JP2005186735A - ステアリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突時における運転者の衝撃を効果的に緩和できるステアリングシステムを得る。
【解決手段】コラム固定装置40は、車体22に固定されたブラケット60と、そのブラケット60と相対移動可能に保持されたU字形部材62とを備えている。ブラケット60には長穴71,72が設けられており、その長穴71,72に沿ってU字形部材62を貫通する移動軸72,73が移動することが可能である。そのU字形部材62にはニーパッド100が固定されており、そのニーパッド100は、二次衝突時に運転者20の膝136により斜め上前方に押され、U字形部材62はステアリングコラム32およびハンドル30とともに、ハンドル30の中央の位置を中心として回動させられる。その結果、運転者20の移動方向と、ステアリングシステムが衝撃を効果的に緩和できる方向が近づく。
【選択図】 図7

Description

本発明は、車両に配備されたステアリングシステム、詳しくは、操作部材を保持する部分の構造に特徴を有するステアリングシステムに関する。
車両用ステアリングシステムは、通常、その操作部が、ステアリングホイール等の操作部材と、前方が下方に向かって傾斜する状態で車体取り付けられるステアリングコラム等の操作部材保持装置を含んで構成され、操作部材は、直立状態から前方に傾斜した状態で車体に配設される。車両の衝突に起因する運転者の操作部材への二次衝突を考慮して、操作部材にエアバッグが設けられ、保持装置自体あるいは保持装置の車体への取付機構にも操作部材に加わる衝撃エネルギを吸収する機構が設けられている。衝撃エネルギの吸収に関して、次のような技術が公開されている。下記〔非特許文献1〕には、ステアリングコラムの車両への搭載角度を変更してコラムに加わる衝撃エネルギを効率よく吸収する技術が記載されている。また、二次衝突時の衝撃を緩和する効果を高める技術として、下記〔特許文献1〕には、運転者の膝の力を利用することにより、操作部材に加わる衝撃エネルギの吸収動作がスムーズに開始されるようにする技術が記載されている。
トヨタ技術公開集、発行番号14139,P.45−47 特開2002−137707号公報
エアバッグ,衝撃エネルギ吸収機構等は、それらの有する機能から、衝撃を受ける方向が適正化されることが望ましい。そこで、上記〔非特許文献1〕に記載された技術では、衝撃を受ける方向を適正化すべく、車両衝突を予測あるいは検知し、二次衝突前に適切なステアリングコラムの搭載角度を適切な角度に変化させているが、搭載角度を変更するアクチュエータ,そのアクチュエータを制御する制御装置等、複雑で高価な装置が必要となり、コストが高くつくという点で実用的ではない。また、上記〔特許文献1〕に記載された技術は、車両の前方方向に水平に生じる衝撃を効果的に緩和するという技術であるが、衝撃を受ける方向が適正化されず、その点において実用的ではない。本発明は、そういった実情に鑑みてなされたものであり、二次衝突時の衝撃の緩和機能に関して実用性の高いステアリングシステムを得ることを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のステアリングシステムは、運転者によって回転操作される操作部材と、その操作部材を保持する操作部材保持装置と、操作部材の回転軸線が車両前方側が車両後方側より低く位置するように傾斜する状態で、操作部材保持装置を車体に固定する保持装置固定装置とを含んで構成され、その保持装置固定装置が、車両の衝突の際、運転者の車両前方への移動に伴う運転者の下肢の動作に起因する力が操作部材保持装置に加わる場合に、その力の作用によるところの操作部材の回転軸線の傾斜勾配の減少を伴う操作部材保持装置の位置変動を許容する位置変動許容機構を備えたことを特徴とする。
本発明のステアリングシステムは、簡単に言えば、車両の衝突の際に、運転者自体が二次衝突時に有するエネルギーによって、操作部材保持装置の車体に対する角度を変更させるものである。二次衝突の際、衝撃吸収方向を適正化させ得ることで、運転者に加わる衝撃を効果的に緩和でき、また、操作部材保持装置の位置変動のための、動力源,アクチュエータ,制御装置等を必要としないことから、二次衝突時の衝撃の緩和機能に関して実用性の高いステアリングシステムが実現する。なお、本発明のステアリングシステムの各種態様およびそれらの作用および効果については、以下の、〔発明の態様〕の項において詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (9)項が請求項3に、それぞれ相当する。
(1)運転者によって回転操作される操作部材と、
その操作部材を保持する操作部材保持装置と、
前記操作部材の回転軸線が車両前方側が車両後方側より低く位置するように傾斜する状態で、前記操作部材保持装置を車体に固定する保持装置固定装置と
を含んで構成されるステアリングシステムであって、
前記保持装置固定装置が、
車両の衝突の際、運転者の車両前方への移動に伴う運転者の下肢の動作に起因する力が前記操作部材保持装置に加わる場合に、その力の作用によるところの前記操作部材の回転軸線の傾斜勾配の減少を伴う前記操作部材保持装置の位置変動を許容する位置変動許容機構を備えたことを特徴とするステアリングシステム。
本項に記載のステアリングシステムは、車両の衝突の際に、運転者の有する運動エネルギを利用して、操作部材保持装置の位置を変動させるものである。そのため、操作部材保持装置の位置を変動させる動力源,アクチュエータや、車両衝突を検出するセンサ,制御装置といった電子的なデバイス等を備える必要が無い。また、運動エネルギの大きさ、平たく言えば、下半身が前進しようとする慣性力の程度に応じて、操作部材保持装置の車体に対する角度を変更させることができることができることから、エアバッグや衝撃エネルギ吸収機構等が備えられた車両においては、衝撃吸収の方向を適正化し、それらによる衝撃エネルギ吸収を効果的に行わせることができる。
ここで、衝撃吸収方向の適正化について、操作部材がステアリングホイールであり、操作部材保持装置がステアリングコラムであるステアリングシステムを例にとって説明する。かかるシステムでは、ステアリングホイールにはエアバッグ装置が装備され、ステアリングコラムあるいはそれと車体との間には、衝撃エネルギ吸収装置が設けられることが一般的である。このような装置は、運転者がステアリングホイール回転軸線方向から衝突した場合、つまり、ステアリングホイールに対して真っ直ぐに衝突した場合において、最も効果的に衝撃吸収機能を発揮するように設計される。一方、運転者の衝突方向は、例えば、シートベルトを装着している場合とそうでない場合とでは異なる。シートベルトをしている場合は、シートベルトの拘束により上半身がお辞儀するような状態でステアリングホイールに衝突する。つまり、運転者はステアリングホイールに対して、前方斜め下の方向に衝突する。シートベルトをしていない場合は、運転者が前方に慣性移動するため、水平方向に近い方向でステアリングホイールに衝突する。また、シートベルトを着用している場合であっても、車両の衝突の衝撃が大きい場合は、シートベルトの拘束に打ち勝って、運転者が前方へ移動する場合がある。このような実情から、運転車の衝突方向に応じて、撃吸収方向が適正化されることが望ましいのである。
上記説明したように、運転者が前方に慣性移動する場合には、その移動のエネルギが大きい程、衝突方向が水平方向に近づく。一方、運転者が前方に移動する場合には、運転者の下肢が、例えば、膝が屈曲する等して、インストゥルメントパネルの下部に衝突する。この下肢の衝突による衝撃、つまり、運転者の下肢が作用する力は、運転者が前方に慣性移動するエネルギが大きい程大きくなる。本項に記載の態様は、この力を利用し、例えば、インストゥルメントパネルの下部に固定されているステアリングコラムを、それの車両前方側を跳ね上げるようにして、移動させるのである。つまり、ステアリングホイールの回転軸線(コラムの軸線)の角度を変更させることで、先に説明した運転者の衝突方向と上記装置においての効率的な衝撃吸収方向と整合させて、衝撃吸収の適正化を図るのである。
上記説明では、ステアリングホイールとステアリングコラムとを含んで構成されるステアリングシステムを例にとって説明したが、本項に記載の態様では、操作部材、操作部材保持装置は、それらに限定されるものではない。本項に記載の態様は、各種の操作部材、操作部材保持装置を備える既に公知のステアリングシステムに対して広く適用可能である。特に、操作部材が傾斜して設けられるステアリングシステムに対して、効果的である。
(2)前記保持装置固定装置が、車体に設けられた支持部材と、前記操作部材保持装置に設けられて前記支持部材によって固定支持される被支持部材とを備え、
前記操作部材保持装置が位置変動する際に、前記支持部材と前記被支持部材との相対移動が許容される構造とされた (1)項に記載のステアリングシステム。
保持装置固定装置は、例えば、操作部材保持装置と車体との各々に設けられたブラケットどうしを締結させて、車体に対して保持装置を固定させる構造のものが一般的である。本項に記載の態様は、そのような一般的な構造のステアリングシステムに好適な態様であり、実用的なシステムが実現する。
(3)前記位置変動許容機構が、
前記被支持部材を前記支持部材に係止するとともに、前記操作部材保持装置に加わる運転者の下肢の動作に起因する力が設定された大きさを越える場合に、前記被支持部材と前記支持部材との相対移動を許容すべくその係止を解除する係止・係止解除手段を有する (2)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様のように、係止・係止解除手段を設ければ、例えば、通常時には、運転車が安定的に操作でき、かつ、運転者の前方への慣性移動の程度が大きい場合にのみ操作部材保持装置の位置変動を許容させることができる。係止・係止解除手段は、例えば、操作部材保持装置の位置変動を禁止する部材を設け、一定以上の力が作用する場合に、その部材が変形,破損等するような構造のものとすることができる。
(4)前記位置変動許容機構が、前記被支持部材に設けられた被ガイド部と、前記支持部材に設けられて、前記被ガイド部の移動をガイドするガイド部とを有し、前記被ガイド部が前記ガイド部にガイドされて移動することを許容することで、前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (2)項または (3)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様は、被支持部材と支持部材との相対移動を定まった軌道に沿ったものとする態様である。ガイド部と被ガイド部との一方に軌道を形成する部材を設け、その軌道形成部材に沿った他方の移動を許容するような構造とする場合が、本項に記載の態様に含まれる。その場合の軌道は、直線的なものに限られず、曲線的なものであってもよい。ガイド部と被ガイド部との組合せは、具体的には、例えば、溝,レール等の軌道形成部材と、とそれに係合するピン,スライド等といった組合せを採用することができる。なお、軸とそれを回転可能に保持する軸受とを組合せ、被支持部材と支持部材とを相対回転させる態様も、本項に記載の態様に含まれる。
(5)前記位置変動許容機構が、前記操作部材保持装置が位置変動する面内において互いに離間して設けられた2つの前記被ガイド部と、それら2つの被ガイド部の各々をそれぞれガイドする2つの前記ガイド部とを有し、それら2つのガイド部が、前記2つの被ガイド部の各々を、それらの相対位置関係が前記操作部材保持装置の位置に応じた位置関係を維持しつつガイドすることにより、移動量に応じて前記回転軸線の傾斜勾配が定められた勾配となるような前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (4)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様には、例えば、ガイド部と被ガイド部との2組の各々において、ガイド部と被ガイド部との一方によって形成された軌道に沿って他方を移動させることにより、操作部材保持装置を回転させつつ移動させる態様が含まれる。ガイド部が被ガイド部によって形成された軌道に沿って移動するようにされた場合において、2つのガイド部のそれぞれの軌道上の位置を、操作部材保持装置の移動位置に応じて一義的に定まるようにすれば、操作部材の回転軸線の傾斜勾配は、その移動位置に応じて一義的に定まるものとなる。それぞれの軌道を調整することにより、操作部材保持装置を、任意の方向に位置変動させつつ、任意の量だけ回転させることができる。より具体的に言えば、例えば、設定された1点を中心として互いに半径の異なる円軌道に沿ってそれぞれのガイド部を移動させれば、操作部材保持装置は、あたかも、その1点を中心とした回転運動を行うように位置変動させることが可能である。本項に記載の態様によれば、操作部材の高さ方向位置,前後方向位置を変化させないような操作部材保持装置の位置変動をも容易に実現できる。
なお、操作部材保持装置が位置変動する面である位置変動面は、位置変動許容機構の構造上の簡便さ等を考慮すれば、一平面、特に鉛直な一平面とすることが望ましいが、曲面とされてもよい。
(6)前記位置変動許容機構が、車体における前記操作部材の高さ方向の位置を殆ど下降させない状態での前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (1)項ないし (5)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様によれば、操作部材の回転軸線の傾斜勾配を小さくする際に、操作部材の高さ方向の位置が下降しないことから、例えば、二次衝突において、エアバッグが、運転者の頭部を効果的な状態で受け止めることができ、運転者への衝撃を効果的に緩和可能となる。
(7)前記位置変動許容機構が、車体における前記操作部材の前後方向の位置を殆ど後退させない状態での前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (6)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様によれば、二次衝突時において、操作部材が運転者に近づく向きに移動しないため、例えば、エアバッグの展開が効果的に行われて運転者への衝撃を効果的に緩和することができる。
(8)前記位置変動許容機構が、設定された1点を中心とした前記操作部材保持装置の回動を許容するものである (1)項ないし (7)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
操作部材の回転軸線の傾斜勾配を小さくするように操作部材保持装置を位置変動させる場合には、操作部材保持装置を回動させることが簡便である。本項に記載の態様は、そのような操作部材保持装置の変動が実現する態様である。設定された一点を、例えば、操作部材の回転軸線の運転者側への延長線上あるいはその近傍とすれば、操作部材の高さ方向位置を下降させず、また、操作部材の前後方向位置を運転者側に近づかないように、操作部材保持装置を変動させることができる。
(9)前記位置変動許容機構が、前記操作部材の中心あるいはそれの付近に設定された1点を中心とした前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (8)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様によれば、操作部材の高さ方向位置,前後方向位置を殆ど変化させない状態で、操作部材保持装置を位置変動させることが可能である。二次衝突における衝撃吸収効果の安定したステアリング装置となる。
(10)前記位置変動許容機構が、前記回転軸線が水平となるまでの前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (1)項ないし (9)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
衝突速度が大きく、シートベルト非着用の場合等、極端な場合は、操作部材への運転者衝突方向は、ほぼ水平方向にまでなる。本項に記載の態様は、そのような場合まで対応可能であり、二次衝突時の衝撃を緩和する効果の高いステアリングシステムとなる。
(11)当該ステアリングシステムが、前記操作部材保持装置に連結して設けられて運転者の膝への衝撃を緩和するためのニーパッドを備え、
前記位置変動許容機構が、前記ニーパッドに加わる膝からの力の作用による前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである (1)項ないし (10)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
二次衝突による運転者の下肢、特に膝の保護のための緩衝器具として、インストゥルメントパネルの下部にニーパッドを装備することも検討されており、ニーパッドを装備した車両では、二次衝突の際、そのニーパッドに加わる力は、運転者の前方への慣性移動のエネルギに応じたものとなる。本項に記載の態様は、このニーパッドに加わる力を利用して、衝撃吸収を効果的に行う態様である。操作部材保持装置とニーパッドとの連結は、後に掲げるように、ニーパッドが操作部材保持装置に固定された態様であってもよいが、何らかの運動変換機構,緩衝機構等を介してなされる態様であってもよい。
(12)前記ニーパッドが前記操作部材保持装置に固定されて設けられた(11)項に記載のステアリングシステム。
本項に記載の態様のように、ニーパッドを直接的に連結すれば、簡便なステアリングシステムが実現する。
(13)当該ステアリングシステムが、車両の衝突の際、前記操作部材への運転者の衝突によって前記操作部材保持装置に加えられる衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置を含んで構成された (1)項ないし(12)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
本項における衝撃エネルギ吸収装置は、例えば、操作部材保持装置がステアリングコラムである場合において、そのコラムに組み込まれた衝撃エネルギ吸収装置や、コラムと車体との取り付け部分に設けられた衝撃エネルギ吸収装置等である。通常のステアリング装置に用いられている衝撃エネルギ吸収装置であれば、種々のものを広く採用することができる。なお、本項に記載の態様は、位置変動許容機構の作用に鑑みれば、操作部材の回転軸方向に加わる衝撃エネルギを吸収するものを採用する場合に、特に効果的である。
(14)当該ステアリングシステムが、操作部材に設けられたエアバッグ装置を含んで構成された (1)項ないし(13)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
本項に記載のエアバッグ装置は、通常用いられているエアバック装置を広く採用することが可能である。前述した位置変動許容機構の目的からすれば、本項に記載の態様のように、エアバッグ装置を採用するステアリングシステムに対して、位置変動許容機構を採用することのメリットは大きい。
(15)前記操作部材がステアリングホイールである (1)項ないし(14)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
(16)前記操作部材保持装置が、自身の一端部に前記操作部材を相対回転不能に保持するシャフトと、そのシャフトを回転可能に保持するチューブとを含んで構成されたステアリングコラムである (1)項ないし(15)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
上記2つの項は、既に広く実用化されている操作部材,操作部材保持装置の態様に関するものであり、それら態様のように、現状の車両に対して、広く位置変動許容機構を装備することが可能である。
(17)当該ステアリングシステムが、運転者によって前記操作部材に加えられる操作力によらずに、自身が備える動力源の動力によって車輪を転舵させる操作部転舵部分離型ステアリングシステムである (1)項ないし(16)項のいずれかに記載のステアリングシステム。
本項に記載のステアリングシステムは、いわゆるステアバイワイヤと呼ばれるものであり、操作部材になされた操作を、例えば、センサ等により電磁気的に検出し、その操作に基づいて動力源を制御することにより車輪を転舵するものである。操作部転舵部分離型システムでは、操作部材,操作部材保持装置を含んで構成される操作部は、比較的小型であり、また、車体への取付の自由度も高い。したがって、位置変動許容機構を装備させる場合の制約も少ないため、操作部転舵部分離型システムに適用される本項に記載の態様では、より効果的な衝撃吸収機能を有するシステムが実現する。
以下、本発明の一実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、決して下記の実施例に限定されるものではなく、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
1. ステアリングシステムの概要.
図1に、本発明の一実施例であるステアリングシステム10が車両に配備された状態を、模式的に示す。この図は、運転者20が車体22に設けられたシート24に着座している車室内を示す図である。本実施例のステアリングシステム10は、操作部転舵部分離型のシステム(いわゆるステアバイワイヤ型システム)であり、図示されている部分は、その操作部である。本ステアリングシステム10の操作部は、操作部材であるステアリングホイール30,そのステアリングホイール30を保持する操作部材保持装置としてのステアリングコラム32,およびそのステアリングコラム32を保持して車体に固定する保持装置固定装置としてのコラム固定装置40を含んで構成されている。なお、図示されてない転舵部は、動力源を有して車輪を転舵させる転舵装置を備えており、転舵装置は、ステアリングホイール30になされた操作に基づいて上記動力源が制御駆動されることで、車輪を転舵する。
ステアリングコラム32は、回転軸たるシャフト50と、そのシャフト50を軸回りに回転可能に保持するチューブ52とを含んで構成されている。シャフト50の運転者20側の端部に、ステアリングホイール30が相対回転不能に設けられている。ステアリングコラム32は、ステアリングホイール30の回転軸線すなわちステアリングコラム32の軸線が、車両前方側が低く車両後方側が高くなるように傾斜した状態になるように保持されている。詳しく言えば、ステアリングホイール30の回転軸線が水平線に対して所定の角度となる状態で、つまり所定の傾斜勾配を有する状態で、ステアリングコラム32が車体22に固定されている。
なお、ステアリングコラム32は、図示を省略するが、シャフト50の回転位置を検出する回転位置センサと、操作角度に応じてステアリングホイール30に反力を付与する反力発生機構とを備えており、車両が備える電子制御装置によって、回転位置センサの信号に基づいてステアリングホイール30の操作状態が判断され、その判断された操作状態に基づいて、上記転舵部が備える動力源,反力発生機構の動力源等が制御駆動させられるのである。
2. コラム固定装置.
コラム固定装置40は、車体22に固定されたブラケット60と、そのブラケット60に支持されて断面がU字形状とされたU字型部材62とを含んで構成されている。図2に、コラム固定装置40の図1におけるA−A断面図を示す。ブラケット60は、車体22に設けられたインストゥルメントパネル(計器板)のリインフォースメント(補強部材)66に固定されている。そのリインフォースメント66は、コラム固定装置40を挟んで左右にそれぞれ存在し、それら左右のリインフォースメント66の各々が、それら各々が互いに連結されるような状態で、ブラケット60に固定して接続されている。
ブラケット60には、長穴として形成されたガイド穴70,71が形成されている。一方、U字型部材62には、2つの支持軸72,73が設けられている。詳しく言えば、それら支持軸72,73は、U字型部材62に支持軸72,73の外形より僅かに大きい内径で穿設された軸穴を貫通し、両端部がU字型部材62の左右に延び出すようにして保持されており、その両端部の各々が、2つのガイド穴70,71の各々と係合している。後に詳しく説明するが、ステアリングコラム32は、衝撃エネルギ吸収装置を介して、支持軸72,73に支持されている。なお、2つの支持軸72,73の各々には、ブラケット60の外側において係止環74が取り付けられており、その係止環74によって、支持軸72,73の自身の軸方向への移動が制限されている。
図3に、ブラケット60とU字形部材62とが連結している部分を拡大して示す。支持軸72,73の各々には、断面がC字型をなす樹脂製のカラー80が嵌められており、支持軸72,73の各々は、そのカラー80を介して、ガイド穴70,71の各々と係合している。詳しく言えば、2つのガイド穴70,71の各々の下端部付近には、穴幅を狭くするように突出する突起86が設けられており、支持軸72,73およびカラー80は、この突起86に係止されてガイド穴70,71の最下端部に位置させられている。支持軸72,73に対して、設定値を超える力が作用する場合には、樹脂製のカラーが変形し、上記係止が解除される。その係止の解除によって、支持軸72,73は、カラー80とともにガイド穴70,71に沿った移動が許容される。
なお、U字型部材62には、それの下部に、ニーパッド100が、固定部材102を介して固定されている。ニーパッド100は、平板形状の基材106に、マット形状の低反発ポリウレタン等の衝撃吸収部材108が固定されたものである(図2参照)。後に詳しく説明するが、車両衝突時に、運転者が慣性力によって前方へ移動する場合、運転者の下肢、詳しくは膝が、ニーパッド100に衝突すると、その膝の動作に起因して、U字型部材62に対して、それを斜め上方に移動させる力が作用する。すなわち、ステアリングコラム32を位置変動させる力が作用するのである。
上記膝の動作によって作用する力が設定された大きさを超える場合に、上述した支持軸72,73の係止が解除され、上述したように、支持軸72,73の各々が、ガイド穴70,71の各々にガイドされる状態で移動する。図4に示すように、ガイド穴70,71は、ステアリングホイール30の中心、詳しくは、操作面の中心110(回転軸線上に位置する)を中心として互いに半径の異なる円弧状とされている。そのため、ガイド穴70,71によって、支持軸72,73の移動する軌道112,114が、それぞれ、操作面の中心110を中心とする円弧状に形成されることになる。支持軸72,73の軸間距離は一定とされていることから、支持軸72,73の各々は、ステアリングコラム32の位置変動の量に応じた相対位置関係を維持しつつ、軌道112,114に沿って移動することになる。そのような支持軸72,73の移動によって規制されるステアリングコラム32の位置変動は、図に示すように、操作面の中心110を中心とした回動となる。つまり、ステアリングコラム32は、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配の減少を伴う位置変動が許容されるのである。なお、ステアリングコラム32が移動する面は、車幅方向に直角であり、かつ、車両前後方向に平行な面となる。また、ガイド穴70,71の端部に支持軸72,73が位置する状態までの位置変動が許容されているため、本コラム固定装置40では、その状態において、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配は、略水平となる。
上述のようなコラム固定装置40の機能に基づいて、さらに説明すれば、ステアリングコラム32と一体として移動する支持軸72,73およびU字型部材62が、ステアリングコラム32に設けられた被支持部材として、支持軸72,73およびU字型部材62と相対移動するブラケット60が、車体に設けられた支持部材として、それぞれ機能するものとされている。また、ブラケット60に設けられて支持軸72,73の移動する軌道112,114を形成するガイド穴70,71の各々が、ガイド部として、ガイド穴70,71にガイドされる支持軸72,73の両端部の各々が、被ガイド部として、それぞれ機能するものとされている。さらに言えば、支持軸72,73,それに嵌められたカラー80,ガイド穴70,71に形成された突起86を含んで構成されるところの、支持軸72,73の係止およびそれの解除を実現する手段が、係止・係止解除手段として機能するものとなっている。以上、掲げた構成要素を含んで、位置変動許容機構が構成されているのである。なお、ステアリングコラム32の位置変動に関して言えば、U字型部材62,支持軸72,73等は、ステアリングコラム32の一部分と擬制することができるため、ニーパッド100は、ステアリングコラム32に固定されて設けられたものと見做すことができる。
3. 衝撃を緩和する機構
本ステアリングシステム10は、運転者のステアリングホイール30への二次衝突における運転者への衝撃を緩和する機構として、2つの装置を備えている。その1つが、ステアリングホイール30に設けられたエアバッグ装置120である。エアバッグ装置120は、図5に示すように、車両の衝突時に運転者20の前方にエアバッグ122を展開し、運転者20がステアリングホイール30に衝突する際の衝撃を緩和する。
もう1つの装置は、図6に示すところの、ステアリングコラム32に加えられる衝撃エネルギを効果的に吸収すべくコラム固定装置40に設けられた衝撃エネルギ吸収装置130(以後、「衝撃吸収装置130」と略す場合がある)である。ステアリングコラム32には、2つのチャンネル形状のブラケット132,134が、それぞれの両側のフランジ140,142の先端をチューブ52に固着される状態で設けられている。それぞれのブラケット132,134には、両側のフランジ140,142の各々に、ステアリングコラム32の軸方向に延びる長穴であるガイド穴144,145が設けられている。それらガイド穴144,145の各々に、ブラケット132,134を貫く状態で支持軸72,73の各々が挿通させられることで、ステアリングコラム32が、軸方向に移動可能に支持されている。先に説明したブラケット60のガイド穴70,71の場合と同様、車両前方側に位置するブラケット132に設けられたガイド穴144には、前方端部付近に突起146が設けられており、通常の状態においては、支持軸72は、その突起146の前方側に、樹脂製のカラー148を介して係止されている。先に説明した係止・係止解除手段の場合と同様、ステアリングコラム32に軸方向の衝撃が加わった場合に、その係止が解除されて、ステアリングコラム32の車両前方側への軸方向の移動が許容されるのである。車両前方側に位置するブラケット132には、両側のフランジ140の間に、エネルギ吸収プレート150(以下、「EAプレート150」と略する場合がある)が配設されている。EAプレート150は、帯状の部材であり、支持軸72を取り巻く状態に曲げられ、一端部がフランジ140の間に渡されたロッドに固定されている。ステアリングコラムが32が、車両前方側へ移動する場合、EAプレート150が展ばされるように塑性変形する。その変形に要する力がステアリングコラム32の移動に抗う力として作用することで、ステアリングコラム32に加わる衝撃エネルギが吸収されるのである。上記構造の下、ブラケット132,134、ガイド穴144,145、支持軸72,73、EAプレート150等を含んで、衝撃エネルギ吸収装置130が構成されているのである。
上記2つの衝撃緩和機構は、いずれも、衝撃を受ける方向によって、その緩和する効果が異なる。詳しく言えば、いずれの装置も、ステアリングホイール32の回転軸線の方向の衝撃に対して、つまり、ステアリングホイール32の操作面に対して真っ直ぐに加わる衝撃に対して、最も効果的に衝撃を緩和することができるようになっている。
4. 二次衝突におけるコラム固定装置の機能
車両衝突によって、運転者20がステアリングホイール30に二次衝突する場合、運転者20のステアリングホイール30への衝突方向は、シートベルトの着用の有無,衝突時の車両速度等によって、異なるものとなる。一方で、先に説明したように、車両が装備する上記衝撃緩和機構は、ステアリングホイール30の回転軸線と運転者20の衝突方向とのなす角度(衝突角度)により、衝撃緩和効果の程度が異なることになるため、衝突角度、つまり、衝撃緩和機構が受ける衝撃の方向を適正化することが望まれる。本ステアリングシステム10におけるコラム固定装置は、その衝撃を受ける方向を適正化する機能を有している。以下、いくつかの状況下における二次衝突を例にとって、コラム固定装置40が有する機能を説明する。
例えば、運転者がシートベルトを着用している場合、図7に示すように、運転者20は、上半身を前方に傾斜させる状態で、ステアリングホイール30に衝突する。詳しく言えば、シートベルト装置には、シートベルト170の荷重が規定値以上になると、一定の荷重をかけながら運転者20の上側後方からシートベルト170を繰り出す機構(フォースリミッタ機構)が設けられており、そのため、運転者20の上半身は、シートベルト170に拘束されながらも前方に倒れることとなる。この場合は、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配が、通常走行時のままであっても、ステアリングホイール30に対する運転者の衝突角度は、適正となっており、エアバック装置120,衝撃吸収装置130による衝撃の緩和は効果的に行われる。
これに対し、運転者がシートベルトを着用していない場合は、シートベルト170による拘束力がないため、図8に示すように、運転者20は、衝突時に有する慣性エネルギによって、車両前方へ移動する。その場合、運転者20の上半身や腰が概ね水平方向に移動してステアリングホイール30に衝突するため、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配が通常走行時の状態では、衝突角度は適正とはならない。ところが、運転者20が前方に移動する場合、運転者の膝136が大きく屈曲する状態でニーパッド100に衝突する。コラム固定装置40には、前述したところの、ステアリングコラム32の位置変動を許容する機構が備わっているため、膝がニーパッド100へ衝突する力の作用により、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配が減少するように、ステアリングコラム32が位置変動させられる。これにより、ステアリングホイール30に対する運転者20の衝突角度が適正化され、エアバック装置120,衝撃吸収装置130による衝撃の緩和は効果的に行われる。なお、ステアリングコラム32が位置変動することで、膝136の衝撃が緩和されるという効果もある。
上記2つの場合は、極端な例であるが、例えば、シートベルトを着用していても、衝突速度が大きい場合は、シートベルト170の拘束に抗って、運転者20は前方に移動する。その場合には、上記2つの例の中間的な状態、平たく言えば、上半身が若干傾斜した状態で、ステアリングホイール30に衝突することになる。その場合、シートベルトを着用していない場合ほどには移動していないため、膝の屈曲も比較的小さく、また、ニーパッド100が受ける衝撃も比較的小さく、ステアリングコラム30は、上記2例の中間的な位置まで位置変動することになる。その場合、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配も、中庸的なものとされるため、やはり、ステアリングホイール30に対する運転者20の衝突角度が適正化され、エアバック装置120,衝撃吸収装置130による衝撃の緩和は効果的に行われることになる。
上記説明から解るように、運転者20の前方への移動の程度と運転者20のステアリングホイール30への衝突の方向との間には、何某かの相関関係が認められる。また、運転者20の下肢の挙動は、運転者20の前方への移動の程度に依存する。本コラム固定装置40は、二次衝突時の運転者20の下肢の挙動を巧みに利用することで、ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配を、運転者20の前方への移動の程度に応じた傾斜勾配になるようにされているのである。また、シートベルト170を着用している場合等には、運転者20の前方への移動の程度は、運転者20の体重にも依存する。運転者20の体重が重い場合には、運転者20の慣性エネルギーが大きくなるため、運転者20の前進の度合いは、運転者20の体重が軽い場合よりも大きくなる。このことに鑑みれば、本コラム固定装置40は、運転者20の体重差による影響を受けることなく、衝突角度を適正化できるものと考えられる。
5. 変形例
上記実施例では、ステアリングコラム32の回動の中心はステアリングホイール20の中央の位置110であったが、図9に示すように、ステアリングホイール30と運転者20との間の位置を回動中心200とすることも可能である。長穴70,71を、その回動中心200を中心とする互いに半径の異なる円弧状とすることで、支持軸72,73の各々の円弧軌道202,204が、図に示すように形成される。支持軸72,73が円弧軌道202,204に沿って移動する場合、ステアリングコラム32は、図10に示すように、回動中心200を中心にして回動するような位置変動が許容される。この位置変動では、回動後のステアリングホイール30の高さ方向の位置は、回動前よりも高くなっている。
ステアリングコラムの位置変動は、平行移動と回転とが組み合わさったようなものと考えることができる。例えば、図11に示すような、支持軸72,73が、直線軌道300に沿った平行移動と、図12に示すような、一方の支持軸73を中心とする円弧軌道304に沿って他方の支持軸72が移動する回転とが組み合わさったものと考えることができるのである。そして、組合せという考えの下、支持軸72,73の軌道を種々に変更することにより、ステアリングコラム32の位置変動を種々の態様のものとすることができる。具体的には、例えば、図13に示すように、一方の支持軸73を直線軌道300に沿って、他方の支持軸72を曲線軌道308に沿って移動させることにより、ステアリングホイール30の位置が若干上昇および後退しつつ、ステアリングコラム32の軸線の傾斜勾配が漸減する状態で、ステアリングコラム32を位置変動させることができる。また、図14に示すように、支持軸72,73の各々を、曲線軌道330,340に沿って移動させても、位置変動の開始時および終了時の位置および姿勢を図13に示す場合と同じとするステアリングコラム32の位置変動が実現する。ところが、図13に示す位置変動と図14に示す位置変動では、位置変動の途中の位置および姿勢が異なり、図14に示す位置変動のほうが、早い段階でステアリングホイール30の位置を車両前方方向に位置させるものとなっている。このように、ステアリングホイール30の前後方向の位置,高さ方向の位置,ステアリングホイール30の回転軸線の傾斜勾配等の変化の過程をを自由に設定することができるのである。
上記実施例において、衝撃吸収装置130は、ステアリングコラム32と支持軸72との相対移動における衝撃を吸収する形式のものであったが、この形式に限定されず、ステアリングコラム32自体が伸縮する形式のもの等、既に公知の種々の形式の衝撃吸収装置130を採用することができる。また、上記実施例では、ニーパッド100がU字形部材62を介してステアリングコラム32に固定され、運転者20の下肢の力を、ステアリングコラム32を位置変動させるための力として、直接的にステアリングコラム32に直接作用させている。この態様に代え、作用する力の方向,大きさ等を変換する機構を介して、ニーパッド100とステアリングコラム32とを連結させることも可能である。
本発明の実施例であるステアリングシステムの操作部が車両に配備された状態を示す模式図である。 上記ステアリングシステムのコラム固定装置のA−A断面を示す図である。 上記コラム固定装置の拡大図である。 上記コラム固定装置が保持するステアリングコラムの回動中心を示す図である。 二次衝突時に展開されるエアバッグを示す図である。 上記コラム固定装置に設けられた衝撃エネルギ吸収装置(一部断面)を示す図である。 衝突速度が大きくなく、運転者がシートベルトを着用している場合における二次衝突時の状態を示す図である。 運転者がシートベルトを着用していない場合における二次衝突時の状態を示す図である。 上記とは別の実施例において、ステアリングホイールと運転者の間に位置するステアリングコラムの回動中心を示す図である。 上記回動中心を中心とするステアリングコラムの回動を示す図である。 ステアリングコラムの平行移動を示す図である。 ステアリングコラムの回転を示す図である。 ステアリングコラムが回転しながら平行移動する際の軌道を示す図である。 ステアリングコラムが回転しながら平行移動する際の曲線的な軌道を示す図である。
符号の説明
10:ステアリングシステム 20:運転者 30:ステアリングホイール(操作部材) 32:ステアリングコラム(操作部材保持装置) 40:コラム固定装置(保持装置固定装置) 60:ブラケット(支持部材) 62:U字型部材(被支持部材) 70,71:ガイド穴(ガイド部) 72:支持軸(被ガイド部) 88:回動中心 100:ニーパッド 112,114:軌道 120:エアバッグ装置 130:衝撃エネルギ吸収装置 170:シートベルト 200:回動中心 202,204:円弧軌道 300:直線軌道 304:円弧軌道 308:曲線軌道 330,340:曲線軌道

Claims (3)

  1. 運転者によって回転操作される操作部材と、
    その操作部材を保持する操作部材保持装置と、
    前記操作部材の回転軸線が車両前方側が車両後方側より低く位置するように傾斜する状態で、前記操作部材保持装置を車体に固定する保持装置固定装置と
    を含んで構成されるステアリングシステムであって、
    前記保持装置固定装置が、
    車両の衝突の際、運転者の車両前方への移動に伴う運転者の下肢の動作に起因する力が前記操作部材保持装置に加わる場合に、その力の作用によるところの前記操作部材の回転軸線の傾斜勾配の減少を伴う前記操作部材保持装置の位置変動を許容する位置変動許容機構を備えたことを特徴とするステアリングシステム。
  2. 前記保持装置固定装置が、車体に設けられた支持部材と、前記操作部材保持装置に設けられて前記支持部材によって固定支持される被支持部材とを備え、
    前記操作部材保持装置が位置変動する際に、前記支持部材と前記被支持部材との相対移動が許容される構造とされた請求項1に記載のステアリングシステム。
  3. 前記位置変動許容機構が、前記操作部材の中心あるいはそれの付近に設定された1点を中心とした前記操作部材保持装置の位置変動を許容するものである請求項1または2に記載のステアリングシステム。
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