JP2005186137A - プレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一端開口縁部にフランジ部を有する所定深さの底付き円筒体を、従来に比べて少ない加工工程数で、しかも底部に割れを生じることなくプレス成形するためのプレス成形方法を提供する。
【解決手段】円形の金属平板0から底付き円筒体を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その初絞りにてダイス穴D1Aから外に出ている金属平板0のフランジ部分をパンチP1でダイス穴D1Aの中に絞り込む際、フランジ部分をダイスD1としわ押さえ21bの間をすべらせながら順次絞り込み、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径D1rにかかるまで絞り込む。
【選択図】図3
【解決手段】円形の金属平板0から底付き円筒体を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その初絞りにてダイス穴D1Aから外に出ている金属平板0のフランジ部分をパンチP1でダイス穴D1Aの中に絞り込む際、フランジ部分をダイスD1としわ押さえ21bの間をすべらせながら順次絞り込み、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径D1rにかかるまで絞り込む。
【選択図】図3
Description
本発明は、円形の金属平板(素材)から所定形状のプレス成形品、特に一端から順に大径部、段差部、小径部および先に行くにしたがって縮径するテーパー部が連続成形された所定長さの円筒体であって、大径側開口縁部には外向きのフランジ部が成形され、小径側開口縁部には内向きのフランジ部が成形されたプレス成形品をプレス成形するための方法に関する。
上記のようなプレス成形品を成形する場合には、まず素材となる円形の金属平板から一端開口部にフランジ部分を残した状態で底付き円筒体を成形する絞り加工を行い、その後工程で穴抜き加工やトリミング加工などを行うことで、目的のプレス成形品が得られる。また絞り加工において所定深さの底付き円筒体を成形する場合には数工程に分けて絞り作業を行うのが普通である。その際、フランジ部分に発生するしわをしわ押さえによって防止することも周知である。
ところで、初絞りにて成形された太く浅い(低い)底付き円筒体を再絞りにて段階的に細く深く(高く)変形させて行く過程において、フランジ部分には一定のしわ押さえ力を作用させるようにしており、またフランジ付きのプレス成形品の場合は、初絞りからフランジ部分を残すようにしていた。
解決しようとする問題点は、上記プレス成形方法では初絞りからフランジ部分を残すため、初絞りの時点から底付き円筒体の底となる部分および底すみの丸みのある部分に少なくない板厚減少および加工硬化を生じると共に、初絞りにおける絞り深さが抑えられ、再絞りで必要となる絞り深さが多くなるが、再絞りでは底付き円筒体の深さ形状に加えて大径部、段差部、小径部およびテーパー部を成形するため、底部に割れを生じることなしに絞るためには、再絞りにおける1工程当たりの変形を小さくする必要がある。そのため、全体に工程数が多くなり、加工の効率向上を阻害する結果となる点にある。
本発明は、一端開口縁部にフランジ部を有する所定深さの底付き円筒体をプレス成形する方法において、円形の金属平板から前記底付き円筒体を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その初絞りにてダイス穴から外に出ている金属平板のフランジ部分をパンチでダイス穴の中に絞り込む際、フランジ部分をダイスとしわ押さえの間をすべらせながら順次絞り込にみ、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径にかかるまで絞り込むことを特徴としている。
本発明のプレス成形方法によれば、絞り加工によって円形の金属平板から一端開口縁部にフランジ部を有する所定深さの底付き円筒体を成形するにもかかわらず、その初絞りにおいてはフランジ無しの底付き円筒体を成形するかのように、フランジ部分をダイスとしわ押さえの間をすべらせながら順次ダイス穴の中に絞り込にみ、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径にかかるまで絞り込むため、初絞りでの底付き円筒体の底となる部分および底すみ丸みのある部分に生じる板厚減少および加工硬化を抑えることができると共に、初絞りから比較的深い絞りが可能となり、次からの再絞りで必要となる絞り深さが少なくなり、再絞りにおける底部の板厚減少および加工硬化を抑えることができ、底部に割れを生じることなしに底付き円筒体の深さ形状に加えて大径部、段差部、小径部およびテーパー部を成形する再絞りに要する工程数を従来より減らすことができる。この結果、一端開口部から順に大径部、段差部、小径部およびテーパー部が連続形成され、かつ一端開口縁部には外向きのフランジ部が成形された所定深さの底付き円筒体をプレス成形する際の加工工程数が飛躍的に少なくなり、加工効率を大幅に向上させることができる。という顕著な作用効果を奏する。
また、円形の金属平板から前記底付き円筒体と略同じ深さの底付き円筒状の半製品を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その最終工程にてテーパー部を予備成形し、その後工程で大径部、段差部、小径部および先に行くにしたがって縮径するテーパー部を成形するための絞り加工を行い、一端開口部から順に大径部、段差部、小径部およびテーパー部が連続形成された所定深さの底付き円筒体を成形した後、その底付き円筒体の底にせん断作用で縁部を残す状態で穴をあける穴抜き加工、次いでせん断作用で一端開口部のフランジ部の長さを所定寸法に切削するトリミング加工を行うことにより、一端開口部から順に大径部、段差部、小径部およびテーパー部が連続成形された円筒体であって、大径側開口縁部には外向きのフランジ部が成形され、小径側開口縁部には内向きのフランジ部が成形されたプレス成形品を、従来に比べて少ない加工工程数で、加工効率よく、しかも割れを生じることなしにプレス成形することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、図1の(a)、(b)に示す素材、すなわち所定直径、所定厚の円形の金属平板0から図1の(o)、(o’)(p)に示すプレス成形品(以下、「製品」という。)7を全7工程のプレス加工で成形する方法を示す。この製品7は、一端開口部から順に大径部7a、段差部7b、小径部7c、先に行くにしたがって縮径するテーパー部7dが連続成形された所定長さの円筒体であって、円筒体の大径側開口縁部には外向きの傾斜付きフランジ部7eが成形され、小径側開口縁部には内向きのフランジ部7fが成形され、自動車のメンバーマウント金具として使用される。
製品7の成形に要する7工程分7組のプレス金型11,12,13,14,15,16,17は、工程順に1台のプレスに並べて配備される。このプレスには、第1工程の加工位置にあるプレス金型11にプレス1工程ごとに円形の金属平板0を1枚ずつ送り込む素材供給装置、プレス1工程が終わり次第、第1工程〜第6工程の加工位置にある各プレス金型11,12,13,14,15,16によって成形された第1〜第6の半製品1,2,3,4,5,6をそれぞれ次工程のプレス金型12,13,14,15,16,17に送り込むトランスファ送り装置、プレス1工程が終わり次第、第7工程の加工位置にあるプレス金型17によって成形された製品7を回収箱などに取り出す製品取り出し装置などが装備され、1台のプレスによって全7工程の製品7をプレス1工程ごとに製作するように構成している。
次に、第1工程〜第7工程の加工内容の概略について図1、図2を参照して説明すると、第1工程〜第4工程にて前記製品7の素材となる前記円形の金属平板0から、製品7の大径部7a,段差部7b,小径部7cおよびテーパー部7dが一端開口部から順に連続形成され、かつ製品7の長さH(ただし、円筒壁の高さ)と同じ深さh(H=h)で、一端開口縁部に外向きの平らなフランジ部4eを残した図2の(i)、(j)に示す底付き円筒状の半製品4を成形するための絞り加工を行い、次の第5工程にて製品7の小径側開口縁部にある内向きのフランジ部7fを成形するために、第4工程まで終了した第4の半製品4の底4fにせん断作用で縁部を残す状態で円形の穴5gをあける穴抜き加工を行い、次の第6工程および最後の第7工程にて製品7の大径側開口縁部にある外向きの傾斜付きフランジ部7eを成形するために、第6工程では第5工程まで終了した図2の(k)、(l)に示す第5の半製品5の大径側開口縁部にある外向きの平らなフランジ部5eの縁をせん断作用で切り落として製品7のフランジ部7eの幅にするトリミング加工を行い、最後の第7工程では第6工程まで終了した図2の(m)、(n)に示す第6の半製品6の大径側開口部にある外向きで平らなトリミング後のフランジ部6eに傾斜を付ける曲げ加工を行う。以上全7工程のプレス加工によって図1の(o)、(p)に示す製品7がこの素材となる図1の(a)、(b)に示す円形の金属平板0からプレス成形される。
また、上記のように第1工程〜第4工程の全4工程と極めて少ない工程数の絞り加工にて第4の半製品4を割れを生じることなしに成形するため、次のような加工方法で絞り加工(プレス加工)を行う。
すなわち、円形の金属平板0から第4の半製品4を成形するための絞り加工の最終工程となる第4工程の一つ手前の第3工程までの3工程(事前工程)にて、円形の金属平板0から第4の半製品4と同じ深さh(製品7と高さHと同じ深さ)で、かつ前記第4の半製品4の大径部7a(製品7の大径部7a)と同じ径の底付き円筒状の半製品3を成形するための絞り加工を段階的に行い、第4工程にて第3工程まで終了した図2の(g)、(h)に示す第3の半製品3に製品7の大径部7a,段差部7b,小径部7cおよびテーパー部7dを成形するための絞り加工を行い、第4工程では深さ(高さ)方向の変形を伴わない絞り加工を行う。また円形の金属平板0から第3の半製品3を成形するための絞り加工の最終工程となる第3工程にて前記第4の半製品4の(製品7の)テーパー部7dを予備成形しておく。
さらに、円形の金属平板0から一端開口縁部にフランジ部3eを有する第3の半製品3を成形するための絞り加工の最初の工程となる第1工程、すなわち初絞りにてダイス穴D1Aから外に出ている円形の金属平板0のフランジ部分をパンチP1でダイス穴D1Aの中に絞り込む際、フランジ部分をダイスD1としわ押さえ21bの間をすべらせながら順次絞り込にみ、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径D1rにかかるまで絞り込むようにする。
上記のような絞り加工を行う第1工程〜第4工程の各絞り工具、すなわちパンチとダイスは次のように形成される。
すななち、第4工程のダイス穴D4Aの中に押し込まれるパンチP4の成形作用部は、図6の(a)、図13に示すように、第4の半製品4の内側形状(製品7の内側形状)と同じ外形状(径と高さ)を有する。具体的には、中間部に段差部を有して先端側が細く基端側が太い段付きの円柱状に形成されると共に、小径部の先端部が先に向かうにしたがって細くなる載頭円錐状に形成され、第4の半製品4の(製品7の)大径部7a,段差部7b,小径部7c,テーパー部7dを成形するための大径部P4a,段差部P4b,小径部P4c,テーパー部P4dが基端側から順に形成される一方、第4工程のダイス穴D4Aの成形作用部は、図6の(c)、図13に示すように、穴壁が前記パンチP4に対応し、第4の半製品4の外側形状(製品7の外側形状)と同じ形状(径と深さ)を有する。具体的には、中間部に段差を有して先端側(奥側)が細く基端側(入り口側)が太い段付きの円柱面状に形成されると共に、小径部の先端部が先に向かうにしたがって細くなるテーパー状に形成され、第4の半製品4の(製品7の)大径部7a,段差部7b,小径部7c,テーパー部7dを成形するための大径部D4a,段差部D4b,小径部D4c,テーパー部D4dが基端側から順に形成され、パンチP4の成形作用部が第4の半製品4の深さh分(製品7の高さH分)ダイス穴D4Aの成形作用部の中に押し込まれる。第3工程のダイス穴D3Aの中に押し込まれるパンチP3の成形作用部は、図5の(a)、図12に示すように、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの内径と同じ径で第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)と同じ高さを有する円柱状に形成されると共に、先端部が第4の半製品4の(製品7の)テーパー部7dに沿う周壁を有し、高さが僅かに高い載頭円錐状に形成され、第4の半製品の(製品7の)大径部7aの径形状と全体の深さ形状を成形するための円柱部P3aの先端部周壁に第4の半製品の(製品7の)テーパー部7dを予備成形するためのテーパー部P3dが形成される一方、第3工程のダイス穴D3Aの成形作用部は、図5の(c)、図12に示すように、穴壁が前記パンチP3に対応し、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの外径と同じ径で第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)と同じ深さを有する円柱面状に形成されると共に、先端部(奥部)が先に向かうにしたがって細くなるテーパー状に形成され、第4の半製品の(製品7の)大径部7aの径形状と全体の深さ形状を成形するための円柱面部D3aの先端部に第4の半製品の(製品7の)テーパー部7dを予備成形するためのテーパー部D3dが形成され、パンチP3の成形作用部が第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)分ダイス穴D3Aの成形作用部の中に押し込まれる。第2工程のダイス穴D2Aの中に押し込まれるパンチP2の成形作用部は、図4の(a)、図11に示すように、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの内径より大きい径で第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)より低い高さを有する円柱状に形成され、第2工程のダイス穴D2Aの成形作用部は、図4の(c)、図11に示すように、穴壁が前記パンチP2に対応し、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの外径より大きい径で第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)より浅い深さを有する円柱面状に形成され、パンチP2の成形作用部が第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)より少ない量ダイス穴D2Aの成形作用部の中に押し込まれ、第4の半製品4より径大で浅い直筒状の底付き円筒状の第2の半製品2を成形する。第1工程のダイス穴D1Aの中に押し込まれるパンチP1の成形作用部は、図3の(a)、図10に示すように、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの内径より大きく、かつ第2工程のパンチP2より径大で、第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)の半分を少し上回り、かつ第2の半製品2の深さより低い高さを有する円柱状に形成され、第2工程のダイス穴D2Aの成形作用部は、図3の(c)、図10に示すように、穴壁が前記パンチP1に対応し、第4の半製品4の(製品7の)大径部7aの外径より大きく、かつ第2工程のダイス穴D2Aより径大で、第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)の半分を少し上回り、かつ第2の半製品2の深さより低い深さを有する円柱面状に形成され、パンチP1の成形作用部が第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)の半分を少し上回り、かつ第2の半製品2の深さより少ない量ダイス穴D1Aの成形作用部の中に押し込まれ、第4の半製品4より径大の第2の半製品2より径大で、第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)の半分を少し上回り、かつ第2の半製品2の深さより浅い直筒状の底付き円筒状の半製品1を成形する。また第1工程のパンチP1先端の丸み半径P1rは第2工程のパンチP2先端の丸み半径P2rより径大に形成し、同時に第1工程のダイスD1の肩部半径D1rは第2工程のダイスD2の肩部半径D2rより径大に形成している。
次に、第1工程〜第7工程ごとのプレス金型11,12,13,14,15,16,17の構成および加工内容を工程順に説明する。
「第1工程(初絞り)」
まず、第1工程のプレス金型11は、図3の(a)、(b)に示す下型21と、図3の(c)、(d)に示す上型31とで構成され、第1工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP1およびダイスD1のうち、ダイスD1をプレスのスライドに取り付ける上型31に取り付け、ダイス穴D1Aにスプリング31aを用いて加工後の半製品1をノックアウトするノックアウト31bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型31に同芯状に対向させる下型21にパンチP1を取り付け、液圧、気(空気、ガス)圧、スプリングなどのシリンダ21aを用いて加工中しわ押さえ力を略一定に保つ定圧式のしわ押さえ21bを下型21に設けたものである。またしわ押さえ21bの上面に円形の金属平板0を加工位置に位置決めするための位置決めピン21cを設け、この位置決めピン21cの逃げ穴31cをダイスD1を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。
まず、第1工程のプレス金型11は、図3の(a)、(b)に示す下型21と、図3の(c)、(d)に示す上型31とで構成され、第1工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP1およびダイスD1のうち、ダイスD1をプレスのスライドに取り付ける上型31に取り付け、ダイス穴D1Aにスプリング31aを用いて加工後の半製品1をノックアウトするノックアウト31bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型31に同芯状に対向させる下型21にパンチP1を取り付け、液圧、気(空気、ガス)圧、スプリングなどのシリンダ21aを用いて加工中しわ押さえ力を略一定に保つ定圧式のしわ押さえ21bを下型21に設けたものである。またしわ押さえ21bの上面に円形の金属平板0を加工位置に位置決めするための位置決めピン21cを設け、この位置決めピン21cの逃げ穴31cをダイスD1を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型31が上がり下型21から上方に離反したとき、すなわちプレス金型11が開いたとき、しわ押さえ21bは上面がパンチP1の先端面(上端面)より僅かに上になる高さ位置に保持され、この高さのしわ押さえ21b上面の位置決めピン21cの内側に素材供給装置によって円形の金属平板0が送り込まれ、パンチP1とダイスD1との間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型31が下がると、金属平板0はダイス穴D1Aから外に出ている部分、すなわちフランジ部分がダイスD1としわ押さえ21bとで挟まれて下降する。ダイス穴D1Aの内側にある円形の金属平板0の中央部分がパンチP1の成形作用部先端面(上端面)に当たりノックアウト31bとで挟まれると、パンチP1の成形作用部で金属平板0をダイス穴D1Aの成形作用部の中に絞り込む初絞り加工が始まり、図10に示すように、プレスのスライドと一体に上型31が下死点まで下がりプレス金型11が完全に閉じることによって、金属平板0は第4の半製品4より径大でかつ第2の半製品2より径大の、所定径、所定深さの直筒状の底付き円筒状(カップ状)に成形され、図2の(c)、(d)にも示す第1の半製品1が絞り加工される。この初絞りは具体的には、まずパンチP1とノックアウト31bとで挟まれた金属平板0の中央部分がパンチP1の成形作用部の先端面によってダイス穴D1Aの成形作用部の中に絞り込まれて第1の半製品1の底1fが成形され、次にダイスD1としわ押さえ21bとで挟まれた金属平板0のフランジ部分がこれらダイスD1としわ押さえ21aの間をすべりながら順次ダイス穴D1Aの成形作用部の中に絞り込まれて第1の半製品1の直筒状の円筒壁1aが成形される。さらにこの初絞りでは、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径D1rにかかるまで絞り込み、絞り終期ではしわ押さえ21bをほとんどきかせない絞り加工を行い、これによって、第1工程にて成形された第1の半製品1には、第4の半製品4の深さh(製品7の高さH)の半分を少し上回り、かつ第2の半製品2の深さより浅い深さ形状が与えられ、かつ一端開口縁部にはダイス肩半径D1rに沿う外拡がり部1eが成形されるものの、フランジ部分はほとんど残されない。
「第2工程(再絞り1)」
次に、第2工程のプレス金型12は、図4の(a)、(b)に示す下型22と、図4の(c)、(d)に示す上型32とで構成され、第2工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP2およびダイスD2のうち、ダイスD2をプレスのスライドに取り付ける上型32に取り付け、ダイス穴D2Aにスプリング32aを用いて加工後の半製品2をノックアウトするノックアウト32bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型32に同芯状に対向させる下型22にパンチP2を取り付け、液圧、気(空気、ガス)圧、スプリングなどのシリンダ22aを用いる定圧式のしわ押さえ22bを下型22に設けたものである。またしわ押さえ22bの上面に第1の半製品1を加工位置に位置決めするための位置決めピン22cを設け、この位置決めピン22cの逃げ穴32cをダイスD2を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。
次に、第2工程のプレス金型12は、図4の(a)、(b)に示す下型22と、図4の(c)、(d)に示す上型32とで構成され、第2工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP2およびダイスD2のうち、ダイスD2をプレスのスライドに取り付ける上型32に取り付け、ダイス穴D2Aにスプリング32aを用いて加工後の半製品2をノックアウトするノックアウト32bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型32に同芯状に対向させる下型22にパンチP2を取り付け、液圧、気(空気、ガス)圧、スプリングなどのシリンダ22aを用いる定圧式のしわ押さえ22bを下型22に設けたものである。またしわ押さえ22bの上面に第1の半製品1を加工位置に位置決めするための位置決めピン22cを設け、この位置決めピン22cの逃げ穴32cをダイスD2を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型32が上がり下型22から上方に離反したとき、すなわちプレス金型12が開いたとき、しわ押さえ22bは上面がパンチP2の先端面(上端面)より僅かに下になる高さ位置に保持され、この高さのしわ押さえ22b上面の位置決めピン22cの内側にトランスファ送り装置によって第1の半製品1が送り込まれ、パンチP2とダイスD2との間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型32が下がると、第1の半製品1はダイスD2としわ押さえ22bとで挟まれて下降してパンチP2の成形作用部が中に入り込む。ダイス穴D2Aの内側にある第1の半製品1の底1fの中央部分がパンチP2の成形作用部先端面(上端面)に当たると、パンチP2の成形作用部で第1の半製品1をダイス穴D2Aの成形作用部の中に絞り込む1回目の再絞り加工が始まり、図11に示すように、プレスのスライドと一体に上型32が下死点まで下がりプレス金型12が完全に閉じることによって、第1の半製品1はそれよりもやや径小でやや深く、第4の半製品4より径大で浅い、所定径、所定深さの直筒状の底付き円筒状(カップ状)に成形され、図2の(e)、(f)にも示す第2の半製品2が絞り加工される。この1回目の再絞りは具体的には、まずパンチP2の成形作用部の先端面上にある第1の半製品1の底1fの中央部分がダイス穴D2Aの成形作用部の中に絞り込まれて第2の半製品2の底2fが成形され、次にダイス穴D2Aから外に出ている第1の半製品1の底1fの縁部分と円筒壁1aの部分がパンチP2の成形作用部によってダイス穴D2Aの成形作用部の中に絞り込まれて第2の半製品2の直筒状の円筒壁2aが成形される。さらにこの1回目の再絞りでは絞りの終りに第1の半製品1の開口縁部の部分、すなわち外拡がり部1eの部分をダイスD2としわ押さえ22bとで挟み、平らに成形する絞り加工を行う。これによって、第2工程にて成形された底付き円筒状の半製品2の一端開口縁部には外向きの平らなフランジ部2eが成形される。
「第3工程(再絞り2)」
次に、第3工程のプレス金型13は、図5の(a)、(b)に示す下型23と、図5の(c)、(d)に示す上型33とで構成され、第3工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP3およびダイスD3のうち、ダイスD3をプレスのスライドに取り付ける上型33に取り付け、ダイス穴D3Aにスプリング33aを用いて加工後の半製品3をノックアウトするノックアウト33bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型33に同芯状に対向させる下型23にパンチP3を取り付け、芯棒付きのスプリング23aを用いる定圧式のしわ押さえ23bを下型23に設けたものである。またしわ押さえ23bの上面に第2の半製品2を加工位置に位置決めするための位置決めピン23cを設け、この位置決めピン23cの逃げ穴33cをダイスD3を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。さらに上型33には絞りが開始された以降にしわ押さえ23bを最下降位置まで押し下げピン33dを介して押し下げるための押し下げスプリング33eを設けてある。
次に、第3工程のプレス金型13は、図5の(a)、(b)に示す下型23と、図5の(c)、(d)に示す上型33とで構成され、第3工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP3およびダイスD3のうち、ダイスD3をプレスのスライドに取り付ける上型33に取り付け、ダイス穴D3Aにスプリング33aを用いて加工後の半製品3をノックアウトするノックアウト33bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型33に同芯状に対向させる下型23にパンチP3を取り付け、芯棒付きのスプリング23aを用いる定圧式のしわ押さえ23bを下型23に設けたものである。またしわ押さえ23bの上面に第2の半製品2を加工位置に位置決めするための位置決めピン23cを設け、この位置決めピン23cの逃げ穴33cをダイスD3を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。さらに上型33には絞りが開始された以降にしわ押さえ23bを最下降位置まで押し下げピン33dを介して押し下げるための押し下げスプリング33eを設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型33が上がり下型23から上方に離反したとき、すなわちプレス金型13が開いたとき、しわ押さえ23bは上面がパンチP3の先端面(上端面)より所定寸法だけ下になる高さ位置に保持され、この高さのしわ押さえ23b上面の位置決めピン23cの内側にトランスファ送り装置によって第2の半製品2が送り込まれ、パンチP3とダイスD3との間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型33が下がると、第2の半製品2はダイスD3としわ押さえ23bとで挟まれて下降してパンチP3の成形作用部が中に入り込む。ダイス穴D3Aの内側にある第2の半製品2の底2fの中央部分がパンチP3の成形作用部先端面(上端面)に当たると、パンチP3の成形作用部で第2の半製品2をダイス穴D3Aの成形作用部の中に絞り込む2回目の再絞り加工が始まり、図12に示すように、プレスのスライドと一体に上型33が下死点まで下がりプレス金型13が完全に閉じることによって、第2の半製品2はそれよりもやや径小でやや深い所定径、所定深さの底付き円筒状(カップ状)に成形され、図2の(g)、(h)にも示す第3の半製品3に絞り加工される。この2回目の再絞りは具体的には、まずパンチP3の成形作用部の先端面上にある第2の半製品2の底2fの中央部分がダイス穴D3Aの成形作用部の中に絞り込まれて第3の半製品3の底3fが成形され、次にダイス穴D3Aから外に出ている第2の半製品2の底2fの縁部分と円筒壁2aの部分がパンチP3の成形作用部によってダイス穴D3Aの成形作用部の中に絞り込まれて先端部に第4の半製品4の(製品7の)テーパー部7dに沿うテーパー部3dが予備成形された第3の半製品3の円筒壁3aが成形される。これによって、第3工程にて成形された底付き円筒状の半製品3には、第4の半製品の(製品7の)大径部7aの径形状と第4の半製品の(製品7の)の深さ形状が与えられると共に、第4の半製品の(製品7の)テーパー部7dに沿うテーパー部3dが予備成形される。さらにこの2回目の再絞りでは絞りの終りに第2の半製品2の開口縁部の部分、すなわちフランジ部2eの部分をダイスD3としわ押さえ23bとで挟み、平らに成形する絞り加工を行う。これによって、第3工程にて成形された底付き円筒状の半製品3の一端開口縁部にも外向きの平らなフランジ部3eが成形される。
「第4工程(再絞り3)」
次に、第4工程のプレス金型14は、図6の(a)、(b)に示す下型24と、図6の(c)、(d)に示す上型34とで構成され、第4工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP4およびダイスD4のうち、ダイスD4をプレスのスライドに取り付ける上型34に取り付け、ダイス穴D4Aにスプリング34a用いて加工後の半製品4をノックアウトするノックアウト34bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型34に同芯状に対向させる下型24にパンチP4を取り付け、芯棒付きのスプリング24aを用いる定圧式のしわ押さえ24bを下型24に設けたものである。またしわ押さえ24bの上面に第3の半製品3を加工位置に位置決めするための位置決めピン24cを設け、この位置決めピン24cの逃げ穴34cをダイスD4を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。さらに上型34には絞りが開始された以降にしわ押さえ24bを最下降位置に押し下げピン34dを介して押し下げるための押し下げスプリング34eを設けてある。
次に、第4工程のプレス金型14は、図6の(a)、(b)に示す下型24と、図6の(c)、(d)に示す上型34とで構成され、第4工程での成形に要する一対の絞り工具であるパンチP4およびダイスD4のうち、ダイスD4をプレスのスライドに取り付ける上型34に取り付け、ダイス穴D4Aにスプリング34a用いて加工後の半製品4をノックアウトするノックアウト34bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型34に同芯状に対向させる下型24にパンチP4を取り付け、芯棒付きのスプリング24aを用いる定圧式のしわ押さえ24bを下型24に設けたものである。またしわ押さえ24bの上面に第3の半製品3を加工位置に位置決めするための位置決めピン24cを設け、この位置決めピン24cの逃げ穴34cをダイスD4を取り付けるダイプレートの下面に設けてある。さらに上型34には絞りが開始された以降にしわ押さえ24bを最下降位置に押し下げピン34dを介して押し下げるための押し下げスプリング34eを設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型34が上がり下型24から上方に離反したとき、すなわちプレス金型14が開いたとき、しわ押さえ24bは上面がパンチP4の先端面(上端面)より僅かに下になる高さ位置に保持され、この高さのしわ押さえ24b上面の位置決めピン24cの内側にトランスファ送り装置によって第3の半製品3が送り込まれ、パンチP4とダイスD4の間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型34が下がると、第3の半製品3は底部となる先端部(上端部)がダイス穴D4Aの大径部D4aに入り込み、ダイス穴D4Aの段差部D4bとしわ押さえ24bとで挟まれて下降してパンチP4の成形作用部が中に入り込む。第3の半製品3の底3fがパンチP4の成形作用部先端面(上端面)に当たると、パンチP4の成形作用部先端部(上端部)で第3の半製品3の先端部をダイス穴D4Aの段差部D4bより奥側の小径部D4cおよびテーパー部D4dの中に絞り込む3回目の再絞り加工が始まり、図13に示すように、プレスのスライドと一体に上型34が下死点まで下がりプレス金型14が完全に閉じることによって、第3の半製品3は先端部(上端部)が所定形状に絞られた同じ深さの底付き円筒状(カップ状)に成形され、図2の(i)、(j)にも示す第4の半製品4に絞り加工される。この3回目の再絞りは具体的には、まずパンチP4の成形作用部の先端面上にある第3の半製品3の底3fの部分がダイス穴D4Aの段差部D4bから奥側の小径部D4cからテーパー部D4dの中へと絞り込まれて第4の半製品4の底4fが成形され、ダイス穴D4Aの小径部D4dより径大の第3の半製品3の底3fの僅かな縁部分とテーパー部3dおよび円筒壁3aの直筒状先端部の部分がパンチP4の成形作用部の段差部P4bより先端側の小径部P4cおよびテーパー部P4dによってダイス穴D4Aの段差部D4bから奥側の小径部D4cからテーパー部D4dの中に絞り込まれて第4の半製品4の円筒壁が成形される。これによって、第4工程にて成形された底付き円筒状の半製品4には、第4の半製品4の(製品7の)大径部7a,段差部7b,小径部7c,テーパー部7dの形状が与えられる。さらにこの3回目の再絞りでは絞りの終りに第3の半製品3の開口端の部分、すなわちフランジ部3eの部分をダイスD4としわ押さえ24bとで挟み、平らに成形する絞り加工を行う。これによって、第4工程で絞り加工された底付き円筒状の半製品4の一端開口部にも外向きの平らなフランジ部4eが成形される。
以上のように、所定深さの底付き円筒状の第4の半製品4の大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dを成形する工程(第4工程)の事前工程(第1工程〜第3工程)で、その第4の半製品4の深さ形状を略成形するため、大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dの成形工程(第4工程)では半製品3の底部には引張応力がほとんど作用せず、大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dの成形が1工程で、かつ底部に割れを生じることなしに行うことができる。また大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dを成形する工程(第4工程)の事前工程(第1工程〜第3工程)では、前記第4の半製品4の深さ形状を成形するだけであるため、この事前工程(第1工程〜第3工程)においても比較的大きな変形を伴う絞りが底部に割れを生じることなしに行うことができ、可及的に少ない工程数で前記事前工程を終了することができる。この結果、一端開口部から順に大径部7a、段差部7b、小径部7c、テーパー部7dが連続形成された第4の半製品4をプレス成形する際の加工工程数が飛躍的に少なくなり、加工効率を大幅に向上させながら底部の割れを皆無にすることができる。
さらに、絞り加工によって円形の金属平板0から一端開口縁部にフランジ部3eを有する第3の半製品3を成形するにもかかわらず、その初絞りにおいてはフランジ無しの底付き円筒体を成形するかのように、フランジ部分をダイスD1としわ押さえ21bの間をすべらせながら順次ダイス穴D1Aの中に絞り込にみ、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径D1rにかかるまで絞り込むため、初絞りでの第1の半製品1の底となる部分および底すみ丸みのある部分に生じる板厚減少および加工硬化を抑えることができると共に、初絞りから比較的深い絞りが可能となり、次からの再絞り(第2工程〜第3工程)で必要となる絞り深さが少なくなり、再絞りにおける底部の板厚減少および加工硬化を抑えることができ、底部に割れを生じることなしに第3の半製品3の深さ形状に加えて大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dを成形する再絞りに要する工程数を従来より減らすことができる。この結果、一端開口部から順に大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dが連続形成され、かつ一端開口縁部には外向きのフランジ部4eが成形された第4の半製品4をプレス成形する際の加工工程数が飛躍的に少なくなり、加工効率を大幅に向上させることができる。
「第5工程(穴抜き)」
次に、第5工程のプレス金型15は、図7の(a)、(b)に示す下型25と、図7の(c)、(d)に示す上型35とで構成され、第5工程での成形に要する一対の穴抜き工具であるパンチP5およびダイスD5のうち、パンチP5をプレスのスライドに取り付ける上型35に取り付け、吊りボルトが芯棒をかねるスプリング35aを用いたスプリング式の可動ストリッパ35bを上型35に設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型35に同芯状に対向させる下型25にダイスD5を取り付け、芯棒付きのスプリング25a用いたスプリング式の逆可動ストリッパ25bを下型25に設けたものである。また逆可動ストリッパ25bの上面に第4工程を終了した第4の半製品4を加工位置に位置決めするための位置決めピン25cを設けてある。さらに可動ストリッパ35bには逆可動ストリッパ25bを押し下げるための固定式の押し下げピン34dを設けてある。
次に、第5工程のプレス金型15は、図7の(a)、(b)に示す下型25と、図7の(c)、(d)に示す上型35とで構成され、第5工程での成形に要する一対の穴抜き工具であるパンチP5およびダイスD5のうち、パンチP5をプレスのスライドに取り付ける上型35に取り付け、吊りボルトが芯棒をかねるスプリング35aを用いたスプリング式の可動ストリッパ35bを上型35に設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型35に同芯状に対向させる下型25にダイスD5を取り付け、芯棒付きのスプリング25a用いたスプリング式の逆可動ストリッパ25bを下型25に設けたものである。また逆可動ストリッパ25bの上面に第4工程を終了した第4の半製品4を加工位置に位置決めするための位置決めピン25cを設けてある。さらに可動ストリッパ35bには逆可動ストリッパ25bを押し下げるための固定式の押し下げピン34dを設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型35が上がり下型25から上方に離反したとき、すなわちプレス金型15が開いたとき、可動ストリッパ35bは下面がパンチP5の先端面(下端面)より僅かに下になる高さ位置に保持され、逆可動ストリッパ25bは上面がダイスD5の先端面(上端面)より所定寸法下になる高さ位置に保持され、この高さの逆可動ストリッパ25b上面の位置決めピン25cの内側にトランスファ送り装置によって第4工程を終了した第4の半製品4が送り込まれ、ダイスD5とパンチP5との間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型35が下がると、押し下げピン34dによる逆可動ストリッパ25bの押し下げが始まるのと同時に、第4の半製品4は可動ストリッパ35bと逆可動ストリッパ25bとで挟まれて下降してダイスD5が中に入り込む。ダイス穴D5Aの外側にある第4の半製品4の底4fの縁部がダイス5の先端面(上端面)に当たると、パンチP5で第4の半製品4の底4fを縁部を残す状態で円形に打ち抜く穴抜き加工(せん断加工)が始まり、図14に示すように、プレスのスライドと一体に上型35が下死点まで下がりプレス金型15が完全に閉じることによって、第4の半製品4の底4fに縁部を残す状態で円形の穴5gがあけられ、製品7の小径側開口縁部にある内向きのフランジ部7fが成形される。この第5工程を終了した第5の半製品5を図2の(k)、(l)に示す。なお、打ち抜かれた円板状のスクラップ5hは、ダイス穴D5Aからスクラップ排出シュート25dに連通接続される横穴25eに落下し、ノズル25fから噴出する圧縮空気によって横穴25eを経てスクラップ排出シュート25dへ吹き飛ばされて下型25から取り出されて回収処理される。
「第6工程(トリミング)」
次に、第6工程のプレス金型16は、図8の(a)、(b)に示す下型26と、図8の(c)、(d)に示す上型36とで構成され、第6工程での成形に要する一対のふち切り工具であるパンチP6およびダイスD6のうち、ダイスD6をプレスのスライドに取り付ける上型36に取り付け、ダイス穴D6Aにスプリング36a用いて加工後の半製品6をノックアウトするノックアウト36bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型36に同芯状に対向させる下型26にパンチP6を取り付け、パンチP6の上面に第5の半製品5を加工位置に位置決めするための位置決めピン26cを設けてある。
次に、第6工程のプレス金型16は、図8の(a)、(b)に示す下型26と、図8の(c)、(d)に示す上型36とで構成され、第6工程での成形に要する一対のふち切り工具であるパンチP6およびダイスD6のうち、ダイスD6をプレスのスライドに取り付ける上型36に取り付け、ダイス穴D6Aにスプリング36a用いて加工後の半製品6をノックアウトするノックアウト36bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型36に同芯状に対向させる下型26にパンチP6を取り付け、パンチP6の上面に第5の半製品5を加工位置に位置決めするための位置決めピン26cを設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型36が上がり下型26から上方に離反したとき、すなわちプレス金型16が開いたとき、パンチP6上面の位置決めピン26cの外側にトランスファ送り装置によって第5の半製品5が送り込まれ、パンチP6とダイスD6の間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型36が下がると、第5の半製品5はノックアウト36bの穴に入り込む。第5の半製品5のフランジ部5eがノックアウト36bとパンチP6とで挟まれると、ダイスD6でパンチP6の外に出ている第5の半製品5のフランジ部5eの縁を切り落とすふち切り加工、すなわちトリミング加工(せん断加工)が始まり、図15に示すように、プレスのスライドと一体に上型36が下死点まで下がり、プレス金型16が完全に閉じることによって、第5の半製品5のフランジ部5eの幅が製品7のフランジ部7eの幅に成形される。この第6工程を終了した第6の半製品6を図2の(m)、(n)に示す。なお、切り落とされたスクラップ6hは、スクラップカッタにより切断される。
「第7工程(曲げ)」
最後に、第7工程のプレス金型17は、図9の(a)、(b)に示す下型27と、図9の(c)、(d)に示す上型37とで構成され、第7工程での成形に要する一対の曲げ工具である円筒状のパンチP7およびダイスD7のうち、パンチP7をプレスのスライドに取り付ける上型37に取り付け、パンチ穴P7Aにスプリング37a用いて加工後の半製品7をノックアウトするノックアウト37bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型37に同芯状に対向させる下型27にダイスガイドD7bを取り付け、芯棒付きのスプリング27a用いたスプリング式の可動ストリッパ27bを下型に取り付け、可動ストリッパ27bの中央部にダイスD7を嵌合固定し、ダイスガイドD7bの周囲にダイスD7を取り付けたものである。また可動ストリッパ27bの上面に第6の半製品6を加工位置に位置決めするための位置決めピン27cを設け、この位置決めピン27cの逃げ穴37cをパンチP7を取り付けるパンチプレートの下面に設けてある。さらに上型37には可動ストリッパ27bを押し下げピン37dを介して押し下げるための押し下げスプリング37eを設けてある。
最後に、第7工程のプレス金型17は、図9の(a)、(b)に示す下型27と、図9の(c)、(d)に示す上型37とで構成され、第7工程での成形に要する一対の曲げ工具である円筒状のパンチP7およびダイスD7のうち、パンチP7をプレスのスライドに取り付ける上型37に取り付け、パンチ穴P7Aにスプリング37a用いて加工後の半製品7をノックアウトするノックアウト37bを設け、プレスのベッドに取り付けて前記上型37に同芯状に対向させる下型27にダイスガイドD7bを取り付け、芯棒付きのスプリング27a用いたスプリング式の可動ストリッパ27bを下型に取り付け、可動ストリッパ27bの中央部にダイスD7を嵌合固定し、ダイスガイドD7bの周囲にダイスD7を取り付けたものである。また可動ストリッパ27bの上面に第6の半製品6を加工位置に位置決めするための位置決めピン27cを設け、この位置決めピン27cの逃げ穴37cをパンチP7を取り付けるパンチプレートの下面に設けてある。さらに上型37には可動ストリッパ27bを押し下げピン37dを介して押し下げるための押し下げスプリング37eを設けてある。
そして、プレスのスライドと一体に上型37が上がり下型27から上方に離反したとき、すなわちプレス金型17が開いたとき、可動ストリッパ27bおよびダイスD7は上面がダイスガイドD7bの先端面(上端面)と略同じ高さ位置に保持され、この高さの可動ストリッパ27bおよびダイスD7の上面で位置決めピン27cの内側にトランスファ送り装置によって第6の半製品6が送り込まれ、パンチP7とダイスD7の間でこれらと平面視略同芯状の加工位置に位置決めされる。プレスのスライドと一体に上型37が下がると、第6の半製品6は底部となる先端部(上端部)がパンチ穴P7Aの途中まで入り込み、押し下げピン37dによる可動ストリッパ27bおよびダイスD7の押し下げにより下降してダイスガイドD7bが中に入り込む。プレスのスライドと一体に上型37が下死点まで下がり、プレス金型16が完全に閉じることによって、可動ストリッパ27bおよびダイスD7は再下降位置に到達し、ダイスガイドD7bが第6の半製品6の中に完全に入り込み、第6の半製品6のフランジ部6fがダイスガイドD7bの先端面(上端面)に当たる。この時、パンチP7で第6の半製品6のフランジ部6eをダイスD7との間に挟み、図16に示すように、第6の半製品6のトリミング後の平らなフランジ部6eに傾斜を付ける曲げ加工を行い、図2の(o)、(o’)、(p)にも示す最終的な製品7に成形される。
以上のように第1工程〜第4工程の絞り加工によって、一端開口部から順に大径部7a、段差部7b、小径部7cおよびテーパー部7dが連続形成された所定深さの底付き円筒体である第4の半製品4を成形した後、その第4の半製品4の底4fにせん断作用で縁部を残す状態で穴5gをあける穴抜き加工、次いでせん断作用で大径側開口部のフランジ部5eの幅を所定寸法に切削するトリミング加工、次いで大径側開口部の平らなフランジ部5eに傾斜を付ける曲げ加工を行うことによって、自動車のメンバーマウント金具として使用される製品7が、従来に比べて少ない加工工程数で、加工効率よく、しかも割れを生じることなしにプレス成形することができる。
0 円形の金属平板(素材)
1 第1工程終了後の半製品
2 第2工程終了後の半製品
3 第3工程終了後の半製品
4 第4工程終了後の半製品
5 第5工程終了後の半製品
6 第7工程終了後の半製品
7 第7工程終了後の製品
7a 大径部
7b 段差部
7c 小径部
7d テーパー部
7e フランジ部
7f フランジ部
P1パンチ
D1ダイス
D1Aダイス穴
21bしわ押さえ
1 第1工程終了後の半製品
2 第2工程終了後の半製品
3 第3工程終了後の半製品
4 第4工程終了後の半製品
5 第5工程終了後の半製品
6 第7工程終了後の半製品
7 第7工程終了後の製品
7a 大径部
7b 段差部
7c 小径部
7d テーパー部
7e フランジ部
7f フランジ部
P1パンチ
D1ダイス
D1Aダイス穴
21bしわ押さえ
Claims (2)
- 一端開口縁部にフランジ部を有する所定深さの底付き円筒体をプレス成形する方法において、円形の金属平板から前記底付き円筒体を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その初絞りにてダイス穴から外に出ている金属平板のフランジ部分をパンチでダイス穴の中に絞り込む際、フランジ部分をダイスとしわ押さえの間をすべらせながら順次絞り込にみ、最終的にフランジ部分の縁がダイス肩部半径にかかるまで絞り込むことを特徴とするプレス成形方法。
- 円形の金属平板から前記底付き円筒体と略同じ深さの底付き円筒状の半製品を成形するための絞り加工を数工程に分けて行うと共に、その最終工程にてテーパー部を予備成形し、その後工程で大径部、段差部、小径部および先に行くにしたがって縮径するテーパー部を成形するための絞り加工を行い、一端開口部から順に大径部、段差部、小径部およびテーパー部が連続形成された所定深さの底付き円筒体を成形した後、その底付き円筒体の底にせん断作用で縁部を残す状態で穴をあける穴抜き加工、次いでせん断作用で一端開口部のフランジ部の長さを所定寸法に切削するトリミング加工を行う請求項1に記載のプレス成形方法。
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