JP2005185064A - Parallel hybrid vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エンジンと、発電機を兼ねる電気的回転駆動源としての電動機とを有し、これらの出力トルクを、トルク合成機構である差動装置を介して変速装置に伝達することにより、エンジン及び電動機の何れか一方又は双方で走行駆動力を得るようにしたパラレルハイブリッド車両に関するものである。 The present invention has an engine and an electric motor as an electric rotational drive source that also serves as a generator, and transmits the output torque to a transmission via a differential device that is a torque synthesizing mechanism. In addition, the present invention relates to a parallel hybrid vehicle in which travel driving force is obtained by one or both of the motor and the electric motor.
従来のパラレルハイブリッド車両としては、例えばエンジンの出力トルクと、電動発電機(電気的回転駆動源)の出力トルクとを、遊星歯車機構からなる差動装置によって合成し、それを変速装置を介して駆動輪に伝達する(例えば特許文献1)。このパラレルハイブリッド車両の発進方法は、エンジンの回転数の上昇を抑制しながら、電動発電機の回転数をエンジンの回転数に一致するように、当該電動発電機にトルクを発生させて、この電動発電機の回転数とエンジンの回転数とが一致又はほぼ一致したら、エンジンと電動発電機とをロックアップクラッチで直結し、それ以後は、車速が低下しない限り、エンジンのみ、又はエンジンと電動発電機とで駆動力を発生するようにしている。 As a conventional parallel hybrid vehicle, for example, the output torque of an engine and the output torque of a motor generator (electric rotational drive source) are combined by a differential device composed of a planetary gear mechanism, and the resultant is transmitted via a transmission. It transmits to a driving wheel (for example, patent document 1). In this parallel hybrid vehicle starting method, the motor generator is caused to generate torque so that the rotation speed of the motor generator matches the engine rotation speed while suppressing an increase in the engine rotation speed. When the generator speed and the engine speed match or nearly match, the engine and motor generator are directly connected by a lock-up clutch, and thereafter only the engine or the engine and motor generator unless the vehicle speed decreases. A driving force is generated with the machine.
ところで、前述したようなパラレルハイブリッド車両では、電動発電機を回生作動させることにより回生電力を得ることができる。この回生電力を蓄電装置に蓄電して、電動発電機を電動機として用いる際のエネルギーなどとする。また、電動発電機を回生作動させるときには、車両の運動エネルギーが回生電力に変換されるので、当該電動発電機で駆動される電動駆動輪に回生制動力が作用する。このとき、前記ロックアップクラッチを締結したままで回生制動を行うと、エンジンで消費される車両の運動エネルギーが大きく、十分な回生電力が得られないという問題がある。そこで、例えばバッテリ、即ち蓄電装置の蓄電状態を検出し、その検出された蓄電装置の蓄電状態が小さいほど、前記電動発電機による回生電力が大きくなるように変速装置の変速段及びロックアップクラッチの締結状態を選択し、その選択された変速段及びロックアップクラッチの締結状態に応じてエンジン及び電動発電機の運転状態及び変速装置の変速段を制御するものがある(例えば特許文献2)。つまり、バッテリの蓄電状態が小さいときには、ロックアップクラッチを解放することによりエンジンで消費される車両の運動エネルギーを小さくすることで、電動発電機による回生電力を増大しようとする。このとき、エンジンと電動発電機とは前記遊星歯車機構からなる差動装置によって差動している。
ところで、例えば蓄電状態が満杯であるときのように前記蓄電装置に充電できないときには、通常は、高速走行時にロックアップクラッチを締結しておいてエンジンのみで制動力を発生するようにすることで過充電を防止したり、発進時にはロックアップクラッチをスリップ制御することで電動発電機をエンジンと逆方向に回転させて発電させないようにし、電動発電機がエンジンと同じ方向に回転し始めたら当該電動発電機を力行させて放電するようにしたりすることが考えられる。 By the way, when the power storage device cannot be charged, for example, when the power storage state is full, normally, it is necessary to engage the lock-up clutch during high-speed traveling so that the braking force is generated only by the engine. Preventing charging or slip-controlling the lock-up clutch when starting, prevent the motor generator from rotating and generating power by rotating it in the opposite direction to the engine. When the motor generator starts rotating in the same direction as the engine, the motor generator It is conceivable to make the machine power to discharge.
しかしながら、これらの方法は何れもロックアップクラッチが正常に作動することが前提であるため、ロックアップクラッチが締結できないような異常時には、これらの方法は適用できない。
本発明は上記諸問題を解決するために開発されたものであり、ロックアップクラッチの異常時で且つ蓄電装置に充電できない場合にも、電動発電機等の電気的回転駆動源を用いながら走行可能なパラレルハイブリッド車両を提供することを目的とするものである。
However, since these methods are based on the assumption that the lockup clutch operates normally, these methods cannot be applied in an abnormal situation where the lockup clutch cannot be engaged.
The present invention has been developed to solve the above problems, and can run while using an electric rotational drive source such as a motor generator even when the lockup clutch is abnormal and the power storage device cannot be charged. An object of the present invention is to provide a parallel hybrid vehicle.
上記諸問題を解決するため、本発明のパラレルハイブリッド車両は、ロックアップクラッチ等の締結制御手段の異常が検出され且つ蓄電装置が充電不可能なときには、エンジンの回転方向と逆向きで且つ充電効率が零となる回転数で電気的回転駆動源を回転させながら当該電気的回転駆動源の出力トルクを要求トルクに制御することを特徴とするものである。なお、充電効率が零である状態とは、電気的回転駆動源が力行或いは回生しているにもかかわらず、当該電気的回転駆動源と蓄電装置との間で電流が流れない状態を示す。 In order to solve the above problems, the parallel hybrid vehicle of the present invention has a charging efficiency that is opposite to the rotational direction of the engine and when the abnormality of the engagement control means such as the lockup clutch is detected and the power storage device cannot be charged. The output torque of the electrical rotational drive source is controlled to the required torque while rotating the electrical rotational drive source at a rotational speed at which becomes zero. Note that the state where the charging efficiency is zero indicates a state where no current flows between the electric rotation drive source and the power storage device even though the electric rotation drive source is powering or regenerating.
而して、本発明のパラレルハイブリッド車両によれば、ロックアップクラッチ等の締結制御手段の異常が検出され且つ蓄電装置が充電不可能なときには、エンジンの回転方向と逆向きで且つ充電効率が零となる回転数で電気的回転駆動源を回転させながら当該電気的回転駆動源の出力トルクを要求トルクに制御する構成としたため、蓄電装置に充電することなく、電動発電機等の電気的回転駆動源を用いて走行することが可能となる。 Thus, according to the parallel hybrid vehicle of the present invention, when an abnormality of the engagement control means such as the lockup clutch is detected and the power storage device cannot be charged, the charging efficiency is opposite to the engine rotation direction and the charging efficiency is zero. The output torque of the electric rotation drive source is controlled to the required torque while rotating the electric rotation drive source at a rotation speed of the electric rotation drive such as a motor generator without charging the power storage device. It is possible to travel using the source.
以下、本発明のパラレルハイブリッド車両駆動装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、エンジン1及び発電機及び電動機として作用する3相同期モータ/発電機で構成される交流式のモータ/発電機(電気的回転駆動源)2の出力側が、夫々、トルク合成機構である差動装置(遊星歯車機構)3の入力側に連結され、この差動装置3の出力側がトルクコンバータ等の発進装置を搭載していない変速装置4の入力側に接続され、変速装置4の出力側が図示しない終減速装置等を介して駆動輪5に連結されている。ちなみに、この実施形態では、前記差動装置3と変速装置4との間に、オイルポンプ13が配設されており、このオイルポンプ13で創成される流体圧が変速装置4の制御並びに差動装置3のロックアップクラッチの締結解放に用いられる。
Embodiments of a parallel hybrid vehicle drive device according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an embodiment of the present invention, and an AC motor / generator (electric rotation) composed of an engine 1, a generator, and a three-phase synchronous motor / generator acting as an electric motor. The output side of the drive source 2 is connected to the input side of a differential device (planetary gear mechanism) 3 that is a torque combining mechanism, and the output side of the
ここで、前記エンジン1はエンジン用コントローラECによって制御される。また、前記モータ/発電機2は、例えば図2に示すステータ2Sとロータ2Rとを有し、充電可能なバッテリやコンデンサで構成される蓄電装置6に接続されたモータ/発電機駆動回路7によって駆動制御される。
前記モータ/発電機駆動回路7は、蓄電装置6に接続されたチョッパ7aと、このチョッパ7aとモータ/発電機2との間に接続された例えば6つのIGBTを有し、直流を3相交流に変換するインバータ7bとで構成され、前記チョッパ7aに後述するモータ/発電機用コントローラ12からのデューティ制御信号DSが入力されることにより、このデューティ制御信号DSに応じたデューティ比のチョッパ信号をインバータ7bに出力する。このインバータ7bは、図示しないモータ/発電機2のロータの回転位置を検出する位置センサの回転位置検出信号に基づいて、モータ/発電機2の正回転時には電動機として作用させ、逆回転時には発電機として作用させるように、その回転に同期した周波数で駆動する3相交流を形成するように、例えば前記各IGBTのゲート制御信号を形成する。ちなみに、モータ/発電機2はエンジン1同様、車両を駆動するためにも用いられるので、車両を駆動する側への回転方向を正回転とし、その逆方向への回転方向を逆回転と定義する。
Here, the engine 1 is controlled by an engine controller EC. The motor / generator 2 has, for example, a
The motor / generator drive circuit 7 includes a
また、差動装置3は、図2に示すように、トルク合成機構として遊星歯車機構21を備えて構成されている。この遊星歯車機構21は、エンジン1とモータ/発電機との間で差動機能を発現しながらトルク合成機構をなすものである。そして、サンギヤSと、その外周側に等角間隔で噛合する複数のピニオンP(図示省略)と、各ピニオンPを連結するピニオンキャリアCと、ピニオンPの外側に噛合するリングギヤRとを備え、この遊星歯車機構21のリングギヤR(第1軸)がエンジン1に連結され、同じく遊星歯車機構21のサンギヤS(第2軸)がモータ/発電機2のロータ2Rに連結され、同じく遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC(第3軸)が変速装置4の入力側に連結されている。
Further, as shown in FIG. 2, the
また、前記遊星歯車機構21のサンギヤS、即ちモータ/発電機2のロータ2Rとエンジン1の出力側との間には、両者の連結状態を制御するためのロックアップクラッチ36が介装されている。また、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち変速装置4の入力側とケース14との間には、当該ピニオンキャリヤC、及び変速装置4の回転方向を正回転にのみ規制し、逆回転では締結して、当該逆回転を許容しないワンウエイクラッチOWCが介装されている。なお、前記エンジン1と遊星歯車機構21のリングギヤRとの間にはダンパを介装してもよい。
A
前記ロックアップクラッチ36は、例えば湿式多板クラッチで構成される。このロックアップクラッチ36は、油圧コントローラ(締結制御手段)37からの油圧がシリンダ部36aに給排されることにより締結及び解放が行われる。前記油圧コントローラ37は、前記モータ/発電機用コントローラ12によって制御される電磁弁38と、前記オイルポンプ13で生成された油圧を元圧とし且つ前記電磁弁38からの出力圧を信号圧として、前記シリンダ部36aに供給する油圧を調圧する調圧弁39と、前記調圧弁39の下流側に設けられ且つ前記シリンダ部36aへの供給圧が所定値以上になるとONとなって当該供給圧を検出可能な油圧スイッチ40とを備えて構成される。前記電磁弁38は、前記モータ/発電機コントローラ12から供給される制御信号CSが低レベルであるときに前記遊星歯車機構21のリングギヤR、即ちエンジン1と変速装置4とを切り離した非締結状態になるように、また当該制御信号CSが高レベルであるときに両者間を連結した締結状態になるように前記調圧弁39を制御する。
The
さらに、前記変速装置4は、変速装置用コントローラTCによって、走行速度とスロットル開度とをもとに予め設定された変速制御マップを参照して決定された例えば第1速〜第4速の変速比に制御される。ちなみに、この変速装置4は周知の自動変速装置であり、例えば二組の遊星歯車機構の各要素を複数の摩擦要素によって締結解放することで前進4速の変速比を達成可能としており、各摩擦要素の締結解放に前記オイルポンプ13で創成された油圧が用いられる。また、この変速装置4には、締結することにより図示しない駆動輪側からの逆駆動力、所謂路面反力トルクをトルク合成機構側に伝達可能なエンジンブレーキ用クラッチを有している。なお、この変速装置用コントローラTCは、前記エンジン用コントローラECと相互通信を行っており、必要な情報は随時、互いに授受している。
Further, the
また、エンジン1及びモータ/発電機2には、その出力軸の回転数を検出するエンジン回転数センサ8及びモータ/発電機回転数センサ9が設けられていると共に、図示しないセレクトレバーで選択されたレンジに応じたレンジ信号を出力するインヒビタースイッチ10及びアクセルペダルの踏込みに応じたスロットル開度を検出するスロットル開度センサ11及び自車両の走行速度を検出するための走行速度センサ14及びブレーキペダルの踏込み状態に応じたブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ15が設けられ、これら回転数センサ8及び9の回転数検出値NE 及びNM/G とインヒビタースイッチ10のレンジ信号RS及びスロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH及び走行速度センサ14の走行速度V及びブレーキ液圧センサ15のブレーキ液圧P及び前記油圧スイッチ40のスイッチ信号等がモータ/発電機2及びロックアップクラッチ36を制御するモータ/発電機用コントローラ12に供給される。また、前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも前記変速装置用コントローラTCと相互通信を行い、例えば変速装置4のギヤ比(変速段)やエンジンブレーキ用クラッチの締結解放状態といった情報を、変速装置信号TSとして入力すると共に、個別の演算処理によって設定されたギヤ比(変速段)が変速装置4内で達成されるように変速装置用コントローラTCに指令を出力したりするように構成されている。
Further, the engine 1 and the motor / generator 2 are provided with an
前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも入力側インタフェース回路12a、演算処理装置12b、記憶装置12c及び出力側インタフェース回路12dを有するマイクロコンピュータ12eで構成されている。
入力側インタフェース回路12aには、エンジン回転数センサ8のエンジン回転数NE 、モータ/発電機回転数センサ9のモータ/発電機回転数NM/G 、インヒビタースイッチ10のレンジ信号RS、スロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH、走行速度センサ14の走行速度V、油圧スイッチ40のスイッチ信号及びブレーキ液圧センサ15のブレーキ液圧P及び前記変速装置用コントローラの変速装置信号TSが入力されている。
The motor / generator controller 12 includes a
The input
演算処理装置12bは、例えばキースイッチ(図示せず)がオン状態となって所定の電源が投入されることにより作動状態となり、先ず初期化を行って、モータ/発電機2への駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSをオフ状態とすると共に、ロックアップクラッチ36へのクラッチ制御信号CSもオフ状態とし、その後少なくとも発進時にエンジン回転数検出値NE 、モータ/発電機回転数検出値NM/G 、レンジ信号RS及びスロットル開度検出値TH等に基づいてモータ/発電機2及びロックアップクラッチ36を制御する。ちなみに、この実施形態では、車両の停車時にエンジン1の回転を停止する、所謂アイドリングストップを行うように構成されている。
The
記憶装置12cは、演算処理装置12bの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置12bの演算過程で必要な各種データを記憶する。
出力側インタフェース回路12dは、演算処理装置12bの演算結果である駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSとクラッチ制御信号CSとをモータ/発電機駆動回路7及び電磁ソレノイド36aに供給する。ちなみに、前記モータ/発電機2では、逆起電力を利用することにより、車両に制動力を付与することも可能である。
The
The output
次に、走行状態、蓄電装置の状態、車両の操作状態に応じて前記モータ/発電機用コントローラ12で行われる通常時の制御によるエンジン1及びモータ/発電機2の各種の作動状態について説明する。
前述のように、本実施形態ではアイドリングストップによって、車両の停車中にエンジン1の回転が停止されている。そこで、セレクトレバーの操作によってドライブレンジDを始めとする走行レンジが選択され、或いはパーキングレンジPやニュートラルレンジNが選択されている場合でも、スロットル開度THが“0”を越えている場合には、前記特開2003−104090公報同様、前記モータ/発電機2を所定の回転数(必要なのは回転数とトルク)で逆回転させると、ピニオンキャリヤCは前記ワンウエイクラッチOWCによって逆回転できないため、エンジン1が正方向に回転される。この状態で、燃料を噴射することでエンジン1の回転が始動する。また、これに伴って前記オイルポンプも駆動が開始される。なお、パーキングレンジPやニュートラルレンジNが選択されているときには、変速装置4の入力側と出力側とが接続されていないので、前記ロックアップクラッチ36を締結し、エンジン1とモータ/発電機2とを直結した状態で、モータ/発電機2を正回転し、正方向のトルクを発生させるようにしてもエンジン1を回転始動することも可能である。
Next, various operating states of the engine 1 and the motor / generator 2 by normal control performed by the motor / generator controller 12 according to the running state, the state of the power storage device, and the operation state of the vehicle will be described. .
As described above, in the present embodiment, the rotation of the engine 1 is stopped while the vehicle is stopped by the idling stop. Therefore, when the travel range including the drive range D is selected by operating the select lever, or the throttle opening TH exceeds “0” even when the parking range P or the neutral range N is selected. Since the pinion carrier C cannot be reversely rotated by the one-way clutch OWC when the motor / generator 2 is reversely rotated at a predetermined rotation speed (required rotation speed and torque) as in the above-mentioned JP-A-2003-104090, The engine 1 is rotated in the forward direction. In this state, the engine 1 starts rotating by injecting fuel. Along with this, driving of the oil pump is also started. When the parking range P or the neutral range N is selected, the input side and the output side of the
このようにしてエンジン1の回転始動後に、車両を発進走行させる必要がない場合、つまりフットブレーキが踏み込まれているような場合には、そのエンジン1の回転駆動力を利用してバッテリなどの蓄電装置6に蓄電を行う。つまり、モータ/発電機2を発電機として使用し、発電を行う。このとき、セレクトレバーにより選択されている変速段がパーキングレンジPか、或いはニュートラルレンジNである場合には、変速装置4の入力側と出力側とが接続されていないので、前記ロックアップクラッチ36でエンジン1とモータ/発電機2とを直結し、エンジン1でモータ/発電機2を正回転させながら正方向のトルクを与え、発電を行う。一方、ドライブレンジDレンジを始めとする走行レンジが選択されているときには、変速装置4の入力側と出力側とが接続されているので、ピニオンキャリヤCがワンウエイクラッチOWCで逆回転しないことを利用し、エンジン1でモータ/発電機2を逆回転させながら正方向のトルクを与え、発電を行う。
Thus, after the engine 1 starts rotating, when it is not necessary to start the vehicle, that is, when the foot brake is depressed, the battery 1 or the like can be stored using the rotational driving force of the engine 1. The device 6 is charged. That is, the motor / generator 2 is used as a generator to generate power. At this time, if the shift stage selected by the select lever is the parking range P or the neutral range N, the input side and the output side of the
また、ドライブレンジDを始めとする走行レンジが選択され、アクセルペダルが踏み込まれると、車両を発進させるために、ロックアップクラッチ36の解放状態で、スロットル開度が大きくなるほど、大きな値に予め設定されている目標エンジン回転数NEPにエンジン1の回転数を維持しながら、モータ/発電機2を次第に正回転させるべく、正方向トルクを発生せしめ、これによりピニオンキャリヤCに正方向のトルクを与えて車両を発進加速させる。このとき、モータ/発電機2が逆回転している状態では発電機として機能し、正回転している状態ではモータとして機能している。 In addition, when a driving range such as the drive range D is selected and the accelerator pedal is depressed, a larger value is set in advance as the throttle opening increases in the released state of the lock-up clutch 36 in order to start the vehicle. while maintaining the rotational speed of the engine 1 to the target engine speed N EP being, in order to gradually forward rotation of the motor / generator 2, by which the positive torque, thereby the positive direction of the torque to the pinion carrier C Give the vehicle start acceleration. At this time, the motor / generator 2 functions as a generator when the motor / generator 2 is rotating in the reverse direction, and functions as a motor when the motor / generator 2 is rotating in the forward direction.
やがて、モータ/発電機2の回転数が、所定の回転数、つまり目標エンジン回転数NEPに維持されているエンジンの回転数に一致又はほぼ一致したら、前記ロックアップクラッチ36を締結し、エンジン1とモータ/発電機2とを直結して車両を走行する。例えば、車両が或る程度以上の走行速度で高速走行しているとか、アクセルペダルの踏込み量が大きいとか、変速装置4内の減速比が大きいとか、蓄電装置6の蓄電量が少ないといった状況では、モータ/発電機2をモータとして使用するのは不利なので、モータ/発電機2ではトルクを発生せず、所謂フリーな状態にしてエンジン1でのみトルクを発生し、走行する。一方、走行速度が低いとか、アクセルペダルの踏込み量が小さいとか、変速装置4内の減速比が小さいとか、蓄電装置6の蓄電量が多いといった状況では、モータ/発電機2をモータとして使用しても差し支えないので、モータ/発電機2を正回転し、正方向のトルクを発生させて、エンジン1のアシストを行う。
Eventually, when the rotational speed of the motor / generator 2 matches or substantially matches the predetermined rotational speed, that is, the engine rotational speed maintained at the target engine rotational speed NEP , the
このような加速走行状態に対して、車両が減速状態にある、所謂エンジンブレーキの効きが期待される状況では、前記ロックアップクラッチ36を締結したままで、モータ/発電機2を発電機として用い、駆動輪5から入力される路面反力トルクに対し、負の方向のトルクを発生させて、本来のエンジンブレーキの代わりに或いはそれに加えて制動力を強める。
In such a situation in which the vehicle is in a decelerating state with respect to such an acceleration traveling state and so-called engine braking is expected, the motor / generator 2 is used as a generator while the lock-up clutch 36 is kept engaged. Then, a negative torque is generated with respect to the road surface reaction force torque input from the
このような一般的な走行状況の他に、本実施形態では、ドライブレンジDを始めとする走行レンジでのクリープ走行モードが設定されている。例えば、前述したエンジン回転始動直後のような状況では、アイドル回転状態にあるエンジン1で正方向のトルクを発生させながら、モータ/発電機2で正方向のトルクを発生し、両者の合成トルクで車両をクリープ走行させる。また、エンジン1が回転始動されていないときには、モータ/発電機2を正回転させながら正方向のトルクを発生し、これにより車両をクリープ走行させることも可能である。 In addition to such general traveling conditions, in the present embodiment, a creep traveling mode in the traveling range including the drive range D is set. For example, in the situation immediately after the engine rotation described above, the motor / generator 2 generates the positive torque while the engine 1 in the idle rotation state generates the positive torque. Make the vehicle creep. Further, when the engine 1 is not started to rotate, it is possible to generate a forward torque while rotating the motor / generator 2 in the forward direction, thereby causing the vehicle to creep.
例えば、アクセルペダルが極僅かに踏み込まれている状態での車両発進時には、例えばモータ/発電機2を高速回転させて走行速度を著しく加速する必要はないので、エンジン回転始動後の逆回転状態のモータ/発電機2をゆっくりと正回転化しながら、正方向の一定のトルクを発生せしめ、エンジン1とモータ/発電機2との直結後は、更にエンジン1の出力トルクを低減させて、ほぼモータ/発電機2だけで車両を発進加速することができる。これに対して、アクセルペダル全開状態での車両発進時において、モータ/発電機2を高速回転させることは、モータトルクを低減することになり、車両を加速するには十分でないことが多いことから、エンジン回転始動後の逆回転状態のモータ/発電機2を速やかに正回転させ、エンジン1とモータ/発電機2との直結を早め、その直結後は、エンジンの出力トルクを高め、エンジン1の出力トルクとモータ/発電機2の出力トルクで車両を発進加速し、速やかに高走行速度に到達させている。 For example, when the vehicle starts with the accelerator pedal being depressed slightly, for example, it is not necessary to rotate the motor / generator 2 at a high speed to significantly accelerate the traveling speed. While the motor / generator 2 is slowly rotating in the forward direction, a constant torque in the positive direction is generated, and after the engine 1 and the motor / generator 2 are directly connected, the output torque of the engine 1 is further reduced to substantially reduce the motor / generator 2. / The vehicle can be started and accelerated only by the generator 2. On the other hand, when the vehicle starts with the accelerator pedal fully open, rotating the motor / generator 2 at a high speed reduces the motor torque and is often not sufficient for accelerating the vehicle. Then, the motor / generator 2 in the reverse rotation state after the start of the engine rotation is quickly forward-rotated, and the direct connection between the engine 1 and the motor / generator 2 is accelerated. After the direct connection, the engine output torque is increased, and the engine 1 The vehicle is started and accelerated with the output torque of the motor and the output torque of the motor / generator 2 to quickly reach a high traveling speed.
このようなモータ/発電機2の制御を行うために前記モータ/発電機用コントローラ12内の演算処理装置12bでは種々の演算処理が行われているが、その中で、前記モータ/発電機2及びロックアップクラッチ36の統括制御のための演算処理を図3に示す。この演算処理は、例えば10msec. 程度の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、必要な情報は各コントローラや記憶装置から随時読込まれ、また演算処理で得られた情報は随時各コントローラや記憶装置に出力される。
In order to perform such control of the motor / generator 2, various arithmetic processes are performed in the
この演算処理では、まずステップS1で、前記蓄電装置6並びにロックアップクラッチ36の異常検出を行う。具体的には、例えばロックアップクラッチ36を締結すべく、前記制御信号CSが高レベル、即ち出力されているにもかかわらず、前記油圧スイッチ40のスイッチ信号がON状態でないときには、前記調圧弁39若しくは電磁弁38が異常であると判定する。また、例えば電磁弁38の駆動電源電圧等に基づいて随時行われる電磁弁38の断線判定の結果、当該電磁弁38のハーネス類が断線している場合にも異常であると判定する。
In this calculation process, first, in step S1, abnormality detection of the power storage device 6 and the
次にステップS2に移行して、前記ステップS1の判定結果、ロックアップクラッチ36(油圧コントローラ37を含む)は正常であるか否かを判定し、ロックアップクラッチ36が正常である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS4に移行する。
前記ステップS3では、個別の演算処理に従って、前述したような正常時の制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
Next, the process proceeds to step S2, where it is determined whether or not the lock-up clutch 36 (including the hydraulic controller 37) is normal as a result of the determination in step S1, and if the lock-up clutch 36 is normal, step S2 is performed. The process proceeds to S3, and if not, the process proceeds to step S4.
In step S3, normal control as described above is performed according to the individual arithmetic processing, and then the process returns to the main program.
前記ステップS4では、例えば蓄電装置6の充電量が所定値以下であるか否か等を用いて当該蓄電装置6が充電可能か否かを判定し、蓄電装置6が充電可能な場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS6に移行する。
前記ステップS5では、後述する個別の演算処理に従って、異常時対応のための第1フェール制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
前記ステップS6では、後述する個別の演算処理に従って、異常時対応のための第2フェール制御を行ってからメインプログラムに復帰する。
In step S4, for example, it is determined whether or not the power storage device 6 can be charged using whether or not the charge amount of the power storage device 6 is equal to or less than a predetermined value. The process proceeds to S5, and if not, the process proceeds to step S6.
In step S5, in accordance with an individual calculation process to be described later, the first fail control for dealing with an abnormality is performed, and then the process returns to the main program.
In step S6, the second fail control for dealing with an abnormality is performed in accordance with individual calculation processing described later, and then the process returns to the main program.
次に、前記図3の演算処理のステップS5で行われるサブルーチンについて、図4のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS51で、走行速度Vの増大と共に大きくなる目標プロペラシャフトトルクTPS * を算出する。この目標プロペラシャフトトルクTPS * の算出にあたっては、前記スロットル開度センサ11で検出されるスロットル開度THをパラメータとし、スロットル開度THが大きいほど、大きくなるようにする。また、この実施形態では、前記蓄電装置6の充電量が著しく小さいときには“1”より大きく、且つ著しく大きいときには“1”より小さくなる補正係数αを算出し、この補正係数αを前記目標プロペラシャフトトルクTPS * に乗じて最終的な目標プロペラシャフトトルクTPS * を算出するようにしたり、道路環境(登坂、降坂)や車重に応じて目標プロペラシャフトトルクTPS * を補正したりする。
Next, the subroutine performed in step S5 of the arithmetic processing of FIG. 3 will be described using the flowchart of FIG. In this calculation process, first, in step S51, a target propeller shaft torque T PS * that increases as the traveling speed V increases is calculated. In calculating the target propeller shaft torque T PS * , the throttle opening TH detected by the
次にステップS52に移行して、前記ステップS51で算出された目標プロペラシャフトトルクTPS * からエンジン要求トルクTEtを算出する。ここでは、前述したように油圧コントローラ37内の電磁弁38自身が断線したり、或いは制御信号CDが出力されているにもかかわらず油圧スイッチ40のON信号が検出されなかったりといったように、ロックアップクラッチ36が締結できない異常を検出している。ロックアップクラッチ36が解放されているときのエンジン要求トルクTEtは、変速装置4の変速比R及び差動装置3の歯数比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)から得られる。即ち、前記目標プロペラシャフトトルクTPS * を変速比Rで除し、更に(1+歯数比)で除した値がエンジン要求トルクTEtとなる。
Next, the process proceeds to step S52, where the engine required torque T Et is calculated from the target propeller shaft torque T PS * calculated in step S51. Here, as described above, the
次にステップS53に移行して、前記ステップS52で算出されたエンジン要求トルクTEtをエンジントルク上限値TELMTで制限する。エンジントルク上限値TELMTは、以下のようにして設定する。即ち、エンジン1のイナーシャ(回転慣性)とモータ/発電機2のイナーシャとの加算値を当該モータ/発電機2のイナーシャで除すと、モータ/発電機2の負荷比率が求められる。このモータ/発電機2の負荷比率を当該モータ/発電機2のトルクの連続定格値に乗じ、更に前記差動装置3の歯数比を乗じた値は、即ちモータ/発電機2がエンジン1に対して安定して出力し続けることができるトルクである。従って、エンジン1の出力トルクが、このモータ/発電機2のエンジン1に対する安定出力トルクより小さければ、当該モータ/発電機2は、エンジン1と逆方向に回転しながら正の出力トルク、即ちエンジン1と同じ向きのトルクを発生し続けることができる。従って、モータ/発電機2をエンジン1と逆方向に回転することにより、エンジン1の回転数上昇、所謂吹け上がりを防止し、且つモータ/発電機2のトルクを駆動力として利用することができる。従って、このモータ/発電機2のエンジン1に対する安定出力トルクをエンジントルク上限値TELMTとする。
Next, the process proceeds to step S53, where the engine required torque T Et calculated in step S52 is limited by the engine torque upper limit value TELMT . The engine torque upper limit value T ELMT is set as follows. That is, the load ratio of the motor / generator 2 is obtained by dividing the added value of the inertia (rotational inertia) of the engine 1 and the inertia of the motor / generator 2 by the inertia of the motor / generator 2. A value obtained by multiplying the load ratio of the motor / generator 2 by the continuous rated value of the torque of the motor / generator 2 and further multiplying by the gear ratio of the
次にステップS54に移行して、前記スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度TH及び前記エンジン回転数センサ8で検出されたエンジン回転数NE からモータ/発電機要求トルクTM/Gtを算出する。ここでは、図5に示す制御マップに従って設定する。即ち、エンジン回転数NE がアイドル回転数NEIDLE であるときには、アイドル回転状態にあるエンジントルクTE とモータ/発電機要求トルクTM/Gtとの加算値が前記クリープトルクとなるように設定し、エンジン回転数NE がアイドル回転数NEIDLE 以上である領域では、エンジン回転数NE の増加と共にモータ/発電機要求トルクTM/Gtをリニアに増加設定する。スロットル開度THは、このモータ/発電機要求トルクTM/Gtの増加傾きに用い、スロットル開度THが大きいほど増加傾きを大きく設定する。モータ/発電機要求トルクTM/Gtの上限値は、勿論、モータ/発電機2の出力トルクの連続定格値である。
At the next step S54, the
次にステップS55に移行して、前記ステップS52又はステップS53で設定されたエンジン要求トルクTEtを前記エンジンコントローラECに指令する。
次にステップS56に移行して、前記ステップS54で算出されたモータ/発電機要求トルクTM/Gtでモータ/発電機2を駆動制御してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、蓄電装置6は充電可能であるものの、ロックアップクラッチ36或いはその制御手段である油圧コントローラ37が異常であるため、以下のようにして第1フェール制御が行われる。即ち、エンジン1のエンジン要求トルクTEtを前記エンジントルク上限値TELMTで制限し、モータ/発電機2をエンジン1と逆方向に回転させて当該エンジンの吹け上がりを防止すると共に、モータ/発電機2には正方向、つまりエンジン1と同方向のモータ/発電機要求トルクTM/Gtを発生させて車両の駆動力に用いる。これにより、例えば運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に、エンジン1の吹け上がりを確実に防止しながら、或る程度までは運転者の意図に合わせて車両を加速することが可能となる。
At the next step S55, an instruction to set the required engine torque T Et in the step S52 or step S53 to the engine controller EC.
Next, the process proceeds to step S56, where the motor / generator 2 is driven and controlled with the motor / generator required torque T M / Gt calculated in step S54, and then the process returns to the main program.
According to this calculation process, the power storage device 6 can be charged, but the lock-up clutch 36 or the
次に、前記図3の演算処理のステップS6で行われるサブルーチンについて、図6のフローチャートを用いて説明する。この演算処理では、まずステップS61で、前記図4の演算処理のステップS51と同様に、走行速度Vの増大と共に大きくなる目標プロペラシャフトトルクTPS * を算出する。
次にステップS62に移行して、前記図4の演算処理のステップS52と同様に、前記ステップS61で算出された目標プロペラシャフトトルクTPS * からエンジン要求トルクTEtを算出する。
Next, the subroutine performed in step S6 of the calculation process of FIG. 3 will be described with reference to the flowchart of FIG. In this calculation process, first, in step S61, the target propeller shaft torque T PS *, which increases as the traveling speed V increases, is calculated as in step S51 of the calculation process of FIG.
Next, the process proceeds to step S62, and the engine required torque T Et is calculated from the target propeller shaft torque T PS * calculated in the step S61, similarly to the step S52 in the arithmetic processing of FIG.
次にステップS63に移行して、前記図4の演算処理のステップS53と同様に、前記ステップS62で算出されたエンジン要求トルクTEtをエンジントルク上限値TELMTで制限する。
次にステップS64に移行して、前記図4の演算処理のステップS54と同様に、前記図5の制御マップを用いて、前記スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度TH及び前記エンジン回転数センサ8で検出されたエンジン回転数NE からモータ/発電機要求トルクTM/Gtを算出する。
Next, the process proceeds to step S63, and the engine request torque T Et calculated in step S62 is limited by the engine torque upper limit value TELMT , as in step S53 of the calculation process of FIG.
Next, the process proceeds to step S64, and the throttle opening TH detected by the
次にステップS65に移行して、充電効率“0”の目標モータ/発電機回転数NM/Gtからモータ/発電機要求トルク補正量ΔTM/G を算出する。まず、図7には、モータ/発電機2の回転数とトルクとの出力特性を示す。モータ/発電機は、一般に回転数とトルクとの積値に比例する出力が一定なので、回転数とトルクとは互いに反比例の関係になる(各象限の最も外側の曲線)。例えば、図7の第1象限、第3象限はモータ/発電機2の力行、蓄電装置6側からは放電の領域であり、第2象限、第4象限はモータ/発電機2の回生或いは発電、蓄電装置6側からは充電の領域である。このような出力特性のうち、モータ/発電機2の発電領域、つまり蓄電装置6の充電領域において、回転数又はトルク或いはその双方が小さい領域では、例えば損失等によって発電(充電)しない、或いはモータ/発電機2が回転するために蓄電装置6が放電してしまう、つまり電力を供給する必要がある。損失には、例えばモータ/発電機に流す電流による銅損、回転磁界を発生させることにより鉄損、インバータの素子やケーブルでの電力損失などが挙げられる。図では、その領域を斜線で示すが、従って、この斜線領域は、蓄電装置6にとっては充電効率が負の領域である。すると、充電効率が正の領域と負の領域との境界部分が充電効率“0”ということになる。本実施形態では、この充電効率“0”の境界部分において、ロックアップクラッチ36或いはその制御手段である油圧コントローラ37の異常時にモータ/発電機2をエンジン1と逆方向に回転することで、エンジン1の回転数上昇、即ち吹け上がりを防止し、同時にモータ/発電機2の出力トルクはエンジン1の出力トルクと同方向、即ち正の出力トルクとして車両の駆動トルクに用いる。そこで、本実施形態では、前記ステップS64で算出設定されたモータ/発電機要求トルクTM/Gtに対する充電効率“0”の回転数を目標モータ/発電機回転数NM/Gtとする。このように設定された目標モータ/発電機回転数NM/Gtに対し、現在のモータ/発電機回転数NM/G が図8のように目標モータ/発電機回転数NM/Gtからずれている場合、例えば現在のモータ/発電機回転数NM/G が目標モータ/発電機回転数NM/Gtより負の方向に大きいときには正方向の補正トルクが必要であり、例えば現在のモータ/発電機回転数NM/G が目標モータ/発電機回転数NM/Gtより正の方向に小さいとき、或いは正の領域にあるときには負方向の補正トルクが必要である。この補正トルク、つまり前記モータ/発電機要求トルク補正量ΔTM/Gtは、予め設定された絶対値の正負の補正トルクでもよいし、或いは現在のモータ/発電機回転数NM/G と目標モータ/発電機回転数NM/Gtとの差分値に応じたものとしてもよい。
Next, the process proceeds to step S65, where the motor / generator required torque correction amount ΔT M / G is calculated from the target motor / generator speed N M / Gt with the charging efficiency “0”. First, FIG. 7 shows output characteristics of the rotational speed and torque of the motor / generator 2. Since the motor / generator generally has a constant output proportional to the product value of the rotation speed and the torque, the rotation speed and the torque are inversely proportional to each other (the outermost curve in each quadrant). For example, the first quadrant and the third quadrant of FIG. 7 are the power running of the motor / generator 2 and the discharge region from the power storage device 6 side, and the second quadrant and the fourth quadrant are regeneration or power generation of the motor / generator 2. From the power storage device 6 side, it is a charging area. Among such output characteristics, in the power generation region of the motor / generator 2, that is, in the charging region of the power storage device 6, in a region where the rotational speed and / or torque is small, for example, power is not generated (charged) due to loss or the like. / The power storage device 6 is discharged because the generator 2 rotates, that is, it is necessary to supply electric power. The loss includes, for example, copper loss due to current flowing through the motor / generator, iron loss due to generation of a rotating magnetic field, and power loss in an inverter element or cable. In the drawing, the region is indicated by hatching. Therefore, the hatched region is a region where charging efficiency is negative for the power storage device 6. As a result, the boundary between the positive and negative charge efficiency regions is the charge efficiency “0”. In this embodiment, the motor / generator 2 is rotated in the opposite direction to the engine 1 when the lock-up clutch 36 or the
次にステップS66に移行して、前記ステップS64で算出されたモータ/発電機要求トルクTM/Gtを前記ステップS65で算出されたモータ/発電機要求トルク補正量ΔTM/Gtで補正する。
次にステップS67に移行して、前記ステップS62又はステップS63で設定されたエンジン要求トルクTEtを前記エンジンコントローラECに指令する。
次にステップS68に移行して、前記ステップS66で算出されたモータ/発電機要求トルクTM/Gtでモータ/発電機2を駆動制御してからメインプログラムに復帰する。
Next, the process proceeds to step S66, and the motor / generator required torque T M / Gt calculated in step S64 is corrected by the motor / generator required torque correction amount ΔT M / Gt calculated in step S65.
Next, the routine proceeds to step S67, the instructing the set engine torque demand T Et in the step S62 or step S63 to the engine controller EC.
Next, the process proceeds to step S68, where the motor / generator 2 is driven and controlled with the motor / generator required torque T M / Gt calculated in step S66, and then the process returns to the main program.
この演算処理によれば、ロックアップクラッチ36或いはその制御手段である油圧コントローラ37が異常であり、且つ蓄電装置6は充電不可能であるため、以下のようにして第2フェール制御が行われる。即ち、エンジン1のエンジン要求トルクTEtを前記エンジントルク上限値TELMTで制限し、モータ/発電機2をエンジン1と逆方向に回転させて当該エンジンの吹け上がりを防止すると共に、モータ/発電機2には正方向、つまりエンジン1と同方向のモータ/発電機要求トルクTM/Gtを発生させて車両の駆動力に用いる。これにより、例えば運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に、エンジン1の吹け上がりを確実に防止しながら、或る程度までは運転者の意志に合わせて車両を加速することが可能となる。このとき、モータ/発電機2の回転数は、前記充電効率“0”の目標モータ/発電機回転数NM/Gtとなるので、蓄電装置6との間には電流が流れず、過充電や過放電を抑制防止することができる。
According to this calculation process, the lock-up clutch 36 or the
図9には、前記ロックアップクラッチ36或いはその制御手段である油圧コントローラ37が異常であり、且つ蓄電装置6が充電不可能な状態で、アクセルペダルを解放したコースト状態からアクセルペダルを踏込んだときの前記図8の演算処理による回転数とトルクの経時変化を示す。なお、図中の破線は、ロックアップクラッチ36及び油圧コントローラ37が正常で且つ蓄電装置6も正常なとき(充電可能なとき)の回転数やトルクの経時変化を示している。既に第2フェール制御が開始されているので、モータ/発電機2の回転数NM/G は前記充電効率“0”の目標モータ/発電機回転数NM/Gt、即ちエンジン1の回転方向は逆方向、つまり負の回転数に維持されている。一方のエンジン回転数NE は前記アイドル回転数NEIDLE であり、前記遊星歯車機構からなる差動装置3が差動して前記キャリア回転数NC は、正常時と同じ回転数に維持されている。エンジントルクTE はアイドル回転状態のアイドルトルクTEIDLE であり、これに対して前記図6の演算処理で設定された正方向のモータ/発電機要求トルクTM/Gtが設定され、それらの合成トルクによって前記遊星歯車機構のキャリアトルクTC に前記クリープトルクが与えられる。このクリープトルクは正常時と同じ値となる。
In FIG. 9, the accelerator pedal is depressed from the coast state in which the accelerator pedal is released in a state where the lock-up clutch 36 or the
一方、時刻t1 でアクセルペダルが踏込まれ、スロットル開度が大きくなると、エンジントルクTE が増大するが、このエンジントルクTE は前記エンジントルク上限値TELMTで制限される。これに対し、モータ/発電機2は、その回転数NM/G を前記充電効率“0”の負の目標モータ/発電機回転数NM/Gtに維持したまま、正方向のモータ/発電機要求トルクTM/Gtが設定され、前記エンジントルクTE との合成トルクが前記遊星歯車機構のキャリアトルクTC となる。その結果、エンジン回転数NE も次第に増大するが、前記モータ/発電機回転数NM/G が前記負の目標モータ/発電機回転数NM/Gtに維持されているために、吹け上がりは防止されている。また、前記エンジントルクTE に制限のない正常時ほどではないものの、キャリアトルクTC が増大される分だけ、運転者の意志に反映した加速力が得られる。 On the other hand, the accelerator pedal is depressed at time t 1, the throttle opening increases, although the engine torque T E increases, the engine torque T E is limited by the engine torque upper limit value T ELMT. On the other hand, the motor / generator 2 keeps the rotation speed N M / G at the negative target motor / generator rotation speed N M / Gt with the charging efficiency “0”, while maintaining the motor / power generation in the positive direction. The machine required torque T M / Gt is set, and the combined torque with the engine torque T E becomes the carrier torque T C of the planetary gear mechanism. As a result, the engine speed N E gradually increases, but the motor / generator speed N M / G is maintained at the negative target motor / generator speed N M / Gt , so that the engine speed increases. Is prevented. Further, although the engine torque T E is not as limited as normal, the acceleration force reflected in the driver's will is obtained as much as the carrier torque T C is increased.
なお、前記各実施形態では、コントローラにマイクロコンピュータを用いた場合について説明したが、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能である。
また、前記ロックアップクラッチ36の位置は、前記実施形態に記載される位置に限ったものではなく、サンギヤーキャリア間、キャリアーリングギヤ間にあってもよい。
また、前記遊星歯車機構の3要素と、エンジン、モータ/発電機、出力の結合方法は、前記実施形態のものに限定されるものではない。
In each of the above embodiments, the case where a microcomputer is used as the controller has been described. However, various arithmetic circuits can be used instead.
Further, the position of the lock-up clutch 36 is not limited to the position described in the embodiment, and may be between the sun gear carrier and the carrier ring gear.
Further, the method of combining the three elements of the planetary gear mechanism, the engine, the motor / generator, and the output is not limited to that of the above embodiment.
1はエンジン
2はモータ/発電機(電気的回転駆動源)
3は差動装置
4は変速装置
5は駆動輪
6は蓄電装置
7はモータ/発電機駆動回路
8はエンジン回転数センサ
9はモータ/発電機回転数センサ
10はインヒビタースイッチ
11はスロットル開度センサ
12はモータ/発電機用コントローラ
13はオイルポンプ
14は走行速度センサ
15はブレーキ液圧センサ
21は遊星歯車機構
36はロックアップクラッチ
37は油圧コントローラ(締結制御手段)
38は電磁弁
39は調圧弁
30は油圧スイッチ
OWCはワンウエイクラッチ
Sはサンギヤ
Pはピニオン
Rはリングギヤ
Cはピニオンキャリヤ
1 is engine 2 is motor / generator (electric rotary drive source)
3 is a
38,
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