JP2005181898A - 防音装置及びその制振装置 - Google Patents

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義彦 河村
Masashi Ujihara
正志 氏原
Akira Matsuura
章 松浦
Teru Hata
輝 畑
Masahiko Sakuma
征彦 佐久間
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Abstract

【課題】簡単な構成で制振性能がよく耐久性があり振動の加速度や周波数の設計や調整が容易で建物の壁面の制振が可能な制振装置及びこれを用いた防音装置を提供する。
【解決手続】AMD1は、壁面100に取り付けられた基板26、上支持板21、これに取り付けられた板バネ22、これから吊り下げ支持された振動マス23、これを壁面100の振動とは逆位相で振動させるリニアモータ部5、振動センサ4、その検出値によって壁の振動を減少させるように制御する操作制御盤3、等で構成されていて、振動系の固有振動数の調整が容易で制振効果の大きいものである。防音装置は、このようなAMDを必要数だけ最適に配置して構成された装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる防音装置及びこれに使用される制振装置に関する。
例えば雨水抽水ポンプ場では、ポンプ類を運転すると、ポンプを含む機械類から発生する空気伝播音と共に、ポンプ場の建築躯対が振動して壁面から固体音として低周波音が放射され、これらが騒音としてポンプ場の内外に伝播する。これに対して従来では、吸音を主とした空気伝播音を低減させる対策がとられていたが、この対策では、壁面振動による固体音を減少させることができず、この低周波の固体音が騒音として問題になることが多かった。
壁面振動を抑制する装置としては、音発生源に対向するような配置になっている窓や床や天井や壁等の表面に加振素子と振動センサとを取り付け、これらの中間位置にマイクロホンを置き、振動センサとマイクロホンとで加振素子を制御し、壁の振動を相殺するように演算された信号を加振素子に与えるようにした壁体の遮音装置が提案されている。(特許文献1参照)。しかしながら、この遮音装置では、壁体に取り付けられる加振素子がどのような構造のものかが全く記載されていない。
又、車両用のエンジンのシリンダブロックの外壁に振動センサ及び圧電アクチュエータを取り付け、振動センサで制御して圧電アクチュエータを作動させてシリンダブロックの共振振動を抑制するようにしたエンジン振動抑制装置が提案されている。(特許文献2参照)。この装置では、小形で軽量の圧電アクチュエータをエンジンのシリンダ壁面に多数個取り付けることによって加振効果を得るようにしているが、このような加振装置は、建物の壁面のような大きな構造物の振動を低減させる装置としては適当でない。
特開平8−36392号公報(図1及び関連説明) 特開平6−109065公報(図1及び関連説明)
建物の壁面の加振装置としては、以上のような従来技術に示されているものの他、例えば図8に示す如く、床面用のアクティプマスダンパー(以下「AMD」という)を壁面に応用した加振装置として、壁面100に基板26と上下の支持板21、25を取り付け、下支持板の上に水平方向のガイドレール27を介して可動マス23を乗せ、これをコイルバネ28で基板26を介して壁面100に結合すると共に、上支持板21でリニアモータ部5を支持してこれによって可動マス23に起振力を加えるようにした装置が考えられる。
しかしながら、この壁面加振装置では、ガイドレールのような可動マスの支持案内装置が必要になること、ガイドレール部で摩擦やガタツキが生じて機械的損失が発生すること、そのため高周波の振動が余分に発生したり本来の低周波振動の抑制作用に悪影響を及ぼすおそれがあること、ガイドレール部が損傷しやすく従って装置の耐久性を低下させること、振動の加速度や周波数を可動マスの重量及びコイルスプリングによって定めることになるが、その設計や調整が難しいこと、等の諸問題が考えられる。
そこで本発明は、上記の図8に示す加振装置及び前記従来技術の加振装置における諸問題を解決し、簡単な構成で制振性能がよく耐久性があり振動の加速度や周波数の設計や調整が容易で建物の壁面の制振が可能な制振装置及びこれによって低周波の固体音からなる騒音の発生を防止できる防音装置を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる防音装置において、
前記壁面に取り付けられる壁面加振装置と前記振動騒音を減少させるように前記壁面加振装置を作動させる作動装置とを備えた制振装置を有し、
前記壁面加振装置は、前記壁面から張り出すように前記壁面に取り付けられた支持部と、板面が前記壁面に平行になるように前記支持部に取り付けられた板バネと、該板バネに取り付けられて支持された振動質量保有体と、前記作動装置で作動されて前記振動質量保有体を前記壁面の振動とは逆の位相で振動させるリニアモータ部と、を備えている、
ことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記に加えて、前記壁面は空気伝播音を受けることがあり、該空気伝播音を減少させるように前記壁面に取り付けられる吸音パネルであって前記壁面加振装置を囲うように空間部を備えた吸音パネルを有することを特徴とする。
請求項3の発明は、振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる防音装置に使用される制振装置において、
前記壁面に取り付けられる壁面加振装置と前記振動騒音を減少させるように前記壁面加振装置を作動させる作動装置とを有し、
前記壁面加振装置は、前記壁面から張り出すように前記壁面に取り付けられた支持部と、板面が前記壁面に平行になるように前記支持部に取り付けられた板バネと、該板バネに取り付けられて支持された振動質量保有体と、前記作動装置で作動されて前記振動質量保有体を前記壁面の振動とは逆の位相で振動させるリニアモータ部と、を備えている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、請求項1の発明においては、防音装置を振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる装置にしているので、機械類を配置した建物等でその壁面が振動することによって発生する従来放置されていた固体音からなる振動騒音を低減させ、建屋等の内外の音響環境を改善することができる。
この防音装置は、壁面に取り付けられる壁面加振装置と振動騒音を減少させるように壁面加振装置を作動させる作動装置とを備えた制振装置を有するので、建物等の全体の振動を抑えるのではなく、騒音を発生させている壁面の振動を直接減少させることができるため、小形の低出力の装置によって効率良く振動騒音を低減させることができる。
制振装置を構成する壁面加振装置は、壁面から張り出すように壁面に取り付けられた支持部と、板面が壁面に平行になるように支持部に取り付けられた板バネと、この板バネに取り付けられて支持された振動質量保有体とを備えているので、振動質量保有体に連続して起振力を加えることによって板バネと振動質量保有体とを備えた振動系を振動させ、その振動力を板バネから支持部を介して壁面に伝達することができる。
このように制振装置においては、その振動系の固有振動数を、振動騒音を発生させている壁面の振動の周波数にできるだけ近づけることにより、共振による大きな制振効果を得て、それによって振動騒音の減少量を大きくすることができる。そしてこの場合、振動系の弾性部分に板バネを使用しているので、その幅や厚みや長さや場合によっては材質によって異なる縦弾性係数Eを変えることにより、固有振動数を容易に且つ細かく変えて精度良く壁面の振動数と一致させたりそれに近づけることができる。又、そのような振動系の設計も容易になる。その結果、効果的に壁面振動を抑制することができる。
又、制振装置の振動質量保有体を壁面に平行に配置した板バネに取り付けて支持しているので、振動質量保有体を壁面の方向に振動させるための別の支持機構が必要でなくなる。即ち、壁面に平行な振動する方向への支持ガイド機構を設けることなく、板面が壁面に平行な板バネの例えば垂直下方の下端位置に振動質量保有体を吊り下げ支持することができる。その結果、ガイド機構を設ける場合の摩擦やがたつきをなくし、振動系の機械的損失の発生やそれによる新たな高周波騒音の発生の可能性等の問題を回避することができると共に、構造が簡単で低コストで耐久性の良い制振装置にすることができる。
なお、壁面に平行な板バネで振動質量保有体を支持する場合には、その振動により、板バネの支持部を介して壁面に直角方向に加わる振動力の他に、壁面に対して曲げモーメントが作用することになるが、板バネの長さが制振の対象になる壁面の寸法に較べて十分小さいので、このモーメントの制振効果への影響は問題にならない程度である。
以上のような振動系と共に、これを作動させるリニアモータ部を設けていて、振動質量保有体を壁面の振動とは逆の位相で振動させるようにしているので、壁面が振動質量保有体側の方向に動くときには、振動質量保有体を壁面の方向に壁面を押すように動かし、壁面が振動質量保有体側とは反対の方向に動くときには、壁面を引っ張るように振動質量保有体を壁面とは反対の方向に動かすような振動をさせて、壁面の制振効果を得ることができる。
そしてこの場合、連続した起振装置としてリニアモータを使用しているので、前記の従来技術の圧電(ピエゾ)素子や電歪・磁歪振動子を用いた起振装置では得られない理想的なサインカーブの振動波形を得ることができ、制振性能を良くすることができる。又、装置の耐久性を良くすることができる。
請求項2の発明においては、上記において、壁面が空気伝播音を受けることがあり、この空気伝播音の減少を可能にするように、防音装置が壁面に取り付けられた吸音パネルを有し、この吸音パネルが壁面加振装置を囲うように空間部を備えているので、空間部に壁面加振装置を入れて吸音パネルだけが壁面に取り付けられた良好な外観状態にして、通常空気伝播音と固体音とが併存して発生している騒音を全体として効果的に低減させることができる。
請求項3の発明においては、制振装置が所定の構成を備えているので、請求項1についして記載した前記の作用効果を有する制振装置を提供することができる。
図1は本発明を適用した防音装置の一例を示し、図2及び図3はこの防音装置を構成する制振装置の構成例を示す。
防音装置は、振動することがある壁やパネル等の表面である壁面100から発生する振動騒音を減少させる装置であり、制振装置であるAMD1を構成する壁面加振装置としての本体部分2と、同様にAMD1を構成する作動装置としての操作制御盤3及び振動センサ4を有する。そして本例では、壁面100に対して本体部分2が壁面100の制振効果が大きくなるような適当な配置で4台設けられていて、これらに対して操作制御盤3が1台設けられている。又、振動センサ4は、それぞれの本体部分2に取り付けられていて、本体部分2を介して振動する壁面100の加速度を検出している。
本体部分2は、壁面100から張り出すように壁面100に取り付けられた支持部としての上支持板21、板面22aが壁面100に平行になるように上支持板21に取り付けられた本例では2枚の板バネ22、これらに取り付けられて支持されされた振動質量保有体としての可動マス23、操作制御盤3で作動されて可動マス23を壁面100の振動とは逆の位相で振動させるリニアモータ部5、そのコイル部分を支持している下支持板25、上下支持板21、25が取り付けられていて本体部分2を壁面100に取り付けるための基板26、等を備えている。
板バネ22は、X方向に2枚設けられていて、上支持板21から上下Z方向のうち本例では下Z1 方向に可動マス23のZ方向の中心部分の両側部分を距離Lだけ離れた位置で可動マス23を挟持するように吊り下げ支持している。それぞれの板バネ22は、Z方向の長さL×Y方向の幅B×X方向の厚みtからなる寸法を持つ。この板バネ22を用いた装置によれば、XY断面の曲げ剛性であるEBt3 /12、長さL、可動マス23の質量M等により、板バネ22及び可動マス23を主体とした振動系の固有振動数が定まることになる。なお、板バネ22は1枚又は3枚以上設けられていてもよい。
リニアモータ部5は、図4にも示す如く、可動マス23に起振力を伝えるように可動マス23に固設されていて両側が開口したケース状のヨーク51、この中にZ方向に間隔を空けて相対向するようにヨーク51に固設されたマグネット52、前記間隔の中でZ方向に隙間cを空けて非接触な状態でY方向に隙間cから張り出すように設けられているコイル53,その支持体54、下支持板25で支持体54を支持するように設けられたコイル支持台55、等で構成されている。
作動装置は振動騒音を減少さるように本体部分2を作動させるが、本例では、前記の如く振動センサ4及び操作制御盤3を設けて、壁面100の振動を検出することによって壁面100の振動を減少させて振動騒音を減少させるように運転制御している。そのため、操作制御盤3に設定器31、制御部32、ドライバー33等を設けて、振動騒音D1 を目的とする値D2 までΔDだけ減少させるように壁面100の振動加速度αsを操作制御盤3の設定器31で設定し、振動センサ4で壁面100の実際の振動加速度αaを検出し、制御部32でαaがαsになるように制御信号を発生させ、ドライバー33を介してリニアモータ部5のコイル53に可動マス23を壁面100の振動とは逆の位相で振動させるように制御された電流Iを供給する。
操作制御盤3には、手動で電流Iを調節できる電流調節器34が設けられている。なお図1の装置では、4台のAMDが設けられていてこれらの操作制御部分を1台の操作制御盤3にしているので、前記の設定器31、制御部32、ドライバー33、電流調節器34等は、通常それぞれのAMDに対して設けられるが、これらを共通にして、4台のAMDを一律に制御することも可能である。操作制御盤3には、図示を省略しているが、電源が供給され、運転スイッチや表示ランプ等の必要な通常の装備品が設けられる。
振動騒音をΔDだけ減少させるための振動加速度αsの設定値は,例えば、振動騒音を低減させる対象となる壁面100にAMD1の本体部分2を取り付け、AMD1を作動させる前にその壁面から離れた位置の騒音を通常の騒音計で測定し、それからAMD1を作動させてこれに供給する電流値を調節し、騒音計で騒音を測定すると共に振動センサ4の検出値αaの値を測定し、騒音の測定値が目的とするΔDだけ下がったときのαaにされる。又、壁面の振動加速度を測定し、振動加速度とそれによって発生する音波エネルギーとの関係から、目的とするΔDによって例えば振動加速度を1/3にするようにαsを定めることも可能である。即ち、AMD作動前の振動加速度がαであったときには、αs=α/3にする。
なお、αsを設定してこれを制御目標値にする代わりに、作動装置として騒音センサを設けて、騒音減少値ΔD又は減音後の騒音値D2 が目的とする値になるように、直接減音量を制御するようにしてもよい。振動騒音の原因となる運転される機械の台数等の変動がないような場合には、振動の周波数及び加速度又は振幅からなる壁面の振動状態が一定であるため、振動センサ4による振動制御をすることなく、AMD1に供給する電流を特定の周波数で一定にした運転をすることも可能である。
以上のような防音装置は次のように作動する。
例えば壁面100に4台のAMD1が装着されていて、騒音源になる機械類等が運転されて壁面100が周波数Nで加速度αa1 の振動をして、それによって周波数Nで最大の振動騒音D1 が発生し、これを目的とする値D2 までΔDだけ下げるために振動加速度をαa1 /3にする必要があるとすれば、AMD1の操作制御盤3の設定器31で、振動加速度の設定値αsをαa1 /3に設定する。
これにより、操作制御盤3の運転スイッチをオンにすると、AMD1が作動し、振動センサ4が壁面100の振動加速度αaを検出し、その信号を受け入れた制御部32がαaと設定値αa1 /3とを比較して、その差に対応した大きさと逆位相振動を与えるタイミングとからなる信号をドライバー33に与え、ドライバー33がその信号に対応して制御された電流I1 をリニアモータ部5のコイル53に供給し、この電流に対応して周波数Nの起振力f1 がマグネット52及びヨーク51を介して可動マス23に加えられる。又コイル53には、f1 の反力−f1 が生じて、−f1 がコイル53からコイル支持台55、下支持板25及び基板26の下端部分を介して壁面100に加わる。起振装置にリニアモータを使用するので、起振力fはほぼ理想的なサインカーブとして与えられる
一方、主として板バネ22及び可動マス23からなる振動系は、予め壁面の振動周波数Nを測定しておくことにより、その固有振動数NoがNになるように作製されている。即ち、前記の如く、可動マス23の質量Mに対応して、板バネ22のL、B、t、等が振動系の固有振動数をNにするように定められている。
このようなAMD1の固有振動数Noは、振動系に板バネ22を使用することによって容易に且つ精度良く定められる。又、調整も容易になる。即ち、Lは基板26に対する上支持板21のZ方向の取付位置を定めることにより、またB及びtは板の幅及び厚み寸法を選択することにより、これらを自由に組み合わせて極めて精度良くNoを定めることができる。又、上支持板21を基板26に対してZ方向にスライド移動可能なように取り付けたり、B及びtの異なった寸法のものを数種類準備しておくこと等により、NがNoと一致するか又はNoにできるだけ近い値になるように容易に調整することができる。又、このような寸法を変えたときのNの値も容易に計算することができる。一方、図8に示すようなコイルバネを使用するときには、Nの設計、調整、計算等が難しくなる。
AMD1が作動して前記の如く振動系の固有振動数No と同じ振動数Nの起振力f1 が可動マス23に加えられると、振動系が共振し、板バネ22の撓み状態で変化する大きな振動力F1 が発生し、これが板バネ22から上支持板21及び基板26の上部を介して壁100に伝達される。この振動力F1 は、f1 と同様に壁面100の振動に対して逆位相になっているので、壁面100の振動を抑制する方向に作用し、壁面100に対して大きな制振力となり、壁面100の振動を低減し、最初の振動の加速度αa1 をαa2 に小さくすることができる。
αa2 が設定値であるαa1 /3になったとすると、振動センサ4がこれを検出し、そのときの電流I1 の供給状態が維持され、f1 、F1 によって最初の振動加速度を1/3にする制振効果が維持される。そして、壁面100の振動で発生する低周波数Nの振動騒音が目的とする値に低減される。壁面100の振動状態の変動等によって振動センサ4が検出した加速度αaが設定値αsから離れると、起振力fの大きさを変えて振動力Fを変え、αaをαsに戻すように供給電流Iが制御される。なお、壁面100にAMD1が4台設けられる場合には、操作制御盤3が1台で共用されても、前記の如く通常それぞれのAMD1は独立して制御される。但し、例えば4個の加速度センサ4の検出値の平均値を用いて、4個のリニアモータ部5を一律に制御することも可能である。
以上のようなAMD1及びこれを用いた防音装置によれば、振動系として壁面100に平行な板バネ22を用いて、その曲げ剛性を利用した振動力を壁面100に与えるようにしているので、図8に示すようなガイドレール27を必要とするAMDにおけるガイドレール部分の摩擦やがたつきが全く発生しない。その結果、振動系の機械的損失がないと共に、それによって生ずる可能性のある高周波振動に伴う新たな高周波騒音の発生等の問題がない。又、ガイドレールが不要であるため、その分だけ構造が簡単で低コストになると共に、ガイドレールのような微小振動や摩擦を伴う部材がないため装置の耐久性も良くなる。
発明者等は、本発明を適用したAMDを試作し、これを防音装置として組み立て、以下のようにして音響試験室で騒音試験をした。
1)AMDの概略仕様
可動マスの質量 :20kg
板バネの寸法 :長さ100 mm×幅70mm×厚み5mm(図2,3 に示すL×B×t)
振動系の固有振動数:60Hz
リニアモータの最大電流:1アンペア(電圧100V)
壁面に加えられる最大振動力:50N
2)AMDを装着した壁面仕様
寸法及び壁面体 :高さ2570mm×幅995mmで質量720kgのコンクリート壁
固定状態 :上下の水平端面部2点及び垂直端面部2点の4点を壁枠に押しつ け固定
初期振動状態 :振動数60Hz×加速度2.3m/s2 (加振器で加振)
制振装置 :上記AMDを1台取付
3)試験結果 :図5に示すとおり
AMDを取り付けただけで作動させないときの最大騒音時の音圧レベルは、周波数N=60HzのときにD1 =79.8dBであったが、上記の如く固有振動数No をNと同じ60HzにしたAMDを作動させると、最大騒音時の音圧レベルD2 が70.3dBになり、Δd=9.5dBという大幅な減音効果を得ることができた。このときのリニアモータの電流値Iは84mAで、振動加速度αs=αaは1.7m/s2 であった。なお、図示の如く、固有振動数No とある程度近い範囲の周波数の振動騒音に対しても効果があり,その値を相当量下げられるという結果も得られた。
従って、本発明を適用した防音装置によれば、AMDの固有振動数を振動壁面から発生する最大騒音の周波数に近い範囲内の振動数にして、その周波数と同じ周波数で逆位相の小電流を供給することにより、効率的に大きな制振効果を得て、最大振動騒音を大幅に低減することができる。
なお、本発明を適用したAMD1では、図2に示す如く、振動力Fが発生するときには、これに伴う曲げモーメントM=FLが上支持板21及び基板26を介して壁面100に作用し、制振効果に影響を与えることになる。しかし、モーメントのレバーLは、図1に示すような壁面100の大きさに較べて十分小さいので、モーメントの制振効果への影響は殆ど問題にならない。この点については、説明を省略するがFEM解析により確認された。又、上記の騒音試験の結果によっても明らかである。
又、容易に概略計算ができるように壁面を仮に図6に示すような支持スピンHを持つ単純支持梁とすると、振幅従って振動加速度に対応する壁面の撓みとしての梁の撓みは、振動力Fのみによる撓みδ1 とモーメントM=FLのみによる撓みδ2 との比率として示すと、δ2 /δ1 ≒L/2Hとなり、Lは150mm程度であるため、仮にH=1500mmとしても、δ2 /δ1 は1/20程度になるので、このように簡略計算によっても、実際の壁面ではモーメントは全く問題にならないことが明らかである。従って、板バネを使用した制振装置によれば、前記の如く極めて効果的に振動を抑制し振動騒音を低減することができる。
なお、既述の如く起振力fによる振動力Fの他にリニアモータのコイルから壁面に−fの力がかかるが、fの値はFの値に較べて1/20程度以下で十分小さいので、この力も制振効果に殆ど影響しない。
図7は本発明を適用した防音装置の他の例を示す。
本例の防音装置は、図2、3に示すAMD1に加えて吸音パネル6を有する。吸音パネル6は、壁面100が空気伝播音を受けることがあるときに、この空気伝播音を減少させるように壁面100に取り付けられるものであり、AMD1を囲うように空間部61を備えている。即ち、グラスウール等からなる吸音材62、これを囲う表面側の多孔板63、仕切多孔板64、空間部61を覆う蓋多孔板65、裏面の壁側の枠板66、上下のカバー67、等で形成されている。
このようにコンビネーションパネルからなる防音装置によれば、通常空気伝播音と固体音との複合騒音からなる騒音を全体として効果的に低減させることができる。又、AMD1を装着しても壁100の表面側が一様に多孔板で覆われるので、AMD自体や配線が壁面から隠れるので、壁面の外観状態を良くすることができる。又、AMDには電気部分や振動体があるため必要となるカバーを吸音パネルで兼用することができる。
本発明は、振動を発生させる機械類の入れられた建物等において、内外に拡散する振動騒音を低減させる防音装置として好都合に利用される。
本発明を適用した防音装置の全体構成の一例を示す説明図である。 AMDの側面及び一部断面状態を含む説明図である。 上記AMDの正面図である。 上記AMDのリニアモータ部分を示し、(b)は平面図で(a)及び(c)はa−a線及びc−c線断面図である。 騒音試験結果を示す棒グラフである。 (a)乃至(c)は壁面を梁と仮定したときの変形状態の説明図である。 AMDを吸音パネルで囲った状態を示し(a)は正面図で(b)は側面図である。 コイルスプリングを用いたAMDの説明図である。
符号の説明
100 壁面
2 本体部分(壁面加振装置)
3 操作制御盤(作動装置)
4 振動センサ(作動装置)
21 上支持板(支持部)
22a 板面
22 板バネ
23 可動マス(振動質量保有体)
5 リニアモータ部
6 吸音パネル
61 空間部

Claims (3)

  1. 振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる防音装置において、
    前記壁面に取り付けられる壁面加振装置と前記振動騒音を減少させるように前記壁面加振装置を作動させる作動装置とを備えた制振装置を有し、
    前記壁面加振装置は、前記壁面から張り出すように前記壁面に取り付けられた支持部と、板面が前記壁面に平行になるように前記支持部に取り付けられた板バネと、該板バネに取り付けられて支持された振動質量保有体と、前記作動装置で作動されて前記振動質量保有体を前記壁面の振動とは逆の位相で振動させるリニアモータ部と、を備えている、
    ことを特徴とする防音装置。
  2. 前記壁面は空気伝播音を受けることがあり、該空気伝播音を減少させるように前記壁面に取り付けられる吸音パネルであって前記壁面加振装置を囲うように空間部を備えた吸音パネルを有することを特徴とする請求項1に記載の防音装置。
  3. 振動することがある壁面から発生する振動騒音を減少させる防音装置に使用される制振装置において、
    前記壁面に取り付けられる壁面加振装置と前記振動騒音を減少させるように前記壁面加振装置を作動させる作動装置とを有し、
    前記壁面加振装置は、前記壁面から張り出すように前記壁面に取り付けられた支持部と、板面が前記壁面に平行になるように前記支持部に取り付けられた板バネと、該板バネに取り付けられて支持された振動質量保有体と、前記作動装置で作動されて前記振動質量保有体を前記壁面の振動とは逆の位相で振動させるリニアモータ部と、を備えている、
    ことを特徴とする制振装置。
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