JP2005190125A - パネル型入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パネル型入力装置において、検出部材に設けられる導線のイオンマイグレーションを、高温高湿の条件下でも効果的に抑制できるようにする。
【解決手段】 パネル型入力装置10において、第1及び第2導線30、32をパターン形成した第1検出部材16は、それら導線30、32のそれぞれに個別に積層される複数のカーボン層40を備える。個々の第1導線30及び第2導線32は、個別対応するカーボン層40によって全体的に被覆され、個々のカーボン層40は、共通する絶縁層38によって全体的に被覆される。カーボン層40は、第1及び第2導線30、32に水分が接触することを防止できるだけでなく、それ自体、イオン化し難い性質を有するから、高温高湿環境で絶縁層38の抵抗値が低下した場合にも、第1及び第2導線30、32の金属イオンが絶縁層38に浸透することを効果的に阻止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の板状検出部材を互いに対向配置してなるパネル型入力装置に関する。
パネル型入力装置は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、現金自動預払機(ATM)等の、ディスプレイを備えたデータ処理装置において、パネル表面の所望位置をオペレータがペンや指で押圧することにより、ディスプレイにおける二次元座標データを指示する入力装置として知られている。特に、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマパネル)、CRT(ブラウン管)等のディスプレイの画面に重ねて設置可能な、それ自体透明な構造を有するパネル型入力装置は、タッチパネルの呼称で広く利用されている。
パネル型入力装置は一般に、絶縁基板と絶縁基板表面に設けられる導電膜とを各々に有する一対の板状の検出部材を備えて構成される。各検出部材の絶縁基板及び導電膜は、平面視で略矩形輪郭を有し、個々の導電膜の一対の対向辺に沿って、当該導電膜に導通可能に接続される正負一対の短冊状電極(すなわち平行電極対)が設けられる。それら検出部材は、隙間を介して導電膜同士を導通接触可能に対向させるとともに、それぞれの導電膜に接続される平行電極対を互いに90度異なる位置に配置した状態で、両絶縁基板の外周縁に沿って帯状に延設される接着剤層を介して、互いに重ね合わせて固定される。このような構成は、抵抗膜型タッチパネルとして一般的なものである。なお、予め一方の検出部材に、その導電膜上で互いに90度異なる位置に2組の平行電極対を設けてなるパネル型入力装置も知られている。
上記構成において、少なくとも一方の検出部材には、その絶縁基板の表面に沿って、各検出部材の平行電極対に個別に接続される複数の導線(すなわち引き回し線)がパターン形成される。このとき、一対の検出部材の双方に平行電極対を設けた構成であっても、いずれか一方の検出部材のみに、両検出部材の平行電極対に接続される複数の導線を形成する場合が多い。その場合、導線を有さない検出部材の平行電極対は、導電性接着剤を介して、他方の検出部材に形成した対応導線に個別に接続される(例えば特許文献1参照)。
導線を有する検出部材では、複数の導線は通常、絶縁基板の外周縁に配置される接着剤層の領域(いわゆる額縁領域)に形成される。また、この検出部材の導電膜は、額縁領域を除いて絶縁基板表面に形成される場合と、額縁領域を含む絶縁基板全体に形成される場合とがある。いずれの場合も、導電膜と複数の導線との間及び導線相互間は、平行電極対に正負の極性を正確に付与できるように、樹脂材料からなる絶縁層により互いに絶縁されている。ここで、一般に導線は銀等のイオン化し易い材料から形成されるので、このような絶縁層に、水分接触による導線のイオンマイグレーションを防止するための防水機能を持たせることも、従来提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平7−282674号公報 特開2001−175417号公報
パネル型入力装置における導線のイオンマイグレーションは、特に高温高湿環境においては、水分接触による導線材料のイオン化に加え、導電膜と導線との間及び導線相互間を絶縁する絶縁層の抵抗値が低下することに起因して、一層生じ易くなることが予測される。これは、絶縁層の抵抗値の低下により、導線材料のイオンが絶縁層を透過し易くなるためと考えられる。したがって、前述した特許文献2に記載されるような絶縁層による防水機能だけでは、高温高湿環境(例えば85℃、85%)における導線のイオンマイグレーション、及びそれに伴う導電膜と導線との間や導線相互間の短絡を、確実に防止することが困難となる懸念がある。
本発明の目的は、一対の板状検出部材を互いに対向配置してなるパネル型入力装置において、検出部材に設けられる導線のイオンマイグレーションを、高温高湿の条件下でも効果的に抑制でき、以って経時での動作安定性及び信頼性に優れたパネル型入力装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、絶縁基板と絶縁基板の一表面に設けられる導電膜とをそれぞれに有する一対の検出部材を備え、少なくとも一方の検出部材の絶縁基板の表面に沿って、少なくとも一方の検出部材の導電膜に接続される導線がパターン形成され、一対の検出部材が、それぞれの導電膜を互いに導通接触可能に離間対向配置した状態で、相互に組み合わされてなるパネル型入力装置において、導線をパターン形成した少なくとも一方の検出部材が、導線に積層されるカーボン層を備えることを特徴とするパネル型入力装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパネル型入力装置において、導線をパターン形成した少なくとも一方の検出部材が、導線とカーボン層との双方をまとめて被覆する絶縁層を備え、絶縁層が、耐湿性を有する樹脂材料から形成されるパネル型入力装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のパネル型入力装置において、一方の検出部材にパターン形成された導線と、他方の検出部材の導電膜とを、互いに接続する導電性接着剤を有し、導電性接着剤のバインダーが、耐湿性を有する樹脂材料から形成されるパネル型入力装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、絶縁基板と絶縁基板の一表面に設けられる導電膜とをそれぞれに有する一対の検出部材を備え、少なくとも一方の検出部材の導電膜の表面に、導電膜に接続される平行電極対が形成されるとともに、導電膜の表面に積層される絶縁層に、平行電極対に個別に接続される複数の導線がパターン形成され、一対の検出部材が、それぞれの導電膜を互いに導通接触可能に離間対向配置した状態で、相互に組み合わされてなるパネル型入力装置において、絶縁層が、複数の導線に重畳する複数の領域において、絶縁層を積層した導電膜と個々の導線との間に、互いに異なる電気抵抗値を示すように構成されることを特徴とするパネル型入力装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパネル型入力装置において、平行電極対のうちの陽極に接続される導線が、絶縁層を積層した導電膜に対向する面において、平行電極対のうちの陰極に接続される導線よりも、大きな表面積を有するパネル型入力装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、導線に積層されるカーボン層が導線と水分との接触を防止し、しかもカーボン層自体がイオン化し難い性質を有するから、高温高湿環境下でも、検出部材上での導線のイオンマイグレーションを効果的に抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、高温高湿環境下で絶縁層の抵抗値が低下した場合にも、カーボン層の上記した抗マイグレーション作用に加えて、カーボン層及びそれに積層した導線への水分の接触を確実に回避できるので、高温高湿環境における検出部材上での導線のイオンマイグレーション及びそれに伴う導電膜と導線との間の短絡を効果的に抑制して、経時での動作安定性及び信頼性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、一対の検出部材のいずれか一方のみに、両検出部材の導電膜にそれぞれ接続される複数の導線を形成してなるパネル型入力装置において、導電性接着剤を通した導線のイオンマイグレーションを効果的に抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、絶縁層の一方の側にある複数の導線と、絶縁層の他方の側にある導電膜との間の電位差を、個々の導線に重畳する絶縁層の複数の領域において、互いに異なるものとすることができる。したがって、検出部材上で複数の導線の間に、絶縁層を貫通するとともに導電層を介して電流が流れ得るような状況が生じたときに、正側の導線と導電膜との電位差を、負側の導線と導電膜との電位差よりも小さくすることにより、正側の導線の金属イオンが絶縁層を透過する量を低減してイオンマイグレーションを効果的に抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、陽極側の導線に重畳する絶縁層の領域における電気抵抗値を、陰極側の導線に重畳する絶縁層の領域における電気抵抗値よりも、比較的容易に小さくすることができ、以って上記したイオンマイグレーション抑制効果を容易に獲得できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は、本発明の一実施形態によるパネル型入力装置10の主要構成要素を示す分解斜視図、図2は、パネル型入力装置10の一構成要素の局部断面図である。
パネル型入力装置10は、第1絶縁基板12及び第1絶縁基板12の一表面12aの略全体に設けられる第1導電膜14を有する第1検出部材16と、第2絶縁基板18及び第2絶縁基板18の一表面18aの略全体に設けられる第2導電膜20を有する第2検出部材22とを備える。第1検出部材16の第1絶縁基板12及び第1導電膜14と第2検出部材22の第2絶縁基板18及び第2導電膜20とは、それぞれ互いに略同一の矩形輪郭を有する。
第1検出部材16の第1導電膜14上には、その矩形輪郭の一対の対向辺に沿って、第1導電膜14に電気的に接続される正負一対の短冊状の第1電極(すなわち第1平行電極対)24が、例えばスクリーン印刷法により直接に積層してパターン形成される。同様に、第2検出部材22の第2導電膜20上には、その矩形輪郭の、第1平行電極対24とは位置が異なる一対の対向辺に沿って、第2導電膜20に電気的に接続される正負一対の短冊状の第2電極(すなわち第2平行電極対)26が、例えばスクリーン印刷法により直接に積層してパターン形成される。
第1及び第2検出部材16、22は、それぞれの導電膜14、20同士を互いの輪郭が実質的に整合する位置で相互に導通接触可能に離間対向配置するとともに、それぞれの導電膜14、20に接続される第1及び第2平行電極対24、26を互いに90度異なる位置に配置した状態で、両絶縁基板12、18の外周縁に沿って帯状に延設される電気絶縁性の接着剤層28により、互いに重ね合わせて固定される。両検出部材16、22の間の隙間は、この接着剤層28の厚みにより確保される。
第1検出部材16の第1導電膜14上にはさらに、第1平行電極対24に個別に接続される一対の第1導線(すなわち第1引き回し線)30と、第2検出部材22の第2平行電極対26に個別に接続される一対の第2導線(すなわち第2引き回し線)32とが、例えばスクリーン印刷法により所定輪郭にパターン形成される。それら第2導線32は、第1及び第2検出部材16、22を上記した適正配置で相互に組み合わせた状態で、接着剤層28の一部分に設けられる導電性接着剤34により、第2検出部材22の対応の第2電極26に個別に接続される。第1及び第2導線30、32は、第1検出部材16上で、第1絶縁基板12の外周縁に沿って配置される接着剤層28の領域(いわゆる額縁領域)に形成され、額縁領域内の所定箇所に集結されて、外部の制御回路への接続部を構成するコネクタ(フレキシブル印刷基板)36に接続される。
第1検出部材16において、第1導電膜14と第1及び第2導線30、32との間、及びそれら導線30、32同士の間は、樹脂材料からなる絶縁層38により互いに絶縁されている。したがって、各第1導線30は、対応の第1電極24のみを介して第1導電膜14に電気的に接続され、各第2導線32は、対応の第2電極26のみを介して第2導電膜20に電気的に接続される。その結果、両第1導線30の間に所定電圧を印加することにより、第1平行電極対24のそれぞれに正負の極性が正確に付与され、同様に両第2導線32の間に所定電圧を印加することにより、第2平行電極対26のそれぞれに正負の極性が正確に付与される。
絶縁層38は、第1検出部材16の額縁領域内で、第1導電膜14の表面に直接形成される下部絶縁層38aと、第1及び第2導線30、32を中心に下部絶縁層38aとは反対側に形成される上部絶縁層38bとから構成される。下部絶縁層38aと上部絶縁層38bとは、互いに協働して、第1導電膜14上で第1及び第2導線30、32を個別に被覆する。なお、下部絶縁層38aは、図示のように第1平行電極対24の位置まで延長されることにより、各第1電極24を被覆することができる。これら下部絶縁層38a及び上部絶縁層38bは、例えばスクリーン印刷法により所定輪郭にパターン形成される。なお、下部絶縁層38aと上部絶縁層38bとは、同一材料から作製してもよいし、異なる材料から作製してもよい。
パネル型入力装置10は、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマパネル)、CRT(ブラウン管)等のディスプレイの画面に重ねて設置可能な、それ自体透明な構造を有するタッチパネルとして構成できる。この場合、第1検出部材16は、ディスプレイ画面に隣接配置される下側検出部材として機能し、その第1絶縁基板12は、透明なガラス板や樹脂パネル又は樹脂フィルムから形成される。これに対し、第2検出部材22は、オペレータによって押圧操作される上側検出部材として機能し、その第2絶縁基板18は、可撓性に富む透明樹脂フィルムから形成される。第1及び第2絶縁基板12、18の好適な樹脂材料としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。また、各検出部材16、22の導電膜14、20は、ITO(インジウムチンオキサイド)等の導電性皮膜からなり、例えば真空蒸着法やスパッタリング法によって各絶縁基板12、18の表面12a、18aに被着される。さらに、第1及び第2平行電極対24、26並びに第1及び第2導線30、32は、銀ペースト等の高導電性金属材料から形成される。
上記構成を有するパネル型入力装置10では、第1検出部材16の第1導電膜14及び第2検出部材22の第2導電膜20に対し、交互に、それぞれの第1及び第2平行電極対24、26の間に所定電圧が印加される。その状態で、第2検出部材22の第2絶縁基板18の外面所望位置を例えば指で押圧すると、押圧部位で両導電膜14、20が互いに導通接触し、電圧を印加していない側の導電膜14、20において押圧部位の位置に対応した分圧が測定される。両導電膜14、20にこのようにして交互に生じる分圧を測定することにより、押圧部位の2次元座標が特定される。なお、第1検出部材16の第1導電膜14には、額縁領域の内側に位置する検出区画の略全表面に渡って適当な分散配置で、図示しない電気絶縁性の複数の微小突起(いわゆるドットスペーサ)が設けられる。それら微小突起は、第2検出部材22の自重による凹状の撓みを抑制して両導電膜14、20間の隙間を保持する一方で、第2検出部材22が押圧力下で変形したときには押圧位置における両導電膜14、20同士の局所的短絡を許容するように作用する。こうした構成は、抵抗膜型タッチパネルにおいて従来知られたものである。
本発明に係るパネル型入力装置10の特徴的構成として、第1及び第2導線30、32をパターン形成した第1検出部材16は、それら導線30、32のそれぞれに個別に積層される互いに独立した複数のカーボン層40を備える。各カーボン層40は、下部絶縁層38aの表面に直接形成される下部カーボン層40aと、第1及び第2導線30、32を挟んで下部カーボン層40aとは反対側に形成される上部カーボン層40bとから構成される。下部カーボン層40aと上部カーボン層40bとは、互いに協働して、絶縁層38の内部で第1及び第2導線30、32を個別に被覆する。
詳述すると、個々の第1導線30及び第2導線32は、個別対応するカーボン層40によってそれぞれの外面全体を被覆され、さらに、個々のカーボン層40は、共通する絶縁層38によってそれぞれの外面全体を被覆される。つまり絶縁層38(下部絶縁層38a及び上部絶縁層38b)は、個々の導線30、32とそれらを個別に被覆する個々のカーボン層40(下部カーボン層40a及び上部カーボン層40b)とを、それぞれにまとめて被覆する。この状態で、複数のカーボン層40は、それぞれに第1及び第2導線30、32を内包して、絶縁層38により互いに絶縁される。
なお、各カーボン層40を構成する下部カーボン層40a及び上部カーボン層40bは、例えばスクリーン印刷法により所定輪郭にパターン形成される。また、下部カーボン層40aと上部カーボン層40bとは、同一組成を有していてもよいし、異なる組成を有していてもよい。さらに、カーボン層40は、個々の第1導線30及び第2導線32の全長のうち、少なくとも、絶縁層38を介して第1導電膜14に対する正の電位差を生じ得る部位に形成すればよい。
上記構成においては、第1導線30及び第2導線32を個別にカーボン層40で被覆することにより、それら導線30、32に水分が接触することを防止できる。しかも、カーボン層40はそれ自体、イオン化し難い性質を有するから、高温高湿環境(例えば85℃、85%)で絶縁層38の抵抗値が低下した場合にも、第1及び第2導線30、32の金属イオン(例えば銀イオン)が絶縁層38に浸透することを効果的に阻止できる。したがってパネル型入力装置10によれば、高温高湿環境における第1検出部材16上での各導線30、32のイオンマイグレーション、及びそれに伴う第1導電膜14と各導線30、32との間や第1及び第2導線30、32同士の短絡を効果的に抑制して、経時での動作安定性及び信頼性を向上させることができる。
上記構成において、カーボン層40は、必ずしも各導線30、32の外面全体を被覆しなくてもよい。例えば図3に示すように、下部カーボン層40aのみを使用したり(図3(a))、上部カーボン層40bのみを使用したり(図3(b))、導線30(32)と同じ線幅の上部及び下部カーボン層40a、40bを使用したり(図3(c))することができる。いずれの構成においても、導線30、32の金属イオンが絶縁層38を透過して第1導電膜14上に析出することを、効果的に抑制できる。
また、上記構成において、絶縁層38は、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の、耐湿性を有する樹脂材料を主成分として形成されることが、カーボン層40及びそれに被覆された導線30、32への水分の接触を確実に回避する観点で有利である。同様の観点で、第1検出部材16上の一対の第2導線32と第2検出部材22上の一対の第2電極26とを個々に接続する導電性接着剤34は、そのバインダーが、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の優れた耐湿性を有する樹脂材料から形成されることが有利である。或いは、耐湿性に劣る樹脂材料(ウレタン樹脂等)のバインダーにカーボン粉末からなるフィラーを混入してなる導電性接着剤34を使用することによっても、導電性接着剤34における耐マイグレーション効果を向上させることができる。なお、各導線30、32の材料である銀ペーストにカーボンを混合させることによって、導線30、32のイオンマイグレーションを抑制することもできる。
図4及び図5は、本発明の他の実施形態に係るパネル型入力装置の第1検出部材42の主要部を示す。この実施形態によるパネル型入力装置は、第1検出部材42に設けられる導線の構造以外は、前述したパネル型入力装置10と同様の構成を有するものとし、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその説明を省略する。
第1検出部材42は、第1導電膜14上に、第1平行電極対24に個別に接続される一対の第1導線44と、第2検出部材22の第2平行電極対26(図1)に個別に接続される一対の第2導線46とを、所定パターンで備える。それら第1及び第2導線42、44は、第1導電膜14の表面14aに積層される絶縁層38(下部絶縁層38a及び上部絶縁層38b)によって、それぞれの外面全体を被覆される。
図4に示すように、第1検出部材42上では、一対の第1導線44同士の空間的距離、及び一対の第2導線46同士の空間的距離が比較的小さくなっている。このような構成においては、前述したように各対を成す第1導線44及び第2導線46に交互に電圧を印加する度に、特に高温高湿環境下で絶縁層38の電気抵抗値が全体的に低下することに相俟って、第1平行電極対24のうちの陽極に接続される第1導線44aと陰極に接続される第1導線44bとの間、及び第2平行電極対26のうちの陽極に接続される第2導線46aと陰極に接続される第2導線46bとの間に、絶縁層38を貫通して電流I(図5に破線で示す)が流れようとする。その結果、陽極側の第1導線44a及び第2導線46aが、イオンマイグレーションを生じ易くなることが危惧される。
こうした危惧を排除すべく、本発明の特徴的構成として、第1検出部材42の絶縁層38は、第1及び第2導線44、46に重畳する複数の領域において、第1導電膜14と個々の導線44、46との間に、互いに異なる電気抵抗値を示すように構成される。特に、陽極側の第1導線44a又は第2導線46aに重畳する絶縁層38の領域の電気抵抗値が、陰極側の第1導線44b又は第2導線46bに重畳する絶縁層38の領域の電気抵抗値よりも小さくなるように構成する。このような構成によれば、絶縁層38の両側にある第1又は第2導線44、46と第1導電膜14との電位差は、陽極側において陰極側よりも小さくなり、その結果、陽極側の第1導線44a又は第2導線46aの金属イオンが絶縁層38を透過する量が低減してイオンマイグレーションが効果的に抑制される。
上記構成を実現するためには、第1平行電極対24の陽極に接続される第1導線44aが、第1導電膜14に対向する面において、第1平行電極対24の陰極に接続される第1導線44bよりも大きな表面積を有するように、各第1導線44a、44bの輪郭を形成すればよい。また、第2平行電極対26の陽極に接続される第2導線46aが、第1導電膜14に対向する面において、第2平行電極対26の陰極に接続される第2導線46bよりも大きな表面積を有するように、各第2導線46a、46bの輪郭を形成すればよい。特に図示実施形態では、コネクタ36を配置する第1検出部材42の額縁領域内で、コネクタ36の位置を第2導線46b側に片寄せることにより、陽極側の第2導線46aの長さ及び幅をいずれも、陰極側の第2導線46bの長さ及び幅よりも大きくなるように形成している。このような構成によれば、狭小な額縁領域においても、スクリーン印刷法によって第1導線44及び第2導線46の各々に、個々に重畳する絶縁層38の領域における所要の電気抵抗値に対応する輪郭を、容易に付与することができる。
以上、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は図示構成以外の様々な構成を採用できる。例えば、図1の実施形態におけるカーボン層により導線を被覆する構成は、導電膜が検出部材の額縁領域を除く絶縁基板表面に形成され、かつ導線が額縁領域内で絶縁基板表面に直接にパターン形成されているパネル型入力装置にも適用できる。また、図1及び図4の各実施形態の構成はいずれも、予め一方の検出部材にその導電膜上で互いに90度異なる位置に2組の平行電極対を設けてなるパネル型入力装置にも適用できる。
図1及び図2に示すパネル型入力装置10を、以下の構成で作製した(実施例1)。
第1絶縁基板12…ガラス。
第2絶縁基板18…PET。
第1及び第2導電膜14、20…ITO。
第1及び第2導線30、32…銀及びポリエステル樹脂を主成分とする銀ペースト。
絶縁層38…アルキド樹脂(28〜36%)、メラミン樹脂(9〜14%)、エポキシ樹脂(3〜5%)、キシレン樹脂(3〜6%)、無機化合物粉末(10〜16%)、シリカ粉末(8〜16%)、シリコン系消泡剤(1〜2%)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(11〜13%)及び石油ナフサ(10〜20%)を含有する絶縁性ペースト。第1導電膜14上にスクリーン印刷した後、130℃の高温槽に10分間放置して硬化させた。
カーボン層40…飽和共重合ポリエステル樹脂(18〜22%)、グラファイト粉末(14〜18%)、カーボンブラック(8〜10%)、2−プトキシエチルアセテート(12〜16%)及び2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート(40〜42%)を含有する導電性ペースト。絶縁層38上にスクリーン印刷した後、150℃の高温槽に40分間放置して硬化させた。
導電性接着剤34…カーボン(70〜80%)、エポキシ樹脂(12〜16%)、フェノール樹脂(4〜8%)、アクリル系消泡剤(0.5〜1%)、エポキシ硬化剤(3〜4%)及び石油ナフサ(10〜15%)を含有する導電性接着剤。第1及び第2検出部材16、22を相互に張り合わせた後、120℃の環境下に1時間放置した。
比較例として、上記第1検出部材16と同一の第1絶縁基板、第1導電膜並びに第1及び第2導線を有する一方で、ウレタン樹脂主成分の紫外線硬化樹脂から成る絶縁層と、ウレタン樹脂及び銀主成分の導電性接着剤とを有し、かつカーボン層を装備しない第1検出部材を用意して、上記第2検出部材22と組み合わせてパネル型入力装置(比較例1)を作製した。これら実施例1のパネル型入力装置10及び比較例1のパネル型入力装置を、いずれも温度85℃及び湿度85%の高温高湿環境下で、第2導線に+7Vを印加するとともに第1導線を接地して120時間放置し、第1検出部材における絶縁層の抵抗変化を測定した。実施例1及び比較例1における絶縁層38の絶縁抵抗の経時変化を、図6に示す。
図6から理解されるように、実施例1のパネル型入力装置10では、第1検出部材16における絶縁層38の抵抗値の低下は経時でも殆ど生じず、したがって導線30、32のイオンマイグレーションが効果的に抑制された。他方、比較例1では、第1検出部材における絶縁層の抵抗値が経時で著しく低下し、導線のイオンマイグレーションにより第2導線と第1導電膜とが短絡してしまった。
上記実施例1と同様の構成で、図4に示す輪郭形状の第1及び第2導線44、46を有する第1検出部材42を作製し、実施例1の第2検出部材22と組み合わせてパネル型入力装置とした。このパネル型入力装置において、第1検出部材42の一対の第2導線46に対し、第2導線46aが陽極側で第2導線46bが陰極側となるように電圧を印加したもの(実施例2)と、第2導線46aが陰極側で第2導線46bが陽極側となるように電圧を印加したもの(比較例2)とを用意した。そしてこれらパネル型入力装置を、いずれも温度85℃及び湿度85%の高温高湿環境下に放置して、陽極側の第2導線46のイオンマイグレーションにより第2導線46と第1導電膜14とが短絡するまでの時間を測定した。
この実験によれば、実施例2における陽極側の第2導線46aと第1導電膜14との間の領域で絶縁層38に印加される電圧は0.9Vであり、第2導線46aと第1導電膜14とが短絡するまでに要した時間は840時間であった。これに対し、比較例2における陽極側の第2導線46bと第1導電膜14との間の領域で絶縁層38に印加される電圧は2.9Vであり、第2導線46bと第1導電膜14とが短絡するまでに要した時間は480時間であった。
本発明に係るパネル型入力装置は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、現金自動預払機(ATM)等の、ディスプレイを備えたデータ処理装置において、パネル表面の所望位置をオペレータがペンや指で押圧することにより、ディスプレイにおける二次元座標データを指示する入力装置として、好適に利用できる。
本発明の一実施形態によるパネル型入力装置の主要構成部品を示す分解斜視図である。 図1のパネル型入力装置の主要部を、線II−IIに沿った断面で、かつ厚み方向に拡大して模式図的に示す図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、図2に示す第1検出部材の主要部の、種々の変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態によるパネル型入力装置の、第1検出部材の主要部を示す平面図である。 図4の第1検出部材の主要部を、断面で、かつ厚み方向に拡大して模式図的に示す図である。 図1のパネル型入力装置の実施例と比較例との実験結果を示す図である。
符号の説明
10…パネル型入力装置
12…第1絶縁基板
14…第1導電膜
16、42…第1検出部材
18…第2絶縁基板
20…第2導電膜
22…第2検出部材
24…第1電極(第1平行電極対)
26…第2電極(第2平行電極対)
28…接着剤層
30、44…第1導線
32、46…第2導線
34…導電性接着剤
38…絶縁層
40…カーボン層

Claims (5)

  1. 絶縁基板と該絶縁基板の一表面に設けられる導電膜とをそれぞれに有する一対の検出部材を備え、少なくとも一方の該検出部材の該絶縁基板の該表面に沿って、少なくとも一方の該検出部材の該導電膜に接続される導線がパターン形成され、該一対の検出部材が、それぞれの該導電膜を互いに導通接触可能に離間対向配置した状態で、相互に組み合わされてなるパネル型入力装置において、
    前記導線をパターン形成した前記少なくとも一方の検出部材が、該導線に積層されるカーボン層を備えることを特徴とするパネル型入力装置。
  2. 前記導線をパターン形成した前記少なくとも一方の検出部材が、該導線と前記カーボン層との双方をまとめて被覆する絶縁層を備え、該絶縁層が、耐湿性を有する樹脂材料から形成される、請求項1に記載のパネル型入力装置。
  3. 一方の前記検出部材にパターン形成された前記導線と、他方の前記検出部材の前記導電膜とを、互いに接続する導電性接着剤を有し、該導電性接着剤のバインダーが、耐湿性を有する樹脂材料から形成される、請求項1又は2に記載のパネル型入力装置。
  4. 絶縁基板と該絶縁基板の一表面に設けられる導電膜とをそれぞれに有する一対の検出部材を備え、少なくとも一方の該検出部材の該導電膜の表面に、該導電膜に接続される平行電極対が形成されるとともに、該導電膜の該表面に積層される絶縁層に、該平行電極対に個別に接続される複数の導線がパターン形成され、該一対の検出部材が、それぞれの該導電膜を互いに導通接触可能に離間対向配置した状態で、相互に組み合わされてなるパネル型入力装置において、
    前記絶縁層が、前記複数の導線に重畳する複数の領域において、該絶縁層を積層した前記導電膜と個々の該導線との間に、互いに異なる電気抵抗値を示すように構成されることを特徴とするパネル型入力装置。
  5. 前記平行電極対のうちの陽極に接続される前記導線が、前記絶縁層を積層した前記導電膜に対向する面において、該平行電極対のうちの陰極に接続される前記導線よりも、大きな表面積を有する、請求項4に記載のパネル型入力装置。
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