JP2005179783A - 耐摩耗鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度および耐摩耗性を安定に確保した上で、低温靭性および低温溶接割れ性に優れた耐摩耗鋼板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】化学成分としてmass%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼であり、焼入れ性指標Hが1.0以上、炭素等量Ceqが0.50%以下、かつ、ブリネル硬さHBが360以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板を用いる。ただしH=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B)、Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5である。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業機械および運搬機器等に用いられる耐摩耗鋼板及びその製造方法に関するものである。
近年、特にトラックをはじめとする輸送機器および土木、鉱山機械などの軽量化により、建産機用鋼板でも、これまで以上に高強度の耐摩耗性に優れた鋼板が要求されている。特に、建設、土木、鉱山等の分野で使用される産業機械、部品、運搬機器等(例えば、パワーショベル、ブルドーザー、ホッパー、バケット等)には、それらの寿命を確保するため、耐摩耗性に優れた鋼が用いられる。耐摩耗性を向上させるには、鋼板表面の硬さを向上させる必要があり、ブリネル難さ360程度以上を有することが好ましい。また、特に厳しい摩耗環境に使用される部材にはブリネル硬さ400程度以上の表面硬さが要求される場合がある。
しかし、硬さを高めると材質が脆くなったり、あるいはC量を増加させたことに起因して、低温靭性が劣化し、低温溶接割れ性が劣化するという問題がある。−40℃程度の低温域での作業を考えると、耐摩耗性は良くても低温靭性が低いと、脆性破壊を生じ作業に重大な支障をきたす。このため、ブリネル硬さ360程度以上であるとともに、低温靭性に優れている耐摩耗鋼板が望まれていた。
このような要求に対して、いくつかの方法が検討されている。例えば、特許文献1には、溶接性に優れた耐摩耗鋼板が提案されている。この技術では、P量を0.010%以下と規定し、溶接性を改善している。また、特許文献2には、溶接用耐摩耗鋼板板が提案されている。この技術では、炭素当量を0.35〜0.65%と規定し、溶接性を改善している。また、特許文献3には、寒冷地での使用に耐える溶接性に優れた耐摩耗鋼板が提案されている。この技術では、溶接性確保のためにC量を0.1〜0.2%としている。
特開昭60−243250号公報 特開昭63−307249号公報 特開昭63−169359号公報
特許文献1記載の技術では、C量が0.3〜0.5%と高く、靭性に関する考慮がされていない。また、そのため炭素当量もかなり高く(>0.5%)なるので、この鋼は溶接性に関してあまり期待できないと言える。
特許文献2記載の技術では、炭素等量を0.35〜0.65%と規定しているものの、C量が0.2〜0.4%とかなり高目に設定されており、-40℃における靭性が不十分である。
特許文献3記載の技術では、溶接性の確保のためにC量を0.1〜0.2%としているが、窒素含有量を0.0025%以下に制限する必要があり、コスト高となる恐れがある。また、焼入れ性を考慮していないので、以下に述べるように板厚が20mm程度以上の厚鋼板の場合にブリネル硬さを360程度以上を安定して確保できない問題がある。
すなわち、板厚が厚くなると表層部から板厚中央部にかけて硬さが低下する場合があり、耐摩耗部材としての寿命が確保できなくなる。耐摩耗部材の寿命を向上させるには、板厚方向の硬さを均一とすることが有効であるが、耐摩耗鋼の分野においては、このような観点からの技術は未だ例を見ない。
上述のように、-40℃程度の低温域での使用を考えた場合、高強度および耐摩耗性ばかりでなく、低温靭性が維持されることが望ましい。従来技術では、高強度および耐摩耗性を安定に確保しつつ、低温靭性および低温溶接割れ性を改善することは困難である。
本発明の目的は、これらの問題を解決し、強度および耐摩耗性を安定に確保した上で、低温靭性および低温溶接割れ性に優れた耐摩耗鋼板及びその製造方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、板厚方向の硬さの差が小さい耐摩耗鋼板及びその製造方法を提供することにある。
上記の課題は、次の発明により解決される。
(a)化学成分としてmass%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼であり、式(1)で示される焼入れ性指標Hが1.0以上、式(2)で示される炭素等量Ceqが0.50%以下、かつ、ブリネル硬さHBが360以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
H=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B) (1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (2)
但し、元素記号は各元素の含有量(mass%)を表す。
(b)鋼の化学成分がmass%で、さらにCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0025%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(a)に記載の耐摩耗鋼板。
(c)、化学成分としてmass%で、C:0.15〜0.30%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼であり、式(1)で示される焼入れ性指標Hが1.2以上、式(2)で示される炭素等量Ceqが0.50%以下、かつ、ブリネル硬さHBが400以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
H=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B) (1)
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (2)
但し、元素記号は各元素の含有量(mass%)を表す。
(d)、(c)に記載の耐摩耗鋼板において、化学成分が、記載された化学成分に加えてmass%で、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0025%の内1種以上を含有することを特徴とする耐摩耗鋼板。
(e)、(c)または(d)に記載の化学成分を有する鋼を、熱間圧延し、その後Ar3点以上の温度から焼入れることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
(f)、(a)ないし(d)のいずれかに記載の化学成分を有する鋼を、950〜1250℃に加熱し、900℃以下での圧下率を30%以上として熱間圧延し、焼入れすることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
本発明は、耐摩耗鋼板の炭素等量Ceqを低目に抑え、焼入後の組織と関係がある焼入れ性指標Hを所定の値に調整することにより、表面硬さおよび板厚中央部硬さを確保するとともに、低温靭性および低温溶接割れ性を向上させることができる。また、板厚方向の硬さの差が小さい耐摩耗鋼板を得ることができる。これにより、耐摩耗性、低温靭性、および耐溶接割れ性に優れ、特に低温域での使用に耐える厚鋼板等の鋼材が得られ、機械部品等の低温域での使用を可能とする効果がある。
この発明は、溶接性、靭性を兼ね備えた耐摩耗鋼板を提供すべく鋭意検討を重ねて得られた知見に基づきなされたものである。それは、炭素等量Ceqを低目に抑える代わりに、焼入れ性指標Hを所定の値に調整することが、硬さと耐磨耗性を確保しつつ、溶接性と靭性を両立させる上で有効というものである。
以下、本発明の化学成分の限定理由について述べる。以下の説明において%で示す単位は全てmass%である。
C:0.10〜0.30%
Cは、鋼の硬さを高めるのに重要な元素であり、また、焼入れ性を確保するために0.10%以上必要である。しかし、Cを0.30%を超えて大量に添加すると、溶接性、靭性、および加工性を劣化させる。従って、C量を0.10〜0.30%と規定した。ブリネル硬さHBを400以上とする場合は、Cを0.15%以上とすることが好ましい。
Si:0.1〜1.0%
Siは、脱酸元素として有効な元素であり、0.1%以上の添加が必要である。また、固溶強化に対しても有効な元素であるが、1.0%を超える添加量では、延性や靭性が低下し、介在物が増加する等の問題が生じる。従って、Si量を0.1〜1.0%と規定した。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、焼入れ性確保の観点から有効な元素であり、0.1%以上の添加が必要である。一方、2.0%を超えて添加すると、溶接性が劣化する。このため、Mn量を0.1〜2.0%と規定した。
P:0.02%以下
Pは、不純物元素で少ない方がよく、0.02%を超えて多量に含有すると靭性の劣化を招く。従って、P量を0.02%以下と規定した。
S:0.005%以下
S は、不純物元素で少ない方がよく、0.005%を超えて多量に含有すると靭性の劣化を招く。従って、S 量を0.005%以下と規定した。
以下、この発明では、必要に応じて次の元素の内1種または2種以上を含有することもできる。以下、それらの添加元素の限定理由について述べる。
Cu:0.1〜1.5%
Cuは、焼入れ性を高める元素であるが、0.1%未満ではこの効果を発揮することができない。一方、2.0%を超える添加では、熱間加工性が低下するとともに、合金コストも上昇する。従って、Cuを添加する場合は0.1〜2.0%の範囲とする。
Ni:0.1〜2.0%
Niは、焼入れ性を高めるとともに、低温靱性を向上させる元素であるが、0.1%未満ではこの効果を発揮することができない。一方、2.0%を超える添加では、合金コストが上昇する。従って、Niを添加する場合は0.1〜2.0%の範囲とする。
Cr:0.1〜1.5%
Crは、焼入れ性を高める元素であるが、0.1%未満ではこの効果を発揮することができない。一方、1.5%を超える添加では、溶接性が劣化するとともに合金コストが上昇する。従って、Crを添加する場合は0.1〜1.5%の範囲とする。
Mo:0.1〜2.0%
Moは、焼入れ性を高める元素であるが、0.1%未満ではこの効果を発揮することができない。一方、2.0%を超える添加では、溶接性が劣化するとともに合金コストが上昇する。従って、Moを添加する場合は0.1〜2.0%の範囲とする。特に好ましくは、0.1〜1.0%とする。
V:0.01〜0.5%
Vは、析出硬化に有効な元素であり、鋼の硬さを上昇させる効果を有している。この効果は0.01%未満では発揮されず、0.5%を超える添加では溶接性が劣化する。従って、Vを添加する場合は0.01〜0.5%の範囲とする。
Nb:0.005〜0.1%
Nbは、析出強化に有効な元素であり、鋼の硬さを上昇させる効果を有し、また、組織の微細化により靭性を向上させる効果も有する。これらの効果は0.005%未満では発揮されず、0.1%を超える添加では、溶接性が劣化する。このため、Nbを添加する場合は0.005〜0.1%の範囲とする。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは、靭性に有害な固溶NをTiNとして固定することにより靭性を向上させるとともに、焼入れ性の向上に有効である。この効果は0.005%未満では発揮されず、0.05%を超える添加では、かえって靭性が劣化する。従って、Tiを添加する場合は0.005〜0.05%の範囲とする。
B:0.0005〜0.0025%
Bは、微量添加で焼入れ性を高める元素であるが、0.0005%未満ではこの効果を発揮することができない。一方、0.0025%を超える添加では、靭性が低下する。従って、Bを添加する場合は0.0005〜0.0025%の範囲とする。
化学成分を上記の範囲とした上で、焼入れ性指標を以下の範囲に規定する。
焼入れ性指標H:1.0以上
焼入れ性指標Hは、下記(1)式で示され、焼入後の組織と関係があり、その結果、鋼の硬さに大きな影響を与える。焼入れ性指標Hが1.0未満であると、組織が完全な焼入れ組織とならず、あるいは表面の組織が完全な焼入れ組織となっていても、表層から板厚中央部にかけては完全な焼入れ組織とならず、ブリネル硬さ360未満に硬さが低下する。従って、焼入れ性指標Hを1.0以上に規定する。ブリネル硬さ400以上とする場合は、焼入れ性指標Hを1.2以上に規定することが好ましい。
H=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B) ……(1)
炭素等量Ceq:0.50%以下
炭素等量Ceqは、下記(2)式で示され、靭性および溶接性に大きな影響を与える。炭素等量Ceqが0.50%を超えると、所定の低温靭性が得られず溶接性も劣化する。従って、炭素等量Ceqを0.50%以下に規定する。
Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5……(2)
発明の実施に当たっては、前述のように化学成分を調整すればよいが、一部の化学成分については、さらに次のようにすることにより、特性を向上させることができる。
Cについては、添加量が多めになるとCeqの上限に近づき、他の合金元素、例えばMn等が十分に添加できなくなる。そこで、Cを0.25%以下とすることが好ましい。
Nbについては、添加量が多めになると組織微細化効果が小さくなり、靭性の向上が見込めなくなる場合がある。従って、Nbの添加量を0.05%以下とすることが好ましい。
Cu、Ni、Cr、Mo、Vについては、添加する場合には、焼入れ性を確保しつつ、合金コストの上昇を避けるために、それぞれ、0.5%、1.0%、1.0%、0.5%、0.1%以下とすることが好ましい。
炭素等量Ceqについては、靭性に及ぼす影響を図1に示す。図1に示すように、炭素等量Ceqが0.45%を超えると、-40℃における吸収エネルギーvE-40が顕著に低下し、さらにCeqが0.50%を超えると、vE-40≧27Jを安定に確保できなくなる。これより、炭素等量Ceqを少なくとも0.50%以下とする必要があるが、vE-40≧27Jを安定に確保しさらに高い靭性を得るには、炭素等量Ceqを0.45%以下とすることが望ましい。
また、溶接性を、JIS規格 Z 3153に準拠し、被覆アーク溶接でのy型溶接割れ試験により判断した。その結果、炭素等量Ceqが0.50%を超えると、溶接割れが生じやすくなることもわかった。
焼入れ性指標Hについては、焼入後の硬さに及ぼす影響を図2に示す。図2に示すように、焼入れ性指標Hが1.0以上のとき、表面硬さ(ブリネル硬さ)が360以上となり、焼入れ性指標Hが1.2以上のとき、表面硬さ(ブリネル硬さ)が400以上となるが、Hが1.0未満になると、組織が完全な焼入れ組織とならず、硬さが大きく低下する。一方、板厚が30mm以上の場合は、焼入れ性指標Hが1.5未満では、鋼板表面の硬さがHB360以上となっていても、板厚中央部の組織が完全な焼入れ組織とならず、硬さが大きく低下する場合がある。従って、板厚が30mm以上の場合は、焼入れ性指標Hを1.5以上とすることが好ましい。板厚が30mm以上であり、鋼板表面の硬さをHB400以上とする場合で板厚中央部の組織まで完全な焼入れ組織とするためには、Hを2.0以上とすることが好ましい。板厚30mm以上の場合については鋼板製造時の圧下率も関係するので後述する。
このような知見をまとめると、焼入れままで溶接性、靭性が共に優れた耐摩耗鋼板を提供するには、少なくとも炭素等量Ceqを0.50%以下、焼入れ性指標Hを1.0以上にすることが必要であり、更にブリネル硬さ400以上の特性を安定に確保するためには、炭素等量Ceqを0.45%以下、焼入れ性指標Hを2.0以上にすることが望ましい。
以上の化学成分を有する鋼を用いて耐摩耗鋼板を製造する。
本発明では、上記の化学成分を有する鋼を熱間圧延することにより、鋳造ままの粗い組織を細粒化し、靭性の向上を可能としている。熱間圧延は、通常の製造条件で実施すればよく、鋼片を圧延可能な温度に加熱し、目標の板厚に圧延すればよい。
圧延後の厚鋼板は、本発明の化学成分であれば焼入れることにより、硬さと低温靭性を目標の範囲内に調整することができる。
熱間圧延については、加熱温度が高すぎると組織粒が粗大化して靭性が劣化し、鋼板表面に疵が生じる場合があるため、加熱温度を1250℃以下とすることが望ましい。一方、加熱温度が低すぎると、直接焼入れの場合、焼入れ開始温度が低下し、目的とする性能が得られなくなる場合があるため、少なくともAr3点以上の温度から焼入れを開始できるように、温度設定する必要がある。また加熱温度が低いと組織粒が混粒となり靭性が劣化する場合もあるので、950℃以上とすることが好ましい。
また、熱間圧延では、オーステナイトの再結晶温度近傍において有効な圧下を加えることにより、鋼板表層から板厚中央部にかけて、硬さおよび靭性を高めることができる。その効果を得るためには、900℃以下の温度で圧下率15%以上となるように熱間圧延を施すことが望ましい。
焼入れについては、熱間圧延終了後、鋼板をそのまま放冷せずにAr3点以上の温度から焼入れても良いし、あるいはAr1点以下の温度に冷却した鋼板をAr3点以上の温度に再加熱して焼入れても良い。再加熱後に焼入れる場合、再加熱温度が高すぎると鋼板の組織が粗大となり、靭性を劣化させる恐れがあるため、再加熱温度は1150℃以下とすることが望ましい。また、必要に応じて、焼入れ中にAr3点以下の温度で冷却を停止することができる。冷却後の組織はマルテンサイトが主体であることが好ましい。
例えば、上記の化学成分を有し、式(1)で示される焼入れ性指標Hが1.2以上、式(2)で示される炭素等量Ceqが0.50%以下である鋼を、熱間圧延し、その後焼入れることにより、ブリネル硬さHBを400以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上とする耐摩耗鋼板を製造することができる。
次に、焼入れ性が問題になる板厚の厚い鋼板を製造する場合について説明する。図3に本発明の耐摩耗鋼を1200℃に加熱し、900℃以下での圧下率を0〜45%として熱間圧延し、板厚30mm以上の鋼板を製造した際の、圧下率と焼き入れ指標Hに対するブリネル硬さHBとΔHV(鋼板表層部と板厚中央部とのビッカース硬さの差)の関係を示す。本発明の耐摩耗鋼板は板厚20mm程度までは特に問題なく上記の方法を用いて製造できるが、板厚30mm以上の場合には900℃以下での圧下率が低いと板厚中央部分まで焼きが入りにくくなり、鋼板表面と鋼板の板厚中央部での硬さの差が大きくなる。900℃以下での圧下率が高い場合は圧下による歪により板厚中央部のマルテンサイト変態が促進されて、鋼板表面と鋼板の板厚中央部での硬さの差が小さくなる。
図3によれば、熱間圧延時の圧下率が30%以上であれば、焼入れ指標がH1.0以上でブリネル硬さ360以上、焼入れ指標Hが1.2以上でブリネル硬さ400以上の耐摩耗鋼板を得ることができる。また鋼板表層部と板厚中央部とのビッカース硬さの差であるΔHVは50以下であり、板厚中央部まで硬さが安定して確保されている。したがって、本発明の化学成分を有する鋼を950〜1250℃に加熱し、900℃以下での圧下率を30%以上として熱間圧延し、焼入れすることで板厚にかかわらずに本発明の耐摩耗鋼板を製造することができることが分かる。
また図3によれば、熱間圧延時の圧下率が30%未満の場合は、焼入れ性指標Hが1.0以上であってもΔHVが50超となり、板厚中央部の固さが低下してしまう場合がある。しかし、熱間圧延時の圧下率が30%未満の場合でも、焼入れ指標Hが1.5以上であればブリネル硬さHBが360以上かつΔHVが50以下、焼入れ指標Hが2.0以上であればブリネル硬さ400以上かつΔHVが50以下の耐摩耗鋼板を得ることができることが分かる。したがって、本発明の化学成分を有し、かつ焼入れ性指標Hが1.5以上である鋼を、950〜1250℃に加熱し、900℃以下での圧下率を30%未満として厚さ30mm以上に熱間圧延し、焼入れすることでブリネル硬さ360以上の板厚方向硬さの均一な耐摩耗鋼板を、また、焼入れ性指標Hが2.0以上である鋼を、950〜1250℃に加熱し、900℃以下での圧下率を30%未満として厚さ30mm以上に熱間圧延し、焼入れすることでブリネル硬さ400以上の板厚方向硬さの均一な耐摩耗鋼板を製造することが可能となる。
したがって、焼入れ性指標H≧1.5である場合には圧下率にかかわり無くHB≧360であり板厚方向硬さを均一とすることができる。また、焼入れ性指標H≧2.0である場合には圧下率にかかわり無くHB≧400であり板厚方向硬さを均一とすることができる。しかし圧下率が高い方が板厚中央部と表層部との硬さの差が小さくなる点では好ましく、板厚が30mm未満の場合でも、900℃以下での圧下率を30%以上とすれば、板厚中央部と表層部との硬さの差が小さくなるのでより好ましい。
表1に示す成分組成を有する鋼A〜Qの鋼片を、1150℃に加熱し、900℃以下での圧下率を20%として板厚9〜50mmに熱間圧延した後、直接焼入れ、あるいは放冷後再加熱して焼入れした。鋼A〜K、M、Oは本発明鋼であり、鋼L、N、P、Qは比較鋼である。
Figure 2005179783
得られた鋼板について、特性値として、硬さ、低温靭性、溶接性を調べた。表面硬さは、JIS規格Z2243に準拠し、黒皮を除去した鋼板表面においてランダムに選んで測定した5点の平均値を用い、HB360以上を合格とし、HB400以上を特に好ましい範囲とした。板厚方向硬さは、JIS規格Z2244に準拠してビッカース硬さHVで評価した。鋼板表層下2mmおよび板厚中央部で測定した各5点のビッカース硬さHVの平均値を用い、表層と板厚中央部との硬さの差ΔHV≦50を板厚方向での硬さの差の小さい鋼板として評価した。
低温靭性は、JIS規格Z2242に準拠し、-40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーを測定し、vE-40≧27Jを合格とした。溶接性は、JIS規格Z3157に準拠し、予熱温度を125℃としたy型溶接割れ試験における割れの有無で評価した。得られた特性値を表2に製造法とともに示す。
Figure 2005179783
表2に示すように、本発明鋼は、耐摩耗鋼板として有効な高い表面硬さ、板厚中央部硬さとともに、十分な低温靭性、および良好な溶接割れ性を有している。
これに対して、比較鋼Lは、C量が本発明の範囲外であり、良好な溶接割れ性が得られていない。比較鋼Nは、炭素当量Ceqが本発明の範囲外であり、十分な低温靭性と良好な溶接割れ性が得られていない。比較鋼P、Qは、それぞれP量、S量が本発明の範囲を超えており、十分な低温靭性が得られていない。
本発明鋼Oは、化学成分が本発明の範囲内であり、ブリネル硬さHBは400以上であるが、板厚30mmに対して焼入れ性指標Hが1.5未満であり、板厚中央部において硬さが低下し、ΔHV>50であった。従って、板厚が厚い場合は、板厚中央部において十分な硬さを得るため、焼入れ性指標Hを1.5以上に調整することが好ましい。
表3に示す成分組成を有する鋼A〜Qの鋼片を、表4に示す製造方法を用いて板厚9〜50mmに熱間圧延した後、直接焼入れしてNo.1〜17の鋼板を製造した。鋼A〜Kは本発明鋼であり、鋼L〜Qは比較鋼である。
Figure 2005179783
得られた鋼板について、特性値として、硬さ、低温靭性、溶接性を調べた。表面硬さは、JIS規格Z2243に準拠し、黒皮を除去した鋼板表面においてランダムに選んで測定した5点の平均値を用い、HB360以上を合格とした。板厚方向硬さは、JIS規格Z2244に準拠してビッカース硬さHVで評価した。鋼板表層下2mmおよび板厚中央部で測定した各5点のビッカース硬さHVの平均値を用い、表層と板厚中央部との硬さの差ΔHV≦50を板厚方向での硬さの差の小さい鋼板として評価した。
低温靭性は、JIS規格Z2242に準拠し、-40℃におけるシャルピー衝撃吸収エネルギーを測定し、vE-40≧27Jを合格とした。溶接性は、耐溶接低温割れ性で評価し、JIS規格Z3157に準拠し、予熱温度を125℃としたy型溶接割れ試験における割れの有無で評価した。得られた特性値を表4に併せて示す。
Figure 2005179783
表4に示すように、No.1〜5、7〜11の本発明鋼板は、耐摩耗鋼板として有効な高い表面硬さを有し板厚方向硬さが均一であるとともに、十分な低温靭性、および良好な溶接割れ性を有している。
これに対して、No.6の鋼板は加熱温度が1250℃超であり、粒粗大化により低温靭性が劣化している。比較鋼Lは、C量が本発明の範囲外であり、No.12の鋼板は良好な低温靭性と溶接割れ性が得られていない。比較鋼MはC量が低く、No.13の鋼板はHB360以上の硬度が得られていない。比較鋼Nは、炭素当量Ceqが本発明の範囲外であり、No.14の鋼板は十分な低温靭性が得られていない。比較鋼P、Qは、それぞれP量、S量が本発明の範囲を超えており、No.16、17の鋼板は十分な低温靭性が得られていない。
比較鋼Oは、Hが1.0未満であり、化学成分が本発明の範囲外である。No.15の鋼板はブリネル硬さHBは360以上であるが、焼入れ性が低いので、板厚中央部において硬さが低下し、ΔHV>50であった。
靭性に及ぼす炭素等量Ceqの影響を示す図。 焼入後の硬さに及ぼす焼入れ性指標Hの影響を示す図。 圧下率と焼入れ性指標Hに対するHBとΔHVの関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 化学成分としてmass%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼であり、式(1)で示される焼入れ性指標Hが1.0以上、式(2)で示される炭素等量Ceqが0.50%以下、かつ、ブリネル硬さHBが360以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
    H=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B) (1)
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (2)
    但し、元素記号は各元素の含有量(mass%)を表す。
  2. 鋼の化学成分がmass%で、さらにCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0025%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗鋼板。
  3. 化学成分としてmass%で、C:0.15〜0.30%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼であり、式(1)で示される焼入れ性指標Hが1.2以上、式(2)で示される炭素等量Ceqが0.50%以下、かつ、ブリネル硬さHBが400以上、-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40が27J以上であることを特徴とする耐摩耗鋼板。
    H=C×(1+0.5Si)×(1+3Mn)×(1+0.3Cu)×(1+0.5Ni)×(1+2Cr)×(1+3Mo)×(1+1.5V)×(1+5Nb)×(1+300B) (1)
    Ceq=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5 (2)
    但し、元素記号は各元素の含有量(mass%)を表す。
  4. 請求項3記載の耐摩耗鋼板において、化学成分が、記載された化学成分に加えてmass%で、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.01〜0.5%、Ti:0.005〜0.05%、B:0.0005〜0.0025%の内1種以上を含有することを特徴とする耐摩耗鋼板。
  5. 請求項3または請求項4に記載の化学成分を有する鋼を、熱間圧延し、その後Ar3点以上の温度から焼入れることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化学成分を有する鋼を、950〜1250℃に加熱し、900℃以下での圧下率を30%以上として熱間圧延し、焼入れすることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
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