JP2005188850A - 小型ガス化焼却炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型焼却装置の燃焼炉全体的に可燃ガスの分布を広く安定させて分布させることにより、良好な燃焼状態を確保することが可能な小型焼却装置を提供する。
【解決手段】小型焼却装置10の散気孔管50は、小型焼却装置10の燃焼炉12の底部から上部へかけて複数段のノズル群に偏在させ、最下段にある第1のノズル群内のノズルは燃焼炉12の炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の5%以上15%以下の範囲内として、残りの85%以上95%以下のノズルの面積を第2のノズル群より上部のノズル群に割り当てるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、事業所や一般家庭などから排出される各種廃棄物を小規模で簡単な装置によって、固形炭化水素に対するガス化を伴って廃棄物全体を完全燃焼させる小型ガス化焼却炉に関するものである。
炭化水素系固形物を含む廃棄物の焼却処理に際しては、800℃以下の燃焼では排ガス中へのダイオキシンの残留が問題となり、少なくとも800℃以上の高温で2秒以上は加熱することが必要とされているが、確実なダイオキシン対策としては、更に高温度、具体的には1000℃、好ましくは1250℃を超える高温でかつ少なくとも2秒以上継続して燃焼させダイオキシンを完全に分解させることが望ましい。これは、ガス化と燃焼の工程を分離した複雑で大規模なシステムでは実現が可能であるが、小型の比較的単純な構造の焼却炉では、従来このような高温による焼却を安定的に達成することが困難であった。これらの問題を解決する手段の一つとして下記特許文献等が示されている。
従来、上方開口状円筒体から成る焼却炉本体に、着火バーナーを取り付けると共に、火格子を取り付け、前記焼却炉本体の外部に設置される送風機からの円筒状の送風管の所要本を前記火格子の下方より前記焼却炉本体内に立設し、しかも前記送風管はその上端は閉塞され、前記火格子の直下より多段に所要間隔置きに空気が焼却炉本体の中を円周運動するような向きで、前記焼却炉本体の底面と水平な向きに複数個の送風口を備えた移動式ガス化焼却炉が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また従来、空気供給手段が燃焼室外の空気導入手段に接続されるとともに、燃焼室内で略垂直方向に設けられた少なくとも一つの送風管、該送風管にフランジ状に設けられており、略水平方向に向けて延出した少なくとも一つのプレート、該プレートに近接する下方位置であって前記送風管の全周に沿って形成された複数の吐出孔を備えた焼却炉が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
前記焼却炉では、上方に向けて飛散した空気はプレートで上昇を妨げられて下方に向かい、下方に向けて飛散した空気は一旦下降するものの、炉の底部で高温に加熱された空気や燃焼ガスの対流によって再び上昇するようになる。このため、吐出孔から噴射された空気は、全体として略水平方向に向かうように供給することが可能であると記載されている。
登録実用新案第3092388号公報(第1、6、7ページ、第3図、第4図、第6図) 特開2003−207119号(第2、4、5ページ、第2図、第3図、第4図)
しかし、特許文献1に記載の移動式ガス化焼却炉では、炉内中央部に立設される送気管への空気供給は炉床より上部の炉側壁を貫通した水平配管を通じて行なわれるため、炉床のすぐ上部の空間は一部分が配管に占有されるために炉床全域での均一な廃棄物のガス化および燃焼を行なわせることができず、廃棄物を火格子上に一旦保持する必要が生じ、火格子下は燃焼残渣を溜める空間となる。しかし本焼却炉の重要な目的である固形炭化水素廃棄物の液化とガス化を伴う燃焼処理においては、ガス化前の廃棄物が火格子の下に溜まることになり、火格子に残留した廃棄物によって炉中央部乃至炉上部空間の高温燃焼火炎によって輻射を効果的に受けることができない。それゆえに、当焼却炉において重要な要素である固形炭化水素の液化とガス化が効果的に進行せず、その結果1000℃の燃焼温度も達成することができないという不具合を生じていた。
さらに構造的にも、炉内に炉側壁を貫通した水平配管を通して中央部送気管に接続させるために熱膨張による貫通部分の漏れ乃至応力面での構造的問題を伴う。
また文献2の手段では、被焼却物の投入口を有するとともに、前記被焼却物を分解燃焼するための燃焼室、該燃焼室の上端に設けられた開閉自在の蓋、前記燃焼室に空気を供給する空気供給手段、前記燃焼室内の被焼却物に点火するための点火手段を備えるとともに、前記空気供給手段が前記燃焼室内に、略水平方向に集中して空気を供給している。
前記文献2の手段によれば、送風機からの空気供給手段は炉内送風管の上部に水平配管を介して接続され、空気は送風管内を上から下へ下降し、最後に炉床を貫通して水平外部配管に接続され、前記水平配管は取り外し可能として送風管内下部の堆積物除去とクリーニングの用に供される。
前述のようにこの手段においては、供給空気は、中段および下段に至って予熱されることとなるので、最も高温燃焼が期待される上層または中層部分では予熱がないか僅かの予熱しか受けないまま炉内へ供給されることとなる。1250℃以上という高温燃焼のためには、燃焼空気の高温予熱が必要であるが、最も重要な燃焼域でこの予熱を欠くために左記のような高温の燃焼を達成することはできない。
前記手段の送風管に設けられて略水平方向に向けて延出したプレートについては、その効果は大きなものでなく、吐出孔からの空気の流速と方向によって解決されるものであるので当焼却炉にとって必須要件ではない。
そこで本発明は上記従来の状況に鑑み、高温燃焼の要求されない最下層の燃焼室には予熱の不十分な空気を供給し、高温度燃焼の必要な上層部にはより多くの予熱を受けて温度上昇した空気を供給して燃焼温度を上昇させ、ダイオキシン類の排出を防止することが可能な小型焼却装置を提供することを目的としている。
また本発明は、小型焼却装置の燃焼炉全体的に可燃ガスの分布を安定させて理想的な混合気を広く分布させることにより、良好な燃焼状態を確保することが可能な小型焼却装置を提供することを目的としている。
また本発明は、円周方向に対して火焔の粗密の差を小さくして、各円盤上の火焔または噴出空気流のエアーカーテン効果を維持することが可能な小型焼却装置を提供することを目的としている。
また本発明は、小型焼却装置の燃焼炉内の下層において部分燃焼を行なわせることによって、固形炭化水素を秩序立てて液化、ガス化して可燃ガスを上昇させ、中層、上層での高温火炎を最下層にも輻射してさらに液化、ガス化を促進し燃焼を進展させることが可能な小型焼却装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置の散気孔管は、焼却装置の燃焼炉底部から上部へかけて複数段のノズル群に偏在させ、最下段にある第1のノズル群内のノズルは燃焼炉の炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の5%以上15%以下の範囲内として、残りの85%以上95%以下のノズルの面積を第2のノズル群より上部のノズル群に割り当てることを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置の散気孔管は、焼却装置の燃焼炉底部から上部へかけて3段乃至7段のノズル群に偏在させ、各段のノズル群は1列乃至3列で構成し、各列におけるノズルは散気孔管の中心軸に直角な断面上に12乃至64個設けて散気孔管上に分布させ、同じ列における各ノズルの中心線を水平面または垂直に置かれた円錐斜面と一致させるように設け、最下段にある第1のノズル群内の各列のノズルは燃焼炉の炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の5%以上15%以下の範囲内として、残りの85%以上95%以下のノズルの面積を第2のノズル群より上部のノズル群に割り当てることを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置は、燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構を設けたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置は、燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構と、散気孔管を5乃至30(rpm)の回転数で回転させる駆動機構とを設けたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置は、燃焼炉内の被焼却物を攪拌移動させる回転可能な攪拌腕と、攪拌腕を5乃至30(rpm)の回転数で回転させる回転機構とを設けたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置は、燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構と、散気孔管に取付けられて共に回転し燃焼炉内の被焼却物を攪拌移動させる攪拌腕とを設けたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置の攪拌腕は、攪拌腕から下方に伸びる下方腕または上方に伸びる上方腕を設けたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために、本発明に係る小型焼却装置の回転機構は、セラミックまたはカーボン等の素材を用いた耐熱性軸受を備えたことを特徴とする。
また本発明は、小型焼却装置の散気孔管において、下方のノズル群のノズル径を直径1乃至3(mm)の開口部を有するノズル径とし、上方のノズル群のノズル径を直径2乃至4(mm)の開口部を有するノズル径に設定したことを特徴としている。
また本発明は、小型焼却装置の散気孔管において、被焼却物が最初に燃焼する部分に近い位置に新気を噴出する1乃至2列以上の下方のノズル群と、被焼却物が最初に燃焼する部分から遠い位置に新気を噴出する1乃至2列以上の上方のノズル群とを備え、上方のノズル群のノズル数量を下方のノズル群のノズル数量よりも多くして下方のノズル群が噴出する新気の流量よりも上方のノズル群が噴出する新気の流量を多く設定したことを特徴としている。
また本発明は、小型焼却装置の散気孔管において、被焼却物が最初に燃焼する部分に近い位置に304乃至2400(g/分)の新気を噴出する1乃至2列以上の下方のノズル群と、被焼却物が最初に燃焼する部分から遠い位置に225乃至3000(g/分)の新気を噴出する1乃至2列以上の上方のノズル群とを備え、上方のノズル群のノズル数量を下方のノズル群のノズル数量よりも多くするか、又は、上方のノズル群のノズル径を下方のノズル群のノズル径よりも大きくして下方のノズル群が噴出する新気の流量よりも上方のノズル群が噴出する新気の流量を多く設定したことを特徴としている。
また本発明は、小型焼却装置の散気孔管において、被焼却物が最後に燃焼する部分に570乃至8250(g/分)の新気を噴出する1乃至2列以上の上方のノズル群と、被焼却物が最後に燃焼する部分の下方に450乃至6000(g/分)の新気を噴出する1乃至2列以上の下方のノズル群とを備え、上方のノズル群のノズル数量を下方のノズル群のノズル数量よりも多くするか、又は、上方のノズル群のノズル径を下方のノズル群のノズル径よりも大きくして下方のノズル群が噴出する新気の流量よりも上方のノズル群が噴出する新気の流量を多く設定したことを特徴としている。
本発明によれば、プラスティック等固形炭化水素廃棄物を含む廃棄物の処理を目的として、炉外に燃焼空気供給用の送風機を持ち空気供給ダクトと炉内に略垂直に設置された散気孔管及び散気孔管に設けられた多数の空気噴出孔(以下「ノズル」と記す)を通して空気を炉内に供給し、炉床に溜めた廃棄物を廃棄物自身の可燃性と前記供給空気によって完全燃焼させ、燃焼排気は炉上部から外部へそのまま又は煙突を通して排出される小型の焼却炉において、散気孔管の空気流入部である最下部を炉床に設けた開口部に接続し、開口部外面は炉外部の空気供給ダクトに接続し、供給された燃焼空気は散気孔管最下部に流入したあと散気孔管の管壁を介して炉内の高温燃焼ガスによる予熱を受けながら散気孔管内を上昇して、炉内の散気孔管に多数分布したノズル群から炉内へ噴出されるようにしたので、高温燃焼の要求されない最下層へは予熱の不十分な空気を供給し、高温度燃焼の必要な上層部にはより多くの予熱を受けて温度上昇した空気が例えば400℃の高温で炉内に供給されるので、燃焼温度を1250℃の高温まで容易に達することができてダイオキシンの排出防止がより確実になる。
また本発明によれば、廃棄物を炉床に直接溜めて固形炭化水素と液化炭化水素を一体に扱われることとなり、ガス化が円滑に進行し、しかも水平ダクトの持つ機構上の難点がない。
また本発明によれば、ノズル群のノズル位置を、炉底部から散気孔管下流側へかけて第1段から第3段乃至第7段の3つ乃至7つのノズル群に偏在させ、各段のノズル群は1列または2列乃至3列で構成され、各列におけるノズルは散気孔管の中心軸に直角な断面上に12乃至64個設けて散気孔管上に分布させ、同じ列における各ノズルの中心線を水平面または垂直に置かれた円錐斜面と一致させるように設け、最下段にある第1段内の各列のノズルは炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに、第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値は、散気孔管全ノズルの15%以下5%以上の範囲内として、残り85%以上95%以下を第2段から第7段のノズル群に負担させるようにしたので、小さな空間だけに多量の空気を噴射することにならず、全体的に可燃ガスの分布が安定して理想的な混合気を広く分布させることとなり、良好な燃焼状態を確保することが可能となる。
また、1列のノズル個数を12乃至64個設けたので、円周方向に対して火焔の粗密の差が小さくなり、各円盤上の火焔または噴出空気流のエアーカーテン効果を維持することが可能となる。
また、最下段にある第1段内の各列のノズルは炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を散気孔管全ノズルの15%以下5%以上の範囲内として、残り85%以上95%以下を第2段から第7段のノズル群に負担させるようにノズル分布と供給空気量を限定したので、部分燃焼だけが起きて固形炭化水素が秩序立てて液化、ガス化して可燃ガスが上昇し、中層、上層での高温火炎が最下層にも輻射してさらに液化、ガス化を促進し燃焼が進展する。
また、第2のノズル群のノズル断面積合計値を、散気孔管全ノズルの40%以下8%以上の範囲内としたので、第2燃焼高温室内にて部分燃焼が起き、燃焼温度を高温に維持することが可能となるとともに、火炎の大きな不満足な燃焼を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る小型焼却装置の外観図である。
同図に示す小型焼却装置10は、プラスティック等固形炭化水素廃棄物を含む廃棄物の処理を目的として、炉外に燃焼空気供給用のブロワと空気供給ダクトを持ち炉内には多数の空気噴出孔(以下「ノズル」または「ノズル群」と記す)を有する散気孔管50を持ち、散気孔管50を通して空気を炉内に供給し、燃焼炉12の炉床に溜めた廃棄物(被焼却物)を廃棄物自身の可燃性と前記供給空気によって完全燃焼させ、燃焼排気は燃焼炉12の上部から外部へそのまま又は排気口16を通して排出する小型の焼却炉である。
同図に示すように小型焼却装置10には、被焼却物を投入して燃焼させる燃焼炉12と、燃焼炉12内の燃焼状態を制御する制御盤30とを設けており、これらの燃焼炉12、制御盤30等の各機器は架台40に備えつけてある。
燃焼炉12は、外径1〜2(m)、高さ1〜2(m)程の略円筒形状をなしており、燃焼炉12の外周は作業者が高温の炉の壁面に直接触れることがないように、金網14を設けてある。燃焼炉12の上部には開閉可能な燃焼炉の蓋17を設けてあり、蓋17には被焼却物が燃焼した後の排気を燃焼炉12内から外気へ排出する排気口16を設けてある。燃焼炉12の下方には、被焼却物を燃焼炉12内に投入したり燃焼後の灰を取り出すための扉付きの灰出し口18を設けてある。灰出し口18の扉には、必要に応じて開閉することができる空気取入口などを設けるようにしてもよい。
また小型焼却装置10の架台40には、燃焼炉12内に新気を供給するブロワ20と、燃焼炉12内部で被焼却物を燃焼させるための酸素を含む新気を放射状に噴出する散気孔管(詳細については後述する。)及び攪拌腕を回転させる動力を発生するモータ22とを設けてある。
燃焼炉12には、燃焼炉12内の温度を測定して制御盤30に伝達する温度センサ24と、燃焼炉12内に供給する冷却剤又は燃焼制御剤(蒸発潜熱が大きなものが好ましく、本実施例では水を用いた例で説明する)を貯蔵する水タンク26と、燃焼炉12内にポンプ等を用いて供給する燃焼促進剤(燃焼系のガス、ガソリン、重油等の燃焼促進剤を用いることが可能であるが、本実施例では灯油を用いる例で説明する。)を貯蔵する灯油タンク28とを設けてある。
炭化水素系固形物を含む廃棄物の焼却処理に際しては、800(℃)以下の燃焼では排ガス中へのダイオキシンの残留が問題となり、少なくとも800(℃)以上の高温で2秒以上は加熱することが必要とされているが、確実なダイオキシン対策としては、更に高温の1000(℃)以上好ましくは1250(℃)を超える温度でかつ少なくも2秒以上継続して燃焼させダイオキシンを完全に分解させることが望ましい。
そこで多様な燃焼環境下で小型焼却装置10から排出されるダイオキシン類を環境基準以下に低減させるには、温度センサ24が測定した燃焼炉12内の温度に基づいて、制御盤30が燃焼炉12内の燃焼温度を800(℃)以上、好ましくは1250(℃)以上となるように、燃焼促進剤を燃焼炉12内のバーナ(図示せず)に供給して燃焼させ、燃焼炉12内の温度を制御することも重要である。
具体的には、制御盤30が温度センサ24が出力する燃焼炉12内の温度情報を監視し、燃焼時における燃焼温度が低下したと判断した場合には、灯油タンク28から燃焼炉12内に所定量の灯油を所定時間供給する指示を出力する。燃焼炉12内に供給された灯油は、燃焼炉12内の高温下で気化して燃焼し、燃焼炉12内の温度を上昇させることが可能となる。
一方、燃焼時における温度が異常に高温になったり、焼却能力に較べて廃棄物を短時間に多く投入し過ぎて火焔が炉の上部を大きくはみ出したり、あるいは運転者の作業上の都合で燃焼規模を抑制又は一時的に停止させたいときは、制御盤30は水タンク26から燃焼炉12内に所定量の水を所定時間供給する指示を出力する。燃焼炉12内に供給された水は、燃焼炉12内の底部に存在する被焼却物、液化又は気化している被焼却物に接触するなどして蒸発し、その水の蒸発潜熱によって、焼却物自体と液化した被焼却物の温度を低下させて被焼却物のガス化を抑制するので燃焼の規模と速度を抑えることができる。
燃焼炉12内の底部に水を供給することによって、気化している被焼却物のガスが液体に戻ったり、液化している被焼却物が再度固体に戻る状態変化も起こるので、一旦液化した炭化水素を元の固体炭化水素に戻すこととなり、運転再開時にはそのまま着火して再び液化、ガス化が進行し焼却が再開される。
小型焼却装置10の燃焼制御系には、水タンク26から燃焼炉12に供給する水の流量を作業者が手動で調節する手動弁32と、燃焼炉12に供給する水が滴下する様子を作業者が外部から観測することが可能な透明な部分を有するガラス管、アクリル管等の流量目視ガラス34を設けてある。作業者が燃焼炉12内の燃焼速度または燃焼規模を抑制したい場合には、手動弁32を回して、燃焼炉12に供給する水を供給停止状態から所定の流量を供給する状態に設定する。
この場合に作業者は、手動弁32の回転角度等で水の供給量を知ることも可能であるが、目に見えない方法では、過不足が生じて的確な制御が難しく、いったん入れ過ぎた場合は燃焼状態をすぐに戻すことができない。そこで本発明では透明な流量目視ガラス34を設け、流量目視ガラス34内を滴下する水を可視状態におくことを可能とし、微量の注水量をも調節することが可能となっている。
また小型焼却装置10の燃焼制御系には、水タンク26から燃焼炉12に供給する水の流量を、制御盤30から出力される流量調節信号に基づいて制御する電磁弁36を設けてある。電磁弁36は、消火時に比較的多量の水を燃焼炉内に供給する作用を奏するものであってもよいし、微量の注水量を調節する作用を奏するものであってもよい。また、制御盤30からの指令に基づいて水の流量を調節するプロポーショナルバルブを設けてもよい。
小型焼却装置10で燃焼させる被焼却物として種々のものを燃焼させることが可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチロール系樹脂、ウレタン、廃油、廃塗料などの固体又は液体状の石油製品をはじめ、ゴムなどの天然系の高分子化合物や生ゴミ、木屑、紙屑、剪定した枝などの有機化合物を燃焼させることが可能である。
図2は、燃焼炉の内部を示す断面図である。
同図に示すように燃焼炉12の下部には、手動弁32又は電磁弁36を経由した水等の燃焼制御剤を滴下又は放出する燃焼制御剤ノズル38を設けてある。この燃焼制御剤ノズル38の取り付け高さHが高すぎると、被処理物質に到達する前に蒸発してしまい、液を冷却する効果が著しく低下する。本発明では燃焼炉12の底面から300(mm)以下の高さ(0mm≦H≦300mm)として、炉床に溜まった液状炭化水素を冷却している。
次に、被焼却物を燃焼する際に必要となる酸素を含む空気を、燃焼炉12内に噴出する機構について説明する。
ブロワ20によって送風された外気は導入管52及び回転機構60を介して燃焼炉12の軸線と平行に配設した散気孔管50に供給される。散気孔管50の側面には、図2に示すように燃焼用の空気を噴出するノズル1A〜5Cを設けてある。また散気孔管50の上部には、散気孔管の開口部を閉鎖する段付きのキャップ54が挿入されているので、ブロワ20によって送風された外気は散気孔管50の側面に設けたノズル1A〜5Cから放射状に燃焼炉内部に噴出する。ブロワ20の送風能力は、燃焼炉12の大きさにも依存するが、例えば200〜1000(mmAq)の空気を8〜10(立方メートル/分)で送風する送風能力を有するものを使用する。
散気孔管50の空気流入部である最下部は燃焼炉12の炉床に設けた開口部に接続し、開口部外面は炉外部の空気供給ダクトに接続し、供給された空気は散気孔管50の最下部に流入したあと散気孔管50の管壁を介して燃焼炉12内の高温燃焼ガスによる予熱を受けながら散気孔管50内を上昇して、前記ノズル群から燃焼炉12内へ噴出されるように構成している。
キャップ54の構造として、キャップ54の凸部に雄ねじを設けるとともに、散気孔管50内側に雌ねじを設け、キャップ54を散気孔管50に対してねじ止めするようにしてもよいが、本発明ではキャップ54を段付円筒型とし、段付の凸部と散気孔管50の内面とを嵌合させている。この段付部分の嵌合は隙間ばめに設定しているので、キャップ54の段付部分が散気孔管50の上面に当接するように乗せてあるだけである。
この状態でも内径80(mm)の散気孔管50を用いた場合であって、500(mmAq)の送風圧力で送風している場合には、送風される空気によってキャップ54に対して上方向に25N程の力が発生する。したがって、キャップ54の質量を3(kg)程に設定すれば、キャップ54は散気孔管50から脱落しないことになる。キャップ54の段付部分の各外径がそれぞれ90(mm)及び80(mm)であって、厚さが各40(mm)づつである場合には、素材を鉄とした場合であってもキャップ54の質量は3.5(kg)程度となるので、ちょうど良い釣り合いとなる。
このように、本発明によればキャップ54を散気孔管50に挿入しているだけであるので、キャップ54の取り付け取外しが容易となり、散気孔管50の内部清掃時などにおいて作業時間を短縮することが可能となる。
散気孔管50に設けたノズル1A乃至5Cが噴出する空気の向きは、燃焼炉12の軸線に対して直角な方向(図2に示す例では地面に対して平行な方向)または円錐斜面状が望ましく、その面内であれば燃焼炉12の軸線に対して放射状に噴出するノズルであってもよいし、渦巻き状に噴出するノズルであってもよい。
なお、同図に示す例では、ノズル1A乃至5Cの5層のノズル群を設けた実施例を示してあるが、ノズル群の数量は1つのバッチ処理で投入可能な被焼却物の最大量や、燃焼炉12の大きさに応じて3層乃至7層程度としてもよい。
図2に示すように、ノズル列をいくつかのグループ(ノズル群)に偏在させることによって火焔もいくつかのグループにまとまり、空気の噴気流を連続した面状にまとめることによって、上層の火焔と下層の火焔が互いに隣の層の燃焼とガスの流動による影響を受けにくくなり各々独立した燃焼を可能ならしめる。
各ノズル群のノズル列は1列でも良いが、個々の段の燃焼規模を大きくしたいときは3段または2段とし、最小規模で十分なときは1列にする。ノズル列を必要以上に列を増やせば、それだけノズルのない非燃焼ゾーンが減り、隣の燃焼高温室同士の火焔が近接して独立性が低下する。また複数列が必要に拘わらず無理に1列にすれば小さな空間だけに多量の空気を噴射することになり、局部的に可燃ガスの薄すぎる部分が発生し、理想的な混合気を広く分布させることができなくなり燃焼状態が悪化する可能性がある。
1列に含まれるノズル個数が12個を下回るほど少ない場合は、円周方向に対して火焔の粗密の差が大きくなりすぎて、各円盤上の火焔または噴出空気流のエアーカーテン効果が低下する。各列のノズル個数を増やす方向については、ノズルが極端に多ければ同等の空気流用を維持するために各々のノズル径を極端に小さくせざるを得ないが、サイズの大きな炉においてはかなり多数のノズルを設けることが可能である。ノズルの数量が多いとそれだけ散気孔管50の制作費が上昇するので、64個以下のノズル数が望ましい。またノズルの直径を小さくし過ぎれば噴流の到達距離が短くなるのでその点では限界があるが、すぐ隣に大きいノズルを組み合わせることによってその弱点を補うことも可能である。また、ノズルの断面形状は円形に限られるものではなく、長穴形状であってもよいし、メタルソーによる溝形状であってもよい。
空気の噴流の向きは水平方向が最も望ましいが、緩やかな円錐状傾斜の傘状であれば噴流は連続した面を形成するのでエアーカーテンの効果を維持できる。各々の噴流の方向がばらばらで連続した面を形成できない場合はエアーカーテンの効果を持てない。従ってそのような場合は、下層から上昇してきた火焔、ガスおよび煤塵などがその層を突き抜けて更に上の層へ上昇することを抑止できなくなる。
燃焼炉12の最下段(第1燃焼高温室)における燃焼は、炉床に堆積している廃棄物中の固形炭化水素の液化とガス化のための部分燃焼であり炉内燃焼工程中の初期の一部分であるから、炉の最下層のみを専有し、空気も少量だけ供給する。入れる層を大きくとればそれだけその後の段の本格燃焼に供すべき空間が狭くなり、理想燃焼を達成しにくくなる。
また1段の空気量を入れ過ぎれば、1段の火焔が大きくなり中層または上層に達してそこで得られた追加の空気によって火焔は炉全体の大きな火焔となり、しかもこの火焔は逐次的な段階を経ないで液化、ガス化および混合気燃焼のすべてを無秩序に一挙に行なってしまうことになり、1250℃以上の高温安定燃焼からはほど遠い燃焼となって、排ガス中のダイオキシンや煤塵などを安全基準値内に抑制することができなくなる。
しかし、散気孔管50におけるノズル分布と供給空気量を限定すれば、部分燃焼だけが起きて固形炭化水素が秩序立てて液化、ガス化して可燃ガスが上昇し、中層、上層での高温火炎が最下層にも輻射してさらに液化、ガス化を促進し燃焼が進展する。
また、第2のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管50の全ノズル面積の40%以下8%以上の範囲内として、第1燃焼高温室における燃焼の後、可燃ガスの高温燃焼のためには第2燃焼高温室から第6燃焼高温室に分けた段階的な空気供給によって必要なだけの最小量の空気補給を受けながら燃焼を進めるように構成するのが良い。
このように構成することによって、第2のノズル群においては空気量を全体の40%以下8%以上にとどめ、これと第1燃焼高温室で入れた15%以下5%以上の空気量を合わせた55%以下13%以上の空気の残り、すなわち45%以上87%以下の空気は残りの上段のノズルで供給する。
ここで第2高温燃焼室に入れる空気が多すぎれば、可燃ガス量に対して過剰になり過ぎる可能性があり、低温空気の量が多すぎて第2高温燃焼室の燃焼温度が十分上がらなくなる。また、第1高温燃焼室について説明したと同じように、第2高温燃焼室の火焔を早く大きく成長させすぎて不満足な状態の火焔によってエアーカーテンを破りダイオキシンや煤塵を増やすことになる。また、第2高温燃焼室での空気量があまり少なすぎる場合は、燃焼が僅かしか進まず第2高温燃焼室が占有する空間を無駄にすることになり全負荷焼却能力を低下させる結果になる。
次に、散気孔管50の回転機構について説明する。
同図に示すように、散気孔管50の底部には回転機構60を設けてあるので、散気孔管50は燃焼炉12の軸線と平行な軸回りに回転可能となっている。回転機構60には、散気孔管50を回転させる際の軸受と回転する動力を伝達するスプロケットを設けてあり、モータ22からローラーチェーン62を介して散気孔管50を回転させるための動力を伝達することが可能となっている。なお、散気孔管50は、散気孔管50から噴出する空気の向きを調節することによって回転させることも可能である。
散気孔管50の各ノズルから噴出される空気は放射状に広がるので、燃焼炉12の中心部(散気孔管50が存在する部分)から外周方向に距離が離れるほど噴出空気の層が拡散し、各段の燃焼高温室を仕切るエアカーテン効果にムラが発生して、燃焼高温室間の仕切も曖昧となる。そこで本発明では散気孔管50を5乃至30(rpm)で回転させることによって、エアカーテン効果のムラを減少させている。したがってエアカーテン効果によるバリアのために各燃焼高温室が独立するので、煤煙が直接上昇しにくくなる。すると、各燃焼高温室内で燃焼ガス等の対流がより確実に行なわれるので、燃焼ガスの滞留時間が長くなり、ダイオキシン類が効果的に分解し、小型焼却装置10から排出されるダイオキシン類の排出量を抑制することが可能となる。
散気孔管50の回転数は、低すぎると回転の効果が薄れて各段の燃焼高温室を仕切るエアーカーテン効果にムラが生じ、回転数が高すぎるとかえって乱流が発生して、燃焼高温室の仕切りが曖昧になる。
散気孔管を燃焼炉内に設ける従来例として特開2003-207119号の公報には、燃焼炉の上層部の炉側壁を水平に貫通した空気供給ダクトを介して空気を導入する案も提案されている。しかし、このように高温の炉内に水平ダクトを設けると、ダクトが頻繁に熱膨張伸縮を逃がしてガス漏れを許すか、または熱応力に晒すか複雑な機構を設けるなどの困難が生じる。また従来の発明によれば、空気は散気孔管の上層から下層の方向へ流れるため、より高温な燃焼状態にすべき上層または中層部分に供給される空気はほとんど予熱を受けず、例えば数10℃の温度で炉内へ流れる。
これに対し本発明では、燃焼炉12の下から空気を入れて上へ向かって流すことにより、高温燃焼の要求されない最下層へは予熱の不十分な空気を供給し、高温度燃焼の必要な上層部にはより多くの予熱を受けて温度上昇した空気が例えば400℃の高温で炉内に供給されるようになる。したがって、燃焼温度を1250℃の高温まで容易に達することができてダイオキシンの排出防止がより確実になる。
また、実用新案登録3092388の公報には、散気孔管を炉床近傍の側壁から水平に貫通した空気供給ダクトを介して空気を導入する案も提案されている。ところがこの方法も、ダクトが頻繁に熱膨張伸縮を逃がしてガス漏れを許すか熱応力に晒すか複雑な機構を設けるなどの困難が生じる。さらに、炉床近傍に水平ダクトがあるために、廃棄物を炉床に溜める場合に均一に積むことができず、管が輻射の影にもなり、第1燃焼高温室における被焼却物の液化およびガス化において致命的な障害となる。
また、この問題を避けるために水平ダクトの上部に火格子を設けると、固形廃棄物は火格子上に保持されるが、液化したものは炉床に落ちて溜まり、液は火格子に邪魔されて円滑なガス化進行が妨げられる。
そこで本発明は、廃棄物を炉床に直接溜めて固形炭化水素と液化炭化水素を一体に扱うようにしているので、被焼却物のガス化が円滑に進行するので、水平ダクトの持つ機構上の難点がない。
次に、被焼却物の攪拌機構について説明する。
同図に示すように、燃焼炉12の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管50の下方には、散気孔管50と共に回転する攪拌腕70を設けてある。攪拌腕70は、燃焼炉12の底部に堆積している被焼却物を攪拌して、被焼却物の固まりを崩して移動させることによって、炉床上部の被焼却物の状態をより均一にし、上層部からの輻射による入熱と新気接触が促進される結果、液化とガス化の進行状態のむらが減り焼却処理が全体として促進される。そして、燃焼温度を高温に維持してダイオキシン類の発生を抑制することが可能となる。
また、被焼却物の大きさや種類に応じて攪拌腕70に、攪拌腕70から下方に伸びる下方腕72、又は、攪拌腕70から上方に伸びる上方腕74を設けて被焼却物の攪拌能力を向上させるように構成してもよい。また攪拌腕70は、散気孔管50に対して着脱可能な着脱構造を設けてもよい。攪拌腕70を着脱容易にする着脱構造を設けることによって、作業者は被焼却物の種類に応じて適切な攪拌腕70を利用することが可能となるので、より確実な燃焼を実現することが可能となる。
図3は、散気孔管に設けたノズルの作用を説明する図である。
同図に示すように散気孔管50の最下方の、被焼却物が最初に燃焼する部分に近い位置には、ノズル1A及びノズル1Bの2列のノズルから構成される第1のノズル群を設けてある。このうちのノズル1Aは燃焼炉12の底面から10乃至40(mm)の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に12乃至20個設けてある。このノズル例以下には対流を生じる燃焼高温室が存在しないので、このノズル列はエアーカーテンを生成するという役割よりも、燃焼用の空気を噴出して被焼却物を溶融させて気化させる役割を多く担うノズル列である。
ブロワ20の送風能力によっても異なるが、ノズル1個あたり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線と直角な面に沿って空気を噴出する機能を備えている。ノズル1Aは強い噴流で燃焼炉12の底面全体に酸素を含む空気を行き渡らせる機能も備えており、被焼却物に対して下方から燃焼用の酸素を供給して被焼却物の燃焼を促進する作用も奏するものである。
ノズル1Bは燃焼炉12の底面から50乃至70(mm)の位置に、直径1.0乃至2.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に30乃至60個設けてある。ノズル1Bは、ノズル1個当たり3.9乃至19(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。燃焼炉12内に被焼却物が比較的多く投入されているためにノズル1Bよりも上方にまで被焼却物が堆積している場合には、ノズル1Bは被焼却物に対して下方又は側方から燃焼用の酸素を供給して被焼却物の燃焼を促進する作用も奏する。
また被焼却物の燃焼末期のように、被焼却物の堆積量がノズル1Bよりも下方に存在する場合等においては、ノズル1Bは燃焼炉12における第1段目の燃焼高温室(下方から第1段目の燃焼高温室)の底面を形成する空気の流れの層を生成する機能も備えている。この場合には、投入した被焼却物はノズル1Bよりも下方に固体又は液体の状態で堆積しており、気化した樹脂等の被焼却物の燃焼ガスが、ノズル1Bから噴出される細かい空気流と混ざり合って高温下で燃焼するとともに、ノズル1Bから噴出される空気流に流されて、1段目の燃焼高温室内で対流を開始する。この対流によって燃焼ガスや燃焼済みのガスが高温の状態に比較的長く曝されるので、燃焼ガスは酸化し、燃焼済みのガスも分解してダイオキシン類の発生が抑制される。
ノズル1A及びノズル1B等から構成される第1のノズル群(後述する第2のノズル群を上方のノズル群とした場合には、第1のノズル群は下方のノズル群に該当する)は、304乃至2400(g/分)の空気を、燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って円周方向に噴出する。
また図3に示すように散気孔管50の第1のノズル群の上方には、ノズル2Aから構成される1列の第2のノズル群を設けてある。
ノズル2Aは燃焼炉12の底面から150乃至370(mm)の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル2Aは、ノズル1個あたり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。
ノズル2Aの主な作用は、未燃焼の燃焼ガスを燃焼させることと、第1燃焼高温室の上面を形成するエアカーテンを生成することにある。被焼却物が少ない場合には、ノズル1A、1Bが燃焼高温室の底面を形成するエアカーテンを生成するので、ノズル1A、1B及びノズル2Aの間の空間内に強い対流が発生して、燃焼ガスや燃焼済みのガスが高温の状態に比較的長く曝され、燃焼ガスは酸化し、燃焼済みのガスも分解してダイオキシン類の発生が抑制される。ノズル2Aはノズル1A又はノズル1Bと比較して口径を大きくするか、又はノズルの開口数量を多くして下方に位置するノズルよりも空気の流量を多く設定すると、燃焼高温室上部を形成するエアーカーテンの効果がより発揮される。
なお、燃焼炉12内に被焼却物が比較的多く投入されているためにノズル2Aよりも上方にまで被焼却物が堆積している場合には、ノズル2Aは被焼却物に対して下方又は側方から燃焼用の酸素を供給して被焼却物の燃焼を促進する作用も奏する。
ノズル2A等から構成される第2のノズル群(前述の第1のノズル群を下方のノズル群とした場合には、第2のノズル群は上方のノズル群に該当する。また、後述する第3のノズル群を上方のノズル群とした場合には、第2のノズル群は下方のノズル群に該当する。)は、225乃至3000(g/分)の空気を、燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って円周方向に噴出する。
また図3に示すように散気孔管50の第2のノズル群の上方には、ノズル3A及びノズル3Bから構成される2列のノズルから構成される第3のノズル群を設けてある。
ノズル3Aは燃焼炉12の底面から350乃至720(mm)の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル3Aは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。
ノズル3Aの主な作用は、未燃焼の燃焼ガスを燃焼させることと、第2燃焼高温室の上面を形成するエアカーテンを生成することにある。被焼却物が少ない場合には、ノズル2Aが燃焼高温室の底面を形成するエアカーテンを生成するので、ノズル2A及びノズル3Aの間の空間内に強い対流が発生して、燃焼ガスや燃焼済みのガスが高温の状態に比較的長く曝され、燃焼ガスは酸化し、燃焼済みのガスも分解してダイオキシン類の発生が抑制される。
ノズル3Aはノズル2Aと比較して口径を大きくするか、又はノズルの開口数量を多くして下方に位置するノズルよりも空気の流量を多く設定すると、燃焼高温室上部を形成するエアーカーテンの効果がより発揮される。
なお、燃焼炉12内に被焼却物が比較的多く投入されているためにノズル3Aよりも上方にまで被焼却物が堆積している場合には、ノズル3Aは被焼却物に対して下方又は側方から燃焼用の酸素を供給して被焼却物の燃焼を促進する作用も奏する。
ノズル3Bはノズル3Aから20乃至80(mm)上方の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル3Bは、ノズル1個当たり15乃至(75g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。
ノズル3Bの主な作用は、未燃焼の燃焼ガスを燃焼させることと、第3燃焼高温室の下面を形成するエアカーテンを生成することにある。被焼却物が少ない場合には、ノズル3Bが燃焼高温室の底面を形成するエアカーテンを生成するので、ノズル3Bの上方で強い対流が発生して、燃焼ガスや燃焼済みのガスが高温の状態に比較的長く曝され、燃焼ガスは酸化し、燃焼済みのガスも分解してダイオキシン類の発生が抑制される。
なおノズル3Aと同様に、燃焼炉12内に被焼却物が比較的多く投入されているためにノズル3Bよりも上方にまで被焼却物が堆積している場合には、ノズル3Bは被焼却物に対して下方又は側方から燃焼用の酸素を供給して被焼却物の燃焼を促進する作用も奏する。
ノズル3A及びノズル3B等から構成される第3のノズル群(前述の第2のノズル群を下方のノズル群とした場合には、第3のノズル群は上方のノズル群に該当する。また、後述する第4のノズル群を上方のノズル群とした場合には、第3のノズル群は下方のノズル群に該当する。)は、450乃至6000(g/分)の空気を、燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って円周方向に噴出する。
本発明では、被焼却物が最初に燃焼する部分に近い位置に新気を噴出する第2のノズル群(下方のノズル群に該当する)と、被焼却物が最初に燃焼する部分から遠い位置に新気を噴出する第の3ノズル群(上方のノズル群に該当する)とを備えるとともに、第3のノズル群(上方のノズル群)のノズル数量を、第2のノズル群(下方のノズル群)のノズル数量よりも多くするか、又は第3のノズル群(上方のノズル群)のノズル径を、第2のノズル群(下方のノズル群)のノズル径よりも大きくして、第2のノズル群(下方のノズル群)が噴出する新気の流量よりも、第3のノズル群(上方のノズル群)が噴出する新気の流量を多く設定している。
また図3に示すように散気孔管50の第3のノズル群の上方には、ノズル4A及びノズル4Bの2列のノズルから構成される第4のノズル群を設けてある。
ノズル4Aは燃焼炉12の底面から570乃至1150(mm)の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル4Aは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。
ノズル4Aの主な作用は、前述のノズル3Aの作用と同様であるので説明を省略する。またノズル3Aの場合と同様に、ノズル4Aはノズル3Aと比較して口径を大きくするか、又はノズルの開口数量を多くして下方に位置するノズルよりも空気の流量を多く設定すると、燃焼高温室上部を形成するエアーカーテンの効果がより発揮される。
ノズル4Bはノズル4Aから30乃至70(mm)上方の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル5Bは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。ノズル4Bの主な作用も前述のノズル3Bの作用と同様であるので説明を省略する。
ノズル4A及びノズル4B等から構成される第4のノズル群(前述の第3のノズル群を下方のノズル群とした場合には、第4のノズル群は上方のノズル群に該当する。また、後述する第5のノズル群を上方のノズル群とした場合には、第4のノズル群は下方のノズル群に該当する。)は、450乃至6000(g/分)の空気を、燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って円周方向に噴出する。
本発明では、被焼却物が最初に燃焼する部分に近い位置に新気を噴出する第3のノズル群(下方のノズル群に該当する)と、被焼却物が最初に燃焼する部分から遠い位置に新気を噴出する第4のノズル群(上方のノズル群に該当する)とを備えるとともに、第4のノズル群(上方のノズル群)のノズル数量を、第3のノズル群(下方のノズル群)のノズル数量よりも多くするか、又は第4のノズル群(上方のノズル群)のノズル径を、第3のノズル群(下方のノズル群)のノズル径よりも大きくして、第3のノズル群(下方のノズル群)が噴出する新気の流量よりも、第4のノズル群(上方のノズル群)が噴出する新気の流量を多く設定している。
また図3に示すように散気孔管50の第4のノズル群の上方には、ノズル5A、ノズル5B及びノズル5Cの3列のノズルから構成される第5のノズル群を設けてある。また、同図に示す例では、第5のノズル群が、被焼却物が最後に燃焼する部分に相当している。
ノズル5Aは燃焼炉12の底面から920乃至1480(mm)の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル5Aは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。
ノズル5Aの主な作用は、前述のノズル3Aの作用と同様であるので説明を省略する。またノズル3Aの場合と同様にノズル5A乃至5Cは、ノズル4Aと比較して口径を大きくするか、又はノズルの開口数量を多くして下方に位置するノズルよりも空気の流量を多く設定すると、燃焼高温室上部を形成するエアーカーテンの効果がより発揮される。
ノズル5Bはノズル5Aから20乃至60(mm)上方の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に8乃至30個設けてある。ノズル5Bは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。ノズル5Bの主な作用も前述のノズル5Aの作用と同様であるので説明を省略する。
ノズル5Cはノズル5Bから30乃至70(mm)上方の位置に、直径2.0乃至4.0(mm)の開口部を有するノズルであり、散気孔管50の側面に一列に15乃至40個設けてある。ノズル5Cは、ノズル1個当たり15乃至75(g/分)の空気を20乃至150(m/秒)の流速で燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って細かい噴流の空気を円周方向に比較的均一な状態で噴出する機能を備えている。ノズル5Cの主な作用も前述のノズル5Aの作用と同様であるので説明を省略する。
ノズル5A、ノズル5B及びノズル5C等から構成される第5のノズル群(前述の第4のノズル群を下方のノズル群とした場合には、第5のノズル群が被焼却物の燃焼ガスが最後に燃焼する部分に相当するとともに上方のノズル群に該当する。)は、570乃至8250(g/分)の空気を、燃焼炉12の軸線に直角な面に沿って円周方向に噴出する。
第5のノズル群(上方のノズル群に該当する)のノズル数量を、第4のノズル群(下方のノズル群に該当する)のノズル数量よりも多くするか、又は、第5のノズル群(上方のノズル群)のノズル径を第4のノズル群(下方のノズル群)のノズル径よりも大きくして、第4のノズル群(下方のノズル群)が噴出する新気の流量よりも、第5のノズル群(上方のノズル群)が噴出する新気の流量を多く設定している。
図4は、散気孔管又は撹拌腕の回転機構及び駆動機構を説明する図である。
散気孔管50又は撹拌腕70を回転可能に軸支する回転機構60として、散気孔管50と螺合して散気孔管50とともに回転する回転スリーブ80と、回転スリーブ80を回動可能に軸支する上部軸受94及び下部軸受84と、上部軸受94の外輪と燃焼炉12の炉床とを固定する上ハウジング92と、下部軸受84の外輪と燃焼炉12とを固定するとともにオイルシール86を固定する下ハウジング90とを設けてある。
散気孔管50又は撹拌腕70を回転させるための駆動機構100として、モータ22と、回転する動力を伝達するスプロケット82と、ローラーチェーン62とを設けてある。
なお本発明の実施例では、撹拌腕70を散気孔管50に取り付けて、散気孔管50を回転させることによって撹拌腕70を回転させて被焼却物を撹拌する例で示してあるが、撹拌腕70の回転機構及び駆動機構と、散気孔管50の回転機構及び駆動機構を別々に独立して設けるようにしてもよい。なお本発明の実施例に示すように、回転可能な散気孔管50に撹拌腕70を取り付けることによって、回転機構60と駆動機構100とを共用することが可能となるので、焼却炉10の構造を簡単にしつつ、被焼却物の燃焼を確実に実施することが可能となる。
回転スリーブ80の上側内面には雌ねじを形成し、散気孔管50の下部に形成した雄ねじ部分と螺合することが可能となっている。回転スリーブ80には、下部軸受84の内輪及び上部軸受94の内輪を装着し、スプロケット82と、ストップリング88とを組付ける。ストップリング88は、回転スリーブ80の外周に予め施された溝に嵌め込み固定する。該ストップリング88は、上部軸受94の内輪上部に接しているので、回転スリーブ80と散気孔管50及び撹拌腕70の自重を支えることが可能となる。
上部軸受94は、燃焼時に最高で1200(℃)程にもなる燃焼炉12の炉床付近に位置している。そのため、上部軸受94自体が高温に曝されるので、耐熱性の高いセラミックやカーボン等を素材として用いた耐熱性軸受を用いるとよい。
オイルシール86は、下部軸受84の付近に設置し、下部軸受84への塵の混入を防ぐとともに、ブロワ20によって送風される燃焼用の空気の漏れを防いでいる。
ボルト96は、燃焼炉12の炉床と上ハウジング92及び下ハウジング90の各々に開設したボルト穴に貫通して、ナット98を用いて結合する。これによって、上ハウジング92と下ハウジング90と燃焼炉12とを固定する。
以下に散気孔管の回転機構及び駆動機構の作用を説明する。
図4に示すように、散気孔管50の底部には回転機構60を設けてあるので、散気孔管50は燃焼炉12の軸線と平行な軸回りに回転可能となっている。
散気孔管50及び撹拌腕70を回転させる動力は、モータ22からローラーチェーン62を介してスプロケット82に伝達される。スプロケット82は、モータ22の回転速度に応じて回転する。なお、モータ22の駆動軸とスプロケット82との間に減速機を設けて、散気孔管50及び撹拌腕70の回転速度を調節するようにしてもよいし、図2に示すようにギヤヘッド付のモータを用いるようにしてもよい。
モータ22から伝達される駆動力によってスプロケット82が回転すると、スプロケット82を組付けている回転スリーブ80が回転する。すると回転スリーブ80と螺合している散気孔管50が回転する。
散気孔管50及び撹拌腕70を回転可能に軸支する回転機構60に、上部軸受94及び下部軸受84を設けてあるので、モータ22からローラーチェーン62、スプロケット82を介して散気孔管50及び被撹拌腕70を回転させる際の回転の抵抗を少なくすることが可能となる。
回転機構60及び駆動機構100の働きによって散気孔管50が回転すると、ブロワ20から送られてきた空気は、散気孔管50の各ノズルから放射状に回転しながら噴出する。
なお図2に示すように、散気孔管50の下方に取り付けてある攪拌腕70が、散気孔管50の回転にともなって回転し、燃焼炉12の底部に堆積している被焼却物を攪拌して、被焼却物の固まりを崩して移動させることによって、被焼却物の周囲に燃焼用の酸素を供給し易くすることが可能となっている。被焼却物の周囲に燃焼用の酸素を供給することによって、被焼却物の燃焼を促進させることが可能となり、燃焼温度を高温に維持してダイオキシン類の発生を抑制することが可能となる。
下ハウジング90は、下部軸受84の外輪と燃焼炉12とを固定するともに、下ハウジング90の内側に形成された雌ねじと送風管52の外側に形成された雄ねじとを螺合することで、下ハウジング90と送風管52を固定する。
被焼却物を燃焼させる際には、燃焼炉12の上部に設けてある開閉可能な蓋17を開けて燃焼炉12の上部から被焼却物を投入し、燃焼炉の炉床上に乗せる。そして、燃焼促進剤や火種を燃焼炉12内に供給し、ブロワ20を回転させて空気を供給し、点火する。すると、被焼却物は燃焼を開始する。
ブロワ20は燃焼に必要な空気を送風する。その送風された空気は、燃焼炉12内に設けた散気孔管50内に供給されて散気孔管50内を上昇して、各ノズルから噴射される。
炉床に最も近く位置する第1のノズル群から噴出した空気は、比較的空気量が少ないので被焼却物を激しく燃やすことなく穏やかに部分燃焼させ、その熱により被焼却物の液化及び燃焼ガス化を進行させる。
可燃分の残存した中間燃焼ガスは、すぐに燃焼炉12の上の層へ上昇する。上昇した燃焼ガスの未燃分は、高温の燃焼室内でノズルから噴出されてきた空気と混合して更に燃焼し、次の上の燃焼高温室に上昇する。
ここまでの段階で燃焼ガスが完全に燃焼した場合には、更に上方の燃焼高温室で高温な環境下に曝された後、排気口16から排出される。
また、ここまでの段階でもまだ未燃焼の燃焼ガスが存在している場合には、更に次の燃焼高温室内で高温に曝されるとともに、ノズルから噴出した空気と混合して燃焼が進む。
各燃焼高温室にてこれらの燃焼を繰り返すことにより、炉床の被焼却物の量が燃焼炉12の処理限界内であれば、燃焼炉12の最上に位置する燃焼高温室に至る過程のいずれかの燃焼高温室までで燃焼は完了する。被焼却物の投入量が多すぎるために燃焼用の空気供給が不足する場合は、相対的にガス化量が多くなり、可燃ガスがどんどん上昇するため、燃え残りが炉上層部にあふれ出して、火焔が外へはみ出す。これによって作業者は、被焼却物の投入過多を認識することが可能である。
溢れ出した未燃ガスの燃焼は空気の混合が不十分なので酸素が不足気味のため赤い火焔とすすの混じった火焔が出る。また中層まで温度はかなり高温でも、最後の段の更に後流では大気の影響を受け温度が低い状態で燃焼してしまう部分が発生する。従ってダイオキシンの発生を十分抑制できなくなる。
本発明によれば、廃棄物中の固形炭化水素を焼却初期工程で本格燃焼させることなく、最小限の燃焼にとどめつつ、液化とガス化を完全に進行させ、生じた可燃ガスは下の層から順次段階的に燃焼を進行していく。すなわち、ガス化した可燃ガスの燃焼は各段において最小限の空気供給を受け一度に過剰過ぎる酸素を受けず、その段から供給された酸素の範囲内で燃焼し、燃焼しきれないとき未燃ガスはすぐ上の段へ上昇して空気の追加供給を受けるという過程を踏むために、各段においては必要最小限に近い空気しか供給されない。したがって燃焼領域における流入空気量が少ないために燃焼温度が低下せず、最適な設計と最適なチューニングによって1250(℃)をも超えるような高温度で燃焼を完了することができる。燃焼完了後にさらに上の段で追加空気が流入した場合でも、すでに燃焼を完了しているために、大気へ排出される前に排気ガスがここで希釈されて温度が下がるだけに過ぎず、有害物質の抑制という点で何の悪影響もない。
また本発明によれば、燃焼炉内の高温の燃焼ガスや火炎が周囲との密度差によって上昇運動しようとする中、空気を略円盤状に放射状に噴出してエアーカーテンを形成しつつ、下の燃焼高温室から少量ずつ段階的に空気が供給されることによって、不完全な状態の火炎がそのまま炉内全体に拡大してしまうことなく、下の層から順次被焼却物の液化、ガス化、部分燃焼、次の部分燃焼、更に次の部分燃焼、そして最後の完全燃焼というように、十分高温な燃焼温度と時間をかけた燃焼状態を進行させることが可能となる。
これによって、燃焼炉内の全ての燃焼ガスを外部に排出する前に、1000乃至1250(℃)以上の高温度でしかも燃焼継続時間の一般的基準である「800(℃)−2(秒)以上」よりもはるかに長い10乃至30(秒)の間燃焼ガスを高温の状態に維持することが可能となる。
そのため、下の方の段において数百℃の温度レベルで燃焼し一旦ダイオキシンが発生しても、中層または上層の段における高温燃焼によってダイオキシン類は分解し規制値よりもはるかに少ない量となる。また、排気中に含まれるNOxについても、過剰酸素の少ない状態で燃焼が完了するので、規制値内に押さえることが可能となる。
また本発明によれば、燃焼炉内に設けた散気孔管のノズルから燃焼用の流動空気が強弱をつけて噴出されるので、エアーカーテン効果を維持しつつ新気と燃焼ガスの混合が促進される。そして燃焼ガスの滞留時間を長くして緩慢燃焼を行なうことが可能となり、燃焼の恒常安定化をはかって有害物質を分解させることが可能となる。また、発泡スチロール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリメックス、ジェラネックス、ポリアセタール、フェノール、ウレタン、ユリア樹脂、メラミン、繊維かす、廃油、油ウエス、廃塗料、廃インク、廃タイヤその他の被焼却物を燃焼させる際にも、石油バーナやガス等による補助燃焼が必要ない程良好な燃焼が得られるので、焼却のランニングコストが安価となる。
本発明に係る小型焼却装置の燃焼炉内で見られる燃焼時の炎は、散気孔管に設けたノズル近辺で放射状に安定した透明乃至青色の炎であり、ガスバーナのように高温の燃焼が連続して行なわれていることが確認できる。なお、この炎は比較的上部のノズル群でも確認できる。
例えば内径800(mm)程の燃焼炉を備えた小型焼却装置から排出される煤塵濃度は、県条例の0.15(g/立方メートル)に対して0.0076(g/立方メートル)と極少量であった。また、ダイオキシン類の濃度も、県条例の5(ナノグラム)に対して0.061(ナノグラム)と微量であった。
本発明に係る小型焼却装置の外観図である。 燃焼炉の内部を示す断面図である。 散気孔管に設けたノズルの作用を説明する図である。 散気孔管の回転機構及び駆動機構を説明する図である。
符号の説明
10…小型焼却装置
12…燃焼炉
14…金網
16…排気口
17…蓋
18…灰出し口
20…ブロワ
22…モータ
24…温度センサ
26…水タンク
28…灯油タンク
30…制御盤
32…手動弁
34…流量目視ガラス
36…電磁弁
38…燃焼制御剤ノズル
40…架台
50…散気孔管
52…導入管
54…キャップ
60…回転機構
62…ローラーチェーン
70…攪拌腕
72…下方腕
74…上方腕
80…スリーブ
82…スプロケット
84…下部軸受
86…オイルシール
88…ストップリング
90…下ハウジング
92…上ハウジング
94…上部軸受
96…ボルト
98…ナット

Claims (9)

  1. 小型焼却装置に略垂直に設置して、被焼却物を燃焼させる際に必要となる酸素を含む新気をノズルから水平又は垂直に置かれた円錐斜面方向に放射状に噴出する散気孔管は、焼却装置の燃焼炉底部から上部へかけて複数段のノズル群に偏在させ、最下段にある第1のノズル群内のノズルは燃焼炉の炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の5%以上15%以下の範囲内として、残りの85%以上95%以下のノズルの面積を第2のノズル群より上部のノズル群に割り当てることを特徴とする散気孔管を備えた小型焼却装置。
  2. 小型焼却装置に略垂直に設置して、被焼却物を燃焼させる際に必要となる酸素を含む新気をノズルから放射状に噴出する散気孔管は、焼却装置の燃焼炉底部から上部へかけて3段乃至7段のノズル群に偏在させ、各段のノズル群は1列乃至3列で構成し、各列におけるノズルは散気孔管の中心軸に直角な断面上に12乃至64個設けて散気孔管上に分布させ、同じ列における各ノズルの中心線を水平面または垂直に置かれた円錐斜面と一致させるように設け、最下段にある第1のノズル群内の各列のノズルは燃焼炉の炉床位置から測って散気孔管全長の10%以内の位置に設けるとともに第1のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の5%以上15%以下の範囲内として、残りの85%以上95%以下のノズルの面積を第2のノズル群より上部のノズル群に割り当てることを特徴とする散気孔管を備えた小型焼却装置。
  3. 請求項1又は2に記載の小型焼却装置において、燃焼炉の炉床位置から第2群目に存在する第2のノズル群のノズル全数の断面積合計値を、散気孔管全ノズル総断面積の40%以下8%以上の範囲内としたことを特徴とする小型焼却装置。
  4. 燃焼炉にて被焼却物を燃焼させる際に必要な酸素を放射状に噴出する散気孔管を備えた小型焼却装置であって、
    燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構を設けたことを特徴とする小型焼却装置。
  5. 燃焼炉にて被焼却物を燃焼させる際に必要な酸素を放射状に噴出する散気孔管を備えた小型焼却装置であって、
    燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構と、
    前記散気孔管を5乃至30rpmの回転数で回転させる駆動機構と、
    を設けたことを特徴とする小型焼却装置。
  6. 燃焼炉にて被焼却物を燃焼させる小型焼却装置において、
    燃焼炉内の被焼却物を攪拌移動させる回転可能な攪拌腕と、
    前記攪拌腕を5乃至30rpmの回転数で回転させる回転機構と、
    を設けたことを特徴とする小型焼却装置。
  7. 燃焼炉にて被焼却物を燃焼させる際に必要な酸素を放射状に噴出する散気孔管を備えた小型焼却装置であって、
    燃焼炉の軸線と平行な軸を回転軸とする散気孔管の回転機構と、
    前記散気孔管に取付けられて共に回転し、燃焼炉内の被焼却物を攪拌移動させる攪拌腕と、
    を設けたことを特徴とする小型焼却装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の燃焼炉において、
    前記攪拌腕から下方に伸びる下方腕または、上方に伸びる上方腕を設けたことを特徴とする燃焼炉。
  9. 請求項4乃至8に記載の小型焼却装置において、
    前記回転機構に、セラミックまたはカーボン等の素材を用いた耐熱性軸受を備えたことを特徴とする小型焼却装置。
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