JP2005181144A - 車両用ホイールリムの溶接部検出装置 - Google Patents

車両用ホイールリムの溶接部検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両用ホイールリムの溶接部を、汚れや傷等と誤検出することなく、適正に検出し得る車両用ホイールリムの溶接部選出装置を提案する。
【解決手段】 ホイールリム1の中心軸線に沿った外側で、開口周端9bと近接させて配設され、被写体を歪曲画像として写す魚眼レンズ17を具備し、該魚眼レンズ17により該開口周端9bから覗く、リムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10を単一な歪曲画像として写し、該歪曲画像から画像データFを生成する画像生成装置と、この画像データFから、所定の判定基準に従って、径方向に沿った暗色化部位31を判別し、該暗色化部位31を溶接部2として検出する溶接位置検出手段とを備えるようにした車両用ホイールリムの溶接部検出装置11である。これにより、汚れや傷等を誤検出することなく、溶接部を示す暗色化部位31を明確かつ容易に判別でき、溶接部2を正確に検出することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用ホイールリムの溶接部を検出する検出装置に関するものである。
車両用ホイールにあって、例えば、スチール製の自動車用ホイールは、ホイールリムの内周面に形成されたドロップ部に、ディスクのフランジ部を溶接して構成される、いわゆる2ピースタイプのものが主流となっている。このような2ピースタイプの自動車用ホイールにあって、ホイールリムは、略長方形の平板状基材を、その短辺同士を溶接することにより筒状基体を形成し、該筒状基体の内外両側から所定形状の金型で挟圧するロール成形によって、所定の形状に成形される。
このような自動車用ホイールの製造工程にあって、ホイールリムにはバルブ孔開け加工が行われ、さらに、ディスクを接合した後にエア漏れ検査が行われる。ここで、バルブ孔は溶接部を避ける位置に形成するようにしていること、またエア漏れ検査は溶接部で行われることから、溶接部の位置を明確に認識する必要がある。このため、ホイールリムの溶接部を検出する溶接部検出装置として、例えば、ホイールリムのリムフランジ部が周成された一方の開口周端から映る、該ホイールリムの内周面部を、CCDカメラ等により写して画像データを生成し、該画像データから明るさの低い部位を調べ、この部位を溶接部として検出するものが存在する。
一方、他の溶接部検出装置として、ホイールリム表面の渦電流の変化を渦電流センサによって検知して溶接部を検出するもの(例えば、特許文献1参照)、溶接する前に溶接位置から一定距離に刻印し、該刻印を振動センサで検知することによって溶接部を検出するもの(例えば、特許文献2参照)等も提案されている。
特開平9−280805号公報 特開平11−42903号公報
ところで、上記したCCDカメラ等により画像データを生成し、該画像データから溶接部を検出する溶接部検出装置にあっては、該CCDカメラに一般的な広角レンズが取り付けられて画像データを生成するものである。そして、このCCDカメラを、ホイールリムの開口周端を一度に写すことができるように、該開口周端から比較的離れた位置に配設している。これにより、ホイールリムの内周面部を単一な画像データとして生成し、溶接部の検出に要する時間を短縮している。ところが、広角レンズでは、例えば、自動車用のホイールリム1(図1参照)を開口周端9bから写した場合、図8に示すように、該開口周端9bから映る内周面部を平面的に写した画像データF’が生成されることとなる。このため、明るさの変化を判別する領域が、ビードシート部7bからリムフランジ部5bに立ち上がる部位40の内周面部(図1参照)、ビードシート部7bからドロップ部3に連成されたウエル部6bの内周面部のいずれか一方(図1参照)、又は、これら両方を写したところとなり、いずれにしても、比較的狭い領域が判定対象となる。したがって、他の部位に比して明るさの低い部位を判別するに充分な、明確な明るさの違いを画像データF’に生じさせることに限界があり、両者の区別化が適正に行われない場合も生じる。また、広角レンズの配設位置は、ホイールリムの開口周端から比較的離れているため、画像データ内の明暗差が不明瞭となる傾向にあり、汚れや傷、又は、リム上に存在する埃等と区別化することが難しい。このように、当該溶接部検出装置では、溶接部を誤検出したり、検出できない可能性が比較的高く、誤って検出した溶接部を基点として、バルブ孔開け加工が施された場合、不具合品を産出することとなる。
一方、上記した、渦電流センサによって検出する装置にあっては、ホイールリム表面に生じる渦電流の変化量の大きい部分を溶接部として検出するものであるため、リム表面に傷や傷の修正個所があると、これら部分で渦電流の変化が大きく、溶接部の検出が困難となる。さらに、検出中にあって、ホイールリムに振動等が加わっても、渦電流が変化することとなるため、誤検出することともなり得る。一方、上記の、予め設けた刻印を振動センサで検出する方法にあっては、リム表面の平滑度が悪い場合や、傷がある場合には、刻印の検出が難しく、該刻印と異なる部位を誤って検出するという問題がある。さらに、これら検出方法にあっては、ホイールリムを回転させ、その表面の比較的狭い領域を順次、渦電流センサ及び振動センサにより検知するようにしているものであるから、該回転で生ずる振動によってセンサの検知レベルを安定させることが難しく、溶接部を適正に検出するに限界がある。また、これらセンサが、回転するホイールリム表面で最初に検知した特異場所を溶接部位置として判断するようにしていることから、傷等を誤って溶接部と検出する可能性が非常に高いという問題もある。
本発明は、かかる上記問題点を解決し、ホイールリムの溶接部を適正に検出することができる車両用ホイールリムの溶接部検出装置を提案するものである。
本発明は、凸曲面形状のレンズ外曲面に映る像点を感光面に射影することにより、被写体を画像の中心から径外方向に向かって曲面状の歪みが増大する歪曲画像として写す魚眼レンズを具備し、該魚眼レンズを、ホイールリムの中心軸線に沿った外側で、リムフランジ部が周成された開口周端と近接させて配設し、該魚眼レンズにより、該開口周端から覗く、リムフランジ部からドロップ部までの内周面部を単一な歪曲画像として写し、該歪曲画像から画像データを生成する画像生成装置と、前記画像生成装置から入力された画像データから、所定の判定基準に従って、他の部位に比して明るさの低い、径方向に沿った暗色化部位を判別し、該暗色化部位を溶接部として検出する溶接位置検出手段とを備えていることを特徴とする車両用ホイールリムの溶接部検出装置である。ここで、このような魚眼レンズにあっては、被写体を写す画角を、感光面の対角線方向に約180度とするものや、約360度とするもの等とでき、一度に広範囲を歪曲画像として写し出し得る。そして、本発明の魚眼レンズとしては画角が約180度とするものを好適に用い得る。また、この魚眼レンズが近接されて配設される開口周端は、ホイールの意匠面側となる開口周端、裏面側となる開口周端のいずれであっても良い。但し、裏面側のビードシート部とドロップ部との間にレッジ部が形成された車両用ホイールリムの場合には、該裏面側となる開口周端に近接され、当該開口周端から覗くようにする構成が、生成される画像データに映る領域を広くできるため好適である。
一般的に、スチール等の金属は溶接による熱を受けると、この溶接部は酸化され、それ以外の部位に比して光を反射し難くなり、この他の部位に比して暗色化する。また、この暗色化した溶接部は、ホイールリムの軸方向に、該ホイールリムの形状に沿って形成されている。このようなホイールリムを、かかる構成にあっては、魚眼レンズを具備する画像生成装置により、開口周端から覗く内周面部を写した単一な歪曲画像から画像データを生成するようにしている。この魚眼レンズは、中心から径外方向に曲面状の歪みが増大するように写すことができるものであるから、ホイールリムの軸方向に形成される溶接部を、画像上で径方向に写し出すことができる。すなわち、ホイールリムの中心軸線とほぼ平行なビードシート部やドロップ部等の内周面部が、歪曲画像上で径方向に比較的広く写し出されることとなる。また、この魚眼レンズが、ホイールリムの中心軸線に沿った外側で開口周端に近接されて配設されていることから、該ホイールリムを周方向に亘ってほぼ等しく形態となるように写すことができる。さらに、ホイールリムのリムフランジ部からドロップ部までの比較的広い領域を単一な歪曲画像として写し得る。このような魚眼レンズを具備する画像生成装置によれば、明暗のはっきりした画像データを生成できると共に、該画像データに溶接部を径方向に沿って比較的長く写し出すことができる。このため、溶接位置検出手段は、この画像データを、他の部位に比して明るさの低くなった溶接部を示す暗色化部位と、この他の部位とを適正かつ容易に区別することができる。さらに、溶接部を示す径方向に沿って存在する暗色化部位と、点在する汚れや傷等により暗色化した部位との区別化も適正に行うことができるため、このような汚れや傷等を誤検出することを防ぎ得る。さらにまた、この溶接位置検出手段は、暗色化部位を判定する所定の判定基準を設定していることから、溶接部を示す暗色化部位を一層正しく特定することができる。而して、本発明の溶接部検出装置は、このように暗色化部位を適正に特定でき、当該暗色化部を溶接部として正確に検出することができる。
また、本画像生成装置は、魚眼レンズにより単一な歪曲画像を写し、これを画像データとして生成するようにしていることから、一個のホイールリムに対して生成される一つの画像データにより暗色化部位を判別することとなっている。このため、溶接部を示す暗色化部位を判別する判定基準を、より明確に設定することができ、暗色化部位の判別処理を簡素化することが可能となる。したがって、溶接部をより正確に検出できることとなり、汚れや傷等を誤検出することがない。さらに、上述した従来の、過電流センサや振動センサを利用した構成のように、検出中にホイールリムを回転させる機能も必要ないため、これら構成に比して、この溶接部を検出する工程を迅速に進行させることができる。
このように、本発明の溶接部検出装置によって溶接部が正確に検出されることにより、これ以降のバルブ孔開け加工工程やエア漏れ検査工程に、正しく溶接部位置が定められたホイールリムを移送することができる。このため、バルブ孔開け加工工程にあって、バルブ孔を誤って溶接部近隣に加工することがなく、このような不具合品の発生を防止できる。また、エア漏れ検査工程にあっても、エア漏れ検査が溶接部で確実に行われることとなり、不良品を見逃すことを防止できる。而して、ホイールリムの生産性が向上し、製造コストを低減できる。
このような溶接部検出装置にあって、ホイールリムの内周面とほぼ対向するように傾斜する傾斜周面に、円周方向に沿って多数の発光体をほぼ均等間隔で設けてなる環状発光装置を備え、該環状発光装置の中心に魚眼レンズを配備した構成が提案される。かかる構成により、ホイールリムの内周面を、円周方向に亘ってほぼ均一な明るさで照らすことができるから、暗色化部位と他の部位とを一層明確かつ容易に区別することができる。また、かかる構成では、ホイールリムの開口周端に近接する魚眼レンズの周囲に環状発光装置を配設するものであるから、該環状発光装置とホイールリムの内周面との距離が比較的短い。このため、発光体を強く発光させ、ホイールリムの内周面を高照度状態とすることができるから、汚れや傷等の明るさを高め、これらが目立たない画像データを生成することが可能である。而して、溶接部を一層正確に検出することができる。
ここで、環状発光装置に設けられた発光体が、発光ダイオードLEDであるとした構成が提案される。発光ダイオードLEDは、加電圧に応じて明るさが変化するものであるから、かかる構成にあっては、ホイールリムの内周面の照度を、適宜調整できることとなる。したがって、ホイールリムの大きさや形状に応じて、ホイールリムの内周面を最適な照度に調整することができ、暗色化部位を一層適正かつ容易に判別することができる。
また、上述した溶接位置検出手段が、画像入力装置から入力された画像データを、周方向に沿って所定の微小角度単位により微小弧部に分割して、連続する周方向の微小弧部間における明るさの変化量を算出処理し、変化量が所定の判定基準を満足した微小弧部を暗色化部位と判定し、該暗色化部位を溶接部として検出するようにした構成が提案される。このように、微小弧部間における明るさの変化量を周方向に沿って算出処理した場合、溶接部では、この明るさの変化量が、マイナス側(暗くなる方向)に急に変化し、その後、プラス側(明るくなる方向)に急に変化することとなり得る。したがって、このような変化が生じた微小弧部を暗色化部位として判別することにより、溶接部を的確に検出できるようにしている。ここで、汚れや傷等にあっては、明るさの変化量が比較的緩やかに減少又は増加したり、円周方向に幅広い間隔で変化する等の形態となるから、これらを誤検出することが防止できる。さらに、この暗色化部位を判別する判定基準として、例えば、マイナス側及びプラス側への変化量に基準値を設定し、この基準変化量を満足したか否かをも判定するようにしても良い。また、この判定基準として、例えば、マイナス側へ変化した微小弧部とプラス側へ変化した微小弧部との間隔(微小弧部数)も基準範囲を設定し、これを満足するか否かを判定するようにしても良い。さらには、微小弧部間の変化量が当該微小弧部の径方向長に所定長さ以上あることや、周方向で暗色化部位が一箇所だけ判別されていること等も判定基準として設定することができる。このように判定基準を複数設けることにより、溶接部を示す暗色化部位を一層適正に判別することができ得る。このような微小弧部間の変化量として、隣り合う微小弧部の明るさの差を用いる構成、隣り合う微小弧部間の明るさの変化率を用いる構成等、いずれとすることもできる。
一方、このような溶接位置検出手段が、ビードシート部から、ドロップ部に連成するウエル部までの内周面部の画像データを有効画像データとして抽出し、該有効画像データにより溶接部を検出するようにした構成が提案される。ここで、ビードシート部からウエル部までの内周面部は、その形状が比較的滑らかな領域であることから、該領域では明暗が一層際立つこととなり得る。すなわち、上述した魚眼レンズにより歪曲画像として写された、ビードシート部からウエル部までの内周面部では、溶接部が明瞭に表現される。したがって、このように有効画像データを抽出することにより、暗色化部を判別し易く、溶接部を一層正確に検出できる。
本発明は上述したように、ホイールリムの中心軸線に沿った外側で、開口周端と近接させて配設され、被写体を歪曲画像として写す魚眼レンズを具備し、該魚眼レンズにより、該開口周端から覗く、リムフランジ部からドロップ部までの内周面部を単一な歪曲画像として写し、該歪曲画像から画像データを生成する画像生成装置と、この画像データから、所定の判定基準に従って、径方向に沿った暗色化部位を判別し、該暗色化部位を溶接部として検出する溶接位置検出手段とを備える車両用ホイールリムの溶接部検出装置であるから、汚れや傷等を誤検出することなく、溶接部を示す暗色化部位を明確かつ容易に判別でき、溶接部を正確に検出することができる。さらに、溶接部の検出が正確に行われることから、バルブ孔加工位置の不具合を防止できると共に、溶接部のエア漏れによる不具合を見逃すこともなくなるため、ホイールリムの生産性を一層向上させることができる。
このような溶接部検出装置にあって、ホイールリムの内周面とほぼ対向するように傾斜する傾斜周面に、円周方向に沿って多数の発光体をほぼ均等間隔で設けてなる環状発光装置を備え、該環状発光装置の中心に魚眼レンズを配備した構成にあっては、ホイールリムの内周面を、円周方向に亘ってほぼ均一な明るさで照らすことができ、暗色化部位の判別を一層明確かつ容易に行うことができる。また、ホイールリムの内周面を高照度状態とすることができるため、汚れや傷等が目立たない画像データを生成することが可能となり、溶接部を一層正確に検出できる。
上述した環状発光装置に設けられた発光体が、発光ダイオードLEDであるとした構成にあっては、ホイールリムの内周面の照度を、ホイールリムの大きさや形状に応じて、最適な状態となるように調整でき、暗色化部位を一層適正かつ容易に判別することができる。
また、上述した溶接位置検出手段が、画像入力装置から入力された画像データを、周方向に沿って所定の微小角度単位により微小弧部に分割して、連続する周方向の微小弧部間における明るさの変化量を算出処理し、変化量が所定の判定基準を満足した微小弧部を暗色化部位と判定し、該暗色化部位を溶接部として検出するようにした構成にあっては、溶接部で生じる明るさの変化を、確実にとらえることができ、該溶接部を示す暗色化部位を正しく判別することができる。また、汚れや傷等で生じる明るさの変化と明確に区別することが可能であるから、これらの誤検出を防止できる。
また、上述した溶接位置検出手段が、ビードシート部から、ドロップ部に連成するウエル部までの内周面部の画像データを有効画像データとして抽出し、該有効画像データにより溶接部を検出するようにした構成にあっては、明暗がはっきりした領域で暗色化部位を判別することにより、該暗色化部位を一層適正に判別できることとなる。
本発明の一実施形態例を添付図面を用いて詳述する。
本実施形態例にあっては、車両用ホイールとして、スチール製の自動車用ホイールについて例示している。図1は、その内周面にホイールディスク(図示せず)を内嵌してなる2ピースタイプの自動車用ホイールリム1の縦断面図である。このホイールリム1にあって、両側の開口周端9a,9bにタイヤのサイドウォール部を支持するリムフランジ部5a,5bが形成され、そのホイール軸方向内側に、タイヤのビードを着座させるビードシート部7a,7bが夫々に隣接されている。さらに、ホイール意匠面側に設けられたビードシート部7aのホイール軸方向内側には、タイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部3が、該ドロップ部3からホイール径方向に立ち上がったウエル部6aを介して設けられている。そして、このドロップ部3のホイール裏面方向には、ウエル部6bを介してレッジ部4が連成されている。
ここで、ホイールリム1は、図示しない製造工程によって成形される。この製造工程にあっては、所定の略長方形状としたスチール製の板状基材を、その短辺同士を突合せ溶接により接合して円筒形とする。次に、その両開口縁の開口度を拡大させるフレアー加工を行った後、所定の金型を内外から挟圧するロール加工により所定形状を形成し、さらに真円形状に整えるエキスパンダー加工を行って、所望のホイールリム1が成形されることとなる。
このように成形したホイールリム1は、上記の突合せ溶接された溶接部2を検出する検出工程に移送され、該溶接部2の位置を特定された後、バルブ孔開け加工工程に移送され、さらにホイールディスク(図示せず)と接合された後にエア漏れ検査工程に送られる。ここで、検出工程にあっては、図2に示す、本発明にかかる車両用ホイールリムの溶接部検出装置11により、ホイールリム1の溶接部2を検出する。
以下、この溶接部検出装置11を詳細に説明する。
この溶接部検出装置11にあっては、図2に示すように、搬送コンベア(図示省略)により順次移送されたホイールリム1を、所定の検出位置で固定する位置決め装置13と、該位置決め装置13で固定されたホイールリム1の内周面を照光する環状発光装置15と、魚眼レンズ17(図3参照)が取り付けられた検出カメラ16とが配設されてなる。ここで、検出カメラ16は、所定の検出位置で固定されたホイールリム1の中心軸線mに沿った上方の、該ホイールリム1のリムフランジ部5bが周成された開口周端9bと近接する高さに配置されている。そして、検出カメラ16に取り付けられた魚眼レンズ17の周囲に、前記環状発光装置15が配設されている。また、この検出カメラ16は、当該溶接部検出装置11を統括的に制御する検出制御装置12に接続されている。この検出制御装置12は、検出カメラ16に画像データを生成する指示信号を発信すると共に、該画像データを検出カメラ16から入力して溶接部2を検出する検出処理を実行する。また、この検出制御装置12には、発光電源14を介して前記環状発光装置15が接続されており、該環状発光装置15のON−OFF制御及び、加電圧の調整制御を行っている。
さらに、検出制御装置12には、前記位置決め装置13がシーケンサ18を介して接続されている。このシーケンサ18は、検出制御装置12の指示により、図示しない駆動装置により進退作動する回動支持ローラ19aを退避位置から固定位置に進出作動させることにより、搬送コンベアにより間欠的に移送されたホイールリム1を、所定位置に固定された二個の回動支持ローラ19bと共に、該ホイールリム1の外周面に周方向三箇所で当接させて固定する。ここで、ホイールリム1が固定される検出位置は、該ホイールリム1の中心軸線mが常にほぼ同じ位置となるように設定されている。さらに、この位置決め装置13は、溶接部2を検出した後、該溶接部2がホイールリム1の周方向で所定の溶接部設定位置nとなるように、回動支持ローラ19a,19bを回動して該ホイールリム1を回転させる回動機能も有している。
また、上述した検出カメラ16にあっては、図3に示すように、魚眼レンズ17が取り付けられている。ここで、魚眼レンズ17は、凸曲面形状のレンズ外曲面20を有し、該レンズ外曲面20に映る像点を感光面に射影することにより、被写体を、画像の中心から径外方向に向かって曲面状の歪みが増大する歪曲画像21として写すようにしたものである。そして、本実施形態例では、魚眼レンズ17を、約180度の画角を有するものとしている。このように、この検出カメラ16は、被写体を、魚眼レンズ17によって歪曲画像21として写し、該歪曲画像21をデータ変換器22により画像データF(図6参照)として生成するものである。そして、生成された画像データFは、上述した検出制御装置12に入力されることとなる。
このような検出カメラ16は、上述したように、本実施形態例にあって、ホイールリム1の中心軸線mに沿った上方に、ホイールリム1の開口周端9bに近接して配置している(図1、図4参照)。この魚眼レンズ17は、約180度の画角を有しているものであるから、ホイールリム1を、その開口周端9bの外側から単一の歪曲画像として写すことができる。したがって、ホイールリム1の開口周端9bから覗き、該ホイールリム1のリムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10を歪曲画像として写し得る。そして、この歪曲画像が、上述のように、画像データとして生成されることとなる。この検出カメラ16は、ホイールリム1のリム幅が同じ場合には、リム径が異なるものでも同じ配設位置で同様に内周面部10を写すことができ、リム幅が大きい場合のみ、該リム幅に応じて配設位置を高くする。尚、魚眼レンズ17の配置される高さ位置は、上述した従来の、広角レンズを用いた場合に比して、著しく低い位置となる。
また、上述した環状発光装置15にあっては、図4に示すように、ホイールリム1のリムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10とほぼ対向するように傾斜する傾斜周面25に、円周方向に沿って多数の発光体26がほぼ均等間隔で設けられている。ここで、傾斜周面25は、中心から外方向に拡がるように傾斜する面形状となっている。
このため、魚眼レンズ17の周囲に配設され、ホイールリム1の開口周端9bに近接して配設されていても、当該環状発光装置15は、その傾斜周面25にほぼ対向する該ホイールリム1の内周面部10を、周方向に亘ってほぼ同じ照度で照らすことができる。さらに、この環状発光装置15の発光体26とホイールリム1の内周面部10との距離が近いことから、該発光体26を強く発光させた場合にあっても、周囲からの光の乱反射による影響が小さく、該内周面部10を適正に照らすことができる。このため、ホイールリム1の内周面部10を高照度状態として、汚れや傷等の明るさを高め、これらを画像データ上で目立たなくすることができる。尚、環状発光装置15は、内周面部10に局部的な影や照度差が生じることのないように、傾斜周面25の傾斜角、発光体26の配設パターン等を設定する。
このような環状発光装置15に設けられる発光体26として、本実施形態例にあっては、発光ダイオードLEDを用いている。発光ダイオードLEDは、加える電圧量に応じて明るさが変化することから、ホイールリム1の内周面部10の照度を容易に調整することが可能である。したがって、この発光体26は、ホイールリム1の形状や大きさに応じて、明るさを適宜調整し、ホイールリム1の内周面部10を最適な照度状態とすることができ得る。
また、上述した検出制御装置12にあっては、中央演算装置CPU(図示せず)、記憶装置RAM(図示せず)及び記憶装置ROM(図示せず)等を配する基板回路(図示せず)を備える、いわゆるコンピュータ制御装置によって構成されている(図2参照)。この検出制御装置12の記憶装置ROMには、検出カメラ16と位置決め装置13とを制御作動させる作動プログラムと、検出カメラ16が生成した画像データF(図6参照)からホイールリム1の溶接部2を検出する検出処理プログラムとが備えられている。また、記憶装置RAMは、必要なデータを随時読み書き可能とするものであり、検出カメラ16から入力した画像データ等が一時記憶される。そして、この検出制御装置12の基板回路は、画像データ等を受信する入力ポート及び、作動指令等を送信する出力ポートを介して、上述した位置決め装置13、検出カメラ16、環状発光装置15と夫々に接続されている。
このような検出制御装置12は、上述した位置決め装置13、環状発光装置15、検出カメラ16を夫々に作動制御する作動プログラムと、該検出カメラ16から入力した画像データFから、ホイールリム1の溶接部2を検出する検出処理プログラムとを実行することにより溶接部検出処理を行うものである。ここで、検出処理プログラムとしては、先ず、検出カメラ16から入力した画像データFに、ホイールリム1の対角線x,xを二本定め、この二本の交点を中心位置pとして決める(図6参照)。そして、この中心位置pを基準として、画像データFから、ホイールリム1のビードシート部7bからウエル部6bまでの内周面部を有効画像データfとして抽出する(図7参照)。さらに、この有効画像データfに、周方向の基準位置を定める。ここで、この基準位置は、この溶接部検出処理によって溶接部2を配置させる、上述した溶接部設定位置nとして設定しており、常に周方向で同じ位置となるようにしている。そして、基準位置とした溶接部設定位置nから所定の微小角度単位によって、この有効画像データfを微小弧部30に分割する。そして、周方向に沿って連続する微小弧部30間の明るさの変化量を順次算出する。尚、この明るさの変化量は、隣り合う微小弧部間の明るさの差としている。ここで、検出処理プログラムにあって、暗色化部位31を判別する判定基準として、明るさの変化量を判定する変化量基準値と、微小角度の基準合計から暗色化部位31の周方向幅を判定する基準角度値とを設定している。そして、明るさ変化量が、前記変化量基準値を満足する、マイナス変化する位置の微小弧部30xと、プラス変化する位置の微小弧部30yとを見つけると、これらの間の微小角度を合計した暗色化角度θを算出する。この暗色化角度θが、前記基準角度値を満足しているか否かを判定し、満足していた場合には、微小弧部30xと微小弧部30yとの間を暗色化部位31として判別する。さらに、この暗色化部位31の、前記溶接部設定位置nに対する位置角度φを算出する。尚、前記の判定基準として、微小弧部30の明るさが径方向に所定長さ以上在ること、前記した変化量基準値と基準角度値とを満足する箇所が周方向に一箇所であること等も設定されており、暗色化部位31の判定に用いられている。このようにして判別した暗色化部位31を、溶接部2として検出するようにしている。
さらに、このように検出した溶接部2が、溶接部設定位置nに在るか否かを判定する。すなわち、上述した暗色化部位31の位置角度φが、溶接部設定位置nに対して所定の角度範囲内に在るか否かを判定する処理を行う。ここで、所定の角度範囲内に在る場合には、溶接部検出装置11による溶接部検出処理を終了する。一方、所定の角度範囲内にない場合には、溶接部2が溶接部設定位置nとなるように、作動プログラムに従ってシーケンサ18を作動させ、位置決め装置13により、前記暗色化部位31の位置角度φだけホイールリム1を回動させる。この後、再度、上述した検出処理プログラムを実行し、溶接部2が溶接部設定位置nに在ることを確認すると、溶接部検出処理を終了する。
一方、上述した溶接部2を検出する溶接部検出処理にあって、上述した判定基準を満足できず、暗色化部位31を判別できない場合には、不具合品として、この溶接部検出装置11から排出する。これにより、製造ラインから取り出し、次の工程に進むことが無いようにしている。また、ホイールリム1が位置決め装置13上で確認できない場合や、上記の環状発光装置15の発光不足等による画像データの不良等のような機械的な不具合である場合には、検出エラーとする。この検出エラーとなった場合には、例えば、溶接部検出装置11の作動確認をする等、原因に応じて所定の対応が施されることとなる。
次に、上述した溶接部検出装置11によってホイールリム1の溶接部2を検出する溶接部検出処理の過程を、図5に示すフロー図に従って説明する。
搬送コンベアによって位置決め装置13にホイールリム1が移送されると、検出制御装置12は作動プログラムに従ってシーケンサ18を作動させることにより、回動支持ローラ19aを進出作動させ、該ホイールリム1を所定の検出位置に固定する。
さらに、作動プログラムに従って、発光電源14から加電圧することにより、環状発光装置15の発光体26を発光させる。ここで、発光ダイオードLEDからなる発光体26には、発光電源14から高い電圧が加わり、該発光体26を強く発光させるようにしている。これにより、ホイールリム1のリムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10を高照度状態としている。このため、この内周面部10に汚れや傷等が存在した場合にも、これらの明るさが高まり、目立たなくなる。尚、この発光電源14から加わる電圧量は、ホイールリム1の形状及び大きさ等に応じて予め定めている。
この後、作動プログラムに従って、検出カメラ16により、ホイールリム1を裏面側の開口周端9bから覗く、リムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10を単一な歪曲画像として写し、該歪曲画像から画像データFを生成する(図6参照)。ここで、検出カメラ16は、配備されている魚眼レンズ17によって、上述したように、ホイール軸方向とほぼ平行となるビードシート部7bやレッジ部4をも径方向に歪んだ画像として写し出される歪曲画像として、前記内周面部10を写している。
そして、検出カメラ16により生成された画像データが検出制御装置12に入力されると、該検出制御装置12では、検出処理プログラムを実行する。先ず、入力された画像データFに、当該ホイールリム1の中心位置pを定める(図6参照)。この中心位置pに基づき、リムフランジ部5bからドロップ部3までの内周面部10が写された画像データFから、ビードシート部7bからウエル部6bまでの内周面部が表された有効画像データfを抽出する(図7参照)。そして、この有効画像データfを、溶接部設定位置nから周方向に沿って所定の微小角度単位で分割し、多数の微小弧部30をつくる処理を行う。ここで、各微小弧部30毎に、明るさを有効画像データfから算出する。この後、各微小弧部30の明るさを、前記溶接部設定位置nから順に、連続する二個の微小弧部30がそれぞれ有する明るさの差を算出することにより、明るさの変化量を求める。そして、この変化量の絶対値が予め定めた変化量基準値より高いか否かを判定する。この時、変化量基準値より低い場合には、次の微小弧部間の変化量を算出する。一方、変化基準量より高くなった場合には、この微小弧部30xを暗色化開始位置として設定し、次の微小弧部30間の変化量を算出する処理を継続する。そして、再び、微小弧部30間の明るさの変化量が変化量基準値より高くなると判定された場合には、この微小弧部30yを暗色化終了位置として設定する。さらに、この暗色化終了位置の微小弧部30yと、前記暗色化開始位置の微小弧部30xとの間に存在する複数の微小弧部30から、これらの微小角度を合計した暗色化角度θを算出する。この暗色化角度θが、予め定めた基準角度値の範囲内であるか否かを調べ、範囲内であると、微小弧部30xから微小弧部30yまでを暗色化部位31として判別する。さらに、この暗色化部位31の、溶接部設定位置nに対する周方向位置を、位置角度φとして算出する。
このように暗色化部位31を一旦判別した後も、順次、上述した微小弧部30間の明るさ変化量を算出して判定する処理を継続し、有効画像データfの周方向全体について実行する。尚、ここで、さらに暗色化部位31が判別された場合も、それぞれの暗色化部位31を記憶しておく。そして、有効画像データfの全ての微小弧部30について、明るさの変化量の算出と判定とが終了すると、判別された暗色化部位31が該有効画像データfに一箇所だけ存在するか否かを調べる。ここで、暗色化部位31が一箇所である場合には、当該暗色化部位31を溶接部2として検出する。一方、暗色化部位31を判別できなかった場合や、前記のように複数の暗色化部位31を判別した場合には、検出処理プログラムを終了し、当該ホイールリム1を不具合品と仮定して、溶接部検出装置11から排出する。
上述のように溶接部2が検出された場合には、この溶接部2の位置を表す位置角度φが、溶接部設定位置nに対して所定の角度範囲内に在るか否かを判定する。ここで、位置角度φが前記角度範囲内に在る場合は、この検出処理プログラムを終了し、このホイールリム1は次工程に移送される。一方、溶接部2が前記角度範囲内にない場合には、検出処理プログラムを終了して、作動プログラムに従ってシーケンサ18を作動させることにより、溶接部2が溶接部設定位置nとなるように、回動支持ローラ19a,19bを回動させ、位置決め装置13上にある当該ホイールリム1を位置角度φに基づき回転させる。この後、再び検出処理プログラムを実行し、改めて暗色化部位31を判別して溶接部2を検出する。そして、この溶接部2が溶接部設定位置nに対して所定の角度範囲内に在ることを確認し、当該ホイールリム1は次工程に移送される。尚、この溶接部2が前記角度範囲内にない場合には、再び回動支持ローラ19a,19bを回動した後、検出処理プログラムを再実行する。ここで、本実施形態例にあっては、溶接部2が、溶接部設定位置nに対して所定の角度範囲内にないことが三回判定された場合には、当該ホイールリム1を不具合品と仮定して、溶接部検出装置11から排出する。
このように溶接部2が溶接部設定位置nに定められ、当該ホイールリム1が次工程に移送されると、溶接部検出装置11によるホイールリム1の溶接部2を検出する溶接部検出処理が終了する。そして、次のホイールリム1が、搬送コンベアによって位置決め装置13上に移送されると、新たな溶接部検出処理が開始される。
上述したように、本実施形態例の溶接部検出装置11にあっては、魚眼レンズ17が配備された検出カメラ16により、ホイールリム1の内周面部10を画像データFとして生成できることから、溶接部2を検出する有効画像データfを、該ホイール軸方向に沿った広い領域で設定できる。このため、有効画像データfが明暗のはっきりとしたデータであると共に、溶接部2を示す暗色化部位31を径方向に比較的長い状態で写されることとなり、該暗色化部位31を判別し易い。また、環状発光装置15に配設された発光体26を強く発光され、前記内周面部10を高照度状態とすることにより、汚れや傷等を目立たなくすることができる。而して、汚れや傷等を誤検出することなく、溶接部2を正確かつ容易に検出できる。また、溶接部2を確実に、ホイールリム1の周方向で溶接部設定位置nに位置させることができるから、次工程以降で不具合が発生することが防がれる。すなわち、次工程のバルブ孔開け加工工程によって、適切な位置にバルブ孔加工が施されることとなる。さらに、エア漏れ検査工程にあっても、溶接部2で検査が行われることとなる。したがって、溶接部2を誤って検出することによって生じる、バルブ孔位置不良や、エア漏れ検査不良等の不具合品が発生することを防止できる。
ここで、上述した従来の、通常の広角レンズを用い、同じ自動車用ホイールリム1を、開口周端9bの外側から単一な画像データF’として生成して溶接部2の検出を行った。ここで、画像データF’では、溶接部2を判定する領域を、ビードシート部7bからリムフランジ部5bに立ち上がる部位40の内周面部と、ビードシート部7bからドロップ部3に連成されたウエル部6bの内周面部とした(図8参照)。尚、広角レンズにより写される画像データF’(図8参照)と、本発明の魚眼レンズ17により写される画像データF(図6参照)を比較すると、本発明の画像データFの方がホイールリム1の内周面を広く写し出していることが明らかである。そして、本実施形態例の溶接部検出装置11を用いた場合と、前記広角レンズを用いた場合との不具合品の発生割合を、ホイールリム1を生産する製造ラインで、約3ヶ月間に亘って比較した。この結果、従来不具合品の発生率が約10%だったのに対して、本発明にかかる溶接部検出装置11では発生しなかった。したがって、本溶接部検出装置11により、不具合品発生による製造コストの向上が無く、ホイールリム1の生産効率が向上するという優れた効果を発揮することが実証された。
上述した実施形態例にあっては、検出処理プログラムが、円環状の有効画像データfを微小弧部に分割して明るさの変化量を算出して判定するようにした構成であるが、その他の構成として、有効画像データfを溶接部設定位置nから開いて帯状化し、この帯状データを微小角度に対応する微小幅部毎に分割して暗色化部を判別するようにしても良い。この構成にあっても、微小弧部と同様の微小幅部間の明るさの変化量を算出していくこととなり、上述した実施形態例と同じように正確かつ容易に溶接部2を検出することができる。
上述したように、本実施形態例にあっては、検出カメラ16を、ホイールリム1の中心軸線mに沿った上方に、ホイールリム1の開口周端9bに近接させて固定配置した構成であるが、その他の構成として、間欠的に移送されてくるホイールリム1に応じて、検出カメラ16を上下方向に移動させ、魚眼レンズ17をホイールリム1の開口周端9bとほぼ同じ水平面位置となるように下降させた位置で、該ホイールリム1の画像データを生成するようにした構成とすることもできる。ここで、魚眼レンズ17は、上述したように、約180度の画角を有しているものであるから、ホイールリム1の開口周端9bとほぼ同じ水平面位置に配置しても、該ホイールリム1を単一な歪曲画像として写すことが可能である。このため、上述した実施形態例と同様に、暗色化部位31を適正かつ容易に判別でき、正確に溶接部2を検出することができる。但し、この構成では、検出カメラ16を上下方向に移動させる駆動装置が必要であるため、上述した実施形態例の構成が、自動車用ホイールリム1の溶接部検出装置11には好適であると言える。
このように本発明の溶接部検出装置11は、自動車用ホイールリム1に代表されるような、略円筒形状の車両用ホイールリムを製造する製造ラインで好適に利用でき、上述のように正確かつ容易に溶接部2を検出することができるものである。そして、本実施形態例のスチール製ホイールリム1だけでなく、溶接部2が形成されるアルミニウム製やマグネシウム製などのホイールリムにも適宜使用することができる。
自動車用ホイールリム1の縦断面図である。 本発明にかかる、自動車用ホイールリム1の溶接部検出装置11の具体例を示す構成図である。 本発明の画像生成装置である、検出カメラ16を表す概略図である。 検出カメラ16及び環状発光装置15と、ホイールリム1の開口周端9bとの位置関係を表す説明図である。 検出処理プログラムによる、溶接部2の検出処理過程を表すフロー図である。 検出カメラ16により生成された画像データFを表す説明図である。 検出処理プログラムにより、有効画像データfを微小弧部30に分割した処理内容を表す拡大説明図である。 従来の広角レンズにより生成された画像データF’を表す説明図である。
符号の説明
1 ホイールリム
2 溶接部
3 ドロップ部
5a,5b リムフランジ部
6a,6b ウエル部
7a,7b ビードシート部
9a,9b 開口周端
11 溶接部検出装置
15 環状発光装置
16 検出カメラ
17 魚眼レンズ
25 傾斜周面
26 発光体
30 微小弧部
31 暗色化部位
F 画像データ
f 有効画像データ


Claims (5)

  1. 凸曲面形状のレンズ外曲面に映る像点を感光面に射影することにより、被写体を画像の中心から径外方向に向かって曲面状の歪みが増大する歪曲画像として写す魚眼レンズを具備し、該魚眼レンズを、ホイールリムの中心軸線に沿った外側で、リムフランジ部が周成された開口周端と近接させて配設し、該魚眼レンズにより、該開口周端から覗く、リムフランジ部からドロップ部までの内周面部を単一な歪曲画像として写し、該歪曲画像から画像データを生成する画像生成装置と、
    前記画像生成装置から入力された画像データから、所定の判定基準に従って、他の部位に比して明るさの低い、径方向に沿った暗色化部位を判別し、該暗色化部位を溶接部として検出する溶接位置検出手段と
    を備えていることを特徴とする車両用ホイールリムの溶接部検出装置。
  2. ホイールリムの内周面とほぼ対向するように傾斜する傾斜周面に、円周方向に沿って多数の発光体をほぼ均等間隔で設けてなる環状発光装置を備え、該環状発光装置の中心に魚眼レンズを配備したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイールリムの溶接部検出装置。
  3. 環状発光装置に設けられた発光体が、発光ダイオードLEDであることを特徴とする請求項2に記載の車両用ホイールリムの溶接部検出装置。
  4. 溶接位置検出手段が、画像入力装置から入力された画像データを、周方向に沿って所定の微小角度単位により微小弧部に分割して、連続する周方向の微小弧部間における明るさの変化量を算出処理し、変化量が所定の判定基準を満足した微小弧部を暗色化部位と判定し、該暗色化部位を溶接部として検出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用ホイールリムの溶接部検出装置。
  5. 溶接位置検出手段が、ビードシート部から、ドロップ部に連成するウエル部までの内周面部の画像データを有効画像データとして抽出し、該有効画像データにより溶接部を検出するようにしていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用ホイールリムの溶接部検出装置。
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