JP2005186124A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】B含有鋼の連続鋳造において、鋳片表面の縦割れやディプレッションの発生を防止し、手入れ歩留まりを向上することができるモールドパウダを提供する。
【解決手段】(1)Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.2以上3.0以下であり、質量%で、B23含有量が1%以上10%以下およびF含有量が3%以上20%以下で、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であるB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ、および (2)Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.4以上2.8以下であり、質量%で、B23含有量が2%以上6%以下およびF含有量が5%以上15%以下で、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であるB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、硼素(B)を0.1質量%以上含有する鋼を連続鋳造する際に、鋳片表面の縦割れやディプレッションの発生を防止するためのモールドパウダに関する。
硼素(B)含有率が0.1質量%以上の鋼では、その液相線温度は1300〜1500℃程度であって、通常の炭素鋼またはステンレス鋼の液相線温度よりも低い上に、その固相線温度は1150℃程度と低く、液相線と固相線の間の「固液共存温度範囲」は、通常の炭素鋼やステンレス鋼の場合と比較して100℃以上も広いという特徴がある。したがって、鋳型内に形成した凝固殻の強度は低く、変形しやすいことはもちろんであるが、凝固殻が完全に凝固するまでに要する時間も長くなる。
また、上述のB含有率の範囲において、鋼は、フェライト(α)相あるいはオーステナイト(γ)相(以下、「母相」ともいう)と硼化物相との共晶凝固を示し、その結果として硼化物が母相のデンドライト樹間に集積する。この集積部の強度は、母相に比較して小さい。
上記の2つの要因により、鋳片表面に縦割れあるいはディプレッション(窪み)が生成しやすくなる。これらの縦割れやディプレッションを防止するためには、鋳型内において初期の凝固殻を緩冷却し、凝固殻を均一に形成させる必要がある。
溶融したモールドパウダは、鋳型内の潤滑剤として鋳型内壁に沿って凝固殻との間隙に流入し、フィルムを形成する。凝固殻を緩冷却するためには、このフィルムがガラス化することを防止し、フィルム中に適量の結晶を晶出または析出(以下、総称して「析出」と記す)させることが有効である。
Bを含有する鋼を連続鋳造すると、モールドパウダ中のSiO2が溶鋼中のBと反応して溶鋼中のBが酸化され、鋳型内のモールドパウダ中のB23含有率は上昇する。B23はSiO2と同様にモールドパウダ中においてガラスの構成成分となるので、結晶が析出しにくくなる。したがって、モールドパウダには、「溶鋼中のBの酸化を防止できるかまたはB23含有率が上昇した状態においても結晶が析出しやすい」という特性が求められる。
B含有鋼を鋳造する際に使用するモールドパウダとしては、下記のパウダが開示されている。例えば、特許文献1には、1300℃における粘度が3ポアズ以上8ポアズ未満、CaO/SiO2(質量%比)が1.3以上3.0未満、かつB23含有量が質量%で3%以上20%未満である連続鋳造用パウダーが開示されている。
このパウダは、一般的なモールドパウダを用いて、0.1%以上のBを含有する溶鋼を連続鋳造すると、溶融パウダ中のB23濃度が上昇し、凝固温度と粘度が低下するため、溶融パウダが鋳型壁と凝固殻との隙間に過剰に流入しやすく、またパウダフィルムがガラス化しやすく、鋳型内における凝固殻の抜熱が大きくなって、鋳片表面に縦割れが発生しやすくなることに対処したものである。すなわち、溶鋼のB含有量に応じて、パウダ中にB23を適量添加することによって、鋳造中の溶融パウダ中のB23含有量の変動を少なくし、溶融パウダの凝固温度と粘度の低下を抑制するものである。
しかし、粘度が3ポアズ以上の場合、結晶の析出速度が遅く、結晶量が緩冷却に必要な十分な量に達するまでに長時間を要するため、緩冷却が遅れる。さらに、塩基度も高いことから、凝固温度が高くなりがちで、鋳型壁と凝固殻との間の潤滑性が悪化し、ブレークアウトなどの操業トラブルが発生しやすい。
鋳型壁と凝固殻との隙間へのモールドパウダの流入を均一化するための方法として、特許文献2には、(鋳造温度−モールドパウダーの融点)で定義されるモールドパウダー温度指標を150℃以上600℃以下とし、オシレーションストローク/(鋳造速度×オシレーションサイクル)で定義されるパウダー流入指標を一定範囲内の値とする鋳造速度およびオシレーション条件で鋳造を行い、比水量を所定値以下とするボロン含有ステンレス鋼の連続鋳造方法が開示されている。
しかし、ここで開示された連続鋳造方法においては、モールドパウダーの流入量に大きな影響を及ぼすパウダーの粘度が考慮されていない。
また、特許文献3には、Bを0.5%以上含有する溶鋼の連続鋳造用パウダーであって、CaO/SiO2の値が0.3〜1.3であり、B23含有量および融点が溶鋼中のB含有量により定まる範囲を満足し、1300℃における粘度が0.3〜3ポアズであるB含有鋼鋳造用パウダーが開示されている。
このパウダは、溶鋼中のB含有量に応じて、パウダ中のB23含有量を調整することによって、鋳造中の溶融パウダ中のB23含有量の変動を減少し、パウダの溶融温度を適正範囲とするものである。溶融温度を適正化することにより、鋳型壁と凝固殻との隙間に流入する溶融パウダ量を適正化し、鋳片表面欠陥およびブレークアウトの発生を防止する。
しかし、パウダに含有されるNa2OおよびB23の量が多いために、カスピディン((3CaO・2SiO2・CaF2)の結晶析出に適したパウダ組成からの隔たりが大きく、パウダによる凝固殻の緩冷却化が必ずしも促進されないという問題がある。
さらに、特許文献4には、CaO+SiO2:35〜70%、かつCaO/SiO2:3.0以上であって、Al23:15〜30%およびB23:5〜30%を含有し、融点:950〜1250℃で、1300℃における粘度:0.8〜3.0poiseの特性を有するB含有鋼の連続鋳造用パウダーが開示されている。そして、特許文献5には、主成分として、CaO:20〜40%、LiO2:5〜20%、およびF:5〜25%を含み、CaO/LiO2の比が1.0〜4.0に調整されており、溶融パウダー物性値調整成分としてAl23を5〜40%含有し、骨材成分としてCを1〜4%含有し、その他の酸化物として、SiO2、Fe23、MnO、MgO、B23およびNaのうちのいずれか1種以上を合計で20%以下含有するB含有鋼のための連続鋳造用パウダーが開示されている。
しかし、特許文献4および5に開示されたパウダは、いずれもSiO2含有量が15〜20%以下と少なく、パウダの成分組成はCaO−Al23−CaF2系となっている。このようなパウダ組成の場合には、溶融温度が低くなる組成範囲が狭く、たとえば、予め凝固温度を1000℃程度に調整しておいても、鋳造中にわずかな成分組成の変化が生じただけで、溶融温度が1200℃以上に上昇しやすく、良好な潤滑性を安定かつ継続して確保することが困難になるという問題がある。
特開平8−141712号公報(特許請求の範囲、段落[0003]、[0004 ]および〔0010〕)
特開平8−309483号公報(特許請求の範囲および段落〔0010〕〜[0013]) 特開平2−155547号公報(特許請求の範囲および2頁左上欄〜右上欄) 特開2001−191153号公報(特許請求の範囲ならびに段落〔0006〕および[0007]) 特開2002−205153号公報(特許請求の範囲ならびに段落〔0010〕および[0011])
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、Bを0.1質量%以上含有する鋼の連続鋳造において、鋳型内面と鋳片との隙間に形成されるフィルム中に速やかに結晶を析出させることにより、鋳造初期から十分に緩冷却を行って鋳片表面の縦割れやディプレッションの発生を防止し、手入れ歩留まりを向上させることができるモールドパウダを提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて、B含有鋼の緩冷却を可能とし、鋳片の縦割れやディプレッションの発生を防止できるモールドパウダを鋭意研究し、下記の(a)〜(c)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)モールドパウダの主要成分はCaO、SiO2、FおよびB23とするのが適切であり、CaOとSiO2の質量%の比(以下、単に、「塩基度」または「CaO/SiO2」と記す)が1.2以上3.0以下の場合に、伝熱抵抗の大きいカスピディン(3CaO・2SiO2・CaF2)の結晶が析出しやすく、鋳型内の緩冷却に効果的である。
(b)溶鋼中のBの酸化によるモールドパウダの物性の変動を抑制するには、モールドパウダ中に予めB23を1質量%以上10質量%以下の範囲で含有させておけばよい。
(c)上記(a)のカスピディン結晶の析出を促進するためには、Fを3質量%以上20質量%以下含有させ、かつ、モールドパウダの1300℃における粘度を0.3Pa・s未満とすればよい。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)および(2)に示すB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ にある。
(1)Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.2以上3.0以下であり、質量%で、B23を1%以上10%以下およびFを3%以上20%以下含有し、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であるB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ。
(2)Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.4以上2.8以下であり、質量%で、B23を2%以上6%以下およびFを5%以上15%以下含有し、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であるB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ。
なお、以下の説明において、モールドパウダの成分組成の含有率「%」は、「質量%」を意味する。
本発明のモールドパウダを用いれば、B含有鋼の連続鋳造において、鋳型内面と鋳片との隙間に形成されるフィルム中に、伝熱抵抗の大きなカスピディンの結晶を速やかに析出させ、鋳片を鋳造初期から十分に緩冷却することができるので、鋳片表面の縦割れやディプレッションの発生を防止し、手入れ歩留まりを向上させることができる。したがって、鋳造初期を含めた全鋳造工程の歩留りを高位に安定化することが可能である。
本発明のモールドパウダは、前記のとおり、CaOとSiO2の質量%の比が1.2以上3.0以下であり、B23を1%以上10%以下およびFを3%以上20%以下含有し、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であるB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダである。以下に、本発明モールドパウダについてさらに詳しく説明する。
本発明者は、モールドパウダの粘度を0.3Pa・s未満に低減することにより、鋳型内のフィルム中で速やかに結晶を析出させることが可能となり、鋳造の初期から十分な緩冷却効果が得られるとの知見を得た。溶融パウダの粘度が高い場合には、溶融したモールドパウダが鋳型からの冷却により凝固する際に、CaO、SiO2およびCaF2成分の移動が遅く、それらが結合してカスピディンの結晶が生成するよりも速く冷却されるため、ガラス状に凝固する。ガラス状に凝固したパウダ中からの結晶の析出は遅く、鋳造の中盤以降になって漸く結晶の析出が定常状態に達する。
これに対して、粘度が低い場合には、結晶を構成する成分の移動速度が速いため、溶融パウダが凝固する段階で結晶が析出し、その析出量も多くなる。したがって、鋳造初期から、凝固殻の緩冷却に必要な結晶の析出量を確保することができる。
図1は、鋳造中の鋳型内における平均熱流束の推移を示す図である。同図において、鋳型内平均熱流束とは、鋳型銅板の冷却水に付与された単位時間当たりの熱量を鋳型銅板と凝固殻との接触面積で除した値である。
同図によれば、モールドパウダの粘度が0.3Pa・s以上の後述のモールドパウダ番号6を用いた比較例では、鋳造開始直後に平均熱流束は、一旦上昇した後に、徐々に低下して、定常状態に達している。これは、鋳造初期に、鋳型内面と鋳片との間に形成されたフィルムがガラス化したために、熱流束が高くなり、その後、鋳造の進行とともにガラス中においてカスピディン結晶の析出が徐々に進行した結果、伝熱抵抗が増大して熱流束が低下し、緩冷却の状態に達したことを示している。
これに対して、粘度が0.3Pa・s未満の後述のモールドパウダ番号1を用いた本発明例では、平均熱流束は鋳造初期から低位で安定しており、終始一定していた。これは、鋳造初期において既にフィルム中における結晶の析出が定常状態に達し、緩冷却のために必要な結晶析出量が確保されたためである。
上述のような結晶析出の安定化を図るために本発明で規定したモールドパウダの成分組成および粘度の適正範囲、ならびにその理由、さらには好ましい範囲について下記に説明する。
1)塩基度(CaO/SiO2):1.2〜3.0
モールドパウダの主要成分はCaOおよびSiO2であり、塩基度の適正範囲を1.2〜3.0とする。塩基度が1.2未満では、カスピディン結晶の析出量が十分ではなく、他方、塩基度が3.0を超えると、カスピディン以外の結晶も析出するので、鋳型内面と凝固殻との接触面の凹凸が大きくなり、鋳型内の冷却が不均一となる。塩基度の好ましい範囲は、1.4以上2.8以下である。
2)B23:1〜10%
23は、溶鋼中のBの酸化によりモールドパウダ中のB23組成が変動し、 モールドパウダの物性が変化することを抑制するために、予めモールドパウダ中に配合しておく。含有率の適正範囲は、1〜10質量%である。含有率が1%未満では物性の変動を抑制するためには十分でなく、鋳造中にB23含有率が上昇するおそれがある。一方、10%を超えて多量に含有される場合には、モールドパウダがガラス質になりやすく、したがって、パウダの粘度が上昇しやすいので、緩冷却に必要なカスピディン結晶の析出量が得られなくなる。B23含有率の好ましい範囲は、2〜6%である。
3)F:3〜20%
カスピディン結晶の析出を促進するためには、Fを含有させる必要がある。F含有率の適正範囲は、3〜20%である。含有率が3%未満ではカスピディン結晶の析出量が少なく、モールドパウダの粘度も高くなる。他方、含有率が20%を超えて高くなると、浸漬ノズルの溶損が著しくなる。F含有率の好ましい範囲は、5〜15%である。
4)その他の成分
本発明のモールドパウダにおいては、上記の1)〜3)基本成分に加えて、必要に応じて下記のa)〜c)の群の1つ以上の群から選ばれた酸化物を含有させることができる。
a)Na2O、Li2Oなどの周期律表のIA族の酸化物のうちの1種以上を合計で0.5〜15%
b)CaO以外のMgO、BaOなどのIIA族の酸化物のうちの1種以上を合計で0.5〜10%
c)Al23を2〜10%
ここで、上記のa)およびb)の群の酸化物は、含有させることにより、塩基性を保ち、モールドパウダの粘度を低下させる作用を有する。また、上記c)の酸化物は、パウダの粘度および融点を上昇させる作用を有する。
5)凝固点
通常の中炭素鋼で発生する鋳片表面の縦割れを防止するためのモールドパウダにおいては、その凝固点は1150〜1300℃程度が好ましいとされている。これに対して、B含有鋼では、前述のとおり、液相線または固相線はカスピディンの融点(1410℃)と同程度か、またはそれよりも低くなるため、B含有鋼の鋳造用モールドパウダでは、その凝固点を通常の中炭素鋼用パウダよりも低くする必要がある。したがって、凝固点は、1000〜1200℃程度が好ましい。さらに好ましくは、1040〜1160℃の範囲とするのがよい。
6)粘度
粘度の適正範囲は、1300℃において0.3Pa・s未満である。粘度を上記の範囲とすることにより、溶融したモールドパウダが凝固し始める際の結晶析出速度を大きくすることができる。粘度を0.2Pa・s未満とするのが好ましく、0.15Pa・s未満とすればさらに好ましい。モールドパウダの粘度の低下がカスピディン結晶の析出速度を上昇させることは前述のとおりであるが、その他に、普通鋼と比較して凝固殻の強度の低いB含有鋼の鋳片を鋳型から円滑に引き抜くことができるという効果を有する。
本発明のモールドパウダの効果を確認するため、以下に示すとおり、連続鋳造試験を行い、その結果を評価した。
試験には、スラブ幅1030mm、厚さ150mmのスラブ連続鋳造機を用い、B含有ステンレス鋼40t(トン)を鋳造速度0.5m/minにて鋳造した。表1にB含有ステンレス鋼の成分組成を、また、表2に試験で使用したモールドフラックスの成分組成および物性値を、そして表3に鋳造試験結果を、それぞれ示した。
Figure 2005186124
Figure 2005186124
Figure 2005186124
試験番号1〜5は、本発明のモールドパウダ番号1〜5のパウダを用いた本発明例についての試験であり、試験番号6〜10は、モールドパウダの塩基度、B23含有率、F含有率または粘度の少なくとも1つが本発明で規定する範囲を外れたモールドパウダ番号6〜10のパウダを用いた比較例についての試験である。
なお、表3において、手入れ歩留りとは、鋳片に発生した縦割れの部分をスカーフィングにより除去した後の鋳片質量を、スカーフィング前の鋳片質量で除し、%により表示した値である。また、同表中の1分子〜4分子とは、連続的に鋳造された鋳片をトーチ切断により溶断・分割したもので、先頭を1分子、末尾を4分子とした。
本発明のモールドパウダ番号1〜5を用いた試験番号1〜5では、1分子および4分子の一部に、鋳片の手入れ後の歩留りが94%のものもあったが、全体的にはいずれも95%以上であり良好であった。
これに対して、塩基度が低く、B23を含有せず、粘度が高いモールドパウダ番号6のパウダを用いた試験番号6、および粘度が高いモールドパウダ番号8のパウダを用いた試験番号8では、手入れ歩留りが低く、鋳片の1分子は、スカーフィングによる手入れが困難なために屑扱いとせざるを得ない結果となった。また、塩基度およびF含有量が低いモールドパウダ番号7のパウダを用いた試験番号7、およびB23含有率が高いモールドパウダ番号9のパウダを用いた試験番号9では、手入れ歩留りが低かった。塩基度が高いモールドパウダ番号10のパウダを用いた試験番号10では、手入れ歩留りは悪くないものの、鋳造中の鋳型銅板温度の変動が大きく、鋳型壁と凝固殻との隙間への溶融パウダの流入が不安定であった。
本発明のモールドパウダを用いれば、B含有鋼の連続鋳造において、鋳型内面と鋳片との隙間に形成されるフィルム中に、伝熱抵抗の大きなカスピディンの結晶を速やかに析出させ、鋳片を鋳造初期から十分に緩冷却することができるので、鋳片表面の縦割れやディプレッションの発生を防止し、手入れ歩留まりを向上させることができる。したがって、鋳造初期を含めた全鋳造工程の歩留りを高位に安定化することが可能であり、B含有鋼の連続鋳造技術に広範に適用できる。
鋳造中の鋳型内における平均熱流束の推移を示す図である。

Claims (2)

  1. Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.2以上3.0以下であり、質量%で、B23を1%以上10%以下およびFを3%以上20%以下含有し、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であることを特徴とするB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ。
  2. Bを0.1質量%以上含有する溶鋼の連続鋳造用モールドパウダであって、CaOとSiO2の質量%の比が1.4以上2.8以下であり、質量%で、B23を2%以上6%以下およびFを5%以上15%以下含有し、1300℃における粘度が0.3Pa・s未満であることを特徴とするB含有鋼の連続鋳造用モールドパウダ。
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