JP2005185307A - コンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドーム - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は人体に対する安全性に優れた抗菌剤を配合することにより、雑菌に対しての抗菌効果を付与すると共に、天然ゴムラテックス製品にみられる即時型アレルギーの原因物質の一つである水溶性タンパク質の溶出およびその変化体の人体への作用を低減させたコンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドームの提供を目的とする。
【解決手段】 抗菌作用を有する無機系抗菌剤としてクロルヒドロキシアルミニウム及び/又はアルミニウムミョウバン類からなる群から選択される少なくとも一種のアルミニウム化合物を配合したコンドーム用潤滑剤、及び上記抗菌剤を塗布又は付着してなるコンドーム
Description
本発明は抗菌作用をもつ無機系成分としてアルミニウム化合物を配合したコンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドームに関するものである。
コンドームに用いる潤滑剤として数多くの種類のものが提案されているが、基本的には、しっとり感を付与する湿潤剤、コンドームにぬめり性を付与するぬめり剤、コンドームの巻き上げ部への浸入を容易にしラテックス被膜同士の粘着を防止するための浸入剤で構成され、保存時にカビ等の発生により品質が低下する問題を抱えるため、防腐剤、抗菌剤を配合している。抗菌剤の類を配合してなるコンドーム用潤滑剤として、一般的な有機系の殺菌剤を配合してなる(特許文献1)、環状窒素性化合物及びイミダゾール化合物を配合してなる(特許文献2)、茶ポリフェノールを配合してなる(特許文献3)、等が報告されているが、いずれも有機系の殺菌あるいは、ウイルス抑制効果を有する薬剤を配合してなる。
また、カテーテル等体内に留置あるいは挿入される医療用具に塗布する潤滑剤と収斂薬とを含有する抗感染性潤滑剤(特許文献4)が提案されているが、挿入部位乃至挿入に伴う粘膜の炎症部位に粘膜組織のタンパク質を沈殿して被膜を形成させて、微生物が粘膜内に侵入することを阻止し感染症を防止する目的で下痢、創面、潰瘍及び炎症に用いられる収斂剤を使用するものであり、本願発明のコンドームとはその使用形態及び目的を異にしている。一般に、生体材料に用いられる抗菌剤は、抗生剤(生物製剤)、有機系抗菌剤と無機系抗菌剤に大別される。抗生剤は、体内挿入型生体材料表面にコーティングあるいは含浸して用いられることが多いが使用法を誤ると、本来その抗生剤に感受性があった細菌が、種々の要因で後天的に耐性を獲得し薬剤耐性菌が出現する問題がある。また有機系抗菌剤は抗菌力が強く殺菌速度が高いものの、合成のものはアレルギーを引き起こす可能性があると言われている。
また、カテーテル等体内に留置あるいは挿入される医療用具に塗布する潤滑剤と収斂薬とを含有する抗感染性潤滑剤(特許文献4)が提案されているが、挿入部位乃至挿入に伴う粘膜の炎症部位に粘膜組織のタンパク質を沈殿して被膜を形成させて、微生物が粘膜内に侵入することを阻止し感染症を防止する目的で下痢、創面、潰瘍及び炎症に用いられる収斂剤を使用するものであり、本願発明のコンドームとはその使用形態及び目的を異にしている。一般に、生体材料に用いられる抗菌剤は、抗生剤(生物製剤)、有機系抗菌剤と無機系抗菌剤に大別される。抗生剤は、体内挿入型生体材料表面にコーティングあるいは含浸して用いられることが多いが使用法を誤ると、本来その抗生剤に感受性があった細菌が、種々の要因で後天的に耐性を獲得し薬剤耐性菌が出現する問題がある。また有機系抗菌剤は抗菌力が強く殺菌速度が高いものの、合成のものはアレルギーを引き起こす可能性があると言われている。
これに対して、無機系抗菌剤は有機系と比べ殺菌力は弱いものの、皮膚に接触しても毒性が低く、耐性菌をつくりにくい特徴を有しており、耐熱性も高い。いずれの抗菌物質も使用環境下で宿主に対して安全でなければならないし、その作用が宿主組織や体液中の物質によって阻害されないことが必要である。コンドームに使用される抗菌剤はその使用目的から鑑みて人体に対する安全性が特に求められている。
更に、コンドーム素材である天然ゴムラテックス製品にみられる即時型アレルギーが近年問題となっている。原因物質の一つとして天然ゴムラテックス製フィルムから溶出する水溶性タンパク質およびその変化体であると考えられ、フィルム中の水溶性タンパク質含有量を低減させるために、抽出やタンパク質分解酵素を用いた洗浄方法などが報告されているが、フィルムの製膜性が悪くなる上に、フィルムの物理的強度低下、排水処理を含め処理コストが高いなどの問題点を抱えていた。
特開2001−335412
特開平5−294825
特開2003−27083
特開平9−25227
以上の状況に鑑み、本発明の目的はコンドームに使用される抗菌剤にあって人体に対する安全性に優れる無機系抗菌剤を配合したコンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドームを提供することである。
また、コンドームの製造原料に天然ゴムラテックスが含まれている場合、溶出する可能性がある水溶性タンパク質の人体への作用を低減させる事を課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のアルミニウム化合物をコンドーム用潤滑剤に配合あるいはコンドームの先端溜まり部分あるいは側面に液状又は粉状で塗布又は付着せしめることにより、雑菌に対する抗菌効果を奏し、分解による悪臭発生を未然に防止出来ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明に使用される抗菌剤は、クロルヒドロキシアルミニウム及び/又はアルミニウムミョウバン類からなる群から選択される少なくとも一種のアルミニウム化合物からなることを特徴とする。アルミニウムミョウバン類としては、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムナトリウムがあるが、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウムが好適に使用される。上記アルミニウム化合物は、いずれも旧化粧品原料基準あるいは食品添加物公定書に収載され、人体に対して安全に使用することが出来る。
また、上記成分は抗菌作用のほか、コンドームの製造原料に天然ゴムラテックスが含まれている場合、溶出する可能性がある水溶性タンパク質を天然ゴムラテックス製フィルム表面で凝固させることで人体への作用を緩慢にし、即時型アレルギーの発現を抑制する事ができる。
また、上記の抗菌剤をコンドーム用潤滑剤に配合する場合、コンドーム用潤滑剤に対して0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%使用する。コンドーム用潤滑剤に対して抗菌剤の配合量が0.1質量%未満の場合、抗菌作用が不十分であり、20質量%を越える場合、十分な抗菌作用が得られるものの潤滑性が低下する傾向にある。また、潤滑剤とは別途に、コンドームの先端溜まり部分あるいは側面に抗菌剤を液状又は粉状で塗布又は付着せしめる場合、コンドーム1個あたり20〜1500mg、好ましくは50〜500mg使用する。潤滑剤とは別途に、本発明の抗菌剤をコンドーム側面に塗布又は付着せしめる場合に可能な最低量は試験の結果、約20mgであり、コンドームの先端溜まり部分に塗布又は付着せしめる場合の最大量は約1500mgであることが判った。
本発明のコンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドームは、無機系抗菌剤と潤滑剤で構成され、人体に対する安全に優れ、雑菌に対する抗菌効果および分解による悪臭発生を未然に防止出来る。また、コンドームの製造原料に天然ゴムラテックスが含まれている場合、溶出する可能性がある水溶性タンパク質による即時型アレルギーの発現を抑制する事ができる。
クロルヒドロキシアルミニウム及び/又はアルミニウムミョウバン類からなる群から選択される少なくとも一種のアルミニウム化合物を抗菌剤としてコンドーム用潤滑剤に配合あるいはコンドームの先端溜まり部分あるいは側面に液状又は粉状で塗布又は付着せしめる。
試験菌(Escherichia coli IFO 3972)の菌体を滅菌精製水に懸濁させ、1mlあたりの菌数を4.9×106個/mlに調整した。次に、硫酸アルミニウムカリウム(カリミョウバン)に滅菌精製水を加え、表1に示す濃度の試験液を作製した。この試験液に試験菌が4.9×104個/mlになるように添加した(4.9×106個/mlを100倍希釈)。添加後、30秒、5分、30分、1時間後にシャーレに分取し、寒天平板法に従い、デソキシコレート寒天培地を加えて混釈した。冷却凝固させた後、デソキシコレート寒天培地を重層させ、35℃、24時間培養した後、集落の計測を行い菌数の算定を行った結果を表1に示す。
試験菌(Pseudomanas aeruginosa ATCC 27853)をマクファーランドNo.5に調整した。次に、実施例1と同様に作製した試験液に試験菌が
マクファーランドNo.5の濃度になるように添加した。添加後、5分、1時間、5時間後に試験管に分取し、アスパラギンブイヨン培地で35℃、24時間培養した。培養後、混濁や蛍光が認められないときは、引き続き培養を48時間まで継続した。混濁と蛍光が認められるものを推定試験陽性、混濁と蛍光が認められないものを推定試験陰性として表2に示す。
マクファーランドNo.5の濃度になるように添加した。添加後、5分、1時間、5時間後に試験管に分取し、アスパラギンブイヨン培地で35℃、24時間培養した。培養後、混濁や蛍光が認められないときは、引き続き培養を48時間まで継続した。混濁と蛍光が認められるものを推定試験陽性、混濁と蛍光が認められないものを推定試験陰性として表2に示す。
BCYEα寒天培地で37℃、3日間培養した試験菌(Legionella pneumophila)の菌体を滅菌生理食塩水に1mlあたり100個になるよ うに懸濁した菌液を調整した。次に、カリミョウバンに滅菌精製水を加え、カリミョウバンの濃度が5.0質量%の検体を作製し、孔径0.22μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌後、0.1%の割合で菌液に添加し試験液とした。次に、試験液100mlを43℃に静置した後、20分、1時間および5時間後に生菌数を測定した(実施例3)。生菌数の測定はBCYEα寒天培地による塗抹平板法により行い、37℃、3日間培養後、生育してきたコロニー数を計数した。対照(比較例1)は滅菌生理食塩水とし、同様に行った結果を表3に示す。
厚さを均一に調整した天然ゴムラテックス製シートを用意し水溶性潤滑剤にクロルヒドロキシアルミニウムを0.5%配合して約3時間接触したものを実施例4とする。同様に天然ゴムラテックス製シートにアルミニウム化合物無添加のものを用意しこれを比較例2とした。これらをASTM D5712−99に準じたModified Lowry AssayでTotal Protein Concentrationを測定、及びASTM D6499−00に準じたELISA Inhibition AssayでAntigenic Proteinを測定した結果を表4に示す。Total Protein Concentration<18.0(μg/dm2)の場合、及びAntigenic Protein<0.1(μg/dm2)の場合はb.d.(below detection)と示す。
Claims (5)
- クロルヒドロキシアルミニウム及び/又はアルミニウムミョウバン類からなる群から選択される少なくとも一種のアルミニウム化合物を抗菌剤として含有するコンドーム用潤滑剤。
- アルミニウムミョウバン類が硫酸アルミニウムカリウム又は硫酸アルミニウムアンモニウムであることを特徴とする請求項1記載のコンドーム用潤滑剤。
- 請求項1、2記載の抗菌剤配合量がコンドーム用潤滑剤に対して0.1〜20質量%であるコンドーム用潤滑剤。
- 請求項3記載の潤滑剤を塗布してなるコンドーム。
- コンドームの先端溜まり部分あるいは側面に請求項1、2記載の抗菌剤をコンドーム1個あたり20〜1500mg塗布又は付着してなるコンドーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003426908A JP2005185307A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | コンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003426908A JP2005185307A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | コンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドーム |
Publications (1)
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JP2005185307A true JP2005185307A (ja) | 2005-07-14 |
Family
ID=34786322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003426908A Pending JP2005185307A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | コンドーム用潤滑剤及び同組成物を塗布したコンドーム |
Country Status (1)
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-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003426908A patent/JP2005185307A/ja active Pending
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