JP2005181664A - 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP2005181664A
JP2005181664A JP2003422171A JP2003422171A JP2005181664A JP 2005181664 A JP2005181664 A JP 2005181664A JP 2003422171 A JP2003422171 A JP 2003422171A JP 2003422171 A JP2003422171 A JP 2003422171A JP 2005181664 A JP2005181664 A JP 2005181664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
wavelength
refractive index
core
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003422171A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
浩史 中村
Shuhei Hayamizu
修平 速水
Shinichi Arai
慎一 荒井
Iwao Shimotakahara
巌 下高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2003422171A priority Critical patent/JP2005181664A/ja
Publication of JP2005181664A publication Critical patent/JP2005181664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

【課題】 本発明の目的は、従来のシングルモード光ファイバのモードフィールド径を保ちつつ、曲げ損失を小さくした高速・大容量の光伝送に好適な光ファイバおよびそれを用いた光ファイバケーブルを提供することにある。
【解決手段】 本願発明の光ファイバは、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上であり、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、直径30mmの曲げによる損失増加が波長1625nmにおいて0.1dB/ターン以下であり、波長1625nmにおける実効屈折率が1.44460以上であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下であり、かつ偏波モード分散が0.10ps・km−1/2以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長多重光伝送システムにおける光伝送路として好適に用いられる光ファイバおよびこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブルに関するものである。
波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは、多波長の信号光を用いて光通信を行うシステムであり、高速・大容量の光伝送することが可能である。このようなWDM伝送システムにおいて、信号光波長帯域の広帯域化および非線形光学現象の抑制が重要な課題となっている。
信号光波長帯域の広帯域化を実現する光ファイバとしては、例えば特許文献1により提案されたものがある。
この光ファイバは、OH吸収による1380nm付近の伝送損失を抑制し、1280nmから1600nm付近の広い波長帯域にわたって0.4dB/km以下の低伝送損失を実現している。
さらに、この光ファイバは、ファイバ内への水素の拡散による伝送損失特性の変化が極めて少なく、高い信頼性を有している。
光ファイバ内に水素が拡散した場合、OH吸収ピークの増加により波長1380nm付近の伝送損失が増加する現象が知られているが、この光ファイバは、水素の拡散による伝送損失の増加がほとんどない。したがって、1280nmから1600nm付近の広い波長帯域で、長期間安定した光通信が可能である。
この特許文献1に基づいて製造された光ファイバ「OFS Fitel社のAllWave(登録商標)」は1280nmから1625nmにわたる波長帯域で使用可能であるとされている。
このような広い波長帯域で使用可能な光ファイバは、伝送容量が大きく、さらに使用する波長帯域を前記波長帯域で任意に配置できるため、フレキシビリティが高いことから、メトロ系光ネットワーク等に使用されている。
このメトロ系光ネットワークに用いる光ファイバケーブルは近年多心化が進んでおり、光ファイバケーブルの構造としては、図4に示すようなものが提案されている。
この光ファイバケーブル10は、いわゆるリボンスロット型の光ファイバケーブルと呼ばれているもので、スロットロッド11の外周面に形成された複数の螺旋状のスロット溝12内に、例えば図5に示したような光ファイバテープ心線20が複数枚重ねられた状態で収容されている。
この光ファイバテープ心線20は、光ファイバ21の外周に、着色層22を施し、これを複数本平面状に並行に配列し、紫外線硬化型樹脂で一括被覆したものであり、1テープの光ファイバの心数としては4心、8心、あるいはそれ以上のものも使用されている。
前記スロットロッド11はポリエチレンなどのプラスチックからなる長尺体で、その中心には金属撚線や繊維強化プラスチック(FRP)ロッドなどからなるテンションメンバー13が設けられている。また、スロットロッド11の周上にはポリエステルテープなどのテープを巻回したテープ巻回層14が設けられ、この上にポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂からなるシース15が被覆されている。
このようなリボンスロット型光ケーブルは、光ファイバテープ心線20を複数枚積層して収容することから光ファイバの高密度性に優れた構造であり、さらに、光ファイバテープ心線20がスロット溝12に収容されていることから機械特性の点でも高い信頼性を実現する構造である。
しかしながら、このリボンスロット型光ケーブルは、配列の乱れは生じにくい構造であるが、曲げ等の外力を受けたときに、積層された光ファイバテープ心線20の両端部、特に、4隅の部分が、スロット溝12の内壁と接触するため、その部分に応力が集中し、側圧によって伝送損失が増加しやすいという問題がある。
米国特許第6131415号明細書
一般に光ファイバに過大な曲げや側圧を与えると、伝送損失の増加が起きることが知られている。以降、これを曲げ損失と呼ぶ。曲げ損失は、波長が長くなるに従い指数関数的に増加することが知られている。
前述した特許文献1の光ファイバは、1380nm付近の伝送損失特性は改善されているが、曲げ損失が比較的大きいため、光ファイバの接続部を収納する接続箱の中などに光ファイバの余長を収納した場合、曲げ損失が過大となることがあった。曲げ損失の増加は、特に使用波長帯域中の最も長波長であるL−band(波長1565nm〜1625nm)において顕著であった。
また、前述した特許文献1の光ファイバをリボンスロット型光ファイバケーブルに用いた場合は、ケーブル化後にL−bandでの伝送損失が増加し、敷設後も伝送損失が安定しないという問題があった。
曲げ損失を小さくするためには、MAC値を小さくすれば良いことが特表2003−511736などに示されている。ここで、MAC値とはモードフィールド径/カットオフ波長で定義されている。つまり、モードフィールド径を小さくすれば、曲げ損失は小さくすることができる。
しかしながら、モードフィールド径が小さいと光ファイバ中での非線形現象が大きくなり、伝送特性が悪化する傾向にある。また、モードフィールド径が小さすぎると、1.3μm帯(1280nm〜1330nm)にゼロ分散波長を持つ従来のシングルモード光ファイバ(以降、シングルモード光ファイバと呼ぶ。)と接続する場合、モードフィールド径の差によって接続損失が大きくなり、従来の通信システムをそのまま用いることができないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、従来のシングルモード光ファイバのモードフィールド径を保ちつつ、曲げ損失を小さくした高速・大容量の光伝送に好適な光ファイバおよびそれを用いたリボンスロット型光ファイバケーブルを提供することにある。
前記目的を達成すべく本願請求項1に記載の光ファイバは、最大屈折率nを有する第1コアと、該第1コアを取り囲み、前記最大屈折率n1より小さい屈折率nを有するクラッドからなるシングルモード光ファイバであって、前記第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δが0.4%〜0.5%であり、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上であり、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、直径30mmの曲げによる損失増加が波長1625nmにおいて0.1dB/ターン以下であり、波長1625nmにおける実効屈折率が1.44460以上であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下であり、かつ偏波モード分散が0.10ps・km−1/2以下であることを特徴とするものである。
本願請求項1に記載の光ファイバによれば、従来のシングルモード光ファイバのモードフィールド径を保ちつつ、曲げ損失の小さい高速・大容量の光伝送に好適な光ファイバを提供することができる。
従来のシングルモード光ファイバの第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δは0.3%〜0.4%であり、本発明の光ファイバの値0.4%〜0.5%と比較すると小さい値となっている。本願請求項1記載の光ファイバのように、第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δ1を大きくすることにより、実効屈折率を大きくすることができ、曲げ損失を小さくすることができる。
また、従来のシングルモード光ファイバとモードフィールド径が同じであるため、従来のシングルモード光ファイバと接続しても、接続損失を小さく抑えることができ、従来の通信システムをそのまま使用することができる。
さらに、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下であることから、水素の拡散による伝送損失の増加もほとんどないため、1380nm付近を含む1280nm〜1625nmの広い波長帯域において長期間安定した低伝送損失を保つことができる。
また、低偏波モード分散を有しているため、高速・大容量の光伝送が可能である。
さらに、本願請求項2に記載の光ファイバは、前記請求項1記載の光ファイバにおいて、波長1625nmにおける直径30mmの曲げによる損失増加が0.03dB/ターン以下であり、波長1625nmにおける実効屈折率が1.44560以上であることを特徴とするものである。
このようにしてなる本願請求項2に記載の光ファイバによれば、従来のシングルモード光ファイバのモードフィールド径を保ちつつ、さらに曲げ損失の小さい光ファイバを提供することができる。
また、本願請求項3に記載の光ファイバは、前記請求項1または請求項2に記載の光ファイバにおいて、零分散波長が1300nm〜1324nmの範囲にあり、零分散波長における分散スロープが0.092ps/nm/km以下であることを特徴とするものである。
このようにしてなる本願請求項3に記載の光ファイバは、従来のシングルモード光ファイバと分散特性がほぼ同じであるため、従来の通信システムをそのまま使用することができる。
また、本願請求項4に記載の光ファイバは、前記請求項1〜請求項3に記載の光ファイバにおいて、ケーブルカットオフ波長が1280nm以下であることを特徴とするものである。
このようにしてなる本願請求項4に記載の光ファイバは、1280nmより長い波長においてシングルモード動作が保証され、1280nmより長波長の広い波長帯域で使用可能である。
また、本願請求項5に記載の光ファイバは、前記請求項1〜請求項4に記載の光ファイバにおいて、前記第1コアの外周に最小屈折率nを有する第2コアを有し、前記第2コアのクラッドに対する最小比屈折率差Δが−0.1%〜0%であることを特徴とするものである。
前述したように、本発明の光ファイバは従来のシングルモード光ファイバと比較すると第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δ1が大きくなっている。最大比屈折率差Δ1を大きくしたことにより、曲げ損失は小さくできるが、伝送損失の悪化やゼロ分散波長が長波長側にシフトしてしまう傾向がある。
このようにしてなる本願請求項5に記載の光ファイバによれば、伝送損失の悪化やゼロ分散波長のシフトを抑制することができ、従来のシングルモード光ファイバと同じ特性を容易に得ることができる。
また、本願請求項6に記載のリボンスロット型光ファイバケーブルは、前記請求項1〜請求項5に記載の光ファイバを用いたことを特徴とするものである。
このようにしてなる本願請求項6に記載のリボンスロット型光ファイバケーブルによれば、ケーブル化時に発生する側圧による曲げ損失を抑え、敷設後もL−bandを含む広い波長帯域において長期間安定した光通信が可能なリボンスロット型光ファイバケーブルを提供することができる。
従来のシングルモード光ファイバのモードフィールド径を保ちつつ、曲げ損失を小さくした高速・大容量の光伝送に好適な光ファイバおよびそれを用いた光ファイバケーブルを提供できる。
図1〜図5を用いて本願発明の光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブルを詳細に説明する。
本願発明に係る光ファイバは、波長1625nmにおける実効屈折率を1.44460以上とすることにより、波長1625nmにおける直径30mmに曲げたときの損失増加を0.1dB/ターン以下とすることを特徴の一つとしている。
ここで実効屈折率とは光ファイバの屈折率分布と入射光の波長で決まる値であり、入射光が第1コア領域に閉じ込められる度合いを表すものである。
光ファイバにおいては、通常、第1コアの最大屈折率nとクラッド層の屈折率nの間の値になる。
以下、実効屈折率をさらに詳細に説明する。
屈折率分布が円筒対称形で半径方向に任意の値を持つ光ファイバにおける電界分布を表す基礎方程式は、下記式1に示すとおりである。
Figure 2005181664
ここで、rは半径方向の中心からの距離、Φ(r)は電界のr方向における分布、n(r)は屈折率のr方向における分布、βは伝搬定数、mは任意の非負の整数、kは真空中の波数である。また、rcoreは屈折率がクラッド層と異なる範囲の半径を示す。対象とする入射光の波長をλとするときk=2π/λであり、本式において実効屈折率はβ/kで表すことができる。
この式の導出については大越等による「光ファイバ、オーム社、4、5、7章、1983年」に詳細な説明がある。
この式を解いて光ファイバの実効屈折率β/kを求めるには、例えば、文献“Tanaka等, An exact analysis of cylindrical fiber with index distribution by matrix method and its application to focusing fiber, Trans. IECEJ, Section E, E59, 11, pp.1-8, 1976年”に示される多層分割法を用いればよいことが知られている。
一例としてこの方法を用いることにより、任意の屈折率分布n(r)を持つ光ファイバの実効屈折率を求めることができる。
本願発明においては波長1625nmに注目するため、クラッドの屈折率をn=1.44388とした。この値は波長1625nmの光に対する純石英の屈折率にほぼ等しい。
ここで、屈折率分布n(r)は光ファイバを線引きする前のプリフォームをプリフォームアナライザ等で測定して求めることができる。また光ファイバを直接RNF法などで観察する方法もある。
上記計算により得られた実効屈折率が大きく、第1コアの最大屈折率nに近いほど光のパワーのうち多くが第1コア領域に分布して伝搬するため光が漏れにくく、曲げ損失が小さい。逆に、実効屈折率が小さく、クラッドの屈折率nに近いほど、光のパワーのうち多くがクラッドに分布して伝搬するため光が漏れやすく、曲げ損失が大きくなる。
実効屈折率は光ファイバの屈折率分布n(r)の形状によって変化するが、プリフォーム製造時にコア部分にドープするゲルマニウムの量を増やし、単に第1コアの最大屈折率nを大きくすることにより、大きくすることが可能である。
ところで、曲げ直径とターン回数が一定であるとき、光ファイバの曲げ損失は一般に波長が長くなるに従い指数関数的に増加する。
つまり、使用波長帯域中の最も長波長である1625nmにおいて、曲げ損失が最も大きくなる。したがって、波長1625nmにおける曲げ損失を抑制することが重要である。
現在、インターネットの普及により、光ファイバが家庭ごとに引かれつつあり、光ファイバの接続部分を収納する接続箱の小型化および、室内等で曲げ径の小さくなる配線に光ファイバを用いる要求が高まっている。この要求に応えるためには、直径60mm未満の径に曲げても曲げ損失が過大とならない光ファイバが必要とされている。
直径60mm未満の径に曲げても曲げ損失が過大とならないようにするためには、波長1625nmにおいて直径30mmに曲げによる損失増加を0.1dB/ターン以下、より好ましくは0.03dB/ターン以下とする必要がある。
本願発明の光ファイバの実効屈折率は波長1625nmにおいて1.44460以上、さらに好ましくは1.44560以上であり、これにより波長1625nmにおける直径30mmの曲げによる損失増加を0.1dB/ターン以下、さらに好ましくは0.03dB/ターン以下に抑えられる。
図3に本願発明に係る光ファイバの一実施形態例を示す。図3(A)はこの光ファイバの屈折率分布、図3(B)はその横断面を示す。すなわち最大屈折率n1を有する第1コア1とその外側に設けられた最小屈折率nを有する第2コア2を示しており、この第2コア2の外側に屈折率nを有するクラッド3が設けられている。各屈折率の大小関係はn<n<n1である。なお、本発明において、第2コア2はなくてもよいが、後述するように第2コア2を設けることがより好ましい。
また、本実施形態に係る光ファイバは、第1コア1のクラッド3に対する最大比屈折率差Δ1が0.4%〜0.5%であることを特徴の一つとしている。
従来のシングルモード光ファイバにおいて、第1コア1のクラッド3に対する最大比屈折率差Δ1は0.3%〜0.4%であり、本発明の光ファイバの値0.4%〜0.5%と比較すると小さい値となっている。このように、第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δ1を大きくしたことにより、実効屈折率を大きくすることができ、曲げ損失を小さくすることができる。
また、本実施形態に係る光ファイバは、第1コア1の外周に第2コア2を有し、前記第2コアの最小屈折率nを−0.1%〜0%であることを特徴の一つとしている。
前述したように、本実施形態の光ファイバは、従来のシングルモード光ファイバと比較して第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δ1を大きくしている。これにより、曲げ損失は小さくなるが、伝送損失の悪化やゼロ分散波長が長波長側にシフトしてしまう傾向がある。
このように第2コア2の最小屈折率nを−0.1%〜0%とすることにより、伝送損失の悪化やゼロ分散波長のシフトを抑制することができ、従来のシングルモード光ファイバと同じ特性を容易に得ることができる。
ここで、本明細書においては前記クラッド3に対する第1コア1の最大屈折率差Δ1、クラッド3に対する第2コア2の最小比屈折率差Δは下記式(2)及び(3)で示されるものをいう。
Δ1={(n 2−n 2)/2n 2}・100 (2)
Δ={(n 2−n 2)/2n 2}・100 (3)
ここで前記各式中、nは第1コア1の最大屈折率、nは第2コア2の最小屈折率、そしてnはクラッド3の屈折率である。
また、本実施形態に係る光ファイバは、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上であることを特徴の一つとしている。
このように、従来のシングルモード光ファイバとモードフィールド径を同じとすることにより、従来のシングルモード光ファイバと接続しても、接続損失を小さく抑えることができ、従来の通信システムをそのまま使用することが可能である。
また、本実施形態に係る光ファイバは、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下であることを特徴としている。
光ファイバ内に水素が拡散した場合、OH基による吸収ピークの増加により、波長1380nm付近において、伝送損失が増加する現象が知られている。
水素の拡散によるOH吸収損失の増加は、光ファイバ内に構造欠陥が多量に存在している場合に顕著である。
使用波長帯域を1280nm〜1625nmに広げるためには、この伝送損失の増加をできるだけ小さくしなければならない。
本実施形態に係る光ファイバは、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下である。すなわち、水素の拡散による伝送損失の増加がほとんどないため、1380nm付近を含む1280nm〜1625nmの広い波長帯域において長期間安定した低伝送損失を保つことができる。
なお、本明細書においては水素エージングとは、IEC60793−2−50 C.3.1に従うものとし、下記に示す条件とする。
光ファイバを、室温下において水素濃度が0.01気圧の雰囲気中にて水素に曝露し、波長1240nmにおける伝送損失が水素曝露前の伝送損失(初期値)に比べて0.03dB/km以上増加するまでその状態を維持する。その後、大気中に取出して14日間以上放置し、伝送損失の測定を行う。
さらに、本実施形態に係る光ファイバは、偏波モード分散が0.10ps・km−1/2以下であることを特徴の一つとしている。
WDM伝送において、各波長の伝送速度を高速化するためには光ファイバの偏波モード分散を小さく抑える必要がある。たとえば各波長において40Gbit/sの速度で400kmの伝送を行うためには、伝送路全体の偏波モード分散を0.10ps/km−1/2以下とする必要がある。
本実施形態に係る光ファイバは、偏波モード分散が0.10ps・km−1/2以下、さらに好ましくは0.08ps・km−1/2以下であり、例えば40Gb/sのような高速な伝送にも適した光ファイバである。
偏波モード分散の大きさは光ファイバの複屈折とモード結合によって決まる。しかしながら、光ファイバの複屈折とモード結合は光ファイバに係る張力、曲げ、側圧などの外乱要因によって敏感に変化するので、例えばボビン巻きのような状態では、光ファイバが本来内在的に持つ偏波モード分散を正しく測定することはできない。したがって、振動、温度変化、空気の動きの小さい環境で滑らかな床に光ファイバを重ならないように、かつ全長にわたって曲率半径が1m以上となるように置き、偏波モード分散を測定する必要がある。測定サンプルの長さは偏波モード分散測定装置の検出感度などを考慮して適宜選択されるが、一般には400m程度である。この条件を低モード結合(LMC)条件と呼ぶ。
一方、偏波モード分散が伝送特性に与える影響を考慮すると、個々の光ファイバの偏波モード分散よりも、複数の光ファイバを接続して構成される伝送路全体での値が実用上重要である。したがって、光ファイバの偏波モード分散としては、伝送路全体の偏波モード分散の指標となるリンクデザインバリュー(LDV)を採用する。LDVは以下の手順で得られる。
まず、多くのサンプル光ファイバの偏波モード分散をLMC条件で測定する。次に、得られた測定値の分布の中から重なり無く任意の20個の測定値を選択し、それらの二乗和の平方根を取る作業を多数回、一般には10万回以上繰り返し、得られた値のうち大きいほうから0.01%に該当する値をLDVとする。これを対象光ファイバの偏波モード分散を表す値とする。
本実施形態においては、偏波モード分散として上記LDVを採用している。
さらに、シングルモード光ファイバではケーブルカットオフ波長λCCが使用波長よりも短いことが必要とされる。したがって波長1280nm〜1625nmを使用波長とする場合、ケーブルカットオフ波長λCCは1280nm以下とする必要がある。
本実施形態に係る光ファイバは、ケーブルカットオフ波長λCCが1280nm以下であるため、1280nmより長波長の広い波長帯域においてシングルモード動作が保障される。
ここでケーブルカットオフ波長λCCとは、ITU−T(国際電気通信連合)G.650で定義するケーブルカットオフ波長λCCをいう。その他、本明細書で特に定義しない用語についてはITU−T G.650における定義及び測定方法に従うものとする。
表1に、本願発明の実施例1〜実施例4および比較例5、比較例6の各光ファイバのパラメータの値とその特性値示す。比較例6は従来のシングルモード光ファイバである。
表1において、2aは第1コアの直径、2bは第2コアの直径を示している。
各実施例および比較例の光ファイバは、図3に示した屈折率プロファイルを有する。ただし、Δが0.00である実施例4および比較例6は、第2コアを有さず、コアが第1コアのみで構成されていることを意味している。
また、第1コアの直径2aは、Δの1/2の屈折率となる位置を結ぶ線の長さとし、第2コア2の直径2bは、第2コア2とクラッド4との境界領域において、Δの1/2の屈折率となる位置を結ぶ線の長さとする。
Figure 2005181664
表1に示すように、本願発明の実施例1〜4のいずれの光ファイバも、実効屈折率が1.44460以上であり、波長帯域1625nmにおいて、直径30mmの曲げによる損失増加が0.1dB/ターン以下である。さらに実効屈折率が1.44560以上である実施例1、実施例3においては0.03dB/ターン以下である。
また、モードフィールド径、分散特性は、従来のシングルモード光ファイバとほぼ同じ値になっているため、従来のシングルモード光ファイバとの接続損失も小さく、従来のシングルモード光ファイバに用いられていた通信システムをそのまま用いることができる。
さらに、実施例1〜4のいずれの光ファイバも、ケーブルカットオフ波長λCCが1280nm以下であり、1280nmより長波長の広い波長帯域においてシングルモード動作が保証される。
比較例5、比較例6の光ファイバは、実効屈折率が1.44460より小さく、波長帯域1625nmにおいて、直径30mmの曲げによる損失増加が0.1dB/ターン以上となっている。
図1は実施例1、実施例2、および比較例6の直径30mmの曲げによる損失増加の波長特性を示す図であり、横軸は波長、縦軸は直径30mmの曲げ1ターンによる曲げ損失を示している。
図1に示すように、いずれの光ファイバにおいても曲げ損失は波長が長くなるに従い指数関数的に増加している。そして、実施例1、実施例2の光ファイバは最も曲げ損失が大きくなる1625nmにおいて直径30mmの曲げによる損失増加が0.1dB/ターン以下(実施例2においては0.03dB/ターン以下)を満たしており、L−band(1565nm〜1625nm)を含む広い波長帯域において曲げ損失が小さい値となっている。
これに対し、比較例6の光ファイバは、L−bandにおける損失増加が大きく、L−bandでの使用は難しいことがわかる。
図2は実施例1、および比較例6の直径50mmの曲げによる損失増加の波長特性を示す図であり、横軸は波長、縦軸は直径50mmの曲げ100ターンによる曲げ損失を示している。
比較例6の光ファイバは、L−bandにおける曲げ損失が大きいのに対し、実施例1の光ファイバではL−bandを含む広い波長帯域において曲げ損失が小さいことがわかる。
本願発明の光ファイバは、60mm未満の径に曲げて使用するような用途においても、L−bandにおける曲げによる損失増加が無く、好適に用いることができる。
また、実施例1〜4の光ファイバの偏波モード分散を測定したところ、すべて0.10ps/km−1/2以下であった。したがって、本願発明の光ファイバは、例えば40Gb/sのような高速な伝送にも適した光ファイバである。
また、実施例1〜4の光ファイバの波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失を測定したところ、全て0.4dB/km以下であった。
さらに実施例1〜4の光ファイバを前述したIEC60793−2−50 C.3.1に規定される条件にて水素に曝露した後、波長1383nmでの伝送損失を測定したところ、全て0.31dB/km以下であった。すなわち、水素の拡散により伝送損失がほとんど増加せず、1380nm付近を含む1280nm〜1625nmの広い波長帯域において長期間安定した低伝送損失を保つことができる。
さらに、本願発明の光ファイバを用いて、リボンスロット型光ファイバケーブルの製造を行った。表2はリボンスロット型光ファイバケーブルの波長1625nmの伝送損失を実施例1、実施例2の光ファイバと比較例6の光ファイバとで比較したデータである。
Figure 2005181664
実施例1、実施例2の光ファイバは、ケーブル化後の波長1625nmの伝送損失が平均値、最大値ともに0.30dB/km以下であり、損失増加が起きていないことがわかる。これに対し、比較例6の光ファイバは最大で1.10dB/kmとなるものもあった。
このように本願発明の光ファイバを用いてリボンスロット型光ファイバケーブルを製造することにより、ケーブル化時に発生する側圧による曲げ損失を抑え、敷設後もL−bandを含む広い使用波長帯域において長期間安定した光通信が可能なリボンスロット型光ファイバケーブルとなる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態に係る光ファイバは、実施例1〜4のものに限られることなく、他の任意の屈折率分布による設計も可能である。中心コア領域は1層、2層に限らずより多層で構成されることも可能であり、各層が一定の屈折率を持つステップ状に限らず、各層内で屈折率が変化することで三角形、放物線型その他の特徴的な形状を有することができる。また、光ファイバ内において各層の添加物が互いの領域に拡散することにより、コアとクラッド層に特有の境界が見られない場合もある。
本願発明の光ファイバの直径30mmの曲げによる損失増加の波長特性を示す図である。 本願発明の光ファイバの直径50mmの曲げによる損失増加の波長特性を示す図である。 本願発明の光ファイバの一実施例を示すもので、図3(A)は屈折率分布を示し、図3(B)は横断面の一部を示す横断面図である。 リボンスロット型ケーブルを示す模式図である。 光ファイバテープ心線を示す模式図である。
符号の説明
1 第1コア
2 第2コア
3 クラッド
10 光ファイバケーブル
11 スロットロッド
12 スロット溝
13 テンションメンバー
14 テープ巻回層
15 シース
20 光ファイバテープ心線
21 光ファイバ
22 着色層

Claims (6)

  1. 最大屈折率nを有する第1コアと、該第1コアを取り囲み、前記最大屈折率nより小さい屈折率nを有するクラッドからなるシングルモード光ファイバであって、前記第1コアのクラッドに対する最大比屈折率差Δが0.4%〜0.5%であり、波長1310nmにおけるモードフィールド径が8.6μm以上であり、波長1280nm〜1625nmにおける伝送損失が0.4dB/km以下であり、直径30mmの曲げによる損失増加が波長1625nmにおいて0.1dB/ターン以下であり、波長1625nmにおける実効屈折率が1.44460以上であり、水素エージング後の波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下であり、かつ偏波モード分散が0.10ps・km−1/2以下であることを特徴とする光ファイバ。
  2. 直径30mmの曲げによる損失増加が波長1625nmにおいて0.03dB/ターン以下であり、波長1625nmにおける実効屈折率が1.44560以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 零分散波長が1300nm〜1324nmの範囲にあり、零分散波長における分散スロープが0.092ps/nm/km以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバ。
  4. ケーブルカットオフ波長が1280nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ファイバ。
  5. 前記第1コアの外周に最小屈折率nを有する第2コアを有し、前記第2コアのクラッドに対する最小比屈折率差Δが−0.1%〜0%であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光ファイバ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光ファイバを用いたことを特徴とするリボンスロット型光ファイバケーブル。





















JP2003422171A 2003-12-19 2003-12-19 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル Pending JP2005181664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003422171A JP2005181664A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003422171A JP2005181664A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005181664A true JP2005181664A (ja) 2005-07-07

Family

ID=34783128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003422171A Pending JP2005181664A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005181664A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007041568A (ja) * 2005-07-08 2007-02-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多心光ファイバケーブル
JP2008304779A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバケーブル
KR20100093387A (ko) * 2009-02-16 2010-08-25 엘에스전선 주식회사 광대역에서 단일 모드 전송이 가능한 광섬유, 이를 이용한 광전송선 및 광통신 시스템
WO2024034636A1 (ja) * 2022-08-12 2024-02-15 住友電気工業株式会社 光ファイバの曲げ損失測定方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007041568A (ja) * 2005-07-08 2007-02-15 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多心光ファイバケーブル
JP2008304779A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバケーブル
KR20100093387A (ko) * 2009-02-16 2010-08-25 엘에스전선 주식회사 광대역에서 단일 모드 전송이 가능한 광섬유, 이를 이용한 광전송선 및 광통신 시스템
KR101627830B1 (ko) 2009-02-16 2016-06-08 엘에스전선 주식회사 광대역에서 단일 모드 전송이 가능한 광섬유, 이를 이용한 광전송선 및 광통신 시스템
WO2024034636A1 (ja) * 2022-08-12 2024-02-15 住友電気工業株式会社 光ファイバの曲げ損失測定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Himeno et al. Low-bending-loss single-mode fibers for fiber-to-the-home
JP4175259B2 (ja) 微細構造光ファイバとそれを用いた光ファイバテープ心線・光コネクタ・光ファイバアレイ・光接続部材
JP6486533B2 (ja) 光ファイバ
JP5330729B2 (ja) グレーデッドインデックス形マルチモード光ファイバ
AU613455B2 (en) Bend insensitive optical fibre
US8380030B2 (en) Bend-insensitive optical cable
WO2011114795A1 (ja) マルチコア光ファイバおよびその製造方法
JP2010061170A (ja) 光ファイバモジュール
JP2005017694A (ja) 光ファイバおよび光ファイバケーブル
JP6082875B2 (ja) 大有効面積を有する低減衰光ファイバ
JP4268115B2 (ja) シングルモード光ファイバ
JP7403574B2 (ja) 光ファイバ
CN113099726B (zh) 光纤
JPWO2015001990A1 (ja) マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブル
US11803007B2 (en) Optical fiber
JP2005181664A (ja) 光ファイバ及びこの光ファイバを用いたリボンスロット型光ファイバケーブル
US11808972B2 (en) Optical fiber
JP2006350265A (ja) 高非線形光ファイバ及び高非線形光ファイバモジュール
TWI787928B (zh) 光纖電纜
US20230393359A1 (en) Optical fiber cable
Chang et al. Space-efficient fiber ribbon composed of reduced-cladding single-mode fibers

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070615