JP2005183168A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL素子において、透過性が高くかつ有効な電子注入電極として働く陰極を実現する。
【解決手段】 陽極20、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60および陰極70を順次積層してなる有機EL素子において、陰極70は、電子輸送層60側から酸化リチウムなどからなる第1の電子注入層71、ポルフィリン化合物などからなるバッファー層72、酸化リチウムなどからなる第2の電子注入層73およびITO、IZOまたはZnOなどからなる透明な導電膜層74を順次積層してなる透明な膜である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子注入効率に優れた、透明な陰極を有する有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特に、透明な有機EL素子およびトップエミッション方式の有機EL素子への適用に最適である。
有機EL素子は自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで、有機EL素子は、薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待されている。
また、有機EL素子は色バリエーションが豊富であることも特徴である。さらに、複数の発光色を組み合わせることで、混色によってさまざまな発光が可能となることも特徴である。
このような有機EL素子は、一般に、基板の上に、下部電極である陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および上部電極である陰極を順次積層してなり、陽極から正孔を、陰極から電子をそれぞれ発光層へ注入し、発光層を発光させるようにしている。この一般的な構成では、発光層の光は下部電極側すなわち基板側から取り出される。
ここで、有機EL素子の駆動方法を大きく分けると、パッシブ方式(単純マトリクス方式)とアクティブ方式の2つの方式がある。
パッシブ方式では、パネルの必要輝度にロウライン(走査線)数をかけあわせた輝度で各ロウラインを発光させる必要がある。そのため、パネルサイズが大きくなるにつれて各ロウラインを発光させる輝度が高くなるので、大型パネルには不向きである。
それに対し、アクティブ方式ではTFT(薄膜トランジスタ)技術を応用し、各画素が常時パネル必要輝度で発光しているため、大型パネルに有利である。
しかしながら、このアクティブ方式では、基板部にTFTを配置するため基板方向から光を取り出す際に、開口率が制限を受ける。そのため、光の取り出し方法として、開口率の制限を受けない基板と反対方向、すなわち上部電極方向から光を取り出すトップエミッション方式が開発されている。
このトップエミッション方式を採用する場合、上部電極を透明にすることにより、パネル全体が透明であるデバイスを形成することが可能である。そして、トップエミッション構造にすることで、アクティブ駆動で問題となる開口率の向上が見込まれ、輝度低下特性の優れたデバイスも形成可能である。
この開口率の向上について具体的に述べると、アクティブ駆動では、各画素毎に下部電極の下側に画素駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)が設けられるが、下部電極側から光の取り出しを行う場合、画素中にTFTが占める領域では光が透過せず、その領域の分、開口率が小さくなる。
しかし、上部電極側から光の取り出しを行う場合、TFTの領域に関係なく光を取り出すことができ、開口率低下の問題は回避される。
このように、トップエミッション方式では、上部電極である陰極を透明にする必要があるが、陰極は、一般にはMgAgやAlのような不透明な金属層が用いられるため、従来より、透明な陰極の開発が行われている。
たとえば、そのような透明な陰極として、MgAg層を薄くし、その上に厚膜のITO膜を成膜した2層構造の陰極構造を有する有機EL素子が提案されている(非特許文献1参照)。
さらに、そのような透明な陰極として、上記非特許文献1に記載の陰極において、MgAg薄膜層の代わりに銅フタロシアニン(CuPc)の薄膜層を用い、その上にITO膜をスパッタにて成膜した2層構造の陰極が提案されている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
また、そのような透明な陰極としては、たとえばLiなどからなる電子インジェクタ薄膜の上に、たとえばAlなどからなる金属薄膜層、および1.2以上の屈折率を有する透明層(たとえばMgO)からなる陰極構造を有する有機EL素子が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−52878号公報 G.Gu等,APPLIED PHYSICS LETTERS,(米国),VOLUME68,p.2606(1996) Parthasarathy等,APPLIED PHYSICS LETTERS,(米国),VOLUME72,p.2138(1998) Hung等,APPLIED PHYSICS LETTERS,(米国),VOLUME74,p.3209(1999)
しかしながら、上記非特許文献1に記載されている陰極を有する有機EL素子では、ITO膜の成膜による下地の有機層のダメージによって、電極の短絡すなわち下部電極である陽極と上部電極である陰極との間の短絡が発生した。
この対策として、下地の有機層ITO膜のダメージを抑えるために、ITO膜の成膜時にスパッタリング電力をたとえば5Wと低くすることが考えられるが、そのようにした場合、当該スパッタリング速度が極めて遅くなり(たとえば約0.3nm/分)、実用的ではなかった。
また、上記非特許文献2および非特許文献3に記載されている陰極を有する有機EL素子では、CuPc薄膜層は、明らかにその上のITO膜のスパッタリングプロセスによって起きる短絡の問題を小さくするバッファー層として作用する。これは、上記非特許文献1に記載の陰極におけるMgAg薄膜層に比べて、CuPcが透明性が大きいため比較的厚くできることによると考えられる。
しかし、このCuPc薄膜層は、Alq3などからなる電子輸送層との界面における電子注入障壁が大きいため、非発光であるCuPc薄膜層中にて電子と正孔との再結合が起こり、電流効率の実質的な低下を生じる。
そこで、上記界面のところの電子注入障壁を減少させ、電流効率を向上させるためには電子輸送層とCuPc薄膜層との界面のところにLiなどからなる電子注入層を導入することが必要であった。
しかしながら、本発明者が行った実験検討によれば、このような陰極構造とした有機EL素子においては、通常の金属陰極を用いる有機EL素子と比較した場合、十分な電流効率は得られなかった。
つまり、この上記非特許文献2および非特許文献3に記載されている陰極において、電子輸送層とCuPc薄膜層との界面のところにLiなどからなる電子注入層を導入した構成としても、当該陰極は、電子注入電極として充分に機能しない。
また、上記特許文献1に記載されている陰極を有する有機EL素子では、上記した陰極構造とすることにより、陰極の全ての膜を熱蒸着により成膜できるため、スパッタ成膜を用いる場合と比較して下地の有機層へのダメージが少ない。
しかしながら、この場合、反射率が高い金属薄膜層を用いているため、1.2以上の屈折率を有する透明層により反射を抑えた場合でも、透過率は60%ほどしか得られない。そのため、通常の有機EL素子と比較して、電流効率は低下する。つまり、この場合、陰極の透過性が不十分なものである。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極を順次積層してなる有機EL素子において、透過性が高くかつ有効な電子注入電極として働く陰極を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を行った結果、2層の電子注入層を用いる透明陰極構造が電流効率に優れており、有効であることを見出した。
すなわち、請求項1に記載の発明では、陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)および陰極(70)を順次積層してなる有機EL素子において、陰極(70)は、電子輸送層(60)側から第1の電子注入層(71)、バッファー層(72)、第2の電子注入層(73)および透明な導電膜層(74)を順次積層してなる透明な膜であることを特徴としている。
本発明は実験的に見出されたものであり、それによれば、陰極(70)を上記構成とすることにより、トップエミッション方式を採用した場合においても、90%以上の高い透過性を実現できる。
また、バッファー層(72)を有することにより、透明な導電膜層(74)をスパッタなどにて成膜する際のエネルギーを吸収し、下地の有機層のダメージを緩和することができるので、電極の短絡すなわち陽極(20)と陰極(70)との短絡を防止することができる。
また、電子輸送層(60)とバッファー層(72)との間およびバッファー層(72)と導電膜層(74)との間に、それぞれ第1の電子注入層(71)、第2の電子注入層(73)を介在させているため、電流効率を従来の有機EL素子よりも大幅に向上させることができる。
この電流効率の向上の推定メカニズムは、次の通りである。第1の電子注入層(71)は、成膜時において電子輸送層(60)およびバッファー層(72)中に拡散することで、電子輸送層(60)とバッファー層(72)との電子エネルギー障壁を小さくすると考えられる。
また、第2の電子注入層(73)は、成膜時において、バッファー層(72)に拡散するとともに、導電膜層(74)と電気2重層を形成するために導電膜層(74)の仕事関数を、より第2の電子注入層(73)に近づけて小さくする。そのために、導電膜層(74)からの電子の注入効率を高めることができる。
このような推定メカニズムにより、本発明によれば、電流効率を高めることができていると考えられる。
したがって、本発明によれば、有機EL素子において、透過性が高くかつ有効な電子注入電極として働く陰極(70)を実現することができる。
そして、このような優れた陰極(70)を有する本発明の有機EL素子は、陰極(70)側から発光層(50)の光を取り出すトップエミッション方式の有機EL素子として好適に使用することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の有機EL素子において、透明な導電膜層(74)は、ITO、IZOまたはZnOであることを特徴としている。
それによれば、透明な導電膜層(74)として、陽極としても用いることができる一般的なITO(インジウム−錫オキシド)、IZO(インジウム−亜鉛オキシド)またはZnOを(亜鉛オキシド)用いることができる。それゆえ、陽極(20)と同じ材料を陰極(70)に用いることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の有機EL素子において、バッファー層(72)は、ポルフィリン化合物からなることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の有機EL素子において、ポルフィリン化合物は、銅フタロシアニンであることを特徴としている。
このように、バッファー層(72)としては通常ホール注入層として用いられる、ポルフィリン化合物を用いることができる。その中でも、特に銅フタロシアニン(以下、「CuPc」と略記する)を用いた場合は、スパッタの衝撃にも安定でありバッファー層にも最適である。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4に記載の有機EL素子において、第1の電子注入層(71)および第2の電子注入層(73)の少なくとも一方は、酸化リチウム層であることを特徴としている。
このように、第1の電子注入層(71)および第2の電子注入層(73)のいずれか一方もしくは両方としては、通常の有機EL素子で使用される安価な酸化リチウム層を用いることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5に記載の有機EL素子において、正孔輸送層(40)、発光層(50)および電子輸送層(60)の3層のガラス転移温度が、120℃以上であることを特徴としている。それによれば、高温での耐久性向上のためには好ましい。
ところで、請求項7に記載の発明のように、陽極(20)と正孔輸送層(40)との間に正孔注入層(30)を設ける場合、CuPcからなるものが好ましい。このCuPcは分子内の分極が大きいため、陽極(20)との密着性が高いためである。
高温下での安定性を向上させるには、陽極(20)との界面の密着性を向上させることは重要である。そこで、陽極(20)と接する正孔注入層(30)としては、形態変化の小さいポルフィリン系化合物層を設けることが好ましい。
本発明者は、陽極(20)と接する正孔注入層(30)としてポルフィリン系化合物であるCuPcを採用した場合について、そのCuPc膜の結晶状態の変化に着目した。
その結果、高温環境下の放置前後で、このCuPc膜の結晶状態が大きく異なることを見出した。このCuPc膜の結晶状態の変化について、具体的に調べた結果を示す。
この結晶状態における変化の確認は効率良く行うため、放置環境温度を120℃と高くして加速し、放置時間は2時間で評価することとした。以下、この条件における放置を加速高温放置という。
ガラス基板上に、ITO(インジウム−スズの酸化物)からなる陽極を形成し、アルゴンと酸素混合のプラズマによる表面処理を陽極表面に施した後、陽極上にCuPcを成膜した。この場合におけるCuPc膜の結晶の状態を、上記加速高温放置の前と後でX線回折によって分析した結果を図2に示す。
図2に示すように、回折ピークにおいて、2θ=6.68°に発生しているピークがCuPcの結晶構造に由来している。図2では、このピークにおいて実線で図示するものが加速高温放置の前のピークすなわち初期のピークであり、破線で図示するものが加速高温放置の後のピークすなわち120℃、2時間放置後のピークである。
そして、このピーク値の積分値が大きい、すなわちピーク値が高いほど、CuPc膜の結晶性が高いことを示している。図2では、120℃、2時間の加速高温放置によって、当該ピーク値(積分値)が加速高温放置前の1.5倍に変化している。
このことから、本発明者らは、結晶性正孔注入層であるCuPc膜上に正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極等が成膜された後、つまり、発光素子形態になってから、CuPc膜がこのような結晶状態の変化を起こすことが、CuPc膜の密着性の低下を引き起こす原因であると考えた。
つまり、CuPc膜の結晶性ができるだけ高くなるように成膜すれば、CuPc膜の密着性、特に、陽極との界面の密着性を向上させることができると考えた。
そして、鋭意検討の結果、請求項7に記載の発明のように、陽極(20)と正孔輸送層(40)との間に、CuPcからなる正孔注入層(30)を設けた場合、CuPcのX線回折法により現れる回折ピークの値において、有機EL素子の使用温度内の加熱による回折ピークの変化量が、前記加熱前の回折ピークの±25%以内となっているものであれば、よいことがわかった。
このように、正孔注入層(30)としてのCuPc膜の高温環境下における結晶状態の変化を小さくすれば、CuPc膜の密着性を向上できる。その結果、高温での耐久性向上に有利となる。また、温度変化により生じるCuPc膜の凹凸を極力低減し、ショートやリークの発生を抑制できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本実施形態における有機EL素子は、陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および陰極を備えるものであり、必要に応じて、陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を設けてもよい。
図1は本発明の実施形態に係る有機EL素子S1の概略断面構成を示す図である。本例の有機EL素子S1は、陽極20と正孔輸送層40との間に正孔注入層30を設けたものである。
図1中、基板10は、通常、ソーダガラス、バリウムシリケートガラス、アルミノシリケートガラスなどのガラスか、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのプラスチック、石英、陶器などのセラミックをはじめとする汎用の基板材料を板状、シート状またはフィルム状に形成して用いられ、必要に応じて、これらは適宜積層して用いられる。
望ましい基板材料は透明なガラスおよびプラスチックであり、シリコンなどの不透明なセラミックは、透明な電極と組合せて用いられる。発光の色度を調節する。必要があるときには、基板10の適所に、たとえば、フィルター膜、色度変換膜、誘電体反射膜などの色度調節手段を設ける。
陽極20は、電気的に低抵抗率であって、しかも、全可視領域にわたって光透過率の大きい金属若しくは電導性化合物の1または複数を、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、化学蒸着(CVD)、原子層エピタクシー(ALE)、塗布、浸漬などの方法により、基板10の一側に密着させてなる。
ここで、陽極20は、この陽極20における抵抗率が1kΩ/□以下、望ましくは、5〜50Ω/□になるように、厚さ10〜1000nm、望ましくは、50〜500nmの単層または多層に成膜することによって形成される。
陽極20における電導性材料としては、たとえば、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、アルミニウムなどの金属、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫と酸化インジウムとの混合系(つまりインジウム−錫オキシド、これを以下、「ITO」と略記する)などの金属酸化物、さらには、アニリン、チオフェン、ピロールなどを反復単位とする電導性オリゴマーおよび電導性ポリマーが挙げられる。
このうち、ITOは、低抵抗率のものが容易に得られるうえに、酸などを用いてエッチングすることにより、微細パターンを容易に形成できる特徴がある。
正孔注入層30は、通常、陽極20におけると同様の方法により、陽極20に密着させて、正孔注入性物質を厚さ1〜100nmに成膜することによって形成される。
正孔注入性物質としては、陽極20からの正孔注入と輸送を容易ならしめるべく、イオン化電位が小さく、かつ、たとえば、104〜106V/cmの電界下において、少なくとも、10-6cm2/V・秒の正孔移動度を発揮するものが望ましい。
個々の正孔注入性物質としては、有機EL素子において汎用される、たとえば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、特に銅フタロシアニンが最も好ましい。
正孔輸送層40は、通常、陽極20におけると同様の方法により、正孔注入層30に密着させて、正孔輸送性物質を、たとえば厚さ1〜100nmに成膜することによって形成される。
個々の正孔輸送性物質としては、有機EL素子において汎用される、たとえば、アリールアミン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、スチルベン誘導体、テトラアリールエテン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールエテン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フタロシアニン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、N−ビニルカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニルアントラセン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体などが挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組合せて用いられる。
また、分子内の分極が大きく、陽極20すなわちITO等との密着性が高い化合物は、正孔注入性物質あるいは、正孔注入/輸送層性物質としても用いることができる。
発光層50は、通常正孔輸送層40に密着させて、ホスト化合物を蒸着させるかまたはホスト化合物とドーパントを共蒸着させることにより得られる。また、必要に応じて、発光層は単層または多層に分離してそれぞれ厚さ10〜100nmに成膜することによって形成される。
この発光層50の領域では、電子−正孔の再結合が起こり、その結果として発光が観測される。
発光層の好ましい態様は、1種以上の蛍光色素成分がドープされたホスト材料からなる複合構成材料を含んでなる。この方法を用いると、非常に効率のよい有機EL素子を構成することができる。異なる発光波長を発生する発光層を積層することで、発光色の調整をすることができる。
発光層50におけるドーパントとしては、有機EL素子において汎用される蛍光色素材料を用いることができる。そのような蛍光色素材料としては、たとえば、青色系の発光を行うペリレン、黄色系の発光を行うルブレン、緑色系の発光を行うクマリン等が挙げられる。
また、発光層50におけるホスト材料としては、正孔輸送性と電子輸送性の両方の特性を持ったものが好ましい。このようなホスト材料はたとえば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(以下、「Alq3」という)のような1つの化合物から形成してもよいし、または正孔輸送性物質と電子輸送性物質を混合しても良い。
混合する場合、ホスト材料中の正孔輸送性物質としては、上記正孔輸送層40に用いられる正孔輸送性物質から選択された物質を用いることができる。また、ホスト材料中の電子輸送性物質としては、後述の電子輸送層60に用いられる電子輸送性物質から選択された物質を用いることができる。
また、発光層50におけるドーパントは、ホスト材料全体に対して、0.05〜50重量%、望ましくは、0.1〜30重量%の割合とすることができる。
次に、図1において、発光層50の上に位置する電子輸送層60は、通常、発光層50に密着させて、電子親和力の大きい有機化合物を1つまたは複数を厚さ10〜100nmに成膜することによって形成される。
複数の電子輸送性物質を用いる場合には、その複数の電子輸送性物質を均一に混合して単層に形成しても、混合することなく、電子輸送性物質ごとに隣接する複数の層に形成してもよい。
好ましい電子輸送性物質はキノリノール金属錯体、ベンゾキノン、アントラキノン、フルオレノンなどの環状ケトンまたはその誘導体、シラザン誘導体であり、この中でもキノリノール金属錯体が最も好ましい。
ここでいうキノリノール金属錯体とは、分子内にピリジン残基とヒドロキシ基とを有する、たとえば、8−キノリノール類、ベンゾキノリン−10−オール類などの配位子としてのキノリノール類と、そのピリジン残基における窒素原子から電子対の供与を受けて配位子と配位結合を形成する、中心原子としての、たとえば、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどの周期律表における第1族、第2族、第12族または第13族に属する金属若しくはその酸化物からなる錯体一般を意味する。
配位子が8−キノリノール類またはベンゾキノリン−10−オールのいずれかである場合、それらは置換基を1または複数有していてもよく、ヒドロキシ基が結合する8位または10位の炭素以外の炭素へ、たとえば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの脂肪族炭化水素基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのエーテル基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などのエステル基、さらには、シアノ基、ニトロ基、スルホ基などの置換基が1つまたは複数結合することを妨げない。キノリノール金属錯体が分子内に2以上の配位子を有する場合、それらの配位子は互いに同じものであっても異なるものであってもよい。
具体的なキノリノール金属錯体としては、たとえば、上記Alq3、トリス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−ブロモ−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−スルホニル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−プロピル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシドなどのアルミニウム錯体が挙げられる。
また、亜鉛錯体としては、たとえば、ビス(8−キノリノラート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(2−メチル−5−クロロ−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(5−クロロ−8−キノリノラート)亜鉛、ビス(5,7−ジクロロ−8−キノリノラート)亜鉛などが挙げられる。
さらに、ベリリウム錯体としては、たとえば、ビス(8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(2−メチル−5−クロロ−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(5,7−ジクロロ−8−キノリノラート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウムなどが挙げられる。
上記以外のキノリノール金属錯体としては、たとえば、ビス(8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(2−メチル−5−クロロ−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラート)マグネシウム、ビス(5,7−ジクロロ−8−キノリノラート)マグネシウムなどのマグネシウム錯体、トリス(8−キノリノラート)インジウムなどのインジウム錯体、トリス(5−クロロ−8−キノリノラート)ガリウムなどのガリウム錯体、ビス(5−クロロ−8−キノリノラート)カルシウムなどのカルシウム錯体などが挙げられる。なお、上記したキノリノール金属錯体は、必要に応じて、適宜組合せて用いられる。
また、上記した電子輸送性物質は単なる例示であって、本実施形態で用いる電子輸送性物質は決してこれらに限定されてはならない。
ここで、本実施形態では、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60は、高温での耐久性向上のために、ガラス転移温度が、120℃以上であることが好ましい。
また、本実施形態では、図1に示されるように、電子輸送層60の上の陰極70は、電子輸送層60側から第1の電子注入層71、バッファー層72、第2の電子注入層73および透明な導電膜層74を順次積層してなる透明な膜である。
第1および第2の電子注入層71および73は、金属フッ化物または金属酸化物からなる。ここで、金属フッ化物層は、アルカリフッ化物またはアルカリ土類フッ化物から選択することができる。金属酸化物層は、アルカリ酸化物またはアルカリ土類酸化物から選択することができる。
このアルカリフッ化物には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、またはフッ化セシウムが含まれる。また、上記のアルカリ酸化物には、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、または酸化セシウムが含まれる。
また、上記のアルカリ土類フッ化物には、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、またはフッ化バリウムが含まれ、上記のアルカリ土類酸化物には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、または酸化バリウムが含まれる。
このフッ化物層または金属酸化物層からなる第1および第2の電子注入層71、73は、蒸着法により形成することができるものであり、その厚みは、たとえば0.2nm〜2.0nmの範囲である。
バッファー層72は、ポルフィリン化合物からなる。ポルフィリン化合物はポルフィリン自身を含んでいるものか、またはポルフィリン構造から誘導されるものを含む天然または合成のいずれかの化合物である。好ましいポルフィリン化合物は次の化学式(1)で表される。
Figure 2005183168
上記化学式(1)において、Qは、NまたはC−R(置換基Rを持つC)であり、Mは、金属、金属酸化物、または金属ハロゲン化物であり、上記C−RにおけるRは水素、アルキル、アラルキル、アリール、またはアルカリルであり、T1およびT2は水素を表すかまたは一緒になってアルキル若しくはハロゲン等の置換基を含みうる不飽和6員環を完成する。好ましい6員環は炭素、硫黄、および窒素環原子から形成されるものである。好ましいアルキル部分は約1から6炭素原子を含み、一方フェニルは好ましいアリール部分を構成する構造のものである。
また、別の好ましい形態においては、ポルフィリン化合物は、次の化学式(2)で表される。
Figure 2005183168
この化学式(2)は、上記化学式(1)と比較して金属原子Mを二つの水素で置換した点で異なる。
また、本実施形態では、上記ポルフィリン化合物の中でも、フタロシアニン化合物が最も好ましい。さらに中心に+2価の価数を有する金属を含む化合物が好ましい。具体的には銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、カルシウムフタロシアニンをあげることができる。
また、他のバッファー層72としては、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム等を挙げることができる。
このバッファー層72は、蒸着法により形成することができるものであり、その厚みは、たとえば数nm〜数十nmの範囲である。
透明な導電膜層74としては、金属酸化物、窒化物(たとえば、窒化ガリウム)、セレン化物(たとえば、セレン化亜鉛)、および硫化物(たとえば、硫化亜鉛)からなる群より選ばれる化合物がある。
好適な金属酸化物には、インジウム−錫オキシド(ITO)、インジウム−亜鉛オキシド(IZO)、亜鉛オキシド(ZnO)、アルミニウムドープまたはインジウムドープ酸化亜鉛、酸化スズ、マグネシウム−インジウムオキシド、ニッケルタングステンオキシド、またはカドミウム−錫オキシドを挙げることができる。
この導電膜層74は、スパッタ法により形成することができるものであり、その厚みは、たとえば100nm〜数百nmの範囲である。
なお、本実施形態において、陰極70と、有機化合物を含有する電子輸送層60との間の密着性を高めるために、必要に応じて、たとえば、芳香族ジアミン化合物、キナクリドン化合物、ナフタセン化合物、有機シリコン化合物または有機燐化合物を含んでなる界面層を設けてもよい。
上記有機EL素子S1における各層20〜70を形成するにあたっては、有機化合物の酸化や分解、さらには、酸素や水分の吸着などを最小限に抑えるべく、高真空下、詳細には、10-5Torr以下で一貫作業するのが望ましい。
また、発光層50において、あらかじめ、ホストとドーパントとを所定の割合で混合しておくか、あるいは、真空蒸着における両者の加熱速度を互いに独立して制御することによって、発光層50における両者の配合比を調節する。
このようにして形成された有機EL素子S1は、使用環境における劣化を最小限に抑えるべく、素子の一部または全体を、たとえば、不活性ガス雰囲気下で封止ガラスや金属キャップにより封止するか、あるいは、紫外線硬化樹脂などによる保護層で覆うことが望ましい。
本実施形態の有機EL素子S1の使用方法について説明すると、この有機EL素子S1は、用途に応じて、比較的高電圧のパルス性電圧を間欠的に印加するか、あるいは、比較的低電圧の直流電圧(通常、3〜50V)を連続的に印加して駆動する。
この有機EL素子S1は、陽極20の電位が陰極70の電位より高いときにのみ発光する。したがって、この有機EL素子S1へ印加する電圧は直流であっても交流であってもよく、印加する電圧の波形、周期も適宜のものとすればよい。
交流を印加すると、この有機EL素子S1は、原理上、印加する交流の波形および周期に応じて輝度が増減したり点滅を繰返す。図1に示す有機EL素子S1の場合、陽極20と陰極70との間に電圧を印加すると、陽極20から注入された正孔が正孔注入層30、正孔輸送層40を経て発光層50へ、また、陰極70から注入された電子が電子輸送層60を経て発光層50へそれぞれ到達する。
その結果、発光層50において、正孔と電子の再結合が起こり、それにより生じた励起状態のドーパントから目的とする色の発光が、陽極20および基板10を透過して放出されるとともに、透明な陰極70を透過して放出されることとなる。
ところで、本実施形態によれば、図1に示されるように、陽極20、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60および陰極70を順次積層してなる有機EL素子S1において、陰極70は、電子輸送層60側から第1の電子注入層71、バッファー層72、第2の電子注入層73および透明な導電膜層74を順次積層してなる透明な膜であることを特徴する有機EL素子S1が提供される。
それによれば、陰極70を上記した構成とすることにより、本実施形態の有機EL素子S1をトップエミッション方式として採用した場合においても、90%以上の高い透過性を実現できる。
また、バッファー層72を有することにより、透明な導電膜層74をスパッタなどにて成膜する際のエネルギーを吸収し、下地の有機層30〜60のダメージを緩和することができる。そのため、電極の短絡すなわち陽極20と陰極70との短絡を防止することができる。
また、電子輸送層60とバッファー層72との間およびバッファー層72と導電膜層74との間に、それぞれ第1の電子注入層71、第2の電子注入層73を介在させているため、電流効率を従来の有機EL素子よりも大幅に向上させることができる。
この電流効率の向上の推定メカニズムは、次のようなものと考えられる。第1の電子注入層71は、成膜時において電子輸送層60およびバッファー層72中に拡散することで、電子輸送層60とバッファー層72との電子エネルギー障壁を小さくする。
また、第2の電子注入層73は、成膜時において、バッファー層72に拡散するとともに、導電膜層74と電気2重層を形成するために導電膜層74の仕事関数を、より第2の電子注入層73に近づけて小さくする。そのために、導電膜層74からの電子の注入効率を高めることができる。
このような推定メカニズムにより、本実施形態の有機EL素子S1によれば、電流効率を高めることができていると考えられる。
したがって、本実施形態によれば、有機EL素子において、透過性が高くかつ有効な電子注入電極として働く陰極70を実現することができる。なお、この効果の具体的な例については、後述する実施例に記してある。
そして、このような優れた陰極70を有する本実施形態の有機EL素子S1は、陰極70側から発光層50の光を取り出すトップエミッション方式の有機EL素子として好適に使用することができる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、透明な導電膜層74としては、ITO、IZOまたはZnOを採用することが好ましい。
それによれば、透明な導電膜層74として、陽極としても用いることができる一般的なITO(インジウム−錫オキシド)、IZO(インジウム−亜鉛オキシド)またはZnOを(亜鉛オキシド)用いることができる。それゆえ、陽極20と同じ材料を陰極70に用いることができ、簡素化が図れる。
また、本実施形態の有機EL素子S1では、バッファー層72として、ポルフィリン化合物を採用することができるが、その中でも、特にCuPcを用いた場合は、スパッタの衝撃にも安定でありバッファー層にも最適である。
また、本実施形態の有機EL素子S1では、第1の電子注入層71および第2の電子注入層73の少なくとも一方に、安価な酸化リチウムを採用することが好ましく、それにより、安価な有機EL素子を提供することができる。
さらに、上述したように、本実施形態の有機EL素子S1においては、正孔輸送層40、発光層50および電子輸送層60の3層のガラス転移温度が、120℃以上であることが好ましい。それによれば、高温での耐久性向上のためには好ましい。
このように、本実施形態の有機EL素子S1は、電流効率が高く、その結果として、輝度が大きいので、発光体や、情報を視覚的に表示する情報表示機器において多種多様の用途を有する。
この有機EL素子S1を光源とする発光体は、消費電力が小さいうえに、軽量なパネル状に構成することができるので、一般照明の光源に加えて、たとえば、液晶素子、複写装置、印字装置、電子写真装置、コンピューターおよびその応用機器、工業制御機器、電子計測器、分析機器、計器一般、通信機器、医療用電子計測機器、自動車を含む車輌、船舶、航空機、宇宙船などに搭載する機器、航空機の管制機器、インテリア、看板、標識などにおける省エネルギーにして省スペースな光源として有用である。
また、この有機EL素子S1を、たとえば、コンピューター、テレビジョン、ビデオ、ゲーム、時計、電話、カーナビゲーション、車載用マルチメーター、オシロスコープ、レーダー、ソナーなどの情報表示機器に用いる場合には、単独で用いるか、あるいは、緑色域、青色域、および赤色域で発光する有機EL素子の組合せとしてフルカラー用のディスプレイなどに使用できる。
この中でも、特に耐久性が要求される車載用途のディスプレイに使用した場合が最も本実施形態の有機EL素子S1の特徴を生かすことができる。駆動方式としては、汎用の単純マトリックス方式(パッシブ方式)やアクティブマトリックス方式を適用できる。特に、トップエミッション方式を採用してアクティブ方式に適用すれば、輝度の高い有機EL素子が得られる。
また、本実施形態の有機EL素子S1を自動車や車輌に搭載して使用する場合、高温環境(たとえば70〜80℃程度)となることは避けられない。有機層のうちアモルファス性の有機層はガラス転移温度(Tg)以上になると結晶化して膜表面の凹凸が増大し、電流のリークが生じやすくなる。
そこで、車載用とする場合には、上述したように、有機EL素子S1における有機層全てのTgが120℃以上であることが好ましい。
また、本実施形態の有機EL素子S1を、たとえば、車載用のディスプレイ等に採用した場合においては、その使用温度は−40℃〜120℃程度のものである。
このような使用温度において、高温環境下での安定性を向上させるには、正孔注入層30の密着性、特に、陽極20との界面の密着性を向上させる必要がある。これは、両者の線膨張係数の差が大きいためと考えられる。
そこで、陽極20と接する正孔注入層30としては、形態変化の小さいポルフィリン系化合物層を設けることが好ましい。
具体的には、ポルフィリン系化合物としてCuPcを用いた場合、CuPcのX線回折法により現れる回折ピークの値において、有機EL素子S1の使用温度内の加熱による回折ピーク変化量が、加熱前の回折ピークの±25%以内になっているものが好ましい。使用温度は、本例では−40〜120℃である。
ここで、CuPcの回折ピークはCuPcの結晶性を示すもので、CuPcからなる正孔注入層30すなわちCuPc膜30をX線回折法により測定したとき、基板10と平行なCuPc膜30の(200)面の回折ピークである。具体的には、上記図2に示した2θ=6.68°に発生しているピークに相当するものであり、これを、以下、CuPc結晶性ピークという。
そして、本実施形態では、このCuPc結晶性ピーク(2θ=6.68°)の値つまりピークの積分値において、有機EL素子S1の使用温度(−40℃〜120℃)内の加熱による当該CuPc結晶性ピークの変化量が、加熱前の当該CuPc結晶性ピークの値の±25%以内とすることが好ましい。
このCuPc結晶性ピークの値の加熱前後における変化量を±25%以内に小さく抑えることにより、CuPc膜の密着性を向上させることができる。そして、高温環境下で使用しても、ショートやリークが発生しない程度にまで、有機材料の結晶状態の変化を小さくすることができる。
ちなみに、上記図2に示したデータでは、加熱前のCuPc結晶性ピークの値に比べ、加熱後のCuPc結晶性ピークの値は1.5倍と大きく変化しており、ショートおよびリークが発生しやすくなっている。
このような、CuPc結晶性ピークの値の加熱前後における変化量を±25%以内に小さく抑えたCuPc膜30は、たとえば、下地である陽極20の表面を150℃で紫外線オゾン処理し、続いて、520℃の材料加熱温度にてCuPcを蒸着して成膜することにより実現可能である。
そして、本実施形態において、正孔注入層30をこのようなCuPc膜30とすれば、正孔注入層30の密着性を向上させ、より高温環境に適した有機EL素子S1を提供することができる。
また、上述したように、素子を形成した後、高温環境下において、正孔注入層30の結晶性が変化しがたい特性を有することが重要である。
そのため、図1において、陽極20の直上の結晶性材料を結晶性が高い安定した膜に成膜するためには、陽極20の表面粗度が重要となる。つまり、より平坦な方が結晶性の高い安定した膜が形成できる。
本実施形態では、陽極20としてITOを使用した場合、具体的には、その平均表面粗さRaが2nm以下であり、10点平均表面粗さRzが20nm以下であることが望ましい。図1の実施形態において、たとえば、ガラス基板10上に形成した陽極20としてのITOの表面を研磨することによって、Raを約1nm以下、Rzを約10nmとすることができる。
次に、本実施形態について、限定するものではないが、以下の実施例および比較例を参照して、より具体的に述べる。
ガラス基板10上に150nmの厚さのITOである陽極20をスパッタリング法により形成した。パターニング後、ITO表面を研磨し、表面を平坦にする。
具体的には、その平均表面粗さRaが2nm以下であり、10点平均表面粗さRzが20nm以下であることが望ましい。本例では、ITOの表面を研磨してRaを約1nm以下、Rzを約10nmとしたものを使用した。
その陽極20の上に正孔注入層30として、CuPc(銅フタロシアニン)を真空蒸着法により10nm形成した。さらに正孔輸送層40としてトリフェニルアミン4量体を真空蒸着法により40nm形成した。
そして、発光層50として、ホスト材料にAlq3を用い、ドープ材料としてジメチルキナクリドンを1%添加した層を真空蒸着法により40nm形成した。さらに、電子輸送層60としてAlq3を真空蒸着法により20nm形成した。
これら有機層を形成した後、陰極70として、電子輸送層60側からLi2O(酸化リチウム)からなる第1の電子注入層71を真空蒸着法により0.5nm、CuPcからなるバッファー層72を真空蒸着法により10nm、Li2Oからなる第2の電子注入層73を真空蒸着法により0.5nm、およびIZOからなる導電膜層74をスパッタ法により150nm形成した。このように、本例では、電子輸送層60の上に、4層71〜74よりなる陰極70を形成した。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であった。また、その電流効率(1/16Duty駆動)は、2.5cd/Aであり、透明有機ELとしては非常に高効率であった。
(比較例1)
陰極70として、電子輸送層60側からLi2Oからなる電子注入層を真空蒸着法により0.5nm、CuPcからなるバッファー層を真空蒸着法により10nm、およびIZOからなる導電膜層をスパッタ法により150nm形成する以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。
つまり、本例の有機EL素子は、上記図1に示される有機EL素子において、陰極70が第2の電子注入層73を持たず、第1の電子注入層71、バッファー層72、導電膜層74の3層からなるものとした。
なお、この構成は、上記非特許文献2および非特許文献3に記載されている陰極において、電子輸送層とCuPc薄膜層との界面のところにLiなどからなる電子注入層を導入した構成に相当するものである。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であったが、その電流効率(1/16Duty駆動)は、0.4cd/Aであり、実施例1の透明有機ELと比べると低効率であった。
(比較例2)
陰極70として、電子輸送層60側からCuPcからなるバッファー層を真空蒸着法により10nm、Li2Oからなる電子注入層を真空蒸着法により0.5nm、およびIZOからなる導電膜層をスパッタ法により150nm形成する以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。
つまり、本例の有機EL素子は、上記図1に示される有機EL素子において、陰極70が第1の電子注入層71を持たず、バッファー層72、第2の電子注入層73、導電膜層74の3層からなるものとした。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であったが、その電流効率(1/16Duty駆動)は、0.5cd/Aであり、実施例1の透明有機ELと比べると低効率であった。
陰極70として、電子輸送層60側からLiF(フッ化リチウム)からなる第1の電子注入層71を真空蒸着法により0.5nm、CuPcからなるバッファー層72を真空蒸着法により10nm、LiFからなる第2の電子注入層73を真空蒸着法により0.5nm、およびIZOからなる導電膜層74をスパッタ法により150nm形成した。
それ以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。本例の有機EL素子S1は、上記実施例1と比較して、第1および第2の電子注入層71、73の材質をLi2OからLiFに変えたものである。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であった。また、その電流効率(1/16Duty駆動)は2.0cd/Aであり、透明有機ELとしては非常に高効率であった。
陰極70として、電子輸送層60側からLi2Oからなる第1の電子注入層71を真空蒸着法により0.5nm、CuPcからなるバッファー層72を真空蒸着法により10nm、Li2Oからなる第2の電子注入層73を真空蒸着法により0.5nm、およびITOからなる導電膜層74をスパッタ法により150nm形成した。
それ以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。本例の有機EL素子S1は、上記実施例1と比較して、導電膜層74の材質をIZOからITOに変えたものである。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であった。また、その電流効率(1/16Duty駆動)は2.3cd/Aであり、透明有機ELとしては非常に高効率であった。
陰極70として、電子輸送層60側からLi2Oからなる第1の電子注入層71を真空蒸着法により0.5nm、CuPcからなるバッファー層72を真空蒸着法により10nm、Li2Oからなる第2の電子注入層73を真空蒸着法により0.5nm、およびZnOからなる導電膜層74をスパッタ法により150nm形成した。
それ以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。本例の有機EL素子S1は、上記実施例1と比較して、導電膜層74の材質をIZOからZnOに変えたものである。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であった。また、その電流効率(1/16Duty駆動)は2.0cd/Aであり、透明有機ELとしては非常に高効率であった。
陰極70として、電子輸送層60側からLi2Oからなる第1の電子注入層71を真空蒸着法により0.5nm、VOx(酸化バナジウム)からなるバッファー層72を真空蒸着法により10nm、Li2Oからなる第2の電子注入層73を真空蒸着法により0.5nm、およびIZOからなる導電膜層74をスパッタ法により150nm形成した。
それ以外は、上記実施例1と同様に有機EL素子を作製した。本例の有機EL素子S1は、上記実施例1と比較して、バッファー層72の材質をCuPcからVOxに変えたものである。
本例の有機EL素子では、緑色発光であり、トップエミッション方式として透過率は90%以上であった。また、その電流効率(1/16Duty駆動)は2.5cd/Aであり、透明有機ELとしては非常に高効率であった。
以上述べてきたように、上記実施形態は、陽極20、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60および陰極70を順次積層してなる有機EL素子において、陰極70は、電子輸送層60側から第1の電子注入層71、バッファー層72、第2の電子注入層73および透明な導電膜層74を順次積層してなる透明な膜であることを特徴する有機EL素子を提供するものである。
この特徴点について言い換えるならば、上記有機EL素子S1は、自身の上に形成される膜が成膜される際のエネルギーを吸収し下地膜へのダメージを緩和するためのバッファー層72とその上に形成される膜としての導電膜層74とを有している陰極70において、バッファー層72と電子輸送層60との間およびバッファー層72と導電膜層74との間に電子注入層71、73を介在させたものである。
そして、このように、バッファー層の上下に2層の電子注入層を用いる透明陰極構成とすることにより、透過性を十分に確保しつつ、電柱効率に優れた電子注入電極としての陰極70を実現できているのである。
そして、陽極20、正孔輸送層40、発光層50、電子輸送層60については、上記実施形態に示したもの以外にも、通常の有機EL素子に使用されるかまたは使用される可能性のある材質や構成を適宜用いてもよい。
本発明の実施形態に係る有機EL素子の概略断面図である。 CuPc膜の結晶性の状態を加速高温放置の前と後でX線回折によって分析した結果を示す図である。
符号の説明
10…基板、20…陽極、30…正孔注入層、40…正孔輸送層、
50…発光層、60…電子輸送層、70…陰極、
71…陰極における第1の電子注入層、72…陰極におけるバッファー層、
73…陰極における第2の電子注入層、74…陰極における導電膜層。

Claims (7)

  1. 陽極(20)、正孔輸送層(40)、発光層(50)、電子輸送層(60)および陰極(70)を順次積層してなる有機EL素子において、
    前記陰極(70)は、前記電子輸送層(60)側から第1の電子注入層(71)、バッファー層(72)、第2の電子注入層(73)および透明な導電膜層(74)を順次積層してなる透明な膜であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記透明な導電膜層(74)は、ITO、IZOまたはZnOであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記バッファー層(72)は、ポルフィリン化合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記ポルフィリン化合物は、銅フタロシアニンであることを特徴とする請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記第1の電子注入層(71)および前記第2の電子注入層(73)の少なくとも一方は、酸化リチウム層であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  6. 前記正孔輸送層(40)、前記発光層(50)および前記電子輸送層(60)のガラス転移温度が、120℃以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  7. 前記陽極(20)と前記正孔輸送層(40)との間には、銅フタロシアニンからなる正孔注入層(30)が設けられており、
    前記銅フタロシアニンのX線回折法により現れる回折ピークの値において、前記有機EL素子の使用温度内の加熱による前記回折ピークの変化量が、前記加熱前の回折ピークの±25%以内となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の有機EL素子。
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