JP2005188331A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関において、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置50は内燃機関10の自動停止及び自動始動を実施する。また、触媒装置16の上流側に設けられる上流側排気センサ67の検出結果に基づき燃料噴射量に対する補正値を算出し、触媒装置16の下流側に設けられる下流側排気センサ68の検出結果に基づき補正値に対する修正値を算出する。また、機関運転中に算出される修正値からの乖離に基づき更新される修正値の学習値を通常の機関始動時における修正値の初期値として設定する。一方、自動始動時においては機関停止直前の修正値及び学習値の初期値のうちいずれかを機関停止中の触媒装置16の状態変化に応じて選択し、この選択値を機関の自動始動時における修正値の初期値として設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】制御装置50は内燃機関10の自動停止及び自動始動を実施する。また、触媒装置16の上流側に設けられる上流側排気センサ67の検出結果に基づき燃料噴射量に対する補正値を算出し、触媒装置16の下流側に設けられる下流側排気センサ68の検出結果に基づき補正値に対する修正値を算出する。また、機関運転中に算出される修正値からの乖離に基づき更新される修正値の学習値を通常の機関始動時における修正値の初期値として設定する。一方、自動始動時においては機関停止直前の修正値及び学習値の初期値のうちいずれかを機関停止中の触媒装置16の状態変化に応じて選択し、この選択値を機関の自動始動時における修正値の初期値として設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
内燃機関では、排気通路に設けられた排気浄化触媒によって排気成分の浄化が行われている。この排気浄化触媒による排気成分の浄化は、内燃機関で燃焼される混合気の空燃比が所定の範囲内にある場合に効率よく行われる。そこで排気浄化触媒の上流側に排気の酸素濃度を検出する排気センサを設け、このセンサの出力信号に基づいて混合気の空燃比を検出し、この検出された空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量に対する空燃比補正値を求めて燃料噴射量を増減補正する空燃比フィードバック制御が一般的には行われている。
また、排気浄化触媒による排気成分の浄化状態を把握するために、排気浄化触媒の下流側にも上述したような排気センサを設け、このセンサの出力信号に基づいて排気浄化触媒を通過した後の排気の空燃比を検出して上記空燃比補正値に対する修正値を算出する、いわゆる空燃比のサブフィードバック制御を実行するものもある(例えば特許文献1等)。
ここで、特許文献1に記載のものでは、空燃比制御が実行されているときの空燃比補正値の平均値を求めてこれを学習値とし、機関始動時などのように空燃比のサブフィードバック制御が再開されるときには、この学習値を上記修正値として設定するようにしている。すなわち、機関停止前の運転状態が反映された学習値を機関始動時における修正値の初期値として設定することにより、同修正値を機関運転状態に対応した値に速やかに近づけ、もって排気エミッションの悪化等を抑制するようにしている。
特開昭62−60941号公報
ところで、近年では、例えば機関アイドル状態にあるときに内燃機関を自動停止させ、車両発進時に同機関を自動的に再始動させる、といったいわゆるエコラン運転を自動的に行うことにより、燃料消費量や排気の排出量等を抑えるようにした車両が知られている。
ここで、このようなエコラン運転を実施する車両に搭載される内燃機関において、上述したような学習値を機関始動時における修正値の初期値として設定するようにした場合には、以下のような不具合が生じるおそれがある。
通常、上記学習値はその値が変動の少ない安定した値として算出されるように、学習対象としている値(対象値)と同学習値との乖離がある程度大きいときに、その値の更新は行われるようになっていることが多い。
他方、エコラン運転が実施される内燃機関では、所定の条件が成立しさえすれば機関の自動停止や自動始動が実行されるため、場合によっては機関の自動始動と自動停止とが頻繁に行われることがある。このような場合には、自動始動による機関運転時間が短いため、機関運転中における上記対象値と学習値との乖離が大きくならず、学習値の更新が実施される前に機関が自動停止されることもある。そして、機関の自動始動時における修正値の初期値として更新されていない学習値が再び設定されることにより、学習値が更新されない状態が継続されてしまうようになる。従って、上記学習値が機関始動時に適した値として学習されていない場合(例えば機関運転状態が高回転高負荷状態のときに学習された学習値である場合など)には、そのような値のまま何度も機関の自動始動が行われるようになり、排気エミッション等が悪化するおそれもある。
なお、上述したようなエコラン運転を実施する車両のみならず、内燃機関の自動停止・自動始動が実施される車両(例えば内燃機関と電動モータとを備えるいわゆるハイブリッド車両)であれば、上述したような不具合は同様に生じるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関において、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することのできる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、所定の条件のもと機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関にあって、同内燃機関の排気浄化触媒の上流側に設けられる上流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて燃料噴射量に対する補正値を算出し、前記排気浄化触媒の下流側に設けられる下流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて前記補正値に対する修正値を算出するとともに、機関運転中に算出される前記修正値からの乖離に基づいて更新される同修正値の学習値を通常の機関始動時における前記修正値の初期値として設定する内燃機関の空燃比制御装置において、機関の自動始動時における前記修正値の初期値として前記学習値から乖離した値を設定することをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、所定の条件のもと機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関にあって、同内燃機関の排気浄化触媒の上流側に設けられる上流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて燃料噴射量に対する補正値を算出し、前記排気浄化触媒の下流側に設けられる下流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて前記補正値に対する修正値を算出するとともに、機関運転中に算出される前記修正値からの乖離に基づいて更新される同修正値の学習値を通常の機関始動時における前記修正値の初期値として設定する内燃機関の空燃比制御装置において、機関の自動始動時における前記修正値の初期値として前記学習値から乖離した値を設定することをその要旨とする。
同構成によれば、機関の自動始動時における修正値の初期値として上記学習値から乖離した値が設定される。そのため、機関の自動始動直後においては修正値と学習値との間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であっても学習値が更新される可能性が生じるようになり、ひいては同学習値が機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになる。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
上述した「乖離した値」としては、請求項2に記載の発明によるように、前記乖離した値として機関停止直前の前記修正値を設定する、といった構成を採用することができる。この構成によれば、機関停止直前の修正値、すなわち機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定された修正値が機関の自動始動時における前記修正値の初期値として速やかに設定されるため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、「乖離した値」としては、請求項3に記載の発明によるように、前記乖離した値として前記学習値の初期値を設定する、といった構成を採用することができる。
学習値の初期値は通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定されるため、このような値が機関の自動始動時における修正値の初期値として設定される同構成によれば、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
学習値の初期値は通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定されるため、このような値が機関の自動始動時における修正値の初期値として設定される同構成によれば、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記乖離した値として、機関停止直前の前記修正値及び前記学習値の初期値のうちいずれかを機関停止中の前記排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて選択し、この選択された値を設定することをその要旨とする。
機関停止直前に保持された修正値は、機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定された修正値であるため、機関停止中における排気浄化触媒の状態がそれほど変化していない場合には、この保持された修正値を機関の自動始動時における修正値の初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を十分に発揮させることができる。一方、学習値の初期値は通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、排気浄化触媒の状態が機関停止中に変化しているような場合には、機関停止直前に保持された修正値に代えて、この学習値の初期値を機関の自動始動時における修正値の初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を好適に発揮させることができ、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができる。そこで上記構成では、機関の自動始動時における修正値の初期値として、機関停止直前に保持された修正値及び学習値の初期値のうちいずれかを機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて選択するようにしている。そのため、自動始動時における修正値の初期値を好適な値に設定することができるようになり、もって機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を更に抑制することができるようになる。
なお、同構成では、機関停止中の排気浄化触媒の状態変化が小さいときに、機関の自動始動時における修正値の初期値として機関停止直前に保持された修正値を選択する一方、機関停止中の排気浄化触媒の状態変化が先の状態変化が小さいときと比較して大きいときに、機関の自動始動時における修正値の初期値として学習値の初期値を選択するようにすると、修正値の初期値を好適に設定することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記乖離した値として、機関停止直前の前記修正値から前記学習値の初期値までの範囲に含まれる値を設定することをその要旨とする。
上述したように、機関停止直前に保持された修正値は、機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定された修正値であるため、機関停止中における排気浄化触媒の状態が大きく変化していない場合には、この保持された修正値を機関の自動始動時における修正値の初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を十分に発揮させることができる。一方、学習値の初期値は通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、排気浄化触媒の状態が機関停止中に大きく変化しているような場合には、機関停止直前に保持された修正値に代えて、この学習値の初期値を機関の自動始動時における修正値の初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を好適に発揮させることができ、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができる。そこで同構成では、機関の自動始動時における修正値の初期値として、機関停止直前の修正値から学習値の初期値までの範囲に含まれる値を機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて設定するようにしている。そのため、自動始動時における修正値の初期値を好適な値に設定することができるようになり、もって機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を更に抑制することができるようになる。
ここで、機関停止直前の修正値には、機関停止が行われる前の排気浄化触媒の状態が反映されているため、機関停止中における排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、その値の信頼性は低下する。そこで、上述したような排気浄化触媒の状態変化に応じた上記「乖離した値」の設定に際しては、請求項6に記載の発明によるように、前記乖離した値は前記排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど前記学習値の初期値側に近い値が設定される、といった構成を採用することにより、機関の自動始動時における修正値の初期値を排気浄化触媒の状態変化に応じた適切な値に設定することができるようになる。
なお、排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータとしては、請求項7に記載の発明によるように、機関停止直前の排気浄化触媒の温度と機関の自動始動時における排気浄化触媒の温度との偏差を同パラメータとすることができる。また、機関停止時間が長くなるほど、排気浄化触媒の温度は低下するようになり、その状態変化も大きくなる。そこで、同パラメータとしては、請求項8に記載の発明によるように、機関の自動始動が実施される前の機関停止時間を同パラメータとすることもできる。
請求項9に記載の発明は、所定の条件のもと機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関にあって、同内燃機関の排気浄化触媒の上流側に設けられる上流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて燃料噴射量に対する補正値を算出し、前記排気浄化触媒の下流側に設けられる下流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて前記補正値に対する修正値を算出する内燃機関の空燃比制御装置において、機関運転中に算出される前記修正値からの乖離に基づいて更新される同修正値の学習値と同学習値の初期値との間の値を修正学習値として設定し、同修正学習値を機関の自動始動時における前記修正値の初期値として設定することをその要旨とする。
同構成によれば、機関の自動始動時における修正値の初期値として、学習値と同学習値の初期値との間の値が設定される。そのため、機関の自動始動直後において修正値と学習値との間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であっても学習値が更新される可能性が生じるようになり、ひいては同学習値が機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになる。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、学習値の初期値は通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、機関の自動始動時における修正値の初期値として少なくとも学習値よりも同学習値の初期値側の値が設定される同構成によれば、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
なお、機関停止直前の学習値には、機関停止が行われる前の排気浄化触媒の状態が反映されているため、機関停止中における排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、その値の信頼性は低下する。そこで、請求項10に記載の発明によるように、前記修正学習値は機関停止中の前記排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに基づいて設定される、といった構成を採用することにより、機関の自動始動時における修正値の初期値を排気浄化触媒の状態変化に応じた適切な値に可変設定することができるようになる。
このような可変設定に際しては、請求項11に記載の発明によるように、前記修正学習値は前記排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、前記学習値の初期値側に近い値が設定される、といった構成を採用することにより、機関の自動始動時における修正値の初期値を排気浄化触媒の状態変化に応じた適切な値に設定することができるようになる。
上述したような排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータとしては、請求項12に記載の発明によるように、機関停止直前の排気浄化触媒の温度と機関の自動始動時における排気浄化触媒の温度との偏差を同パラメータとすることができる。また、機関停止時間が長くなるほど、排気浄化触媒の温度は低下するようになり、その状態変化も大きくなる。そこで、同パラメータとしては、請求項13に記載の発明によるように、機関の自動始動が実施される前の機関停止時間を同パラメータとすることもできる。
請求項14に記載の発明は、請求項9〜13のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置において、通常の機関始動時における前記修正値の初期値として前記学習値の初期値を設定することをその要旨とする。
同構成によれば、排気浄化触媒の状態変化にかかわらず、通常の機関始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができる。
なお、本発明における上記「通常の機関始動」とは、自動始動以外の機関始動のことをいい、例えば、運転者がイグニッションスイッチ等を操作することで実施される機関始動のことをいう。
なお、本発明における上記「通常の機関始動」とは、自動始動以外の機関始動のことをいい、例えば、運転者がイグニッションスイッチ等を操作することで実施される機関始動のことをいう。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
以下、この発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる内燃機関の空燃比制御装置が適用される内燃機関10、及びその周辺構成を概略的に示している。
同図1に示されるように、内燃機関10の第1気筒#1〜第4気筒#4には、吸気通路11及び排気通路13がそれぞれ接続されている。吸気通路11にはモータ等により開閉駆動されるスロットルバルブ26が設けられている。このスロットルバルブ26により調量された吸入空気が吸気バルブの開弁に伴って上記各気筒#1〜#4に導入される。また、各気筒に対応した吸気通路11にはそれぞれ燃料噴射弁20が設けられている。そして各燃料噴射弁20から噴射された燃料は、吸入空気と混合された後、各気筒毎に設けられた点火プラグにより点火され、燃焼した後は、排気バルブの開弁に伴って排気通路13に排出される。
同図1に示されるように、内燃機関10の第1気筒#1〜第4気筒#4には、吸気通路11及び排気通路13がそれぞれ接続されている。吸気通路11にはモータ等により開閉駆動されるスロットルバルブ26が設けられている。このスロットルバルブ26により調量された吸入空気が吸気バルブの開弁に伴って上記各気筒#1〜#4に導入される。また、各気筒に対応した吸気通路11にはそれぞれ燃料噴射弁20が設けられている。そして各燃料噴射弁20から噴射された燃料は、吸入空気と混合された後、各気筒毎に設けられた点火プラグにより点火され、燃焼した後は、排気バルブの開弁に伴って排気通路13に排出される。
排気通路13には排気浄化触媒が担持された触媒装置16が設けられており、同触媒装置16によって排気の成分等が浄化される。この触媒装置16は、主に排気に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)をその酸化還元作用を通じて浄化する機能を有している。
一方、内燃機関10にあってその機関出力軸であるクランクシャフト17は、変速機30を通じて車両の駆動輪に接続されている。またクランクシャフト17は、機関始動用の電動機であるスタータ45に、必要に応じて駆動連結されるようになっている。
更にクランクシャフト17は、電磁クラッチ15を介して、ベルト伝動機構19に駆動連結されている。ベルト伝動機構19には、空調装置用のコンプレッサやウォータポンプ等の補機類、及び状況に応じて発電機又は電動機のいずれかとして機能する発電電動機40が配設されている。電磁クラッチ15は、ベルト伝動機構19とクランクシャフト17との駆動連結を、必要に応じて断接可能に構成されている。
上記スタータ45及び発電電動機40は、バッテリ18に電気接続されている。バッテリ18は、スタータ45及び発電電動機40に電力を供給して、それらを電動機として機能させる。またバッテリ18には、発電電動機40が発電機として機能しているときに発電された電力が充電される。
また、内燃機関10等には、機関運転状態等を検出するための各種センサが設けられている。例えば、吸気通路11においてスロットルバルブ26よりも上流側の部分には、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ66が設けられている。
上記クランクシャフト17の近傍には、その回転速度(機関回転速度)を検出する機関回転速度センサ61が設けられている。また、アクセルペダルの近傍にはその操作量(踏込量)を検出するアクセルセンサ65が設けられている。更に、機関の冷却水温THWを検出する水温センサ63、車速を検出する車速センサ62、バッテリ18の充電量を検出するバッテリセンサ64等も設けられている。
また、排気通路13において触媒装置16より上流側の部分には、排気の酸素濃度を検出する、換言すれば空燃比を検出するための上流側排気センサ67が設けられている。この上流側排気センサ67によって、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるかリーンであるかが検出される。
また排気通路13において触媒装置16より下流側の部分にも、上流側排気センサ67と同様な下流側排気センサ68が設けられている。この下流側排気センサ68は、触媒装置16での排気浄化作用の状態を監視するために設けられている。従って、触媒装置16の上流側の空燃比が理論空燃比になっていても、同触媒装置16での還元作用が促進されており、排気中に酸素が放出されているときには、下流側排気センサ68の出力はリーンを示す。また、触媒装置16での酸化作用が促進されており、排気中の酸素が消費されているときには、同下流側排気センサ68の出力はリッチを示す。
このような車両の走行に係る各種制御は、制御装置50によって行われる。制御装置50は、上記各種制御を実行するCPU、同制御に必要な情報の記憶されるメモリ、外部から信号を入力するための入力ポート、外部に指令信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。制御装置50の入力ポートには、上記各種センサ61〜68等の検出信号が入力される。一方、制御装置50の出力ポートには、内燃機関10の点火プラグ、燃料噴射弁20、スロットルバルブ26を駆動するモータ等の駆動回路等が接続されている。制御装置50は、それらの駆動制御を通じて、燃料噴射量制御、空燃比制御等の各種制御を行っている。またその出力ポートには、スタータ45や発電電動機40の制御回路、電磁クラッチ15の駆動回路等も接続されており、スタータ45、発電電動機40及び電磁クラッチ15の作動も、制御装置50によって制御されている。
さて、この車両では、その走行状況に応じて内燃機関10の運転を自動的に停止・再始動させるアイドルストップ制御、すなわち間欠運転(エコラン運転)が制御装置50により実行される。次にこの車両でのアイドルストップ制御の概要を、図2を併せ参照して説明する。
運転者によってイグニッションスイッチが「OFF」位置から「ON」位置へと操作され、制御装置50が起動されると、制御装置50はその制御モードを、通常の機関停止状態を示す「機関停止モード」に設定する。この「機関停止モード」の設定時に、運転者によってイグニッションスイッチを「STA」位置に操作されると、上記スタータ45がクランクシャフト17に駆動連結され、そのスタータ45の出力によって内燃機関10の始動が行われる。そして、始動が完了すると、制御装置50の制御モードは、通常の機関運転状態を示す「機関運転モード」に移行される。
「機関運転モード」の設定時には、電磁クラッチ15によってベルト伝動機構19がクランクシャフト17に駆動連結され、補機類が内燃機関10の出力で駆動される。また発電電動機40も、ベルト伝動機構19を通じて内燃機関10の出力が伝達される。このときの発電電動機40は、発電機として機能され、その発電された電力はバッテリ18に充電される。
こうした「機関運転モード」の設定中に、運転者によってイグニッションスイッチが「OFF」位置に操作されると、制御装置50は、通常の機関停止処理を実行して内燃機関10を停止させ、その制御モードを上記「機関停止モード」に移行する。
一方、「機関運転モード」の設定中にアイドルストップ実行条件が成立すると、制御装置50の制御モードは、内燃機関10を自動停止させるための機関停止処理を実行する「自動停止実行モード」に移行される。本実施形態では、上記アイドルストップ実行条件として、例えば下記の(a1)〜(a5)等の条件すべての成立をもって、アイドルストップ実行条件の成立を判断している。
(a1)アクセル操作量が「0」である。
(a2)車速が所定速度以下である。
(a3)ブレーキペダルが踏込まれている。
(a4)冷却水温度が所定温度Ta以上である。
(a5)バッテリ18の充電量が所定値以上である、等。
(a1)アクセル操作量が「0」である。
(a2)車速が所定速度以下である。
(a3)ブレーキペダルが踏込まれている。
(a4)冷却水温度が所定温度Ta以上である。
(a5)バッテリ18の充電量が所定値以上である、等。
こうして制御モードが「自動停止実行モード」に移行されると、制御装置50は、燃料供給を停止して内燃機関10を停止させる。そして内燃機関10が完全に停止したことが確認されると、制御装置50の制御モードは、アイドルストップによる機関停止状態を示す「自動停止中モード」に移行される。
「自動停止中モード」の設定がなされると、電磁クラッチ15によるクランクシャフト17とベルト伝動機構19との駆動連結が解除される。これとともに、発電電動機40が電動機として稼働され、その出力により補機が駆動される。これにより、アイドルストップによる内燃機関10の停止中も、補機の駆動が維持される。
こうした「自動停止中モード」の設定中に機関再始動実行条件が成立すると、制御装置50の制御モードが、内燃機関10を再始動させるための再始動処理を実行する「自動始動モード」に移行される。本実施形態では、上記再始動実行条件として、例えば下記の(b1)〜(b3)等の条件のいずれかの成立をもって、機関再始動実行条件の成立を判断している。
(b1)ブレーキペダルの踏込みが解除された。
(b2)アクセル操作量が「0」でない。
(b3)バッテリ18の充電量が所定値未満に低下した、等。
(b1)ブレーキペダルの踏込みが解除された。
(b2)アクセル操作量が「0」でない。
(b3)バッテリ18の充電量が所定値未満に低下した、等。
こうして制御モードが「自動始動モード」に移行されると、電磁クラッチ15によってクランクシャフト17がベルト伝動機構19に再接続される。これとともに、発電電動機40が電動機として稼働され、その出力によって内燃機関10の再始動が行われる。内燃機関10の再始動が完了すると、制御装置50の制御モードが上記「機関運転モード」に移行される。
このように本実施形態ではいわゆるエコラン運転を実施することにより、燃料消費量や排気の排出量を低減するようにしている。
他方、内燃機関10の運転中には以下のようにして排気成分の排出量を低減するようにしている。すなわち、上記上流側排気センサ67の検出信号に基づいて燃料噴射弁20から噴射される燃料噴射量をフィードバック補正することにより空燃比を目標空燃比に制御する、いわゆる空燃比フィードバック制御を実行するようにしている。なお、この目標空燃比は上記触媒装置16の排気浄化作用を引き出すために、通常、理論空燃比が設定される。ちなみに、この空燃比フィードバック制御は、従来より行われている制御であるため、詳細な説明は省略するが、概略は以下のとおりになっている。
他方、内燃機関10の運転中には以下のようにして排気成分の排出量を低減するようにしている。すなわち、上記上流側排気センサ67の検出信号に基づいて燃料噴射弁20から噴射される燃料噴射量をフィードバック補正することにより空燃比を目標空燃比に制御する、いわゆる空燃比フィードバック制御を実行するようにしている。なお、この目標空燃比は上記触媒装置16の排気浄化作用を引き出すために、通常、理論空燃比が設定される。ちなみに、この空燃比フィードバック制御は、従来より行われている制御であるため、詳細な説明は省略するが、概略は以下のとおりになっている。
本実施形態における空燃比フィードバック制御は、上流側排気センサ67により検出される空燃比に基づいて基本燃料噴射量に対する補正値を算出する燃料噴射量補正処理、及び下流側排気センサ68により検出される空燃比に基づいて上記補正値を一定量ずつ修正する補正値修正処理(以下、サブフィードバック制御という)として実行される。
燃料噴射量補正処理では、まず、機関回転速度や負荷に応じた基本燃料噴射量が制御装置50により設定される。次に、上流側排気センサ67の出力により、現在の空燃比がリーンであるか、或いはリッチであるかが検出される。そして燃料噴射量補正処理によって、この検出された空燃比に応じた前記基本燃料噴射量の補正が行われる。すなわち、空燃比がリーンである場合には上記補正値は増大され、基本燃料噴射量は増量補正される。また、空燃比がリッチである場合には上記補正値は減少され、基本燃料噴射量は減量補正される。
一方、サブフィードバック制御では、まず、下流側排気センサ68の出力により、触媒装置16を通過した後の空燃比のリーン、或いはリッチが検出される。そして、前記サブフィードバック制御により、この検出結果がリーンであれば、前記補正値に対する修正値であるサブフィードバック実行値SBRが一定量ずつ増大され、検出結果がリッチであれば、同サブフィードバック実行値SBRは一定量ずつ減少される。従ってこのサブフィードバック実行値SBRは触媒装置16の状態、すなわち排気浄化触媒の酸化還元作用の状態に応じた値に設定される。
そして、このように更新されるサブフィードバック実行値SBRを用いて上記補正値は修正され、この修正された補正値が最終的な補正値とされる。そして、前記基本燃料噴射量はこの最終的な補正値によって補正される。このような空燃比フィードバック制御によって、触媒装置16による排気成分の浄化状態を考慮した燃料噴射量の補正が実施され、排気エミッションの向上が図られる。
次に機関の始動状態が自動始動時以外の状態、すなわち運転者がイグニッションスイッチ等を操作することではじめて機関始動がなされる通常の機関始動時において、上記サブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されるサブフィードバック学習値SBGについてその算出にかかる処理手順を、図3を併せ参照して説明する。
このサブフィードバック学習値算出処理は、機関運転中にあって上記サブフィードバック制御が実行されているときに、制御装置50によって所定時間毎に繰り返し実行される。また、下流側排気センサ68の出力によって検出される空燃比が所定回数以上反転したときに、すなわちリッチからリーンへ、あるいはリーンからリッチへ反転した回数が所定回数以上(本実施形態では2回以上)となり、同下流側排気センサ68に故障が生じていないことを確認した後に実行される。
本処理が開始されると、まず、現在のサブフィードバック実行値SBRと現在のサブフィードバック学習値SBGとの偏差ΔSBが算出される(ステップS110)。なお、本実施形態ではサブフィードバック学習値SBGのデフォルト値であるサブフィードバック学習初期値SBDが予め設定されており、同デフォルト値を「0」としているが、この値は触媒装置16による排気浄化が好適に行われる値であれば、適宜に変更することができる。また、このサブフィードバック学習初期値SBDを機関運転状態に応じて可変設定するようにしてもよい。
次に、現在のサブフィードバック学習値SBGが現在のサブフィードバック実行値SBRよりも所定の値だけ小さいか否かが判定される(ステップS120)。この判定は次の条件式(1)が満たされる場合に肯定判定される。
偏差ΔSB≧判定値A …(1)
上記判定値Aは、下流側排気センサ68の出力に応じて変化するサブフィードバック実行値SBRの変化量がある程度大きく、現在のサブフィードバック学習値SBGとの偏差が増大した場合にサブフィードバック学習値SBGを更新するために設定されている。この判定処理によって、サブフィードバック学習値SBGは変動の少ない安定した値として算出されるようになる。なお、判定値Aは「0」よりも大きい値が設定されている。
そして、ステップS120の処理にて肯定判定される場合には(ステップS120:YES)、現在のサブフィードバック学習値SBGがサブフィードバック実行値SBRよりも小さく、かつ両者の偏差が大きい状態にあるといえる。そこで、サブフィードバック学習値SBGをサブフィードバック実行値SBRに近づけるべく、次式(2)に基づいてサブフィードバック学習値SBGの更新が行われる。(ステップS130)。
更新後のサブフィードバック学習値SBG
=現在のサブフィードバック学習値SBG+加算値α …(2)
なお、加算値αはサブフィードバック学習値SBGを増大させるための値であり、実験等を通じて求められた最適な値が設定されている。
こうしてサブフィードバック学習値SBGの更新がなされると本処理は一旦終了される。
一方、ステップS120の処理にて否定判定される場合には(ステップS120:NO)、現在のサブフィードバック学習値SBGが現在のサブフィードバック実行値SBRよりも所定の値だけ大きいか否かが判定される(ステップS140)。この判定は次の条件式(3)が満たされる場合に肯定判定される。
一方、ステップS120の処理にて否定判定される場合には(ステップS120:NO)、現在のサブフィードバック学習値SBGが現在のサブフィードバック実行値SBRよりも所定の値だけ大きいか否かが判定される(ステップS140)。この判定は次の条件式(3)が満たされる場合に肯定判定される。
偏差ΔSB≦判定値B …(3)
上記判定値Bも、下流側排気センサ68の出力に応じて変化するサブフィードバック実行値SBRの変化量がある程度大きく、現在のサブフィードバック学習値SBGとの偏差が増大した場合にサブフィードバック学習値SBGを更新するために設定されている。この判定処理によって、サブフィードバック学習値SBGは変動の少ない安定した値として算出されるようになる。なお、判定値Bは「0」よりも小さい値が設定されている。
そして、ステップS140の処理にて肯定判定される場合には(ステップS140:YES)、現在のサブフィードバック学習値SBGがサブフィードバック実行値SBRよりも大きく、かつ両者の偏差が大きい状態にあるといえる。そこで、サブフィードバック学習値SBGをサブフィードバック実行値SBRに近づけるべく、次式(4)に基づいてサブフィードバック学習値SBGの更新が行われる。(ステップS150)。
更新後のサブフィードバック学習値SBG
=現在のサブフィードバック学習値SBG−減算値β …(4)
なお、減算値βはサブフィードバック学習値SBGを減少させるための値であり、実験等を通じて求められた最適な値が設定されている。
こうしてサブフィードバック学習値SBGの更新がなされると本処理は一旦終了される。
他方、ステップS140の処理にて否定判定される場合には(ステップS140:NO)、現在のサブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック実行値SBRとの偏差が小さく、サブフィードバック学習値SBGを更新する必要がないため、現在のサブフィードバック学習値SBGを更新することなく、本処理は一旦終了される。
他方、ステップS140の処理にて否定判定される場合には(ステップS140:NO)、現在のサブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック実行値SBRとの偏差が小さく、サブフィードバック学習値SBGを更新する必要がないため、現在のサブフィードバック学習値SBGを更新することなく、本処理は一旦終了される。
これら一連の処理によって算出されたサブフィードバック学習値SBGは、基本燃料噴射量を補正する上記補正値を修正するための値であって、かつ機関運転状態が反映された値となる。
こうして算出されたサブフィードバック学習値SBGを通常の機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定することにより、機関始動後において触媒装置16の排気浄化機能を発揮させるための空燃比設定を速やかに行うことができるようになる。
ところで、エコラン運転が実施される内燃機関10では、上述したような所定の条件が成立しさえすれば機関の自動停止や自動始動が実行される。そのため、場合によっては機関の自動始動と自動停止とが頻繁に行われることがある。
ここで、サブフィードバック実行値SBRは機関運転中において一定量ずつ増大、あるいは減少される。そのため、機関の自動始動と自動停止とが頻繁に行われる場合には、機関運転中においてサブフィードバック実行値SBRの変化量が大きくなる前に、換言すれば上記偏差ΔSBが判定値A以上となる前に、あるいは同偏差ΔSBが判定値B以下となる前に機関停止が行われ、上記サブフィードバック学習値SBGの更新機会が減少するようになる。そして、次に実施される自動始動時において、サブフィードバック実行値SBRの初期値として更新されていない同じサブフィードバック学習値SBGが設定されると、前回自動始動が実施されたときに変化したサブフィードバック実行値SBRが再び更新されていないサブフィードバック学習値SBGに設定される。そして、上述したような態様により、サブフィードバック実行値SBRの変化量が少ない場合には、再度サブフィードバック学習値SBGの更新が実施されないままになる。そしてこのようなことが繰り返されることにより、サブフィードバック学習値SBGの更新ができなくなる場合がある。
そのため、機関の自動始動と自動停止とが頻繁に行われる場合において、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合(例えば機関運転状態が高回転高負荷状態のときに学習された値である場合など)には、その値が更新されることなく、そのままの値で何度も機関始動が行われることになる。従って、排気エミッション等が悪化するおそれがある。
そこで本実施形態では、機関の自動始動が実行されるときのサブフィードバック実行値SBRの初期値として、上記サブフィードバック学習値SBGから乖離した値を設定するようにしている。具体的には機関運転中に更新されるサブフィードバック実行値SBRについて、機関停止直前の値を保持したサブフィードバック記憶値SBM及び上記サブフィードバック学習初期値SBDのいずれか一方を所定の条件に基づいて選択し、この選択された値を自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにしている。
図4は、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRを設定するための処理手順を示している。この処理は、制御装置50によって所定時間毎に繰り返し実施される。
本処理が開始されると、まず、機関の自動始動時であるか否かが判断される(ステップS210)。ここでは、上述した機関再始動実行条件が成立して、制御モードが「自動始動モード」に移行したときに肯定判定される。そして、自動始動時でない旨判断された場合には(ステップS210:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、自動始動時である旨判断された場合には(ステップS210:YES)、エコラン停止カウンタCTが判定値C未満であるか否かが判定される(ステップS220)。このエコラン停止カウンタCTは、今回の自動始動が実施される前の機関停止時間をカウントした値であり、同機関停止時間が長くなるほどその値は増大する。また、同エコラン停止カウンタCTは、後述する判定値Cとの比較が行われた後に「0」にリセットされる。判定値Cは機関停止時間が長く、機関停止中に排気浄化触媒(触媒装置16)の状態が変化したことを判定するための値であって、予め設定されている。
そして、エコラン停止カウンタCTが判定値C未満である旨判定されたときには(ステップS220:YES)、機関停止時間が短く、排気浄化触媒の状態、より具体的にはその温度状態はそれほど変化していないと判断できる。そのため、サブフィードバック記憶値SBMが、今回機関の自動始動が実施されるときのサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定され(ステップS230)、本処理は一旦終了される。このサブフィードバック記憶値SBMは、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBRを保持した値であり、機関停止実行時において制御装置50のメモリに一時的に記憶される。
このように機関停止が行われる直前に記憶されたサブフィードバック実行値SBR、すなわち機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定されたサブフィードバック実行値SBRが、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として速やかに設定される。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化が抑制される。
一方、エコラン停止カウンタCTが判定値C以上である旨判定されたときには(ステップS220:NO)、機関停止時間が長く、排気浄化触媒の状態が変化している可能性があると判断できる。そこで、サブフィードバック学習値SBGの初期値であるサブフィードバック学習初期値SBDが、今回機関の自動始動が実施されるときのサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定され(ステップS240)、本処理は一旦終了される。
このようなサブフィードバック学習値SBGの初期値であるサブフィードバック学習初期値SBDは、排気浄化触媒の状態が把握できなくても、ある程度同触媒の排気浄化機能を発揮させることのできる値が予め設定されている。そのため、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDが設定される場合には、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化していても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化が安定して抑制される。
図5は、上述したサブフィードバック実行値の設定処理が実行されるときのサブフィードバック実行値SBR、サブフィードバック学習値SBG、及びエコラン停止カウンタCTの推移についてその一例を示している。
時刻t1以前にて機関運転が行われており、下流側排気センサ68の出力がリッチを示しているときには、空燃比をリーン側に移行させるために、サブフィードバック実行値SBRは負の値(SBR<0)に設定され、その値は徐々に小さくされていく。そして、現在のサブフィードバック学習値SBGがサブフィードバック実行値SBRよりも大きく、かつ両者の偏差が大きい状態になると、すなわち偏差ΔSBが判定値B以下になると、サブフィードバック学習値SBGをサブフィードバック実行値SBRに近づけるために、現在のサブフィードバック学習値SBGから減算値βが減算される。
そして、時刻t1において機関の自動停止が実施されると、時刻t1におけるサブフィードバック実行値SBRがサブフィードバック記憶値SBMとして記憶される。また、エコラン停止カウンタCTのカウントが開始される。
時刻t2において機関の自動始動が実施されるときには、機関停止中(時刻t1〜時刻t2)にカウントされたエコラン停止カウンタCTの値が判定値C未満であるか否かが判定される。そして、機関停止時間が短く、エコラン停止カウンタCTの値が判定値C未満であるときには、時刻t2におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック記憶値SBM、すなわち時刻t1におけるサブフィードバック実行値SBRが設定される。
そして、時刻t2以降に実施される機関運転によって、サブフィードバック実行値SBRはサブフィードバック記憶値SBMから徐々に更新されていくため、偏差ΔSBも変化していく。
時刻t3において機関の自動停止が実施され、その後時刻t4において機関の自動始動が実施されるときにあって、エコラン停止カウンタCTが判定値C未満である場合には、時刻t4での自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、時刻t3におけるサブフィードバック実行値SBRが設定される。そして、時刻t4以降に実施される機関運転によって、サブフィードバック実行値SBRは徐々に更新されていき、上述したような判定値との比較によって偏差ΔSBが大きくなったことを確認すると、サブフィードバック学習値SBGの更新が行われる。すなわちサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの乖離度合が大きくなったことを確認すると、サブフィードバック学習値SBGの更新が行われる。
時刻t5において機関の自動停止が実施され、その後時刻t6において機関の自動始動が実施されるときにあって、エコラン停止カウンタCTが判定値C以上である場合には、機関の自動始動におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDが設定される(時刻t6)。このとき、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック実行値SBR(=サブフィードバック学習初期値SBD)との偏差である偏差ΔSBが上述したような判定値との比較によって大きいことを確認すると、サブフィードバック学習値SBGの更新が速やかに行われる(時刻t6)。
そして、時刻t6以降に実施される機関運転によってサブフィードバック実行値SBRの更新が行われ、偏差ΔSBが大きくなると、サブフィードバック学習値SBGの更新が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGから乖離した値を設定するようにしている。そのため、機関の自動始動直後においてはサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(1)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGから乖離した値を設定するようにしている。そのため、機関の自動始動直後においてはサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(2)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBRであるサブフィードバック記憶値SBM、及びサブフィードバック学習初期値SBDのうちのいずれかを設定するようにしている。そのため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、そのような値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(3)サブフィードバック記憶値SBMは、機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定されたサブフィードバック実行値SBRである。そのため、機関停止中における排気浄化触媒の状態がそれほど変化していない場合には、このサブフィードバック記憶値SBMを機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を十分に発揮させることができる。
一方、サブフィードバック学習初期値SBDは通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、排気浄化触媒の状態が機関停止中に変化しているような場合には、サブフィードバック記憶値SBMに代えて、このサブフィードバック学習初期値SBDを、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を好適に発揮させることができる。すなわち、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができる。
そこで上記実施形態では、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、上記サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのうちいずれかを機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて選択するようにしている。そのため、自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を好適な値に設定することができるようになり、もって機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を更に抑制することができるようになる。
(5)機関停止中の排気浄化触媒の状態変化が小さいときには、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、機関停止直前に保持されたサブフィードバック実行値SBRを選択するようにしている。一方、機関停止中の排気浄化触媒の状態変化が先の状態変化が小さいときと比較して大きいときには、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDを選択するようにするようにしている。そのため、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を好適に設定することができる。
(6)機関停止時間が長くなるほど、排気浄化触媒の温度は低下するようになり、その状態変化も大きくなる。そこで上記実施形態では、排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータとして、機関の自動始動が実施される前の機関停止時間、具体的には上記エコラン停止カウンタCTを用いるようにしている。そのため、排気浄化触媒の状態変化を実際に把握することができ、上記サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのうちのいずれかの選択も好適に行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置を具体化した第2の実施形態について、図6、図7を併せ参照して説明する。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置を具体化した第2の実施形態について、図6、図7を併せ参照して説明する。
上記第1の実施形態では、通常の機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGを設定するようにした。また、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのうちのいずれかを排気浄化触媒の状態変化に応じて選択するようにした。
一方、本実施形態では、通常の機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習初期値SBDを設定する一方、自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、後述するサブフィードバック修正学習値SBHを設定するようにしている。そしてこの点以外は基本的に上記第1の実施形態と同様である。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
図6は、機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRを設定するための処理手順を示している。この処理は、制御装置50によって所定時間毎に繰り返し実施される。
本処理が開始されるとまず、現在の機関運転状態が機関始動時にあるか否かが判断される(ステップS310)。そして、機関始動時でない旨判断されたときには(ステップS310:NO)、本処理は一旦終了される。
本処理が開始されるとまず、現在の機関運転状態が機関始動時にあるか否かが判断される(ステップS310)。そして、機関始動時でない旨判断されたときには(ステップS310:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、機関始動時である旨判断されたときには(ステップS310:YES)、現在の機関始動が自動始動であるか否かが判断される(ステップS320)。ここでは、上述した機関再始動実行条件が成立して、制御モードが「自動始動モード」に移行したときに肯定判定される。
そして、自動始動時である旨判断された場合には(ステップS320:YES)、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック修正学習値SBHが設定され(ステップS330)、本処理は一旦終了される。
このサブフィードバック修正学習値SBHは、第1の実施形態で説明したサブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値であって、次式(5)に基づいて算出される。
SBH=(SBD+SBG)/n …(5)
なお本実施形態では、式(5)における「n」を「2」に設定しているが、「n」の値はサブフィードバック修正学習値SBHをサブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値として算出できるのであれば、適宜に変更することができる。
このように、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値が設定されるようになる。このため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合において、そのような学習値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化が抑制される。
また、サブフィードバック学習初期値SBDは通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として少なくともサブフィードバック学習値SBGよりもサブフィードバック学習初期値SBD側の値が設定される同実施形態によれば、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化が安定して抑制される。
一方、自動始動時でない旨判断された場合には(ステップS320:NO)、現在の機関始動が通常の機関始動であるため、機関始動時のサブフィードバック実行値SBRの初期値として、第1の実施形態で説明したサブフィードバック学習初期値SBDが設定され(ステップS340)、本処理は一旦終了される。このステップS340での処理により、機関停止中における排気浄化触媒の状態変化にかかわらず、通常の機関始動時における排気エミッションの悪化が安定して抑制される。
図7は、本実施形態におけるサブフィードバック実行値の設定処理が実行されるときのサブフィードバック実行値SBR、サブフィードバック学習値SBG、及びエコラン停止カウンタCTの推移についてその一例を示している。
時刻t1以前にて機関運転が行われており、下流側排気センサ68の出力がリッチを示しているときには、空燃比をリーン側に移行させるために、サブフィードバック実行値SBRは負の値(SBR<0)に設定され、その値は徐々に小さくされていく。そして、現在のサブフィードバック学習値SBGがサブフィードバック実行値SBRよりも大きく、かつ両者の偏差が大きい状態になると、すなわち偏差ΔSBが判定値B以下になると、サブフィードバック学習値SBGをサブフィードバック実行値SBRに近づけるために、現在のサブフィードバック学習値SBGから減算値βが減算される。
そして、時刻t1において機関の自動停止が実施されると、サブフィードバック実行値SBRの算出が一時的に停止され、同停止時の値が機関停止中はそのまま保持される。また、機関停止中はサブフィードバック実行値SBRの値が保持されるため、サブフィードバック学習値SBGの値も更新されることなく、機関停止時(時刻t1)の値に保持される。
時刻t2において機関の自動始動が実施されるときには、機関停止中(時刻t1〜時刻t2)に保持されていたサブフィードバック学習値SBG、すなわち機関停止直前のサブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとに基づき、サブフィードバック修正学習値SBHが算出される。そしてこの算出された値が機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定される。
この時刻t2において、設定されたサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの乖離度合が大きいと、すなわち偏差ΔSBが第1の実施形態で説明したような判定値との比較によって大きくなったことを確認すると、サブフィードバック学習値SBGの更新が直ちに行われる。
そして、時刻t2以降に実施される機関運転によって、サブフィードバック実行値SBRはサブフィードバック修正学習値SBHから徐々に更新されていくため、偏差ΔSBも変化していく。なお、時刻t2において偏差ΔSBがそれほど大きくなく、サブフィードバック学習値SBGの更新が行われない場合であっても、自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGとは異なる値が設定される。そのため、自動始動が実施された直後からサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にはある程度の乖離が生じるようになる。そして、その乖離度合は時刻t2以降の自動始動実施後における機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGの更新がなされるようになり、同学習値が機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによってその値は自動始動時に適した値に更新されるようになる。
時刻t3において機関の自動停止が実施され、その後時刻t4において機関の自動始動が実施されるときには、時刻t2で行われた処理と同様な態様で、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値が設定される。
そして、時刻t5において機関停止が実施され、時刻t6において通常の機関始動が実施された時には、機関始動時のサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習初期値SBDが設定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値を設定するようにしている。そのため、機関の自動始動直後においてサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになる。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(1)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値を設定するようにしている。そのため、機関の自動始動直後においてサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にある程度の乖離が生じるようになり、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになる。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(2)機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値修正値として、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値を設定するようにしている。そのため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、そのような学習値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
(3)サブフィードバック学習初期値SBDは通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGよりもサブフィードバック学習初期値SBD側の値が設定される上記実施形態によれば、次のような効果が得られる。すなわち、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
(4)通常の機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDを設定するようにしている。そのため、排気浄化触媒の状態変化にかかわらず、通常の機関始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1の実施形態では、サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのいずれかをエコラン停止カウンタCTに基づいて選択し、その選択された値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにした。これに代えて、機関の自動始動時には、サブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック記憶値SBMを必ず設定するようにしてもよい。
・第1の実施形態では、サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのいずれかをエコラン停止カウンタCTに基づいて選択し、その選択された値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにした。これに代えて、機関の自動始動時には、サブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック記憶値SBMを必ず設定するようにしてもよい。
この場合にも、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習値SBGから乖離した値が設定される。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBRであるサブフィードバック記憶値SBMが設定される。そのため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、そのような値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBR、すなわち機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定されたサブフィードバック実行値SBRが機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として速やかに設定される。そのため、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
・第1の実施形態では、サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのいずれかをエコラン停止カウンタCTに基づいて選択し、その選択された値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにした。これに代えて、機関の自動始動時には、サブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDを必ず設定するようにしてもよい。
この場合にも、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習値SBGから乖離した値が設定される。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習初期値SBDが設定される。そのため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、そのような値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、サブフィードバック学習初期値SBDは通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、このような値が機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定される同変形例によれば、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができるようになる。
・第1の実施形態では、サブフィードバック記憶値SBM及びサブフィードバック学習初期値SBDのいずれかをエコラン停止カウンタCTに基づいて選択し、その選択された値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにした。これに代えて、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBR(=サブフィードバック記憶値SBM)からサブフィードバック学習初期値SBDまでの範囲に含まれる値を、機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータ、例えば上記エコラン停止カウンタCTに基づいて選択する。そしてこの選択された値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定するようにしていもよい。
この場合にも、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習値SBGから乖離した値が設定される。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
また、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック記憶値SBMからサブフィードバック学習初期値SBDまでの範囲に含まれる値が可変設定される。そのため、サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合において、そのような学習値が機関の自動始動時おけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として設定されることがなくなり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
ここで、サブフィードバック記憶値SBMは、機関停止直前の排気浄化触媒の状態に応じて設定されたサブフィードバック実行値SBRである。そのため、機関停止中における排気浄化触媒の状態が大きく変化していない場合には、このサブフィードバック記憶値SBMを機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を十分に発揮させることができる。
一方、サブフィードバック学習初期値SBDは通常、排気浄化触媒の浄化機能を発揮させることのできる値が設定される。そのため、排気浄化触媒の状態が機関停止中に大きく変化しているような場合には、機関停止直前に保持されたサブフィードバック実行値SBRに代えて、この学習初期値を機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値とすることにより、再始動直後から排気浄化触媒の浄化機能を好適に発揮させることができる。従って、機関停止中に排気浄化触媒の状態が変化したとしても、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を安定して抑制することができる。
そこでこの変形例では、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック記憶値SBMからサブフィードバック学習初期値SBDまでの範囲に含まれる値を機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて設定するようにしている。そのため、自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を好適な値に設定することができるようになり、もって機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を更に抑制することができるようになる。
なお、機関停止直前のサブフィードバック実行値SBRには、機関停止が行われる前の排気浄化触媒の状態が反映されているため、機関停止中における排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、その値の信頼性は低下する。そこで、上述したような排気浄化触媒の状態変化に応じたサブフィードバック実行値SBRの初期値についての可変設定に際しては、排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、サブフィードバック学習初期値SBD側に近い値が設定される、といった態様をもって排気浄化触媒の状態変化に応じた適切な初期値を設定することができるようになる。
・第2の実施形態では、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの和を「2」で除算した値(=サブフィードバック修正学習値SBH)を設定するようにした。ここで、機関停止直前のサブフィードバック学習値SBGには、機関停止が行われる前の排気浄化触媒の状態が反映されているため、機関停止中における排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、その値の信頼性は低下する。そこで、サブフィードバック修正学習値SBHを機関停止中の排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに基づいて設定するようにしてもよい。この場合には、第2の実施形態で得られる作用効果に加え、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を排気浄化触媒の状態変化に応じた好適な値に設定することができるようになる。
なお、この変形例においては、排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほどサブフィードバック学習初期値SBD側に近い値がサブフィードバック修正学習値SBHとして設定されるようにすることで、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を排気浄化触媒の状態変化に応じた適切な値に設定することができるようになる。
ちなみに、排気浄化触媒の状態変化は上記エコラン停止カウンタCTに基づいて把握することができる。そして例えば、このエコラン停止カウンタCTの値が大きいほど、サブフィードバック学習初期値SBD側に近い値がサブフィードバック修正学習値SBHとして設定されるように、式(5)における「n」の値をエコラン停止カウンタCTに基づいて可変設定させるといった態様により、上記変形例を実施することができる。
・上記各実施形態及びその変形例では、排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータとして、機関の自動始動が実施される前の機関停止時間を用いるようにした。これは、機関停止時間が長くなるほど、排気浄化触媒の温度は低下するようになり、その状態変化も大きくなるためである。他方、上記パラメータとして、機関停止直前の排気浄化触媒の温度と機関の自動始動時における排気浄化触媒の温度との偏差を用いるようにしてもよい。なお、この場合の排気浄化触媒の温度は、機関運転状態等に基づいて推定することができるほか、温度センサ等によって直接検出することもできる。
・第2の実施形態において、第1の実施形態と同様にエコラン停止カウンタCTを算出し、このエコラン停止カウンタCTが所定の判定値よりも小さいときには、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック修正学習値SBHを設定する。一方、同エコラン停止カウンタCTが所定の判定値よりも大きいときには、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習初期値SBDを設定するようにしてもよい。
・第2の実施形態において、通常の機関始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBGを設定するようにしてもよい。この場合でも、第2の実施形態における(1)〜(3)の作用効果を得ることができる。
・上記各実施形態及びその変形例では、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として次のような値を設定するようにした。すなわち、サブフィードバック記憶値SBM、サブフィードバック学習初期値SBD、サブフィードバック記憶値SBMからサブフィードバック学習初期値SBDの間の範囲に含まれる値、サブフィードバック学習値SBGとサブフィードバック学習初期値SBDとの間の値などを設定するようにした。ここで、これらの値は好適な一例であり、本発明にあっては、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、少なくともサブフィードバック学習値SBGから乖離した値を設定するようにすればよい。
すなわち、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習値SBGから乖離した値を設定することにより、機関の自動始動直後においてはサブフィードバック実行値SBRとサブフィードバック学習値SBGとの間にある程度の乖離が生じるようになる。そして、その乖離度合が自動始動実施後の機関運転によって変化するようになる。そのため、たとえ機関の自動停止と自動始動とが頻繁に行われる場合であってもサブフィードバック学習値SBGが更新される可能性が生じるようになる。ひいては同サブフィードバック学習値SBGが機関始動時に適した値として学習されていない場合であっても、機関始動が繰り返されることによって機関始動時に適した値に更新される機会が増大するようになり、機関の自動始動時における排気エミッションの悪化を抑制することができるようになる。
・上記各実施形態及びその変形例では、機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値として、サブフィードバック学習値SBG以外の値を設定するようにした。他方、サブフィードバック学習値SBGが更新されにくい状態を検出し、そのような状態が検出されたときには、上記各実施形態及びその変形例で説明したような態様で機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値を設定する。一方、そのような状態が検出されない場合には機関の自動始動時におけるサブフィードバック実行値SBRの初期値としてサブフィードバック学習値SBGを設定するようにしてもよい。なお、サブフィードバック学習値SBGが更新されにくい状態の検出については、例えば機関の自動始動と自動停止との間の時間が所定の時間よりも短い場合、あるいは予め設定された期間内において所定回数以上機関の自動始動が実行された場合などに、サブフィードバック学習値SBGが更新されにくい状態であると判断することができる。また、機関の自動停止時間が所定の時間よりも長い場合などにもサブフィードバック学習値SBGが更新されにくい状態であると判断することができる。
・上述した上流側排気センサ67及び下流側排気センサ68は、排気の酸素濃度、ひいては混合気の空燃比を検出することのできるセンサであればよい。従ってこれらセンサとして、例えば空燃比のリッチあるいはリーンのみを検出することのできる酸素センサ、あるいは空燃比の度合(リッチ度合やリーン度合)に応じた出力がリニアに得られる空燃比センサ等を用いる空燃比制御装置であれば、本発明は同様に適用することができる。
・本発明は、内燃機関の自動停止・自動始動を行う車両に搭載された内燃機関の空燃比制御装置であれば同様に適用することができ、例えば内燃機関と電動モータとを備える、いわゆるハイブリッド車両にも適用することができる。
10…内燃機関、11…吸気通路、13…排気通路、15…電磁クラッチ、16…触媒装置、17…クランクシャフト、18…バッテリ、19…ベルト伝動機構、20…燃料噴射弁、26…スロットルバルブ、30…変速機、40…発電電動機、45…スタータ、50…制御装置、61…機関回転速度センサ、62…車速センサ、63…水温センサ、64…バッテリセンサ、65…アクセルセンサ、66…吸入空気量センサ、67…上流側排気センサ、68…下流側排気センサ。
Claims (14)
- 所定の条件のもと機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関にあって、同内燃機関の排気浄化触媒の上流側に設けられる上流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて燃料噴射量に対する補正値を算出し、前記排気浄化触媒の下流側に設けられる下流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて前記補正値に対する修正値を算出するとともに、機関運転中に算出される前記修正値からの乖離に基づいて更新される同修正値の学習値を通常の機関始動時における前記修正値の初期値として設定する内燃機関の空燃比制御装置において、
機関の自動始動時における前記修正値の初期値として前記学習値から乖離した値を設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記乖離した値として機関停止直前の前記修正値を設定する
請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記乖離した値として前記学習値の初期値を設定する
請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記乖離した値として、機関停止直前の前記修正値及び前記学習値の初期値のうちいずれかを機関停止中の前記排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに応じて選択し、この選択された値を設定する
請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記乖離した値として、機関停止直前の前記修正値から前記学習値の初期値までの範囲に含まれる値を設定する
請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記乖離した値は前記排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど前記学習値の初期値側に近い値が設定される
請求項5に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 機関停止直前の前記排気浄化触媒の温度と機関の自動始動時における前記排気浄化触媒の温度との偏差を前記パラメータとする
請求項4〜6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 機関の自動始動が実施される前の機関停止時間を前記パラメータとする
請求項4〜6に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 所定の条件のもと機関の自動停止及び自動始動が実施される内燃機関にあって、同内燃機関の排気浄化触媒の上流側に設けられる上流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて燃料噴射量に対する補正値を算出し、前記排気浄化触媒の下流側に設けられる下流側排気センサによって検出される酸素濃度に基づいて前記補正値に対する修正値を算出する内燃機関の空燃比制御装置において、
機関運転中に算出される前記修正値からの乖離に基づいて更新される同修正値の学習値と同学習値の初期値との間の値を修正学習値として設定し、同修正学習値を機関の自動始動時における前記修正値の初期値として設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記修正学習値は機関停止中の前記排気浄化触媒の状態変化を示すパラメータに基づいて設定される
請求項9に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記修正学習値は前記排気浄化触媒の状態変化が大きくなるほど、前記学習値の初期値側に近い値が設定される
請求項10に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 機関停止直前の前記排気浄化触媒の温度と機関の自動始動時における前記排気浄化触媒の温度との偏差を前記パラメータとする
請求項10または11に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 機関の自動始動が実施される前の機関停止時間を前記パラメータとする
請求項10または11に記載の内燃機関の空燃比制御装置。 - 通常の機関始動時における前記修正値の初期値として前記学習値の初期値を設定する
請求項9〜13のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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