JP2005188347A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Yuichi Kato
雄一 加藤
Hiroki Ichinose
宏樹 一瀬
Sunao Murase
直 村瀬
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Abstract

【課題】可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供すること。
【解決手段】吸気弁16の作用角とリフト量とを変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置であり、吸気弁16が遅開きでありかつリフト量が小さい時は、燃料噴射弁14から吸気弁16の下方に向けて燃料を噴射させる(燃料の軌跡fu)。これにより、高速の空気流に乗って筒内の排気側の部位に過剰に運ばれる液滴状の燃料量を抑制でき、筒内に均質な混合気を生成できる。一方、吸気弁16が早開きでありかつリフト量が大きい時は、燃料噴射弁14から吸気弁16の中心16aに向けて燃料を噴射させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、更に詳しくは、可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、ポート噴射式の燃料噴射制御装置において、燃料噴射方向を上下に変更可能な燃料噴射弁を備え、吸気行程中に燃料噴射する場合には、吸気弁の弁座中心より下方へ噴射し、吸気行程前に燃料噴射する場合には、吸気弁の弁座中心より上方へ噴射する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関も種々提案され、公知である。
特開平8−4631号公報
しかしながら、上記公報に係る燃料噴射制御装置と上記可変動弁機構とを組み合わせた構成での最適な制御手段については、上記公報において何ら開示されていない。すなわち、上記従来技術にあっては、吸気弁が吸気上死点(TDC)後に開かれる遅開きであり、かつリフト量が小さい時には、吸気弁が開いた時に筒内が負圧になっており、吸気ポート内に付着した液滴状の燃料が、吸気弁の傘部から高速の空気流に乗って筒内に流入し、排気弁や燃焼室の排気側上壁面およびボア壁面に液滴状態で過剰に付着するため、その後これらが不完全燃焼により炭化水素(HC)として排出されてしまう虞があった。
このように、上記公報には、可変動弁機構と組み合わせた構成での最適な制御手段について何ら開示されていないため、可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合には、混合気の均質性が低下し、炭化水素(HC)の排出量が増加してしまう虞があるという課題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置であって、燃料噴射方向を可変とする燃料噴射弁と、前記吸気弁の動作状態に応じて前記燃料噴射弁を制御し燃料を噴射させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記吸気弁が吸気行程中に開く遅開きの時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、前記吸気弁が吸気行程前に開く早開きの時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記吸気弁が遅開きでありかつリフト量が小さい時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、前記吸気弁が早開きでありかつリフト量が大きい時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記吸気弁が遅開きでありかつ作用角が小さい時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、前記吸気弁が早開きでありかつ作用角が大きい時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とするものである。
この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置(請求項1)によれば、可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる。
また、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置(請求項2)によれば、吸気弁のリフト量が小さく、吸気の流入特性が更に大きく変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる。
また、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置(請求項3)によれば、吸気弁の作用角が小さく、吸気の流入特性が更に大きく変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる。
以下に、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の実施例1に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図であり、吸気弁の下方に向けて燃料噴射する様子を示したものである。また、図2は吸気弁の中心に向けて燃料噴射する様子を示す断面図である。
図1および図2に示すように、内燃機関10は、シリンダ11内にピストン12を備えている。このピストン12の上方には、燃焼室10aが形成されている。この燃焼室10aには、吸気ポート15および排気ポート18が連通しているとともに、燃焼室10aの上壁面中央には、図示しない点火プラグが配設されている。また、内燃機関10は、吸気ポート15を開閉する吸気弁16と、排気ポート18を開閉する排気弁20とを備えている。
また、吸気ポート15には、燃料を吸気弁16に向けて噴射する燃料噴射弁14が配設されている。この燃料噴射弁14は、その燃料噴射角度を任意に変更できるように構成されている。すなわち、燃料噴射弁14と、所定開度における吸気弁16の傘部の中心16a(以下、適宜、吸気弁16の中心と称する)とを結ぶ中心線CLを基準にした場合に、燃料噴射弁14は、所定条件下で当該中心線CLの上方(以下、適宜、吸気弁16の上方と称する)あるいは下方(以下、適宜、吸気弁16の下方と称する)に向けて任意の角度で燃料を噴射できるように構成されている。図中においては、吸気弁16の下方に向けて噴射された燃料の軌跡をfuとして示し(図1参照)、吸気弁16の中心16aに向けて(中心線CLに沿って)噴射された燃料の軌跡をfcとして示してある(図2参照)。
なお、燃料噴射弁14の上流には、図示しないスロットルバルブおよび吸入空気量センサが配置されている。また、排気ポート18には、内燃機関10に供給されている混合気の空燃比に応じた出力を発する空燃比センサが配置されている。図示しないクランクシャフトの近傍には、このクランクシャフトの回転数を検出するための図示しない機関回転数センサが配置されている。
また、内燃機関10は、吸気弁16を駆動する図示しない吸気カムと、排気弁20を駆動する図示しない排気カムとを備えている。この吸気カムの近傍には、吸気カムの回転位置を検出するカムポジションセンサ(図示せず)が配置されている。
上記吸気カムは、図示しないカムシャフト等とともに図示しない可変動弁機構を構成している。この可変動弁機構は、吸気弁16のリフト量と作用角とをセットで変更できる公知の構成となっている。なお、リフト量と作用角とをセットで変更するとは、可変動弁機構の構成上の制約から、リフト量と作用角とが相互に依存しており、両者は予め決められた関係を維持しながら変化し、互いに独立には変化しないことを意味する。また、作用角とは、吸気弁16の開弁時期をクランク角(°CA)の単位で表した値である。
また、このように構成された内燃機関10は、当該内燃機関10の制御手段である図示しないECU(電子制御装置)を備えている。このECUは、上記機関回転数センサ、吸入空気量センサ、空燃比センサ、カムポジションセンサ等の各種センサから内燃機関10の制御に必要な情報を取得する。そして、このECUは、取得した情報に基づいて、上記点火プラグ、燃料噴射弁14、スロットルバルブ、可変動弁機構等を駆動制御する。
つぎに燃料噴射制御について図1および図2を参照しつつ、図3〜図6に基づいて更に詳しく説明する。ここで、図3は、吸気弁の開閉タイミングとリフト量との関係を示す説明図であり、併せて排気弁の開閉タイミングについても示してある。この図3中において、吸気弁16が早開きでかつリフト量が大きい場合を破線で示し、遅開きでかつリフト量が小さい場合を実線で示してある。また、図4は、吸気弁の早開きの場合におけるバルブタイミングを示す説明図、図5は、吸気弁の遅開きの場合におけるバルブタイミングを示す説明図である。
また、図6は、吸気弁の遅開きの場合(細線で示す)における吸気弁近傍の筒内流速を示すグラフであり、上死点(TDC)前開きの場合(太線で示す)と比較して示したものである。なお、図6中において、吸気の際、空気が筒内に流入する方向を順流、筒内から吸気ポート15側に戻される方向を逆流と称している。
本実施例に係る燃料噴射制御は、上述したように、上記可変動弁機構により吸気弁16が上死点(TDC)後に開かれる遅開きで、かつリフト量が小さい場合でも、吸気の流入特性変化に基づく混合気の均質性低下を抑制し、炭化水素(HC)の排出量を抑制することを目的とするものである。
図3中の破線、図4および図6中の太線で示すように、吸気弁16の開時期が吸気上死点(TDC)より早く、吸気弁16の閉時期が吸気下死点(BDC)より十分に遅い時期に設定されかつリフト量が大きい早開きの場合には、先ずピストン12が下降する前に吸気弁16が開くので、燃焼後の残留ガスの影響等により一瞬逆流となるが、ピストン12の下降開始とともに順流となる。この場合、リフト量は大きいので、順流の流速は比較的小さい。なお、吸気弁16が閉じる際には、上昇中のピストン12の影響で逆流になる。
一方、リフト量の小さい遅開きの場合には、図3中の実線、図5および図6中の細線で示すように、ピストン12下降中で筒内が負圧になっている時に吸気弁16がリフト量小で開くため、筒内へ流入する順流流速が急激かつ大幅に上昇する。したがって、このような場合に、燃料噴射弁14から吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料が噴射されると(図1参照)、吸気ポート15内に付着した液滴状の燃料がこの高速の空気流に乗って中心線CLよりも上方側に持ち上げられて筒内に流入するため、筒内の排気側の部位にまで過剰に運ばれてしまい、排気弁20や燃焼室10aの排気側上壁面およびシリンダ11のボア壁面に液滴状態で付着する。このため、これらの液滴がその後の不完全燃焼により炭化水素(HC)として排出される虞がある。このような現象は、吸気弁16のリフト量が小さい場合ほど吸気の流入特性が大きく変化するため、顕著となる。
そこで、本実施例では、上記可変動弁機構による吸気弁16の制御動作に応じて最適な燃料噴射制御を実行し、上記不都合を抑制する。すなわち、吸気弁16が遅開きで、かつリフト量が小さい場合には、図1に示すように、吸気弁16の下方(中心線CLよりも下方)に向けて燃料を噴射することで、上記高速の空気流に乗って筒内の排気側の部位に過剰に運ばれる燃料量を抑制することができる。これにより、筒内に均質な混合気を生成でき、その後の炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
一方、早開きでリフト量が大きい場合には、上述したように上記遅開きの場合のような高速の空気流は生じないので(図6参照)、図2に示すように、吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料を噴射する。すると、燃料はこの傘部でほぼ均等に飛散し、筒内に均質な混合気が生成されるので、その後の炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
以上に説明した燃料噴射制御は、図7に示すフローチャートに基づいて上記ECUによって実行される。ここで、図7は、燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。先ず、イグニションスイッチがONになったら(ステップS10)、予めマップ等により設定されている吸気弁16のバルブタイミングを読み込む(ステップS11)。そして、つぎに吸気弁16の開時期が吸気上死点(TDC)後か否かを判断する(ステップS12)。
吸気弁16の開時期が吸気上死点(TDC)後であるならば(ステップS12肯定)、図示しないバルブタイミング制御ルーチンによって遅開きが実行され、つぎのステップS13が実行される。なお、上記運転条件下では、上記可変動弁機構により吸気弁16のリフト量が小さくなるように制御されている。
このステップS13では、図1に示すように、吸気弁16の下方(中心線CLよりも下方)に向けて燃料を噴射するように指令を出す。そして、図示しない燃料噴射制御全体のメインルーチンプログラムに戻り、このルーチンにより上記指令に基づく燃料噴射が行われる。これにより、上記高速の空気流に乗って筒内の排気側の部位に過剰に運ばれる液滴状の燃料量を抑制することができ、筒内に均質な混合気を生成できるので、その後の炭化水素(HC)の排出を抑制できる。なお、燃料噴射方向を中心線CLよりも下方にする場合、燃料噴射方向と中心線CLとのなす角度は、吸気弁開弁時期のTDCからの遅角量にかかわらず一定であってもよく、もしくは吸気弁開弁時期のTDCからの遅角量が多くなるほど大きくなるようにしてもよい。
一方、吸気弁16の開時期が吸気上死点(TDC)後でないならば(ステップS12否定)、すなわち、早開きであるならば、上記可変動弁機構により吸気弁16のリフト量が大きくなるように制御されているので、上記遅開きの場合のような高速の筒内順流は生じず、液滴状の燃料が筒内の排気側の部位に過剰に運ばれることがない。
そこで、図2に示すように、吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料を噴射し(ステップS14)、図示しない燃料噴射制御全体のメインルーチンプログラムに戻る。すると、吸気ポート15内に付着した液滴状の燃料はこの吸気弁16の傘部でほぼ均等に飛散し、筒内に均質な混合気が生成されるので、その後の炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
なお、上記実施例1においては、吸気弁16のリフト量の大小に着目して燃料噴射制御を実行するものとして説明したが、これに限定されず、リフト量と相互に依存関係にある作用角の大小に着目して燃料噴射制御を実行してもよい。すなわち、吸気弁16が遅開きでありかつ作用角が小さい時は、吸気弁16の下方に向けて燃料を噴射させ、吸気弁16が早開きでありかつ作用角が大きい時は、吸気弁16の中心に向けて燃料を噴射させてもよく、この場合も上記実施例1の場合と同様の効果を期待できる。
また、上記実施例1においては、上記可変動弁機構を備えた装置構成において、吸気弁16のバルブタイミングとともに、吸気弁16のリフト量をも勘案して燃料噴射制御を実行するものとして説明したが、当該リフト量の影響が少ない運転域においては、必ずしもリフト量を勘案せずに燃料噴射制御を実行してもよい。すなわち、上記可変動弁機構を備えた装置構成において、吸気弁16のリフト量の影響が少ない運転域では、吸気弁16が遅開きの時は、吸気弁16の下方に向けて燃料を噴射させ、吸気弁16が早開きの時は、吸気弁16の中心に向けて燃料を噴射させてもよい。また、上記実施例1においては、機械式の可変動弁機構を例に挙げたが、電磁駆動式または油圧駆動式の動弁系であってもよい。その場合、吸気弁の開弁タイミングをパラメータとして燃料噴射方向を制御すればよい。
図8は、実施例2に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図であり、気流制御弁が全閉である場合の燃料噴射状態を示したものである。図9は、気流制御弁が全開である場合の燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図である。また、図10は、燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
本実施例2は、図8に示すように、所定運転領域で筒内にタンブル流を生成させる気流制御弁22を、吸気ポート15内のスロットルバルブ(図示せず)と吸気弁16との間に備え、気流制御弁22の全閉時におけるタンブル流生成時には、吸気弁16の下方(中心線CLの下方側)に向けて燃料を噴射するようにしたことを特徴とするものである。図中には、この時の噴射燃料の軌跡fuを破線で示してある。
このように燃料噴射する理由を図8を用いて説明する。低負荷低回転域での吸気時に気流制御弁22を全閉とすると、吸気された空気流は、吸気ポート15の上壁付近の流速が高くなっている。
このような場合に、燃料噴射弁14から吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料が噴射されると、吸気ポート15内に付着した液滴状の燃料がこの高速の空気流に乗って中心線CLよりも上方側に持ち上げられて筒内に流入するため(図示せず)、筒内の排気側の部位にまで過剰に運ばれてしまい、排気弁20や燃焼室10aの排気側上壁面およびシリンダ11のボア壁面に液滴状態で付着する。このため、これらの液滴がその後の不完全燃焼により炭化水素(HC)として排出される虞がある。
そこで、これらの不都合を回避すべく、本実施例ではつぎのように燃料噴射制御を実行する。以下、図8および図9を参照しつつ、図10に基づいて説明する。先ず、イグニションスイッチがONになったら(ステップS20)、予めマップ等により設定されている所定運転領域における気流制御弁22の開度を読み込み(ステップS21)、気流制御弁22が閉じているか否かを判断する(ステップS22)。
気流制御弁22が閉じているならば(ステップS22肯定)、タンブル流生成時であり、図8に示すように、吸気弁16の下方(中心線CLの下方側)に向けて燃料を噴射することで(燃料軌跡fuを参照、ステップS23)、吸気ポート15内に付着した液滴状の燃料を上記高速空気流に乗せて主流Fとし、吸気弁16の傘部の中心16aに衝突させることができる。すると、燃料はこの傘部でほぼ均等に飛散し、吸気弁16の周囲から筒内にほぼ均等に流入することになるので、筒内に均質な混合気を生成でき、その後の炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
一方、図9に示すように、気流制御弁22の全開時には(ステップS22否定)、上記全閉時のような高速の空気流は生じず、噴霧燃料がその影響を顕著に受けないので、吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料を噴射(燃料軌跡fcを参照)する(ステップS24)。すると、燃料はこの傘部でほぼ均等に飛散し、吸気弁16の周囲から筒内にほぼ均等に流入することになるので、筒内に均質な混合気を生成できる。
なお、上記ステップS23およびステップS24の実行後は、図示しない燃料噴射制御全体のメインプログラムに戻る。
図11は、実施例3に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図であり、気流制御弁が半開である場合の燃料噴射状態を示したものである。また、図12は、エンジン回転数と負荷および気流制御弁の開度との関係を示すマップ、図13は、燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。
本実施例3は、気流制御弁22の開度(空気流速)に応じて燃料噴射方向を更にきめ細かく制御するものである。すなわち、上記実施例2は、気流制御弁22の全閉状態と全開状態を対象にして制御したのに対し、本実施例3では、更に気流制御弁22の半開状態をも対象にして以下のように制御するものである。なお、上記実施例2で示した図8および図9も適宜参照して説明する。
先ず、イグニションスイッチがONになったら(ステップS30)、予めマップにより設定されている所定運転領域における気流制御弁22の開度を読み込む(ステップS31)。この気流制御弁22の開度は、図12に示すように、内燃機関10の回転数(エンジン回転数)と負荷との関係により予めマップ化されており、このマップに基づいて設定される。たとえば、気流制御弁22は、低負荷低回転域では全閉に、中負荷中回転域では半開に、高負荷高回転域では全開に設定されている。
つぎに、上記ステップS31で読み込まれた開度を判断する。すなわち、気流制御弁22が全閉であるか否かを判断する(ステップS32)。気流制御弁22が全閉であるならば(ステップS32肯定)、タンブル流生成時であり、図8に示すように、吸気弁16の下方(中心線CLの下方側)に向けて燃料を噴射することで(燃料軌跡fuを参照、ステップS33)、噴霧燃料を上記高速空気流に乗せて主流Fとし、吸気弁16の傘部の中心16aに衝突させることができる。
すると、燃料はこの傘部でほぼ均等に飛散し、吸気弁16の周囲から筒内にほぼ均等に流入することになるので、筒内に均質な混合気を生成でき、炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
一方、気流制御弁22が全閉でないならば(ステップS32否定)、つぎに気流制御弁22が全開であるか否かを判断する(ステップS34)。気流制御弁22が全開であるならば(ステップS34肯定)、上記全閉時のような高速の空気流は生じず、噴霧燃料がその影響を顕著に受けないので、図9に示すように、吸気弁16の傘部の中心16aに向けて燃料を噴射(燃料軌跡fcを参照)する(ステップS36)。
すると、燃料はこの傘部でほぼ均等に飛散し、吸気弁16の周囲から筒内にほぼ均等に流入することになるので、筒内に均質な混合気を生成でき、炭化水素(HC)の排出を抑制できる。
気流制御弁22が全開でないならば(ステップS34否定)、すなわち、気流制御弁22が半開であるならば、吸気ポート15内に付着した液滴状の燃料は、気流制御弁22が上記全閉の場合と全開の場合の中間の様相を呈すると考えられる。したがって、燃料噴射弁14からの燃料噴射は、図11に示すように、吸気弁16の下方(図8に示す燃料軌跡fuを参照)と吸気弁16の傘部の中心16a(図9に示す燃料軌跡fcを参照)との間に向けて、燃料軌跡fmとなるように制御する(ステップS35)。
すると、噴霧燃料は、やや高速(気流制御弁22が全閉の場合よりも低速)である空気流に乗って中心線CL側に持ち上げられながら運ばれ、吸気弁16の傘部の中心16a付近に衝突してほぼ均等に飛散し、吸気弁16の周囲から筒内にほぼ均等に流入することになるので、筒内に均質な混合気を生成でき、炭化水素(HC)の排出を抑制できる。また、加速時の燃焼が改善され、加速感が向上する。
上記ステップS33、ステップS35およびステップS36の実行後は、図示しない燃料噴射制御全体のメインプログラムに戻る。
なお、上記実施例3においては、気流制御弁22の開度を全閉、半開、全開の3段階に分けて燃料噴射するものとして説明したが、これに限定されず、気流制御弁22の開度を更に細かく4段階以上に分けて、それぞれの開度に応じて燃料噴射方向を適宜設定することもできる。
以上のように、この発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置は、可変動弁機構を備えた内燃機関に有用であり、特に、可変動弁機構により吸気の流入特性が変化した場合であっても、混合気の均質性を向上でき、炭化水素(HC)の排出量を抑制できる内燃機関の燃料噴射制御に適している。
この発明の実施例1に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図である。 吸気弁の中心に向けて燃料噴射する様子を示す断面図である。 吸気弁の開閉タイミングとリフト量との関係を示す説明図である。 吸気弁の早開きの場合におけるバルブタイミングを示す説明図である。 吸気弁の遅開きの場合におけるバルブタイミングを示す説明図である。 吸気弁の遅開きの場合における吸気弁近傍の筒内流速を示すグラフである。 燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。 実施例2に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図である。 気流制御弁が全開である場合の燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図である。 燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。 実施例3に係る燃料噴射装置の燃料噴射状態を示す断面図である。 エンジン回転数と負荷および気流制御弁の開度との関係を示すマップである。 燃料噴射制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
10a 燃焼室
11 シリンダ
12 ピストン
14 燃料噴射弁
15 吸気ポート
16 吸気弁
16a 傘部の中心
CL 中心線
fu 吸気弁の下方に向けて噴射された燃料の軌跡
fc 吸気弁の中心に向けて噴射された燃料の軌跡

Claims (3)

  1. 吸気弁の作用角とリフト量とを変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    燃料噴射方向を可変とする燃料噴射弁と、
    前記吸気弁の動作状態に応じて前記燃料噴射弁を制御し燃料を噴射させる制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記吸気弁が吸気行程中に開く遅開きの時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、
    前記吸気弁が吸気行程前に開く早開きの時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記吸気弁が遅開きでありかつリフト量が小さい時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、
    前記吸気弁が早開きでありかつリフト量が大きい時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記吸気弁が遅開きでありかつ作用角が小さい時は、前記吸気弁の下方に向けて燃料を噴射させ、
    前記吸気弁が早開きでありかつ作用角が大きい時は、前記吸気弁の中心に向けて燃料を噴射させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008128152A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Nissan Diesel Motor Co Ltd 自動車用燃料噴射装置の検査装置
KR101346548B1 (ko) * 2011-03-08 2013-12-31 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 내연 기관

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