JP2005179291A - β−エンドルフィン産生促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、β−エンドルフィンの産生を促進する成分を見出し、種々の皮膚症状に応用することが可能なβ−エンドルフィン産生促進剤を提供することにある。
【解決手段】 優れた効果を発揮するβ−エンドルフィン産生促進剤としてテルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を用いる。得られたβ−エンドルフィン産生促進剤は、皮膚におけるβ−エンドルフィンの産生を促進することにより、皮膚にリラックス効果を与えるとともに、ストレスに起因する種々の皮膚症状を予防あるいは改善することが可能である。特に、細胞賦活作用や美白作用に基づく皮膚症状の予防や改善を図ることができる。本発明により予防や改善が図られる皮膚症状の例としては、しわ,たるみ,しみ,くすみ,乾燥,肌荒れなどを挙げることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、β−エンドルフィンの産生を促進するβ−エンドルフィン産生促進剤に関する。さらに詳しくは、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を含有するβ−エンドルフィン産生促進剤に関する。
β−エンドルフィンは、脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)及びメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)と共通の前駆体タンパク質であるプレプロオピオメラノコルチン(POMC)から生合成される内因性モルヒネ様ペプチド(オピオタイドペプチド)の一種であり、鎮痛作用や抗ストレス作用を有することから脳内快楽物質として知られている。β−エンドルフィンは、脳下垂体中葉・後葉に多く含まれ、ストレスなどの侵害要因によって血中にも分泌されることが知られているが、近年の研究によって、皮膚においてもPOMCが合成され、表皮ケラチノサイトよりβ−エンドルフィンが遊離することが明らかとされている(非特許文献1,2参照)。
しかし、β−エンドルフィンの皮膚における生理的作用については、未だ不明な点も多く、詳細な検討はなされていない現状であった。そこで、本発明者らは、ストレスによって分泌されるβ−エンドルフィンが皮膚に対して何らかの有利な作用を発揮しているのではないかとの仮説のもとに種々の検討を行った。
これらの検討の結果、本発明者らは、β−エンドルフィンが皮膚において細胞賦活作用と美白作用を発揮することを見出した。
Zenello S.B.,Jackson D.M.,Holick M.F. et.al.,An immunocytochemical approach to the study of beta-endorphin production in human keratinocytes using confocal microscopy,Annals New York Academy of Sciences,1999,885(20),85-99 Wintzen M.,Zanello S.B.,Holick M.F.,Wiegant V.M.,Burbach J.P.,Vermeer B.J.,Condition-dependent presence of beta-lipotropin-like peptide in human keratinocytes,Peptides,2000,21(5),691-697
β−エンドルフィンが皮膚において細胞賦活作用と美白作用を発揮することが明らかとなったことから、β−エンドルフィンの産生を促進することにより、細胞賦活作用や美白作用による皮膚症状の予防や改善が可能であることが示された。このため、本発明者らはβ−エンドルフィンの産生を促進する成分を見出し、種々の皮膚症状に応用することが可能なβ−エンドルフィン産生促進剤を提供することを目的に種々の検討を行った。
したがって、本発明の目的は、β−エンドルフィンの産生を促進する成分を見出し、種々の皮膚症状に応用することが可能なβ−エンドルフィン産生促進剤を提供することにある。
優れた効果を発揮するβ−エンドルフィン産生促進剤を見出すために、本発明者らは、天然由来の種々の成分に関して、β−エンドルフィンの産生促進作用についての検討を行った。その結果、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより得られる抽出物に優れたβ−エンドルフィン産生促進作用を見出し、さらに種々の検討を行い、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を含有するβ−エンドルフィン産生促進剤に関する。
本発明によれば、優れた効果を発揮するβ−エンドルフィン産生促進剤を得ることができる。得られたβ−エンドルフィン産生促進剤は、皮膚におけるβ−エンドルフィンの産生を促進することにより、皮膚にリラックス効果を与えるとともに、ストレスに起因する種々の皮膚症状を予防あるいは改善することが可能である。特に、細胞賦活作用や美白作用に基づく皮膚症状の予防や改善を図ることができる。本発明により予防や改善が図られる皮膚症状の例としては、しわ,たるみ,しみ,くすみ,乾燥,肌荒れなどを挙げることができる。
本発明の原料として用いられる植物としては、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプを挙げることができる。テルミナリア(Terminalia sericea)は、シクンシ科モモタマナ属の植物であり、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の植物である。トウキンセンカ(Calendula officinalis)は、キク科カレンデュラ属の植物であり、ジャイアントケルプとは、レッソニア科に属するマクロシスティス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、マクロシスティス・インテグリフォリア(Macrocystis integrifolia)、ネオシティス・ルエトケアーナ(Nereocystis luetkeana)などの褐藻である。
これらの植物を使用する際は、抽出物を用いるのが簡便である。抽出には、植物の全草,花,茎,樹皮,根,芽,種子あるいは胞子等のいずれの部位を用いても構わないが、有効性や簡便性の点から、テルミナリアの場合は、樹皮あるいは根を用いるのが望ましく、セイヨウオトギリソウの場合は、全草を用いるのが望ましく、トウキンセンカの場合は、頭花を用いるのが望ましく、ジャイアントケルプの場合は、全藻を用いるのが望ましい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル,酢酸エチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
各植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮,乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはこれらの生理作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよく、前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物は、優れたβ−エンドルフィン産生促進作用を有し、β−エンドルフィン産生促進剤として利用することができる。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤は、単独でも使用することが出来るが、β−エンドルフィン産生促進剤として医薬品,医薬部外品,飲食品,化粧品などの種々の組成物に配合することにより、β−エンドルフィン産生促進作用を有する組成物を得ることが出来る。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤を配合する組成物の剤型は任意であるが、組成物が皮膚外用剤,洗浄剤,浴用剤などの場合には、ローションなどの可溶化系,乳液などの乳化系,カラミンローションなどの分散系,噴射剤と共に充填したエアゾール,軟膏剤,粉末,顆粒などの種々の剤型として提供することができる。また、組成物が経口用医薬品や飲食品の場合には、ドリンク剤・点滴剤などの液剤,ガム・飴のような固形剤,カプセル,粉末,顆粒,錠剤などの一般的な剤型とすることができる。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤を配合する組成物には、これらの他に、必要に応じて、通常医薬品,医薬部外品,皮膚化粧料,浴用剤,洗浄剤,食品などに配合される油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,薬剤,香料,樹脂,アルコール類,栄養強化物質,調味料などを適宜配合することができ、さらに他のβ−エンドルフィン産生促進剤との併用も可能である。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤の種々の組成物への配合量は、組成物の種類や目的等によって調整することができるが、有効性や使用性などの点から、組成物の全量に対して0.0001〜75重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜50重量%であり、最も好ましくは0.01〜25重量である。
テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤、あるいは該β−エンドルフィン産生促進剤を配合したβ−エンドルフィン産生促進用組成物は、ストレスに起因する種々の皮膚症状を予防あるいは改善することが可能である。特に、細胞賦活作用や美白作用に基づく皮膚症状の予防や改善を図ることができ、その例としては、しわ,たるみ,しみ,くすみ,乾燥,肌荒れなどの皮膚症状を挙げることができる。
以下に、抽出物の製造例、作用を評価するための試験について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
[製造例1] テルミナリア抽出物の調製
テルミナリアの樹皮及び根1kgにメタノールを9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を0.8重量%となるように1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解し、テルミナリア抽出物を得た。
[製造例2] セイヨウオトギリソウ抽出物の調製
セイヨウオトギリソウの全草1kgに50重量%1,3−ブチレングリコール水溶液を9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を2.0重量%となるように50重量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解し、ウスベニアオイ抽出物を得た。
[製造例3] トウキンセンカ抽出物の調製
トウキンセンカの花1kgに50重量%エタノール水溶液を9リットル加え、室温で7日間浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を2.0重量%となるように50重量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解し、トウキンセンカ抽出物を得た。
[製造例4] ジャイアントケルプ抽出物の調製
ジャイアントケルプ(Macrocystis pyrifera)の全草1kgに3%塩化ナトリウム水溶液を9リットル加え、室温でホモジナイズした。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去した後、抽出乾燥物を得た。
[β−エンドルフィン産生促進作用の評価]
試料には、製造例1〜4にて調製したテルミナリア抽出物(試料1)、セイヨウオトギリソウ抽出物(試料2)、トウキンセンカ抽出物(試料3)、及びジャイアントケルプ抽出物(試料4)を用いた。評価は、以下の手順で行った。ヒト表皮細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、市販のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。培養後に培養上清中に分泌されたβ−エンドルフィン産生量をELISA法により定量した。また、同時に細胞数を計測し、細胞当たりのβ−エンドルフィン産生量を算出した。各試料の評価結果を、ブランクの細胞あたりのβ−エンドルフィン産生量を100とした場合の相対値にて表1及び表2に示す。なお、表中の**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満の危険率(P<0.01)で有意差が認められたものを表したものである。
Figure 2005179291
Figure 2005179291
表1及び表2より、試料を添加した培地において、有意なβ−エンドルフィン産生促進作用が認められた。特に、試料1〜3を0.25〜1.0%添加した場合、及び試料4を0.25〜1.0mg/mL添加した場合には、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意なβ−エンドルフィン産生促進作用が認められた。このことから、β−エンドルフィンは、優れたβ−エンドルフィン産生促進作用を有することが明らかとなった。
次に、本発明者らが明らかにしたβ−エンドルフィンの皮膚における生理的作用の検討について示す。
[β−エンドルフィンによる表皮細胞賦活作用の評価]
評価は、試料としてヒトβ−エンドルフィンを用い、以下の手順で行った。ヒト表皮細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、市販のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに24時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を100μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした場合の相対値にて表3に示す。なお、表中の**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満の危険率(P<0.01)で有意差が認められたものを表したものである。
Figure 2005179291
表3より明らかなように、β−エンドルフィンを添加した培地において、有意な表皮細胞賦活作用が認められた。特に、β−エンドルフィンを0.125〜0.5ng/mL添加した場合には、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意な表皮細胞賦活作用が認められた。このことから、β−エンドルフィンは、優れた表皮細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
[β−エンドルフィンによる真皮線維芽細胞賦活作用の評価]
評価は、試料としてヒトβ−エンドルフィンを用い、以下の手順で行った。正常ヒト真皮線維芽細胞を1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1%のウシ胎児血清を添加したものを用いた。24時間培養後、任意の濃度の試料を添加した試験培地に交換し、さらに48時間培養した。次いで3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して2時間培養し、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価結果を、試料無添加のブランクにおける細胞賦活作用を100とした相対値にて表4に示す。なお、表中の**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)を表したものである。
Figure 2005179291
表4より明らかなように、β−エンドルフィンを添加した培地において、有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。特に、β−エンドルフィンを0.125〜0.5ng/mL添加した場合には、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意な真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。このことから、β−エンドルフィンは、優れた真皮線維芽細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
[β−エンドルフィンによるチロシナーゼ活性阻害作用の評価]
評価は、試料としてヒトβ−エンドルフィンを用い、以下の手順で行った。正常ヒト表皮メラニン細胞を1ウェル当り3.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはクラボウ社製Medium154Sを用いた。24時間後にMedium154Sによって各濃度に調整した試料液に交換し、さらに48時間培養した。次に、1重量%Triton−X含有リン酸緩衝液75μLに交換し、細胞を完全に溶解させた。その50μLを粗酵素液とし、これに基質となる50μLの0.05重量%L−ドーパ含有リン酸緩衝液を加え、37℃で2時間静置した。基質添加直後と反応終了時の405nmの吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定し、生成したドーパメラニン量を測定した。同時に各試料におけるタンパク量を測定し、タンパク量当たりのドーパメラニン生成量を算出した。チロシナーゼ活性阻害作用として、試料無添加のブランクにおけるタンパク量あたりのドーパメラニン生成量を100とした相対値にて表5に示した。なお、表中の**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率1%未満(P<0.01)を表したものである。
Figure 2005179291
表5より明らかなように、β−エンドルフィンを添加した培地を用いた場合に、有意なチロシナーゼ活性阻害作用が認められた。特に、β−エンドルフィンを2.5〜3.5ng/mL添加した場合には、ブランクと比較して、危険率1%未満で有意なチロシナーゼ活性阻害作用が認められた。このことから、β−エンドルフィンは、チロシナーゼ活性阻害作用を有し、優れた美白作用を発揮することが明らかとなった。
上記の検討により、β−エンドルフィンが皮膚において細胞賦活作用と美白作用を発揮することが明らかとされ、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤を用いてβ−エンドルフィンの産生を促進することにより、β−エンドルフィンの有する細胞賦活作用や美白作用を増強し、しわ,たるみ,しみ,くすみ,乾燥,肌荒れなど皮膚症状の予防や改善が可能であることが明らかとなった。
最後に、テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とするβ−エンドルフィン産生促進剤を含有する組成物の処方例として、皮膚外用剤及び食品の処方例を示すが、本発明のβ−エンドルフィン産生促進剤を配合する組成物は、これらに限定されるものではない。なお、各処方例に配合したβ−エンドルフィン産生促進剤には、製造例1〜4にて製造した各抽出物を用いた。
[処方例1]クリーム
(1)スクワラン 10.0(重量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20重量%水溶液) 15.0
(10)精製水 40.7
(11)カルボキシビニルポリマー(1重量%水溶液) 15.0
(12)β−エンドルフィン産生促進剤 1.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
[処方例2]内服液
(1)β−エンドルフィン産生促進剤 3.0(重量%)
(2)クエン酸 0.1
(3)ステビア 0.01
(4)精製水 93.89
(5)エリスリトール 3.0
製法:(1)〜(5)を均一に混合する。

Claims (1)

  1. テルミナリア、セイヨウオトギリソウ、トウキンセンカ、ジャイアントケルプより選ばれる1種又は2種以上の抽出物を含有するβ−エンドルフィン産生促進剤。
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