JP2005188652A - シール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シール部分においてシール部材による滞留部が生じないようにしたシール構造を提供すること。
【解決手段】 流体部材101,121どうしの流路開口端を重ね合わせた流路の接続部分に環状のシール保持部20が形成され、そのシール保持部20にて流体部材どうしに挟み込み込まれたシール部材10が弾性変形して密着することにより、流路接続部分を気密にシールするものであって、シール保持部20は、流路側の内側が開放して上押え面21と下押え面22とを有し、シール部材10は、シール保持部20の上押え面21および下押え面22に押さえ付けられる上側面および下側面と、開放された前記シール保持部の内側に位置して径方向の外側に凹んだ内側面を有するシール構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体薬液などの液体を流す流路上の接続部においてシール部材を挟み込でシールするシール構造に関し、特にそのシール部材によってできる液体の滞留部分をなくしたシール構造に関する。
半導体製造装置などでは弁の集積化のため、例えば図4に示すように流路が形成された流路ブロック101上に手動弁やフィルタ、圧力センサなどの流体機器102を搭載した集積弁が構成される。そうした集積弁を構成するために流体機器102を搭載する場合には、流路111,112同士の接続部分には液漏れを防止するためのOリング103などのシール部材が入れられている。図5は、図4に破線A部分で囲んだシール部分を示した拡大図断面である。
流路ブロック101と流体機器102のボディ121には流路111,112が形成され、両流路同士が接続される流路接続部分にはOリング103を装填するためのスペースをもったシール保持部130が形成され、流体機器102を流路ブロック101に連結する場合にはそこにOリング103が挟み込まれる。Oリング103はゴム材によって形成されたものであり、その形状は図5に破線で示すように円形であるが図示するように押し潰されて変形し、流路ブロック101と流体機器102に密着する。そのため、流路の接続部分が気密にシールされて流れる液体が漏れ出ないようになる。
米国特許第5505464号明細書
しかしながら、単にOリング103を挟み込んだだけでは図5に示すように流路ブロック101や流体機器102のボディ121とOリング103との間に入り込んだ空間ができてしまい、そこが液体の流れを滞らせる滞留部150となってしまう。そして、流路中にこうした滞留部150ができると、例えばレジスト液を流した場合に液が滞留部150に堆積してしまい、更にそのまま固着してしまう問題があった。
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、シール部分においてシール部材による滞留部が生じないようにしたシール構造を提供することを目的とする。
本発明のシール構造は、流体部材どうしの流路開口端を重ね合わせた流路の接続部分に環状のシール保持部が形成され、そのシール保持部にて流体部材どうしに挟み込み込まれたシール部材が弾性変形して密着することにより、流路接続部分を気密にシールするものであって、前記シール保持部は、流路側の内側が開放して上押え面と下押え面とを有し、前記シール部材は、前記シール保持部の上押え面および下押え面に押さえ付けられる上側面および下側面と、開放された前記シール保持部の内側に位置して径方向の外側に凹んだ内側面を有するものであることを特徴とする。
また、本発明のシール構造は、前記シール部材が、その内側面が湾曲して上側面および下側面と鋭角を形成し、前記シール保持部に挟み込まれたシール状態で、前記内側面と上側面および下側面とからなる鋭角先端が、前記シール保持部の上押え面および下押え面の流路面側端部に位置することを特徴とする。
また、本発明のシール構造は、前記シール部材が、その上側面及び下側面の一部が前記シール保持部の上押え面と下押え面に当接するように切り欠かれたものであって、その当接面積が異なることを特徴とする。
また、本発明のシール構造は、前記シール部材が、その外側面に前記流体部材どうしの重ね合わせ面の位置に段差が形成され、その段差は、上側面及び下側面のうち前記シール保持部の上押え面または下押え面に当接した面積が大きい方が突き出して外押え面に強く押し付けられるように形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明のシール構造は、前記シール部材が、その上側面及び下側面のうち前記シール保持部の上押え面または下押え面に当接した面積が大きい方に形成された切欠きが深溝であることを特徴とする。
また、本発明のシール構造は、前記シール保持部が、その上押え面または下押え面のうち一方の面の接触面粗が粗く形成されたものであることを特徴とする。
更に、本発明のシール構造は、流体部材どうしの流路開口端を重ね合わせた流路の接続部分に環状のシール保持部が形成され、そのシール保持部にて流体部材どうしに挟み込み込まれたシール部材が弾性変形して密着することにより、流路接続部分を気密にシールするものであって、前記シール部材は断面が円形で、前記シール保持部は、流路側に開放して上押え面、下押え面および外押え面とを有する断面が矩形形状をしたものであって、その上押え面および下押え面には流路側に向けて互いに近づき合うテーパ面が形成されたものであることを特徴とする。
よって、本発明は、シール保持部が流路側の内側が開放して上押え面と下押え面とを有し、シール部材がシール保持部の上押え面および下押え面に押さえ付けられる上側面および下側面と、開放されたシール保持部の内側に位置して径方向の外側に凹んだ内側面を有する構成としたので、シール部材の上下が押さえ付けられて変形しても外側に凹んでいるため流路側にはとび出すことなく、その内側面がシール保持部の上押え面と下押え面との間の開放部分を塞ぎ、シール保持部の上押え面および下押え面とシール部材との間に隙間ができないため、シール部分においてシール部材による滞留部が生じないようにしたシール構造を提供することが可能となった。
また、本発明は、シール部材の内側面が湾曲して上側面および下側面と鋭角を形成し、シール保持部に挟み込まれたシール状態で内側面と上側面および下側面とからなる鋭角先端が、シール保持部の上押え面および下押え面の流路面側端部に位置するようにしたので、シール保持部において上押え面および下押え面とシール部材の内側面とが連続する部分の液体の流れが良くなり滞留が生じ難くなった。
また、本発明は、シール部材の上側面及び下側面の一部がシール保持部の上押え面と下押え面に当接するように切り欠かれたものであって、その当接面積が異なる構成としたので、シール部材は当接面積が大きい方に吸着保持されるようになり、脱落や付け忘れが防止できる。
更に、本発明は、シール部材は断面が円形で、シール保持部は流路側に開放して上押え面、下押え面および外押え面とを有する断面が矩形形状をしたものであって、その上押え面および下押え面には流路側に向けて互いに近づき合うテーパ面が形成された構成としたので、シール部材の上下が押さえ付けられて変形し、テーパ面によって狭くなったところにシール部材が密着してシール保持部の流路側開放部に空間ができないようになっため、シール部分においてシール部材による滞留部が生じないようにしたシール構造を提供することが可能となった。
次に、本発明に係るシール構造の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。図1は、シール部材であるリング状のパッキンをシール部分に装着した状態を示した第1実施形態のシール構造の断面図である。このシール構造は、従来例と同様に図4に示した集積弁を構成する流路ブロック101上に流体機器102を取り付ける場合のシール部分に構成されるものである。なお、この流路ブロック101や流体機器102のボディ121は、四フッ化エチレン樹脂(PFA,PTFE)で形成され、パッキン10は弾性を有する材料(FFKM(パーフロロゴム)等のゴム、未焼成PTFE(未焼成フッ素樹脂))で形成されたものである。この点、従来や第2実施形態のOリング103も同じゴム(FFKMなど)で形成されたものである。
本実施形態のシール構造は、流路ブロック101側及び流体機器102のボディ121に形成された環状のシール保持溝はそのままでパッキン10に特徴を有する。パッキン10が装填されるシール保持部20は、図1に示すようにその断面は、シール保持溝が上下に重ね合わされた矩形形状をして、上押え面21と下押え面22との平行な2面と直交する奥行き方向にある外押え面23がある。ここで図2は、このシール保持部30内に装填されるパッキン10を示した断面図である。
パッキン10は、シール保持部20の上押え面21、下押え面22そして外押え面23に当接する上側面11、下側面12および外側面13と、更に流路50側に開放される内側面14とが異なる形状で形成されている。なお、装着状態を示した図1では、パッキン10が潰された変形後の状態が実線で記載されているが、図2に示す非装着時のパッキン10の形状を波線で示している。シール保持部では上押え面21と下押え面22とが同じ面積であるが、Oロング10では、下側面12の方が上側面11よりも当接面積が大きくなるように形成されている。
上押え面21および下押え面22の当接面積は、それぞれの面が切りかかれて調整され、上押え面21では大きく切りかかれた段差部11aが形成され、下押え面22では段差部11aよりも狭い幅で溝部12aが形成されている。こうして上押え面21および下押え面22の当接面積が異なるようにしているのは、例えばパッキン10の付け忘れを防止するためであり、具体的には、流体機器102を交換等する際、流路ブロック101から外したボディ121にパッキン10が吸着してしまったのでは、外れた状態で流体機器102を取り付けるおそれがあるからである。従って、本実施形態ではパッキン10が下押え面22を構成する流路ブロック101に吸着保持されるように当接面積を大きくしている。更に、ボディ121側との吸着性を悪くするように上押え面21は接触面粗が粗く形成されている。
本実施形態では、パッキン10におけるボディ121側での吸着保持効果を更に上げるべく、外側面13にも特徴を有する。すなわち、シール保持部20は奥行き側の外押え面23が流路ブロック101とボディ121とが面一で形成されているが、そこに当接するパッキン10の外側面13は、流路ブロック101とボディ121との合せ面25の位置に段差部13aが形成され、合せ面25の下側すなわち流路ブロック101が外側に突き出ている。図1の波線で示すように流路ブロック101に当接する下側に膨らみが形成され、ボディ121に当接する上側は外押え面23に沿って平面になっている。
従って、シール保持部20にパッキン10が嵌め込まれる場合、段差部13aの膨らみ部分が内側(図面左側)に押しつぶされて変形し、下側面22とともに流路ブロック11に吸着保持される。ところで、こうして段差部13aの膨らみ部分が内側に押されるとき、パッキン10の内側面14がシール保持部20から流路50にとび出さないように変形を吸収する必要がある。そのため、下側面12に形成された溝部12aが深く形成され、外側面13の変形が内側14にあまり伝わらないようになっている。
そして、その流路50に面する内側面14は、外側に湾曲した凹みが形成されている。内側面14は本来ならば、流路50を構成する流路ブロック101の流路面51などと面一なるように平面であることが理想である。しかし、押しつぶされて変形した場合、シール保持部20から流路50側にとびだしてしまわないようにする必要がある。内側面14が流路面51を超えて流路50内に飛び出すと、乱流が発生して流量損失が大きくなるからである。そこで、本実施形態では、滞留部をなくすとともにその凹み面自身が滞留部にならないように滑らかに湾曲している。
パッキン10は、上側面11及び下側面12と内側面14との間の角度が鋭角になっている。そして、この鋭角先端15が図示するように上押え面21および下押え面22の流路50側端部に重なるような状態が最も滞留部のない状態である。ただし、寸法交差や押し付け具合によってパッキン10の変形量や位置などが微妙に異なってくる。そうした場合にでも、その鋭角伝単15が上押え面21および下押え面22から流路50へ付き出ないようにする必要がある。また、図示するように内側面14全体を凹面とせず、中間位置の一部を凹面としてその上下には上押え面21および下押え面22と直交する面で形成するようにしてもよい。すなわち、滞留部を形成させないためには、上側面11及び下側面12と内側面14との間の角度が90度以内であることが望ましい。
パッキン10がシール保持部20において図1に示すよに挟み込まれると、流路ブロック101と流体機器102のボディ121によって上下方向に押しつぶされ、更に流路ブロック101によって外側から内側に押しつぶされる。こうしてパッキン10はシール保持部20内に圧入された状態で装填され、特に上側面11より面積の大きい下側面12や外側面13で流路ブロック101側により圧着している。そして、流路ブロック101とボディ121の流路面51に湾曲した凹みの内側面14が連続するようになる。
従って、本実施形態のシール構造では、矩形形状のシール保持部20に前述した断面形状のパッキン10を装填させるようにしたため、その内側面14によって流路50を流れる液体の滞留が低減され、シール保持部20に液体が体積してしまったり、そこに固着してしまうことが解消された。
また、本実施形態のシール構造では、パッキン10が流路ブロック101側により多くの面積で接触して圧着されているため、流体機器102を取り外した場合にパッキン10が持って行かれることなく脱落が防止され、流体機器102の交換などの際に起こり得るパッキン10の付け忘れが防止できる。
次に第2実施形態のシール構造について説明する。図3は、本実施形態のシール構造を示した断面図である。このシール構造は、シール部材として従来と同様に断面が円形のOリング103が使用され、流路ブロック101と流体機器102のボディ121に形成されたOリング103を保持するシール保持部30の形状に特徴を有する。
先ず、従来のようにOリング103を単に上下から押しつぶすと、その断面は図4に示すように楕円形になる。そのため、シール保持部130の流路50側開放部分が広いと、楕円形状に弾性変形したOリング103の先端部分との間が大きく空いた滞留部150ができてしまう。そこで本実施形態では、上下に押しつぶされるOリング103の弾性変形形状に対応させてシール保持部30の流路50側を狭くするように、上押え面31と下押え面32には流路ブロック101とボディ121との両方にテーパ面35が形成されている。
従って、流路ブロック101とボディ121とに挟み込まれたOリング103は、上下につぶされて変形し、更に図4に示すようにこれまでは加圧されなかった部分がテーパ面35によって押しつぶされて密着する。従って、テーパ面35によって狭くなったところにOリング103が密着して流路50側開放部に空間ができないようになった。
テーパ面35の先端部分とOリング103との僅かな隙間は流路50の一部となるため、本来ならば流路面52と面一なることが望ましいが、断面が円形のOリング103であるため僅かに凹みができてしまう。しかしながら本実施形態のシール構造によれば、その凹みに液体が入り込んだとしても液体の流れによって押し流されて滞留してしまうことはない。
なお、本発明は前期実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記第1実施形態のパッキン10では内側面14を湾曲した凹面としたが、角度が大きければ上下の平面からなる凹面であってもよい。
シール部材をシール部分に装着した状態を示した第1実施形態のシール構造の断面図である。 第1実施形態のシール構造を構成するパッキンを示した断面図である。 シール部材をシール部分に装着した状態を示した第2実施形態のシール構造の断面図である。 半導体製造装置などでは集積弁を構成する流路ブロック上に流体機器を搭載した図を示した一部断面図である。 図4に破線A部分で囲んだシール部分を示した拡大断面図である。
符号の説明
10 パッキン
11 上側面
12 下側面
13 外側面
14 内側面
20 シール保持部
21 上押え面
22 下押え面
23 外押え面
50 流路
51 流路面
101 流路ブロック
121 ボディ

Claims (7)

  1. 流体部材どうしの流路開口端を重ね合わせた流路の接続部分に環状のシール保持部が形成され、そのシール保持部にて流体部材どうしに挟み込み込まれたシール部材が弾性変形して密着することにより、流路接続部分を気密にシールするシール構造において、
    前記シール保持部は、流路側の内側が開放して上押え面と下押え面とを有し、前記シール部材は、前記シール保持部の上押え面および下押え面に押さえ付けられる上側面および下側面と、開放された前記シール保持部の内側に位置して径方向の外側に凹んだ内側面を有するものであることを特徴とするシール構造。
  2. 請求項1に記載するシール構造において、
    前記シール部材は、その内側面が湾曲して上側面および下側面と鋭角を形成し、前記シール保持部に挟み込まれたシール状態で、前記内側面と上側面および下側面とからなる鋭角先端が、前記シール保持部の上押え面および下押え面の流路面側端部に位置することを特徴とするシール構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するシール構造において、
    前記シール部材は、その上側面及び下側面の一部が前記シール保持部の上押え面と下押え面に当接するように切り欠かれたものであって、その当接面積が異なることを特徴とするシール構造。
  4. 請求項3に記載するシール構造において、
    前記シール保持部は、前記上押え面及び下押え面と外側に外押え面とを有する断面が矩形形状をしたものであって、前記シール部材は、外押え面に当接する外側面に前記流体部材どうしの重ね合わせ面の位置に段差が形成され、その段差は、上側面及び下側面のうち前記シール保持部の上押え面または下押え面に当接した面積が大きい方が突き出して外押え面に強く押し付けられるように形成されたものであることを特徴とするシール構造。
  5. 請求項4に記載するシール構造において、
    前記シール部材は、その上側面及び下側面のうち前記シール保持部の上押え面または下押え面に当接した面積が大きい方に形成された切欠きが深溝であることを特徴とするシール構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載するシール構造において、
    前記シール保持部は、その上押え面または下押え面のうち一方の面の接触面粗が粗く形成されたものであることを特徴とするシール構造。
  7. 流体部材どうしの流路開口端を重ね合わせた流路の接続部分に環状のシール保持部が形成され、そのシール保持部にて流体部材どうしに挟み込み込まれたシール部材が弾性変形して密着することにより、流路接続部分を気密にシールするシール構造において、
    前記シール部材は断面が円形で、前記シール保持部は、流路側に開放して上押え面、下押え面および外押え面とを有する断面が矩形形状をしたものであって、その上押え面および下押え面には流路側に向けて互いに近づき合うテーパ面が形成されたものであることを特徴とするシール構造。
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