JP2005190370A - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対象物の搬送バタツキによる影響を十分に排除し、対象物の認識精度をより向上させることができる検査装置を提供する。
【解決手段】 検査装置1は、紙幣に光を照射する光源12,13と、紙幣からの光を受光するフォトセンサ14と、メモリ部22と、検出信号補正処理部23と、識別処理部24とを有している。メモリ部22には、光源12,13より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値と基準媒体の深さ位置との関係を示す2つの深度特性データと、基準媒体の深さ位置に対するフォトセンサ14の出力ばらつきを補償するための補正データとが記憶されている。検出信号補正処理部23は、光源12,13より紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力信号を入力し、紙幣3の深さ位置に対するフォトセンサ14の出力ばらつきを補償するように補正データを用いてフォトセンサ14の出力値を補正する。識別処理部24は、補正後のデータに基づき紙幣3を識別する。
【選択図】 図3




Description

本発明は、搬送路を通る紙幣及び伝票類等の真偽や種類の判別等の検査を行う検査装置に関するものである。
紙幣等の紙葉類の検査を行う検査装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この文献に記載の検査装置は、紙葉類の表面反射を測定するフォトセンサと、筐体の開口部(紙葉類)に対して光を照射する照明部と、開口部とフォトセンサとの間に設けられ、紙葉類の搬送方向におけるフォトセンサの測定領域を規制する円柱面レンズとを備えることにより、紙葉類の上下動に殆ど影響されることなく、紙葉類の表面反射を高い分解能で検出するものである。
特開平11−250308号公報
近年、精度がアップしたコピー機等による偽造券の真偽判定について更なる精度が求められている。このためには、特に紙葉類に付されたコントラストの低い印刷パターンをも確実に抽出する必要がある。従って、紙葉類の搬送中に発生する紙葉類の上下動いわゆる搬送バタツキによる影響を更に抑えることが強く望まれている。
本発明の目的は、対象物の搬送バタツキによる影響を十分に排除し、対象物の認識精度をより向上させることができる検査装置を提供することである。
本発明は、搬送路を通る対象物を検査する検査装置において、対象物に光を照射する第1光源及び第2光源と、対象物からの光を受光するフォトセンサと、第1光源及び第2光源より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサの出力値と基準媒体の通過深さ位置との関係を示した2種類の深度特性データから生成され、基準媒体の深さ位置に対するフォトセンサの出力値のばらつきを補償するための補正データを予め記憶しておくメモリ手段と、第1光源及び第2光源より対象物に順番に光を照射した時のフォトセンサの出力信号を入力し、対象物の深さ位置に対するフォトセンサの出力値のばらつきを補償するように、補正データを用いてフォトセンサの出力信号を補正する出力補正手段と、出力補正手段により生成された信号に基づいて対象物の識別を行う識別手段とを備えることを特徴とするものである。
このような検査装置において、対象物が搬送路を通るときに、対象物の上下動(搬送バタツキ)が発生すると、光源より対象物に光が照射された時の対象物の照明位置が深さ方向(上下方向)にずれる。このように対象物の照明位置が変わると、フォトセンサの出力値が変動するため、対象物の認識に影響を及ぼすことがある。本発明は、そのような不具合を回避するものである。
即ち、第1光源及び第2光源より基準媒体に別々に光を照射することにより得られた2種類の深度特性データを用意し、これらの深度特性データから、基準媒体の深さ位置に対するフォトセンサの出力値のばらつきを補償するための補正データを生成し、予めメモリ手段に記憶させておく。そして、対象物の検査時には、第1光源及び第2光源より対象物に順番に光を照射した時のフォトセンサの出力信号を入力し、対象物の深さ位置に対するフォトセンサの出力値のばらつきを補償するように、メモリ手段に記憶された補正データを用いてフォトセンサの出力信号を補正する。これにより、対象物の搬送バタツキによるフォトセンサの出力変動の影響が十分に排除された信号が得られる。そして、この信号に基づいて対象物の識別を行う。従って、例えばコントラストの低い印刷パターン等が付された対象物を検査する場合でも、対象物の認識を高精度に行うことができる。
好ましくは、補正データは、第1光源及び第2光源より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサの出力値の偏差データと、当該偏差データに対応するフォトセンサの出力値を所定値に補正するための補正係数のデータとを含み、出力補正手段は、第1光源及び第2光源より対象物に順番に光を照射した時のフォトセンサの出力値の偏差を求め、当該偏差に対応する補正係数をフォトセンサの出力値に掛け算することにより、フォトセンサの出力信号を補正する。このように第1光源及び第2光源より各々光を照射した時のフォトセンサの出力値の偏差を利用することにより、フォトセンサの出力信号の補正処理を単純な演算によって簡単に行うことができる。
このとき、好ましくは、補正係数は、第1光源及び第2光源より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサの出力値の偏差が所定範囲内のときは、フォトセンサの出力値を所定値に補正するような数値であり、偏差が所定範囲外のときは1である。例えば第1光源と第2光源が異なる波長特性を有するような場合には、第1光源より対象物に光を照射した時のフォトセンサの出力信号と第2光源より対象物に光を照射した時のフォトセンサの出力信号とが大きく異なるものとなる。このとき、フォトセンサの出力信号に、例えばレベルが突出するような特徴部分がある場合には、第1光源及び第2光源より対象物に別々に光を照射した時のフォトセンサの出力値の偏差が所定以上に大きくなる。そこで、フォトセンサの出力値の偏差が所定範囲外のときは、補正係数を1とすることにより、フォトセンサの出力信号における特徴部分については、補正することなく、対象物のより高精度な認識の為にそのまま残しておくことができる。
また、好ましくは、第1光源及び第2光源は、実質的に同一の波長特性を有し、対象物の照明の配光がずれるようにフォトセンサに対して非対称に配置されている。これにより、第1光源及び第2光源として同じ指向特性を有する光源を使用した場合でも、2種類の深度特性データを確実に得ることができる。
また、第1光源及び第2光源は、実質的に同一の波長特性を有すると共に異なる指向特性を有していても良い。これにより、第1光源及び第2光源を、対象物の照明領域の中心部が同じになるように配置した場合でも、2種類の深度特性データを確実に得ることができる。
さらに、第1光源及び第2光源は、異なる波長特性を有していても良い。これにより、第1光源及び第2光源として同じ指向特性を有する光源を使用し、これらの光源を対象物の照明領域の中心部が同じになるように配置した場合でも、2種類の深度特性データを確実に得ることができる。また、この場合には、第1光源より対象物に光を照射した時のフォトセンサの出力信号と第2光源より対象物に光を照射した時のフォトセンサの出力信号とが大きく異なるものとなるが、深度の偏差として補正することが可能である。このとき、フォトセンサの出力信号に、例えば偏差レベルが突出するような特徴部分があれば、その特徴部分については、補正することなく、そのまま残しておくような処理を行うことにより、例えば同種類の複数の対象物を検査する場合に、個々の対象物の特徴の違い、例えば反射率等の差を識別することもできる。従って、対象物の認識をより高精度に行うことが可能となる。
このとき、好ましくは、第1光源は赤外線を照射する素子であり、第2光源は紫外線を照射する素子である。対象物に赤外線を照射すると、フォトセンサでは、赤外線の反射成分が検出される。一方、例えば搬送路とフォトセンサとの間に紫外線を除去するフィルタが配置されている場合に、対象物に紫外線を照射すると、フォトセンサでは、対象物から発する蛍光成分が確実に検出される。従って、明らかに異なる特徴部分をもった2種類のフォトセンサの出力信号を簡単に得ることができる。
このとき、好ましくは、搬送路とフォトセンサとの間に、第2光源から照射される紫外線を除去する紫外線除去フィルタを配置する。これにより、紫外線がノイズとしてフォトセンサに入射されることが防止される。
また、好ましくは、搬送路と第1光源及び第2光源との間に、第2光源から照射される紫外線に含まれる可視光成分を除去し、第1光源から照射される赤外線を透過させる紫外線・赤外線透過フィルタを配置する。これにより、可視光がノイズとしてフォトセンサに入射されることが防止される。
本発明によれば、搬送路を通る対象物を検査する際に、対象物の搬送バタツキによる影響が十分に排除されるため、対象物の認識精度が向上する。これにより、高精度に偽造された対象物にも対処することが可能となる。
以下、本発明に係わる検査装置の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る検査装置の一実施形態を示す構成図である。同図において、本実施形態の検査装置1は、搬送路2を通る紙幣3の真偽判別及び金種判別を行うための装置であり、例えば紙幣計数機に組み込まれている。紙幣3には、赤外線(IR光)を当てた時に反射するIR成分や、紫外線(UV光)を当てた時に蛍光を発する蛍光成分が含まれている。
搬送路2は、窓部4aを有する上搬送ガイド板4と下搬送ガイド板5とで形成されている。紙幣3をスムーズに搬送させるために、上搬送ガイド板4と下搬送ガイド板5との間には2〜3mm程度の隙間が設けられている。搬送路2の途中には、紙幣3を矢印方向に搬送させる複数の搬送ローラ6が配置されている。
検査装置1は、上搬送ガイド板4の窓部4a上に配置されたセンサユニット7と、このセンサユニット7と接続された制御ユニット8とを有している。
センサユニット7は、略直方体形状の筺体9を有し、この筺体9内には、高さ方向に延在する仕切り部10が設けられている。この仕切り部10により形成された筺体9の一方の空間11a内には、搬送路2上を搬送される紙幣3の表面に向けて光を照射する2つの光源12,13が収容されている(図2参照)。また、仕切り部10により形成された筐体9の他方の空間11b内には、紙幣3の表面からの光を受光するフォトセンサ14が収容されている。
光源12,13は、実質的に同一の波長特性及び指向特性を有する発光素子、例えば赤外成分を含む光を発生させる赤外線LEDまたは紫外成分を含む光を発生させる紫外線LEDである。また、光源12,13は、筐体9の上面部に設けられた回路プリント基板15に固定されている。光源12,13は、紙幣3の照明領域(照明の配向)が僅かに異なるようにフォトセンサ14に対して非対称に配置されている。フォトセンサ14は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等であり、回路プリント基板15に固定されている。
筺体9の下面には、防塵ガラス板16が固定されている。この防塵ガラス板16は、赤外線及び紫外線の透過率が極めて高い材料で形成されている。防塵ガラス板16と光源12,13との間には、可視光を除去し、赤外線及び紫外線を透過させる光学フィルタ17が配置されている。防塵ガラス板16とフォトセンサ14との間には、紫外線除去フィルタ機能を有する集光レンズ18が配置されている。
回路プリント基板15には、光源12,13の照射光量をモニタするモニタ用フォトセンサ19と電子回路部品(図示せず)とが実装されている。また、回路プリント基板15には、外部接続用コネクタ20が固定されている。そして、この外部接続用コネクタ20には制御ユニット8が接続されている。制御ユニット8の機能ブロックを図3に示す。
同図において、制御ユニット8は、光源制御処理部21と、メモリ部22と、検出信号補正処理部23と、識別処理部24とを有している。
光源制御処理部21は、回路プリント基板15に実装された光源駆動回路(図示せず)に制御信号を送出して、光源12,13をそれぞれ個別に制御する。このとき、光源制御処理部21は、図4に示すように、光源12,13を高速で切り換えて点灯させるような制御信号を光源駆動回路に送出する。なお、光源12,13の点灯切り換え周期は、例えば1〜10mSである。
メモリ部22には、光源12,13より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値と基準媒体の深さ位置(深度)との関係を示した2種類の深度特性データと、基準媒体の深さ位置に対するフォトセンサ14の出力値のばらつきを補償するための補正データとが予め記憶されている。ここで、深度とは、上搬送ガイド板4を基準とした深さ距離D(図1参照)をいう。2種類の深度特性データは、図5及び図6(a)に示すようなデータであり、上述したように光源12,13をフォトセンサ14に対して非対称に配置することによって得られる。
また、補正データとしては、図5に示すように、光源12,13より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値の偏差Δと、その偏差Δに対応するフォトセンサ14の出力値を所定値に補正するための補正係数α,αとがある。
ここで、基準媒体としては、例えば白色板や白紙等が用いられる。なお、場合によっては、紙幣3等を用いてもよい。また、フォトセンサ14の出力値は、基準媒体の深度を1mmとした時の値を100%とした百分率で表される。そして、補正係数α,αは、フォトセンサ14の出力値の偏差Δが所定範囲内(−20.5%≦Δ≦10.3%)のときは、フォトセンサ14の出力値を100%に補正するような数値であり、所定範囲外(Δ<−20.5%、Δ>10.3%)のときは1である。これにより、フォトセンサ14の出力値の偏差Δが所定範囲内であれば、補正後の出力値は、図5及び図6(b)に示すように、基準媒体の深度に係わらず全て一定(100%)となる。
このような補正データをメモリ部22に記憶させる作業手順を図7に示す。まず、基準媒体の深度を複数設定し、光源12,13より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値を各深度毎に採取して、2種類の深度特性データを生成する。そして、これらの深度特性データをメモリ部22に記憶させる(工程101)。続いて、光源12,13より基準媒体に別々に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値の偏差Δを各深度毎に求め、各偏差Δをメモリ部22に記憶させる(工程102)。続いて、その時のフォトセンサ14の出力値を100%に補正するための補正係数α,αを各深度毎に生成し、各補正係数α,αをメモリ部22に記憶させる(工程103)。
図3に戻り、検出信号補正処理部23は、光源12,13より紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力信号を入力し、紙幣3の深さ位置に対するフォトセンサ14の出力値のばらつきを補償するように、メモリ部22に記憶された補正データを用いてフォトセンサ14の出力値を補正する。この検出信号補正処理部23の処理手順の詳細を図8に示す。
同図において、まず光源12,13より搬送中の紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力信号を入力する(手順111)。このとき、光源12,13の点灯は、上述したように光源制御処理部21によって高速で切り換えられるので、光源12,13の点灯による各フォトセンサ14の出力信号としては、ほぼ同一時間内の信号が得られる。従って、この間に生じた紙幣3の搬送バタツキ(後述)の影響を受けなくて済む。
続いて、その時に入力された各フォトセンサ14の出力値の偏差Δを算出する(手順112)。このとき、フォトセンサ14の出力値は、例えばメモリ部22に記憶された深度特性データと同様に所定値を100%とした百分率に変換され、これに伴って偏差Δも百分率で表される。
続いて、手順112で算出したフォトセンサ14の出力値の偏差Δとメモリ部22に格納されている偏差Δのデータとを照合し、偏差Δに適合する補正係数αをメモリ部22から読み出す(手順113)。例えば算出した偏差Δが5%の場合は、偏差Δが5%の時の補正係数αである1.014を読み出す(図5参照)。
続いて、その補正係数αを用いて、光源12より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値を補正して、被検査データを生成する。具体的には、光源12より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値に補正係数αを掛け算することにより、フォトセンサ14の出力値を補正する。そして、このように生成された被検査データをメモリ部22に記憶させる(手順114)。
続いて、1枚の紙幣3に係わる全てのフォトセンサ14の出力値について、上記の補正処理が終了したかどうかを判断する(手順115)。そして、全ての出力値の補正処理が終了していないときには、上記の手順111〜114を繰り返し実行する。
上述したように搬送路2を形成する上搬送ガイド板4と下搬送ガイド板5との間には所定の隙間が設けられているため、紙幣3が搬送されている最中に、紙幣3の上下動(搬送バタツキ)が生じることがある。この場合には、紙幣3の深さ位置によって紙幣3の照明領域が変動するため、フォトセンサ14の出力値のばらつきが発生してしまう。
しかし、上記の手順111〜115の処理を実行することにより、紙幣3の搬送バタツキによってフォトセンサ14の出力値のばらつきが生じても、その影響が十分に排除された出力データ(被検査データ)が得られる。つまり、光源12,13より紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値の偏差Δを求め、この偏差Δに適合した補正係数αを使ってフォトセンサ14の出力値を補正することにより、紙幣3の深さ位置の変動に拘らず、常に紙幣3が基準深さ位置(例えば深度Dが1mmとなる位置)にある時の出力データとして得られることになる。
なお、上記の処理手順では、補正係数αを用いてフォトセンサ14の出力値を補正するようにしたが、補正係数αを用いても構わない。この場合には、算出した偏差Δに適合する補正係数αをメモリ部22から読み出し、光源13より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値に補正係数αを掛け算することにより、フォトセンサ14の出力値を補正する。
また、光源12,13の点灯毎に上記の手順112〜114を実行するようにしたが、特にこの処理方式には限定されず、例えば1枚の紙幣3について光源12,13の点灯毎に得られるフォトセンサ14の出力データ全てを一旦入力し、その後で上記手順112〜114を順次繰り返し実行しても良い。
図3に戻り、識別処理部24は、メモリ部22に格納された1枚の紙幣3に関する全ての被検査データを読み出し、これらの被検査データの信号パターンの照合等を行って、紙幣3の金種判定、真偽判定を行う。このとき、被検査データは、上述したように紙幣3の搬送バタツキによる深度依存性の影響が除去されたデータである。
これにより、例えばコントラストの低い印刷パターン等が付された紙幣3を識別する場合であっても、紙幣3の認識を高精度に行うことができる。従って、高精度に作られた偽造紙幣の真偽判定等についても確実に行うことが可能となる。
図9は、実際に上記の検査装置1を用いて同じ紙幣を3回検査したときに得られたフォトセンサの出力データと被検査データの信号波形を示したものである。各図において、一点鎖線は、一方の光源より紙幣に光を照射した時のフォトセンサの出力データの信号波形を示し、破線は、他方の光源より紙幣に光を照射した時のフォトセンサの出力データの信号波形を示し、実線は、補正処理後の被検査データの信号波形を示している。なお、この時に使用した2つの光源は、同一の波長特性及び指向特性を有する赤色の波長も含む赤外線LEDである。
図9から分かるように、紙幣の搬送バタツキの状態は紙幣の搬送毎に異なるため、フォトセンサの出力データも搬送毎に異なっているが、補正処理後の被検査データは、いずれも同じような信号波形となっている。このように上述した補正処理を行うことにより、常に安定した信号を得ることが可能となる。
以上、本発明に係る検査装置の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。
例えば上記実施形態では、2つの光源12,13として、実質的に同一の波長特性及び指向特性を有する発光素子を用いたが、実質的に同一の波長特性を有すると共に異なる指向特性を有する発光素子を用いても良い。このようにすれば、光源12,13を、紙幣3の照明領域の中心部が同じになるようにフォトセンサ14に対して対称に配置した場合であっても、異なる2種類の深度特性データを容易に得ることができる。
また、2つの光源12,13として、異なる波長特性を有する発光素子を用いても良い。例えば、光源12を赤外線LEDとし、光源13を紫外線LEDとしても良い。この場合にも、異なる2種類の深度特性データを容易に得ることができる。
図10(a)は、光源(赤外線LED)12より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力信号の一例を示し、図10(b)は、光源(紫外線LED)13より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力信号の一例を示したものである。赤外線LED12よって得られる出力信号は、紙幣3での赤外光の反射成分であり、紫外線LED13よって得られる出力信号は、紙幣3から発する蛍光成分である。各図から分かるように、紙幣3には、赤外線及び紫外線を当てた時に特徴部分(図中のA,B参照)として抽出される2種類のパターンが形成されている。
このような2種類の光源12,13を使用した場合に、フォトセンサ14の出力データと検出信号補正処理部23の処理によって生成される被検査データとをモデル化したイメージ図を図11に示す。
図11(a)は、光源12,13より紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力データを示したものである。ここで、黒丸印は、赤外線LED12より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力データを示し、黒三角印は、紫外線LED13より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力データを示している。
図11(b)は、赤外線LED12によって得られたフォトセンサ14の出力データを補正した後の被検査データのみを示したものであり、図11(c)は、紫外線LED13によって得られたフォトセンサ14の出力データを補正した後の被検査データのみを示したものである。また、図11(d)は、図11(b),(c)に示す被検査データを合わせて示したものである。識別処理部24には、図11(d)に示すような被検査データが送られる。
図11(b)に示す被検査データは、赤外線LED12によって得られたフォトセンサ14の出力値に補正係数αを掛け算することにより求められ、図11(c)に示す被検査データは、紫外線LED13によって得られたフォトセンサ14の出力値に補正係数αを掛け算することにより求められる。このとき、赤外線LED12より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値については、例えば4Vを100%として処理を行い、紫外線LED13より紙幣3に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値については、例えば1Vを100%として処理を行っている。
ここで、図11(a)に示すフォトセンサ14の出力データの信号波形には、紙幣3に付されたパターンによって抽出される特徴部分(X,Y参照)が存在する。この特徴部分では、他の部分に対して出力レベルが大きく異なっているため、光源12,13より紙幣3に順番に光を照射した時のフォトセンサ14の出力値の偏差Δは所定以上に大きくなる。
しかし、フォトセンサ14の出力値の補正処理で使用する補正係数α,αは、上述したようにフォトセンサ14の出力値の偏差Δが所定範囲外のときは1に設定されている。このため、フォトセンサ14の出力信号における特徴部分では、補正係数α,αとして1が使用されることになるので、見かけ上は補正されずに、フォトセンサ14の出力データがそのまま被検査データとして生成される。これにより、紙幣3に付された2種類のパターンを確実に認識することができる。
このように2種類の光源12,13を使用する場合には、紙幣3の搬送バタツキに起因したフォトセンサ14の出力変動の影響を十分に排除できるだけでなく、紙幣3が個々に持っている特徴の差、例えば紙質の差やセキュリティパターン等の有無を高精度に識別することもできる。従って、紙幣3の認識精度が更に向上する。
なお、上記実施形態は、紙幣を検査するものであるが、本発明の検査装置は、特に紙幣には限られず、伝票、証券、カード等といった検査対象物にも適用可能である。
本発明に係る検査装置の一実施形態を示す構成図である。 図1に示すセンサユニットの水平方向断面図である。 図1に示す制御ユニットの機能ブロックを示す図である。 図1及び図2に示す2つの光源の点灯タイミングを示す図である。 図3に示すメモリ部に記憶されている深度特性データ及び補正データを示す表である。 図5に示す深度特性データと深度特性データを補正した後のデータとを示すグラフである。 図5に示す補正データをメモリ部に記憶させる作業手順を示すフローチャートである。 図3に示す検知信号補正処理部の処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図1に示す検査装置1を用いて同じ紙幣を3回検査したときに得られたフォトセンサの出力データ及び被検査データの信号波形図である。 図1及び図2に示す2つの光源として赤外線LED及び紫外線LEDを使用した場合に、各光源より紙幣に光を照射した時のフォトセンサの出力信号を示す図である。 図1及び図2に示す2つの光源として赤外線LED及び紫外線LEDを使用した場合に、フォトセンサの出力データと検知信号補正処理部の処理によって生成される被検査データをモデル化したイメージ図である。
符号の説明
1…検査装置、2…搬送路、3…紙幣(対象物)、7…センサユニット、8…制御ユニット、12…光源(第1光源)、13…光源(第2光源)、14…フォトセンサ、17…光学フィルタ(紫外線・赤外線透過フィルタ)、18…集光レンズ(紫外線除去フィルタ)、21…光源制御処理部、22…メモリ部(メモリ手段)、23…検出信号補正処理部(出力補正手段)、24…識別処理部(識別手段)。

Claims (9)

  1. 搬送路を通る対象物を検査する検査装置において、
    前記対象物に光を照射する第1光源及び第2光源と、
    前記対象物からの光を受光するフォトセンサと、
    前記第1光源及び前記第2光源より基準媒体に別々に光を照射した時の前記フォトセンサの出力値と前記基準媒体の深さ位置との関係を示した2種類の深度特性データから生成され、前記基準媒体の深さ位置に対する前記フォトセンサの出力値のばらつきを補償するための補正データを予め記憶しておくメモリ手段と、
    前記第1光源及び前記第2光源より前記対象物に順番に光を照射した時の前記フォトセンサの出力信号を入力し、前記対象物の深さ位置に対する前記フォトセンサの出力値のばらつきを補償するように、前記補正データを用いて前記フォトセンサの出力信号を補正する出力補正手段と、
    前記出力補正手段により生成された信号に基づいて前記対象物の識別を行う識別手段とを備えることを特徴とする検査装置。
  2. 前記補正データは、前記第1光源及び前記第2光源より前記基準媒体に別々に光を照射した時の前記フォトセンサの出力値の偏差データと、当該偏差データに対応する前記フォトセンサの出力値を所定値に補正するための補正係数のデータとを含み、
    前記出力補正手段は、前記第1光源及び前記第2光源より前記対象物に順番に光を照射した時の前記フォトセンサの出力値の偏差を求め、当該偏差に対応する前記補正係数を前記フォトセンサの出力値に掛け算することにより、前記フォトセンサの出力信号を補正することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
  3. 前記補正係数は、前記第1光源及び前記第2光源より前記基準媒体に別々に光を照射した時の前記フォトセンサの出力値の偏差が所定範囲内のときは、前記フォトセンサの出力値を所定値に補正するような数値であり、前記偏差が所定範囲外のときは1であることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
  4. 前記第1光源及び前記第2光源は、実質的に同一の波長特性を有し、前記対象物の照明の配光がずれるように前記フォトセンサに対して非対称に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の検査装置。
  5. 前記第1光源及び前記第2光源は、実質的に同一の波長特性を有すると共に異なる指向特性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の検査装置。
  6. 前記第1光源及び前記第2光源は、異なる波長特性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の検査装置。
  7. 前記第1光源は赤外線を照射する素子であり、前記第2光源は紫外線を照射する素子であることを特徴とする請求項6記載の検査装置。
  8. 前記搬送路と前記フォトセンサとの間に、前記第2光源から照射される紫外線を除去する紫外線除去フィルタを配置したことを特徴とする請求項7記載の検査装置。
  9. 前記搬送路と前記第1光源及び前記第2光源との間に、前記第2光源から照射される紫外線に含まれる可視光成分を除去し、前記第1光源から照射される赤外線を透過させる紫外線・赤外線透過フィルタを配置したことを特徴とする請求項7または8記載の検査装置。
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