JP2005179444A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐熱性を有する硬化物を得ることができる、シラン縮合物を含有する硬化性組成物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有し、α,β不飽和カルボニル基を2個以上有するシラン縮合物(A)と、下記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を構成成分として含有し、チオール基を2個以上有するシラン縮合物(B)と、を含有する硬化性組成物。
【化1】
Figure 2005179444

(式中、R1は炭素数1〜12のアルキレン基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、R4は水素原子または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。複数のR2またはR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、シラン縮合物を含有する硬化性組成物に関する。
ビスマレイミドと芳香族ジアミンとの反応で得られる硬化性樹脂やエポキシ/シリカハイブリッド体は、高いガラス転移温度(Tg)を有する耐熱性樹脂であることが知られており、ガラス転移に伴う弾性率やtanδの変化が少ない耐熱性に優れた材料として報告されている(例えば、非特許文献1および2参照。)。
「高分子論文集」,1984年10月,第41巻,第10号,p.629−633 M.Ochi etc, Polymer, 42, 2001, p.5151-5159
しかしながら、上述する非特許文献1および2等に記載の公知の硬化性樹脂やエポキシ/シリカハイブリッド体は、現在の要求特性の下では、得られる硬化物の耐熱性をより向上させる必要があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、高い耐熱性を有する硬化物を得ることができる、シラン縮合物を含有する硬化性組成物の提供を目的とする。
本発明者は、特定のシラン縮合物を含有する硬化性組成物が、高い耐熱性を有する硬化物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記(i)〜(viii)に記載の硬化性組成物を提供する。
(i)下記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有し、α,β不飽和カルボニル基を2個以上有するシラン縮合物(A)と、下記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を構成成分として含有し、チオール基を2個以上有するシラン縮合物(B)と、を含有する硬化性組成物(第1の態様)。
Figure 2005179444
式中、R1は炭素数1〜12のアルキレン基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、R4は水素原子または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。複数のR2またはR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(ii)さらに、アミノ基および/またはチオール基を有する硬化剤(C)を含有する上記(i)に記載の硬化性組成物。
(iii)さらに、α,β不飽和カルボニル基を有する化合物(D)を含有する上記(i)または(ii)に記載の硬化性組成物。
(iv)さらに、シリカ、マイカ、クレー、カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種の充填剤を含有する上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(v)上記シラン縮合物(B)を、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該シラン縮合物(B)のチオール基が0.5〜1.5当量となる割合で含有する上記(i)〜(iv)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(vi)上記シラン縮合物(B)を、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該シラン縮合物(B)のチオール基が0.5〜1.5当量となる割合で含有し、
上記硬化剤(C)を、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該硬化剤(C)のアミノ基および/またはチオール基が0.9当量以下となる割合で含有する上記(ii)に記載の硬化性組成物。
(vii)上記シラン縮合物(B)を、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該シラン縮合物(B)のチオール基が0.5〜1.5当量となる割合で含有し、
上記化合物(D)を、上記シラン縮合物(B)のチオール基1.0当量に対して、該化合物(D)のα,β不飽和カルボニル基が0.9当量以下となる割合で含有する上記(iii)に記載の硬化性組成物。
(viii)上記(i)〜(vii)のいずれかに記載の硬化性組成物から得られる硬化物品(第2の態様)。
以下に説明するように、本発明によれば、高い耐熱性を有する硬化物を得ることが可能となり、用いるシラン縮合物が室温で液体であれば、ゾル−ゲル法を使用せず、溶剤を用いずに組成物の混合、硬化反応および架橋反応が進行する硬化性組成物を提供できるため有用である。また、この硬化性組成物は、1液型接着剤として使用することが可能であり、透明性を有するため電子材料分野にも応用が可能であり、さらに、高耐熱性を必要とする航空宇宙分野におけるプリプレグのマトリックス樹脂、導電性接着剤用のバインダー樹脂、光学用材料(例えば、眼鏡レンズ)等にも応用が可能であることから非常に有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様に係る硬化性組成物(以下、単に「本発明の硬化性組成物」という場合がある。)は、上記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有し、α,β不飽和カルボニル基を2個以上有するシラン縮合物(A)と、上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を構成成分として含有し、チオール基を2個以上有するシラン縮合物(B)と、を含有する硬化性組成物である。
以下に、本発明の硬化性組成物に用いる各成分について説明する。
<シラン縮合物(A)>
本発明の硬化性組成物に用いるシラン縮合物(A)は、上記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有する縮合物であって、α,β不飽和カルボニル基を2個以上有する縮合物であれば特に限定されず、さらに、後述するシリケート、アルコキシシラン、ハロゲノアルコキシシラン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびシランカップリング剤等を含有していてもよい。
上記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物中のシリル基は、加水分解性の置換基を少なくとも1個有しており、2個以上有していることがより好ましく、3個以上有していることが特に好ましい。2個以上有すると、上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有するシラン縮合物(A)が、後述するシラン縮合物(B)との硬化反応において、耐熱性の向上に寄与することになる。
上記加水分解性の置換基としては、具体的には、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、加水分解性の穏やかなアルコキシ基が好ましい。
なお、加水分解性の置換基を選択することにより、用途に応じた、加水分解速度や接着性発現時間を調整することができる。
α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物について詳細に説明する。
上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2005179444
上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜12のアルキレン基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、R4は水素原子または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。複数のR2またはR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
1の炭素数1〜12のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられ、入手が容易で接着性が優れる点からトリメチレン基がより好ましい。
2およびR3の炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基等が挙げられ、これらの基が二重結合または三重結合を含んでいてもよい。これらのうち、メチル基、エチル基が好ましい。
4の炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基としては、具体的には、例えば、上記R2およびR3の具体例以外に、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、これらの基が二重結合または三重結合を含んでいてもよい。ここで、R4としては、水素原子、メチル基が好ましい。
ここで、上記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物としては、具体的には、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上述したα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物が、室温で液体となる化合物(例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)であれば、該α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有するシラン縮合物(A)を室温で液体とすることが可能となり、後述するシラン縮合物(B)との混合および硬化反応時に溶剤が不要になるという理由から好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いるシラン縮合物(A)は、上記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を、構成成分として1種単独で含有していてもよく、2種以上を併用して含有していてもよい。
また、上記シラン縮合物(A)は、構成成分として含有する上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を、該α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物における縮合可能な基1.0当量に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量の割合で添加される水と、該α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは1〜2質量部添加される酸触媒もしくは塩基触媒との存在下で、10〜80℃、好ましくは室温で、5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応(縮合反応)させることにより得られるが、これに限定されない。
さらに、上記シラン縮合物(A)は、構成成分として含有する上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物が室温で液体である場合において、該α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物における縮合可能な基1.0当量に対して0.1〜1.2当量、好ましくは0.8〜1.0当量の割合で添加される水と、該α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは1〜2質量部添加される酸触媒もしくは塩基触媒との存在下で、10〜80℃、好ましくは室温で、5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応(縮合反応)させることによって室温で液体の縮合物となる。
上記酸触媒としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、n−ブチルリン酸;ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫などの錫系酸触媒;テトライソプロポキシチタン、チタンアセチルアセトネートなどのチタン系酸触媒等が挙げられ、上記塩基触媒としては、具体的には、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン系触媒等が挙げられる。これらのうち、トリエチルアミン、ピリジンを用いることが、縮合反応後の脱溶媒により該塩基触媒を容易に除去できる理由から好ましい。
<シラン縮合物(B)>
本発明の硬化性組成物に用いるシラン縮合物(B)は、上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を構成成分として含有する縮合物であって、チオール基を2個以上有する縮合物であれば特に限定されず、さらに、上記シラン縮合物(A)と同様、後述するシリケート、アルコキシシラン、ハロゲノアルコキシシラン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびシランカップリング剤等を含有していてもよい。
上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物中のシリル基は、加水分解性の置換基を少なくとも1個有しており、2個以上有していることがより好ましく、3個以上有していることが特に好ましい。2個以上有すると、上記メルカプトシラン化合物を構成成分として含有するシラン縮合物(B)が、上記シラン縮合物(A)との硬化反応において、耐熱性の向上に寄与することになる。
上記加水分解性の置換基としては、具体的には、上述したα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物において例示した置換基が挙げられ、α,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物と同様、加水分解性の穏やかなアルコキシ基が好ましい。
なお、加水分解性の置換基を選択することにより、用途に応じた、加水分解速度や接着性発現時間を調整することができる。
次に、上記メルカプトシラン化合物について詳細に説明する。
上記メルカプトシラン化合物は、チオール基と、上述したシリル基とを有するメルカプトシラン化合物であって、下記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物である。
Figure 2005179444
上記一般式(2)中、R1は炭素数1〜12のアルキレン基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。複数のR2またはR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、R1、R2およびR3は、上記一般式(1)で説明したものと基本的に同一である。
上記一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられる。
また、上述したα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物と同様、上記メルカプトシラン化合物が室温で液体となる化合物(例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等)であれば、該メルカプトシラン化合物を構成成分として含有するシラン縮合物(B)を室温で液体とすることが可能となり、上述したシラン縮合物(A)との混合および硬化反応時に溶剤が不要になるという理由から好ましい。
本発明の硬化性組成物に用いるシラン縮合物(B)は、上記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を、構成成分として1種単独で含有していてもよく、2種以上を併用して含有していてもよい。
また、上記シラン縮合物(B)は、上記シラン縮合物(A)と同様、構成成分として含有する上記メルカプトシラン化合物を、該メルカプトシラン化合物における縮合可能な基1.0当量に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量の割合で添加される水と、該メルカプトシラン化合物100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは1〜2質量部添加される酸触媒もしくは塩基触媒との存在下で、10〜80℃、好ましくは室温で、5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応(縮合反応)させることにより得られるが、これに限定されない。
さらに、上記シラン縮合物(B)は、上記シラン縮合物(A)と同様、構成成分として含有する上記メルカプトシラン化合物が室温で液体である場合において、該メルカプトシラン化合物における縮合可能な基1.0当量に対して0.1〜1.2当量、好ましくは0.8〜1.0当量の割合で添加される水と、該メルカプトシラン化合物100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは1〜2質量部添加される酸触媒もしくは塩基触媒との存在下で、10〜80℃、好ましくは室温で、5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応(縮合反応)させることによって室温で液体の縮合物となる。
上記酸触媒および上記塩基触媒としては、具体的には、上記シラン縮合物(A)において例示した触媒が挙げられ、シラン縮合物(A)と同様、トリエチルアミン、ピリジンを用いることが、縮合反応後の脱溶媒により該塩基触媒を容易に除去できる理由から好ましい。
本発明においては、上記シラン縮合物(A)および(B)は、上述したように、シリケート、アルコキシシラン、ハロゲノアルコキシシラン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびシランカップリング剤等を、それぞれさらに含有していてもよい。
ここで、上記シリケートとは、下記一般式(3)で表される化合物のことであり、その具体例としては、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。
Figure 2005179444
上記一般式(3)中、Raはそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、その具体例としては、上記一般式(1)のR2およびR3で例示したアルキル基を挙げることができる。
また、上記アルコキシシランとは、下記一般式(4)で表される化合物のことであり、その具体例としては、下記式(5)、(6)および(7)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2005179444
上記一般式(4)中、Rbはそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、その具体例としては、上記一般式(1)のR2およびR3で例示したアルキル基を挙げることができ、mは2〜10の整数である。
また、上記ハロゲノアルコキシシランとは、下記一般式(8)で表される化合物のことである。
Figure 2005179444
上記一般式(8)中、RcおよびRdはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基であり、Reは炭素数1〜9の2価の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、kは1〜3の整数である。また、複数のRcまたはRdはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
cおよびRdの炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、Reは炭素数1〜9の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、ビニレン基などの2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロへキシレン基などの2価の脂環式炭化水素基;1,4−フェニレン基、1,3−フェニレンビス(メチレン)基などの2価の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が例示される。より具体的には、アルキレン基として、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,8−オクチレン基等が好適に例示される。
Xのハロゲン原子としては、具体的には、例えば、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)等が挙げられる。
また、上記ポリシロキサンとしては、具体的には、例えば、下記式(9)および(10)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2005179444
また、上記ポリジメチルシロキサンとしては、具体的には、例えば、下記一般式(11)で表されるメルカプト基を有する化合物、下記一般式(12)で表されるスルフィド結合を有する化合物、下記一般式(13)で表されるシラノール基を有する化合物が挙げられ、より具体的には、下記式(14)および(15)で表される化合物が好適に例示される。
Figure 2005179444
上記一般式(11)中、Rfは炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Rgはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基であり、Rhは炭素数1〜10の1価の炭化水素基でありO、NおよびSからなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、rは10〜1000の数である。
fの炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、具体的には、例えば、上記一般式(8)のReで例示した2価の炭化水素基を挙げることができる。
hの炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、ビニル基などの1価の脂肪族炭化水素基;シクロへキシル基などの1価の脂環式炭化水素基;フェニル基などの1価の芳香族炭化水素基;およびこれらを組合せた基等が例示される。より具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基等が好適に例示される。
また、上記一般式(12)中、Rfは炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Rgはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基であり、xは2〜6の整数である。複数のRfおよびRgはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、RfおよびRgは上記一般式(11)で説明したものと基本的に同一である。
また、上記一般式(13)中、sは5〜1000の数である。
さらに、上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、下記式(16)で表されるトリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、下記式(17)で表されるトリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾール−テトラスルフィド、下記式(18)で表されるトリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、下記式(19)で表されるメチルジメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、下記式(20)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2005179444
このようなシリケート、アルコキシシラン、ハロゲノアルコキシシラン、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびシランカップリング剤等を含有する場合の合計の含有量は、含有後のシラン縮合物の全体の質量に対して50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
このようなシラン縮合物(A)および(B)を含有する本発明の硬化性組成物は、該シラン縮合物(A)および(B)のそれぞれが、得られる硬化物の耐熱性、弾性率、強度、耐熱性、耐食性および光学特性の向上に寄与するため有用である。これは、上記シラン縮合物(A)および(B)が、硬化反応により架橋して、三次元的な架橋構造を形成するためであると考えられる。
また、上述したように、上記シラン縮合物(A)および/または(B)が室温で液体であれば、該シラン縮合物(A)および(B)を含有する本発明の硬化性組成物は、ゾル−ゲル法を使用せず、溶剤を用いなくても混合および硬化反応を進行させることができるため特に有用である。
また、本発明においては、上記シラン縮合物(B)を、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該シラン縮合物(B)のチオール基が0.5〜1.5当量となる割合で含有していることが好ましく、0.8〜1.2当量となる割合で含有していることがより好ましい。
上記シラン縮合物(B)の含有割合がこの範囲であれば、本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の架橋密度が向上して、高い耐熱性を有する理由から好ましい。
<硬化剤(C)>
本発明の硬化性組成物は、所望により、上記メルカプトシラン化合物以外の硬化剤として、アミノ基および/またはチオール基を有する硬化剤(C)をさらに含有していてもよい。
上記硬化剤(C)のうち、上記アミノ基を有する硬化剤としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、メタンジフェニルジアミン(MDA)などの第1級アミン;ジブチルアミンなどの第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンなどのポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルホルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンなどの環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミノフェノール化合物;等のアミン化合物が挙げられ、これらのアミン化合物のカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタートなどの第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;等も用いることができる。
上記硬化剤(C)のうち、上記チオール基を有する硬化剤は、上述したように上記メルカプトシラン化合物以外の硬化剤であって、その具体例としては、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、1,5−ナフタレンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタンなどのジチオール;ポリチオール(商品名:チオコールLP70(東レチオコール社製))などのポリチオール;等のチオール化合物が挙げられる。
また、所望により添加される上記硬化剤(C)は、本発明の硬化性組成物において、上記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該硬化剤(C)のアミノ基および/またはチオール基が0.9当量以下となる割合で含有していることが物性(例えば、曲げ、引張り、圧縮特性)の制御の観点から好ましい。
ここで、上記「アミノ基および/またはチオール基が0.9当量以下」において、「アミノ基およびチオール基が0.9当量以下」の態様は、「アミノ基およびチオール基の合計が0.9当量以下」のことを示す。
<化合物(D)>
本発明の硬化性組成物は、所望により、上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物以外の化合物として、α,β不飽和カルボニル基を有する化合物(D)をさらに含有していてもよい。
上記化合物(D)は、上述したように上記のα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物以外の化合物であって、その具体例としては、ジグリシジルビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリアクリル化イソシアヌレート、ジエチレングリコールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、1,3−ブチレンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、およびこれらのメタクリレート等が挙げられる。
また、所望により添加される上記化合物(D)は、本発明の硬化性組成物において、上記シラン縮合物(B)のチオール基1.0当量に対して、該化合物(D)のα,β不飽和カルボニル基が0.9当量以下となる割合で含有していることが物性(例えば、曲げ、引張り、圧縮特性)の制御の観点から好ましい。
本発明の硬化性組成物は、上記成分の他に、調製の容易性、塗布工程の作業性を改善するため、所望により有機溶媒を含有させることができる。
有機溶媒としては、上記成分に対して不活性であり、かつ、適度な揮発性を有するものであれば特に限定されない。
このような有機溶媒としては、具体的には、例えば、m−クレゾール、メチルエチルケトン、ジメチルアセトアミド、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、イソヘキサン、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等が挙げられ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、これらの有機溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、本発明の効果を奏する範囲において、脱水剤、可塑剤、充填剤、補強剤、垂れ防止剤、着色剤(顔料)、老化防止剤、接触促進剤等の各種添加剤を配合してもよい。
脱水剤としては、具体的には、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;または、エチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルシリケ−ト(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン;等が挙げられる。これらのうち、脱水効果の点から、ビニルシランを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
可塑剤は粘度および物性調整に使用され、一般には、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸等の誘導体をはじめ、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系等のものが例示される。
充填剤は機械物性を調整するために各種の充填剤を配合することができ、一般には、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、クレー、カーボンブラックなどが用いられる。充填剤の活性、粒子形状、pH、表面処理の有無などにより、貯蔵安定性、硬化速度、物性、発泡に与える影響が大きく、種類、量の決定には注意する必要がある。特に炭酸カルシウムは、脂肪酸エステル、または高級アルコールウレタン化合物により処理されたものが好適に使用される。
着色剤(顔料)としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩などの無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラックなどの有機顔料;等が挙げられる。
老化防止剤の具体例としては、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が適宜用いられる。例えば、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物が挙げられる。
このような構成を有する本発明の硬化性組成物は、上述したように、上記シラン縮合物(A)および/または(B)が室温で液体であれば、ゾル−ゲル法を使用せず、該シラン縮合物同士を混合および硬化させる際に溶剤を用いる必要がなく、また、後述する実施例で示すように、得られる硬化物のガラス転移温度が300℃以上となることから高い耐熱性を有するという効果を有するため有用である。
さらに、本発明の硬化性組成物は、上記シラン化合物(A)および(B)の硬化反応が室温下では進行しないことから貯蔵安定性にも優れるため1液型接着剤として使用することが可能であり、透明性を有するため電子材料分野にも応用が可能であり、高耐熱性を必要とする航空宇宙分野におけるプリプレグのマトリックス樹脂、導電性接着剤用のバインダー樹脂、光学用材料(例えば、眼鏡レンズ)等にも応用が可能であることから非常に有用である。
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記シラン縮合物(A)および(B)、ならびに所望により含有させる上記硬化剤(C)、(D)、有機溶媒および各種添加剤を混合し、ロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機等を用いて室温下または加熱下(40〜80℃、例えば40℃)で十分に混合し、均一に分散させることにより得られる。
また、本発明においては、上記シラン縮合物(A)および(B)の硬化反応は、180℃以上で2時間以上、好ましくは180〜200℃で2〜10時間程度で進行する。
本発明の第2の態様に係る硬化物品は、上述した本発明の第1の態様に係る硬化性組成物から得られる硬化物品であって、例えば、該硬化性組成物を含浸もしくは塗布して得られる硬化物品である。
具体的には、積層体(例えば、プリプレグ等の積層体)、半導体部品材料、光学部品材料などに、上記硬化性組成物を含浸もしくは塗布して得られる塗装物等が好適に挙げられる。
以下に実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(シラン縮合物(A1)の合成)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100g(0.403mol)と、水14.5g(0.806mol)とを、80℃で4時間反応させた。反応後、縮合により発生するメタノールを減圧下で濃縮、除去し、下記式(21)で表されるシラン縮合物(A1)をほぼ定量的に透明液体として得た。1H−NMRにより、メトキシ基のプロトン数の減少(9個→0.68個)を確認し、縮合物が得られたことを確認した。
(シラン縮合物(B1)の合成)
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン150g(0.764mol)と、水20.6g(1.146mol)とを、50℃で5時間反応させた。反応後、縮合により発生するメタノールを減圧下で濃縮、除去し、下記式(22)で表されるシラン縮合物(B1)をほぼ定量的に透明液体として得た。1H−NMRにより、メトキシ基のプロトン数の減少(9個→1.5個)を確認し、縮合物が得られたことを確認した。
Figure 2005179444
(実施例1)
得られたシラン縮合物(A1)とシラン縮合物(B1)とを、下記表1に示す組成成分(官能基比)で含有する組成物を、無溶媒で室温で万能攪拌機を用いて混合した後、60℃で1時間、100℃で3.5時間、180℃で2時間加熱することにより、下記式(23)で表される実施例1の硬化物が得られた。
Figure 2005179444
DSC(示差走査熱量測定)を、室温(25℃)〜350℃まで10℃/分の昇温条件で行い、実施例1の硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。その結果を下記表1に示す。また、DSC測定における実施例1の硬化物の温度(℃)と熱流(W/g)との関係を図1に示す。
Figure 2005179444
上記表1および図1に示す結果より、実施例1で得られた硬化物は、300℃までの範囲で、ガラス転移点が消失していることが分かり、高い耐熱性を有していることが明らかとなった。
DSC測定における実施例1の硬化物の温度(℃)と熱流(W/g)との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるα,β不飽和カルボニル基を有するシラン化合物を構成成分として含有し、α,β不飽和カルボニル基を2個以上有するシラン縮合物(A)と、下記一般式(2)で表されるメルカプトシラン化合物を構成成分として含有し、チオール基を2個以上有するシラン縮合物(B)と、を含有する硬化性組成物。
    Figure 2005179444

    (式中、R1は炭素数1〜12のアルキレン基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、R4は水素原子または炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。複数のR2またはR3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記シラン縮合物(B)を、前記シラン縮合物(A)のα,β不飽和カルボニル基1.0当量に対して、該シラン縮合物(B)のチオール基が0.5〜1.5当量となる割合で含有する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1または2に記載の硬化性組成物から得られる硬化物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013129565A1 (ja) * 2012-03-02 2013-09-06 電気化学工業株式会社 樹脂組成物
JP2014221852A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 地方独立行政法人 大阪市立工業研究所 表面保護コーティング用組成物および表面保護層が形成された基材

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