JP2005180287A - 可変動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、カムにより駆動される弁体のリフト量を制御軸の状態を変えることにより変化させる可変動弁機構に関し、温度の変化に影響されずに、常に所望の開弁特性を弁体に与えることを目的とする。
【解決手段】 カム74と弁体32との間にカム74の回転と同期して揺動する第1アーム部材44と、制御軸12の回転角θに応じて、第1アーム部材44の角度θを変化させる第2アーム部材46とを設ける。制御軸12およびカム74の近傍における温度を検出し、その温度に基づいて、その温度の影響が排除されるように制御軸12の回転角θを補正する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、可変動弁機構に係り、特に、カムシャフトの回転と同期して開閉する弁の作用角およびまたはリフト量を変化させることのできる内燃機関の可変動弁機構に関する。
従来、例えば特開平7−63023号公報には、カムシャフトの回転と同期して開閉する弁体のリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構が開示されている。この可変動弁機構は、カムと弁体との間に、カムの動作と同期して揺動する揺動アームを備えている。揺動アームは、弁体に対する基本の相対角度を変化させることができるように、自由度をもって内燃機関に組み付けられている。そして、この機構は、揺動アームをカムに向けて付勢することで揺動アームの動きを規制するロストモーションスプリングと、制御軸の回転に伴って、揺動アームと弁体との相対角度を変化させる可変機構とを備えている。
上述した可変動弁機構によれば、ロストモーションスプリングの作用により、常に、カムと揺動アームとが機械的に接した状態を維持することができる。このため、この機構によれば、カムの発する機械的な力を、常にロス無く弁体に伝えることができる。更に、この可変動弁機構によれば、制御軸を回転させることにより、揺動アームと弁体の基準の相対角度を変化させることができる。この相対角度が変化すると、カムの作用力が揺動アームに伝達され始めた後、つまり、カムの作用により揺動アームが揺動し始めた後、揺動アームが実際に弁体を押し下げ始めるまでの期間(クランク角)を変化させることができる。
揺動アームが実際に弁体を押し下げ始めるまでの期間が変化すると、弁体が非閉弁状態とされるクランク角の幅(以下、その幅を「作用角」と称する)が変化し、また、弁体に生ずるリフト量のプロファイルが変化する。このため、上記従来の機構によれば、弁体の作用角およびリフト量を、高い自由度で変化させることが可能である。
特開平7−63023号公報 特開平7−293216号公報
しかしながら、可変動弁機構の周囲温度は、内燃機関の運転状態などに応じて大きな変化を示す。このため、上記従来の機構において、制御軸やカムシャフトの周辺では、温度変化に起因する大きな膨張或いは収縮が頻繁に生ずる。このような熱変形は、制御軸とカムの間に介在している揺動アームや、その揺動アームの角度を変化させるための可変機構の状態を変化させる。
より具体的には、上記従来の機構においては、その機構の周辺温度が上昇すると、制御軸とカムシャフトの間隔が長くなるような熱変形が生じ、その結果、揺動アームの状態が小リフト方向に変化する事態が生ずる。反対に、可変動弁機構の周辺温度が下降する際には、制御軸とカムシャフトの間隔が短くなり、揺動アームの状態が大リフト方向に変化する。このため、上記従来の可変動弁機構においては、制御軸の状態とは無関係に、弁体の近傍における温度変化の影響で、弁体の作用角やリフト量が変化するという不都合が生ずる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、温度の変化に影響されずに、常に所望の開弁特性を弁体に与えることのできる可変動弁機構を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の弁体の作用角およびまたはリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構であって、
前記作用角およびまたはリフト量を変化させるべくその状態が制御される制御軸と、
カムと弁体との間に介在しカムの回転と同期して揺動することにより当該カムの作用力を前記弁体に伝達する揺動アームと、
前記制御軸の状態に応じて、前記弁体に対する前記揺動アームの基本相対角を変化させる可変機構と、
前記制御軸および前記カムの近傍における温度を検出または推定する温度検出手段と、
前記温度に基づいて、その温度の影響が排除されるように前記制御軸の状態を補正する温度補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記制御軸の状態を検出するセンサと、
前記制御軸を駆動するアクチュエータと、
前記センサの出力に基づいて前記アクチュエータの制御値を制御するアクチュエータ制御手段とを備え、
前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記アクチュエータの制御値を補正することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記センサの出力を補正し、
前記アクチュエータ制御手段は、補正後のセンサ出力に基づいて前記アクチュエータの制御値を制御することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1の発明において、
前記制御軸の状態を検出するセンサと、
前記制御軸を駆動するアクチュエータと、
前記制御軸の目標状態を設定する目標状態設定手段と、
前記センサの出力と、前記制御軸の目標状態とが整合するように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備え、
前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記制御軸の目標状態を補正することを特徴とする。
また、第5の発明は、内燃機関の弁体の作用角およびまたはリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構であって、
前記作用角およびまたはリフト量を変化させるべくその状態が制御される制御軸と、
カムと弁体との間に介在しカムの回転と同期して揺動することにより当該カムの作用力を前記弁体に伝達する揺動アームと、
前記制御軸の状態に応じて、前記弁体に対する前記揺動アームの基本相対角を変化させる可変機構とを備え、
前記制御軸とカムシャフトの距離を決める部材と、前記制御軸と前記カムとの間に介在する部材とが、線膨張係数の同じ材質で構成されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、制御軸を回転させることにより、制御軸とカムとの間に介在する可変機構と揺動アームの状態を変化させ、その結果として弁体の開弁特性を変化させることができる。そして、本発明によれば、制御軸およびカムの近傍における温度に基づいて制御軸の状態を補正することで、その温度の変化の影響を排除することができる。このため、本発明によれば、温度の変化に影響されることなく、常に所望の開弁特性を弁体に与えることができる。
第2の発明によれば、制御軸の状態をセンサにより検出し、そのセンサの出力に基づいてアクチュエータの制御値を制御することで、制御軸を所望の状態とすることができる。この際、本発明によれば、アクチュエータの制御値を温度に基づいて補正することにより、温度の変化の影響を排除することができる。
第3の発明によれば、制御軸およびカムの近傍における温度に基づいて、制御軸の状態を検出するためのセンサの出力を補正することができる。このため、本発明によれば、温度の影響を加味したセンサ出力を得ることができる。そして、その補正後のセンサ出力に基づいてアクチュエータの制御値を制御することで、温度の変化の影響を排除することができる。
第4の発明によれば、制御軸の状態をセンサにより検出し、そのセンサの出力に基づいてアクチュエータを制御することで、制御軸を所望の状態とすることができる。この際、本発明によれば、達成すべき制御軸の目標状態を補正することにより、温度の変化の影響を精度良く排除することができる。
第5の発明によれば、制御軸を回転させることにより、制御軸とカムとの間に介在する可変機構と揺動アームの状態を変化させ、その結果として弁体の開弁特性を変化させることができる。そして、本発明によれば、制御軸とカムシャフトの距離を決める部材と、制御軸とカムとの間に介在する部材とが、同じ線膨張係数を有する材質で構成されているため、温度の変化に対して揺動アームの状態が変化するのを防ぐことができる。このため、本発明によれば、温度の変化に影響されることなく、常に所望の開弁特性を弁体に与えることができる。
実施の形態1.
[可変動弁機構の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1の可変動弁機構の全体構成を説明するための図である。より具体的には、図1(A)は、可変動弁機構の全体を表した平面図であり、図1(B)はその機構を図1(A)に示すB矢視で表した側面図である。
図1に示す構成は、内燃機関のシリンダヘッド10を含んでいる。シリンダヘッド10は、各気筒の両側に位置するように配置された複数の制御軸軸受け11を有しており、それらの制御軸軸受け11により、制御軸12を回転可能に保持している。本実施形態における内燃機関は、4つの気筒を直列に備えたものであり、制御軸12は、それら4つの気筒の上方を縦断するように設けられている。
内燃機関における個々の気筒は、それぞれカムの回転と同期して開閉する吸気弁および排気弁を備えている(何れも図1への表示は省略)。本実施形態における可変動弁機構は、少なくとも各気筒の吸気弁について作用角およびリフト量を可変とするための機構である。そして、上述した制御軸12は、その作用角およびリフト量の変更を可能とするために回転位置が制御される構成要素である。
吸気弁の作用角およびリフト量を自由に変更することができると、それらを制御することにより、スロットルバルブを用いずに吸入空気量を制御することが可能となる。そして、吸入空気量をそのようにして制御することとすると、吸気管圧力が負圧となるのを避けることができ、内燃機関におけるポンピングロスを無くすことができる。本実施形態における内燃機関は、そのような効果を得るべく、スロットルバルブを用いずに可変動弁機構により吸入空気量を制御するいわゆるスロットルレスタイプの内燃機関であるものとする。尚、可変動弁機構の詳細については、後に図2乃至図5を参照して詳細に説明する。
制御軸12の端部には、平歯状の第1ギヤ14が固定されている。第1ギヤ14には、同じく平歯状の第2ギヤ16が噛み合わされている。第2ギヤ16の中心には、回転軸18が固定されている。また、回転軸18には、図1(B)に示すように、第2ギヤ16と重なるように半円状のウォームホイル20が固定されている。更に、ウォームホイル20には、モータ22の回転軸に固定されたウォームギヤ24が噛み合わされている。このような構成によれば、モータ22の回転を制御することで、制御軸12の回転位置を制御することができる。
制御軸12の端部には、また、制御軸12の回転位置を検出するための回転角センサ26が配置されている。回転角センサ26の出力は、ECU(Electronic Control Unit)28に供給されている。ECU28には、更に、内燃機関の冷却水温THWを検出する水温センサ29が接続されている。ECU28は、回転角センサ26の出力や、水温センサ29の出力を検知し、また、モータ22の状態を制御することができる。
また、回転角センサ26の出力と、制御軸12の現実の回転位置との関係は、センサの個体差や、機械的なバラツキ、更にはそれらの経時変化などの影響で、必ずしも全ての場合において一定にはならない。このような前提の下、ECU28は、例えば内燃機関の始動時等に、制御軸12を一方の制御端まで回転させ、その際のセンサ出力に基づいて、その出力を較正する機能を有している。このため、ECU28は、上述した経時変化等の影響を受けることなく、回転角センサ26の出力に基づいて、制御軸12の回転位置を正確に検知することができる。
[可変動弁機構の詳細構成]
次に、本実施形態の可変動弁機構が、個々の気筒に対応して備える機械的機構の構成と動作を説明する。尚、以下の説明においては、説明の便宜上、その機械的機構も、符号30を付したうえで「可変動弁機構」と称することとする。また、内燃機関の個々の気筒には、2つの吸気弁が配設されており、それぞれの可変動弁機構30は、2つの吸気弁を駆動するものとする。
図2は、一の気筒に対応して設けられる可変動弁機構30の主要部の斜視図である。この可変動弁機構30は、駆動すべき2つの弁体32(ここでは吸気弁)を備えている。弁体32には、それぞれ弁軸34が固定されている。弁軸34の端部は、ロッカーアーム36の一端に設けられたピボットに接している。弁軸34には、バルブスプリング(図2への表示は省略)の付勢力が作用しており、ロッカーアーム36は、その付勢力を受けた弁軸34により上方に付勢されている。ロッカーアーム36の他端は、油圧ラッシュアジャスタ38により回動可能に支持されている。油圧ラッシュアジャスタ38によれば、ロッカーアームの高さ方向の位置を油圧により自動調整することにより、タペットクリアランスを自動調整することができる。
ロッカーアーム36の中央部には、ローラ40が配設されている。ローラ40の上部には、揺動アーム42が配置されている。以下、揺動アーム42の周辺の構造を、図3を参照して説明する。
図3は、第1アーム部材44と第2アーム部材46の分解斜視図である。第1アーム部材44および第2アーム部材46は、何れも図2に示す可変動弁機構30の主要な構成部材である。既述した揺動アーム42は、図3に示すように、第1アーム部材44の一部である。
すなわち、第1アーム部材44は、図3に示すように、2つの揺動アーム42と、それらに挟まれたローラ当接面48とを一体に備える部材である。2つの揺動アーム42は、2つの弁体32のそれぞれに対応して設けられたものであり、それぞれ既述したローラ40(図2参照)に接している。
第1アーム部材44には、2つの揺動アーム42を貫通するように開口した軸受け部50が設けられている。また、揺動アーム42には、それぞれ、ローラ40と接する面に同心円部52と押圧部54とが設けられている。同心円部52は、ローラ40との接触面が軸受け部50と同心円を構成するように設けられている。一方、押圧部54は、その先端側の部分ほど軸受け部50の中心からの距離が遠くなるように設けられている。
第2アーム部材46は、非揺動部56と揺動ローラ部58を備えている。非揺動部56には貫通孔が設けられており、その貫通孔には、図1を参照して説明した制御軸12が挿入される。更に、非揺動部56および制御軸12には、両者の相対位置を固定するための固定ピン62が挿入されている。このため、非揺動部56と制御軸12とは、一体の構造物として機能する。
揺動ローラ部58は、2つの側壁64を備えている。これらの側壁64は、回転軸66を介して回動自在に非揺動部56に連結されている。また、2つの側壁64の間には、カム当接ローラ68と、スライドローラ70が配設されている。カム当接ローラ68およびスライドローラ70は、それぞれ側壁64に挟まれた状態で自由に回動することができる。
上述した制御軸12は、第1アーム部材44の軸受け部50により回転可能に保持される部材である。つまり、制御軸12は、軸受け部50に保持された状態で非揺動部56と一体化されるべき部材である。この要求を満たすべく、非揺動部56(つまり第2アーム部材46)は、制御軸12と固定される前に、第1アーム部材44の2つの揺動アーム42の間に位置合わせされる。制御軸12は、この位置合わせがなされた状態で、2つの軸受け部50および非揺動部56を貫通するように挿入される。その後、制御軸12と非揺動部56とを固定すべく固定ピン62が装着される。その結果、第1アーム部材44が制御軸12回りを自由に回動することができ、非揺動部56が制御軸12と一体化され、かつ、揺動ローラ部58が非揺動部56に対して揺動し得る機構が実現される。
第1アーム部材44と第2アーム部材46とが、以上のように組み付けられた場合、第1アーム部材44と制御軸12との相対角、つまり、第1アーム部材44と非揺動部56との相対角が所定の条件を満たす範囲では、揺動ローラ部58のスライドローラ70が、第1アーム部材44のローラ当接面48と接することができる。そして、それら両者の接触を維持しながら、上記の所定の条件を満たす範囲で第1アーム部材44を制御軸12回りで回動させると、スライドローラ70は、ローラ当接面48に沿って転動することができる。本実施形態の可変動弁機構は、その転動を伴いながら弁体32を開閉動作させる。尚、その動作については、後に図4および図5を参照して詳細に説明する。
図2は、第1アーム部材44、第2アーム部材46、および制御軸12が、上記の手順で組み付けられた状態を示している。この状態において、第1アーム部材44および第2アーム部材46の位置は制御軸12の回転位置により規制される。制御軸12には、上述した通りギヤ機構を介してモータ22が連結されている(図1参照)。図2に示す状態は、そのモータ22により、スライドローラ70がローラ当接面48に当接するように、制御軸12の回転角を調整した状態を示している。
本実施形態の可変動弁機構は、また、クランクシャフトと同期して回転するカムシャフト72を備えている。カムシャフト72は、制御軸12と同様に、シリンダヘッド10に固定された軸受けにより回転可能に保持されている。カムシャフト72には、内燃機関の気筒毎に設けられたカム74が固定されている。図2に示す状態において、カム74は、カム当接ローラ68に接しており、揺動ローラ部58の上方への移動を規制している。つまり、図2に示す状態では、揺動ローラ部58のカム当接ローラ68およびスライドローラ70を介して、第1アーム部材44のローラ当接面48がカム74と機械的に連結された状態が実現されている。
上述した状態によれば、カム74の回転に伴ってカムノーズがカム当接ローラ68を押圧すると、その力はスライドローラ70を介してローラ当接面48に伝達される。スライドローラ70は、ローラ当接面48の上を転動しながらカム74の作用力を第1アーム部材44に伝え続けることができる。その結果、第1アーム部材44に、制御軸12を中心とする回転が生じ、揺動アーム42によりロッカーアーム36が押し下げられ、弁体32に開弁方向の動きが与えられる。可変動弁機構30は、以上説明したように、カム74の作用力を、カム当接ローラ68およびスライドローラ70を介してローラ当接面48に伝達することで弁体32を作動させることができる。
[可変動弁機構の動作]
次に、図4および図5を参照して、可変動弁機構30の動作を説明する。ここで、図4および図5には、既述した構成要素に加えて、ロストモーションスプリング76と、バルブスプリング78とが図示されている。バルブスプリング78は、既述した通り、弁軸34およびロッカーアーム36を閉弁方向に付勢するためのスプリングである。一方、ロストモーションスプリング76は、ローラ当接面48とカム74との機械的接触を維持するためのスプリングである。
すなわち、可変動弁機構30は、上述した通り、カム74の作用力を機械的にローラ当接面48に伝えることで弁体32を駆動する。このため、可変動弁機構30が適正に作動するためには、カム74とローラ当接面48とが、カム当接ローラ68およびスライドローラ70を介して常に機械的に連結されていることが必要である。そして、この要求を満たすためには、ローラ当接面48を、つまり、第1アーム部材44を、カム74の方向に付勢することが必要である。
本実施形態において用いられるロストモーションスプリング76は、その上端がシリンダヘッド等に固定され、かつ、その下端がローラ当接面48の後端部を付勢するように組み付けられている。この場合、その付勢力は、ローラ当接面48がスライドローラ70を押し上げる方向に作用し、更には、カム当接ローラ68をカム74に押し当てる力として作用する。その結果、可変動弁機構30は、カム74とローラ当接面48とが機械的に連結された状態を維持することができる。
図4は、可変動弁機構30が弁体32に対して小さなリフトを与えるように動作している様子を示す。以下、この動作を「小リフト動作」と称す。より具体的には、図4(A)は、小リフト動作の過程で弁体32が閉弁している様子を、また、図4(B)は小リフト動作の過程で弁体32が開弁している様子を、それぞれ表している。
図4(A)において、符号θは、制御軸12の回転位置を表すパラメータである。以下、そのパラメータを「制御軸回転角θ」とする。ここでは、便宜上、制御軸12と非揺動部56とを固定する固定ピン62の軸方向と鉛直方向とのなす角を制御軸回転角θと定義することとする。また、図4(A)において、符号θは、揺動アーム42の回転位置を表すパラメータである。以下、そのパラメータを「アーム回転角θ」とする。ここでは、便宜上、揺動アーム42の先端部と制御軸12の中心とを結ぶ直線と水平方向とのなす角をアーム回転角θと定義することとする。
可変動弁機構30において、揺動アーム42の回転位置、つまり、アーム回転角θは、スライドローラ70の位置により決定される。また、スライドローラ70の位置は、揺動ローラ部58の回転軸66の位置と、カム当接ローラ68の位置とで決定される。そして、カム当接ローラ68とカム74との接触が維持される範囲では、回転軸66が図4における左回り方向に回転するほど、つまり、制御軸回転角θcが大きくなるほど、スライドローラ70の位置は上方に変化する。このため、可変動弁機構30においては、制御軸回転角θが大きくなるほど、アーム回転角θが小さくなるという現象が生ずる。
図4(A)に示す状態において、制御軸回転角θは、カム当接ローラ68がカム74との接触を保てる範囲で、つまり、カム74がカム当接ローラ68の上方への移動を規制し得る範囲でほぼ最大の値とされている。従って、図4(A)に示す状態において、アーム回転角θは、ほぼ最小の値となっている。可変動弁機構30は、この場合において、揺動アーム42の同心円部52のほぼ中央がロッカーアーム36のローラ40に接し、その結果、弁体32が閉弁状態となるように構成されている。以下、この場合のアーム回転角θを、「小リフト時の基準アーム回転角θA0」と称す。
図4(A)に示す状態からカム74が回転すると、カム当接ローラ68がカムノーズにより押圧されて制御軸12方向に移動する。揺動ローラ部58の回転軸66からスライドローラ70までの距離は変化しないため、カム当接ローラ68が制御軸12に近づく際には、ローラ当接面48が、その面上を転動するスライドローラ70により押し下げられる。その結果、アーム回転角θが大きくなる方向に揺動アーム42が回転し、揺動アーム42とローラ40との接触点が、同心円部52の中央付近から押圧部54に向かって移行する。
揺動アーム42の回転に伴い、押圧部54がローラ40に接するようになると、バルブスプリング78の付勢力に抗って弁体32が開弁方向に移動する。そして、図4(B)に示すように、カムノーズの頂点がカム当接ローラ68と接するタイミングにおいて、アーム回転角θが最大値(以下、「最大アーム回転角θAMAX」とする)となり、弁体32のリフト量が最大となる。その後、カム74の回転に伴い、アーム回転角θが小さくなるに連れて弁体32のリフト量は減少し、ローラ40と揺動アーム42との接触点が同心円部52に戻った時点で弁体32は閉弁状態となる。
小リフト動作の際には、基準アーム回転角θA0が小さな値とされているため、カムノーズがカム当接ローラ68に接し始めた後、しばらくの間は、弁体32が閉弁状態に維持される。そして、最大リフト量が生じた後は、カムノーズによるカム当接ローラ68の押圧が終わる以前に、比較的早期に弁体32が閉弁状態に復帰する。その結果、小リフト動作の際には、弁体32が非閉弁状態とされる期間、つまり、弁体32の作用角が小さな値となり、また、弁体32の最大リフト量も小さな値となる。
図5は、可変動弁機構30が弁体32に対して大きなリフトを与えるように動作している様子を示す。以下、この動作を「大リフト動作」と称す。より具体的には、図5(A)は、大リフト動作の過程で弁体32が閉弁している様子を、また、図5(B)は大リフト動作の過程で弁体32が開弁している様子を、それぞれ表している。
大リフト動作を行う場合は、図5(A)に示すように、制御軸回転角θが十分に小さな値に調整される。その結果、非リフト時におけるアーム回転角θ、つまり、基準アーム回転角θA0は、スライドローラ70がローラ当接部28から脱落しない範囲で十分に大きな値とされる。可変動弁機構30は、このような基準アーム回転角θA0において、揺動アーム42とローラ40との接触点が、同心円部52の端部に位置するように構成されている。このため、その状態において、弁体32は閉弁状態に維持される。
図5(A)に示す状態からカム74が回転すると、カム当接ローラ68がカムノーズに押圧され始めた後、即座に、ローラ40と揺動アーム42との接触点は同心円部52から押圧部54に移行する。そして、カム当接ローラ68がカムノーズのピーク部に押圧されるまで、弁体32は大きく開弁方向に押し出される。更に、図5(B)に示すように弁体32のリフトが最大量となった後も、カムノーズがカム当接ローラ68を押圧している間は、弁体32の開弁が長期に渡って維持される。このため、可変動弁機構30によれば、上述した大リフト動作の実行中は、弁体32に対して、大きな作用角と大きなリフト量を与えることができる。
[本実施形態の可変動弁機構の課題]
以上説明した通り、本実施形態の可変動弁機構は、制御軸12を回転させることにより、弁体32の作用角およびリフト量を変化させることができる。ところで、本実施形態において、制御軸12およびカムシャフト72は、何れもシリンダヘッド10により保持されている。図4(A)中に符号Lを付して示す距離は、それら両者間の寸法である。このL寸法は、シリンダヘッド10周辺の温度変化に起因してシリンダヘッド10に熱変形が生ずることにより伸縮する。一方、シリンダヘッド10の周辺に温度変化が生じれば、制御軸12とカムシャフト72の間に介在している部材、つまり、第1アーム部材44や第2アーム部材46にも熱膨張或いは熱収縮が生ずる。
ここで、本実施形態におけるシリンダヘッド10は、アルミを主成分とする材質で構成されており、他方、第1アーム部材44や第2アーム部材46は鉄系の材質で構成されている。それらの材質は、それぞれ異なる線膨張係数を示すため、シリンダヘッド10の周辺温度に変化が生ずると、実質的にL寸法に増減が生じたのと同じ事態が生ずる。
具体的には、その温度が上昇方向に変化した場合には、第1アーム部材44および第2アーム部材46の膨張量を越える膨張がL寸法に生じ、基準アーム回転角θA0が減少し、その結果、実作用角が減少するという傾向が生ずる。反対に、シリンダヘッド10周辺の温度が下降方向に変化した場合には、第1アーム部材44および第2アーム部材46の収縮量を越える収縮がL寸法に生じ、基準アーム回転角θA0が増大し、その結果、実作用角が増加するという傾向が生ずる。
図6は、L寸法を決める部材と、制御軸12とカム74との間に介在する部材との線膨張係数の相違に起因する実作用角の温度特性をまとめたものである。尚、図6中に破線で示す実作用角は、回転角センサ26の出力を、基準の演算式に当てはめることにより算出される作用角、つまり、その演算式を設定する際に前提とされた基準温度下で実現される実作用角である。以下、この作用角を「検出作用角」と称す。
ECU28が、回転角センサ26の出力を、常にその基準の演算式に当てはめて弁体32の作用角を算出するとすれば、図6に示すように、低温度領域では、実作用角に対して不足した検出作用角が算出されることとなり、また、高温度領域では、実作用角に対して過剰な検出作用角が算出されることとなる。このため、そのような演算手法を用いたのでは、制御軸回転角θを目標値に制御しても、所望の作用角およびリフト量を正確に発生させることができない。そして、スロットルレスタイプの内燃機関において、吸気弁の作用角およびリフト量に所望の値からのずれが生ずると、吸入空気量の制御精度にも悪影響が生ずる。
ところで、実作用角と検出作用角との間に生ずる偏差は、シリンダヘッド10の周辺温度に対してほぼ一義的に決まる値である。従って、その周辺温度が判れば、両者の間に生じているずれ量を推定することが可能である。そこで、本実施形態の可変動弁機構は、水温センサ29の出力(冷却水温THW)に基づいてシリンダヘッド10の周辺温度を推定し、その周辺温度に基づいて、検出作用角と実作用角との間に生ずるであろう偏差を算出する。そして、その偏差を補正値として検出作用角に加えることにより、実作用角を算出することとした。
図7は、上記の機能を実現するための本実施形態においてECU28が実行するルーチンのフローチャートを示す。図7に示すルーチンでは、先ず、水温センサ29の出力に基づいて、内燃機関の冷却水温THWが検出される(ステップ100)。本実施形態では、ここで検出されたTHWがシリンダヘッド10の周辺温度として取り扱われる。
次に、作用角の補正値が算出される(ステップ102)。ECU28は、実作用角と検出作用角との偏差Δθ=(実作用角)−(検出作用角)、つまり、図6中に「補正値」として示した値と、シリンダヘッド10の周辺温度との関係を定めたマップを記憶している。ここでは、そのマップを参照して、現在の温度に対応する偏差Δθが算出され、その算出値Δθが作用角補正値として取り扱われる。
次に、回転角センサ26の出力が検出される(ステップ104)。次いで、検出されたセンサ出力に基づいて、検出作用角が算出される(ステップ106)。ECU28は、回転角センサ26の出力を検出作用角に変換するための基準の演算式を記憶している。ここでは、その基準の演算式に従って、検出作用角が算出される。本ステップ106の処理によれば、図6中に破線で示す作用角、つまり、基準温度下で発生する実作用角を算出することができる。
次に、上記の如く算出された検出作用角に、作用角補正値を加えることにより、実作用角が算出される(ステップ108)。本ステップの処理によれば、図6中に実線で示す実作用角を算出することができる。
ECU28は、上記の処理に次いで、弁体32の作用角を目標作用角とするためのフィードバック制御を実行する(ステップ110)。具体的には、吸入空気量の要求値などに従って他のルーチンで算出された目標作用角と、上記ステップ108で算出された実作用角とが一致するように、モータ22の制御値を制御する処理が行われる。
以上の処理によれば、シリンダヘッド10の周辺における温度変化の影響を排除して、弁体32において実現される実作用角を常に正確に算出することができる。そして、その正確な実作用角を基礎としてモータ22の制御値を制御することで、弁体32の作用角およびリフト量を、精度良く制御することができる。このため、本実施形態の可変動弁機構によれば、内燃機関の暖機状態や周辺環境に関わらず、常に高精度に吸気弁の開弁特性を制御し、スロットルレスタイプの内燃機関に対して、常に良好な運転特性を与えることができる。
ところで、本実施形態の可変動弁機構において、実作用角と検出作用角との偏差Δθと、温度との関係は、厳密には、実作用角の大小に応じて異なる値となることがある。このため、ECU28に記憶された偏差Δθ−温度マップによっては、全ての作用角において厳密な作用角補正を実現することが困難である。
そこで、本実施形態では、弁体32に要求される作用角が最も小さい場合を想定して、つまり、図4を参照して説明した小リフト動作の場合を想定して、偏差Δθ−温度のマップを準備することとしている。このようなマップによれば、要求される作用角やリフト量が大きい領域では、作用角補正の精度が悪化するものの、作用角およびリフト量の小さい領域では、十分に高い精度でその補正を行うことができる。
作用角やリフト量が小さい領域では、僅かな作用角の誤差が吸入空気量に大きな誤差を生じさせる。これに対して、作用角やリフト量が大きい領域では、作用角に多少の誤差が生じても、吸入空気量にさほどのずれは生じない。このため、小リフト動作を前提としたΔθ−温度マップを用いることとすれば、大リフト領域における作用角の補正精度は低下するものの、全ての作用角領域において、十分に優れた精度で吸入空気量を制御することが可能である。
ところで、全作用角において高い補正精度を得るためには、例えば、実作用角と検出作用角との偏差Δθを温度と作用角の関係で定めたマップを準備し、上記ステップ102において、そのマップを参照して偏差Δθ、つまり、作用角補正値Δθを算出することとしてもよい。このような手法によれば、ECU28の演算負荷は増えるものの、作用角の全域において、優れた作用角・リフト量制御を実現することができる。
また、上述した実施の形態1においては、シリンダヘッド10の周辺温度に基づいて、検出作用角を実作用角に補正し、その結果として、モータ22に供給される制御値を正しい値にすることとされているが、補正の対象は、作用角、或いはモータ22に対する制御値に限定されるものではない。すなわち、その補正の対象は、フィードバック制御において実作用角の目標とされる目標作用角であってもよい。つまり、図7に示すルーチンにおいては、ステップ102で目標作用角の補正値を算出し、ステップ108で補正後の目標作用角を算出し、ステップ110で、検出作用角を、その補正後の目標作用角に一致させるためのモータ22制御を行うこととしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、温度変化に伴う吸気弁の特性変化の影響を、作用角を補正することで排除することとしているが、その影響を排除する手法はこれに限定されるものではない。例えば、温度の変化に伴って作用角が変化することを見越して、その作用角により生ずる吸入空気量に対して所望の空燃比が得られるように、個々の気筒における燃料噴射量に対して補正を加えることとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、制御軸12が回転することにより弁体32の作用角およびリフト量が変化することとされているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、弁体32の作用角やリフト量は、制御軸がスライドすることで生ずるものであってもよい。
更に、上述した実施の形態1においては、可変動弁機構30が、制御軸12の状態に応じて、作用角およびリフト量の双方を変化させることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、可変動弁機構は、作用角およびリフト量の一方のみを変化させるものであってもよい。そして、その場合は、温度の影響を排除するための補正は、作用角およびリフト量のうち、変化の生ずる方の値のみに着目して行うこととすればよい。
尚、上述した実施の形態1においては、第1アーム部材44および第2アーム部材46が、前記第1の発明における「可変機構」に、水温センサ29が前記第1の発明における「温度検出手段」に、それぞれ相当していると共に、ECU28が、上記ステップ100〜110の処理を実行することにより、前記第1の発明における「温度補正手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、回転角センサ26が前記第2の発明における「センサ」に、モータ22が前記第2の発明における「アクチュエータ」に、それぞれ相当していると共に、ECU28が上記ステップ110の処理を行うことにより、前記第2または第3の発明における「アクチュエータ制御手段」および「温度補正手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、回転角センサ26が前記第4の発明における「センサ」に、モータ22が前記第4の発明における「アクチュエータ」に、それぞれ相当していると共に、ECU28に、フィードバック制御における目標作用角を設定させることにより前記第4の発明における「目標状態設定手段」を、その目標作用角を温度に基づいて補正させることにより前記第4の発明における「温度補正手段」を、また、その補正後の目標作用角を制御目標としてモータ22のフィードバック制御を実行させることにより前記第4の発明における「アクチュエータ制御手段」を、それぞれ実現することができる。
実施の形態2.
次に、再び図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の可変動弁機構は、構造的には実施の形態1の可変動弁機構と同様の構造を有している。上述した実施の形態1の機構は、制御軸12とカムシャフト72の距離、つまり、図4(A)に示すL寸法を決める部材と、それらの間に介在する部材とを線膨張係数の異なる材質で構成することとしている。そして、シリンダヘッド10の周辺温度に基づいて作用角を補正することにより、熱膨張および熱収縮の影響を排除することとしている。
これに対して、本実施形態の可変動弁機構は、L寸法を決める部材、つまり、シリンダヘッド10と、制御軸12とカムシャフト72の間に介在する部材、つまり、第1アーム部材44および第2アーム部材46を、線膨張係数の等しい材質で構成することにより、熱膨張および熱収縮の影響を排除することとした。このような構成は、例えば、シリンダヘッド10を、第1アーム部材44および第2アーム部材46と同様に、鉄系材料で構成することにより実現することができる。
シリンダヘッド10と、第1アーム部材44および第2アーム部材46とが線膨張係数の等しい材質で構成されていれば、温度の変化に伴ってL寸法が膨張または収縮する際に、制御軸12とカムシャフト72の間の介在する機械的な機構にも、L寸法に生ずるのと同様の膨張収縮が生ずる。この場合、シリンダヘッド10の周辺温度が変化しても、基本アーム回転角θAOに変化が生じないため、弁体32の作用角と制御軸回転角θとの関係にも変化は生じない。このため、本実施形態の可変動弁機構によれば、作用角の補正等を行うまでもなく、温度の変化に影響されずに、常に所望の開弁特性を弁体32に与えることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、第1アーム部材44および第2アーム部材46が、前記第5の発明における「可変機構」および「前記制御軸と前記カムとの間に介在する部材」に、シリンダヘッド10が前記第5の発明における「前記制御軸とカムシャフトの距離を決める部材」に、それぞれ相当している。
本発明の実施の形態1の可変動弁機構の全体構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の可変動弁機構が一の気筒に対応して備える機械的機構(可変動弁機構)の斜視図である。 図2に示す可変動弁機構の構成要素である第1アーム部材と第2アーム部材の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の可変動弁機構が小リフト動作を行う場合の様子を示す図である。 本発明の実施の形態1の可変動弁機構が大リフト動作を行う場合の様子を示す図である。 本発明の実施の形態1の可変動弁機構において生ずる実作用角と温度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
12 制御軸
22 モータ
32 弁体
32 揺動アーム
44 第1アーム部材
46 第2アーム部材
72 カムシャフト
74 カム
θ 制御軸回転角
θ アーム回転角

Claims (5)

  1. 内燃機関の弁体の作用角およびまたはリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構であって、
    前記作用角およびまたはリフト量を変化させるべくその状態が制御される制御軸と、
    カムと弁体との間に介在しカムの回転と同期して揺動することにより当該カムの作用力を前記弁体に伝達する揺動アームと、
    前記制御軸の状態に応じて、前記弁体に対する前記揺動アームの基本相対角を変化させる可変機構と、
    前記制御軸および前記カムの近傍における温度を検出または推定する温度検出手段と、
    前記温度に基づいて、その温度の影響が排除されるように前記制御軸の状態を補正する温度補正手段と、
    を備えることを特徴とする可変動弁機構。
  2. 前記制御軸の状態を検出するセンサと、
    前記制御軸を駆動するアクチュエータと、
    前記センサの出力に基づいて前記アクチュエータの制御値を制御するアクチュエータ制御手段とを備え、
    前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記アクチュエータの制御値を補正することを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構。
  3. 前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記センサの出力を補正し、
    前記アクチュエータ制御手段は、補正後のセンサ出力に基づいて前記アクチュエータの制御値を制御することを特徴とする請求項2記載の可変動弁機構。
  4. 前記制御軸の状態を検出するセンサと、
    前記制御軸を駆動するアクチュエータと、
    前記制御軸の目標状態を設定する目標状態設定手段と、
    前記センサの出力と、前記制御軸の目標状態とが整合するように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備え、
    前記温度補正手段は、前記温度に基づいて、前記制御軸の目標状態を補正することを特徴とする請求項1記載の可変動弁機構。
  5. 内燃機関の弁体の作用角およびまたはリフト量を変化させる機能を有する可変動弁機構であって、
    前記作用角およびまたはリフト量を変化させるべくその状態が制御される制御軸と、
    カムと弁体との間に介在しカムの回転と同期して揺動することにより当該カムの作用力を前記弁体に伝達する揺動アームと、
    前記制御軸の状態に応じて、前記弁体に対する前記揺動アームの基本相対角を変化させる可変機構とを備え、
    前記制御軸とカムシャフトの距離を決める部材と、前記制御軸と前記カムとの間に介在する部材とが、線膨張係数の同じ材質で構成されていることを特徴とする可変動弁機構。
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