JP2005187538A - 粘着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた粘着性能を発揮し得る粘着剤を得ることができ且つ1液調製後の保存安定性にも優れる1液硬化型の粘着剤組成物、および、これを用いてなる粘着製品を提供する。
【解決手段】 本発明の粘着剤組成物は、α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分を重合して得られガラス転移点が−70〜0℃である樹脂、多価金属化合物および溶媒とともに、さらに酒石酸および/またはその塩をも含んでなる。本発明の粘着製品は、基材の表面に粘着剤層を有する粘着製品であって、該粘着剤層が上記本発明の粘着剤組成物を塗布し乾燥してなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着剤組成物およびこれを用いてなる粘着製品に関する。
アクリル系樹脂など一般的な各種樹脂に多価金属化合物を共存させることにより1液硬化性が発現できることが報告されており(例えば、特許文献1、2参照。)、1液タイプの硬化性樹脂組成物としての実用性が期待されている。なかでも、このような硬化性樹脂組成物を、粘着シート等の粘着剤を得るための組成物として実用化することが期待されている。
特開昭54−47726号公報 欧州特許第0194687号明細書
しかしながら、前記1液タイプの組成物と、施工現場における2液混合操作によって初めて硬化性を発現させる2液タイプのものとは、いずれも、その樹脂成分として所定の物性を有する樹脂を用いることで優れた粘着性能を発揮し得る粘着剤を得ることはできるが、1液タイプのものは2液タイプのものに比べて、調製後の保存(貯蔵)安定性に欠ける場合が多い。特に、樹脂成分として、α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分を重合して得られる樹脂といった特定の樹脂を用いる場合は、液の増粘やゲル化、さらにはエマルション粒径の増大など、保存安定性が低下する傾向が強く、作業性が著しく低下したり、硬化後の外観に悪影響を及ぼしたりする、などの問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、優れた粘着性能を発揮し得る粘着剤を得ることができ且つ1液調製後の保存安定性にも優れる1液硬化型の粘着剤組成物、および、これを用いてなる粘着製品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、必須構成成分として、特定の種類の樹脂であってガラス転移点が所定の範囲を満たす樹脂と、ヒドロキシル基等の官能基による配位を受けやすいジルコニウム等の高原子価金属原子を金属成分として含む多価金属化合物と溶媒とを含む組成物において、さらに酒石酸および/またはその塩をも必須成分として含む組成物、および、これを用いてなる粘着製品であれば、前述した本発明の課題を一挙に解決できることを見出し、それを確認して、本発明を完成した。
したがって、本発明にかかる粘着剤組成物は、α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分を重合して得られガラス転移点が−70〜0℃である樹脂、多価金属化合物および溶媒とともに、さらに酒石酸および/またはその塩をも含んでなる。
また、本発明にかかる粘着製品は、基材の表面に粘着剤層を有する粘着製品であって、該粘着剤層が上記本発明の粘着剤組成物を塗布し乾燥してなるものである。
本発明によれば、優れた粘着性能を発揮し得る粘着剤を得ることができ且つ1液調製後の保存安定性にも優れる1液硬化型の粘着剤組成物、および、これを用いてなる粘着製品を提供することができる。
以下、本発明にかかる粘着剤組成物および粘着製品について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔粘着剤組成物〕
本発明にかかる粘着剤組成物は、前述したように、α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分を重合して得られガラス転移点(Tg)が−70〜0℃である樹脂(A)、多価金属化合物および溶媒とともに、さらに酒石酸および/またはその塩をも必須構成成分として含む組成物である。
以下、本発明の粘着剤組成物の各構成成分について具体的に説明し、引き続き、本発明の粘着剤組成物について説明する。
(樹脂(A))
樹脂(A)、すなわちα,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー(原料モノマー)成分を重合して得られる樹脂(重合体)、の合成に用い得るα,β−不飽和カルボン酸としては、限定はされず、例えば、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸およびクロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸およびフマル酸等の不飽和ジカルボン酸類やそのモノエステル類;等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)に用いるモノマー成分は、上記α,β−不飽和カルボン酸を必須成分とするほかに、該α,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な不飽和単量体を含むことができる。α,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な不飽和単量体としては、限定はされず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル等のシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体類;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の紫外線吸収基を有する重合性不飽和単量体類;2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収基を有する重合性不飽和単量体類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等のピペリジン系の紫外線安定基を有する重合性不飽和単量体類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジルおよびアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する重合性不飽和単量体類;(メタ)アクリロイルアジリジンおよび(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル等のアジリジニル基を有する重合性不飽和単量体類;2−イソプロペニル−2−オキサゾリンおよび2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびダイアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピペリジン、ビニルイミダゾールおよびビニルピロリドン等の塩基性重合性不飽和単量体類;スチレン、ビニルトルエンおよびα−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族単量体類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基を有する不飽和ニトリル類;エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびトリメチロールプロパン等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチルおよびその塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和単量体類;酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレンおよびプロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニル等のハロゲン化α,β−不飽和単量体類;などが挙げられ、なかでも、樹脂(A)のTgを後述する範囲に制御することが容易となる点で、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等が好ましい。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
前記α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分の重合方法としては、限定はされず、公知の重合方法を適宜採用することができる。例えば、溶液重合法、乳化重合法および懸濁重合法等を採用できる。モノマー成分の添加方法は、例えば、反応器に一括して添加してもよいし、滴下等の方法によって連続的あるいは逐次的に添加してもよく、限定はされない。重合の際には、必要に応じて、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個以上の共重合可能な不飽和基を有する単量体を用いて、得られる樹脂の一部を架橋してもよく、また、t−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を用いて、重合度を制御することもできる。重合は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
樹脂(A)の存在状態(構成成分として独立している状態での存在状態)はそれぞれ、水溶液状態であってもよいし、コロイダルディスパージョンやエマルション等の水分散状態であってもよいし、ブロック状や粉末状や粒子状であってもよいし、これらの状態が混在している状態であってもよく、限定はされない。したがって、樹脂(A)は、水溶性であってもよいし、水分散性であってもよく、限定はされない。
樹脂(A)は、そのガラス転移点(Tg)が−70〜0℃であることが好ましく、より好ましくは−70〜−30℃、さらに好ましくは−70〜−50℃、特に好ましくは上限が−50℃未満である。上記Tgが−70℃未満であると、粘着性を発現させる点で樹脂設計が困難となるおそれがあり、0℃を越えると、粘着性の低下を招くおそれがある。
樹脂(A)はそれぞれ、その酸価(理論酸価)が、0.5〜100mgKOH/g−solidであることが好ましく、より好ましくは0.5〜50mgKOH/g−solid、さらに好ましくは3〜20mgKOH/g−solidである。上記酸価(理論酸価)が0.5mgKOH/g−solid未満であると、架橋が不十分となるため架橋密度が低くなり凝集力が不足するおそれがあり、100mgKOH/g−solidを越えると、架橋密度が高くなったり凝集力が過剰に発揮されたりし、粘着力や耐反発性が低下するおそれがある。
樹脂(A)は、その重量平均分子量が、10,000以上であることが好ましく、より好ましくは30,000以上、さらに好ましくは50,000以上である。上記重量平均分子量が10,000未満であると、十分な架橋密度を得ることが困難となり、凝集力が不足するおそれがある。
樹脂(A)は、その存在状態が前記水溶液状態または水分散状態である場合は、その固形分が、1〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。上記固形分が1重量%未満であると、十分に樹脂組成物層が形成されず、凝集力が低下するおそれがあり、70重量%を超えると、粘度の上昇等により取り扱いが困難になるおそれがある。
樹脂(A)は、その存在状態が前記水溶液状態または水分散状態である場合、そのpHは、限定はされないが、7〜11であることが好ましい。
(多価金属化合物)
多価金属化合物としては、酒石酸のヒドロキシル基とキレート形成可能なものであればよく、限定はされないが、その金属成分となる金属元素の種類としては、例えば、ジルコニウム、亜鉛およびチタン等が好ましく挙げられ、より好ましくはジルコニウムおよび亜鉛であり、さらに好ましくはジルコニウムであり、その配位子としては、アンモニウムヒドロキシドおよび炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩類、カルボン酸類、ハロゲン化物等が好ましく挙げられ、より好ましくはアンモニウム塩類である。具体的に、これらの金属元素の原子と配位子とからなる多価金属化合物としては、ジルコニウム化合物が好ましく、例えば、炭酸アンモニウムジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム、炭酸アンモニウム亜鉛、炭酸アンモニウムチタニウムおよびシュウ酸アンモニウムチタニウム等が好ましく挙げられ、より好ましくは、炭酸アンモニウムジルコニウムおよび炭酸アンモニウム亜鉛であり、さらに好ましくは炭酸アンモニウムジルコニウムである。
多価金属化合物の存在状態(構成成分として独立している状態での存在状態)は、水溶液状態であってもよいし水分散体であってもよく、限定はされない。なかでも、前記炭酸アンモニウムジルコニウムは、水溶液状態であることが好ましく、この場合、炭酸アンモニウムジルコニウム水溶液中の炭酸アンモニウムジルコニウムの含有割合は、炭酸アンモニウムジルコニウムの全量を二酸化ジルコニウムに換算した場合の固形分割合として、好ましくは10.0〜25.0重量%、より好ましくは13.0〜24.0重量%、さらに好ましくは18.0〜22.0重量%である。上記固形分割合が10.0重量%未満であると、希釈度が高すぎて、炭酸アンモニウムジルコニウム水溶液の安定性が低下するおそれがあり、25.0重量%を超えると、固形沈殿物が発生しやすくなるおそれがある。
本発明の粘着剤組成物における多価金属化合物の配合割合は、粘着剤組成物の全固形分量に対して、好ましくは0.1〜50.0重量%、より好ましくは0.2〜40重量%である。上記配合割合が0.1重量%未満であると、架橋密度が低くなり、凝集力が不足するおそれがあり、50.0重量%を超えると、架橋密度が過分となり、粘着力が低下するおそれがある。
上記において、特に、多価金属化合物が炭酸アンモニウムジルコニウムである場合の配合割合は、炭酸アンモニウムジルコニウムの全量を二酸化ジルコニウムに換算した場合の重量でみて、好ましくは0.1〜50.0重量%、より好ましくは0.2〜40.0重量%、さらにより好ましくは0.5〜35.0重量%、特に好ましくは0.5〜15.0重量%である。上記配合割合が、0.1重量%未満であると、架橋密度が不十分となり、凝集力が不足するおそれがあり、50.0重量%を超えると、架橋密度が過分となり、粘着力が低下するおそれがある。
(酒石酸およびその塩)
本発明の粘着剤組成物の構成成分として、酒石酸および/またはその塩を用いることによって、1液安定性に優れたものとなり、また室温という緩やかな乾燥条件においても良好な乾燥性を示すものとなるほか、凝集力と粘着力とをバランスよく発揮させることができる。
本発明の粘着剤組成物における酒石酸および/またはその塩の配合割合は、多価金属化合物中の金属成分(金属原子)の重量に対して、好ましくは4.0〜68.0重量%、より好ましくは9.0〜61.0重量%、さらに好ましくは13.7〜54.1重量%、特に好ましくは20.4〜47.3重量%である。上記配合割合が4.0重量%未満であると、樹脂と混合した際の樹脂組成物の粒径や粘度等の性状や外観等の物性に欠陥が生じるなど、1液安定性を大きく損なうおそれがあり、68.0重量%を超えると、架橋反応を阻害し凝集力の低下を招くおそれがある。
上記において、特に、多価金属化合物が炭酸アンモニウムジルコニウムである場合の、酒石酸および/またはその塩の配合割合は、炭酸アンモニウムジルコニウムの全量を二酸化ジルコニウムに換算した場合の重量に対して、好ましくは3.0〜50.0重量%、より好ましくは7.0〜45.0重量%、さらに好ましくは10.1〜40.0重量%、特に好ましくは15.1〜35.0重量%である。上記配合割合が3.0重量%未満であると、樹脂と混合した際の樹脂組成物の粒径や粘度等の性状や外観等の物性に欠陥が生じるなど、1液安定性を大きく損なうおそれがあり、50.0重量%を超えると、架橋反応を阻害し凝集力の低下を招くおそれがある。
(溶媒)
粘着剤組成物の構成成分として溶媒を含むことにより、該組成物を1液状態として取り扱うことができ、塗布による粘着剤層の形成を容易にさせる。
溶媒としては、限定はされず、水の単独溶媒であることが好ましいが、メタノールやエタノール等の低沸点水溶性有機溶媒の1種または2種以上であってもよいし、あるいは、これら低沸点水溶性有機溶媒と水との混合溶媒であってもよい。なお、本発明の粘着剤組成物における溶媒としては、他の構成成分が溶媒とともに存在する場合はその溶媒も含むものとする。例えば、前述したように樹脂(A)が水溶液状態や水分散状態で存在する場合は、そこに含まれる溶媒をも含むものとする。
本発明の粘着剤組成物における溶媒の配合割合は、限定はされないが、粘着剤組成物の全固形分量が後述する範囲を満たすよう、適宜設定することが好ましい。
(多価オキサゾリン化合物、ポリアミン化合物)
本発明の粘着剤組成物は、構成成分として、多価オキサゾリン化合物および/またはポリアミン化合物をも含むことが好ましい。多価オキサゾリン化合物およびポリアミン化合物を含むことによる効果(両化合物に共通の効果)としては、粘着シート等の粘着製品の作製に際し、粘着剤層の基材表面への密着性を向上させ得ること等が挙げられる。なかでも、多価オキサゾリン化合物に特有の効果としては、樹脂成分を架橋することにより凝集力を上げること等が挙げられる。また、ポリアミン化合物に特有の効果としては、粘着シート等の粘着製品の作製に際し、凝集力を高め、乾燥性を上げることや、樹脂成分と金属架橋剤とをキレートすることにより凝集力を上げること等が挙げられる。
多価オキサゾリン化合物としては、分子中に2個以上のオキサゾリン環を有するものであれば限定はされず、低分子化合物であってもよいし、重合体であってもよい。具体的には、例えば、2,2´−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−エチレン−ビス−(4,4´−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2´−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2´−m−フェニレン−ビス−(4,4´−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドおよびビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等の低分子化合物;オキサゾリン環含有重合体;が挙げられる。これら多価オキサゾリン化合物は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
前記オキサゾリン環含有重合体は、付加重合性オキサゾリンを必須とし必要に応じて該付加重合性オキサゾリンと共重合可能な単量体をも含むモノマー成分を重合させることにより、容易に得られる。
前記付加重合性オキサゾリンとしては、具体的には、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンおよび2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。これら付加重合性オキサゾリンの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが、工業的に入手しやすい点からより好ましい。これら付加重合性オキサゾリンは、1種類のみを用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。前記付加重合性オキサゾリンの使用量は、限定されないが、モノマー成分中5重量%以上とすることが好ましく、より好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。上記使用量が5重量%未満であると、得られたオキサゾリン環含有重合体による凝集力の向上効果が十分発揮されないおそれがある。
前記付加重合性オキサゾリンと共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウムおよび(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド;酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチレンおよびプロピレン等のα−オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびフッ化ビニル等のハロゲン含有・α,β−不飽和脂肪族炭化水素;スチレン、α−メチルスチレンおよびスチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族炭化水素;等が挙げられる。これら単量体は、1種類のみを用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
前記オキサゾリン環含有重合体は、水溶性、水希釈性または水分散性であることが好ましく、水溶性であることがより好ましい。水溶性オキサゾリン環含有重合体を得るには、重合に供するモノマー成分中の親水性単量体の割合を50重量%以上とすることが好ましく、水溶性および硬化性の観点から60〜90重量%がより好ましい。親水性単量体としては、前記付加重合性オキサゾリン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドおよびスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、および、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物等のポリエチレングリコール鎖を有する単量体が、水への溶解性の高いことから好ましい。
前記オキサゾリン環含有重合体を得る際の重合方法は、限定はされず、公知の種々の重合方法を採用することができる。例えば、水性媒体中で、溶液重合、乳化重合、懸濁重合または塊状重合させる方法が挙げられる。反応条件は、モノマー成分中のモノマー組成等に応じて設定すればよく、限定はされないが、例えば、反応温度は20〜150℃程度が好ましく、反応時間は1〜24時間程度が好ましい。また、モノマー成分は、例えば、反応器に一括して添加してもよく、滴下等の方法によって連続的あるいは逐次的に添加してもよい。なお、重合は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことがより好ましい。
前記オキサゾリン環含有重合体を得る際の重合で用い得る水性媒体としては、例えば、水;水と均一に混合する溶剤と水との混合溶剤;等が好ましく挙げられるが、より好ましくは水である。水と均一に混合する溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよびn−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコール等のグリコール;アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン;等が挙げられる。これらの水と均一に混合する溶剤は、1種のみ用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。なお、上記水性媒体の使用量は、限定はされず、適宜設定すればよい。
前記オキサゾリン環含有重合体は、重合体の後変性でオキサゾリン環を導入することによっても得ることができる。具体的には、ニトリル基を有する重合体とモノアミノアルコールとを反応させる方法(特開平9−235320号公報参照)、ポリメタクリル酸エステルのエステル部分にモノエタノールアミンを反応させ、さらに脱水環化させてオキサゾリン環を導入する方法(米国特許第5705573号明細書参照)等の方法により得ることができる。
多価オキサゾリン化合物の固形分(不揮発分)は、限定はされず、1〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
多価オキサゾリン化合物のオキサゾリン価は、50〜3,000g−solid/eq.であることが好ましく、より好ましくは100〜2,000g−solid/eq.、さらに好ましくは200〜1,500g−solid/eq.である。
本発明の粘着剤組成物が、多価オキサゾリン化合物をも含む場合、その配合割合は、限定はされないが、粘着剤組成物全体に対して、0.1〜50.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜25重量%である。上記配合量が0.1重量%未満であると、架橋が不十分で凝集力が低下するおそれがあり、50.0重量%を越えると、架橋密度が過分となり粘着力が低下するおそれがある。
ポリアミン化合物としては、カチオン性の官能基としてのアミンを有するポリマー化合物であればよく、限定はされないが、例えば、ポリアルキレンイミン類、ポリアミド類、アミノスルホポリエステル類、ポリアリルアミン類、ポリビニルアミン類、および、これらの変性ポリマー等が好ましく挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。ポリアミン化合物の存在状態は、限定はされないが、水溶液状態であることが好ましい。すなわち、ポリアミン化合物は水溶性であることが好ましい。
ポリアルキレンイミン類は、一般に、エチレンイミン、1,2−プロピレンイミン、1,2−ドデシレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン、フェニルエチレンイミン、ベンジルエチレンイミン、ヒドロキシエチルエチレンイミン、アミノエチルエチレンイミン、2−メチルプロピレンイミン、3−クロロプロピルエチレンイミン、メトキシエチルエチレンイミン、ドデシルアジリジニルフォルメート、N−エチルエチレンイミン、N−(2−アミノエチル)エチレンイミン、N−フェネチルエチレンイミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、N−(シアノエチル)エチレンイミンおよびN−(p−クロロフェニル)エチレンイミン等のアルキレンイミンをイオン重合させる方法、あるいは、アルキルオキサゾリンを重合させた後、該重合体を部分加水分解または完全加水分解させる方法等で製造することができるが、限定はされない。
ポリビニルアミン類は、例えば、N−ビニルホルムアミドを重合させてポリ(N−ビニルホルムアミド)とした後、これを塩酸等の酸や塩基性物質により部分加水分解または完全加水分解する方法、あるいは、ポリニトロエチレンやその誘導体を還元する方法、あるいは、ポリアクリルアミドをホフマン分解する方法、あるいは、N−ビニルフタルイミド樹脂をアルカリ還元する方法等によって得ることができるが、限定はされない。例えば、ポリビニルアミン、ポリメタビニルアミン、ポリビニルアミン塩酸塩、ポリビニルエチルアミン塩酸塩、ポリメタビニルメチルアミン塩酸塩およびポリビニル−N−トリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
ポリアリルアミン類は、一般に、アリルアミンモノマーの塩酸塩を重合させた後、塩酸を除去することにより得られるが、限定はされない。例えば、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルエチルアミン塩酸塩、ポリアリルジメチルエチルアンモニウム塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩重合体、ジアリルメチルアミン塩酸塩重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩重合体、これらの二酸化硫黄共重合体、アクリルアミド共重合体、ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合体およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート共重合体等が挙げられる。
ポリアミド類は、一般に、ヘキサメチレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジプロピレンペンタアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミンおよびジヘキサメチレントリアミン等のポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、琥珀酸、マレイン酸、グルタル酸、コルク酸およびセバシン酸等のジカルボン酸またはこれらの酸塩化物等の誘導体とを加熱し、生成する水を減圧下除去する、重縮合、界面重縮合、低温溶液重縮合、ポリリン酸溶液重縮合および固相重縮合等の方法により得られる重縮合物;ジイソシアネートとジカルボン酸との重付加物;ラクタムの開環重合物;等が挙げられるが、限定はされない。
アミノスルホポリエステル類は、例えば、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン等のポリアルカノールアミン類と、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール類と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、琥珀酸、マレイン酸、グルタル酸、コルク酸およびセバシン酸等のジカルボン酸と、5−ソジオスルホイソフタル酸とを加熱し、生成する水を減圧下除去し、脱水縮合する方法により得られるが、限定はされない。
さらに、上述したポリアミン化合物の2種以上を架橋剤により架橋したものを用いることもできる。例えば、ポリアルキレンイミンとポリアミドとをエピクロルヒドリン等で架橋したものが挙げられるが、限定はされない。また、ポリアミン化合物の変性ポリマーを用いることもでき、例えば、変性率0〜100%のエチレンオキシド変性ポリマー、プロピレンオキシド変性ポリマー、スチレンオキシド変性ポリマーおよびα,β−不飽和エステル変性ポリマー等が挙げられるが、限定はされない。
ポリアミン化合物の数平均分子量は、限定はされないが、300〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは600〜2,700,000、さらに好ましくは600〜150,000、最も好ましくは1,000〜120, 000である。上記数平均分子量が300未満であると、樹脂成分や多価金属化合物へのキレートが不十分となり凝集力が不足するおそれがあり、5,000,000を越えると、混合時の保存安定性が低下するおそれがある。
本発明の粘着剤組成物が、ポリアミン化合物をも含む場合、その配合割合は、限定はされないが、粘着剤組成物全体に対して、10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0重量%、さらに好ましくは0.2〜2.0重量%である。上記配合割合が10重量%を超えると、混合時の保存安定性が低下するおそれがある。
(その他の構成成分)
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて、粘着剤に通常使用される粘着付与剤を配合してもよい。粘着付与剤としては、(重合)ロジン系;(重合)ロジンエステル系;テルペン系;テルペンフェノール系;クマロン系;クマロンインデン系;スチレン樹脂系;キシレン樹脂系;フェノール樹脂系;石油樹脂系;ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレンおよびプロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン樹脂系およびジエン樹脂系;ポリ酢酸ビニル樹脂系;(メタ)アクリル酸エステル樹脂系;アクリロニトリル樹脂系;ポリエーテル樹脂系;ポリカーボネート樹脂系;ポリエステル樹脂系;不飽和ポリエステル樹脂系;エポキシ樹脂系;ポリイミド樹脂系;等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよいし2種以上併用してもよい。粘着付与剤の配合割合は、限定はされないが、樹脂(A)100重量部に対して、5〜100重量部の範囲が好ましく、より好ましくは10〜50重量部である。上記配合割合が5重量部未満であると、粘着性付与剤による粘着性向上の効果が十分に得られないおそれがあり、100重量部を超えると、逆に粘着性が低下してしまうおそれがある。
本発明の粘着剤組成物においては、上記粘着付与剤の他に、必要に応じて、粘着剤に通常使用される充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤および紫外線安定剤等の従来公知の各種添加剤を配合することができる。これら添加剤は、1種類のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。これら添加剤の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜設定すればよい。
(粘着剤組成物)
本発明の粘着剤組成物は、その全固形分が、粘着剤組成物全体に対して、1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%である。樹脂組成物中の全固形分が1重量%未満であると、乾燥性が不十分となる傾向がある。したがって、前記溶媒の配合割合は、粘着剤組成物中の全固形分が1重量%以上となるように調整することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、前述した各種構成成分を含む(特に、樹脂(A)、多価金属化合物、溶媒、並びに、酒石酸および/またはその塩を必須構成成分として含む)ものであり、その形態は、例えば、各種構成成分の少なくとも1つを他の構成成分とは独立した状態で含んでいる(備えている)形態でもよいし、すべての構成成分を混合等することにより一体化させた状態(1液状態)で含んでいる形態でもよく、限定はされないが、1液状態での安定性に非常に優れるものであるため、後者の形態を好ましく採ることができる。なお、本発明の粘着剤組成物を基材等に塗布する際は、通常、1液状態にして使用する。
上記混合等することにより一体化させる場合は、各種構成成分をどのような順序でどのようにして混合等してもよく、限定はされない。混合等する方法としては、具体的には、バドル翼等の撹拌機、高速撹拌分散機、高圧ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルおよび振動式分散機等の、公知の撹拌措置、分散装置あるいは破砕装置を用いる方法が好ましい。また、必要に応じて、ストレーナー等を通して粗大粒子等を除去することもできる。
本発明の粘着剤組成物が、アクリルポリマーエマルションとしての樹脂(A)のエマルションと、多価金属化合物と、酒石酸および/またはその塩とを含む、エマルション組成物である場合、該組成物を基材に塗布して乾燥することにより得られた粘着製品は、凝集力と粘着力が非常に優れ、耐候性、耐凍害性にも優れたものとなるため好ましい。特に耐候性に関しては、上記において、樹脂(A)のエマルションが、原料モノマーとしてシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を必須に含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリルエマルションである場合が優れており好ましく、原料モノマーとして紫外線吸収基を有する重合性不飽和単量体および/または紫外線安定基を有する重合性不飽和単量体を必須に含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリルエマルションである場合が特に優れており、より好ましい。
上記のように、樹脂(A)のエマルションを調製するに際し、原料モノマーとしてシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を用いる場合、その使用量はモノマー成分全量に対し、5〜99.5重量%であることが好ましい。上記使用量が5重量%未満であると、耐候性の向上が十分に図れず、また、塗工し乾燥した後の外観や肉持ち感が悪化するおそれがあり、99.5重量%を超えると、重合安定性が悪化し、粘着剤組成物の長期の保存(貯蔵)安定性が低下するおそれがある。
同様に、原料モノマーとして紫外線吸収基を有する重合性不飽和単量体を用いる場合、その使用量はモノマー成分全量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。上記使用量が0.1重量%未満であると、耐候性の向上が十分に図れないおそれがあり、10重量%を超えると、重合安定性が低下するおそれがある。
同様に、原料モノマーとして紫外線安定基を有する重合性不飽和単量体を用いる場合、その使用量はモノマー成分全量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。上記使用量が0.1重量%未満の場合には、耐候性の向上が十分に図れないおそれがあり、10重量%を超えると、重合安定性が低下するおそれがある。
本発明の粘着剤組成物は、各種粘着製品における粘着剤層の材料組成物として用いることができる。例えば、包装・事務用粘着テープとしての紙粘着テープ、セロハン粘着テープ、アセテートフィルム粘着テープ、布粘着テープ、ポリプロピレン粘着テープ、包装用ポリ塩化ビニル粘着テープ、フィラメント粘着テープ、ポリエステル粘着テープのほか、両面粘着テープ、マスキング粘着テープ、表面保護用粘着テープ・粘着シート、防食用粘着テープ・粘着シート、電気絶縁用粘着テープ、医療用粘着製品、電気・電子機器用粘着テープ、識別・装飾用粘着テープ・粘着シート、ラベル・シール用粘着シート、ダクト用粘着テープ、写真製版用粘着テープ、スプライシング用粘着テープ、断熱・防音・防振用粘着テープ、シーリング用粘着テープ・粘着シート、建築・建材用粘着テープ・粘着シート、電磁波シールド用粘着テープ・粘着シート、光学用粘着テープ・粘着シート等を作製する場合に、粘着剤層の材料組成物として用いることができるが、これらに限定はされない。
なお本発明の粘着剤組成物は、各種粘着製品を得るために基材等に塗布して使用されてもよいし、各種粘着製品の使用上の対象物となるもの(いわゆる被着体)に直接塗布して使用されてもよく、限定はされない。
〔粘着製品〕
本発明にかかる粘着製品は、前述したように、基材の表面に粘着剤層を有する粘着製品であって、該粘着剤層が上記本発明の粘着剤組成物を塗布し乾燥してなるものである。
以下、本発明の粘着製品の構成物品について具体的に説明し、引き続き、本発明の粘着製品について説明する。
(基材等)
本発明の粘着製品に用い得る基材(支持基材)としては、例えば、上質紙、クラフト紙、クレープ紙およびグラシン紙等の従来公知の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフテレート、ポリ塩化ビニルおよびセロファン等のプラスチック;織布および不織布;等が挙げられる。
本発明の粘着製品には、上記基材とともに、離型材(離型紙(剥離シート)や剥離ライナー等)を構成物品として使用でき、露出した粘着剤層の表面(粘着面)に貼り付けておくことで該粘着面を好適に保護することができる。この離型材は、粘着製品を使用する際に粘着面から剥がされる。上記離型材としては、通常、上記基材等を支持体としてその表面に公知の離型剤(剥離剤)を塗布してなるもの等が挙げられるが、これに限定はされず、離型剤自体を上記粘着面等に直接塗布して形成させた離型剤層であってもよい。また、本発明の粘着製品においては、上記離型材を上記基材の代わりとすることもできる。
上記基材の形状としては、例えば、一般的には、フィルム状、シート状、テープ状および板状等が好ましいが、これらに限定はされない。上記離型材の形状についても上記基材と同様であることが好ましい。
(粘着剤層)
本発明の粘着製品における基材表面上の粘着剤層は、上記本発明の粘着剤組成物から得られる。具体的には、1液状態で基材等に塗布した粘着剤組成物を乾燥させ該組成物から溶媒成分を除くことにより、酒石酸および/またはその塩による保存安定性の効果が解除され、その結果、樹脂成分の架橋反応(硬化反応)が促進されて、架橋構造を有する粘着剤層が形成される。
(粘着製品)
本発明の粘着製品は、例えば、(i)基材の表面に上記本発明の粘着剤組成物を塗布し乾燥して得られたものであってもよいし、(ii)一旦、離型材や剥離材等に上記本発明の粘着剤組成物を塗布して乾燥した後この塗布物を基材に転写して得られたものであってもよく、また、(iii)基材の表面に上記本発明の粘着剤組成物を塗布し乾燥した後この塗布物の表面に離型材や剥離材等を接着させて(離型材や剥離材等でラミネートして)得られたものであってもよいし、(iv)離型材や剥離材等に上記本発明の粘着剤組成物を塗布して乾燥した後この塗布物の表面に基材を接着させて(基材でラミネートして)得られたものであってもよく、限定はされない。
本発明の粘着製品は、基材の表裏の両面に粘着剤層を有するものであってもよいし、片面に粘着剤層を有するものであってもよく、限定はされない。また、上記粘着剤層自体は、単層であってもよいし、積層であってもよく、限定はされない。
本発明の粘着製品は、基材の片面にのみ粘着剤層を有する場合(なかでも特に上記(i)や(ii)の場合)、この基材の背面(つまり粘着剤層を有する面とは反対の面)に、公知の離型剤を塗布してなる離型剤層を有していてもよい。このような粘着製品であれば、該粘着製品をその粘着剤層を内側にしてロール状に巻く場合に、粘着剤層と離型剤層とが貼着されるので、粘着面を好適に保護することができる。
本発明の粘着製品を得るにあたり、基材等の表面に上記本発明の粘着剤組成物を塗布する方法としては、限定はされず、公知の塗工装置や塗工機器を用いる方法を適宜採用すればよい。
本発明の粘着製品を得るにあたり、上記塗布した粘着剤組成物を乾燥する方法は、限定はされない。乾燥温度についても、限定はされず、室温で緩やかに乾燥させてもよいし、加熱等して乾燥させてもよい。上記塗布後の乾燥により、粘着剤組成物から粘着剤層を形成させながら基材等と一体化させることができる。
本発明の粘着製品は、例えば、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、両面テープ等の各種粘着製品として好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。また、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<保存(貯蔵)安定性>
得られた粘着剤組成物を40℃の空気雰囲気下で1ヶ月間(30日間)保存(貯蔵)する。この保存の前後で、上記粘着剤組成物の外観および粘性を比較し、層分離、増粘および固化のいずれも認められないものを「○」、いずれか1つでも認められたものを「×」として評価した。
<保持力>
JIS Z 0237に準拠して行う。粘着シートを幅25mm×長さ約50mmの大きさにカットする。研磨したステンレス(SUS)板に幅25mm×長さ25mmの貼付面積で貼付して試験片とする。SUS板に貼付されていないシート部分を下にして、試験片を40℃の恒温槽内で鉛直方向に吊り下げた後、上記貼付されていない部分に1kgの荷重をかけ、そのまま16時間放置する。SUS板に貼付したシート部分の16時間後のズレ距離(mm)を測定するか、または、貼付したシート部分が落下した場合は落下するまでの時間(h)を測定することにより、保持力を評価した。落下しないことが望ましく、落下しない場合でもズレ距離が短い方がよい。
<SUS粘着力>
JIS Z 0237に準拠して行う。粘着シートを幅25mm×長さ約150mmの大きさにカットする。研磨したステンレス(SUS)板に幅25mm×長さ約75mmの貼付面積で貼付して試験片とする。貼付して20分後に、23℃の空気雰囲気下で、試験片を180°方向に速度300mm/分で引き剥がしたときの抵抗力(N/25mm)を測定することにより、SUS粘着力を評価した。一般に、SUS粘着力は大きい方が良好である。ただし、破壊状態も重要であり、永久用途では凝集破壊でも良いが、再剥離用途では界面破壊(粘着剤が残らない)が良い。
<ラップ粘着力>
上記SUS粘着力の評価方法において、SUS板の代わりに、同SUS板の表面に食品包装用ラップフィルム(エヌピーフィルム株式会社製のポリエチレン素材、製品名:ワンラップ)を両面テープで固定したものを用いるようにした以外は、同様にして、ラップ粘着力を評価した。一般に、ラップ粘着力は大きい方が良好である。ただし、破壊状態も重要であり、永久用途では凝集破壊でも良いが、再剥離用途では界面破壊(粘着剤が残らない)が良い。
<ボールタック>
JIS Z 0237に準拠して行う。粘着シートの傾斜角は30°とし、23℃の空気雰囲気下で測定した。一般に、測定結果として「ボールタックNo.」が大きい(ボール直径の大きい)方が、タック性が強く良好である。
〔製造例1〕
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)189部、ブチルアクリレート(BA)434部、メチルメタクリレート(MMA)47.6部、アクリル酸(AA)8.4部およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)21部からなる原料モノマー成分と、分子量調節剤としてのn−ドデシルメルカプタン0.2部と、をよく混合して、モノマー混合溶液を得た。
脱イオン水155.4部に、乳化剤としてハイテノールNF−17(第一工業製薬社製)14部およびハイテノールLA−16(第一工業製薬社製)7部を完全に溶解させ、乳化剤水溶液を得た。
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却管を備えたフラスコを用意し、このフラスコ内に脱イオン水195部を仕込み、窒素ガスを20mL/分で吹き込みながら撹拌下で75℃まで昇温させた。
モノマー混合溶液と乳化剤水溶液とを混合してプレエマルションを調製し、滴下ロートへ移した。
脱イオン水38.6部に重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(APS)2.9部を溶解させ、開始剤溶液を得た。脱イオン水38.6部に還元剤としての亜硫酸水素ナトリウム2.9部を溶解させ、還元剤水溶液を得た。
開始剤溶液と還元剤水溶液との総量の一部(29分の1)をフラスコ内に投入し、その後、プレエマルションと、開始剤溶液および還元剤水溶液の残り(29分の28)とを共に3時間かけて一定速度で滴下し、重合を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間撹拌しながら熟成させ、重合を終了した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却し、ポリマーエマルション(A)を得た。
ポリマーエマルション(A)は、固形分が63wt%、粘度計(株式会社トキメック製、製品名:ディジタル粘度計DV−EII型、ローター:#2、回転数:12rpm)により測定した粘度が855mPa・s、pHが2.0、光散乱式粒子径測定装置(Particle Sizing Systems社(米国)製、製品名:NICOMP380)により測定したポリマー粒子の平均粒子径が269nm、ポリマー成分の計算Tgが−49℃である、乳白色のポリマーエマルションであった。
〔製造例2〕
2EHA180部、BA780部およびAA20部と、ロジン系樹脂であるスーパーエステルA−18(荒川化学工業社製)20部からなる原料モノマー成分と、分子量調節剤としてのtert−ドデシルメルカプタン0.2部と、をよく混合して、モノマー混合溶液を得た。
脱イオン水325部に、乳化剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬社製)25部を完全に溶解させ、乳化剤水溶液を得た。
滴下ロート、撹拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却管を備えたフラスコを用意し、このフラスコ内に脱イオン水380部を仕込み、窒素ガスを20mL/分で吹き込みながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
モノマー混合溶液と乳化剤水溶液とを混合してプレエマルションを調製し、滴下ロートへ移した。
脱イオン水25部に重合開始剤としてのアゾビスシアノバレリックアシッド(ACVA)1部を溶解させ、開始剤水溶液(a)を得た。別途、脱イオン水50部にACVA0.7部を溶解させ、開始剤水溶液(b)を得た。
プレエマルションの1.5wt%分と開始剤溶液(a)とをフラスコ内に投入して、重合反応を開始した。反応開始20分後に、プレエマルションの残り98wt%分と開始剤溶液(b)とを共に3時間かけて一定速度で滴下し、重合を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間撹拌しながら熟成させ、理論固形分が約55wt%となるように脱イオン水で希釈して、重合を終了した。その後、フラスコの内容物を室温まで冷却し、ポリマーエマルション(B)を得た。
ポリマーエマルション(B)は、固形分が55wt%、粘度計(株式会社トキメック製、製品名:ディジタル粘度計DV−EII型、ローター:#4、回転数:12rpm)により測定した粘度が7320mPa・s、pHが6.2、光散乱式粒子径測定装置(Particle Sizing Systems社(米国)製、製品名:NICOMP380)により測定したポリマー粒子の平均粒子径が271nm、ポリマー成分の計算Tgが−56℃である、乳白色のポリマーエマルションであった。
〔実施例1〕
ポリマーエマルション(A)100部に、粘着性付与剤(製品名:スーパーエステルE−788、荒川化学工業社製)6.3部、25wt%アンモニア水0.8部、消泡剤(製品名:ノプコ8034L、サンノプコ社製)0.3部、アルカリ可溶型増粘剤(ポリカルボン酸含有系、製品名:アクリセットWR−503A、(株)日本触媒製)0.7部、および、濡れ剤(製品名:ペレックスOTP、花王社製)0.3部を、撹拌混合して、ポリマーエマルション(A1)を得た。
ポリマーエマルション(A1)は、粘度計(株式会社トキメック製、製品名:ディジタル粘度計DV−EII型、ローター:#4、回転数:12rpm)により測定した粘度(VIS)が約10000mPa・s、pHが8.6、理論酸価が5.2mgKOH/g−solidであった。なお、理論酸価は、原料モノマーとして用いたアクリル酸(AA)の、原料モノマー成分中の組成比に基づいて計算した値である(以下の実施例および比較例においても同様である。)。
ポリマーエマルション(A1)100部に、炭酸アンモニウムジルコニウム(二酸化ジルコニウム換算(酸化物換算)で固形分が20wt%)0.9部および酒石酸0.027部を添加して、撹拌混合し、粘着剤組成物(1)を得た。
粘着剤組成物(1)を、剥離ライナー(製品名:K−80HS、サンエー化研社製)の表面に、乾燥後の厚みが25μmとなるようにアプリケーターで塗布し、その後105℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗布面を、厚み50μmのPETフィルム(基材)でラミネートし、粘着剤層を有する粘着シート(1)を得た。
〔実施例2〜4〕
実施例1において、ポリマーエマルション(A1)に対する他の構成成分の配合量を表1に示すようにした以外は、同様にして、粘着剤組成物(2)〜(4)を得、次いでこれらを用いて粘着シート(2)〜(4)を得た。
〔実施例5〕
ポリマーエマルション(A)100部に、粘着性付与剤(製品名:スーパーエステルE−788、荒川化学工業社製)12.6部、25wt%アンモニア水0.8部、消泡剤(製品名:ノプコ8034L、サンノプコ社製)0.3部、アルカリ可溶型増粘剤(ポリカルボン酸含有系、製品名:アクリセットWR−503A、(株)日本触媒製)0.8部、および、濡れ剤(製品名:ペレックスOTP、花王社製)0.4部を、撹拌混合して、ポリマーエマルション(A2)を得た。
ポリマーエマルション(A2)について、実施例1と同様の方法により各種物性を測定・計算したところ、粘度(VIS)が約9700mPa・s、pHが8.6、理論酸価が4.9mgKOH/g−solidであった。
ポリマーエマルション(A2)100部に、炭酸アンモニウムジルコニウム(二酸化ジルコニウム換算(酸化物換算)で固形分が20wt%)0.6部、酒石酸0.018部、多価オキサゾリン化合物(製品名:エポクロスWS−700、(株)日本触媒製)0.2部およびポリアミン化合物(製品名:エポミンSP−006、(株)日本触媒製)0.2部を添加して、撹拌混合し、粘着剤組成物(5)を得た。
粘着剤組成物(1)を、剥離ライナー(製品名:K−80HS、サンエー化研社製)の表面に、乾燥後の厚みが25μmとなるようにアプリケーターで塗布し、その後105℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗布面を、厚み50μmのPETフィルム(基材)でラミネートし、粘着剤層を有する粘着シート(5)を得た。
〔実施例6〕
ポリマーエマルション(B)100部に、粘着性付与剤(製品名:スーパーエステルE−788、荒川化学工業社製)11部、25wt%アンモニア水0.2部、消泡剤(製品名:アデカネートB−1015、旭電化社製)0.04部、アルカリ可溶型増粘剤(ポリカルボン酸含有系、製品名:アクリセットWR−503A、(株)日本触媒製)0.8部、および、濡れ剤(製品名:ペレックスOTP、花王社製)0.4部を、撹拌混合して、ポリマーエマルション(B1)を得た。
ポリマーエマルション(B1)について、実施例1と同様の方法により各種物性を測定・計算したところ、粘度(VIS)が約10000mPa・s、pHが7.9、理論酸価が7.4mgKOH/g−solidであった。
ポリマーエマルション(B1)100部に、炭酸アンモニウムジルコニウム(二酸化ジルコニウム換算(酸化物換算)で固形分が20wt%)0.3部、酒石酸0.018部および多価オキサゾリン化合物(製品名:エポクロスWS−700、(株)日本触媒製)0.85部を添加して、撹拌混合し、粘着剤組成物(6)を得た。
粘着剤組成物(6)を、剥離ライナー(製品名:K−80HS、サンエー化研社製)の表面に、乾燥後の厚みが25μmとなるようにアプリケーターで塗布し、その後105℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗布面を、厚み50μmのPETフィルム(基材)でラミネートし、粘着剤層を有する粘着シート(6)を得た。
〔比較例1〜4、7〕
実施例1において、ポリマーエマルション(A1)に対する他の構成成分の配合量を表2に示すようにした以外は、同様にして、粘着剤組成物(c1)〜(c4)および(c7)を得、次いでこれらを用いて粘着シート(c1)〜(c4)および(c7)を得た。
〔比較例5、8〕
実施例5において、ポリマーエマルション(A2)に対する他の構成成分の配合量を表2に示すようにした以外は、同様にして、粘着剤組成物(c5)および(c8)を得、次いでこれらを用いて粘着シート(c5)および(c8)を得た。
〔比較例6、9〕
実施例6において、ポリマーエマルション(B1)に対する他の構成成分の配合量を表2に示すようにした以外は、同様にして、粘着剤組成物(c6)および(c9)を得、次いでこれらを用いて粘着シート(c6)および(c9)を得た。

実施例1〜6および比較例1〜9で得られた粘着剤組成物(1)〜(6)および(c1)〜(c9)について、前述した方法により「保存安定性」を評価した。その結果を表1および表2に示す。
実施例1〜6および比較例1〜9で得られた粘着シート(1)〜(6)および(c1)〜(c9)について、前述した方法により「保持力、SUS粘着力、ラップ粘着力、ボールタック」を評価した。その結果を表1および表2に示す。
Figure 2005187538
Figure 2005187538
本発明の粘着剤組成物は、例えば、粘着テープや粘着シート等の各種粘着製品における粘着剤層の材料組成物として好適に用いることができる。
本発明の粘着製品は、例えば、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、両面テープ等の各種粘着製品として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. α,β−不飽和カルボン酸を必須に含むモノマー成分を重合して得られガラス転移点が−70〜0℃である樹脂、多価金属化合物および溶媒とともに、さらに酒石酸および/またはその塩をも含んでなる、粘着剤組成物。
  2. 前記構成成分として、多価オキサゾリン化合物および/またはポリアミン化合物をも含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記多価金属化合物がジルコニウム化合物である、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 基材の表面に粘着剤層を有する粘着製品であって、該粘着剤層が請求項1から3までのいずれかに記載の粘着剤組成物を塗布し乾燥してなるものである、粘着製品。
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