焼器へ送給されたガスの可燃性成分を燃焼させることを特徴とする燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法。
  8. 燃焼器で燃焼したガスは改質器から燃料電池のカソード極を経て、カソード極からのガスを圧縮空気生成手段の駆動手段側へ送給する管路の中途部から、バイパス管路を経て排出させる請求項7記載の燃料電池発電設備における可燃性ガスのパージ方法。
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