JP2005188287A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 還流ガスによる吸気通路内の汚損を抑制しつつ、多くの還流ガスを吸気通路へと流入させる。
【解決手段】 エンジン1の排気還流装置は、第1還流通路31と、第2還流通路32と、二路切り替え弁42とを備える。第1還流通路31は、排気通路12のうち触媒ユニット14よりも上流側の触媒上流部12aから吸気通路2へと延び、触媒上流部12aから排気を還流させる。第2還流通路32は、排気通路12のうち触媒ユニット14よりも下流側の触媒下流部12bから吸気通路2へと延び、触媒下流部12bから排気を還流させる。二路切り替え弁42は、第1還流通路31による還流と第2還流通路32による還流とを切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン1の排気還流装置は、第1還流通路31と、第2還流通路32と、二路切り替え弁42とを備える。第1還流通路31は、排気通路12のうち触媒ユニット14よりも上流側の触媒上流部12aから吸気通路2へと延び、触媒上流部12aから排気を還流させる。第2還流通路32は、排気通路12のうち触媒ユニット14よりも下流側の触媒下流部12bから吸気通路2へと延び、触媒下流部12bから排気を還流させる。二路切り替え弁42は、第1還流通路31による還流と第2還流通路32による還流とを切り替える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の排気還流装置、特に、排気通路に触媒が設けられた内燃機関の排気還流装置に関する。
従来から、自動車のエンジン等の内燃機関において、排気の一部を吸気通路に還流させる排気還流装置を持つものが知られている。
例えば、特許文献1に開示されている内燃機関では、排気管(排気通路)のうち触媒装置の下流の部分からEGR管(還流通路)によって吸気管(吸気通路)へと排気を還流させている。
また、排気通路のうち触媒の上流の部分から吸気通路へと排気を還流させる構成を採る自動車用エンジンも存在する。
このように排気を還流させ、還流通路に設置される流量調整弁を制御することによって、ポンプ損失や冷却損失の低減が図られ、比熱比を増大させることもできるため、燃費向上の効果を得ることができるようになる。
特開2003−83050号公報
上記のような排気還流によって燃費改善を図る内燃機関において、還流させる排気(以下、還流ガスという。)の量を増やせば、更なる燃費向上が達成できる場合がある。還流ガスの量を増やす観点から考えると、排気通路のうち触媒の下流の部分から排気を取り出すよりも、排気通路のうち触媒の上流の部分から排気を取り出すほうが、還流ガスの圧力が高くなり有利である。
但し、排気通路のうち触媒の上流の部分から排気を取り出すときには、触媒を通過していない排気が還流ガスとして吸気通路に流入することになり、還流ガスがブローバイガスなどと反応して吸気通路を汚損する恐れがある。このため、排気通路のうち触媒の上流の部分から排気を還流ガスとして取り出すときには、燃焼室における燃焼安定性の観点から決まる還流ガスの上限量よりも小さい量を上限値として設定し、燃費向上の観点を犠牲にして吸気通路の汚損抑制を優先させている。
これに対し、排気通路のうち触媒の下流の部分から排気を取り出す場合には、触媒を通過した後の排気を還流ガスとして吸気通路に戻すので吸気通路が汚損しにくいという利点があるが、触媒での圧力損失によって還流ガスの圧力が低くなるため、内燃機関が高負荷のときのように吸気通路内の負圧の絶対値(以下、吸気負圧という。)が小さいときは、吸気通路内に十分な還流ガスが流入してこないという問題が生じる。
本発明の課題は、還流される排気(還流ガス)による吸気通路内の汚損を抑制しつつ、多くの還流ガスを吸気通路へと流入させることのできる内燃機関の排気還流装置を提供することにある。
本発明に係る内燃機関の排気還流装置は、第1還流通路と、第2還流通路と、第1開閉機構とを備えている。第1還流通路は、内燃機関の排気通路の触媒上流部から内燃機関の
吸気通路へと延びる通路であり、触媒上流部から排気を還流させる。触媒上流部は、排気通路のうち触媒よりも排気の流れの上流側に位置する部分である。第2還流通路は、排気通路の触媒下流部から吸気通路へと延びる通路であり、触媒下流部から排気を還流させる。触媒下流部は、排気通路のうち触媒よりも排気の流れの下流側に位置する部分である。第1開閉機構は、第1還流通路を開閉する。
吸気通路へと延びる通路であり、触媒上流部から排気を還流させる。触媒上流部は、排気通路のうち触媒よりも排気の流れの上流側に位置する部分である。第2還流通路は、排気通路の触媒下流部から吸気通路へと延びる通路であり、触媒下流部から排気を還流させる。触媒下流部は、排気通路のうち触媒よりも排気の流れの下流側に位置する部分である。第1開閉機構は、第1還流通路を開閉する。
ここでは、排気が、第1還流通路および/または第2還流通路によって、排気通路から吸気通路へと還流する。そして、第1開閉機構が第1還流通路を開けているときには触媒上流部からの排気が吸気通路へと流入するが、第1開閉機構が第1還流通路を閉めているときには触媒上流部からの排気が吸気通路へと流入しない。
本発明によれば、触媒を通過する前の比較的清浄度が低く比較的圧力の高い排気を第1還流通路により吸気通路へと還流させることができるとともに、触媒を通過した後の比較的清浄度が高く比較的圧力の低い排気を第2還流通路により吸気通路へと還流させることができる。さらに、触媒を通過する前の吸気通路を汚損する可能性のある排気の第1還流通路を介した吸気通路への還流を、第1開閉機構で第1還流通路を閉めることによって遮断することができる。
したがって、触媒を通過した後の比較的圧力の低い排気を第2還流通路により吸気通路へと還流させることで十分な量の排気が吸気通路に還流するときには、第1開閉機構で第1還流通路を閉めて、第2還流通路によって触媒を通過した後の比較的清浄度の高い排気を吸気通路へと還流させ、且つ、吸気通路内の吸気負圧が小さく第2還流通路による還流では十分な量の排気を還流させることができないときには、第1開閉機構で第1還流通路を開けて、触媒を通過する前の比較的圧力の高い排気を第1還流通路により吸気通路へと還流させることができるようになる。このように制御することができるようになるため、本発明の内燃機関の排気還流装置では、原則としては触媒を通過した後の比較的清浄度の高い排気を第2還流通路経由で還流させ、必要に応じて触媒を通過する前の比較的圧力の高い排気を第1還流通路により吸気通路へと還流させることが可能になり、還流される排気による吸気通路内の汚損を抑制しつつ、多くの排気を吸気通路へと還流させることが実現できる。
<エンジンの概略構成および動作>
本発明の一実施形態に係る排気還流装置が用いられるエンジン(内燃機関)およびその制御装置を、図1に示す。
本発明の一実施形態に係る排気還流装置が用いられるエンジン(内燃機関)およびその制御装置を、図1に示す。
エンジン1は、吸気通路2、燃焼室7、排気通路12、電制スロットル5、吸気バルブ6、排気バルブ11、燃料噴射弁9、点火プラグ10、触媒ユニット14、コントロールユニット(制御装置)50などから構成されている。また、このエンジン1の排気還流装置は、後述のように、排気通路12から吸気通路2へと排気を還流させる還流通路31,32,36,38と、EGR量調整バルブ41と、二路切り替え弁42とを有している。
吸気通路2は、燃焼室7に空気を吸入させるための通路である。吸気通路2には、エアクリーナ3、エアーフローメータ4、電制スロットル5が配置されている。エアーフローメータ4の信号がコントロールユニット50に送られると、コントロールユニット50が燃焼室7へ吸入させる吸入空気量を演算し、電制スロットル5に指令を送る。電制スロットル5は、燃焼室7への吸入空気量を調整するためのスロットルバルブであり、コントロールユニット50からの指令に基づき燃焼室7に入る空気の量を調節する。
また、吸気通路2は、図2に示すように、燃焼室7の手前で、燃焼室7に開口する第1
吸気ポート2aと第2吸気ポート2bとに分岐している。これらの吸気ポート2a,2bに対して、タンブル制御弁22が設けられている。また、吸気ポート2a,2bには、タンブル制御弁22のシャフト近傍から燃焼室7側に延びる分割プレート21も設けられている。分割プレート21は、吸気ポート2a,2bの内部空間を上下に2分割し、吸気ポート2a,2bの内部空間を上側通路と下側通路とに分ける。このうち、下側通路は、タンブル制御弁22により開閉される。タンブル制御弁22によって吸気ポート2a,2bの下側通路を閉じた状態で吸気が為されると、燃焼室7内におけるタンブル流が強化される。
吸気ポート2aと第2吸気ポート2bとに分岐している。これらの吸気ポート2a,2bに対して、タンブル制御弁22が設けられている。また、吸気ポート2a,2bには、タンブル制御弁22のシャフト近傍から燃焼室7側に延びる分割プレート21も設けられている。分割プレート21は、吸気ポート2a,2bの内部空間を上下に2分割し、吸気ポート2a,2bの内部空間を上側通路と下側通路とに分ける。このうち、下側通路は、タンブル制御弁22により開閉される。タンブル制御弁22によって吸気ポート2a,2bの下側通路を閉じた状態で吸気が為されると、燃焼室7内におけるタンブル流が強化される。
吸気バルブ6は、吸気通路2を流れてくる空気を、所定のタイミングで燃焼室7に導入させる。これらの吸気バルブ6は、図示しないクランクシャフトの回転に応じて回転する吸気カムにより駆動される。
燃焼室7は、シリンダヘッド下面と、シリンダ内壁と、ピストン8の冠面とにより形成される空間(すきま容積部)である。ピストン8は、シリンダ内壁に沿って往復運動をするものであり、その冠面にはキャビティ8aが設けられている。
燃焼室7の上部には、燃料噴射弁9および点火プラグ10が配設されている。点火プラグ10は、燃焼室7の上部の中央に配置されている。燃料噴射弁9は、筒内(燃焼室7内)に直接燃料を噴射する装置である。燃料は、燃料噴射弁9から燃焼室7内に直接燃料を噴射できるように、図示しない高圧燃料ポンプで昇圧されている。
高圧燃料ポンプから燃料噴射弁9へと燃料を送る高圧燃料配管には燃圧センサが配置されており、その燃圧センサの信号はコントロールユニット50に送られる。運転状態に応じて必要な燃圧が変化するため、コントロールユニット50により高圧燃料ポンプの作動制御が行なわれる。また、コントロールユニット50には、アクセル開度センサ、クランク角センサ、冷却水温センサの各信号が入力される。これらのアクセル信号、クランク角信号および冷却水温センサ信号を基に、コントロールユニット50は、それぞれ、要求トルク、エンジン回転数、エンジン温度を演算し、エンジン1の運転状態および要求トルクに応じて、燃料噴射弁9や点火プラグ10を作動させる。
コントロールユニット50は、燃料噴射弁9からの燃料噴射のタイミングを変えることで、暖機後の低負荷時には燃焼室7内で成層燃焼を行わせ、それ以外のときには均質燃焼を行わせる。
成層燃焼時には、圧縮行程中に燃料噴射弁9が燃料噴射を行い、ピストン8のキャビティ8a内およびその上空の領域に比較的大きな混合気の塊を形成させて点火プラグ10の周りに混合気を集中させるとともに、その混合気の周囲を燃料のない空気層とする。この状態で点火プラグ10により点火して成層燃焼を行うと、超希薄燃焼となって燃費が向上する。このような成層燃焼を行う運転領域(成層域)は、後述する図3に示す成層域Aである。
一方、均質燃焼時には、吸気行程中に燃料噴射弁9が燃料噴射を行い、燃焼室7の全域に均質な混合気を形成させる。このように燃焼室7内の混合気の空燃比が全体的に均一である状態で燃焼を行うと、すなわち均質燃焼を行うと、成層燃焼に較べて高い出力を出すことができる。均質燃焼を行う運転領域(均質域)は、図3に示す均質域B,Cである。均質燃焼は、図3に示すように、概ね中高負荷時に行われる。
排気通路12は、燃焼室7内で燃焼した後のガスを排気として燃焼室7から排出するための通路である。この排気通路12と燃焼室7との間に配置される排気バルブ11は、図示しないクランクシャフトの回転に応じて回転する排気カムにより駆動される。排気バルブ11が開くと、燃焼室7内のガスは、排気通路12に導かれて排出される。排気通路12には、排気空燃比センサ13と、排気を浄化するための触媒ユニット14と、排気の圧
力を検出する排気圧センサ52とが配設されている。また、触媒ユニット14には、温度センサ(図示せず)が設置されている。これらの各センサにより検出された排気空燃比、排気圧力および触媒温度のデータは、随時コントロールユニット50に送られる。コントロールユニット50は、排気空燃比センサ13の出力値が排気浄化に必要な空燃比になるように、燃料噴射弁9から噴射する燃料量を演算する。また、コントロールユニット50は、触媒ユニット14の温度センサで検出された触媒温度に応じて、触媒ユニット14の触媒活性状態を判定する。さらに、コントロールユニット50は、後述の二路切り替え弁42の制御において、排気圧センサ52により測定される圧力データを使用する。
力を検出する排気圧センサ52とが配設されている。また、触媒ユニット14には、温度センサ(図示せず)が設置されている。これらの各センサにより検出された排気空燃比、排気圧力および触媒温度のデータは、随時コントロールユニット50に送られる。コントロールユニット50は、排気空燃比センサ13の出力値が排気浄化に必要な空燃比になるように、燃料噴射弁9から噴射する燃料量を演算する。また、コントロールユニット50は、触媒ユニット14の温度センサで検出された触媒温度に応じて、触媒ユニット14の触媒活性状態を判定する。さらに、コントロールユニット50は、後述の二路切り替え弁42の制御において、排気圧センサ52により測定される圧力データを使用する。
触媒ユニット14は、上流側触媒14aおよび下流側触媒14bを有するタンデム型の触媒ユニットである。この触媒ユニット14を排気が通過する際に、排気中のNOxが還元し、排気中のHC,COが酸化して、排気が浄化される。なお、触媒ユニット14を通過する前の排気通路12の触媒上流部12aにある排気(以下、触媒上流側排気という。)と、触媒ユニット14を通過した後の排気通路12の触媒下流部12bにある排気(以下、触媒下流側排気という。)とを比較すると、排気圧力は、触媒上流側排気のほうが触媒下流側排気よりも触媒ユニット14における圧力損失分だけ大きく、排気温度は、触媒上流側排気のほうが触媒下流側排気よりも触媒ユニット14における化学反応による反応熱の分だけ低くなる。
エンジン1の排気還流装置は、主として、第1還流通路31と、第2還流通路32と、共用還流通路36,38と、EGR量調整バルブ(流量調整弁)41と、二路切り替え弁(第1開閉機構)42とから構成されている。
第1還流通路31は、排気通路12の触媒上流部12aから触媒上流側排気を吸気通路2へと還流させるために設けられる通路であり、触媒上流部12aから吸気通路2へと延びている。
第2還流通路32は、排気通路12の触媒下流部12bから触媒下流側排気を吸気通路2へと還流させるために設けられる通路であり、触媒下流部12bから吸気通路2へと延びている。これらの第1、第2還流通路31,32の端部は、二路切り替え弁42を介して共用還流通路36,38と連通する。
二路切り替え弁42は、電磁式の弁であり、第1還流通路31と共用還流通路36とが連通する第1状態と、第2還流通路32と共用還流通路36とが連通する第2状態とに、選択的に切り替わる。コントロールユニット50からの指令により二路切り替え弁42が第1状態に切り替わっているときには、触媒上流側排気が共用還流通路36,38へと流れて吸気通路2に流入することになるが、触媒下流側排気は二路切り替え弁42によって遮断され第2還流通路32から共用還流通路36へと流れていかない。一方、二路切り替え弁42が第2状態に切り替わっているときには、触媒下流側排気が共用還流通路36,38へと流れて吸気通路2に流入することになるが、触媒上流側排気は二路切り替え弁42によって遮断され第1還流通路31から共用還流通路36へと流れていかない。
EGR量調整バルブ41は、共用還流通路36と共用還流通路38との間に配置されており、共用還流通路36,38を流れて吸気通路2へと流れ込む排気である還流ガスの量を調整する。このEGR量調整バルブ41は、ステップモータによって電気的に弁体を駆動する電気制御式のバルブであり、コントロールユニット50からステップモータに入力されてくるパルス信号の総数(以下、ステップ数という。)によって弁開度が決まる。なお、ステップモータは、ステッピングモータ、ステッパー、パルスモータなどと呼ばれることもある。
<排気還流装置の制御>
コントロールユニット50は、図3に示す運転領域と排気還流との相関マップに基づき
、エンジン1の要求トルク(負荷)および回転数に応じて排気還流を制御する。これにより、各運転領域においては、以下のように排気還流が為される。
コントロールユニット50は、図3に示す運転領域と排気還流との相関マップに基づき
、エンジン1の要求トルク(負荷)および回転数に応じて排気還流を制御する。これにより、各運転領域においては、以下のように排気還流が為される。
図3のマイナストルク領域Dにおいては、排気還流は実施されない。
図3の成層域Aにおいては、排気還流が実施される。ここでは、還流ガスの取り出しが排気通路12の触媒下流部12bから行われるように、二路切り替え弁42を、第2還流通路32と共用還流通路36とが連通する第2状態にする。これにより、触媒下流側排気が、排気通路12の触媒下流部12bから取り出され、還流ガスとして共用還流通路36,38を介して吸気通路2へと流れる。
図3の均質域Bにおいても、排気還流が実施される。但し、要求トルクおよび回転数が比較的小さい領域(a)では、成層域Aのときと同様に排気通路12の触媒下流部12bから触媒下流側排気が取り出されるのに対し、要求トルクおよび回転数が比較的大きい領域(b)では排気通路12の触媒上流部12aから触媒上流側排気が取り出される。すなわち、均質域Bのうち領域(b)では、還流ガスの取り出しが排気通路12の触媒上流部12aから行われるように、二路切り替え弁42を、第1還流通路31と共用還流通路36とが連通する第1状態に切り替える。これにより、触媒上流側排気が、排気通路12の触媒上流部12aから取り出され、還流ガスとして共用還流通路36,38を介して吸気通路2へと流れるようになる。
図3の均質域Cにおいては、排気還流は実施されない。
また、排気還流を実施するときに、コントロールユニット50は、図示しない制御マップを参照して、要求トルクおよび回転数に基づきEGR量調整バルブ41の弁開度を決め、その弁開度に応じたステップ数をEGR量調整バルブ41に送る。
次に、図4の制御フローを参照して、上記のような排気還流を実現させるための二路切り替え弁42の状態切り替え制御について説明を行う。
まず、ステップS1では、排気通路12と吸気通路2との差圧が演算される。排気通路12の圧力は、排気通路12の触媒下流部12bに設置されている排気圧センサ52によって測定されており、吸気通路2の圧力は、吸気通路2に設置されている吸気圧センサ51によって測定されている。
次に、ステップS2では、排気通路12と吸気通路2との差圧が所定値以上であるか否かが判断される。ここでは、所定値を一律の値としている。
ステップS2で排気通路12と吸気通路2との差圧が所定値よりも少ない場合には、ステップS3に移行する。ステップS3では、要求されている還流ガス量(以下、要求還流ガス量という。)が所定量以上であるか否かが判断される。要求還流ガス量は、要求トルクおよび回転数に基づき決まる値である。
ステップS3で要求還流ガス量が所定量以上であると判断されると、ステップS4に移行し、触媒上流部12aから触媒上流側排気が取り出され還流ガスとして吸気通路2へと流れるように、具体的には二路切り替え弁42が第1還流通路31と共用還流通路36とを連通させる第1状態となるように、二路切り替え弁42を制御する。
一方、ステップS2で排気通路12と吸気通路2との差圧が所定値以上確保されていると判断された場合、およびステップS3で要求還流ガス量が所定量よりも少ないと判断された場合には、ステップS5に移行して、触媒下流部12bから触媒下流側排気が取り出され還流ガスとして吸気通路2へと流れるように、具体的には二路切り替え弁42が第2還流通路32と共用還流通路36とを連通させる第2状態となるように、二路切り替え弁42を制御する。
このように、エンジン1のコントロールユニット50は、成層域Aや均質域Bのうち比較的要求トルクや負荷が小さい領域(a)においては、触媒下流部12bから触媒下流側排気が取り出され還流ガスとして吸気通路2へと送られるように、二路切り替え弁42の状態を決定(制御)している。また、均質域Bのうち比較的要求トルクや負荷が大きい領域(b)では、要求還流ガス量が多いにもかかわらず排気通路12と吸気通路2との差圧が十分に確保されていない状態となることに鑑み、触媒下流部12bよりも排気圧力の高い触媒上流部12aから触媒上流側排気が取り出され還流ガスとして吸気通路2へと送られるように、二路切り替え弁42の状態を決定している。
<本エンジンの排気還流装置の特徴>
(1)
エンジン1の排気還流装置は、触媒ユニット14を通過する前の比較的圧力の高い触媒上流側排気を第1還流通路31により吸気通路2へと還流させることができるとともに、触媒ユニット14を通過した後の比較的圧力の低い触媒下流側排気を第2還流通路32により吸気通路2へと還流させることができる。さらに、触媒ユニット14を通過する前の吸気通路2を汚損する恐れのある触媒上流側排気の第1還流通路31を介した吸気通路2への還流を、二路切り替え弁42を第2状態とすることで遮断することができる。
(1)
エンジン1の排気還流装置は、触媒ユニット14を通過する前の比較的圧力の高い触媒上流側排気を第1還流通路31により吸気通路2へと還流させることができるとともに、触媒ユニット14を通過した後の比較的圧力の低い触媒下流側排気を第2還流通路32により吸気通路2へと還流させることができる。さらに、触媒ユニット14を通過する前の吸気通路2を汚損する恐れのある触媒上流側排気の第1還流通路31を介した吸気通路2への還流を、二路切り替え弁42を第2状態とすることで遮断することができる。
このような構成を利用して、コントロールユニット50は、触媒ユニット14を通過した後の比較的圧力の低い触媒下流側排気を第2還流通路32により吸気通路2へと還流させることで十分な量の排気が吸気通路2に還流するときには、二路切り替え弁42で第1還流通路31を閉めて第2還流通路32だけによって比較的清浄度の高い触媒下流側排気を吸気通路2へと還流させ、排気通路12と吸気通路2との差圧が十分に確保されておらず第2還流通路32による還流だけでは十分な量の排気を還流させることができないときには、二路切り替え弁42を第1状態として、比較的圧力の高い触媒上流側排気を第1還流通路31により吸気通路2へと還流させている。このような制御が行われるため、エンジン1では、低負荷・低回転の運転領域で排気還流を行うときには、触媒ユニット14を通過する前の触媒上流部12aの触媒上流側排気が還流してこないので還流ガスによる吸気通路2内の汚損が少なくなるとともに、高負荷・高回転の運転領域で大量の還流ガスが要求されるときには、排気圧力の高い触媒上流側排気を吸気通路2へと還流させ、大きな還流ガス量を確保することが可能になっている。
言い換えれば、エンジン1では、排気通路12のうち触媒上流部12aからのみ排気を還流ガスとして還流させる構成を採る場合に較べて、還流ガスとブローバイガスとの混合による吸気通路2内でのガム状物質の発生が抑えられ、他の手当をしなくても、バルブ類が固着するなどの不具合の発生が殆どなくなる。また、エンジン1では、排気通路12のうち触媒下流部12bからのみ排気を還流ガスとして還流させる構成を採る場合に較べて、高負荷・高回転の運転領域においても大量の還流ガス量を確保することができるようになり、更なる燃費向上が実現されるようになる。
(2)
エンジン1では、触媒ユニット14が、上流側触媒14aと下流側触媒14bとから構成されている。そして、エンジン1の排気還流装置においては、第1還流通路31を、両触媒14a,14bの間ではなく、排気の流れの上流に位置し排気バルブ11との間に他の触媒が存在しない上流側触媒14aよりも上流側の部分から、すなわち排気通路12の触媒上流部12aから吸気通路2へと延ばしている。
エンジン1では、触媒ユニット14が、上流側触媒14aと下流側触媒14bとから構成されている。そして、エンジン1の排気還流装置においては、第1還流通路31を、両触媒14a,14bの間ではなく、排気の流れの上流に位置し排気バルブ11との間に他の触媒が存在しない上流側触媒14aよりも上流側の部分から、すなわち排気通路12の触媒上流部12aから吸気通路2へと延ばしている。
したがって、二路切り替え弁42を第1状態に切り替え、第1還流通路31によって触媒上流側排気を吸気通路2へと還流させる際の排気圧力は、排気通路12の中でも最も高いものとなっている。このため、吸気負圧が低い場合であっても、高い排気圧力によって
排気通路12から触媒上流側排気を還流ガスとして吸気通路2に押し込むことができ、大量の還流ガスが要求される場合にも、その要求に応えることができるようになっている。
排気通路12から触媒上流側排気を還流ガスとして吸気通路2に押し込むことができ、大量の還流ガスが要求される場合にも、その要求に応えることができるようになっている。
(3)
エンジン1では、コントロールユニット50が、吸気通路2での圧力測定値と排気通路12の触媒下流部12bでの排気圧力測定値とに基づき両者の差圧を演算し、その差圧が所定値に満たないときに、触媒下流部12bよりも排気圧力の高い触媒上流部12aから触媒上流側排気を取り出し還流させる方向で制御を行っている(図4の制御フロー参照)。
エンジン1では、コントロールユニット50が、吸気通路2での圧力測定値と排気通路12の触媒下流部12bでの排気圧力測定値とに基づき両者の差圧を演算し、その差圧が所定値に満たないときに、触媒下流部12bよりも排気圧力の高い触媒上流部12aから触媒上流側排気を取り出し還流させる方向で制御を行っている(図4の制御フロー参照)。
そして、上記の差圧の演算に用いられる排気圧力測定値を提供する排気圧センサ52を、排気通路12の触媒上流部12aではなく触媒下流部12bに配置している。もし、排気圧センサ52を触媒上流部12aに配置したとすると、触媒ユニット14が経年劣化して圧力損失値が変化したときに触媒下流部12bの圧力推定値が実際の値からずれる恐れがあるが、ここでは排気圧センサ52を触媒下流部12bに配しているため、触媒ユニット14の圧力損失値が増加したときにも悪影響を受けなくなっている。
<変形例>
(A)
上記実施形態においては、二路切り替え弁42によって触媒上流部12aの触媒上流側排気を還流させるか触媒下流部12bの触媒下流側排気を還流させるかを切り替えているが、二路切り替え弁42に代えて、図5(b)に示すように2つの開閉弁141,142を還流通路31,32に設けてもよい。図5(a)は、比較のために上記実施形態のエンジン1の排気還流装置を模式化した図である。
(A)
上記実施形態においては、二路切り替え弁42によって触媒上流部12aの触媒上流側排気を還流させるか触媒下流部12bの触媒下流側排気を還流させるかを切り替えているが、二路切り替え弁42に代えて、図5(b)に示すように2つの開閉弁141,142を還流通路31,32に設けてもよい。図5(a)は、比較のために上記実施形態のエンジン1の排気還流装置を模式化した図である。
第1開閉弁(第1開閉機構)141は、第1還流通路31に設けられており、第1還流通路31を通る触媒上流側排気の還流を遮断することができる。具体的には、第1開閉弁141は、開状態と閉状態とを切り替えることができる操作弁であり、コントロールユニット50の指令により開閉する。
第2開閉弁(第2開閉機構)142は、第2還流通路32に設けられており、第2還流通路32を通る排気の流れを遮断することができる。具体的には、第2開閉弁142は、開状態と閉状態とを切り替えることができる操作弁であり、コントロールユニット50の指令により開閉する。
このように排気還流装置を構成した場合にも、触媒ユニット14を通過する前の比較的圧力の高い触媒上流側排気を第1還流通路31により吸気通路2へと還流させることができるとともに、触媒ユニット14を通過した後の比較的圧力の低い触媒下流側排気を第2還流通路32により吸気通路2へと還流させることができる。さらに、触媒ユニット14を通過する前の吸気通路2を汚損する可能性のある触媒上流側排気の第1還流通路31を介した吸気通路2への還流を、第1開閉弁141を閉めることによって遮断することができる。
したがって、比較的圧力の低い触媒下流側排気を第2還流通路32により吸気通路2へと還流させることで十分な量の排気が吸気通路2に還流するときには、第1開閉弁141を閉めて第2還流通路32だけによって比較的清浄度の高い触媒下流側排気を吸気通路2へと還流させ、吸気負圧が低く第2還流通路32による還流だけでは十分な量の排気を還流させることができないときには、第1開閉弁141を開けて、比較的圧力の高い触媒上流側排気を第1還流通路31により吸気通路2へと還流させることができる。このように制御すれば、還流される排気による吸気通路2内の汚損が少なくなるとともに、多くの排気を吸気通路2へと還流させることができる。
なお、第1開閉弁141を開けて第1還流通路31により触媒上流側排気を吸気通路2へと還流させる際には、触媒上流部12aの触媒上流側排気が触媒ユニット14をバイパスして触媒下流部12bへと流れないように、第2開閉弁142を閉めておくことが望ましい。
また、図6に示すように、第2開閉弁142の代わりに逆止弁242を第2還流通路32に設置することも考えられる。この場合にも、触媒上流部12aの触媒上流側排気が触媒ユニット14をバイパスして触媒下流部12bへと流れる不具合がなくなる。
(B)
上記実施形態においては、第1還流通路31や第2還流通路32により排気通路12から取り出された排気が共用還流通路36,38を介して吸気通路2へと流れ込む構成を採っているが、これに代えて、図7に示す構成を採ることも考えられる。
上記実施形態においては、第1還流通路31や第2還流通路32により排気通路12から取り出された排気が共用還流通路36,38を介して吸気通路2へと流れ込む構成を採っているが、これに代えて、図7に示す構成を採ることも考えられる。
図7に示す排気還流装置は、主として、第1還流通路331と、第2還流通路332と、第1EGR量調整バルブ(第1開閉機構)341と、第2EGR量調整バルブ(第2開閉機構)342とから構成されている。
第1還流通路331は、排気通路12の触媒上流部12aから触媒上流側排気を吸気通路2へと還流させるために設けられる通路であり、触媒上流部12aから吸気通路2へと延び、その先端が直接吸気通路2につながっている。
第2還流通路332は、排気通路12の触媒下流部12bから触媒下流側排気を吸気通路2へと還流させるために設けられる通路であり、触媒下流部12bから吸気通路2へと延び、その先端が直接吸気通路2につながっている。
第1EGR量調整バルブ341は、第1還流通路331に配置されており、第1還流通路331を流れて吸気通路2へと流れ込む排気である還流ガスの量を調整する。
第2EGR量調整バルブ342は、第2還流通路332に配置されており、第2還流通路332を流れて吸気通路2へと流れ込む排気である還流ガスの量を調整する。
このように構成される排気還流装置では、比較的圧力が高く且つ比較的清浄度の低い触媒上流部12aの触媒上流側排気を第1還流通路331によって還流ガスとして吸気通路2へと還流させること、および比較的圧力が低く且つ比較的清浄度の高い触媒下流部12bの触媒下流側排気を第2還流通路332によって還流ガスとして吸気通路2へと還流させることを、選択的に、あるいは同時に行わせることができる。また、第1還流通路331経由で還流される排気の量(還流ガス量)と第2還流通路332経由の還流ガス量とを、それぞれ別々に調整することができる。
このような排気還流装置を使えば、吸気負圧が十分に高く触媒下流部12bの触媒下流側排気を主として還流させることで要求される還流ガス量が確保できるときには、第1EGR量調整バルブ341の開度をゼロあるいは小さくして第2EGR量調整バルブ342の開度を大きくすることで、吸気通路2に流れ込む排気(還流ガス)の清浄度を高く保つことができる。一方、吸気負圧が低くなり触媒下流部12bの触媒下流側排気の圧力では十分な還流ガス量が確保できないようなときには、第2EGR量調整バルブ342の開度をゼロにして第1EGR量調整バルブ341の開度を大きくすることで、触媒上流部12aの圧力の高い触媒上流側排気を吸気通路2に押し込んで要求還流ガス量を確保することが可能となる。
(C)
上記実施形態における、触媒上流部12aの触媒上流側排気を還流させるか触媒下流部12bの触媒下流側排気を還流させるかの切り替え、すなわち二路切り替え弁42の状態切り替えの制御においては、図4に示すように、排気通路12と吸気通路2との差圧およ
び要求還流ガス量の2つのパラメータを用いている。
上記実施形態における、触媒上流部12aの触媒上流側排気を還流させるか触媒下流部12bの触媒下流側排気を還流させるかの切り替え、すなわち二路切り替え弁42の状態切り替えの制御においては、図4に示すように、排気通路12と吸気通路2との差圧およ
び要求還流ガス量の2つのパラメータを用いている。
このような上記2つのパラメータに基づく制御に代えて、排気通路12と吸気通路2との差圧のパラメータだけに基づいて二路切り替え弁42の切り替えを行うことも可能である。
また、排気通路12と吸気通路2との差圧の演算において、上記実施形態では排気圧センサ52および吸気圧センサ51の測定値を用いているが、例えば排気圧センサ52の設置を省いて排気通路12の圧力として推定値を用いることも考えられる。この場合には、結局、二路切り替え弁42の切り替え制御のパラメータとして吸気圧センサ51の測定値だけを用いることになる。但し、排気圧センサ52を設置せず排気通路12の圧力を推定する場合には、推定値の精度によって二路切り替え弁42の切り替えが不適当なポイントで行われてしまう恐れもあるため、排気圧センサ52を設置することが望ましい。
さらに、これらのパラメータに代えて、要求トルク(負荷)および回転数をパラメータとし、図3に示す運転領域と排気還流との相関マップにおける領域(a),(b)間の点線を境界として二路切り替え弁42の状態切り替えを行ってもよい。
なお、上記の各パラメータは、いずれも吸気通路2の圧力(吸気負圧)に相関している。
(D)
上記実施形態では、燃焼室7において成層燃焼を行う運転領域(成層域)を有するエンジン1の排気還流装置に対して発明を適用しているが、本発明は、MPI仕様の成層域がないエンジンの排気還流装置に対しても適用が可能である。
上記実施形態では、燃焼室7において成層燃焼を行う運転領域(成層域)を有するエンジン1の排気還流装置に対して発明を適用しているが、本発明は、MPI仕様の成層域がないエンジンの排気還流装置に対しても適用が可能である。
また、上記実施形態では、成層域においては常に排気通路12の触媒下流部12bから排気を取り出して吸気通路2へと還流させているが、将来的に成層域においても多量の還流ガスが必要となるようなエンジンが登場してきたときには、成層域において触媒上流部12aの排気を還流させるか触媒下流部12bの排気を還流させるかの切り替えを行う可能性もある。
(E)
上記実施形態では、排気通路12に1つの触媒ユニット14が配置されており、その触媒ユニット14の上流側の触媒上流部12aからの排気の取り出しと触媒ユニット14の下流側の触媒下流部12bからの排気の取り出しとを二路切り替え弁42によって選択する構成を採っているが、図8に示すように排気通路12に2つの触媒ユニット14,114が配置される場合には、次のような構成を採ることが望ましい。
上記実施形態では、排気通路12に1つの触媒ユニット14が配置されており、その触媒ユニット14の上流側の触媒上流部12aからの排気の取り出しと触媒ユニット14の下流側の触媒下流部12bからの排気の取り出しとを二路切り替え弁42によって選択する構成を採っているが、図8に示すように排気通路12に2つの触媒ユニット14,114が配置される場合には、次のような構成を採ることが望ましい。
図8に示すように、2つの触媒ユニット14,114のうち最も排気流れの上流側にある触媒ユニット14を基準にして、その触媒ユニット14よりも上流側の触媒上流部12aから排気を取り出せるようにするとともに、触媒ユニット14よりも下流側の触媒下流部12b,12cのいずれかから排気を取り出せるようにする。図8において1点鎖線で示す還流通路32を設ければ、触媒ユニット14よりも下流側で且つ触媒ユニット114よりも上流側に位置する排気通路12の触媒下流部12bから排気が取り出せる。反対に、図8において2点鎖線で示す還流通路33を設ければ、触媒ユニット114よりも下流側に位置する排気通路12の触媒下流部12cから排気が取り出せるようになる。
このように、図8の1点鎖線で示す還流通路32あるいは2点鎖線で示す還流通路33と第1還流通路31とを二路切り替え弁42で切り替えて、吸気通路2と連通する共用還流通路36,38につなげることができるようにすれば、上記実施形態の排気還流装置と同様の特徴を具備するようになる。特に、第1還流通路31と共用還流通路36,38とがつながるように二路切り替え弁42を制御し、第1還流通路31によって触媒上流部1
2aの排気を吸気通路2へと還流させる際の排気圧力は、排気通路12の各部12a,12b,12cに存在する排気の中で最も高い圧力になっている。このため、吸気通路2の吸気負圧が低い場合であっても、高い排気圧力によって排気通路12から触媒上流部12aの排気を還流ガスとして吸気通路2に押し込むことができ、大量の還流ガスが要求される場合にも、その要求に応えることができるようになっている。
2aの排気を吸気通路2へと還流させる際の排気圧力は、排気通路12の各部12a,12b,12cに存在する排気の中で最も高い圧力になっている。このため、吸気通路2の吸気負圧が低い場合であっても、高い排気圧力によって排気通路12から触媒上流部12aの排気を還流ガスとして吸気通路2に押し込むことができ、大量の還流ガスが要求される場合にも、その要求に応えることができるようになっている。
なお、図8に示す構成において、触媒ユニット14の圧力損失が小さい場合には、第1還流通路31をなくし、2つの還流通路32,33を二路切り替え弁によって切り替える排気還流装置にすることも考えられる。
(F)
上記実施形態では、図4に示すように、ステップS2で排気通路12と吸気通路2との差圧を一律の値である所定値以上であるか否かを判断し、さらにステップS3で要求還流ガス量が所定量以上であるか否かを判断して、二路切り替え弁42の状態を切り替えている。このような切り替え制御に代えて、要求還流ガス量を確保するために必要な差圧(排気通路12と吸気通路2との差圧)についてのマップを予め作成しておき、そのマップから導かれる要求還流ガス量に対応する差圧よりも実際の差圧のほうが大きい場合には図4のステップS5に移行し、実際の差圧がマップから導かれる差圧に満たない場合には図4のステップS4に移行するような二路切り替え弁42の状態切り替え制御を行うこともできる。
上記実施形態では、図4に示すように、ステップS2で排気通路12と吸気通路2との差圧を一律の値である所定値以上であるか否かを判断し、さらにステップS3で要求還流ガス量が所定量以上であるか否かを判断して、二路切り替え弁42の状態を切り替えている。このような切り替え制御に代えて、要求還流ガス量を確保するために必要な差圧(排気通路12と吸気通路2との差圧)についてのマップを予め作成しておき、そのマップから導かれる要求還流ガス量に対応する差圧よりも実際の差圧のほうが大きい場合には図4のステップS5に移行し、実際の差圧がマップから導かれる差圧に満たない場合には図4のステップS4に移行するような二路切り替え弁42の状態切り替え制御を行うこともできる。
本発明に係る内燃機関の排気還流装置では、原則としては触媒を通過した後の比較的清浄度の高い排気を第2還流通路経由で還流させ、必要に応じて触媒を通過する前の比較的圧力の高い排気を第1還流通路により吸気通路へと還流させることができ、還流される排気による吸気通路内の汚損が少なく且つ多くの排気を吸気通路へ還流させることができる装置として有用である。
(b) 変形例に係る排気還流装置の模式図である。
変形例に係る排気還流装置の模式図である。
変形例に係る排気還流装置の模式図である。
変形例に係る排気還流装置の模式図である。
1 エンジン
2 吸気通路
12 排気通路
14 触媒ユニット
14a 上流側触媒
14b 下流側触媒
31 第1還流通路
32 第2還流通路
36 共用還流通路
38 共用還流通路
41 EGR量調整バルブ(流量調整弁)
42 二路切り替え弁(第1開閉機構)
50 コントロールユニット
51 吸気圧センサ
52 排気圧センサ
141 第1開閉弁(第1開閉機構)
142 第2開閉弁(第2開閉機構)
331 第1還流通路
332 第2還流通路
341 第1EGR量調整バルブ(第1開閉機構)
342 第2EGR量調整バルブ(第2開閉機構)
2 吸気通路
12 排気通路
14 触媒ユニット
14a 上流側触媒
14b 下流側触媒
31 第1還流通路
32 第2還流通路
36 共用還流通路
38 共用還流通路
41 EGR量調整バルブ(流量調整弁)
42 二路切り替え弁(第1開閉機構)
50 コントロールユニット
51 吸気圧センサ
52 排気圧センサ
141 第1開閉弁(第1開閉機構)
142 第2開閉弁(第2開閉機構)
331 第1還流通路
332 第2還流通路
341 第1EGR量調整バルブ(第1開閉機構)
342 第2EGR量調整バルブ(第2開閉機構)
Claims (12)
- 内燃機関の排気通路のうち触媒よりも排気の流れの上流側に位置する触媒上流部から内燃機関の吸気通路へと延び、排気を還流させる第1還流通路と、
前記排気通路のうち前記触媒よりも排気の流れの下流側に位置する触媒下流部から前記吸気通路へと延び、排気を還流させる第2還流通路と、
前記第1還流通路を開閉する第1開閉機構と、
を備えた、内燃機関の排気還流装置。 - 前記第1還流通路の前記吸気通路側の端部および前記第2還流通路の前記吸気通路側の端部は、前記吸気通路に直接つながっている、
請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記第1還流通路の前記吸気通路側の端部および前記第2還流通路の前記吸気通路側の端部と前記吸気通路とを結ぶ共用還流通路をさらに備える、
請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記第2還流通路を開閉する第2開閉機構をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記第1開閉機構は、前記第1還流通路の前記吸気通路側の端部および前記第2還流通路の前記吸気通路側の端部と前記共用還流通路との間に設けられ、前記第1還流通路と前記共用還流通路とが連通する第1状態と前記第2還流通路と前記共用還流通路とが連通する第2状態とを切り替える、
請求項3に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記共用還流通路に設けられる流量調整弁をさらに備える、
請求項3又は5に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 内燃機関には前記触媒が複数存在しており、
前記触媒上流部は、前記排気通路において排気の流れの最上流に配置された触媒よりも排気の流れの上流側に位置している、
請求項1から6のいずれかに記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記吸気通路内の圧力に相関するパラメータによって前記第1開閉機構による前記第1還流通路の開閉を制御する制御部をさらに備えた、
請求項1から7のいずれかに記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記吸気通路内の圧力に相関するパラメータは、前記吸気通路内の圧力、前記吸気通路内の圧力と前記排出通路内の圧力との差、あるいは運転負荷である、
請求項8に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記吸気通路内の圧力を検出する吸気圧センサと、
前記排出通路内の圧力を検出する排気圧センサと、
をさらに備えた、請求項8に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記排気圧センサは、前記触媒下流部において圧力を検出する、
請求項10に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 内燃機関の排気通路のうち触媒よりも排気の流れの上流側に位置する触媒上流部から内
燃機関の吸気通路へと延び、排気を還流させる第1還流通路と、
前記排気通路のうち前記触媒よりも排気の流れの下流側に位置する触媒下流部から前記吸気通路へと延び、排気を還流させる第2還流通路と、
前記第1還流通路による排気の還流と前記第2還流通路による排気の還流とを制御する制御部と、
を備えた、内燃機関の排気還流装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003426643A JP2005188287A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 内燃機関の排気還流装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003426643A JP2005188287A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 内燃機関の排気還流装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005188287A true JP2005188287A (ja) | 2005-07-14 |
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JP2003426643A Pending JP2005188287A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 内燃機関の排気還流装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005188287A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264118A (ja) * | 2008-04-22 | 2009-11-12 | Honda Motor Co Ltd | 内燃機関の制御装置 |
JP2013124615A (ja) * | 2011-12-15 | 2013-06-24 | Fuji Heavy Ind Ltd | ディーゼルエンジン |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003426643A patent/JP2005188287A/ja active Pending
Cited By (2)
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