JP2005186984A - ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法 - Google Patents

ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005186984A
JP2005186984A JP2003429915A JP2003429915A JP2005186984A JP 2005186984 A JP2005186984 A JP 2005186984A JP 2003429915 A JP2003429915 A JP 2003429915A JP 2003429915 A JP2003429915 A JP 2003429915A JP 2005186984 A JP2005186984 A JP 2005186984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass paste
container
lid
glass
package
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003429915A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nakajima
宏 中嶋
Tetsuya Kojima
哲也 小嶋
Hiroyuki Oshita
浩之 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2003429915A priority Critical patent/JP2005186984A/ja
Publication of JP2005186984A publication Critical patent/JP2005186984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

【課題】溶剤蒸気の結露の問題がなく、かつクリーンルーム内への搬入作業性に優れ、廃棄物の発生を抑制可能であるガラスペースト包装体及びその包装方法を提供する。
【解決手段】本発明は、容器11内に、ガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト13を収納し、容器11の開口部を蓋で密閉し、蓋14を固定具16により容器11に固定するものであって、蓋14と容器11とガラスペースト13とにより囲まれた空間Sの少なくとも一面を外界から断熱する断熱層Fを配設するガラスペーストの包装方法。および本発明は、容器11と、容器11内に収納されたガラスペースト13と、容器11の開口部を密閉する蓋14とを備えてなるものであって、蓋14と容器11とガラスペースト13とにより囲まれた空間Sの少なくとも一面を外界から断熱する断熱層Fを配設してなるガラスペースト包装体10。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスペーストの包装体及び包装方法に関し、特に、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるガラスペーストに適する包装体及び包装方法に関する。
近年実用化された代表的な平面ディスプレイの一つにプラズマディスプレイパネルがある。このプラズマディスプレイパネルは、粉末ガラスを焼成した多くの部材から構成されており、その作製には数種類のガラスペーストが使用されている。
一般に、プラズマディスプレイパネルの製造ラインに供給されるガラスペーストは、融点や膨張係数等の所定の特性を有するガラス粉末を、バインダー等の樹脂を含む溶媒に分散したものが使用されている。従来、ガラスペーストを輸送するための包装体として、本発明者等による特許文献1があり、図7に示すように、ガラスペースト包装体1は、内容量が100リットルのSUS304ステンレス製のドラム缶2と、ドラム缶2内に収容される丸底に成形された内装用のポリエチレン製袋3と、ポリエチレン製袋3内に収納されるガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト4と、内側がポリエチレン製フィルム5で覆われガラスペースト4を収納したドラム缶2の開口部2aに嵌合するSUS304ステンレス製の蓋6と、ドラム缶2に蓋6を固定するSUS304ステンレス製のバンド7とを備えてなるものである。
また、特許文献2には、容器部分が二重構造になったドラム缶が開示されている。さらに、特許文献3には、開口部を小さくした二重構造の容器が開示されている。
特開2003−81342号公報 実開平7−22924号公報 特開平4−311470号公報
しかしながら、従来のガラスペースト包装体1は、内側がポリエチレン製袋3やポリエチレン製フィルム5でシールされるものの、ドラム缶2にガラスペースト4が入り、蓋6をしている構造であるので、冬季にはクリーンルーム環境から外気の環境下に置かれると、蓋6とドラム缶内のペースト4との間の空間Sの溶剤蒸気が結露するため、蓋6内面の袋の表面に付着したり、ペースト4上に落下する。このようなペースト4を塗布した場合、結露8の部分が溶剤の分離層の存在のため、ペースト4中に部分的なガラス粉末の濃度差が生じることとなり、塗布、乾燥後に得られる乾燥膜にスジが発生する等の問題が生じやすく、品質上好ましくない。
このような結露対策として特許文献2に示されている容器部分が二重構造になったドラム缶の使用が考えられる。しかし、特許文献2のドラム缶は蓋が断熱構造を有していないために、結露の問題は解消されない。その上、重量が大きくなり、かつ容器自体が高価になるので物流コストが大幅に上昇する問題がある。また、特許文献3の二重構造の容器は開口部が小さいので断熱性は優れているが、プラズマディスプレイパネルの作製に使用される印刷用、もしくはコーティング用のガラスペーストは、温度が23℃で、ずり速度が5.7/秒の条件で測定したときの粘度が10〜150Pa・sであり、このような流動性が乏しいガラスペーストを収納する作業及び取り出す作業にかなりの時間を要することになり、多量のガラスペーストの包装には適さないという問題がある。その上、繰り返し容器を使用する際には、容器の開口部が小さいと内面の清掃作業が非常に困難になり、クリーンルーム内でガラスペーストを取り出す時に容器内面から発塵する問題が生じるので、実用には適さない。
本発明は、以上のような結露の問題点を解決し、かつクリーンルーム内への搬入作業性に優れ、廃棄物の発生を抑制可能であるガラスペースト包装体及びガラスペーストの包装方法を提供することを課題とする。
本発明に係るガラスペースト包装体は、容器と、該容器内に収納され樹脂を含む溶媒にガラス粉末が分散されたガラスペーストと、該ガラスペーストを収納した前記容器の開口部を密閉する蓋とを備えてなるガラスペースト包装体であって、前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設してなることを特徴とする。
本発明で蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設してなるとは、蓋の表面またはガラスペーストが満たされていない容器の側面に断熱する断熱層を配設することを意味する。容器の側面に断熱層を配置する場合、容器内部に配置すると、ガラスペーストの取り出し作業の妨げになることが想定されるので、容器の外周が好ましい。配設される断熱層としては、熱伝導度の低い材料により所定厚さの空気層を形成するか、または発泡樹脂を使用することが好ましい。樹脂としては、発泡ウレタン、発泡スチロール、発泡フェノール、発泡スチレン、発泡メラミン、発泡PVA、発泡ポリエチレン、シリコンフォーム、発泡ゴム等が使用可能である。断熱層の厚さとしては、断熱材料の性能にもよるが、1mm〜200mmの範囲で使用可能であり、実用上10mm〜50mmの範囲が好ましい。
また、本発明のガラスペースト包装体は、断熱層が蓋に形成されていることを特徴とする。
外気温の影響等で蓋が冷えた場合、蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の溶剤蒸気は主として蓋の内側に結露し、液滴が大きく成長すると、重力でガラスペースト上に落下する。このようなガラスペーストを塗布した場合、結露による溶剤の液滴が溶剤分離層となり、塗布形成物表面にガラス粉末やフィラーの欠損部としてスジ状に現れ、品質上の問題が生じる。本発明では、断熱層が蓋に形成されていることが重要である。断熱層の効果的な配置としては蓋の内側が好ましい。
また、本発明のガラスペースト包装体は、前記断熱層が気体を包含する樹脂により形成されていることを特徴とする。
本発明で断熱層が気体を包含する樹脂により形成されているとは、熱伝導性が低い樹脂製の袋状体に空気や窒素、その他の不燃気体を充填して断熱層を形成してもよく、発泡樹脂を使用してもよい。この場合、発泡度は5〜90%であれば使用可能であり、好ましくは10〜70%、より好ましくは20〜60%であることが望ましい。また、発泡樹脂を使用する場合、経時変化で劣化を生じてダストを発生するものは避けることが肝要となる。
また、本発明のガラスペースト包装体は、ガラスペーストがプラスチック層を介して容器内に収納され、且つ断熱層が形成された蓋の内側がプラスチック層で覆われていることを特徴とする。
本発明で、容器内でガラスペーストを収納し、且つ断熱層が形成された蓋の内側を覆うプラスチック層としては、材質がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等からなるプラスチック製のフィルムが使用可能であり、その、ガラスペーストを直接包装するものは袋状の形態をなすものが適当であり、その厚さは0.1〜0.5mm程度である。
また、本発明のガラスペースト包装体は、容器または蓋のうち少なくとも一方が、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることを特徴とする。
本発明では、容器及び/または蓋の材料として、耐食性を有する金属製以外の金属を使用すると、錆が発生して、クリーンルーム内にダストを持ち込むことになり、ガラスペースト他の品質維持が困難になる。本発明で用いる容器及び/または蓋の材料としては、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることが重要である。具体的な材料としては、クリーンルーム内での取り扱い実績があるSUS304等のステンレス、Zn、Ni、Cr等の耐食性メッキ処理された金属、アルカリホウケイ酸ガラスのガラス膜で覆われたホーロー、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂で被覆された金属等が使用可能であり、多量のガラスペーストを容易に包装し、維持することが可能となる。
本発明で用いる容器としては、内容量が20リットル以上であることが好ましい。容器の内容量が20リットル未満であると、ガラスペーストの取り扱い作業回数が多くなり、かつ、取り扱い容量の管理が煩雑になる。
また、本発明のガラスペースト包装体は、外側が除去可能なプラスチックフィルムで覆われていることを特徴とする。
外側を覆っているプラスチックフィルムとしては、搬送の際に簡単に破れることがなく、取り除くことでガラスペースト包装体のクリーンルーム内へ搬入時のダストの持ち込みを防止することができれば使用可能である。プラスチックフィルムとしては、材質がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等からなるプラスチック製のフィルムが使用可能であり、その厚さは0.1〜0.5mm程度であり、除去作業の容易な袋状の形態をなすものが適当である。
また、本発明のガラスペースト包装体は、ガラスペーストが、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるものであることを特徴とする。
本発明のガラスペースト包装体は、多量のガラスペーストを効率よくクリーンルームへ搬入することを考慮したプラズマディスプレイパネルの作製に適するものである。
本発明に係るガラスペーストの包装方法は、容器内に、ガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペーストを収納し、該容器の開口部を蓋で密閉し、該蓋を固定具により該容器に固定するガラスペーストの包装方法であって、前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設することを特徴とする。
本発明で蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設するとは、蓋の表面またはガラスペーストが満たされていない容器の側面に断熱する断熱層を配設することを意味しており、断熱層としては、熱伝導度の低い材料により所定厚さの空気層を形成するか、または発泡樹脂を使用することが好ましい。
また、本発明のガラスペーストの包装方法は、断熱層が形成された蓋を使用することを特徴とする。
外気温の影響等で蓋が冷えた場合、蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の溶剤蒸気は主として蓋の内側に結露し、液滴が大きく成長すると、重力でガラスペースト上に落下する。このようなガラスペーストを塗布した場合、結露による溶剤の液滴が溶剤分離層となり、このため塗布、乾燥後に得られる乾燥膜にスジが発生する等の問題が生じやすく、品質上の問題が生じる。本発明では、断熱層が形成された蓋を使用することが重要である。
また、本発明のガラスペーストの包装方法は、ガラスペーストを容器内にプラスチック層を介して収納し、且つ断熱層が形成された蓋の内側をプラスチック層で覆うことを特徴とする。
本発明で、作業性を考慮した取り扱い上、柔軟性に優れた袋状の形態をなすものが適当であり、その厚さは0.1〜0.5mm程度である。
また、本発明のガラスペーストの包装方法は、容器または蓋のうち少なくとも一方が、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることを特徴とする。
本発明で用いる容器及び/または蓋の材料としては、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることが重要である。具体的な材料としては、クリーンルーム内での取り扱い実績があるSUS304等のステンレス、Zn、Ni、Cr等の耐食性メッキ処理された金属、アルカリホウケイ酸ガラスのガラス膜で覆われたホーロー、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂で被覆された金属等が使用可能であり、多量のガラスペーストを容易に包装し、維持することが可能となる。
本発明で用いる容器としては、内容量が20リットル以上であることが好ましい。容器の内容量が20リットル未満であると、ガラスペーストの取り扱い作業回数が多くなり、かつ、取り扱い容量の管理が煩雑になる。
また、本発明のガラスペーストの包装方法は、外側を除去可能なプラスチックフィルムで覆うことを特徴とする。
外側を覆っているプラスチックフィルムとしては、材質がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等からなるプラスチック製のフィルムが使用可能であり、その厚さは0.1〜0.5mm程度であり、除去作業の容易な袋状の形態をなすものが適当である。
また、本発明のガラスペーストの包装方法は、容器内に、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるガラスペーストを収納することを特徴とする。
本発明のガラスペーストの包装方法は、多量のガラスペーストを効率よくクリーンルームへ搬入することを考慮したプラズマディスプレイパネルの作製に適するものである。
本発明に係るガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、容器内に、ガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペーストを収納し、該容器の開口部を蓋で密閉し、該蓋を固定具により該容器に固定するガラスペーストの包装方法であって、前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設することにより、容器と、該容器内に収納され樹脂を含む溶媒にガラス粉末が分散されたガラスペーストと、該ガラスペーストを収納した前記容器の開口部を密閉する蓋とを備えてなり、前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設してなるガラスペースト包装体を作製するので、低温環境下にさらされた場合、蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の溶剤蒸気の結露の発生を大幅に減少させることが可能となる。
また、本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、断熱層が形成された蓋を使用することで、断熱層が蓋に形成されているガラスペースト包装体となるので、蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の溶剤蒸気が蓋の内側に結露することを防止することが可能となり、結露による溶剤の液滴が生じず、結果的に溶剤分離層に起因する、塗布、乾燥後に得られる乾燥膜にスジが発生する等の問題を防止することができる。
また、本発明のガラスペースト包装体は、断熱層が気体を包含する樹脂により形成されているので、包装体の重量をあまり増加させることなく、高い断熱性能を安価なコストで発揮させることができる。
また、本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、ガラスペーストを容器内にプラスチック層を介して収納し、且つ断熱層が形成された蓋の内側をプラスチック層で覆うことにより、ガラスペーストがプラスチック層を介して容器内に収納され、且つ断熱層が形成された蓋の内側がプラスチック層で覆われているガラスペースト包装体となるので、蓋及び容器とガラスペーストとが直接接触する機会をほとんど皆無にすることが可能となる。従って、使用後はプラスチック層を処理するだけでよい。
また、本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、容器または蓋のうち少なくとも一方が、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなるので、クリーンルーム内に錆びからなるダストを持ち込むことなく、ガラスペースト他の品質維持が容易になる。
また、本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、外側を除去可能なプラスチックフィルムで覆うことで、外側が除去可能なプラスチックフィルムで覆われているガラスペースト包装体となるので、クリーンルーム内への搬入の際に、外側を覆っているプラスチックフィルムを取り除くことで、搬送時に付着したダストのクリーンルーム内への持ち込みを防止することができる。
また、本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法によれば、ガラスペーストが、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるものであるので、クリーンルーム内へのダストの持ち込みを防止して、製造されるプラズマディスプレイパネルの品質低下を防ぎ、多量のガラスペーストを包装することで、ガラスペーストを取り扱う作業を激減させ、且つ、産業廃棄物を著しく増やすことなくプラズマディスプレイパネルの増産が可能となる。
さらに、本発明によれば、使用後に廃棄されるプラスチック製容器等の特定の産業廃棄物を減じることが可能となる実用上優れた効果を奏するものである。
以下、図を参照しながら本発明のガラスペースト包装体およびその包装方法の例について説明する。
図1は、本発明に係るガラスペースト包装体の説明図である。この図で、10はガラスペースト包装体を、11は内容量が100リットルのステンレス製のドラム缶を、12は厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなるポリエチレン製袋を、13はガラスペーストを、14はステンレス製の蓋を、Fは蓋14の内側に貼り付けられた断熱材を、15はステンレス製の蓋14を覆う厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなるポリエチレン製袋を、16は蓋14をドラム缶11に固定する固定具としてリング状のバンドを、Sは蓋14とドラム缶11内のガラスペースト13との間の空間を夫々示している。
本発明の実施の形態に係るガラスペースト包装体10は、内容量が100リットルのSUS304ステンレス製のドラム缶11と、ドラム缶11内に収容される丸底に成形された内装用のポリエチレン製袋12と、ポリエチレン製袋12内に収納されるガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト13と、内側がポリエチレン製フィルム15で覆われガラスペースト13を収納したドラム缶11の開口部11aに嵌合するSUS304ステンレス製の蓋14と、ドラム缶11に蓋14を固定するSUS304ステンレス製のバンド16とを備えてなるものである。
ドラム缶11は、SUS304ステンレスからなり、酸洗い処理がなされており、ドラム缶11の開口部11aにはRフランジ部11bが形成されている。ドラム缶11内の底縁には、R部11cが形成されてダストが溜まらないようになっており、ポリエチレン製袋12の取り出しも容易である。また、ドラム缶11の底部には、溶接により支持部11dが付設され、容器部分を保護して、パレット上等に載置した場合に安定するようになっている。
ポリエチレン製袋12は、厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなり、容器内に装着するため丸底に成形されており、ドラム缶11の開口部11aで折り返すだけの深さを有している。
蓋14は、厚さが1.5mmのSUS304ステンレスからなり、ドラム缶11の開口部11aに嵌合する凸部14aと、その外周に延在してドラム缶11のRフランジ部11bに嵌合するRフランジ部14bとからなる。蓋14の凸部14aの内側中央部には発泡度が約40%の発泡ポリエチレンからなる厚さ30mmでドラム缶11の内面との隙間が約10mmとなる直径の断熱材Fが粘着剤で貼り付けられている。Rフランジ部14bのRフランジ部11bに嵌合する表面には環状のウレタン製パッキン14cが貼り付けられている。また、蓋14の内側を覆うポリエチレン製フィルム15は、厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなる袋状であり、ドラム缶11の開口部11aで折り返すだけの深さを有している。
バンド16は、底の丸まったV字形状をした断面形状の枠部16aと、内レバー部16bとを有しており、ドラム缶11の開口部11aのRフランジ部11b及びこれに嵌合している蓋14のRフランジ部14bを枠部16aのV字形状の部位で拘束し、内レバー部16bで締め付けることにより固定するようになっている。また、バンド16は、ポリエチレン製袋15の折り返し部で覆われている。
また、図2に示すように、ガラスペースト包装体10は、その外側に、厚さが0.1mmのポリエチレン製フィルムからなる袋18で覆われて密封されている。また、パレット17上に複数のガラスペースト包装体10が整列載置され、ロープ、環状の帯ゴムまたは、ガムテープ等の固定用テープ等からなる結束具19で固定してある。
図2の状態で、氷点下になる外気に1週間放置した後、開封して調べたところ、蓋14内側を覆うポリエチレン製フィルム15の表面及びガラスペースト13上に溶剤蒸気の結露は観察されなかった。また、結露による溶剤の液滴が生じず溶剤分離層もなくなったので結果的に溶剤分離層に起因する、プラズマディスプレイを作製する際の塗布、乾燥後に得られる乾燥膜にスジが発生する等の品質上の問題が解消された。
次に、ガラスペーストの包装方法の一例を、図3を用いて説明する。
まず、クリーンルーム内で、酸洗い処理がなされた内容量が100リットルのステンレス製のドラム缶11内に、図3(A)のように、厚さ0.2mmのポリエチレン製袋12を広げて収容し、図3(B)のように、ポリエチレン製袋12内にガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト13を収納し、図3(C)のように、ガラスペースト13を収納したドラム缶11の開口部11aに内側が厚さ0.2mmのポリエチレン製フィルム15で覆われたSUS304ステンレス製の蓋14を嵌合させ、図3(D)のように、ドラム缶11の開口部11aのRフランジ部11b及びこれに嵌合している蓋14のRフランジ部14bをバンド16の枠部16aで拘束し、図3(E)のように、内レバー部16bで締め付けることにより固定する。なお、蓋14の内側中央部には発泡ポリエチレンからなる厚さ30mmの断熱材Fが粘着剤で貼り付けられている。
次に、先記した図2に示すように、クリーンルーム内で、ガラスペースト包装体10の外側を厚さが0.1mmのポリエチレン製フィルムからなる袋18で完全に覆って密封することにより、ガラスペースト包装体10へのダストの付着を防止する。
次いで、複数のガラスペースト包装体10を樹脂製のパレット17上に整列載置し、各々の、ロープまたは環状の帯ゴム等からなる結束具19で結束固定する。その後、パレット17毎にフォークリフトやトラック等により輸送される。
上記のようにして作製されたガラスペースト包装体10の包装を解く手順は、まず、パレット17上からガラスペースト包装体10を引き取り、ガラスペースト包装体10の外側を覆っているポリエチレン製フィルムからなる袋18を外す。次いで、ガラスペースト包装体10を清浄化した後、クリーンルーム内に搬入する。以降、図3に示す手順を(E)〜(B)まで遡ることにより容易に包装が解かれる。
その後、ドラム缶11、蓋14、バンド16、結束具19等は再使用され、ガラスペースト13が付着した使用後のポリエチレン製袋12、ポリエチレン製フィルム15のみが廃棄処理される。
なお、上記実施の形態では、ドラム缶11に蓋14を固定するバンド16にSUS304ステンレス製のものを用いているが、一般構造用圧延鋼材のSS等からなる表面にユニクロメッキ処理等を施すことにより錆の抑制及び表面硬度を向上させることにより摩耗を防止したのもでも使用可能である。また、ポリエチレン製袋等の密封には、プラスチックを局部的に溶かすことにより接合するシーラー装置や、ダストの発生が少ないガムテープ等を使用してもよい。
また、ドラム缶11に直接ガラスペースト13を収納してもよい。この場合、ガラスペースト13が付着したドラム缶11や蓋14を洗浄することになるが、ポリエチレン製袋12、ポリエチレン製フィルム15等を廃棄処理する必要がなくなる。
次に、本発明に係る他のガラスペースト包装体について説明する。
図4は、本発明に係る他のガラスペースト包装体の説明図である。この図で、20はガラスペースト包装体を、21は内容量が100リットルのステンレス製のドラム缶を、22は厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなるポリエチレン製袋を、23はガラスペーストを、24は上記の蓋14と同様に断熱材Fを設けたステンレス製の蓋を、25はステンレス製の蓋24を覆う厚さが0.2mmのポリエチレン製フィルムからなるポリエチレン製袋を、26は蓋24をドラム缶21に固定する固定具としてリング状のバンドを、Fは断熱材を、Sは蓋24とドラム缶21内のガラスペースト23との間の空間を夫々示している。
ガラスペースト包装体20は、空間Sに面した上部の開口部21a近くの外周面に厚さ25mmの断熱材Fを粘着材で貼り付けた内容量が100リットルのSUS304ステンレス製のドラム缶21と、ドラム缶21の内面21bに折れや重なりを生じることなく減圧状態で密着している内装用のポリエチレン製袋22と、ポリエチレン製袋22内に収納されるガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト23と、内側がポリエチレン製フィルム25で覆われガラスペースト23を収納したドラム缶21の開口部21aに嵌合する内面に断熱材Fを設けたSUS304ステンレス製の蓋24と、ドラム缶21に蓋25を固定するSUS304ステンレス製のバンド26とを備えてなるものである。
上記ガラスペースト包装体20を先出の図2の状態で、氷点下になる外気に2週間放置した後、開封して調べたところ、空間Sに面したポリエチレン製袋22の表面、蓋24内側を覆うポリエチレン製フィルム25の表面及びガラスペースト23上に溶剤蒸気の結露は観察されなかった。
また、上記ガラスペースト包装体20の内装用のポリエチレン製袋22の上部には、口径が約10mmの脱気口22aが設けられており、ドラム缶21内に挿着されてプラスチックフィルム製袋22とドラム缶21とが密閉され、脱気口22aから排気されてドラム缶21の内面21bにプラスチックフィルム製袋22が減圧状態で密着した後に、脱気口22aが封止されているものである。
このようなガラスペースト包装体20は、プラスチックフィルム製袋22がドラム缶21の内面21bに減圧状態で密着しており、図5に示すように、ドラム缶21の内壁21bに、圧送機30のプレート31の外周に配置されて所定の内圧に調節された合成ゴム製の環状チューブ31aを密着させた状態で、プレート31の下面31bをガラスペースト23の液面に接触させて押し込む際に、プラスチックフィルム製袋22に折れや重なりを生じることがないので、プレート31を円滑に押し下げることができ、その上部に配置されたポンプ32を駆動させることによりプレート31中央の吸引口31cからガラスペースト23を吸引して、排出口33からガラスペースト23を効率よく短時間で汲み出すことができる。また、プラスチックフィルム製袋22がドラム缶21の内面21bに折れや重なりを生じることなく密着しているので、内壁21bにガラスペースト23が残ることなく、プレート31の上部にガラスペースト23が付着せず、使用後のプレート31の清掃が非常に簡素化された。
次に、ガラスペースト包装体20を作製するガラスペーストの包装方法の一例を、図6を用いて説明する。
まず、クリーンルーム内で、酸洗い処理がなされた内容量が100リットルのステンレス製のドラム缶21内に、図6(A)のように、厚さ0.2mmのポリエチレン製袋22を広げて収容し、ポリエチレン製袋22の開口部側をドラム缶21に気密状態に密閉する。次いで、脱気口22aからホースを通して図示しない排気ポンプにより排気してドラム缶21の内面21bにプラスチックフィルム製袋22が減圧状態で密着させる。その後に、脱気口22aを図示しないシーラーやシール材等で封止することにより、ドラム缶21の内面21bに折れや重なりを生じることなくポリエチレン製袋22を減圧状態で密着した状態を維持させる。図6(B)のように、ポリエチレン製袋12内にガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペースト23を収納する。以降は、先出の実施の形態と同様の操作となる。
なお、上記実施の形態では、プラスチックフィルム製袋に設けた脱気口から排気することによりドラム缶内面にプラスチックフィルム製袋を密着させているが、脱気口はドラム缶に設けてもよく、ドラム缶とプラスチックフィルム製袋との密閉部位に脱気口を設けてもかまわない。
上記包装体は食品用のペースト等の搬送用途にも適用できる。
本発明に係るガラスペースト包装体を示す説明図であって、(A)は平面図、(B)は部分破断説明図。 本発明のガラスペーストの包装方法を説明する図であって、(A)は部分破断説明図、(B)はガラスペースト包装体をパレット上に整列配置した説明図。 本発明のガラスペースト包装体を作製する手順を示す(A)〜(E)の説明図。 本発明の他のガラスペースト包装体を示す説明図。 他のガラスペースト包装体から圧送機でガラスペーストを汲み出す説明図。 本発明の他のガラスペースト包装体を作製する手順を示す(A)(B)の説明図。 従来のガラスペースト包装体を示す部分破断説明図。
符号の説明
10、20 ガラスペースト包装体
11、21 ドラム缶
12、22 ポリエチレン製袋
13、23 ガラスペースト
14、24 蓋
15、25 ポリエチレン製袋
16、26 バンド
17 パレット
18 袋
19 結束具
22a 脱気口
F 断熱材
S 空間

Claims (13)

  1. 容器と、該容器内に収納され樹脂を含む溶媒にガラス粉末が分散されたガラスペーストと、該ガラスペーストを収納した前記容器の開口部を密閉する蓋とを備えてなるガラスペースト包装体であって、
    前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設してなることを特徴とするガラスペースト包装体。
  2. 前記断熱層が蓋に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスペースト包装体。
  3. 前記断熱層が気体を包含する樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスペースト包装体。
  4. 前記ガラスペーストがプラスチック層を介して容器内に収納され、且つ断熱層が形成された前記蓋の内側がプラスチック層で覆われていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のガラスペースト包装体。
  5. 前記容器または蓋のうち少なくとも一方が、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のガラスペースト包装体。
  6. 外側が除去可能なプラスチックフィルムで覆われていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のガラスペースト包装体。
  7. ガラスペーストが、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるものであることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のガラスペースト包装体。
  8. 容器内に、ガラス粉末が樹脂を含む溶媒に分散されたガラスペーストを収納し、該容器の開口部を蓋で密閉し、該蓋を固定具により該容器に固定するガラスペーストの包装方法であって、
    前記蓋と容器とガラスペーストとにより囲まれた空間の少なくとも一面を外界から断熱する断熱層を配設することを特徴とするガラスペーストの包装方法。
  9. 前記断熱層が形成された蓋を使用することを特徴とする請求項8に記載のガラスペーストの包装方法。
  10. 前記ガラスペーストを容器内にプラスチック層を介して収納し、且つ前記断熱層が形成された蓋の内側をプラスチック層で覆うことを特徴とする請求項9に記載のガラスペーストの包装方法。
  11. 前記容器または蓋のうち少なくとも一方が、ステンレス、メッキ処理された金属、ホーロー、または樹脂で被覆された金属のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項8から請求項10の何れかに記載のガラスペースト包装方法。
  12. 外側を除去可能なプラスチックフィルムで覆うことを特徴とする請求項8から請求項11の何れかに記載のガラスペースト包装方法。
  13. 容器内に、プラズマディスプレイパネルの作製に使用されるガラスペーストを収納することを特徴とする請求項8から請求項12の何れかに記載のガラスペーストの包装方法。
JP2003429915A 2003-12-25 2003-12-25 ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法 Pending JP2005186984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429915A JP2005186984A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003429915A JP2005186984A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005186984A true JP2005186984A (ja) 2005-07-14

Family

ID=34788441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003429915A Pending JP2005186984A (ja) 2003-12-25 2003-12-25 ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005186984A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020186999A1 (zh) * 2019-03-18 2020-09-24 京东方科技集团股份有限公司 显示面板及其制备方法、显示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020186999A1 (zh) * 2019-03-18 2020-09-24 京东方科技集团股份有限公司 显示面板及其制备方法、显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4470508A (en) Dustfree packaging container and method
US7770360B2 (en) Form fill and seal container
JP2006168832A (ja) 積み重ねられた大形薄ガラスパネルの梱包装置
WO2005092740A1 (en) Method and apparatus for packaging glass substrates
JP2005206247A (ja) 乾燥剤層を備えた容器覆い蓋
JP2008239221A (ja) フラックス入りシーム有り溶接用ワイヤ中間品の包装方法およびフラックス入りシーム有り溶接用ワイヤ中間品の包装体
GB2471028A (en) Tray with adhesively sealed lid film
CN201132651Y (zh) 一种传输外壳
US9631774B2 (en) Liner-based assembly for removing impurities
CN102369147A (zh) 粘接膜包装体及其制造方法
KR20160045600A (ko) 유리판 곤포체
JP2005186984A (ja) ガラスペースト包装体およびガラスペーストの包装方法
KR20040089617A (ko) 유리 기판 팩키지
JPH04231461A (ja) スパッタリングターゲットの保護具及び包装方法
JP6353182B2 (ja) 密閉容器及び梱包体
JP2009292527A (ja) 液状物充填包装体の梱包方法
TW201429824A (zh) 破壞性密封件
JP2004196365A (ja) ガラスペースト包装体、ガラスペーストの包装方法及びガラスペーストの取出方法
JP4617850B2 (ja) 真空パックを用いたガラス基板の梱包方法及びその包装体
JP3232691B2 (ja) 天板付きドラム
CN107472580B (zh) 一种包装钒铁成品的方法
JP2006143241A (ja) ガラス基板の梱包方法及びそれを用いたガラス基板の梱包体
CN111217024B (zh) 溅射靶的捆包结构体及溅射靶的捆包方法
CN212074927U (zh) 一种内外层双道指示剂包装袋
JPH0245373A (ja) 電子部品の包装方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090428