JP2005179097A - 多層セラミック基板の製造方法およびこれにより得られた多層セラミック基板 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法およびこれにより得られた多層セラミック基板 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成収縮が少なく寸法精度が高い多層セラミック基板の製造方法およびこれにより得られた多層セラミック基板を提供する。
【解決手段】焼成後の基板本体hの表面および裏面となるグリーンシートs1〜s3の表面1,10に金属粉末を含む導電性ペーストからなる電極2,8を形成する工程と、電極2,8の全側面とグリーンシートs1,s3の表面1,10との間に絶縁材12を形成する工程と、グリーンシートs1〜s3を積層して積層体Sを形成する工程と、積層体Sの表面1および裏面10にグリーンシートs1〜s3の焼成温度よりも高い焼成温度の焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を積層して複合積層体FSを形成する工程と、複合積層体FSをグリーンシートs1〜s3の焼成温度で焼成する工程と、焼成後の複合積層体FSから未焼成の焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を除去する工程と、を含む、多層セラミック基板の製造方法。
【選択図】 図8

Description

本発明は、焼成収縮が少なく寸法精度に優れた多層セラミック基板の製造方法およびこれにより得られた多層セラミック基板に関する。
グリーンシートを焼成してセラミック基板を得るに際し、焼結に伴う焼成収縮を抑制し寸法精度の良いセラミック基板を製造する方法が種々提案されている。
例えば、複数枚のガラスセラミック・グリーンシートを積層したガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、拘束グリーンシートをそれぞれ積層し、これらを焼成した後に未焼成の拘束シートを除去するプロセスにより、ガラスセラミック基板を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記拘束グリーンシートに含まれるガラス成分は、焼成時におけるガラスセラミック・グリーンシートと当該拘束グリーンシートとの結合力を高め、且つかかる拘束グリーンシートの焼成収縮を抑制可能な含有量とすることで、焼成後において寸法精度の高いガラスセラミック基板を製造可能としている。
特開2001−158670号公報(第1〜7頁、図1)
しかし、上記ガラスセラミック基板の製造方法では、焼成の後で、前記拘束グリーンシートを除去する際に、それに含まれていたガラス成分の結合力が強過ぎるため、当該拘束グリーンシートのみをきれいに除去できず、ガラスセラミック基板の表面および裏面を損傷することがある、という問題があった。
一方、ガラスを含む未焼成セラミック体の両面にセラミック固体層を積層し、且つ焼成した後に得られる焼成セラミック体から未焼成の上記セラミック固体層を除去する製造方法であって、上記焼成に際し上記焼成セラミック体からセラミック固体層へのガラス成分の浸透深さを50μm以下としたセラミック体の製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記セラミック体の製造方法では、上記セラミック体からセラミック固体層へのガラス成分の浸透深さが50μm以下と極く少量であるため、焼成時におけるセラミック固体層の拘束力が弱く、焼成収縮の抑制が不十分になることがある、という問題があった。
特開平4−243978号公報(第1〜13頁、図1〜6)
更に、前記セラミック体の製造方法において、図12に示すように、ガラスを含む未焼成セラミック体20,22,24の表面21,23に導電性ペーストからなる電極26,28を形成した後、表面21,23にセラミック固体層25,27を積層する場合がある。この場合、図12中の一点鎖線部分Yを拡大した図13で例示するように、電極26の周囲の表面21上にセラミック固体層25が充填されず、断面ほぼ3角形の隙間29が形成される。このため、前記焼成時におけるセラミック固体層25,27の拘束力が弱くなり、焼成後のセラミック体における焼成収縮の抑制が不十分になることがある、という問題もあった。
本発明は、前述した背景技術における問題点を解決し、焼成収縮が少なく寸法精度が高い多層セラミック基板の製造方法およびこれにより得られた多層セラミック基板を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、上記課題を解決するため、複数のグリーンシートを積層した積層体の表面および裏面に形成する電極の周囲において、前記隙間を形成しないようにする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の多層セラミック基板の製造方法(請求項1)は、複数のグリーンシートのうち焼成後の基板本体の表面および裏面となるグリーンシートの表面に金属粉末を含む導電性ペーストからなる電極を形成する工程と、かかる導電性ペーストからなる電極の全側面と上記グリーンシートの表面との間に絶縁材を形成する工程と、上記複数のグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、かかる積層体の表面および裏面に上記グリーンシートの焼成温度よりも高い焼成温度の焼成収縮抑制グリーンシートを積層して複合積層体を形成する工程と、かかる複合積層体を上記グリーンシートの焼成温度で焼成する工程と、焼成後の上記複合積層体から未焼成の焼成収縮抑制グリーンシートを除去する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、複数のグリーンシートの表面、あるいはこれらを積層した積層体の表面および裏面に形成され且つ導電性ペーストからなる電極の周囲(側面)に沿って絶縁材が形成される。このため、焼成収縮抑制グリーンシートを積層して複合積層体を形成した際に、上記導電性ペーストからなる電極の周囲に隙間が形成されないか、極く微小な隙間に抑制することができる。従って、積層体の表面および裏面と焼成収縮抑制グリーンシートとの接触面積が向上するため、焼成工程においてグリーンシートの平面(X−Y)方向の焼成収縮を確実に低減できるので、寸法精度の高い多層セラミック基板を提供することが可能となる。
付言すれば、前記絶縁材は、セラミック粉末および樹脂、もしくはセラミック粉末とガラス粉末との混合物からなる絶縁性ペーストまたは柔軟な絶縁性シートである、多層セラミック基板の製造方法を本発明に含まれ得る。これによる場合、導電性ペーストからなる電極の全側面および積層体の表面または裏面と焼成収縮抑制グリーンシートとの間に隙間を形成することなく、絶縁材を容易に形成することが可能となる。
尚、前記導電性ペーストからなる電極は、グリーンシートの厚み方向に沿った平面視において正方形または長方形の矩形を呈する形態の他、例えば円形や楕円形、あるいは一部に曲線を含む形状も含まれ、これらの場合、前記側面は、曲面を含む周面となる。また、前記全側面とは、グリーンシートの厚み方向に沿った平面視における電極の周辺を指すと共に、かかる電極の厚み方向における頂部寄りの位置を除いたグリーンシートの表面寄りの位置も含まれる。
更に、前記絶縁材を形成する工程は、前記積層体を形成する工程の前および後の何れであっても良い。
また、本発明には、前記絶縁材を形成する工程において、かかる絶縁材は、前記導電性ペーストからなる電極の傾斜した曲面を含む側面と前記グリーンシートの厚み方向に沿った平面視において重複している、多層セラミック基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、絶縁材は、導電性ペーストからなる電極の全側面と平面視にて重複して形成されるため、積層体の表面または裏面と焼成収縮抑制グリーンシートとの間に隙間が形成されにくくなる。しかも、絶縁材は、前記グリーンシートと同じ組成であり、且つ焼成時にかかるグリーンシートと共に焼結するため、上記導電性ペーストが焼結した電極の側面を不用意な外力から保護することも可能となる。
更に、本発明には、前記絶縁材を形成する工程において、かかる絶縁材は、導電性ペーストからなり且つ隣接する複数の前記電極における対向する一対の側面と前記グリーンシートの表面との隙間に充填して形成される、多層セラミック基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、隣接する複数の電極間とグリーンシートの表面との隙間には、絶縁材が充填されるため、積層体の表面または裏面と焼成収縮抑制グリーンシートとの間に隙間が一層形成されにくくなると共に、焼成工程で上記導電性ペーストを焼結して得られる電極の保護も確実となる。
一方、本発明の多層セラミック基板(請求項4)は、以上の製造方法により形成され、前記複数のグリーンシートを焼成した複数のセラミック絶縁層からなる基板本体と、かかる基板本体の表面および裏面に形成され且つ前記導電性ペーストを焼結した電極と、かかる電極の全側面と上記表面または裏面との間に形成され且つ前記絶縁材を焼成した表面絶縁部と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記焼成収縮が少なく寸法精度の高い複数のセラミック絶縁層からなる基板本体の表面および裏面に電極が形成されているため、かかる表面上にハンダなどを介してICチップなどの電子部品の実装や、裏面側の電極によりマザーボードなどの導通を容易に行うことが可能となる。しかも、電極の周囲は、表面絶縁部により囲まれているため、不用意な外力から保護することができる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の多層セラミック基板の製造方法(第1方法)に用いるグリーンシートsの断面を示す。かかるグリーンシートsは、ガラス粉末、アルミナ粉末、およびバインダ樹脂などを混合して得たセラミックスラリをドクターブレード法により、約150μmの厚みのシート状に成形したものである。
図2に示すように、3枚のグリーンシートs1,s2,s3を用意すると共に、図2の右側に示すように、プレスによる打ち抜き加工などにより、グリーンシートs1,s2,s3の表面1,5,9と裏面3,7,10との間を貫通する内径約150μmのスルーホールhを所定の位置に複数個形成する。
次に、図2の左側および中央に示すように、上記複数のスルーホールh内に、図示しないメタルマスクおよびスキージを用いて、Ag粉末などを含む導電性ペーストを充填することにより、ビア導体vを個別に形成する。
更に、図3に示すように、グリーンシートs1,s2,s3の表面1,5,9およびグリーンシートs3の裏面(表面)10に、上記同様の導電性ペーストを用い且つ公知のスリーン印刷により、厚さ約15μmの電極2,8および所定パターンの配線層4,6を形成する(電極を形成する工程)。
次いで、図4に示すように、ビア導体v、電極2,8および配線層4,6が形成されたグリーンシートs1,s2,s3を厚み方向に積層して熱圧着することにより、3層構造の積層体Sを形成する(積層体を形成する工程)。
次に、図5で例示するように、電極2,8の全側面とグリーンシートs1,s3の表面1または裏面10との間に絶縁性ペーストからなる絶縁材12を形成する(絶縁材を形成する工程)。かかる絶縁材12は、50〜90wt%のセラミック粉末もしくはセラミック粉末およびガラス粉末の混合物と、10〜50wt%の樹脂との混合物からなる。例えば、平均粒径3μmのアルミナ粉末および平均粒径3μmのガラス粉末の混合物:85wt%と、エチルセルロース:15wt%との混合物が用いられ、且つグリーンシートs1,s3の焼成温度で焼成可能である。
図5中の一点鎖線部分Xを拡大した図6で例示するように、絶縁材12は、電極2(8)の傾斜した曲面からなる側面2a(8a)とグリーンシートs1(s3)の厚み方向に沿った平面視において重複すると共に、断面全体が変形したほぼ台形またはほぼ菱形を呈する。
また、図7で例示するように、グリーンシートs1,s3の表面1や裏面10において、隣接する電極2,2(8,8)間の距離が短い場合、かかる電極2,2(8,8)の側面2a,2a(8a,8a)間と表面1または裏面10とに囲まれた隙間に、全体の断面がほぼ逆台形の絶縁性ペーストからなる絶縁材14を充填して形成しても良い。かかる絶縁性材14の表面は、電極2,2(8,8)の頂面と面一にしても良い。
尚、絶縁性ペーストからなる前記絶縁材12,14に替えて、セラミック粉末もしくはセラミック粉末およびガラス粉末の混合物と、アクリル樹脂またはブチラール樹脂とからなる柔軟な絶縁性シートを用いても良い。また、かかる絶縁性シートからなる絶縁材12,14も、前記グリーンシートs1〜s3の焼成温度で焼成可能である。
次いで、図8に示すように、積層体Sの表面1および裏面10に焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を積層し且つ熱圧着して複合積層体FSを形成する(複合積層体を形成する工程)。この際、電極2,8の全側面には、絶縁材12が形成されているため、当該電極2,8の周囲と焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2との間には、前記図13に示したような隙間が形成されないか、あるいは極く微小な隙間に抑制できる。
尚、上記焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2は、アルミナを主成分とし且つガラスを含まず、グリーンシートs1〜s3の厚みよりも厚肉である。
更に、前記複合積層体FSを図示しない焼成炉に挿入した後、前記グリーンシートs1〜s3の焼成温度(約850℃)に加熱して約2時間にわたり焼成する(焼成工程)。同時に、焼成に伴って積層体Sにおけるグリーンシートs1〜s3中のガラス成分の一部が、表面1および裏面10を介して当該焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2に僅かに浸透する。
この際、焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2は、電極2,8の周囲に前記隙間がないか、極く微小な隙間しか形成されないため、積層体Sの表面1および裏面10を介して積層体Sの平面方向に沿った焼成収縮を強固に抑制する。
焼成後において、複合積層体FSのうち、グリーンシートs1〜s3は、焼成されてセラミック絶縁層(z1〜z3)になり、絶縁材12は、焼成されて表面絶縁部12になると共に、積層体Sの表面1および裏面10には、未焼成の焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2が残っている。かかる焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2は、ガラス成分を殆んど含まず且つ未焼成である。
そして、セラミック絶縁層z1〜z3の表面1および裏面10から、焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を除去する(除去工程)。この際、かかる焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2は、ガラス成分を殆ど含まず且つ未焼成であるため、物理的な引き剥がしや熱的衝撃などにより容易に除去することができる。
その結果、図9に示すように、焼成されたセラミック絶縁層z1〜z3が一体化して積層された焼成済みの基板本体h、周囲を表面絶縁部12に囲まれた電極2,8、および配線層4,6などを備えた多層セラミック基板Kを得ることができる。
図10は、異なる形態の製造方法の1工程を示す。
図10に示すように、ビア導体vおよび電極2が形成されたグリーンシートs1と、ビア導体v、配線層6、および電極8が形成されたグリーンシートs3とにおいて、それらの表面1および裏面(表面)10における電極2,8の全側面に絶縁性ペーストからなる絶縁材12を形成した工程を示す。かかるグリーンシートs1,s3間に、ビア導体vおよび配線層4が形成されたグリーンシートs2を挟持し且つ熱圧着して前記積層体Sを形成し、更に前記複合積層体FSを形成する工程、焼成工程、および複合積層体FSから焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を除去する工程を行うことによっても、前記多層セラミック基板Kを製造することができる。尚、電極2,2間や電極8,8間に、絶縁性ペーストまたは絶縁性シートからなる前記絶縁材14を形成しても良い。
以上のような多層セラミック基板Kの製造方法によれば、積層体Sの表面1や裏面10における電極2,8の全側面に絶縁材12(14)が形成されているため、かかる積層体Sに焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を積層して複合積層体FSを形成した際に、電極2,8の周囲に隙間が形成されにくくなる。この結果、積層体Sの表面1および裏面10と焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2との接触面積が向上するため、焼成時における拘束力が著しく向上する。従って、焼成後の基板本体hの平面方向(X−Y方向)における焼成収縮を可及的に抑制でき、寸法精度に優れた多層セラミック基板Kを確実に提供することが可能となる。
また、得られた多層セラミック基板Kは、前記製造方法により形成されているため、その基板本体hを形成するセラミック絶縁層z1〜z3の焼成収縮が少ないので、寸法精度および平坦性に優れている。更に、基板本体hの表面1や裏面10に形成される多数の電極2,8は、その全側面2a,8aが表面絶縁部12,14に覆われているため、外力による不用意な変形や脱落からも十分保護される。加えて、基板本体hの表面1および裏面10に電極2,8が形成されているため、かかる表面1上にハンダなどを介するICチップなどの電子部品の実装や、裏面10側の電極8によりマザーボードなどとの導通を容易に行うことが可能となる。従って、多層セラミック基板Kにおける配線層4,6、ビア導体v、および電極2,8に関連する電気的特性の信頼性が向上する。
ここで、本発明の具体的な実施例について、比較例と併せて説明する。
先ず、グリーンシートs1〜s3を得るため、これに用いるガラス粉末を用意した。SiO、B、Al、CaO、およびZnOの各粉末を混合してガラス原料粉末を調合した。得られた原料粉末を加熱して溶解した後、水中に投入して急冷し且つ水砕して、ガラスフリットを得た。かかるガラスフリットをボールミル中で更に粉砕することで、平均粒径3μmのガラス粉末を得た。
次に、上記ガラス粉末と、平均粒径3μmで且つ比表面積が1.0m/gのアルミナ粉末とを、重量比1:1で総重量1kgとなるよう秤量して、アルミナ製ポット中に投入した。かかるポット中に、バインダのアクリル樹脂:120gと、所要のスラリ粘度およびシート強度を得るために必要な量の溶剤(MEK)および可塑剤(DOP:フタル酸−2−エチルヘキシル)と、を投入し且つ5時間混合することで、セラミックスラリを得た。かかるセラミックスラリをドクターブレード法によって、縦・横が50mmずつで且つ厚みが0.15mmのグリーンシートs1〜s3を14組得た。
一方、前記と同じアルミナ粉末を用い且つ前記と同様な方法によって、縦・横が50mmずつで且つ厚みが0.30mmの焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を14組得た。
更に、図11で例示するように、7組のグリーンシートs1,s3の表面1と裏面10とに、縦・横が5mmずつで且つ厚みを表1に示すように各組ごとに変化させた導電性ペーストからなる電極2,8を、縦・横それぞれ5個ずつ5mmピッチの間隔になるように、スクリーン印刷により形成した。尚、グリーンシートs1〜s3には、前記ビア導体vや配線層4,6を形成していない。
前記製造方法と同様にして、7組のグリーンシートs1〜s3を積層し且つ熱圧着して、7組の積層体Sを得た後、図11で例示するように、各組のグリーンシートs1,s3の表面1や裏面10における電極2,8の全側面2a,8aを覆うように絶縁性ペーストからなる絶縁材12を形成した。尚、かかる絶縁材12は、平均粒径3μmのアルミナ粉末および平均粒径3μmのガラス粉末の混合物:85wt%と、エチルセルロース:15wt%とを混合したものであって、その無機成分は、グリーンシートs1〜s3と同じ組成である。
更に、7組の積層体Sの表面1および裏面10に上記焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を個別に積層し圧着することで、7組の複合積層体FSを得た。
かかる7組の複合積層体FSを850℃×2時間で焼成した後、未焼成の焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2を除去して、実施例1〜7の多層セラミック基板Kを得た。
一方、残り7組のグリーンシートs1,s3の表面1と裏面10とに、縦・横が5mmずつで且つ厚みを表1に示すように各組ごとに変化させた電極2,8を縦・横それぞれ5個ずつ5mmピッチの間隔になるように、スクリーン印刷により形成し、グリーンシートs2を挟んで7組の積層体Sを形成した。かかる7組の積層体Sでは、電極2,8の周囲に絶縁材12を形成せず、前記と同じ条件で複合積層体FSを形成する工程、焼成工程、および焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2の除去工程を行って、比較例1〜7の多層セラミック基板を得た。
実施例1〜7および比較例1〜7の多層セラミック基板(K)における基板本体hの平面(X−Y)方向の焼成収縮率を個別に測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2005179097
表1によれば、前記製造方法により製造した実施例1〜7の多層セラミック基板Kは、何れも焼成収縮率が0.25%以下と微小であった。
一方、比較例1〜7の多層セラミック基板は、焼成収縮率が0.42%以上と顕著であった。即ち、比較例1〜7の多層セラミック基板では、電極2,8の周囲に絶縁材(表面絶縁部)12が形成されなかったため、電極2,8の周囲と焼成収縮抑制グリーンシートy1,y2との間に、隙間が顕著に形成されたことに起因して、焼成時の焼成収縮率が0.4%を越える値となったものと推定される。
以上のような実施例1〜7の結果により、本願の発明の効果が裏付けられたことが容易に理解することができる。
本発明は、以上において説明した実施の形態および実施例に限定されない。
例えば、前記積層体Sや基板本体hは、2層のみ、あるいは4層以上のグリーンシートまたはセラミック絶縁層によって形成しても良い。
また、前記積層体Sまたは基板本体hは、表面1寄りに位置する単数または複数のグリーンシートまたはセラミック絶縁層に上向きに開口するキャビティを有する形態とすることも可能である。
更に、同じ積層体Sの表面1および裏面10における前記電極2,8の全側面(周囲)には、前記絶縁材12と絶縁性材14とを併用しても良い。
尚、前記導電性ペーストは、前記Ag粉末のほか、W、Mo、Cu粉末、あるいは、Ag−Cu、Ag−Pd、Ag−Pt、Cu−W合金の粉末を含んでいても良い。
本発明の製造方法に用いるグリーンシートを示す断面図。 上記製造方法における1工程を示す概略図。 図2に続く工程を示す概略図。 図3に続く工程を示す概略図。 図4に続く工程を示す概略図。 図5中の一点鎖線部分Xの拡大図。 異なる形態の絶縁材を示す図6と同様な拡大図。 図5,6に続く工程を示す概略図。 図8に続く工程および得られた本発明の多層セラミック基板を示す概略図。 異なる製造方法における1工程を示す概略図。 実施例のグリーンシートを例示する平面図。 従来のセラミック体の製造方法を示す概略図。 図12中の一点鎖線部分Yの拡大図。
符号の説明
1……………表面
2,8………電極
2a(8a)…電極の側面
10…………裏面
12,14…絶縁材/表面絶縁部
s1〜s3…グリーンシート
S……………積層体
y1,y2…焼成収縮抑制グリーンシート
FS…………複合積層体
h……………基板本体
z1〜z3…セラミック絶縁層
K……………多層セラミック基板

Claims (4)

  1. 複数のグリーンシートのうち焼成後の基板本体の表面および裏面となるグリーンシートの表面に金属粉末を含む導電性ペーストからなる電極を形成する工程と、
    上記導電性ペーストからなる電極の全側面と上記グリーンシートの表面との間に絶縁材を形成する工程と、
    上記複数のグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
    上記積層体の表面および裏面に上記グリーンシートの焼成温度よりも高い焼成温度の焼成収縮抑制グリーンシートを積層して複合積層体を形成する工程と、
    上記複合積層体を上記グリーンシートの焼成温度で焼成する工程と、
    焼成後の上記複合積層体から未焼成の焼成収縮抑制グリーンシートを除去する工程と、
    を含む、ことを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  2. 前記絶縁材を形成する工程において、かかる絶縁材は、導電性ペーストからなる前記電極の傾斜した曲面を含む側面と前記グリーンシートの厚み方向に沿った平面視において重複している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 前記絶縁材を形成する工程において、かかる絶縁材は、導電性ペーストからなり且つ隣接する複数の前記電極における対向する一対の側面と前記グリーンシートの表面との隙間に充填して形成される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかの製造方法により形成され、
    前記複数のグリーンシートを焼成した複数のセラミック絶縁層からなる基板本体と、
    上記基板本体の表面および裏面に形成され且つ前記導電性ペーストを焼結した電極と、
    上記電極の全側面と上記表面または裏面との間に形成され且つ前記絶縁材を焼成した表面絶縁部と、を含む、
    ことを特徴とする多層セラミック基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100872297B1 (ko) 2007-10-31 2008-12-05 삼성전기주식회사 다층 세라믹 기판의 제조 방법

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KR100872297B1 (ko) 2007-10-31 2008-12-05 삼성전기주식회사 다층 세라믹 기판의 제조 방법

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