JP2005186167A - アルミニウム合金成形板をトリミングする方法および装置 - Google Patents

アルミニウム合金成形板をトリミングする方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 剪断不良を防止しつつ、摩耗粉の発生を抑制して星目及び塗装不良の発生を抑制することができるアルミニウム合金成形板のトリミング方法およびトリミング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 上刃3 と下刃4 との剪断により、成形加工後のアルミニウム合金成形板1 をトリミングする際、上刃3 と協動して、剪断するアルミニウム合金成形板1 を上方から押さえる軟質押さえ部材2 を上刃近傍に配置するとともに、この押さえ部材の底面2aを、剪断しようとするアルミニウム合金成形板1 に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面3aよりも張り出させることである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成形加工後のアルミニウム合金成形板をトリミングする方法および装置に関するものである。
自動車パネル及びその部品、電気機器パネル並びに精密部品等に使用されるアルミニウム又はアルミニウム合金板(以下、総称してアルミニウム合金板という)は、これら素材板をプレス成形などの成形加工後、その成形板あるいは成形品 (以下、パネルとも言う) の縁部 (余肉部) などを除去するトリミングを施されて、製品パネルとされる。近年、自動車の軽量化の要求が高まり、自動車パネル材として、従来の鋼板に変わってアルミニウム合金板が使用されるようになってきた。しかし、アルミニウム合金板を使用する場合でも成形加工からトリミング加工に至る工程は、鋼板の場合と基本的に変わらない。
即ち、プレス成形加工によって素材アルミニウム合金板から成形品を得る場合は、この素材に成形加工を施した後、この成形板の縁部を除去するトリミング加工を施し、前記成形板から不要部分(以下スクラップ部という)を除去して、成形品の形状部を残す作業が行われている。このトリミング加工においては、一般的に、成形品の形状部を下刃と押させ部材により固定し、上刃と下刃とにより成形板をシャー切断(剪断加工)して、スクラップ部が除去されている。
より具体的に、図6 を用いて、従来の代表的なトリミング方法を説明する。図6 は従来の代表的なトリミング装置を示す模式図である。図6 において、成形後の成形板7を、成形加工部を下刃10と押さえ板8との間で挟持し、除去せんとする部分を下刃10上からはみ出させて、下刃10及び押さえ板8により支持する。その後、上刃9を矢印11のごとく下降させて、上刃9及び下刃10による剪断加工により、アルミニウム合金成形板7の不要部分(スクラップ部)を、シャー切断する。上刃9はその後上昇し、上刃9が1往復するプレス動作により、スクラップ部がトリミング除去される。
このように、通常の剪断加工は剪断する部位の表面と上刃の移動方向11とのなす角を90°として、成形板7は表面に垂直の方向に剪断される。トリミング加工後の成形品は、曲げ工程、組み立て工程及び塗装工程等を経た後、自動車等を構成するパネル又は部品等として使用される。
しかしながら、上記シャー切断することにより、剪断加工後の端面にかえりが発生し、それが欠落して摩耗粉が発生する場合がある。発生した摩耗粉はワークの成形品形状部及び成形用金型に付着し、成形品の表面に星目と呼ばれる凹凸を形成してしまう。成形品表面に凹凸があると、後の塗装工程で、塗装面が均一の色にならない色むら、即ち塗装むらが発生する原因となる。このため、星目ができた場合は、成形品の表面を研磨するなどして凹凸を除去する手直しがおこなわれる。この場合に、手直しすべき成形品が多いと、生産性を低下させる原因となる。このため、従来よりトリミング加工時に摩耗粉が発生しないように種々の検討がなされてきた。
このための方法として、トリムライン及びこのトリムラインに交差したカットラインに沿って連続する溝部を形成し、スクラップ部を複数のプッシュバーで押す工程により、溝部を分離先端としてトリムライン及びカットラインに従ってトリミング加工を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。これは、成形品の所定の位置に溝部を形成した後、この溝部を分離先端としてトリミング加工を行うことにより、溝部を介して成形品形状部から不要部分を確実に分離しようとするものであり、これにより成形品形状部側にかえりが発生するのを防止するものである。
特許第2908989号公報(第1〜3頁、図1)
しかしながら、アルミニウム合金板から成形した成形品をトリミング加工する際、従来の鋼板と同一条件でトリミング加工すると、鋼板とアルミニウム板ではかえりの発生挙動が違うことから、トリミング加工後にかえりが発生しやすくなるという問題点がある。このため、アルミニウム合金板の場合は、鋼板よりも、摩耗粉が発生しやすく、塗装後のむらの発生率が増加する。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであって、工数の増加をもたらすことなく、また、剪断不良を防止しつつ、容易かつ確実に、かえりの生成を防止し、摩耗粉の発生を抑制して星目及び塗装不良の発生を抑制することができるアルミニウム合金成形板のトリミング方法およびトリミング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明(請求項1)に係るアルミニウム合金成形板のトリミング方法の要旨は、上刃と下刃との剪断により、成形加工後のアルミニウム合金成形板をトリミングする方法において、上刃と協動して、剪断するアルミニウム合金成形板を上方から押さえる軟質押さえ部材を上刃近傍に配置するとともに、この押さえ部材の底面を、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面よりも張り出させることである。
また、同じく、上記の目的を達成するために、本発明(請求項3 )に係るアルミニウム合金成形板のトリミング装置の要旨は、成形加工後のアルミニウム合金成形板の成形部を下方から支持する下刃と、前記成形部を上方から押さえて前記下刃との間で前記成形部を支持する軟質押さえ部材と、下降して前記下刃との間で剪断により前記成形板をトリミングする上刃と、を各々有し、前記押さえ部材の底面は、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面よりも張り出していることである。
上記したように、前記押さえ部材の底面を、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面よりも張り出させることで、アルミニウム合金成形板をシャー切断する際の、成形板の押さえ、あるいは固定が十分に行なわれ、刃が成形板に食い込む際の、成形板の変動が抑制される。このため、シャー切断する際の、上刃と下刃とのクリアランスが変動せずに、一定に保持され、剪断加工後の端面にかえりが発生することが無くなる乃至抑制される。したがって、このかえりが成形板より欠落して、摩耗粉が発生することが無くなる乃至抑制される。この結果、摩耗粉に起因する成形品の星目及び塗装不良の発生を抑制することができる。また、成形品の表面疵発生などの剪断不良も抑制できる。
この効果は、前記軟質押さえ部材の底面の硬度がビッカース硬度で20〜60Hvの範囲であれば、更に大きく発揮される。
なお、従来でも、押さえ部材の底面を、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して、上刃底面よりも張り出させた例はあったやも知れない。しかし、従来は、この張出量と、剪断時の成形板の変動による切断面のかえり発生との関係が明確ではなかった。したがって、単に板押さえして、剪断時の成形板の変動を抑制するためだけであれば、この張出量を多く取りすぎることとなり、後述する通りの不具合を生じていたものである。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1 は本実施形態のトリミング装置のトリミング加工用金型の構造を示す模式図である。図2 、3 は図1 のトリミング加工用金型によるシャー切断の状況を示し、図2 はシャー切断初期の板押さえの状況、図3 は板剪断後の状況、を各々示す模式図である。
先ず、図1 において、プレス成形等の成形加工後のアルミニウム合金成形板1は、下型(下刃)4 と板押さえ部材2 であるパッドとの間に挟持されている。成形品側のアルミニウム合金成形板1bは下型4 上に位置され、スクラップ側のアルミニウム合金成形板1 a は下型4 上から外れて延在すべく位置されている。点線で示す5 はアルミニウム合金成形板1 の切断 (想定) 面である。
図1 の態様では、下型4 は固定設置されている。勿論、下型4 を固定せず、上型(上刃)3と協働して、上方または下方に昇降 (移動) 可能に構成しても良い。図1 において、パッド2 は、下型4 の上方で、かつ上型 (上刃)3の近傍に配置されている。一方、上型(上刃)3は、パッド2 とともに、支持枠 (フレーム)6に、上方または下方に昇降 (移動) 可能に支持されている。
下型4 と上型3 とは、アルミニウム合金成形板1 の切断 (想定) 面5 に対し、その互いの刃面( 剪断面)4b と3bとが、一定のクリアランスc を持って配置されている。
そして、上型3 は、パッド2 と協働して、下型4 に摺動するように鉛直下方に移動し、上型3 と下型4 との間の剪断加工により、アルミニウム合金板1 の下型4 上からはみ出た不要部分(スクラップ部分)1 a を、切断面5 においてシャー切断して除去する。
ここにおいて、本発明の特徴的な構成は、パッド2 の底面2aが、上型3 の底面3aよりも、剪断しようとするアルミニウム合金成形板1 の上面に対して、図1 のa で示す距離だけ張り出させていることである。本発明では、このa の距離を特定の0.1 〜0.5mm の範囲とする。したがって、パッド2 の底面2aは、このa の距離だけ、上型3 の底面3aよりも下方に位置するとともに、アルミニウム合金成形板1 の上面に対して近い距離に位置している。
このような構成からなるトリミング加工用金型による、アルミニウム合金成形板1 のシャー切断の状況を以下に説明する。図2 のシャー切断初期において、上型3 を、支持枠6 とともに、下型4 に向けて矢印方向に下降させた際に、協働するパッド2 も下降を始める。この際、パッド2 の底面2aは、このa の距離だけ、上型3 の底面3aよりも早くアルミニウム合金成形板1 の上面に接触する。そして、更にパッド2 が下降した場合、パッド2 の底面2aは上型3 の底面3aがアルミニウム合金成形板1 に接触すると同時か、またはそれよりも僅かに早いタイミングで、アルミニウム合金成形板1 を押圧し、板押さえの役割を果たす。
即ち、パッド2 は、上型3 の底面3aがアルミニウム合金成形板1 に接触すると同時か、またはそれよりも僅かに早いタイミングで、押圧力をアルミニウム合金成形板1 に付与することが重要である。しかも、その押圧力は、成形板の変動を抑制し、シャー切断する際の上刃と下刃とのクリアランスc が変動せずに、一定に保持されるような押圧力である必要がある。この押圧力付与のタイミングが遅くなっても、言い換えると、アルミニウム合金成形板1 のシャー切断が開始された後で、上記十分な押圧力をアルミニウム合金成形板1 に付与しても、剪断加工後の切断面 (端面)5にかえりが発生することを抑制できない。これらの切断面5 のかえりは、上型3 と下型4 とが成形板に食い込むシャー切断開始の際の、成形板の変動によって主として発生するからである。
上記パッド2 (軟質押さえ部材) の底面2aの距離a を、上記0.1 〜0.5mm の特定の範囲とするのは、この押圧力付与の上記最適なタイミングを生みだす作用を生じさせるためである。この距離a が0.1mm 未満では、パッド2 あるいはその底面2aを比較的硬い材質として、パッド2 の底面2aの、アルミニウム合金成形板1 の上面への接触から、アルミニウム合金成形板1 を十分押圧するタイミングを早めようとしても、上型3 の下降、接触による、アルミニウム合金成形板1 のシャー切断開始に対し、板押さえのタイミングが間に合わない。また、パッド2 の底面2aを比較的硬い材質とした分、成形板表面を傷つけやすくなる。したがって、上記距離a は0.1mm 以上とする。
一方、上記距離a が上記0.5mm を越えた場合、パッド2 あるいはその底面2aを比較的柔らかい材質としても、上型3 の下降によるシャー切断までの、アルミニウム合金成形板1 を押圧する時間が長くなる。このため、軟質なアルミニウム合金成形板1 表面に、パッド2 による圧痕やへこみが生じる可能性が高い。このような圧痕やへこみは、パッド2 の底面2aの面積にもよるが、表面処理されて使用されるにせよ、されないで使用されるにせよ、アルミニウム合金特有の金属光沢によって強調され、周辺部との大きな光沢差となって目立つようになり、成形品の価値を著しく損なう。
パッド2 には、上記十分な押圧力を確保するための、ある程度以上の硬度は必要であり、このため、押圧する時間が長くなるほど、アルミニウム合金成形板1 表面に、パッド2 による圧痕やへこみが生じる可能性が高くなる。したがって、パッド2 によるアルミニウム合金成形板1 を押圧する時間をできるだけ短縮するために、上記距離a は0.5mm 以下とする。
以上説明した、押圧力付与の上記最適なタイミングと上記成形板の変動を抑制するに足る押圧力の大きさの効果は、軟質押さえ部材であるパッド2 の底面2aの硬度にも影響される。この点、パッド2 の底面2aの硬度が、ビッカース硬度で20〜60Hvの範囲であれば、押圧力付与の上記最適なタイミングと押圧力の大きさの効果は、更に大きく発揮される。
パッド2 の底面2aの硬度が20Hv未満であれば、上記パッド底面2aが本発明範囲の距離a を満たす場合において、トリミング加工用金型条件や、シャー切断条件によっては、即ち、よりシャー切断しにくい条件の場合に、パッド2 あるいはその底面2aが柔らかすぎるようになる。このため、パッド2 の底面2aが、アルミニウム合金成形板1 の上面に早く接触しても、軟質底面2aの圧縮によるなど、アルミニウム合金成形板1 を十分に押圧する時間がかかり、上型3 の下降、接触によるシャー切断開始に対し、板押さえのタイミングが間に合わない可能性がある。
一方で、パッド2 の底面2aの硬度が60Hvを越えた場合には、上記パッド底面2aが本発明範囲の距離a を満たす場合において、成形板1 の表面を傷つけやすくなる。
本発明では、パッド2 の底面2aの硬度が上記範囲となるように、また、上記押圧力付与の上記最適なタイミングと上記成形板の変動を抑制するに足る押圧力の大きさを確保するために、パッド2 自体か、あるいはパッド2 の底面2aの材質と厚みなどを設計、構成することが好ましい。例えば、本発明においては、パ硬度が上記範囲となるように、パッド2 の底面2aの材質を、ウレタン、フェルトなどの軟質樹脂や発泡樹脂あるいは布などの材質とすることが推奨される。ただ、このような底面2aの材質に対し、これを支持するパッド2 の本体を同じ材質、あるいは他の軟質材料、鋼などの金属、あるいは硬質の樹脂などとしても良い。
本発明において、通常の剪断加工と同じく、剪断する成形板部位の表面と上刃の移動方向とのなす角は90°として、成形板は表面に垂直の方向に剪断される。ただ、成形品側のアルミニウム合金成形板1bに対し、スクラップ側のアルミニウム合金成形板1aを、切断面5 において、上刃3 の移動方向に対して50〜80°の角度をなすように下方に曲げた後、上刃3 と下刃4 との剪断によりトリミングしても良い。このように構成すれば、スクラップ側のアルミニウム合金成形板1aは、上型3 の移動方向(鉛直下方)に対して、上記角度をなして傾斜しているので、上型3 が下降及び上昇の剪断動作を一往復しても、板の変動が抑制され、成形品側の切断面5 にかえり発生が防止、あるいは抑制できる効果がある。
以上説明した板押さえパッド2 の底面2aの張出以外に、本発明においては、通常あるいは従来のトリミング装置、トリミング加工用金型の構造や、剪断条件や方法を変更する必要は基本的に無い。この点が本発明の利点でもある。
また、本発明がトリミングの対象とするアルミニウム合金成形板1 は、素材アルミニウム合金板を製品形状に成形したものを言う。したがって、プレス成形、曲げ成形によって三次元形状に成形された成形板だけでなく、素材である板やコイルから切断成形された平板状の成形板なども含みうる。
以下、平板状アルミニウム合金成形板1 を、実際に、図1 に示したトリミング加工用金型でシャー切断した場合の、本発明の特許請求の範囲を満たす実施例 (発明例) の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。図4 はシャー切断されるアルミニウム合金成形板1 の寸法を示す平面図、図5 は図1における板押えパッド2 の寸法を示す斜視図である。
図4 のアルミニウム合金成形板1 において、1bは成形部(縦200 mm、横300mm )、1aはトリミングで除去される縁部 (余肉部) である。縁部1aは、成形部1bの4辺部分に、幅が30mmで延在するとともに、更に、成形部1bの4隅部分に一辺が30mmの矩形状のトリミング部を有する。成形板1 は、JIS 5052- 0 材からなるアルミニウム合金製であり、厚さが1mm である。
シャー切断に用いた図1 の上型3 及び下型4 は、成形部1bの外縁形状に対応した切断面の平面形状を有し、JIS FCD-55の金型用鋼から構成されている。
図5 のパッド2 は上記図4 の成形部1bの概ね全面を押さえる面積を有する矩形状とし、厚さは30mmとした。そして、この形状で、その底面2aを含めて一体のウレタン樹脂製のパッドと、底面に厚手のフェルトを装着した本体鋼製の二種類を準備した。
そして、これら二種類のパッド2 の張出量を種々変えて、また、ウレタン樹脂製のパッド2 については、底面硬度 (本体も含めた) を種々変えて、トリミング試験を行なった。
上記各同一条件(1条件) について、各々10個(10 回) のトリミング試験を実施し、トリミング中の成形板の変動、トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生状況、を計測および目視にて、各トリミングの同一条件について、10回の平均で評価した。また、トリミング時の作業性や効率を評価するため、種々の剪断不良 (トラブル) の有無も評価した。
トリミング中の成形板の変動は、成形品側の成形板1bの上下の変動 (はね上がり) 幅が10回のトリミングの平均で、0.3mm を越えて大きいものを×、0.1 〜0.3mm のものを△、変動が殆ど無いものを○として評価した。
トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生状況は、かえりの大きさ (長さ) が10回のトリミングの平均で、0.05mmを越えて大きく、これが欠落して摩耗粉が発生し、成形品の表面に星目と呼ばれる凹凸を形成する可能性が高いものを×、10回のトリミングの平均の大きさが0.05mm以下であり、許容できると判断されるものを△、かえりが殆ど無いものを○として評価した。
また、剪断後の板を目視観察し、10回のトリミング回数中で、パッドの食い込みによる視認可能な疵を2 個以上見つけた場合は×、1 個見つけた場合は△、疵が無かった場合を○として評価した。
表1に、発明例、比較例ともに、これらの結果を示す。
Figure 2005186167
この表1に示すように、板押さえパッド2 の底面2aを、剪断しようとするアルミニウム合金成形板1 に対して0.1 〜0.5mm の範囲で、前記距離a だけ上刃3 底面3aよりも張り出した発明例1 〜10は、トリミング中の成形板の変動が無いか、少なく抑制されており、トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生も無いか、少なく抑制されている。また、パッドの食い込みによる表面疵の発生も無いか、少なく抑制されており、トリミング時の作業性や効率も良好であった。
但し、前記距離a が下限と上限である0.1mm か0.5mm かの発明例1 、4 、7 、10は、他の条件が同じ、発明例2 、3 あるいは8 、9 に比して、トリミング中の成形板の変動、トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生、あるいは表面疵の発生、などのいずれかが比較的劣っている。
これに対して、前記距離a が下限と上限から各々外れた比較例11〜16は、一様に、トリミング中の成形板の変動が大きく、トリミング後の成形品切断面5 のかえりが大きく発生している。また、パッドの食い込みによる表面疵の発生も生じ、トリミング時の作業性や効率も不良であった。
そして、板押さえパッド2 の底面2aの張出量が少な過ぎる前記比較例12は、同じく張出量が少な過ぎる前記比較例13に比して、板押さえパッド2 の底面2aの硬度を小さくしてもなお、トリミング中の成形板の変動が大きく、トリミング後の成形品切断面5 のかえりが大きく発生している。更に、板押さえパッド2 の底面2aの張出量が大き過ぎる前記比較例14も、同じく張出量が大き過ぎる前記比較例13に比して、板押さえパッド2 の底面2aの硬度を大きくしてもなお、パッドの食い込みが大きく、成形品の表面疵発生も生じている。
このことから、板押さえパッド2 の底面2aの硬度によらず、本発明の板押さえパッド2 の底面2aの張出量の (前記距離a の) が、トリミング中の成形板の変動や、トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生に大きく影響していることが分かる。また、以上の結果から、本発明の板押さえパッド2 の底面2aの張出量の (前記距離a の) 範囲の臨界的な意義が分かる。
また、発明例の中でも、板押さえパッド2 の底面2aの硬度が好ましい範囲20〜60Hvから外れて比較的低いか高い発明例5 、6 は、他の条件が同じ発明例3 あるいは9 に比して、トリミング中の成形板の変動、トリミング後の成形品切断面5 のかえり発生、表面疵の発生、などのいずれかが比較的劣っている。この関係は、同じく板押さえパッド2 の底面2aの硬度が好ましい範囲から外れた比較例12、14の結果とも相関する。したがって、本発明の板押さえパッド2 の底面2aの張出量を前提とした際の、板押さえパッド2 の底面2aの硬度が好ましい範囲の意義が分かる。
更に、これらの結果と傾向は、板押さえパッド2 の底面2aの材質によらず、共通しており、本発明の板押さえパッド2 の底面2aの張出量の (前記距離a の) 範囲の臨界的な意義が、板押さえパッド2 の底面2aの材質によらず言えることが分かる。
以上詳述したように、本発明によれば、工数の増加をもたらすことなく、また、剪断不良を防止しつつ、容易かつ確実に、かえりの生成を防止し、摩耗粉の発生を抑制して星目及び塗装不良の発生を抑制することができるアルミニウム合金成形板のトリミング方法およびトリミング装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るアルミニウム合金板のトリミング装置を示す模式図である。 図1のトリミング装置の初期トリミング状態を示す模式図である。 図1のトリミング装置の後期トリミング状態を示す模式図である。 トリミングされる成形板を示す平面図である。 板押さえ部材を示す斜視図である。 従来のトリミング装置を示す模式図である。
符号の説明
1、7;アルミニウム合金成形板
2、8;板押さえ部材
3、9;上型 (上刃)
4、10;下型 (下刃)
5;成形板切断面
6;支持枠

Claims (4)

  1. 上刃と下刃との剪断により、成形加工後のアルミニウム合金成形板をトリミングする方法において、上刃と協動して、剪断するアルミニウム合金成形板を上方から押さえる軟質押さえ部材を上刃近傍に配置するとともに、この押さえ部材の底面を、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面よりも張り出させることを特徴とするアルミニウム合金成形板のトリミング方法。
  2. 前記軟質押さえ部材の底面の硬度がビッカース硬度で20〜60Hvの範囲である請求項1に記載のアルミニウム合金成形板のトリミング方法。
  3. 成形加工後のアルミニウム合金成形板の成形部を下方から支持する下刃と、前記成形部を上方から押さえて前記下刃との間で前記成形部を支持する軟質押さえ部材と、下降して前記下刃との間で剪断により前記成形板をトリミングする上刃と、を各々有し、前記押さえ部材の底面は、剪断しようとするアルミニウム合金成形板に対して0.1 〜0.5mm の範囲で上刃底面よりも張り出していることを特徴とするアルミニウム合金成形板のトリミング装置。
  4. 前記軟質押さえ部材の底面の硬度がビッカース硬度で20〜60Hvの範囲である請求項3に記載のアルミニウム合金成形板のトリミング装置。
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