JP2005180288A - 始動装置を備えた内燃機関 - Google Patents

始動装置を備えた内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】 未燃燃料が大気に放出されることを防止する始動装置を備えた内燃機関を提供する。
【解決手段】 アイドリング・ストップ制御が開始されると(ステップS20)、機関の停止直前に燃焼室内に燃料が噴射され、ピストンが所定の位置に停止されるように、ECUは燃料噴射弁やモータジェネレータを制御する。その後、ECUは、機関再始動条件が成立するまでに、イグニションスイッチがオフにされるか否かを監視する(ステップS30,ステップS40)。そして、機関再始動条件が成立することなく、イグニションスイッチがオフにされた場合には、ECUは、適時のタイミングで、未燃混合気処理制御を行う(ステップS60)。すなわち、ECUは、機関停止の際に燃焼室1内に供給された燃料を含む混合気を、掃気する制御を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、始動装置を備えた内燃機関に関するものである。
従来、例えば信号待ちで自動車を停止させている間、機関を停止させておき、自動車を発進させる際に機関を再始動させる、いわゆるアイドリング・ストップシステムに関する技術が知られている。そして、かかるアイドリング・ストップシステムにおいて、機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、当該燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかる技術によれば、自動車を停車させる場合には、その後の運転状況に拘わらず、燃焼室内に燃料が供給されることになる。そのため、自動車を停車して、イグニションスイッチをオフにした場合には、燃焼室内に燃料が溜められたままとなる。そして、その後、イグニションスイッチをオンにすると、通常のスタータモータのみによる機関始動がなされる。従って、燃焼室内に溜められていた燃料が、未燃のまま大気に放出されてしまうおそれがある。
その他に、本願発明に関連する技術としては、例えば、特許文献2,3に開示されたものがある。
特開2002−4985号公報 特開平8−189341号公報 特開平6−336915号公報
本発明の目的は、未燃燃料が大気に放出されることを防止することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、機関始動の際に燃焼させるために供給しておいた燃料が、機関始動時(再始動時を含む。以下同様)に燃焼されないまま燃焼室の外に排出されてしまうと予測される場合には、燃焼室内を掃気して、燃料が大気に放出されることを防止する構成を採用した。
より具体的な本発明の始動装置を備えた内燃機関としては、
機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合に、燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
ここで、前記予測手段による予測方法としては、例えば、次の方法がある。
(1.イグニションスイッチがオフにされた場合(イグニションスイッチのオフ信号が検出された場合))
この場合、その後、イグニションスイッチがオンにされ、スタータモータのみによる機関始動がなされる。すると、燃焼室内に溜められていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出される。従って、イグニションスイッチがオフにされた場合には、その後に燃焼室内に溜められていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測される。
(2.機関停止時に燃焼室内に燃料を供給してからの経過時間,サイドブレーキが効いてからの経過時間,あるいは変速機における変速レバーが駐車位置に入れられてからの経過時間が、所定時間を越えた場合(なお、所定時間は、予め固定された固定値であってもよいし、環境等に応じて変動する変動値であってもよい))
また、前記制御手段により燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側に掃気させる場合には、吸気弁を開く必要があるが、吸気弁を開く方法としては、始動電動機によりクランク軸を回転させたり、可変動弁システムによりカム軸を回転させたりすることで、吸気弁を開くことができる。
本発明の構成によれば、機関を始動(再始動を含む。以下同様)する際に燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測される場合には、当該燃料を含む混合気は吸気側に掃気される。従って、機関停止後、次に機関を始動する際に、燃料が未燃のまま排気側に排出されることが防止、又は抑制される。
また、他のより具体的な本発明の始動装置を備えた内燃機関としては、
機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
機関から排出された排気を浄化する浄化手段と、
機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断された場合に、燃焼室内の燃料を含む混合気を排気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
ここで、前記予測手段による予測方法に関しては、上記の通りである。
また、浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されるか否かの判断方法としては、例えば、次の方法がある。すなわち、浄化手段が、所定温度以上で活性化する触媒(例えば、酸化触媒や三元触媒)である場合には、当該触媒が上記所定温度以上のときに、浄化機能が所定以上発揮されると判断できる。そして、機関停止後における触媒の温度の推移はある程度予測されるため、機関停止後の経過時間によって、浄化手段(触媒)による浄化機能が所定以上発揮されるか否かを判断することが可能である。勿論、当該触媒の温度を直接的又は間接的に測定した温度から、浄化手段(触媒)による浄化機能が所定以上発揮されるか否かを判断することも可能である。
また、前記制御手段により燃焼室内の燃料を含む混合気を排気側に掃気させる場合には、排気弁を開く必要があるが、排気弁を開く方法としては、始動電動機によりクランク軸を回転させたり、可変動弁システムによりカム軸を回転させたりすることで、排気弁を開くことができる。
本発明の構成によれば、機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測される場合であって、浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断された場合には、当該燃料を含む混合気は排気側に掃気される。これにより、当該燃料は浄化手段によって浄化される。従って、機関停止後、次に機関を始動する際に、燃料が未燃のまま大気に排出されることが防止される。
また、他のより具体的な本発明の始動装置を備えた内燃機関としては、
機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
機関から排出された排気を浄化する浄化手段と、
機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断された場合には、燃焼室内の燃料を含む混合気を排気側に掃気させ、
該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されないと判断された場合には、燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
ここで、前記予測手段による予測方法,浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されるか否かの判断方法、及び制御手段による燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側あるいは排気側に掃気させる方法に関しては、上記の通りである。
本発明の構成によれば、機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測される場合には、浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断されれば、当該燃料を含む混合気は排気側に掃気され、浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されないと判断されれば、当該燃料を含む混合気は吸気側に掃気される。従って、機関停止後、次に機関を始動する際に、燃料が未燃のまま大気に排出されることが防止される。
また、上述したいずれかの内燃機関において、
クランク軸を回転駆動させる電動機を備え、
機関停止時には、圧縮行程の途中の状態で燃焼室内に燃料を溜めておき、
機関を始動する際には、前記電動機によってピストンが上死点近傍に至るまでクランク軸を回転させた時点で、前記燃料を燃焼させると好適である。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、未燃燃料が大気に放出されることを防止できる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1〜図4を参照して、本発明の実施例に係る始動装置を備えた内燃機関について説明する。図1は本発明の実施例に係る始動装置を備えた内燃機関のブロック構成図である。図2はアイドリング・ストップ制御を行う際の機関の動作説明図である。図3は本発明の実施例に係る始動装置を備えた内燃機関における動作の流れを示すフローチャートである。図4は図3の一部の詳細を示すフローチャートである。
<始動装置を備えた内燃機関の全体構成>
特に、図1を参照して、始動装置を備えた内燃機関の全体構成について説明する。なお、図1においては、各部のシステムを制御するECU(制御手段),各種センサ,電源(バッテリ)、及びこれらを電気的に接続する配線については省略している。
本実施例に係る始動装置を備えた内燃機関は、ピストンやシリンダを備える機関本体10と、バッテリを充電する機能及び充電した電気を利用して回転駆動力を発生する機能を有するモータジェネレータ(MG)20と、機関を始動させるためのスタータ30と、機関の動力を負荷に応じたトルク又は回転速度に変換する変速機40と、モータジェネレータ20から機関本体10に備えられたクランク軸に、あるいはその逆に、駆動力を伝達するベルト50とを備えている。また、機関本体10には、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁11や、イグニションコイルを駆動するイグナイタ(パワートランジスタユニット)12なども備えられている。
<アイドリング・ストップシステム>
本実施例に係る内燃機関は、例えば、信号待ちで自動車を停止させている間、機関を停止させておき、自動車を発進させる際に機関を再始動させる、いわゆるアイドリング・ストップシステムを採用している。図2を参照して、アイドリング・ストップ制御が行われる際における、内燃機関の動作の一例を説明する。図中、1は燃焼室、2はピストン、3はシリンダ、4は吸気弁、5は排気弁、6はクランク軸、7はモータジェネレータ20の回転軸、8は点火プラグ、9は排気を浄化する浄化手段としての触媒である。なお、11,50は、上記の通り、それぞれ燃料噴射弁,ベルトである。
図2A,Bは機関を停止させる際の様子を示している。なお、機関停止時の動作制御は、所定の停止条件が成立したときに、ECUにより行われる。ここで、所定の停止条件としては、例えば、以下に列挙するものの中から、適宜、単独であるいは2以上の組み合わせで選択することができる。すなわち、車速が0になったこと,変速レバーが中立位置(ニュートラル)や駐車位置(パーキング)になったこと,ブレーキが踏まれたこと,サイドブレーキが効いたことなどである。
図2Aは機関停止直前の機関の様子を示している。機関が停止される場合には、機関停止直前に、吸気弁4が開いた状態で、燃料噴射弁11により燃焼室1内に燃料が噴射される。このとき、適宜、モータジェネレータ20による回転駆動力が付加されて、ピストン2の動作が制御される。
図2Bはピストン2の停止位置を制御する際の様子を示している。ピストン2は、モータジェネレータ20によって、圧縮行程の途中の位置で停止されるように制御される。具体的には、機関の再始動を行う際に必要なトルクが小さくなるように、クランク角度が上死点よりも60〜90度手前となる位置でピストン2が停止するように制御される。
図2C,Dは機関を再始動させる際の様子を示している。なお、機関の再始動時の動作制御は、所定の再始動条件が成立したときに、ECUにより行われる。ここで、所定の再
始動条件としては、例えば、以下に列挙するものの中から、適宜、単独であるいは2以上の組み合わせで選択することができる。すなわち、変速レバーが前進位置や後退位置になったこと,ブレーキの踏み込みが解除されたこと,サイドブレーキが解除されたことなどである。
図2Cは機関再始動直後の機関の様子を示している。機関が再始動される場合には、ピストン2は、モータジェネレータ20によって、上死点近傍の位置まで駆動される。
図2Dは機関再始動直後に点火が行われた後の機関の様子を示している。上述のように、モータジェネレータ20による駆動力により、ピストン2が上死点近傍の位置まで駆動されたあたりで、点火プラグ8により、燃焼室1内の混合気が点火される。混合気が点火されることにより、燃焼室1内の混合気は燃焼し、その燃焼圧によってピストン2は駆動される。従って、その後は、モータジェネレータ20による駆動力を必要とすることなく、通常の燃焼サイクルによってピストン2は駆動される。
以上のように、車両の停止時には、機関が自動的に停止するため、燃料消費量を削減でき、排気ガス量を低減することができる。そして、機関が再始動される場合には、機関停止時に供給しておいた燃料を燃焼させて、その燃焼圧を機関始動時の始動トルクとして利用できるので、即時に、通常の燃焼サイクルを実現することができる。従って、運転者にとっても、車両を発進させる際のフィーリングが良い。なお、アイドリング・ストップ制御は、多気筒エンジンにおいては、全ての気筒に対して、図2A〜Dに示す制御を行う必要はなく、少なくとも一つの気筒に対してのみ行えば良い。例えば、機関停止の際に、ピストンが下死点から上死点に向かう付近で停止すると予測される、すなわち、圧縮行程あるいは排気行程の途中で停止されると予測される気筒に対して行うと好適である。
<未燃燃料が大気に放出される可能性>
上記の通り、機関が停止される場合には、機関の停止直前に、燃焼室1内に燃料が供給される。この燃焼室1への燃料供給は、その後の機関の運転状況に拘わらず行われる。従って、機関停止後の運転状況によっては、燃焼室1へ供給された燃料が燃焼されずに大気に放出される可能性が生じ得る。その代表例が、車両を駐車するときなど、イグニションスイッチがオフにされた場合である。この場合、その後、イグニションスイッチがオンにされると、スタータモータのみによる機関始動がなされる。そのため、燃焼室1内に溜められていた燃料は、燃焼されずに燃焼室1外へと排出される。従って、この燃料は、未燃のまま大気に放出されてしまうおそれがある。そこで、本実施例では、機関始動の際に、機関停止時に燃焼室1に供給しておいた燃料が燃焼されずに大気に放出してしまうおそれがある場合には、燃焼室1内の混合気を掃気することによって、未燃燃料の大気への放出を防止する制御を行うようにした。
<未燃燃料の大気への放出を防止する制御>
図3を参照して、アイドリング・ストップ制御を行う場合において、未燃燃料の大気への放出を防止する制御の制御手順について説明する。なお、図3に示すフローチャートは、機関運転中、常時実行されている。
すなわち、機関運転中、常時、ECUはアイドリング・ストップ制御を実行する条件が成立したか否かを監視している(ステップS10,ステップS70)。なお、当該条件は、上記アイドリング・ストップシステムの中で説明した、機関が停止される際の「所定の停止条件」を意味する。そして、当該条件が成立した場合には、アイドリング・ストップ制御が開始される(ステップS20)。すなわち、機関の停止直前に燃焼室1内に燃料が噴射され、ピストン2が所定の位置に停止されるように(図2A,B)、ECUは燃料噴射弁11やモータジェネレータ20を制御する。
その後、ECUは、機関再始動条件が成立するまでに、イグニションスイッチがオフにされるか否か(イグニションスイッチのオフ信号が検出されたか否か)を監視する(ステップS30,ステップS40)。なお、機関再始動条件は、上記アイドリング・ストップシステムの中で説明した、機関が再始動する際の「所定の再始動条件」を意味する。そして、イグニションスイッチがオフにされることなく、機関再始動条件が成立した場合には、通常通り、ECUは、アイドリング・ストップ制御を完了するまで続ける(ステップS50)。すなわち、ピストン2が上死点近傍の位置まで駆動され、ピストン2が上死点近傍に至ったあたりで圧縮された混合気が点火されるように(図2C,D)、ECUはモータジェネレータ20や点火プラグ8を制御する。その後、ECUは、再びアイドリング・ストップ制御を実行する条件が成立したか否かを監視する(ステップS70,ステップS10)。
一方、機関再始動条件が成立することなく、イグニションスイッチがオフにされた場合には、ECUは、未燃混合気処理制御を行う(ステップS60)。すなわち、ECUは、機関停止の際に燃焼室1内に供給された燃料を含む混合気を、掃気する制御を行う。これにより、その後、イグニションスイッチがオンにされ、スタータモータのみにより機関始動されても、燃焼室1内には燃料は残っていないため、燃焼室1内から燃料が未燃のまま放出されることが防止される。
<未燃混合気処理制御>
図4を参照して、未燃混合気処理制御について、更に詳しく説明する。なお、未燃混合気処理制御は、イグニションスイッチがオフにされた直後,イグニションスイッチがオフにされてから適当な時間をおいた後、あるいは、次にイグニションスイッチがオンにされたときに開始される。
上述した図3に示すフローチャートにおいて、イグニションスイッチがオフにされると(図3中、ステップS30)、適時のタイミングで、未燃混合気処理制御が開始される(ステップS61)。ECUは、まず、機関停止の際に燃焼室1内に燃料が噴射されてから、本制御が開始されるまでの経過時間が、所定時間T1を越えているか否かを判定する(ステップS62)。
この所定時間T1は、排気通路に設けられた触媒9が、活性状態にあるか否かに基づいて定められた時間である。すなわち、排気通路に設けられる触媒9としては、未燃のHCを低減するために、酸化触媒や三元触媒を採用できる。これらの触媒は、一定以上の温度で活性化する。そのため、触媒9の温度が低くなると、未燃のHCを低減する機能が発揮されなくなる。また、機関停止直後は、触媒9の温度は高く、その後、徐々に触媒9の温度は低下する。従って、機関が停止した後、ある程度の時間が経過するまでは、触媒9は活性化状態にある。以上のことから、触媒9が活性化状態にある範囲内で、上記所定時間T1が定められる。なお、この所定時間T1は、予め固定した固定値を用いても良いし、環境条件等に応じて変動する変動値を用いても良い。
そして、ステップS62で、上記経過時間が所定時間T1を越えていると判定された場合には、ECUは、燃焼室1内の混合気を吸気側へ掃気する制御を行う。具体的には、ECUは、モータジェネレータ20によりクランク軸6を回転(逆転)させて、吸気弁4を開くように制御する。又は、可変動弁システムを備える場合には、ECUは、当該システムにより不図示のカム軸を回転(逆転)させて、吸気弁4を開くように制御することも可能である。このようにして吸気弁4を開くことで、吸気側に混合気を掃気させることができる。なお、少なくとも1度、吸気弁4を開けば、対流や拡散によって混合気は掃気されるが、機関を複数回回転させてピストン2を上下させることで、より積極的に混合気を掃
気させるようにしても良い。
このように、機関停止の際に燃焼室1内に供給された燃料を含む混合気は、適宜のタイミングで吸気側に掃気される。従って、次回、イグニションスイッチがオンにされ、スタータモータのみにより機関始動されても、燃焼室1から燃料が排出されることを抑制又は防止できる。ここで、より確実に燃焼室1から燃料が排出することを防止するためには、吸気通路に吸着材を設けておくと効果的である。これにより、吸気側に掃気された混合気に含まれる未燃HCは吸着材に吸着されるため、一旦吸気側に戻された燃料が、直ぐに燃焼室1に再送されることを防止できる。なお、吸着材としては、例えば、ゼオライトを主体とした材料で構成され、温度が低いときには未燃HCを吸着し、温度が高いときには吸着していた未燃HCを放出する性質を有するものを用いると良い。また、吸気側にHC吸着筒を設ける構成を採用することも効果的である。
一方、ステップS62で、上記経過時間が所定時間T1を越えていないと判定された場合には、ECUは、燃焼室1内の混合気を排気側へ掃気する制御を行う。具体的には、ECUは、モータジェネレータ20によりクランク軸6を回転(正転)させて、排気弁5を開くように制御する。又は、可変動弁システムを備える場合には、ECUは、当該システムにより不図示のカム軸を回転(正転)させて、排気弁5を開くように制御することも可能である。このようにして排気弁5を開くことで、排気側に混合気を掃気させることができる。なお、少なくとも1度、排気弁5を開けば、対流や拡散によって混合気は掃気されるが、機関を複数回回転させてピストン2を上下させることで、より積極的に混合気を掃気させるようにしても良い。
このように、機関停止の際に燃焼室1内に供給された燃料を含む混合気は、適宜のタイミングで排気側に掃気される。そして、触媒9は未だ活性状態にあるため、掃気された混合気に含まれる未燃HCは触媒9によって低減される。
このように、吸気側への掃気制御(ステップS63)又は排気側への掃気制御(ステップS64)が行われて、未燃混合気処理制御は終了する(ステップS65)。以上のように、触媒9が活性状態にある場合には、排気側への掃気により未燃HCは触媒9によって低減される。また、触媒9が活性状態にない可能性がある場合には、吸気側への掃気により未燃HCが排気側に排出されることが抑制又は防止される。従って、いずれの場合にも、未燃HCが大気に放出されることが防止される。なお、触媒9が活性状態にある場合には、混合気を吸気側あるいは排気側のいずれに掃気しても、未燃HCが大気に放出されることを防止することが可能である。しかし、吸気側には、通常、残留燃料が残っていることから、触媒9が活性状態にあるのであれば、極力、触媒9で未燃HCを低減させる処理を行うほうが望ましい。従って、本実施例では、触媒9が活性状態にある場合には、混合気を排気側に掃気する制御を行うようにした。また、排気側にも吸気側と同様に、未燃HCを吸着する吸着材を設けても良い。
<その他>
機関停止時に燃焼室1内に供給した燃料が燃焼されることなく燃焼室1の外に排出されてしまうことが予測される場合としては、イグニションスイッチがオフにされる場合には限られない。イグニションスイッチがオンのままであっても、長時間、機関が停止された状態が続いた後に、機関が再始動される場合には、点火プラグ8による点火を行っても、混合気が十分に燃焼されない場合がある。何故ならば、時間の経過とともに、ピストン2とシリンダ3との間の隙間からクランクケースに燃料が漏れ落ちることで、燃焼室内の燃料の量が減少し、また、燃焼室内の温度が低下するからである。従って、このような場合にも、燃焼室内の混合気を掃気する制御を行うと好適である。例えば、機関停止時に燃焼室内に燃料を供給してからの経過時間,サイドブレーキが効いてからの経過時間,あるい
は変速機における変速レバーが駐車位置に入れられてからの経過時間が、所定時間を越えた場合に、上述したように吸気側あるいは排気側に掃気する制御を行うと良い。
また、本実施例では、吸気側に掃気するか排気側に掃気するかを、機関停止の際に燃焼室1内に燃料が噴射されてからの経過時間に基づいて判定する場合を示した。この判定は、燃料噴射からの経過時間に限らず、アイドリング・ストップ制御が開始されてからの経過時間に相当する時間に基づいて行うことができる。
また、機関が停止されてから、かなり長期間経過した場合には、機関停止時に燃焼室1内に供給された燃料は、ほとんどクランクケース内に漏れ落ちると考えられる。そのため、上述した掃気制御を行わなくても、未燃HCが大気に放出される可能性は低くなる。従って、機関が停止されてから(あるいは燃料が噴射されてから)、所定期間経過後は、掃気制御を行わないようにしても良い。
また、本実施例においては、ポート噴射方式の内燃機関を例にして説明したが、本実施例における掃気制御を筒内噴射型の内燃機関にも適用できる。ただし、この場合には、機関停止時に燃料を噴射する時期など、多少の変更が伴うことは言うまでもない。また、本実施例においては、機関を再始動する場合には、最初に電動機(モータジェネレータ)により、僅かに(圧縮行程の途中の状態にあるピストンを上死点近傍の位置まで)クランク軸を回転駆動させてから、燃焼室内に溜めておいた燃料(混合気)を燃焼させる場合を示した。しかし、本実施例で説明した掃気制御は、機関停止時に燃焼室内に供給しておいた燃料を、機関の再始動時に燃焼させることで得られる燃焼圧を機関始動に利用する方式の各種内燃機関の始動装置に適用できる。例えば、膨張行程の途中の状態で燃焼室内に燃料を溜めておき、機関の再始動時には、全く電動機を用いずに、溜めておいた燃料を燃焼させる始動を行う装置に対しても、本実施例で説明した掃気制御(未燃混合気処理制御)を応用することができる。
図1は本発明の実施例に係る始動装置を備えた内燃機関のブロック構成図である。 図2Aはアイドリング・ストップ制御を行う際の機関の動作説明図(機関停止直前の機関の様子を示す図)である。 図2Bはアイドリング・ストップ制御を行う際の機関の動作説明図(ピストンの停止位置を制御する際の様子を示す図)である。 図2Cはアイドリング・ストップ制御を行う際の機関の動作説明図(機関再始動直後の機関の様子を示す図)である。 図2Dはアイドリング・ストップ制御を行う際の機関の動作説明図(機関再始動直後に点火が行われた後の機関の様子を示す図)である。 図3は本発明の実施例に係る始動装置を備えた内燃機関における動作の流れを示すフローチャートである。 図4は図3の一部の詳細を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃焼室
2 ピストン
3 シリンダ
4 吸気弁
5 排気弁
6 クランク軸
7 モータジェネレータの回転軸
8 点火プラグ
9 触媒
10 機関本体
11 燃料噴射弁
12 イグナイタ
20 モータジェネレータ
30 スタータ
40 変速機
50 ベルト

Claims (4)

  1. 機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
    機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
    該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合に、燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とする始動装置を備えた内燃機関。
  2. 機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
    機関から排出された排気を浄化する浄化手段と、
    機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
    該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断された場合に、燃焼室内の燃料を含む混合気を排気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とする始動装置を備えた内燃機関。
  3. 機関停止時に燃焼室内に燃料を供給しておき、次に機関を始動する際に、前記燃料を燃焼させることにより得られる燃焼圧を機関の始動に利用可能な始動装置を備えた内燃機関において、
    機関から排出された排気を浄化する浄化手段と、
    機関を始動する際に、燃焼室内に供給されていた燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されるか否かを予測する予測手段と、
    該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されると判断された場合には、燃焼室内の燃料を含む混合気を排気側に掃気させ、
    該予測手段によって、燃料が燃焼されないまま燃焼室の外に排出されると予測された場合であって、かつ、前記浄化手段による浄化機能が所定以上発揮されないと判断された場合には、燃焼室内の燃料を含む混合気を吸気側に掃気させる制御手段と、を備えることを特徴とする始動装置を備えた内燃機関。
  4. クランク軸を回転駆動させる電動機を備え、
    機関停止時には、圧縮行程の途中の状態で燃焼室内に燃料を溜めておき、
    機関を始動する際には、前記電動機によってピストンが上死点近傍に至るまでクランク軸を回転させた時点で、前記燃料を燃焼させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の始動装置を備えた内燃機関。
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