JP2005188006A - 吸水・耐油紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】
抄紙性に優れ、低コストで製造でき、さらにリサイクルも容易に行うことができる紙で、かつ水分は吸収するが、動植物油等の油分は吸収しない紙、すなわち吸水・耐油紙を提供する。
【解決手段】
単層又は2層以上の紙層から成る基紙の少なくとも1層のパルプ中に、繊度が0.1〜5.5デシテックス、繊維長が0.5〜10mmであり、JIS−P8121に基づくカナダ標準ろ水度が150ml〜650mlとなるように叩解処理が施されているアセテート繊維を、前記パルプの絶乾坪量換算重量に対し11重量%〜75重量%混抄し、前記吸水・耐油紙の表面及び/又は裏面のJIS−P8146に基づく耐油度が200秒以上にする。
【選択図】図1
抄紙性に優れ、低コストで製造でき、さらにリサイクルも容易に行うことができる紙で、かつ水分は吸収するが、動植物油等の油分は吸収しない紙、すなわち吸水・耐油紙を提供する。
【解決手段】
単層又は2層以上の紙層から成る基紙の少なくとも1層のパルプ中に、繊度が0.1〜5.5デシテックス、繊維長が0.5〜10mmであり、JIS−P8121に基づくカナダ標準ろ水度が150ml〜650mlとなるように叩解処理が施されているアセテート繊維を、前記パルプの絶乾坪量換算重量に対し11重量%〜75重量%混抄し、前記吸水・耐油紙の表面及び/又は裏面のJIS−P8146に基づく耐油度が200秒以上にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、水分は吸収するが、動植物油等の油分は吸収しない特性を有する紙、すなわち吸水・耐油紙に関する。
従来、デパートやスーパー等の食品売場では、調理された食品が販売されているが、このような食品は包装容器に詰められて、家庭に持ち帰られている。このような包装容器の包装材として、発泡合成樹脂製の包装材が広く使用されている。
しかし、近年、環境負荷型技術から環境保全への技術転換が世界中で巻き起こっており、その一つとして、有限な資源である発泡合成樹脂の包装材の代わりに、天然再生資源である木材セルロースで製造された紙製の包装材の需要が増加しつつある。しかしながら、紙はセルロース繊維が水素結合したものであるため、発泡合成樹脂の包装材に比べ、水分や油分等が入り込み易いという欠点があった。
そこで、紙に耐油性を付与する方法として、例えば特許文献1に記載されているような、スチレンアクリルラテックスと顔料とを含む下塗層を板紙基材に直接被着させ、スチレンアクリルラテックスと顔料とを含む上塗層を直接、下塗層に被着させて紙に耐油性を付与する方法や、例えば特許文献2に記載されているような、1層以上の紙と耐油性樹脂を含浸させた紙との積層体を基材紙とすることにより紙に耐油性を付与する方法が提案されている。またその他、紙の表面にラミネート加工を施して耐油性を付与する方法、あるいはアルミを蒸着させて耐油性を付与する方法等、種々の紙に耐油性を付与する方法が提案されている。
しかしながら、上述したような方法で耐油性を付与した紙は油分を吸収しないと共に、水分も吸収しない紙、すなわち耐水・耐油紙であった。従って、このような耐水・耐油紙が、例えばピザ、てんぷら、ハンバーガー等の食品の包装材に使用されると、食品から放出された水分が包装材の内面に凝集・付着し、その水分が食品に付着したり、食品が蒸れた状態となり、食品の食感を著しく低下させる問題があった。そこで、水分は吸収するが、油分は吸収しない紙、すなわち吸水・耐油紙の開発が待たれていた。
また、上述したような、耐油性樹脂を含浸させた耐水・耐油紙、ラミネート加工が施された耐水・耐油紙、あるいはアルミを蒸着させた耐水・耐油紙等は、含浸、ラミネート加工、蒸着といった2次加工、すなわち抄紙工程外での加工が必要であったため、耐水・耐油紙の製造費用が嵩み、製造コストがアップするという問題があった。さらに、このような耐水・耐油紙は2次加工が施されているため、リサイクルを行うことが難しく、近年の省資源の傾向に逆行するものであった。
特開平10−331096号公報
特開2000−109157号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、抄紙性に優れ、低コストで製造でき、さらにリサイクルも容易に行うことができる紙で、かつ水分は吸収するが、動植物油等の油分は吸収しない紙、すなわち吸水・耐油紙を提供することである。
本発明の上記目的は、単層又は2層以上の紙層から成る基紙の少なくとも1層のパルプ中にアセテート繊維を混抄して成ることを特徴とする吸水・耐油紙を提供することによって、達成される。
また、本発明の上記目的は、前記アセテート繊維は、繊度が0.1〜5.5デシテックス、繊維長が0.5〜10mmであることを特徴とする吸水・耐油紙を提供することによって、効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記アセテート繊維は、JIS−P8121に基づくカナダ標準ろ水度が150ml〜650mlとなるように叩解処理が施されていることを特徴とする吸水・耐油紙を提供することによって、より効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記アセテート繊維の配合率は、前記パルプの絶乾坪量換算重量に対し11重量%〜75重量%であることを特徴とする吸水・耐油紙を提供することによって、より効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、前記吸水・耐油紙は、表面及び/又は裏面のJIS−P8146に基づく耐油度が200秒以上であることを特徴とする吸水・耐油紙を提供することによって、より一層効果的に達成される。
本発明に係る吸水・耐油紙は、基紙の少なくとも1層のパルプ中にアセテート繊維が混抄されているので、水分は吸収するが、動植物油等の油分は吸収せず、例えば油を使用した食品で蒸気を発散させる効果が必要な包装紙や包装容器等の包装材として使用することができる。
また、本発明に係る吸水・耐油紙は、抄紙工程中で、すなわち1次加工だけで吸水性及び耐油性を付与することができるので、低コストで製造することができると共に、容易にリサイクルを行うことができる。
さらにまた、本発明に係る吸水・耐油紙は、従来の耐油紙とは異なり吸水性を有するので、水により容易に離解することができるため、より容易にリサイクルを行うことができる。
以下、本発明に係る吸水・耐油紙が、表層及び裏層の2層の紙層で構成されている場合を例に詳細に説明する。
本発明に係る吸水・耐油紙1は、図1に断面図で示すように、表層2及び裏層3の2層の紙層を有して成り、パルプ4を主原料としている。原料パルプとしては、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の木材繊維を含むパルプを主原料として化学的に処理されたクラフトパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、藁、リンターパルプ等の非木材繊維を主原料として化学的に処理されたクラフトパルプや、チップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材又はチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、あるいはチップを柔らかくなるまで蒸解した後、リファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ、及びクラフトパルプ、セミケミカルパルプ、酵素漂白パルプを含むオフィス上物古紙を脱墨、漂白したパルプ、牛乳パック古紙上質断裁落ち古紙、コート断裁落ち古紙、上白、特白、中白等の未印刷の古紙から得られる回収パルプ等の公知の種々の原料パルプを使用することができる。なお、これらの原料パルプは単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
また、本吸水・耐油紙1には、アセテート繊維5が表層2及び裏層3の各パルプ4中に配合されている。アセテート繊維5は、分子の小さな水分等は浸透させ易いが、分子の大きな動植物油等の油分等は浸透させ難いという特性を有している。このため、パルプ4中にアセテート繊維5を混抄することにより、水分は吸収するが、油分は吸収し難い紙、すなわち吸水・耐油紙を得ることができる。従って、油を使用した食品で蒸気を発散させる効果が必要な包装紙や包装容器等の包装材として使用することができ、例えばピザ等の食品の包装材として使用しても、食品から放出された水分は、包装材に吸収されるため包装材内面で凝集・付着することがなくなるので、食品から放出された水分が食品に付着したり、食品が蒸れた状態となることがなくなり、食品の食感が低下することがなくなる。
なお、本吸水・耐油紙1で使用されるアセテート繊維5の繊度は0.1〜5.5デシテックスである。アセテート繊維5の繊度がこのような範囲であると抄紙性が向上するからである。すなわち、後述する実施例1で示すように、アセテート繊維5の繊度が0.1デシテックス未満であると、結束が生じ易くなるので好ましくなく、一方、繊度が5.5デシテックスを超えると湿紙強度が弱くなり、シート化が難しくなるという問題が発生するので好ましくない。
また、アセテート繊維5の繊維長は0.5〜10mm、好ましくは3.0〜5.0mmである。アセテート繊維5の繊維長がこの範囲であると、抄紙性が向上するからである。すなわち、後述する実施例1で示すように、アセテート繊維の繊維長が0.5mm未満であると、ろ水性が悪くなり、生産性が悪くなるので好ましくなく、一方、繊維長が10mmより長いと、結束が生じ易くなるので好ましくない。
また、本吸水・耐油紙1で使用されるアセテート繊維5は、JIS−P8121に定めるカナダ標準ろ水度(以下、「フリーネス」と言う)が150ml〜650mlとなるように、リファイナー等の公知の種々の叩解設備により叩解処理が施されている。アセテート繊維5のフリーネスがこのような範囲であると、本吸水・耐油紙1の所望とする吸水性及び耐油性を付与することができると共に、本吸水・耐油紙1のパルプ4とアセテート繊維5との結合が促進され、より高い表面強度を得ることができる。すなわち、後述する実施例2で示すように、アセテート繊維5のフリーネスが150ml未満であると、吸水性は良いが、本吸水・耐油紙1の所望とする耐油性を付与することができないので好ましくない。一方、アセテート繊維5のフリーネスが650mlを超えると、本吸水・耐油紙1の所望とする吸水性及び耐油性を付与することができないと共に、表面強度が低下するので、印刷時、ピッキングが発生し易くなるという問題が発生するため好ましくない。
本吸水・耐油紙1におけるアセテート繊維5の配合率は、表層2及び裏層3の各紙層のパルプ4の絶乾坪量換算重量に対し11〜75重量%であることが好ましい。アセテート繊維5の配合率がこのような範囲であると、吸水性及び耐油性のバランスを向上させることができると共に、より高い表面強度も得ることができる。すなわち、後述する実施例2に示すように、アセテート繊維5の配合率が11重量%未満であると、吸水性を付与することはできるが、耐油性を付与することができないため好ましくない。一方、アセテート繊維5の配合率が75重量%より多くなると、パルプ繊維同士の絡みが少なくなるので、本吸水・耐油紙1の表面強度が低下し、印刷時、ピッキングが発生し易くなるので好ましくない。
なお、本吸水・耐油紙1は、表面及び/又は裏面のJIS−P8146に基づく「紙の耐油度試験方法」に基づいて測定された値、すなわち耐油度が200秒以上である。耐油度が200秒未満であると、油分が吸収され易くなるので、本吸水・耐油紙1の所望とする耐油性を付与することができない。
また、本吸水・耐油紙1は、パルプ4中にアセテート繊維5を混抄することにより、本吸水・耐油紙1の所望とする吸水性及び耐油性を付与している。従って、抄紙機内で、すなわち1次加工のみで製造することができるので、ラミネート加工やアルミ蒸着等の2次加工を必要とせず、低コストで本吸水・耐油紙1を製造することができ、またリサイクルを行うことができる。
さらにまた、本吸水・耐油紙1は、耐油性を有すると共に吸水性も有するので、水で容易に離解することができる。従って、従来の耐油性を有する紙、すなわち耐水・耐油紙とは異なり、容易にリサイクルを行うことができる。
以上、本吸水・耐油紙について表層及び裏層にアセテート繊維が混抄されている場合について説明したが、本発明は必ずしもこのような構成に限る必要はなく、例えば図2に示すように、表層にのみアセテート繊維が混抄されていても良く、また図3に示すように、裏層にのみアセテート繊維が混抄されていても良い。
また、吸水・耐油紙が2層の紙層を有する場合のみならず、単層の紙層で構成されている吸水・耐油紙や、表層、表下層、下層の3層又はそれ以上の紙層を有する吸水・耐油紙にも適用できる。なお、3層以上の紙層を有する吸水・耐油紙であっても、少なくとも1層の紙層のパルプ中にアセテート繊維が混抄されていれば良い。
本発明に係る吸水・耐油紙の抄紙性を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に使用するアセテート繊維の繊度及び繊維長に対する抄紙性、すなわち結束の有無、ろ水性、及び湿紙強度を評価する試験を行った。なお、本発明はこの実施例によって制限を受けるものではない。
本実施例では、テスト長網抄紙機にて作製した吸水・耐油紙で、フリーネスが500mlであるNBKPが使用されており、このNBKPに配合されるアセテート繊維の配合率、繊度、及び繊維長を表1に示すように変更して夫々作製した本発明に係る9種類の吸水・耐油紙(これを「試料1」ないし「試料9」とする)と、これらの試料1ないし試料9と比較検討するための4種類の吸水・耐油紙(これを「比較試料1」ないし「比較試料4」とする)を用い、抄紙性評価、すなわち結束の有無、ろ水性、及び湿紙強度についての試験を行った結果は、表1に示すとおりである。なお、全試料及び比較試料の坪量は100g/m2に調整されている。
なお、表1中の「結束の有無」とは、得られた各試料及び比較試料に結束が生じているか否かを目視評価したものであり、その評価基準は◎印の「結束が生じていない」、○印の「結束が生じているが、実用上問題ない」、×印の「結束が生じている」の3段階とした。
また、「ろ水性」とは、ワイヤー上の水切れ線、すなわちインレットから噴射されたパルプスラリーがワイヤー上で脱水され、水による光沢がなくなる位置を観察して評価したもので、その評価基準は◎印の「非常に良い」、○印の「良い」、×印の「不良」の3段階とした。
さらにまた、「湿紙強度」とは、プレスパート直後の湿紙をサンプリングし、官能評価したもので、その評価基準は◎印の「非常に良い」、○印の「良い」、×印の「不良」の3段階とした。
本発明に係る吸水・耐油紙の効果を確認するために、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する各種の特性を評価する実験を行った。なお、本発明はこれら実施例によって制限を受けるものではない。
本発明に係る8種類の吸水・耐油紙(これを「試料1」ないし「試料8」とする)と、これらの試料1ないし試料8と比較検討するための7種類の吸水・耐油紙(これを「比較試料1」ないし「比較試料7」とする)を下記に示すように作製した。なお、各試料及び比較試料は、表層、表下層、2層の中層、裏層の5層の紙層を有する板紙である。
[試料1]表層にはフリーネスが450mlである針葉樹クラフトパルプ(NBKP)が使用され、さらにフリーネスが500mlであるアセテート繊維が11重量%配合されており、表下層には色上古紙及び地券古紙から成り、その配合比率が50:50であるパルプが使用され、中層及び裏層には地券古紙から成るパルプが使用されている。
また、内添薬品として、表層の原料スラリーには硫酸バンドが40kg/t、ロジンエマルジョンサイズ剤が5kg/t、表下層の原料スラリーには硫酸バンドが40kg/t、ロジンエマルジョンサイズ剤が2kg/t、中層の原料スラリーには硫酸バンドが30kg/t、ロジンエマルジョンサイズ剤が2kg/t、さらに裏層の原料スラリーには硫酸バンドが30kg/t、ロジンエマルジョンサイズ剤が3kg/t、夫々添加されている。
さらにまた、外添薬品として、ポリビニルアルコール(PVA)が、紙表面に15g/m2塗工されている。
このようなスラリーを表層の坪量が35g/m2、表下層の坪量が30g/m2、2層の中層の夫々の坪量が35g/m2、裏層の坪量が35g/m2となるように抄紙機で抄造し、カレンダーで平滑化処理を施して吸水・耐油紙(試料1)を得る。なお、この時の抄紙機におけるリールの抄紙速度は550m/min、リールの水分は7.0%である。また、カレンダー線圧は100kg/cmである。
[試料2]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を40重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料3]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を60重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料4]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を75重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料5]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を40重量%とし、また、このアセテート繊維のフリーネスを650mlとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料6]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を40重量%とし、このアセテート繊維のフリーネス150mlとし、さらにカレンダー線圧を130kg/cmとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料7]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を20重量%とし、アセテート繊維のフリーネスを550mlとし、さらにカレンダー線圧を130kg/cmとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[試料8]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を20重量%とし、アセテート繊維のフリーネスを600mlとし、さらにカレンダー線圧を50kg/cmとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料1]表層にアセテート繊維を配合しなかったことを除くその他の点は、試料1と同様にして紙を抄造した後、この紙の表面にフッ素系耐油剤(明成化学工業株式会社製アサヒガードAG530)を5.0g/m2塗布して得た吸水・耐油紙。
[比較試料2]表層にアセテート繊維を配合しなかったことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料3]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を9重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料4]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を78重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料5]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を90重量%としたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料6]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を40重量%とし、このアセテート繊維のフリーネスを750mlとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
[比較試料7]表層に配合されるアセテート繊維の配合率を40重量%とし、アセテート繊維のフリーネスを100mlとし、さらにカレンダー線圧を130kg/cmとしたことを除くその他の点は、試料1と同様にして得た吸水・耐油紙。
これらの全試料及び比較試料について、ステキヒトサイズ度(秒)、耐油度(秒)、及び表面強度(A)について試験した結果は表2に示すとおりであった。
また、「ステキヒトサイズ度(秒)」とは、JIS−P8122に基づくステキヒトサイズ度試験方法に従って測定した値である。
また、「耐油度(秒)」とは、JIS−P8146に基づく耐油度試験方法に従って測定した値である。
さらにまた、「表面強度(A)」とは、JIS−P8129に基づくワックスピック試験方法に従って測定した値であり、紙表面を傷めない最高のワックス番号(A)を測定した値である。
また、比較試料1では、吸水性及び耐油性のいずれにも優れるが、2次加工が施されているため、他の試料及び比較試料よりも製造コストが高くなると共に、リサイクルも行い難いので好ましくない。
本発明に係吸水・耐油紙は、油を使用した食品で蒸気を発散させる効果が必要な包装紙や包装容器等の包装材として使用される他、例えば油や水を分離するフィルターとして使用することもできる。
1 吸水・耐油紙
2 表層
3 裏層
4 パルプ
5 アセテート繊維
2 表層
3 裏層
4 パルプ
5 アセテート繊維
Claims (5)
- 単層又は2層以上の紙層から成る基紙の少なくとも1層のパルプ中にアセテート繊維を混抄して成ることを特徴とする吸水・耐油紙。
- 前記アセテート繊維は、繊度が0.1〜5.5デシテックス、繊維長が0.5〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の吸水・耐油紙。
- 前記アセテート繊維は、JIS−P8121に基づくカナダ標準ろ水度が150ml〜650mlとなるように叩解処理が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸水・耐油紙。
- 前記アセテート繊維の配合率は、前記パルプの絶乾坪量換算重量に対し11重量%〜75重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吸水・耐油紙。
- 前記吸水・耐油紙は、表面及び/又は裏面のJIS−P8146に基づく耐油度が200秒以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の吸水・耐油紙。
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