JP2005187521A - 新規なラクトン重合体およびその製造方法 - Google Patents

新規なラクトン重合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 結晶性が低く常温で液状ないし融点が低く、使用時の作業性が改善され、耐候性、耐熱性、耐薬品性に優れたポリウレタンを提供することのできる新規なラクトン重合体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(I)
【化1】

[一般式(I)の中のZ1、Z2は同じでも異なっていてもよい。各Z1、Z2において、x個のR1およびR2はそれぞれ独立にH、CH3又はC25を表し、xは3〜7までの整数を表し、使用するラクトン類の種類によって決まる。mおよびnはそれぞれ0〜100までの整数を表す。m+nは1〜100までの整数を表す。]
で表されるトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体およびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トリシクロデカンジメタノールを開始剤に用いてラクトン類を開環付加重合させて得られる新規なラクトン重合体およびその製造方法に関する。
従来、ラクトン重合体はエラストマー、合成皮革等のポリウレタン及び塗料等の原料として非常に有用なものである。
また、ラクトン重合体はポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂等に強靭性、加工性等を付与するための改質剤およびウレタンアクリル樹脂等の原料として利用されている。
しかし、従来から知られているエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の開始剤を用いてラクトン類を開環付加重合させて得られるラクトン重合体と有機ジイソシアネート化合物を反応させて得られるポリウレタンの場合、耐熱性に乏しい。
耐熱性を表わす尺度としての軟化温度は従来のポリウレタンでは110℃〜115℃であり、さらに軟化温度の高いポリウレタンを得るためには、通常有機ジイソシアネートおよび鎖延長剤などのハードセグメントを形成する成分の比率を増し、ガラス転移温度を上昇させることにより、耐熱性を向上させる方法が採られる。
しかし、上記の方法により得られるポリウレタンは硬くて弾性が著しく低下し、実用性能を有していないという欠点がある。
また、軟化温度の低いポリウレタンに硬化剤を添加し、三次元架橋することにより軟化温度を向上させ得るが、得られるポリウレタンは弾性が低下するという欠点を有する。
例えば、特開昭63−23923号公報には、耐熱性を向上させるために、2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物変性ラクトン重合体が提案されている。
しかしながら、前記特開昭63−23923号公報で提案されている変性ラクトン重合体は、芳香族骨格を有していることから、耐熱性の向上は図れるが、耐候性の点で劣る。
特開昭63−23923号公報
本発明は、これらの欠点を改良して、他の特性を損なうことなく、優れた耐熱性、耐候性、耐薬品性を有するポリウレタン用の原料として有用な新規なラクトン重合体、およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の欠点を改良すべく鋭意検討した結果、トリシクロデカンジメタノールを開始剤に用いてラクトン類を開環付加重合することによって得られる新規なラクトン重合体が、耐熱性、耐候性、耐薬品性を有するポリウレタン用の原料として有用なポリオール成分であることを見い出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1は、下記一般式(I)
[一般式(I)の中のZ1、Z2は同じでも異なっていてもよい。各Z1、Z2において、x個のR1およびR2はそれぞれ独立にH、CH3又はC25を表し、xは3〜7までの整数を表し、使用するラクトン類の種類によって決まる。mおよびnはそれぞれ0〜100までの整数を表す。m+nは1〜100までの整数を表す。]
で表されるトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体を提供するものである。
本発明の第2は、トリシクロデカンジメタノールに炭素数4ないし8のラクトン類を開環付加重合させることを特徴とする上記一般式(I)で表されるトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の第3は、開環付加重合させる際に触媒を用いる上記発明の第2に記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の第4は、触媒が、スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、亜鉛及びこれらの混合物からなる群から選ばれた金属の化合物である上記発明の第3に記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の第5は、触媒が、陽イオン交換樹脂、硫酸、過塩素酸、BF3、パラトルエンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれた酸触媒である上記発明の第3に記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の第6は、ラクトン類がγ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3−メチル−δ−バレロラクトン又はこれらの混合物である上記発明の第2に記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法を提供するものである。
トリシクロデカンジメタノールを開始剤に用いて製造された本発明の新規なラクトン重合体は、優れた耐熱性、耐候性、耐薬品性を有するポリウレタン用の原料として有用な化合物である。ポリウレタンの用途として熱可塑性ウレタンエラストマー、熱硬化性ウレタンエラストマー、ウレタンフォーム、接着剤、シーリング剤、塗料等があり、このような用途に使用した場合、良好な物性が得られる。また、本発明の新規なラクトン重合体はメラミンまたはポリイソシアネート類と反応するので、優れた塗膜物性を示す塗料組成物が得られる。
本発明の新規なラクトン重合体は前記一般式(I)で表される。一般式(I)の中のZ1、Z2はそれぞれ独立のポリラクトン鎖を表し、同じでも異なっていてもよい。なお、Z1、Z2の構造中の−CO−がトリシクロデカンジメタノールの酸素原子に結合する。各Z1、Z2において、x個のR1およびR2はそれぞれ独立にH、CH3又はC25を表し、R1とR2は同じでも異なっていてもよい。xは3〜7までの整数を表し、使用するラクトン類の種類によって決まる。mおよびnはそれぞれ0〜100までの整数を表す。m+nは1〜100までの整数を表し、開環付加重合されるラクトン類の総量を表す。
本発明に使用するラクトン類はブチロラクトン、カプロラクトン、バレロラクトンおよびそれらのあるいはプロピオラクトンのアルキル化ラクトン等の鎖の部分が炭素数4ないし8のラクトン類で、具体例としては、γ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン(β−メチルプロピオラクトンと略称する)、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン(3−メチルカプロラクトンと略称する)、4−メチル−ε−カプロラクトン(4−メチルカプロラクトンと略称する)、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン(3,3,5−トリメチルカプロラクトンと略称する)、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン(3,5,5−トリメチルカプロラクトンと略称する)、3−メチル−δ−バレロラクトン(β−メチル−δ−バレロラクトンと略称する)等が挙げられ、これらは単独でも、また2種類以上を任意の割合で混合して用いることもできる。工業的には、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトンを主として用い、その目的に応じ、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトンまたはβ−メチル−δ−バレロラクトンを任意の割合で添加するのが有利である。
本発明で用いるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトンは、それぞれシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル置換シクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンを過酸を用いてバイヤービリガー反応により酸化することにより製造することができる。中でも工業的に量産されているε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトンが好ましい。
これらのラクトン類を本発明で使用するもう一方の出発原料成分(開始剤)であるトリシクロデカンジメタノールに開環付加重合反応させることにより、トリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体が得られる。トリシクロデカンジメタノール1モルに対するラクトン類の付加モル数[一般式(I)におけるm+n]は、1〜100、好ましくは1〜20である。ラクトン類の付加モル数が100より大きくなると、例えば塗料として用いた場合、樹脂の結晶性が高くなり、塗膜物性、すなわち、伸びや可撓性の点で充分な物性が得られないので好ましくない。逆にラクトン類の付加モル数が1より小さい場合、ラクトン類付加の効果がない。
開始剤であるトリシクロデカンジメタノールとラクトン類の反応を開始し、かつラクトン類の開環付加重合反応を連続的に行わせるには、ラクトン類と開始剤とを含む反応系を約50〜220℃、好ましくは100〜200℃に加熱する。低温では反応速度が遅く実用的ではなく、あまり高温では熱分解が起こり、好ましくない。
この反応には、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、無機塩基、無機酸、有機アルカリ金属触媒、スズ化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、タングステン化合物、モリブデン化合物およびジルコニウム化合物等が例示できる。なかでも、取扱い易さ、低毒性、反応性、無着色性、耐安定性等のバランスからスズ化合物、チタン化合物が好ましく用いられる。具体的にはテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラメチルチタネート等のチタン化合物、オクチル酸スズ、モノブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズジアセテート、モノブチルスズヒドロキシオキサイド等の有機スズ化合物、及び、酸化第1スズ、塩化第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズ等のハロゲン化スズ、塩化アルミニウム、さらにアルカリ金属のアルコラート、ブチルリチウム、パラトルエンスルホン酸、硫酸、アンバーリスト15のような陽イオン交換樹脂、過塩素酸、亜鉛、BF3等のアルカリ又は酸触媒を好適に用いることができる。中でも塩化第1スズ、オクチル酸スズ、テトラブチルチタネート等が好ましい触媒である。その理由は少量で活性が高いからである。
触媒の使用量は、溶剤を除く出発原料の重量基準で0.01〜200ppm、好ましくは0.1〜50ppmである。触媒の使用量が200ppmより多くなると樹脂が着色しやすくなり、また、製品の安定性に悪影響を与えるため好ましくない。逆に触媒の使用量が0.01ppmより少なくなるとラクトン類の開環付加重合の反応速度が極端に遅くなるので好ましくない。
また、空気雰囲気下で反応をさせると着色する傾向があるので、窒素等、不活性雰囲気下で反応させることが好ましい。
反応は、無溶剤で行なってもよいが、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の活性水素をもたない不活性な溶剤中で行うことが好ましい。溶剤を使用するのは、反応終了後の系内の反応液粘度を低下させる効果があり、かつ、反応中の温度コントロールなどを容易にするためである。但し、エステル結合を有する溶剤は好ましくない。なぜなら反応中にポリカプロラクトンのエステル基とエステル交換を起こし、トリシクロデカンジメタノール以外のものを含むラクトン重合体が生成する恐れがあるためである。
不活性な溶剤の使用量は、溶剤を含む全出発原料基準で0〜80重量%、好ましくは0〜50重量%である。溶剤の使用量が80重量%より多くなると反応成分濃度が低くなり、ラクトン類の開環付加重合速度が遅くなるので好ましくない。
通常、反応は出発原料であるトリシクロデカンジメタノール、ラクトン類、触媒を反応器に仕込み、次いで前記の温度範囲に上昇させ、ラクトン類を付加重合させる。ラクトン類の付加重合の経過は、ガスクロマトグラフィーで反応液中の残存ラクトン類の濃度を測定し、通常はラクトン類の濃度が1%以下になった時点を付加重合の終点とみなす。溶剤は使用したとしても、付加重合終了後に生成物から必ずしも除去する必要はない。
また、本発明の新規なラクトン重合体を使用したポリウレタンは水性化処理することにより、ポリウレタンディスパージョンとして使用することもできる。
(実施例)
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらによって本発明は限定されるものではない。なお、各例中、部はいずれも重量部を、%はいずれも重量%を示す。
<実施例1>
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及びコンデンサーのついた4つ口セパラブルフラスコに、トリシクロデカンジメタノール(Celanese Co. 製)392.6部、ε−カプロラクトン228.3部、オクチル酸スズのヘプタン溶液0.5部(1%ヘプタン溶液)を仕込み、200℃で7時間反応させ、常温で液状のラクトン重合体(数平均分子量315)を得た。ε−カプロラクトンの反応率は99.3%であった。
<実施例2>
実施例1と同様の装置に、トリシクロデカンジメタノール(Celanese Ltd. 製)392.6部、ε−カプロラクトン456.6部、オクチル酸スズのヘプタン溶液0.4部(1%ヘプタン溶液)を仕込み、200℃で7時間反応させ、常温で液状のラクトン重合体(数平均分子量425)を得た。ε−カプロラクトンの反応率は99.1%であった。
<実施例3>
実施例1と同様の装置に、トリシクロデカンジメタノール(Celanese Ltd. 製)196.3部、ε−カプロラクトン803.7部、オクチル酸スズのペプタン溶液0.8部(1%ヘプタン溶液)を仕込み、200℃で8時間反応させ、常温で液状のラクトン重合体(数平均分子量1000)を得た。ε−カプロラクトンの反応率は99.6%であった。
各実施例で得られた重合体(樹脂)の性状を表1に示した。
以下、比較例として2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物を開始剤に用いた例を示す。
<比較例1>
実施例1と同様の装置に、2,2‘−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物(日本乳化剤株式会社製:Newcol-1900,水酸基価:346)324.3部、ε−カプロラクトン675.7部、オクチル酸スズのペプタン溶液0.8部(1%ヘプタン溶液)を仕込み、200℃で8時間反応させ、常温で液状のラクトン重合体(数平均分子量1000)を得た。ε−カプロラクトンの反応率は99.7%であった。
以下、応用例および比較応用例として、上記実施例3および比較例1で得たラクトン重合体を使用し、ポリウレタンディスパージョンに応用した際のウレタン物性に及ぼす影響について示す。
<応用例1>
反応器にイソホロンジイソシアネート83.5部、実施例3で得た、数平均分子量1000のラクトン重合体111.6部及びカルボキシル基含有ポリエステルジオール(ダイセル化学工業社製:PLACCEL 206BA:数平均分子量600)54.9部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃で5時間反応し均一透明なNCO基末端ウレタンプレポリマーを得た。次いで温度を50℃にしてトリエチルアミン9.24部を加え中和した。
これに脱塩水383.4部を徐々に加え、水中油型のウレタンプレポリマー分散液とした後、10℃でイソホロンジアミン33.22部、脱塩水299.0部を添加しプレポリマーの鎖延長を行ない、固形分30%、粘度150mPa・s/25℃、平均粒子径5μmの水性ポリウレタン樹脂を得た。
これを250μmの厚みになるようにガラス板上に塗布し、80℃で2時間乾燥すると厚さ約70μmの均一で透明な柔軟性のあるフィルムが得られた。23℃、60%RHに1日放置後、同じ環境で引張り試験を行なった結果、引張り強度48MPa、伸び600%と良好な物性を示した。フィルムをテトラヒドロフランに1%溶解し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で数平均分子量が31000であった。
<比較応用例1>
反応器にイソホロンジイソシアネート83.5部、比較例1で得た、数平均分子量1000のラクトン重合体111.6部及びカルボキシル基含有ポリエステルジオール(ダイセル化学工業社製:PLACCEL 206BA:数平均分子量600)54.9部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃で5時間反応し均一透明なNCO基末端ウレタンプレポリマーを得た。次いで温度を50℃にしてトリエチルアミン9.24部を加え中和した。
これに脱塩水383.4部を徐々に加え、水中油型のウレタンプレポリマー分散液とした後、10℃でイソホロンジアミン33.22部、脱塩水299.0部を添加しプレポリマーの鎖延長を行ない、固形分30%、粘度140mPa・s/25℃、平均粒子径5μmの水性ポリウレタン樹脂を得た。
これを250μmの厚みになるようにガラス板上に塗布し、80℃で2時間乾燥すると厚さ約70μmの均一で透明な柔軟性のあるフィルムが得られた。23℃、60%RHに1日放置後、同じ環境で引張り試験を行なった結果、引張り強度42MPa、伸び590%と良好な物性を示した。フィルムをテトラヒドロフランに1%溶解し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)で分子量を測定した結果、ポリスチレン換算で数平均分子量が29000であった。
なお、得られたフィルムにおいて、100%応力、伸度保持率および応力保持率は下記の方法により測定した。
(1)100%応力:100%伸長時の応力
(2)応力保持率:(耐湿熱性試験後の破断応力/破断応力)×100
(3)100%応力保持率:(耐湿熱性試験後の100%応力/100%応力)×100
(4)黄変着色性:目視
なお、耐湿熱性試験は、フィルムを100℃、湿度100%の環境下、24時間行った。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)
    [一般式(I)の中のZ1、Z2は同じでも異なっていてもよい。各Z1、Z2において、x個のR1およびR2はそれぞれ独立にH、CH3又はC25を表し、xは3〜7までの整数を表し、使用するラクトン類の種類によって決まる。mおよびnはそれぞれ0〜100までの整数を表す。m+nは1〜100までの整数を表す。]
    で表されるトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体。
  2. トリシクロデカンジメタノールに炭素数4ないし8のラクトン類を開環付加重合させることを特徴とする下記一般式(I)
    [一般式(I)の中のZ1、Z2は同じでも異なっていてもよい。各Z1、Z2において、x個のR1およびR2はそれぞれ独立にH、CH3又はC25を表し、xは3〜7までの整数を表し、使用するラクトン類の種類によって決まる。mおよびnはそれぞれ0〜100までの整数を表す。m+nは1〜100までの整数を表す。]
    で表されるトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法。
  3. 開環付加重合させる際に触媒を用いる請求項2記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法。
  4. 触媒が、スズ、チタン、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、亜鉛の群から選ばれた金属の化合物またはこれらの混合物である請求項3記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法。
  5. 触媒が、陽イオン交換樹脂、硫酸、過塩素酸、BF3、パラトルエンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれた酸触媒である請求項3記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法。
  6. ラクトン類がγ−ブチロラクトン、3−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチル−ε−カプロラクトン、3−メチル−δ−バレロラクトン、又はこれらの混合物である請求項2記載のトリシクロデカンジメタノール変性ラクトン重合体の製造方法。
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